JP3559434B2

JP3559434B2 - Method for producing dielectric porcelain composition

Info

Publication number: JP3559434B2
Application number: JP26758597A
Authority: JP
Inventors: 善裕大川; 俊一村川; 敏幸須恵
Original assignee: Kyocera Corp
Current assignee: Kyocera Corp
Priority date: 1997-09-30
Filing date: 1997-09-30
Publication date: 2004-09-02
Anticipated expiration: 2017-09-30
Also published as: JPH11106255A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において、εｒ、Ｑ値が高く、τｆをゼロ付近に安定に制御し、製造上εｒ、Ｑ値およびτｆ特性のばらつきの小さい誘電体磁器組成物及びその製造方法に関するものであり、例えば、マイクロ波やミリ波などの高周波領域において使用される種々の共振器用材料やＭＩＣ用誘電体基板材料、誘電体導波路用材料や積層型セラミックコンデンサー等に用いることができる誘電体磁器組成物及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において、誘電体共振器、ＭＩＣ用誘電体基板や導波路等に広く利用されている。そこに要求される特性として（１）誘電体中では波長が１／εｒ１／_２に短縮されるので、小型化の要求に対して比誘電率が大きい事、（２）高周波での誘電損失が小さい事、すなわち高Ｑであること、（３）共振周波数の温度に対する変化が小さいこと、即ち、比誘電率の温度依存性が小さく且つ安定であること、以上の３特性が主として挙げられる。
【０００３】
これらを満たすものとして、本件出願人は、特開平６−７６６３３号に示されるＬｎＡｌＣａＴｉ系（Ｌｎは稀土類元素）の誘電体磁器組成物を提案した。
【０００４】
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、このＬｎＡｌＣａＴｉ系誘電体磁器組成物では、比誘電率εｒが３４〜４６と高く、Ｑ値は２００００以上と大きくできるものの、Ｑ値が低いという課題があった。
【０００５】
本発明は、上記の課題に鑑みて案出されたもので、高Ｑ値である誘電体磁器組成物を提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題に対し、検討を重ねた結果、Ｑ値が高い誘電体磁器組成物の製造方法を提供できることを知見した。
【０００７】
すなわち、金属元素として少なくとも稀土類元素（Ｌｎ）、Ａｌ、Ｍ（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）、Ｂａ、及びＴｉを含有し、これらの金属元素のモル比による組成式をａＬｎ_２Ｏ_Ｘ・ｂＡｌ_２Ｏ_３・ｃＭＯ・ｄＢａＯ・ｅＴｉＯ_２と表したとき、前記ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅおよびｘが
０．０５６≦ａ≦０．４５０
０．０５６≦ｂ≦０．４５０
０．１００≦ｃ≦０．５００
０≦ｄ≦０．１００
０．１００＜ｅ＜０．４７０
３≦ｘ≦４
ただし、０．７５≦ｂ／ａ≦１．２５
０．７５≦ｅ／（ｃ＋ｄ）≦１．２５
ａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＋ｅ＝１
の範囲内にあり、相対密度９５％以上、気孔率５％以下、平均結晶粒径１〜３０μｍであり、結晶相としてα−Ａｌ_２Ｏ_３を含むことを特徴とする。さらに次の要件を満足すると、Ｑ値が高くなることを知見した。
【０００８】
第１に、α−Ａｌ_２Ｏ_３量が、ペロブスカイト型構造の結晶相の量に比べて体積で１／１０００００以上１／１０以下の誘電体磁器組成物であることを特徴とする。ペロブスカイト型構造の結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＢａＴｉＯ_３（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）との固溶体を含むものからなることが望ましい。
【０００９】
第２に、ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒界に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積が、ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒内に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積よりも多い誘電体磁器組成物であることを特徴とする。ペロブスカイト型構造の結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＢａＴｉＯ_３（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）との固溶体を含むものからなることが望ましい。
