JP3560379B2 - Ethylene polymer and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なエチレン重合体、並びに、その重合体の製造法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、高強度かつ成型性にすぐれたエチレン重合体、並びにその製造法に関するものである。本発明によるエチレン重合体は、従来のエチレン重合体に比較して成型性にすぐれたものであって、高速成型が可能になって成型効率が改善されたものであると同時に、透明性および強度も改良されたものである。
【0002】
【従来の技術】
高圧ラジカル重合により得られる低密度ポリエチレンは、透明性並びに成型性が良好なポリエチレンであるが、しかし用途によっては引裂強度、引張強度、耐衝撃強度などの機械的強度や、耐熱性が充分であるとは言い難かった。
【0003】
一方、いわゆるZiegler Natta 触媒を用いて得られたエチレン重合体(エチレンの単独重合体およびエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体を含む)は、機械的強度が良好なものと言える。しかし、その反面、特にエチレン単独重合体の場合は、ポリマー中にいわゆる長鎖分岐が実質上存在しないためか、若干の成型性の悪化が見られる。また、ヒートシール性や耐衝撃強度を改良しようとしてコモノマーの量を多くすると、コモノマーの賦存状態が不均一となりがちで、生成共重合体はそれをフィルムとしたときにブロッキングが発生する場合があるために、その改良が望まれていた。
【0004】
これらの点を改良する目的で、メタロセン化合物とアルモキサンを組み合わせた触媒系を用いたエチレン系重合体が製造されている(特開昭58−19309号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同61−130314号、同61−221208号、同62−121709号、同62−121711号、同63−39905号および同63−92621号各公報)。これらの提案により、コモノマーの入り方が均一化して、ベタツキの原因となるような共重合体を実質上副生させることなく、低密度のポリマーが得られるようになり、透明性、ヒートシール性および耐衝撃強度等が大巾に改善された。しかし、その反面、この種の触媒系により得られるエチレン重合体は、通常分子量分布が狭く、GPCで測定した重量平均分子量と数平均分子量との比が2付近のものが一般的であって、成型性、特に押し出し圧力や表面あれ等の成型性、が満足できるレベルになく、Ziegler Natta 触媒を用いたものよりもさらに悪化する傾向があった。
【0005】
これらを改良する提案が特開平2−276807号及び特開平6−306121号各公報に示されている。しかし、本発明者らが知るところでは、これらの重合体では従来の分子量分布が狭いポリマーに共通した成型性不良の問題はある程度改良されてはいるものの、高圧法で得られる低密度ポリエチレンに比べると未だ不充分であるようであり、より一層の改良が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のエチレン重合体並びにその製造技術の問題点を解決するためになされたものであって、主として成型性並びに機械的物性の良好なエチレン重合体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕
<要旨>
本発明は、上記の目的に対し鋭意検討した結果として見出されたものである。
すなわち、本発明によるエチレン重合体は、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体であって、下記の要件(イ)〜(ニ)を同時に充足すること、を特徴とするものである。
要件(イ):190℃、10kg荷重時における押し出し量(MFR10)と190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)との比(FR値)が10を越えること、
要件(ロ):190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)が0.03g/10分以上50g/10分以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)とMFR2とが下記の条件を満たすこと、
【0008】
【数2】
要件(ハ):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が1.5〜3.5の範囲内にあること、
要件(ニ):低角度レーザ光散乱光度計により測定された還元散乱強度を高分子量側から積分し、5%の積分強度を示す溶出位置の分子量(M5)と重量平均分子量(Mw)との関係が
M5/Mw<20
であること。
【0009】
また、本発明によるエチレン重合体の製造法は、下記の成分(A)および成分(B)からなる触媒に、エチレンあるいはエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとを接触させて、不活性溶媒の存在下に重合を行なって重合体を粒子状態で得ることからなるエチレン重合体の製造方法であって、請求項1に記載のエチレン重合体を製造すること、を特徴とするものである。
成分(A):下記の一般式〔I〕で表される4族遷移金属化合物、
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物。
【化2】
〔ここで、Meは4族遷移金属を、Aは共役五員環配位子を、Zは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子を、Qは共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基を、XおよびYはそれぞれ水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を、それぞれ示す。〕
【0010】
<効果>
本発明によれば、機械的物性、透明性および低温ヒートシール性等の良好であり、成型の際の吐出圧力も低く、高速で成型しても表面あれ等をおこしにくいエチレン重合体が提供可能となる。このようなエチレン重合体は、従来のエチレン重合体よりも広範に利用できるものであって、成型サイクルならびに成型速度等を改善し、生産性の大巾な改良が期待されるものである。
【0011】
上記要件(イ)〜(ニ)を同時に満足する重合体は、特に高分子量体の生成を抑制しつつ(要件(ニ))、要件(ロ)の値が4.4〜4.8にあるエチレン重合体は、従来全く得られていない。ちなみに、従来公知のポリマーは、要件(ロ)での式の値がいずれも約5.0〜6.0であり、成型性の良いものでも5.0程度であった。
【0012】
〔発明の具体的説明〕
〔I〕 エチレン重合体
本発明による新規なエチレン重合体は、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体であって、所定の要件(イ)〜(ニ)を同時に充足すること、を特徴とするものである。
【0013】
なお、本発明によるエチレン重合体が共重合体である場合、コモノマー成分は、炭素数3〜20のα‐オレフィンから選ばれた1種または2種以上のα‐オレフィンのみである場合の他に、エチレンおよび(または)炭素数3〜20のα‐オレフィンと共重合可能なモノマー、例えばジエン類および環状オレフィン(詳細後記)、であることもできる。したがって、本発明によるエチレン重合体は、そのようなモノマーからなる共重合体を包含するものである。
【0014】
<要件(イ)>
要件(イ)は、190℃、10kg荷重時における押し出し量(MFR10)と190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)との比(FR値(FR=MFR10/MFR2))が10を越えること、というものである。この値の上限は特に定まらないが、一般的には100、好ましくは70、さらに好ましくは60、であり、下限は、一般的には10、好ましくは12、さらに好ましくは15、である。従って、FR値は、一般的には10〜100、好ましくは12〜70、さらに好ましくは15〜60、である。
【0015】
<要件(ロ)>
要件(ロ)は、190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)が0.03g/10分以上50g/10分以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)とMFR2とが下記の条件を満たすこと、というものである。
【0016】
【数3】
MFR2は、好ましくは40g/10分以下、特に好ましくは25g/10分以下、である。また、
【0017】
【数4】
(以下、Fと示すことがある)が4.9以上であると、要件(ハ)(詳細後記)、すなわちMw/Mnが1.5〜3.5、を充足するものでは、エチレン重合体の溶融押し出し時の樹脂圧が上がる等の成型性が悪化し、また4.0以下になるような樹脂は現在のところ得られていない。Fの値は、4.4〜4.8である。
【0018】
<要件(ハ)>
要件(ハ)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が1.5〜3.5の範囲内にあること、というものである。Mw/Mnが3.5を超えると機械的物性の低下や透明性の悪化につながり、他方1.5より小さくなると加工性の改良が得られなくなる。好ましい両者の比は、1.5〜3.0、より好ましくは1.8〜3.0の範囲である。
【0019】
<要件(ニ)>
要件(ニ)は、低角度レーザ光散乱光度計により測定された還元散乱強度を高分子量側から積分し、5%の積分強度を示す溶出位置の分子量(M5)と重量平均分子量(Mw)との関係が
M5/Mw<20
であること、というものである。M5/Mwが20以上であると、すなわちM5がMwの20倍以上であると、成型時にフィッシュアイが発生したり、透明性が悪化する場合がある。好ましいM5/Mwの値は、15以下、特に好ましくは10以下、である。
【0020】
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、下記の条件で測定を行って得たものである。重量平均分子量の測定に慣用されているものとしてサイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography ,SEC)もあるが、対象物が微量の超高分子量物を含む場合は、SECには排除限界の問題、検出感度の問題などがあって微量成分を正確に測定することが困難なためである。
【0021】
測定に用いた装置は、SEC−LALLS法、即ちSECとしてWaters社製ALC/GPC 150Cを用い、SECのカラムから温度コントロールされたトランスファーチューブを用いて低角度レーザ光散乱光度計(LALLS)(Chromatix 社製KMX−6)に接続し、LALLSのフローセルから出た溶液を温度コントロールされたトランスファーチューブを用いて、SECに付属している示差屈折計に直列にオンライン接続された装置を用いた。SECの自動注入部とカラムの間にインサートフィルター(Waters社製、品番88084)を用いた以外は他のフィルターを使用しなかった。また、試料溶液の通る配管として内径0.02インチのステンレスチューブを用いた。
【0022】
溶液の調製は、試料20mgを精秤し、BHTを添加した溶離液20mlを加え、140℃の空気恒温槽で2時間に数回撹拌し完全に溶解後、さらに1時間140℃で加熱し、予め同じ温度に加熱した自動注入用の試料ビンに溶解状態で移し、測定溶液とした。この溶解処理において濾過は行っていない。
【0023】
他の測定条件は以下の通りである。
重量平均分子量(Mw)の計算は、下記の式により行った。
【0024】
【数5】
ここで、ΔVは溶出体積Vi とVi+1 の差分(0.1ml)、Kは下式で表される光学定数、mは注入された試料の重量であって、濃度(Co )、注入体積(Vinj )、溶媒の膨張係数(α)から下式により求めた。溶媒の膨張係数は25℃における溶媒の密度を140℃における溶媒密度で除した値であり、1.117を用いた。
m=Co ×Vinj /α
【0025】
【数6】
<数平均分子量(Mn)>
単分散標準ポリスチレン(東ソー製)を用いて、普遍較正曲線を作成し、それに基づいてポリエチレンの換算分子量を得て、数平均分子量を算出する。極限粘度と分子量の関係式は以下の式を用いる。
[η]=6.815×10−4×M0.674 (ポリエチレン)
[η]=1.538×10−4×M0.691 (ポリスチレン)
<超高分子量成分の存在確認>
超高分子量成分の存在の確認は、低角度レーザ光散乱光度計により測定された還元散乱強度を高分子量側から積算し、5%の積分強度を示す溶出位置の分子量(M5)を求める。分子量の計算は下記の式を用いる。
【0026】
【数7】
ここで、hi は示差屈折計により得られたクロマトグラムの高さ、
【0027】
【数8】
は還元散乱強度を高分子量側から積算し、5%の積分値を示す溶出位置の還元散乱強度、h5はその溶出位置におけるクロマトグラムの高さである。ΔV、Kおよびmは前記と同様である。
【0028】
〔II〕 エチレン重合体の製造法
上記の要件(イ)〜(ロ)を同時に充足するエチレン重合体は、合目的的な任意の方法により製造することができるが、本発明によるエチレン重合体は、下記の成分(A)および成分(B)からなる触媒〔ここで、「からなる」とは、挙示の成分、すなわち成分(A)および成分(B)、のみからなるものの他に、これらの成分以外の合目的的な成分を含んでなるものをも意味する〕に、エチレンあるいはエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとを接触させて重合させることにより製造することができる。本発明はまた、このようなエチレン重合体の製造法に関するものである。
【0029】
<成分(A)>
成分(A)は、下記の一般式〔I〕で表わされる4族遷移金属化合物である。
【0030】
【化2】
〔ここで、Meは4族遷移金属を、Aは共役五員環配位子を、Zは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子を、Qは共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基を、XおよびYはそれぞれ水素原子、ハロゲン基、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を、それぞれ示す。〕
Aは共役五員環配位子である。この共役五員環配位子の典型例としては、共役炭素五員環配位子、すなわちシクロペンタジエニル基、を挙げることができる。このシクロペンタジエニル基は、水素原子を5つ有するもの〔C5H5−〕であってもよく、またその誘導体、すなわちその水素原子のいくつかが置換基で置換されているもの、であってもよい。この置換基の一つの具体例は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基であるが、この炭化水素基は一価の基としてシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、またこれが複数個存在するときにそのうちの2個がそれぞれ他端(ω‐端)で結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環を形成してもよい。後者の代表例は、2個の置換基がそれぞれのω‐端で結合して当該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合6員環を形成しているもの〔すなわちインデニル基またはフルオレニル基〕、あるいは縮合7員環を形成しているもの〔すなわちアズレニル基〕である。従って、共役五員環配位子の典型例は、置換または非置換のインデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基ということができる。
【0031】
シクロペンタジエニル基上の置換基としては、前記の炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基の外に、ハロゲン基(たとえば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(たとえば、C1〜C12のもの)、ケイ素含有炭化水素基(たとえば、ケイ素原子を−Si(R1)(R2)(R3)の形で含む炭素数1〜24程度の基)、リン含有炭化水素基(たとえば、リン原子を−P(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)、窒素含有炭化水素基(たとえば、窒素原子を−N(R1(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)あるいはホウ素含有炭化水素基(たとえば、ホウ素原子を−B(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)である。置換基が、複数ある場合、各々が同一であっても異なってもよい。
【0032】
Meは、周期律表4族の金属原子、好ましくはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムである。特にはチタンおよびジルコニウムが好ましい。
Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子である。Zとして好ましいものは、酸素(−O−)、イオウ(−S−)、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基である。
【0033】
Qは、2つの五員環配位子間とZ基とを架橋する結合性基を表す。詳しくは、Qは(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、
(ロ)シリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基、
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基〔具体的には(CH3)2Ge基、(C6H5)2Ge基、(CH3)P基、(C6H5)P基、(C4H9)N基、(C6H5)N基、(CH3)B基、(C4H9)B基、(C6H5)B基、(C6H5)Al基、(CH3O)Al基等〕等である。好ましいものは、アルキレン基およびシリレン基である。架橋基は共役五員環の任意な位置と結合可能である。
【0034】
XおよびYは、各々水素、ハロゲン基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(具体的には、たとえばジフェニルホスフィン基)、あるいは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基(具体的には、たとえばトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基)である。XとYとは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン基、炭化水素基(特に炭素数1〜8のもの)およびアミノ基が好ましい。
本発明においては二種以上の化合物を併用することができる。
【0035】
Meがチタニウムである場合のこの遷移金属化合物の具体例は、下記の通りである。
(1) ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド
(2) ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)シクロヘキシルアミドチタニウムジクロリド
(3) ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミドチタニウムジクロリド、
(4) ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)シクロオクチルアミドチタニウムジクロリド、
(5) ジメチルシリレン(2‐メチルインデニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド、
(6) ジメチルシリレン(インデニル)シクロヘキシルアミドチタニウムジクロリド、
(7) ジメチルシリレン(フルオレニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド、
(8) ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミドチタニウムジクロリド、
(9) ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)(トリメチルシリル)アミドチタニウムジクロリド、
(10) ジフェニルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)2,6‐ジメチルフェニルアミドチタニウムジクロリド、
(11) イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド、
(12) ジメチルゲルマン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド等が例示される。
また、上記の化合物の塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニル等に置きかえたものも使用可能である。
【0036】
さらに、本発明では、上記に例示したチタニウム化合物の中心金属をチタニウムからジルコニウムまたはハフニウムに換えた化合物も用いることができる。
【0037】
これらのうちで好ましいのは、ジルコニウム化合物およびチタン化合物である。さらに好ましいものは、アルキレン基あるいはシリレン基で架橋したチタン化合物である。
【0038】
<成分(B)>
成分(B)は、有機アルミニウムオキシ化合物である。
(イ) その好ましい1つの代表例はアルモキサンである。
アルモキサンは一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。具体的には一種類のトリアルキルアルミニウムから得られるメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン等、および二種類のトリアルキルアルモニウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。
【0039】
本発明では、これらのアルモキサンを複数種併用することも可能であり、またアルモキサンとトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウムとを併用することも可能である。
【0040】
また、二種類のアルモキサンあるいは一種類のアルモキサンと他の有機アルミニウム化合物とを反応させることにより、変成されたアルモキサンを用いることも可能である。
これらの中で好ましいものは、メチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサンおよびこれらのアルモキサンとトリアルキルアルミニウムとの混合物である。特に好ましいものは、メチルアルモキサンおよびメチルイソブチルアルモキサンである。
エチレンの重合には、このうちでも特に27Al−NMRの測定でのケミカルシフトが160〜250ppmの間に位置し、線幅が3000Hz以上の値を示す特徴を有するメチルイソブチルアルモキサンが好ましい。
【0041】
これらのアルモキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。具体的には以下の様な方法が例示できる。
(i) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ii) トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、
(iii ) トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法、
(iv) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(v) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、
(vi) シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで追加処理する方法、
(vii ) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方法。
【0042】
(ロ) 有機アルミニウムオキシ化合物の別の代表例は、炭素数1〜10の炭化水素基或いは炭素数1〜10のハロゲン含有炭化水素基とホウ素が結合した構造を有するアルキルボロン酸〔成分(i) 〕と有機アルミニウム化合物〔成分(ii)〕との反応生成物である有機アルミニウムオキシ化合物である。
【0043】
成分(i) は、一般式 R4−B(OH)2
で表わされるアルキルボロン酸である(R4は、炭素数1〜10、好ましくは1〜6、の炭化水素残基或いは炭素数1〜10のハロゲン含有炭化水素基を表わす)。このようなアルキルボロン酸の具体例としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n‐プロピルボロン酸、n‐ブチルボロン酸、iso−ブチルボロン酸、n‐ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5‐ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸および3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸等が例示される。これらのうちで好ましいものは、メチルボロン酸、エチルボロン酸、n‐ブチルボロン酸、iso−ブチルボロン酸、3,5‐ジフルオロフェニルボロン酸およびペンタフルオロフェニルボロン酸等である。さらに好ましいものは、メチルボロン酸、エチルボロン酸、iso−ブチルボロン酸、n‐ブチルボロン酸である。
【0044】
成分(ii)は、有機アルミニウム化合物である。成分(ii)の有機アルミニウム化合物の具体例としては、一般式 R5 3−p AlXp または
【0045】
【化3】
または(R5)2−Al−O−Al−(R5)2
で表わされるものがある(但し、R5は炭素数1〜10の炭化水素残基を、Xは水素またはハロゲン基を、R6は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10の炭化水素残基を、pは0≦p<3を、それぞれ表わす)。
【0046】