【００１０】
第３に、結晶相Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の量が、ペロブスカイト型構造の結晶相の量に比べて体積で１／１０以下（ゼロを含む）である誘電体磁器組成物であることを特徴とする。ペロブスカイト型構造の結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＢａＴｉＯ_３（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）との固溶体を含むものからなることが望ましい。
【００１１】
ここで、本発明の製造方法で得られる誘電体磁器組成物とは、焼結体のことを意味している。
【００１２】
また、本発明で得られる誘電体磁器組成物において、各成分のモル比ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅを上記の範囲に限定した理由は以下の通りである。
【００１３】
即ち、０．０５６≦ａ≦０．４５０としたのは、ａ＜０．０５６の場合はτｆが正に大きくなり、τｆの絶対値が３０を越えてしまうからであり、ａ＞０．４５０の場合はＱ値が２００００よりも低下するとともに、τｆが負に大きくなり、その絶対値が３０を越えてしまうからである。特に、０．０７８≦ａ≦０．４００が好ましい。
【００１４】
また、０．０５６≦ｂ≦０．４５０としたのは、ｂ＜０．０５６の場合はＱ値が３００００よりも低下し、τｆが正に大きくなり、ｂ＞０．４５０の場合はＱ値が３００００よりも低下し、τｆが負に大きくなるためである。特に、０．０７８≦ｂ≦０．４００が好ましい。
【００１５】
さらに、０．１００≦ｃ≦０．５００としたのは、ｃ＜０．１００の場合はＱ値が３００００よりも低下し、τｆが負に大きくなり、ｃ＞０．５００の場合はＱ値が低下し、τｆが正に大きくなり、その絶対値が３０を越えてしまうからである。特に、０．１５０≦ｃ≦０．４５０が好ましい。
【００１６】
また、０≦ｄ≦０．１００としたのは、０．１００＜ｄであるとＱ値が低下するからである。
【００１７】
また、０．１００＜ｅ＜０．４７０としたのは、ｅ≦０．１００の場合はτｆが負に大きくなり、ｅ≧０．４７０の場合はＱ値が３００００よりも低下しτｆが正に大きくなるからである。特に、０．１５０≦ｅ≦０．４２０が好ましい。
【００１８】
また、０．７５≦ｂ／ａ≦１．２５としたのは、ｂ／ａ＜０．７５であるとＱ値が低下するからでり、、ｂ／ａ＞１．２５であるとＱ値が低下するからである。
【００１９】
また、０．７５≦ｅ／（ｃ＋ｄ）≦１．２５としたのは、ｅ／（ｃ＋ｄ）＜０．７５であるとＱ値が低下するからでり、ｅ／（Ｃ＋ｄ）＞１．２５であるとＱ値が低下するからである。
【００２０】
なお、稀土類元素（Ｌｎ）はＹ、Ｌａ、Ｃｅ、Ｐｒ、Ｓｍ、Ｅｕ、Ｇｄ、Ｄｙ、Ｅｒ、Ｙｂ、Ｎｄ等がある。これらの稀土類元素の酸化物Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（ただし３≦ｘ≦４）としては、例えばＹ_２Ｏ_３、Ｌａ_２Ｏ_３、ＣｅＯ_２、Ｐｒ_６Ｏ_１１、Ｓｍ_２Ｏ_３、Ｅｕ_２Ｏ_３、Ｇｄ_２Ｏ_３、Ｄｙ_２Ｏ_３、Ｅｒ_２Ｏ_３、Ｙｂ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３がある。これらの稀土類元素は、Ｙ、Ｌａ、Ｓｍ、Ｇｄ、Ｄｙ、Ｅｒ、Ｙｂ、Ｎｄが望ましく、Ｌａ、Ｎｄが特に望ましい。
【００２１】
さらに、本発明で得られる誘電体磁器組成物は、前記組成物を主成分として、これにＺｎＯ、ＮｉＯ、ＳｎＯ_２、Ｃｏ_３Ｏ_４、ＭｎＣＯ_３、ＺｒＯ_２、ＷＯ_３、ＬｉＣＯ_３、Ｒｂ_２ＣＯ_３、Ｓｃ_２Ｏ_３、Ｖ_２Ｏ_５、ＣｕＯ、ＳｉＯ_２、ＭｇＣＯ_３、Ｃｒ_２Ｏ_３、Ｂ_２Ｏ_３、ＧｅＯ_２、Ｓｂ_２Ｏ_５、Ｎｂ_２Ｏ_５、Ｔａ_２Ｏ_５等を添加しても良い。これらは、その添加成分にもよるが、主成分１００重量部に対して６重量部以下の割合で添加することができる。
【００２２】
また、本発明で得られる誘電体磁器組成物において相対密度９５％以上、気孔率５％以下、平均結晶粒径１〜３０μｍとしたのは高いＱ値が得られ、これ以外の範囲ではεｒおよびＱ値が低下するからである。結晶粒径は焼結体内部を無作為に１０箇所以上ＳＥＭ写真を撮り、これらを平均して求める。そのためには写真１００ｃｍ^２にあたり５０〜２００個程度の結晶が写る倍率が望ましい。
【００２３】