具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリn‐ブチルアルミニウム、トリn‐プロピルアルミニウム、トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジメチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)、ジエチルアルミニウム(トリメチルシロキシド)などのアルキルアルミニウムシロキシド、(ホ)テトライソブチルアルモキサン、テトラエチルアルモキサン等のテトラアルキルアルモキサンなどが例示される。これらを複数種混合して用いることも可能である。
【0047】
これらの有機アルミニウム化合物のうちで好ましいものは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のメチルアルミニウム、エチルアルミニウム及びイソブチルアルミニウムの誘導体である。さらに好ましいものは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム及びその混合物である。
【0048】
成分(i) 及び成分(ii)を反応させる場合の使用比は任意であるが、目的とする反応生成物を効率よく生成させるためには、成分(i) と成分(ii)のモル比が1:2となるようにするのが好適である。また、成分(i) および成分(ii)の反応は、通常不活性ガス雰囲気下の不活性溶媒中で実施される。接触方法は、種々の方法が可能である。例えば(イ)トルエン溶媒中に成分(i) を混合し、次いで成分(ii)のトルエン希釈溶液を滴下して反応させる方法、(ロ)ヘキサン希釈の成分(ii)溶液中で、成分(i) を固体で供給して反応させる方法、(ハ)成分(i) と成分(ii)をトルエンに希釈し、各々を等速で別の容器に滴下し反応させる方法、等が例示される。成分(i) と成分(ii)の反応温度及び反応時間は任意であるが、一般には急激な反応で副反応も起りやすいことから、両成分を低温、例えば−78〜30℃、好ましくは−78〜10℃、で混合した後、徐々に昇温、例えば−10〜70℃とする方法が好ましい。反応時間は、目的生成物が得られる限りにおいては任意であるが、一般には1分〜24時間の範囲である。
【0049】
<任意成分>
本発明で使用される触媒は、前述の成分(A)および成分(B)以外の合目的的な成分を含んでなるものをも包含すること、すなわち、その効果を損なわない限りにおいて任意の成分を使用することが可能であること、は前記したところである。
【0050】
加えることが可能な任意成分としては、(イ)活性水素含有化合物、好ましくは、例えば水、メタノール、エタノール等、(ロ)電子供与性化合物、好ましくは、例えばエーテル類、エステル類、アミン類等、(ハ)アルコキシ含有化合物、好ましくは、例えばホウ酸フェノキシ、ジメチルメトキシアルミニウム、亜リン酸フェノキシド、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等を例示することができる。
【0051】
<触媒の調製>
本発明によるオレフィン重合用触媒は、成分(A)および成分(B)、ならびに任意成分を接触させることにより得ることができる。接触の順序およびその態様は、本発明の目的に反しない限り任意であって、重合槽内であるいは重合槽外で、溶媒の存在下あるいは不存在下に、同時にあるいは段階的に、各成分を接触させることができる。
【0052】
成分(A)および成分(B)の使用量は、任意であるが、一般には成分(A)の遷移金属と成分(B)のアルミニウムの原子のモル比で1/1〜1/20000、好ましくは1/10〜1/10000、さらに好ましくは1/100〜1/5000である。成分(A)の不活性炭化水素溶媒中の濃度は、1×10−7モル/リットル以上、好ましくは1×10−6モル/リットル以上1モル/リットル以下である。
【0053】
このような本発明で使用される触媒は、必要に応じて、これにオレフィンを接触させてこのオレフィンを少量重合させることからなる予備重合に付したものとして使用することも可能である。予備重合は、一般に不活性溶媒中で行うスラリー重合法、気相条件下で行う気相重合法がとられる。その際に使用するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン‐1、3‐メチルブテン‐1、4‐メチルペンテン‐1、ヘキセン‐1、スチレン、ジビニルベンゼン、あるいはそれらの混合物が好ましい。また、分子量制御のために必要に応じて水素を共存使用することも可能であり、また、反応を制御するために窒素等の不活性ガスを共存させて行うことも可能である。予備重合は、−78℃〜100℃、好ましくは−78℃〜50℃、の範囲で行う。予備重合時間は、1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間、の範囲であり、予備重合量は、固体成分1グラムあたり0.01〜500グラム、好ましくは0.05〜100グラム、さらに好ましくは0.1〜30グラム、の範囲である。予備重合は、温度および(または)圧力に関して本重合よりも温和な条件で行うことがふつうである。
【0054】
<オレフィンの重合>
本発明によるエチレン重合体は、成分(A)および成分(B)からなる触媒を用いて、不活性溶媒下で懸濁重合を行なうことにより重合体を粒子状態で、得ることができ、また、連続重合、回分式重合を適用することができる。
【0055】
懸濁重合の場合の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素溶媒の単独あるいは混合物が用いられる。
【0056】
重合温度は、−78〜200℃程度、好ましくは−20〜100℃、である。
反応系のオレフィン圧には特に制限がないが、好ましくは常圧〜50Kg/cm2 ‐Gの範囲である。また、重合に際しては公知の手段、例えば温度、圧力の選定あるいは水素の導入により分子量調節を行なうことができる。
【0057】
本発明によるエチレン重合体は、エチレンの単独重合体、あるいはエチレンとα‐オレフィンとの共重合体であることは前記したところである。
共重合反応に用いられるα‐オレフィンは、炭素数3〜20、好ましくは3〜10、のα‐オレフィンである。具体的には、例えばプロピレン、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、1‐オクタデセン、1‐エイコセンなど、特に好ましくはプロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン及び4‐メチル‐1‐ペンテンがある。これらのα‐オレフィン類は、二種以上混合して多元共重合に供することもできる。
これらのα‐オレフィンの使用量は、通常は50モル%以下、好ましくは25モル%以下(いずれもエチレン重合体基準)、である。
【0058】
さらには、エチレンおよび(または)上記のα‐オレフィンと共重合可能な他の単量体、例えばブタジエン、1,4‐ヘキサジエン、1,8‐ノナジエン、7‐メチル‐1,6‐オクタジエン、1,9‐デカジエンなどのような共役および非共役ジエン類、または、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの様な環状オレフィンを、必要に応じて20モル%以下、好ましくは10モル%以下(いずれもエチレン重合体基準)、共重合させることもできる。
【0059】
本発明において好ましく用いられる前記の成分(A)および成分(B)からなる触媒は、それのみでエチレンあるいはエチレンと炭素数3〜20のα‐オレフィンとの重合が可能なものであることは言うまでもないが、溶媒や反応系の被毒の防止のために、必要に応じて付加成分として有機アルミニウム化合物を共存させて使用することも可能である。好ましい有機アルミニウム化合物の具体例としては(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムトリメチルシロキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルミニウムアルコキシド等が例示される。
【0060】
【実施例】
〔実施例−1〕
<成分(A)の製造>
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリドの合成
WO93/08221記載の方法に従って合成した。すなわち、下記a)〜d)に従って合成した。
a) (クロロ)(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)シラン(A)の合成
テトラヒドロフラン225ml中のジメチルジクロロシラン(11.5ml 0.095mol)溶液にリチウム−1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエナイトを徐々に加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。溶媒を留去し、残渣にペンタンを加えた。セライトを通して濾過することにより、リチウムクロライドを濾別した。ペンタンを留去することにより化合物(A)を淡黄色液体として得た。
b) (tert−ブチルアミノ)(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジ−2,4−エニル)シラン(B)の合成
化合物(A)(10.0g、0.047mol)をテトラヒドロフラン100ml中のリチウムtert−ブチルアミド(3.68g、0.047mol)の懸濁液に加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残渣にヘキサンを加えた。セライトを通して濾過することによりリチウムクロライドを濾別した後、溶媒を留去した。化合物Bを淡黄色液体として得た。
c) ジリチウム(tert−ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン(C)の合成
ジエチルエーテル100ml中の化合物B(11.14g、0.044mol)にメチルリチウム(1.4M、64ml、0.090mol)をゆっくりと加えた。その反応混合物をメチルリチウム滴下終了後、0.5時間撹拌した。反応液を濃縮し、析出した固体を濾別した。その固体を少量のジエチルエーテルで数回洗浄した後、乾燥させることにより化合物(C)を得た。
d) ジリチウム(tert−ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン(D)の合成
100mlのジエチルエーテル中の化合物(C)(3.00g 12.0mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(2.6M 24.0mmol)を徐々に加えた。白色沈殿が生成し、この反応混合物を12時間撹拌した。反応液を濾過し、得られた固体を少量のジエチルエーテルで数回洗浄した。固体を減圧下で乾燥することにより白色粉末として化合物(D)を得た。
e) ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド(E)の合成
30mlのジエチルエーテル中の化合物(D)(1.05g、4.00mmol)に三塩化チタンのTHF錯体(1.50g、4.00mmol)を加えた。1時間室温で撹拌した後、塩化銀(0.630g、4.00mmol)を加えた。さらに1.5時間撹拌した後、反応混合物中の不溶物を濾別した。濾液の溶媒を留去した後、残渣にペンタンを加え、可溶部を除去し、ペンタン不溶部を少量のペンタンで数回洗浄した。得られたオレンジ色固体をジクロロメタン・ヘキサンで再結晶することにより目的化合物Eのオレンジ色の結晶を得た。
<エチレンの重合>
充分に乾燥した内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブをエチレンで置換した後、充分に脱水および脱酸素したトルエン500ミリリットル、東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換算で20mmol(1.16g)導入した。系内の温度を50℃に昇温し、上記で合成したジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド3.85ミリグラム(10.4μmol )を導入した。次いで90℃に昇温しつつエチレンを導入し、圧力7kg/cm2 Gに昇圧し、3時間重合操作を行なった。重合終了後、得られたポリマースラリーを500ミリリットルエタノールに投入し、生成した白色沈殿を濾過により分離し、乾燥させた。その結果、74.6グラムのポリマーを得た。従って、触媒活性は、19,600gポリマー/g成分(A)であった。190℃、2.16kg荷重におけるMFR2は0.03であり、10kg荷重のMFR10は0.88であり、FR=29.3であった。重量平均分子量(Mw)は10.1×104 Mw/Mn=2.2であった。MFR2とMwの相関値
【0061】
【数9】
は4.77であった。
【0062】
〔実施例−2〕
<エチレン/1‐オクテンの共重合>
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブにトルエン500ミリリットルおよび東ソーアクゾ社製メチルアルモキサン20mmol(1.16g)、1‐オクテン20ミリリットルを導入し、エチレン圧力5kg/cm2 G、65℃に昇温昇圧した。次いで、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリド3.85ミリグラムを、エチレン7kg/cm2 G加圧のガスで、圧入した。圧入後7kg/cm2 Gに設定し、20分間重合操作を行なった。重合終了後、エタノール1000mlに重合スラリーを導入し、得られた白色固体を濾過分離し乾燥させた。その結果、15.3グラムを回収した。結果は、表−1に示される通りである。
【0063】
〔比較例−1〕
実施例−2において、成分(B)のメチルアルモキサンのかわりにトリイソブチルアルミニウム140ミリグラム、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート5.6ミリグラム(7μモル)を導入し、実施例−2と同一条件で重合操作を行なった。結果は、表−1に示される通りである。
【0064】
〔比較例−2〕
成分(A)してエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを10μモル用いる以外は全て実施例−2と同一条件で重合操作を行なった。結果は、表−1に示される通りである。
【0065】
〔比較例−3〕
エクソン社製のエチレン重合体(「EXACT 3032」)を分析した。結果は、表−1に示される通りである。
【0066】
〔比較例−4〕
三菱化学社製低密度ポリエチレン「ZF53」を分析した。結果は、表−1に示される通りである。
【0067】
〔比較例−5〕
特開平2−276807号公報の実施例−2に記載の重合方法に準じて、トルエンを500ml、1‐オクテンを20mlおよびメチルアルモキサンを0.94mM用いた。
成分(A)してエチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドを10μモル導入し、エチレン1.0リットル/分の速度で連続的に流通させて大気圧下で60℃で30分間重合操作を行なった。結果は、表−1に示される通りである。
【0068】
〔実施例−3〕
<成分(A)の製造>
ジメチルシリレン(フルオレニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリドをUSP5026769の実施例Dに記載の方法に従って合成した。
<エチレン/1‐ヘキセンの共重合>
充分に乾燥した1.5リットルの撹拌式オートクレーブをエチレン置換し、充分に脱水及び脱酸素したトルエン500ミリリットル、1‐ヘキセン 10ミリリットル、WITCO社製メチルアルモキサンをAl原子換算で20ミリモルおよび上記で合成したジメチルシリレン(フルオレニル)tertブチルアミドチタニウムジクロリドを10マイクロモル導入し、40℃でエチレン圧力7kg/cm2 Gで1時間重合操作を行なった。結果は、表−1に示される通りである。
【0069】
〔実施例−4〕
1‐ヘキセンを用いず、60℃でエチレン圧力7kg/cm2 Gで1時間重合操作を行なう以外は、全て実施例−3のエチレン/ヘキセン共重合と同一の重合操作を行なった。結果は表−1に示される通りである。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的物性、透明性および低温ヒートシール性等が良好であり、成型の際の吐出圧力も低く、高速で成型しても表面あれ等を起こしにくいエチレン重合体が提供可能になり、そしてこのようなエチレン重合体は、従来のエチレン重合体よりも広範に利用できるものであって、成型サイクルならびに成型速度等を改善し、生産性の大巾な改良が期待されるものであることは、「発明の概要」の項において前記したところである。[0001]
[Background of the Invention]
[Industrial applications]
The present invention relates to a novel ethylene polymer and a method for producing the polymer. More specifically, the present invention relates to an ethylene polymer having high strength and excellent moldability, and a method for producing the same. The ethylene polymer according to the present invention is excellent in moldability as compared with the conventional ethylene polymer, is capable of high-speed molding and has improved molding efficiency, and at the same time, has transparency and strength. Is also an improvement.
[0002]
[Prior art]
Low-density polyethylene obtained by high-pressure radical polymerization is a polyethylene with good transparency and moldability, but depending on the application, mechanical strength such as tear strength, tensile strength, impact strength, and heat resistance are sufficient. It was hard to say.
[0003]
On the other hand, an ethylene polymer (including a homopolymer of ethylene and a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms) obtained using a so-called Ziegler Natta catalyst has good mechanical strength. It can be said. However, on the other hand, in the case of an ethylene homopolymer, there is a slight deterioration in moldability, probably because so-called long-chain branches do not substantially exist in the polymer. In addition, if the amount of the comonomer is increased to improve the heat sealing property and impact strength, the presence of the comonomer tends to be non-uniform, and the resulting copolymer may be blocked when formed into a film. For that reason, its improvement has been desired.
[0004]
For the purpose of improving these points, ethylene polymers have been produced using a catalyst system combining a metallocene compound and an alumoxane (JP-A-58-19309, JP-A-60-35006, JP-A-60-35007). Nos. 60-35008, 61-130314, 61-221208, 62-121709, 62-121711, 63-39905 and 63-92621. These proposals have made it possible to obtain a low-density polymer without substantially by-producing a copolymer that causes stickiness by uniformly introducing the comonomer, and to improve transparency and heat sealability. And the impact strength etc. were greatly improved. However, on the other hand, the ethylene polymer obtained by this type of catalyst system usually has a narrow molecular weight distribution, and the ratio between the weight average molecular weight and the number average molecular weight measured by GPC is generally about 2, The moldability, particularly the moldability such as extrusion pressure and surface roughness, was not at a satisfactory level, and tended to be worse than that using a Ziegler Natta catalyst.
[0005]
Proposals for improving these are disclosed in JP-A-2-276807 and JP-A-6-306121. However, to the present inventors, although these polymers have some improvement in the problem of poor moldability common to conventional polymers having a narrow molecular weight distribution, they are compared with low-density polyethylene obtained by a high-pressure method. It is still insufficient, and further improvement is desired.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to solve the problems of the conventional ethylene polymer and the production technology thereof as described above, and it is an object of the present invention to provide an ethylene polymer having good moldability and mechanical properties. It is the purpose.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
[Summary of the Invention]
<Summary>
The present invention has been found as a result of intensive studies on the above objects.
That is, the ethylene polymer according to the present invention is a homopolymer of ethylene or a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, and satisfies the following requirements (a) to (d) simultaneously. That is, it is characterized.
Requirement (a): Extrusion amount at 190 ° C and 10 kg load (MFRTen) At 190 ° C and 2.16 kg load (MFR)2) And (FR value) exceed 10.
Requirement (b): Extrusion amount (MFR) at 190 ° C. and 2.16 kg load2)But0.03g / 10min or more50 g / 10 min or less, and weight average molecular weight (Mw) and MFR2And satisfy the following conditions,
[0008]
(Equation 2)
Requirement (c): The ratio between the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) is in the range of 1.5 to 3.5,
Requirement (d): The reduction scattering intensity measured by the low angle laser light scattering photometer is integrated from the high molecular weight side, and the molecular weight (M5) And the weight average molecular weight (Mw)
M5/ Mw <20
That.