本発明で得られる誘電体磁器組成物において結晶相としてα−Ａｌ_２Ｏ_３を含むのはＱ値を高くするためであり、α−Ａｌ_２Ｏ_３が存在しないとＱ値が低くなるからである。Ｑ値を高くするためには、α−Ａｌ_２Ｏ_３量が、ペロブスカイト型構造の結晶相の量に比べて体積で１／１０００００以上１／１０以下であることが望ましい。１／１０００００より小さい場合や、１／１０より大きい場合はＱ値が低下する。Ｑ値を高くするためには、α−Ａｌ_２Ｏ_３量がペロブスカイト型構造の結晶相の量に比べて体積で１／１００００以上１／３０以下が特に望ましい。Ｑ値を高くするためには、ペロブスカイト型構造の結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＢａＴｉＯ_３の固溶体（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）を含むものであることが望ましい。
【００２４】
また、Ｑ値を高くするためにはペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒界に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積が、ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒内に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積よりも多いことが望ましい。Ｑ値を高くするためにはペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒界に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積が、ペロブスカイト型構造の結晶相からなる結晶の粒内に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積の３倍以上であることが特に望ましい。
【００２５】
本発明で得られる誘電体磁器組成物において、結晶相Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の量が、ペロブスカイト型結晶相の量に比べて体積で１／１０以下であることを特徴とするのは、高いＱ値が得られるからであり、１／１０より大きいとＱ値が低下するからである。Ｑ値を高くするためには、結晶相Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の量が、ペロブスカイト型結晶相の量に比べて体積で１／１５以下が特に望ましい。またＱ値を高くするためには、ペロブスカイト型結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＴｉＯ_３の固溶体（ＭはＣａ、ＳｒおよびＢａのうち少なくとも１種以上）を含むものであることが望ましい。
【００２６】
ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の存在は、焼結体内部をＴＥＭ（透過型電子顕微鏡）を用いてＸ線スペクトルを測定することにより確認する。また、ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の存在量の体積比較はＴＥＭを用いて以下の方法により行う。
【００２７】
焼結体内部を３箇所以上無作為に選び、結晶全体が写っている結晶の結晶相を結晶粒子毎に同定する。ＴＥＭの倍率は写真１００ｃｍ^２当たり、結晶全体が写っている結晶が１０〜５０個程度となる様にする。ＴＥＭ写真に含まれる面積を同じ結晶相毎に合計し、これらの面積比を便宜的に体積比とする。また、結晶粒内、粒界に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積比も同様にして求める。
【００２８】
本発明の誘電体磁器組成物を得るためには、以下の製造方法により製造することが必要である。
【００２９】
出発原料として稀土類元素（Ｌｎ）、Ａｌ、Ｍ（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）、Ｂａ及びＴｉの酸化物、炭酸塩、窒化物、炭化物等の焼成により酸化物に変化する原料を用い、これらの金属元素のモル比による組成式をａＬｎ_２Ｏ_Ｘ・ｂＡｌ_２Ｏ_３・ｃＭＯ・ｄＢａＯ・ｅＴｉＯ_２と表したとき、前記ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅおよびｘが
０．０５６≦ａ≦０．４５０
０．０５６≦ｂ≦０．４５０
０．１００≦ｃ≦０．５００
０≦ｄ≦０．１００
０．１００＜ｅ＜０．４７０
３≦ｘ≦４
ただし、０．７５≦ｂ／ａ≦１．２５
０．７５≦ｅ／（ｃ＋ｄ）≦１．２５
ａ＋ｂ＋ｃ＋ｄ＋ｅ＝１