[0009]
Further, the process for producing an ethylene polymer according to the present invention comprises the step of contacting ethylene or ethylene with an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms to a catalyst comprising the following component (A) and component (B) to react A method for producing an ethylene polymer, comprising obtaining a polymer in a particle state by performing polymerization in the presence of a solvent, wherein the ethylene polymer according to claim 1 is produced. .
Component (A): a Group 4 transition metal compound represented by the following general formula [I],
Component (B): an organic aluminum oxy compound.
Embedded image
[Here, Me is a Group 4 transition metal, A is a conjugated five-membered ring ligand, Z is a ligand containing a nitrogen atom, an oxygen atom, a silicon atom, a phosphorus atom or a sulfur atom, and Q is a conjugated five-membered ligand. X and Y each represent a hydrogen atom, a halogen group, a hydrocarbon group, an alkoxy group, an amino group, a phosphorus-containing hydrocarbon group or a silicon-containing hydrocarbon group; , Respectively. ]
[0010]
<Effect>
According to the present invention, it is possible to provide an ethylene polymer which has good mechanical properties, transparency, low-temperature heat sealability, etc., has a low discharge pressure at the time of molding, and hardly causes surface roughening even at high speed molding. It becomes. Such an ethylene polymer can be used more widely than the conventional ethylene polymer, and is expected to improve the molding cycle and the molding speed, and to greatly improve the productivity.
[0011]
A polymer that satisfies the above requirements (a) to (d) at the same time has a value of the requirement (b) in the range of 4.4 to 4.8, particularly while suppressing the production of a high molecular weight polymer (requirement (d)). Ethylene polymers have not been obtained at all. Incidentally, the values of the formulas in the requirement (b) of the conventionally known polymers were all about 5.0 to 6.0, and even those having good moldability were about 5.0.
[0012]
[Specific description of the invention]
[I] Ethylene polymer
The novel ethylene polymer according to the present invention is a homopolymer of ethylene or a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, and satisfies the predetermined requirements (a) to (d) simultaneously. That is, it is characterized.
[0013]
In addition, when the ethylene polymer according to the present invention is a copolymer, the comonomer component may be only one or two or more α-olefins selected from α-olefins having 3 to 20 carbon atoms. , Ethylene and / or a monomer copolymerizable with an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, such as dienes and cyclic olefins (detailed below). Accordingly, the ethylene polymer according to the present invention includes a copolymer comprising such a monomer.
[0014]
<Requirements (a)>
Requirement (a) is the extrusion amount (MFR at 190 ° C. and 10 kg load)10) At 190 ° C and 2.16 kg load (MFR)2) (FR value (FR = MFR)10/ MFR2)) Exceeds 10. The upper limit of this value is not particularly defined, but is generally 100, preferably 70, and more preferably 60, and the lower limit is generally 10, preferably 12, and more preferably 15. Therefore, the FR value is generally 10 to 100, preferably 12 to 70, and more preferably 15 to 60.
[0015]
<Requirements (b)>
The requirement (b) is the extrusion amount (MFR) at 190 ° C. and a load of 2.16 kg.2)But0.03g / 10min or more50 g / 10 min or less, and weight average molecular weight (Mw) and MFR2Satisfies the following conditions.
[0016]
(Equation 3)
MFR2Is preferably 40 g / 10 min or less, particularly preferably 25 g / 10 min or less. Also,
[0017]
(Equation 4)
When (hereinafter, sometimes referred to as F) is 4.9 or more, the ethylene polymer is satisfied if the requirement (c) (described later in detail), that is, Mw / Mn satisfies 1.5 to 3.5, is satisfied. However, at the present time, a resin having a deteriorated moldability such as an increase in resin pressure during melt extrusion and a resin having a resin pressure of 4.0 or less has not been obtained. The value of F is 4.4 to 4.8.
[0018]
<Requirements (c)>
The requirement (c) is that the ratio between the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) is in the range of 1.5 to 3.5. When Mw / Mn exceeds 3.5, mechanical properties and transparency deteriorate, whereas when it is less than 1.5, improvement in processability cannot be obtained. A preferred ratio between the two is in the range of 1.5 to 3.0, more preferably 1.8 to 3.0.
[0019]
<Requirements (d)>
The requirement (d) is that the reduction scattering intensity measured by the low angle laser light scattering photometer is integrated from the high molecular weight side, and the molecular weight (M5) And the weight average molecular weight (Mw)
M5/ Mw <20
That is. M5/ Mw is 20 or more, that is, M5Is more than 20 times Mw, fish eyes may be generated at the time of molding or transparency may be deteriorated. Preferred M5The value of / Mw is 15 or less, particularly preferably 10 or less.
[0020]
<Weight average molecular weight>
The weight average molecular weight (Mw) is obtained by measuring under the following conditions. Size-exclusion chromatography (SEC) is also commonly used for measuring the weight-average molecular weight. However, when the target substance contains a very small amount of ultra-high molecular weight substance, SEC has a problem of exclusion limit and detection. This is because it is difficult to accurately measure a trace component due to a sensitivity problem or the like.
[0021]
The apparatus used for the measurement was a SEC-LARLS method, that is, an ALC / GPC 150C manufactured by Waters was used as the SEC, and a low-angle laser light scattering photometer (LALLS) (Chromatix) was used using a transfer tube whose temperature was controlled from a column of the SEC. KMX-6) and a device connected in series with a differential refractometer attached to the SEC using a temperature-controlled transfer tube for the solution discharged from the LALLS flow cell. No other filters were used except for the use of an insert filter (Waters, part number 88084) between the SEC automatic injection part and the column. A stainless tube having an inner diameter of 0.02 inches was used as a pipe through which the sample solution passed.
[0022]
The solution was prepared by precisely weighing 20 mg of the sample, adding 20 ml of the eluent to which BHT was added, stirring the mixture several times in an air oven at 140 ° C. for 2 hours, completely dissolving, and further heating at 140 ° C. for 1 hour. It was transferred in a dissolved state to a sample bottle for automatic injection, which had been heated to the same temperature in advance, and used as a measurement solution. No filtration was performed in this dissolution treatment.
[0023]
Other measurement conditions are as follows.
The calculation of the weight average molecular weight (Mw) was performed by the following equation.
[0024]
(Equation 5)
Here, ΔV is the elution volume ViAnd Vi + 1(0.1 ml), K is an optical constant represented by the following equation, m is the weight of the injected sample, and the concentration (Co), Injection volume (Vinj) And the expansion coefficient (α) of the solvent were determined by the following equation. The expansion coefficient of the solvent is a value obtained by dividing the solvent density at 25 ° C. by the solvent density at 140 ° C., and 1.117 was used.
m = Co× Vinj/ Α
[0025]
(Equation 6)
<Number average molecular weight (Mn)>
A universal calibration curve is prepared using monodispersed standard polystyrene (manufactured by Tosoh Corporation), and the converted molecular weight of polyethylene is obtained based on the curve to calculate the number average molecular weight. The following equation is used as the relational expression between the intrinsic viscosity and the molecular weight.
[Η] = 6.815 × 10-4× M0.674(polyethylene)
[Η] = 1.538 × 10-4× M0.691(polystyrene)
<Confirmation of presence of ultra-high molecular weight component>
To confirm the presence of the ultrahigh molecular weight component, the reduction scattering intensity measured by a low angle laser light scattering photometer is integrated from the high molecular weight side, and the molecular weight (M5). The following formula is used for the calculation of the molecular weight.
[0026]
(Equation 7)
Where hiIs the height of the chromatogram obtained by the differential refractometer,
[0027]
(Equation 8)
Is the reduction scattering intensity at the elution position, which is integrated from the high molecular weight side and shows an integrated value of 5%, h5Is the height of the chromatogram at that elution position. ΔV, K and m are the same as described above.
[0028]
[II] Method for producing ethylene polymer
The ethylene polymer which satisfies the requirements (a) to (b) at the same time can be produced by any suitable method. The ethylene polymer according to the present invention comprises the following component (A) and component (A). A catalyst consisting of (B) [wherein, “consisting of” includes not only the indicated components, ie, components (A) and (B), but also other suitable components other than these components. And ethylene and ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms to be polymerized. The present invention also relates to a method for producing such an ethylene polymer.
[0029]
<Component (A)>
Component (A) is a Group 4 transition metal compound represented by the following general formula [I].
[0030]
Embedded image
[Here, Me is a Group 4 transition metal, A is a conjugated five-membered ring ligand, Z is a ligand containing a nitrogen atom, an oxygen atom, a silicon atom, a phosphorus atom or a sulfur atom, and Q is a conjugated five-membered ligand. X and Y each represent a hydrogen atom, a halogen group, a hydrocarbon group, an alkoxy group, an amino group, a phosphorus-containing hydrocarbon group or a silicon-containing hydrocarbon group; , Respectively. ]
A is a conjugated five-membered ring ligand. Typical examples of the conjugated five-membered ring ligand include a conjugated five-membered ring ligand, that is, a cyclopentadienyl group. This cyclopentadienyl group has 5 hydrogen atoms [C5H5−] Or a derivative thereof, that is, a derivative in which some of the hydrogen atoms are substituted with a substituent. One specific example of this substituent is a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, which is bonded to a cyclopentadienyl group as a monovalent group. Or when two or more of them are present, two of them may be bonded at the other end (ω-end) to form a ring together with a part of the cyclopentadienyl group. A typical example of the latter is one in which two substituents are bonded at each ω-terminal and share two adjacent carbon atoms in the cyclopentadienyl group to form a fused 6-membered ring. [That is, an indenyl group or a fluorenyl group] or a compound that forms a fused 7-membered ring [that is, an azulenyl group]. Therefore, typical examples of the conjugated five-membered ring ligand can be referred to as a substituted or unsubstituted indenyl group, a fluorenyl group or an azulenyl group.
[0031]
As the substituent on the cyclopentadienyl group, in addition to the hydrocarbon group having 1 to 20, preferably 1 to 12 carbon atoms, a halogen group (for example, fluorine, chlorine, bromine), an alkoxy group (for example, , C1~ C12), A silicon-containing hydrocarbon group (for example, a silicon atom is -Si (R1) (R2) (R3)), A phosphorus-containing hydrocarbon group (for example, a phosphorus atom represented by -P (R1) (R2), A nitrogen-containing hydrocarbon group (e.g., -N (R1(R2)) Or a boron-containing hydrocarbon group (for example, a boron atom represented by -B (R1) (R2)) Containing about 1 to 18 carbon atoms). When there are a plurality of substituents, each may be the same or different.
[0032]
Me is a metal atom of Group 4 of the periodic table, preferably titanium, zirconium and hafnium. Particularly, titanium and zirconium are preferable.
Z is a ligand containing a nitrogen atom, an oxygen atom, a silicon atom, a phosphorus atom or a sulfur atom. Preferred as Z are oxygen (-O-), sulfur (-S-), an alkoxy group having 1 to 20, preferably 1 to 10, carbon atoms, and a thioalkoxy group having 1 to 20, preferably 1 to 12 carbon atoms. A silicon-containing hydrocarbon group having 1 to 40, preferably 1 to 18 carbon atoms, a nitrogen-containing hydrocarbon group having 1 to 40 carbon atoms, preferably 1 to 18 carbon atoms, and a phosphorus having 1 to 40 carbon atoms, preferably 1 to 18 carbon atoms. Contains hydrocarbon group.
[0033]
Q represents a bonding group that bridges between the two 5-membered ring ligands and the Z group. Specifically, Q is (a) an alkylene group having 1 to 20 carbon atoms such as a methylene group, an ethylene group, an isopropylene group, a phenylmethylmethylene group, a diphenylmethylene group, and a cyclohexylene group;
(B) silylene groups such as silylene group, dimethylsilylene group, phenylmethylsilylene group, diphenylsilylene group, disilylene group, and tetramethyldisilylene group;
(C) a hydrocarbon group containing germanium, phosphorus, nitrogen, boron or aluminum [specifically, (CH3)2Ge group, (C6H5)2Ge group, (CH3) P group, (C6H5) P group, (C4H9) N group, (C6H5) N group, (CH3) B group, (C4H9) B group, (C6H5) B group, (C6H5) Al group, (CH3O) Al group etc.]. Preferred are alkylene and silylene groups. The bridging group can be bonded to any position of the conjugated five-membered ring.
[0034]
X and Y each represent hydrogen, a halogen group, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, an amino group, and 1 to 20 carbon atoms. And preferably a phosphorus-containing hydrocarbon group having 1 to 12 (specifically, for example, diphenylphosphine group) or a silicon-containing hydrocarbon group having 1 to 20, preferably 1 to 12 carbon atoms (specifically, for example, trimethylsilyl A bis (trimethylsilyl) methyl group). X and Y may be the same or different. Of these, a halogen group, a hydrocarbon group (particularly one having 1 to 8 carbon atoms) and an amino group are preferred.
In the present invention, two or more compounds can be used in combination.
[0035]
Specific examples of this transition metal compound when Me is titanium are as follows.
(1) dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamido titanium dichloride
(2) dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) cyclohexylamido titanium dichloride
(3) dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) phenylamidotitanium dichloride,
(4) dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) cyclooctylamido titanium dichloride,
(5) dimethylsilylene (2-methylindenyl) tertbutylamidotitanium dichloride,
(6) dimethylsilylene (indenyl) cyclohexylamido titanium dichloride,
(7) dimethylsilylene (fluorenyl) tertbutylamidotitanium dichloride,
(8) dimethylsilylene (tetrahydroindenyl) decylamido titanium dichloride,
(9) dimethylsilylene (tetrahydroindenyl) (trimethylsilyl) amido titanium dichloride,
(10) diphenylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) 2,6-dimethylphenylamido titanium dichloride,
(11) isopropylidene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamidotitanium dichloride,
(12) Dimethylgermane (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamido titanium dichloride and the like are exemplified.
Further, those obtained by replacing chlorine in the above compounds with bromine, iodine, hydride, methyl, phenyl and the like can also be used.
[0036]
Further, in the present invention, a compound in which the central metal of the titanium compound exemplified above is changed from titanium to zirconium or hafnium can also be used.
[0037]
Among these, a zirconium compound and a titanium compound are preferred. More preferred are titanium compounds cross-linked with an alkylene group or a silylene group.
[0038]
<Component (B)>
Component (B) is an organoaluminum oxy compound.
(A) One preferable representative example is alumoxane.
Alumoxanes are products obtained by the reaction of one or two trialkylaluminums with water. Specifically, methylalumoxane, ethylalumoxane, butylalumoxane, isobutylalumoxane, etc. obtained from one type of trialkylaluminum, and methylethylalumoxane, methylbutyl, obtained from two types of trialkylalmonium and water Alumoxane, methylisobutylalumoxane and the like are exemplified.
[0039]
In the present invention, it is possible to use a plurality of these alumoxanes in combination, and it is also possible to use alumoxanes in combination with other alkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, and dimethylaluminum chloride.
[0040]
It is also possible to use a modified alumoxane by reacting two kinds of alumoxanes or one kind of alumoxane with another organoaluminum compound.
Preferred among these are methylalumoxane, isobutylalumoxane, methylisobutylalumoxane, and mixtures of these alumoxanes with trialkylaluminums. Particularly preferred are methylalumoxane and methylisobutylalumoxane.
Especially for ethylene polymerization,27Methyl isobutylalumoxane, which has a characteristic in which the chemical shift in the Al-NMR measurement is between 160 and 250 ppm and the line width shows a value of 3000 Hz or more, is preferred.
[0041]
These alumoxanes can be prepared under various known conditions. Specifically, the following method can be exemplified.
(I) a method in which a trialkylaluminum is directly reacted with water using a suitable organic solvent such as toluene, benzene, or ether,
(Ii) a method of reacting with a salt hydrate having trialkylaluminum and water of crystallization, for example, copper sulfate, a hydrate of aluminum sulfate,
(Iii) a method of reacting a trialkylaluminum with water impregnated in silica gel or the like;
(Iv) a method of mixing trimethylaluminum and triisobutylaluminum and directly reacting with water using a suitable organic solvent such as toluene, benzene, or ether;
(V) a method in which trimethylaluminum and triisobutylaluminum are mixed and heated and reacted with a salt hydrate having water of crystallization, for example, copper sulfate or aluminum sulfate hydrate;
(Vi) a method in which silica gel or the like is impregnated with water, treated with triisobutylaluminum, and then additionally treated with trimethylaluminum;
(Vii) A method of synthesizing methylalumoxane and isobutylalumoxane by a known method, mixing a predetermined amount of these two components, and causing a heat reaction.
[0042]
(B) Another representative example of the organoaluminum oxy compound is an alkylboronic acid having a structure in which a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms or a halogen-containing hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms is bonded to boron [component (i )] And an organoaluminum compound [component (ii)].
[0043]
Component (i) has the general formula R4-B (OH)2
Is an alkylboronic acid represented by the formula (R4Represents a hydrocarbon residue having 1 to 10, preferably 1 to 6 carbon atoms or a halogen-containing hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms). Specific examples of such alkylboronic acids include methylboronic acid, ethylboronic acid, isopropylboronic acid, n-propylboronic acid, n-butylboronic acid, iso-butylboronic acid, n-hexylboronic acid, cyclohexylboronic acid, phenylboron Examples thereof include acids, 3,5-difluorophenylboronic acid, pentafluorophenylboronic acid, and 3,5-bis (trifluoromethyl) phenylboronic acid. Among these, preferred are methylboronic acid, ethylboronic acid, n-butylboronic acid, iso-butylboronic acid, 3,5-difluorophenylboronic acid and pentafluorophenylboronic acid. More preferred are methylboronic acid, ethylboronic acid, iso-butylboronic acid, and n-butylboronic acid.
[0044]
Component (ii) is an organoaluminum compound. Specific examples of the organoaluminum compound of the component (ii) include those represented by the general formula R5 3-pAlXpOr
[0045]
Embedded image
Or (R5)2-Al-O-Al- (R5)2
(Where R5Is a hydrocarbon residue having 1 to 10 carbon atoms, X is hydrogen or a halogen group, R is6Represents hydrogen, halogen or a hydrocarbon residue having 1 to 10 carbon atoms, and p represents 0 ≦ p <3).
[0046]
Specifically, (a) trialkyl such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, trihexylaluminum, trioctylaluminum, tridecylaluminum, trin-butylaluminum, trin-propylaluminum, and triisoprenylaluminum Alkyl aluminum halides such as aluminum, (b) dimethylaluminum chloride, diethylaluminum monochloride, diisobutylaluminum monochloride, methylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquichloride, ethylaluminum dichloride, (c) dimethylaluminum hydride, diethylaluminum hydride, diisobutyl Alkyl aluminum such as aluminum hydride Aluminum hydride, alkyl aluminum siloxides such as (a) dimethylaluminum (trimethylsiloxide), dimethylaluminum (trimethylsiloxide), and diethylaluminum (trimethylsiloxide); and tetratetrabutyl such as (e) tetraisobutylalumoxane and tetraethylalumoxane. Examples thereof include alkylalumoxane. It is also possible to use a mixture of a plurality of these.
[0047]
Preferred among these organoaluminum compounds are derivatives of methylaluminum, ethylaluminum and isobutylaluminum, such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, dimethylaluminum chloride, diisobutylaluminum chloride and diisobutylaluminum hydride. Even more preferred are trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum and mixtures thereof.
[0048]
The component (i) and the component (ii) may be used in any reaction ratio, but in order to efficiently produce the desired reaction product, the molar ratio between the component (i) and the component (ii) is required. It is preferred that the ratio be 1: 2. The reaction between the components (i) and (ii) is usually carried out in an inert solvent under an inert gas atmosphere. Various contact methods are possible. For example, (a) a method in which the component (i) is mixed in a toluene solvent, and then a toluene-diluted solution of the component (ii) is added dropwise to cause a reaction; ) Is supplied as a solid to cause a reaction, and (c) a method in which the component (i) and the component (ii) are diluted in toluene, and each is dropped into another container at a constant speed and reacted. Although the reaction temperature and the reaction time of the component (i) and the component (ii) are arbitrary, generally, both components are used at a low temperature, for example, -78 to 30 ° C., preferably − After mixing at 78 to 10 ° C, a method of gradually raising the temperature, for example, to -10 to 70 ° C, is preferable. The reaction time is optional as long as the desired product is obtained, but is generally in the range of 1 minute to 24 hours.
[0049]
<Optional components>
The catalyst used in the present invention includes those containing a suitable component other than the above-mentioned components (A) and (B), that is, any component as long as its effect is not impaired. Can be used as described above.
[0050]
Examples of optional components that can be added include (a) active hydrogen-containing compounds, preferably, for example, water, methanol, ethanol, and the like, (b) electron donating compounds, preferably, for example, ethers, esters, amines, and the like. And (c) alkoxy-containing compounds, preferably phenoxy borate, dimethylmethoxyaluminum, phenoxide phosphite, tetraethoxysilane, diphenyldimethoxysilane and the like.
[0051]
<Preparation of catalyst>
The olefin polymerization catalyst according to the present invention can be obtained by bringing the components (A) and (B) into contact with an optional component. The order of the contact and the mode of the contact are arbitrary as far as the object of the present invention is not adversely affected, and each component may be simultaneously or stepwise in the polymerization vessel or outside the polymerization vessel in the presence or absence of a solvent. Can be contacted.
[0052]
The amounts of component (A) and component (B) used are arbitrary, but generally, the molar ratio of the transition metal of component (A) to the atom of aluminum of component (B) is from 1/1 to 1/20000, preferably Is 1/10 to 1/10000, and more preferably 1/100 to 1/5000. The concentration of the component (A) in the inert hydrocarbon solvent is 1 × 10-7Mol / l or more, preferably 1 × 10-6It is not less than 1 mol / liter and not more than 1 mol / liter.
[0053]
If necessary, such a catalyst used in the present invention can be used as one subjected to a prepolymerization comprising contacting an olefin with the olefin and polymerizing a small amount of the olefin. The preliminary polymerization generally employs a slurry polymerization method performed in an inert solvent and a gas phase polymerization method performed under gas phase conditions. As the monomer used at that time, ethylene, propylene, butene-1, 3-methylbutene-1, 4-methylpentene-1, hexene-1, styrene, divinylbenzene, or a mixture thereof is preferable. In addition, hydrogen can be used together for the purpose of controlling the molecular weight, if necessary, and the reaction can be performed in the presence of an inert gas such as nitrogen for controlling the reaction. The prepolymerization is carried out in a range of -78C to 100C, preferably -78C to 50C. The prepolymerization time is in the range of 1 minute to 24 hours, preferably 5 minutes to 10 hours, and the amount of prepolymerization is 0.01 to 500 g, preferably 0.05 to 100 g, per gram of the solid component. More preferably, it is in the range of 0.1 to 30 grams. The pre-polymerization is usually performed under milder conditions than the main polymerization in terms of temperature and / or pressure.
[0054]
<Polymerization of olefin>
The ethylene polymer according to the present invention can be obtained in the form of particles by carrying out suspension polymerization using a catalyst comprising component (A) and component (B) in an inert solvent. Continuous polymerization and batch polymerization can be applied.
[0055]
As a solvent in the case of suspension polymerization, a saturated aliphatic or aromatic hydrocarbon solvent such as hexane, heptane, pentane, cyclohexane, benzene, and toluene may be used alone or as a mixture.
[0056]
The polymerization temperature is about -78 to 200C, preferably -20 to 100C.
The olefin pressure of the reaction system is not particularly limited, but is preferably from normal pressure to 50 kg / cm.2-G range. In the polymerization, the molecular weight can be controlled by known means, for example, selection of temperature and pressure or introduction of hydrogen.
[0057]
As described above, the ethylene polymer according to the present invention is a homopolymer of ethylene or a copolymer of ethylene and an α-olefin.
The α-olefin used for the copolymerization reaction is an α-olefin having 3 to 20, preferably 3 to 10 carbon atoms. Specifically, for example, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-octane Particularly preferred are propylene, 1-butene, 1-hexene, 1-octene and 4-methyl-1-pentene, such as eicosene. These α-olefins can be used in a multicomponent copolymer by mixing two or more kinds.
The use amount of these α-olefins is usually 50 mol% or less, preferably 25 mol% or less (all based on ethylene polymer).
[0058]
Furthermore, ethylene and / or other monomers copolymerizable with the above-mentioned α-olefins, such as butadiene, 1,4-hexadiene, 1,8-nonadiene, 7-methyl-1,6-octadiene, Conjugated and non-conjugated dienes such as 1,9-decadiene or cyclic olefins such as cyclopropene, cyclobutene, cyclopentene, norbornene, dicyclopentadiene, etc., if necessary, in an amount of not more than 20 mol%, preferably 10 mol%. % (All based on ethylene polymer).
[0059]
It goes without saying that the catalyst comprising the above-mentioned component (A) and component (B) preferably used in the present invention is capable of polymerizing ethylene or ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms by itself. However, in order to prevent poisoning of the solvent and the reaction system, an organic aluminum compound may be used as an additional component, if necessary, in the presence of the organic aluminum compound. Specific examples of preferred organoaluminum compounds include (a) trialkylaluminums such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, trihexylaluminum, trioctylaluminum, tridecylaluminum, (b) diethylaluminum monochloride, and diisobutylaluminum monochloride. Alkyl aluminum halides such as chloride, ethyl aluminum sesquichloride and ethyl aluminum dichloride, (c) alkyl aluminum hydrides such as diethyl aluminum hydride and diisobutyl aluminum hydride, (d) diethyl aluminum ethoxide, dimethyl aluminum trimethyl siloxide, diethyl aluminum phenoxide and the like Aluminum Kokishido like.
[0060]
【Example】
[Example-1]
<Production of component (A)>
Synthesis of dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamidotitanium dichloride
It was synthesized according to the method described in WO93 / 08221. That is, they were synthesized according to the following a) to d).
a) Synthesis of (chloro) (dimethyl) (tetramethylcyclopentadi-2,4-enyl) silane (A)
To a solution of dimethyldichlorosilane (11.5 ml 0.095 mol) in 225 ml of tetrahydrofuran was slowly added lithium-1,2,3,4-tetramethylcyclopentadienite. The reaction mixture was stirred at room temperature for 2.5 hours. The solvent was distilled off, and pentane was added to the residue. Lithium chloride was filtered off by filtration through Celite. The compound (A) was obtained as a pale yellow liquid by distilling off pentane.
b) Synthesis of (tert-butylamino) (dimethyl) (tetramethylcyclopentadi-2,4-enyl) silane (B)
Compound (A) (10.0 g, 0.047 mol) was added to a suspension of lithium tert-butylamide (3.68 g, 0.047 mol) in 100 ml of tetrahydrofuran. The reaction mixture was stirred at room temperature for 12 hours. The solvent was distilled off, and hexane was added to the residue. After filtering lithium chloride by filtration through celite, the solvent was distilled off. Compound B was obtained as a pale yellow liquid.
c) Synthesis of dilithium (tert-butylamide) (dimethyl) (tetramethylcyclopentadienyl) silane (C)
To compound B (11.14 g, 0.044 mol) in 100 ml of diethyl ether was added methyl lithium (1.4 M, 64 ml, 0.090 mol) slowly. After the completion of the dropwise addition of methyllithium, the reaction mixture was stirred for 0.5 hour. The reaction solution was concentrated, and the precipitated solid was separated by filtration. The solid was washed several times with a small amount of diethyl ether and dried to obtain a compound (C).
d) Synthesis of dilithium (tert-butylamide) (dimethyl) (tetramethylcyclopentadienyl) silane (D)
To a solution of compound (C) (3.00 g 12.0 mmol) in 100 ml of diethyl ether was slowly added n-butyllithium (2.6 M 24.0 mmol). A white precipitate formed and the reaction mixture was stirred for 12 hours. The reaction solution was filtered, and the obtained solid was washed several times with a small amount of diethyl ether. The solid was dried under reduced pressure to obtain compound (D) as a white powder.
e) Synthesis of dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamidotitanium dichloride (E)
To a compound (D) (1.05 g, 4.00 mmol) in 30 ml of diethyl ether was added a THF complex of titanium trichloride (1.50 g, 4.00 mmol). After stirring at room temperature for 1 hour, silver chloride (0.630 g, 4.00 mmol) was added. After stirring for an additional 1.5 hours, insolubles in the reaction mixture were filtered off. After evaporating the solvent of the filtrate, pentane was added to the residue to remove the soluble part, and the pentane-insoluble part was washed several times with a small amount of pentane. The obtained orange solid was recrystallized from dichloromethane / hexane to obtain orange crystals of the target compound E.
<Polymerization of ethylene>
After replacing a sufficiently dry 1.5 liter stirred autoclave with ethylene, 500 ml of sufficiently dehydrated and deoxygenated toluene and 20 mmol of methylalumoxane (degree of polymerization 16) manufactured by Tosoh Akzo Co., Ltd. in terms of Al atom were added. (1.16 g) were introduced. The temperature in the system was raised to 50 ° C., and 3.85 mg (10.4 μmol) of dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamidotitanium dichloride synthesized above was introduced. Then, ethylene was introduced while the temperature was raised to 90 ° C., and the pressure was 7 kg / cm.2The pressure was increased to G, and the polymerization operation was performed for 3 hours. After the polymerization was completed, the obtained polymer slurry was poured into 500 ml of ethanol, and the formed white precipitate was separated by filtration and dried. As a result, 74.6 g of a polymer was obtained. Therefore, the catalytic activity was 19,600 g polymer / g component (A). MFR at 190 ° C and 2.16 kg load2Is 0.03, and MFR of 10 kg load10Was 0.88 and FR = 29.3. Weight average molecular weight (Mw) is 10.1 × 104Mw / Mn = 2.2. MFR2And Mw correlation value
[0061]
(Equation 9)
Was 4.77.
[0062]
[Example-2]
<Ethylene / 1-octene copolymerization>
500 ml of toluene and 20 mmol (1.16 g) of methylalumoxane (manufactured by Tosoh Akzo) and 20 ml of 1-octene were introduced into a 1.5-liter stirred autoclave, and ethylene pressure was 5 kg / cm.2G, The temperature was raised to 65 ° C. and increased. Next, 3.85 milligrams of dimethylsilylene (tetramethylcyclopentadienyl) tertbutylamido titanium dichloride was added to ethylene 7 kg / cm.2Pressurized with G pressurized gas. 7kg / cm after press fit2G was set and polymerization was performed for 20 minutes. After completion of the polymerization, the polymerization slurry was introduced into 1000 ml of ethanol, and the obtained white solid was separated by filtration and dried. As a result, 15.3 grams were recovered. The results are as shown in Table 1.
[0063]
[Comparative Example-1]
In Example 2, 140 mg of triisobutylaluminum and 5.6 mg (7 μmol) of dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate were introduced instead of the methylalumoxane of the component (B). The polymerization operation was performed under the same conditions. The results are as shown in Table 1.
[0064]
[Comparative Example-2]
Polymerization was carried out under the same conditions as in Example 2 except that 10 μmol of ethylene bis (indenyl) zirconium dichloride was used as the component (A). The results are as shown in Table 1.
[0065]
[Comparative Example-3]
Exxon ethylene polymer ("EXACT 3032") was analyzed. The results are as shown in Table 1.
[0066]
[Comparative Example-4]
The low-density polyethylene “ZF53” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation was analyzed. The results are as shown in Table 1.
[0067]
[Comparative Example-5]
According to the polymerization method described in Example 2 of JP-A-2-276807, 500 ml of toluene, 20 ml of 1-octene and 0.94 mM of methylalumoxane were used.
As the component (A), 10 μmol of ethylenebis (indenyl) hafnium dichloride was introduced, and the polymerization was carried out at 60 ° C. for 30 minutes under atmospheric pressure by continuously flowing ethylene at a rate of 1.0 liter / min. The results are as shown in Table 1.
[0068]
[Example-3]
<Production of component (A)>
Dimethylsilylene (fluorenyl) tertbutylamidotitanium dichloride was synthesized according to the method described in Example D of US Pat.
<Copolymerization of ethylene / 1-hexene>
A sufficiently dry 1.5 liter stirred autoclave was replaced with ethylene, and 500 ml of toluene and 10 ml of 1-hexene which had been sufficiently dehydrated and deoxygenated, and 20 mmol of methylalumoxane manufactured by WITCO in terms of Al atom and 10 μmol of the synthesized dimethylsilylene (fluorenyl) tertbutylamidotitanium dichloride was introduced and ethylene pressure was 7 kg / cm at 40 ° C2The polymerization operation was performed at G for 1 hour. The results are as shown in Table 1.
[0069]
[Example-4]
7-kg / cm ethylene pressure at 60 ° C without 1-hexene2Except for performing the polymerization operation at G for 1 hour, the same polymerization operation as the ethylene / hexene copolymerization of Example 3 was performed. The results are as shown in Table 1.
[0070]
[Table 1]
[0071]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide an ethylene polymer which has good mechanical properties, transparency, low-temperature heat sealability, etc., has a low discharge pressure during molding, and hardly causes surface roughening even at high speed molding. And such ethylene polymers can be used more widely than conventional ethylene polymers, and are expected to improve molding cycles and molding speeds, etc., and to greatly improve productivity. Is as described above in the section of “Summary of the Invention”.
Claims (3)
要件(イ):190℃、10kg荷重時における押し出し量(MFR10)と190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)との比(FR値)が10を越えること、
要件(ロ):190℃、2.16kg荷重時における押し出し量(MFR2)が0.03g/10分以上50g/10分以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)とMFR2とが下記の条件を満たすこと、
要件(ニ):低角度レーザ光散乱光度計により測定された還元散乱強度を高分子量側から積分し、5%の積分強度を示す溶出位置の分子量(M5)と重量平均分子量(Mw)との関係が
M5/Mw<20
であること。An ethylene polymer, which is a homopolymer of ethylene or a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, which satisfies the following requirements (a) to (d) simultaneously.
Requirement (A): The ratio (FR value) between the extrusion amount (MFR 10 ) at 190 ° C. and a load of 2.16 kg (MFR 2 ) at 10 kg load exceeds 10;
Requirement (b): Extrusion amount (MFR 2 ) at 190 ° C. under a load of 2.16 kg is 0.03 g / 10 min or more and 50 g / 10 min or less, and the weight average molecular weight (Mw) and MFR 2 are as follows: Meeting the requirements,
Requirement (d): The reduction scattering intensity measured by the low angle laser light scattering photometer is integrated from the high molecular weight side, and the molecular weight (M 5 ) and the weight average molecular weight (Mw) at the elution position showing an integrated intensity of 5%. Is M 5 / Mw <20
That.
成分(A):下記の一般式〔I〕で表される4族遷移金属化合物、
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物。
Component (A): a Group 4 transition metal compound represented by the following general formula [I],
Component (B): an organic aluminum oxy compound.
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