の範囲内にある原料を粉砕して、メジアン粒子径０．４〜２．２μｍとし、この粉砕物を１０００〜１３００℃で１〜１０時間仮焼後、メジアン粒子径０．４〜２．２μｍに湿式粉砕する。このスラリ−に熱分解温度１００〜８００℃の有機バインダ−を２〜１０重量％添加後造粒し、相対密度４５〜７０％にて任意形状に成形、有機バインダ−に含まれる炭素を熱処理により９５％以上除去し、昇温速度５〜３００℃／時間で昇温、相対密度９５％以上に達する温度にて１４５０℃〜１６５０℃で１時間〜２０時間保持し、最高温度から７００℃までを降温速度５〜３００℃／時間で降温することにより、α−Ａｌ_２Ｏ_３結晶相を生成させて本発明の誘電体磁器組成物を得ることができる。望ましくは上記と同様にして仮焼、粉砕後得られたスラリ−に、分散剤例えばポリアクリル酸アンモニウム等を添加して、等電位点よりもｐＨを１以上変更してスラリ−の電位を変更した後、鋳込み成形等の成形型中でスラリー粒子を沈降させる方法で成形する。分散剤は飽和吸着量の２〜１０倍添加することが望ましい。鋳込み成形後上記と同様にしてバインダ−除去、焼成を行い、本発明の誘電体磁器組成物を得ることができる。
【００３０】
本発明の誘電体磁器組成物の製造方法は、例えば以下の通りである。出発原料として、高純度の酸化ネオジウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化チタンの各粉末を用いて、所望の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料のメジアン粒子径が０．４〜２．２μｍとなるまで１〜１００時間、ジルコニアボール等を使用したミルにより湿式混合・粉砕を行う。この混合物を乾燥後、１０００〜１３００℃で１〜１０時間仮焼する。こうして得られた仮焼物をメジアン粒子径が０．４〜２．２μｍとなるまで１〜１００時間、ジルコニアボール等を使用したミルにより湿式混合・粉砕を行う。さらに２〜１０重量％の熱分解温度１００〜８００℃の有機バインダーを加えてから脱水し、その後造粒または整粒する。
【００３２】
または、上記と同様に仮焼、粉砕後のスラリ−にポリアクリル酸アンモニウム等を添加して０．１〜２ｍｇ／ｍ^２吸着させ、電位点よりもｐＨを３〜４高くした後、鋳込み成形等の成形型内でスラリー中の粒子を沈降させる方法で成形する。その後上記と同様にしてバインダ−の除去、焼成を行い、本発明の誘電体磁器組成物を得ることができる。
【００３３】
なお、本発明の製造方法の例として、酸化ネオジウムを稀土類酸化物のうち少なくともひとつ以上に置き換えてもよい。
【００３４】
また、成形型内でスラリー中の粒子を沈降させる成形方法としては、上述した鋳込み成形や遠心成形等を行うことができる。
【００３５】
【参考例１】
誘電体磁器組成物の組成を種々変更しＱ値を確認した。出発原料として高純度の酸化ネオジウム（Ｎｄ_２Ｏ_３）、酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）、炭酸カルシウム（ＣａＣＯ_３）、酸化チタン（ＴｉＯ_２）の各粉末を用いてそれらを表１のモル比の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ボールミルにより約２０時間湿式混合、粉砕、乾燥後、１２００℃で２時間仮焼した。
【００３６】
この仮焼物のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ミルにより約２０時間湿式混合、粉砕を行った。さらに得られたスラリ−に熱分解温度が１５０〜５００℃であるバインダ−を５重量％加えてからスプレ−ドライにより整粒した。得られた整粒粉体を相対密度４５〜７０％となる圧力で円板状に成形し、空気中５００℃で３時間熱処理して有機バインダ−に含まれる炭素分を９５％以上除去し、昇温速度５０℃／時間で昇温、１４５０〜１６５０℃の温度で２時間保持、最高温度から８００℃まで降温速度１０℃／時間で降温、８００℃から室温まで１００℃／時間で降温して焼成した。
【００３７】
得られた焼結体の円板部を平面研磨し、アセトン中で超音波洗浄し、１２０℃で１時間乾燥した後、円柱共振器法により測定周波数３．５〜４．５ＧＨｚで比誘電率εｒ、Ｑ値、共振周波数の温度係数τｆを個測定した。Ｑ値は、マイクロ波誘電体において一般に成立するＱ値×測定周波数ｆ＝−定の関係から１ＧＨｚでのＱ値に換算した。共振周波数の温度係数τｆは、−４０〜８５℃の範囲で測定した。また、相対密度、気孔率を測定した。
【００３８】
ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３の存在は、焼結体内部をＴＥＭ（透過型電子顕微鏡）を用いてＸ線スペクトルを測定することにより確認した。また、ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３の存在量の体積比較はＴＥＭを用いて以下の方法により行った。
【００３９】
焼結体内部を１０箇所以上無作為に選び、結晶粒子全体が写っている結晶粒子の結晶相を結晶粒子毎に同定した。ＴＥＭの倍率は、写真１００ｃｍ^２当たり結晶が４０個程度写る様にした。ＴＥＭ写真に含まれる面積を同じ結晶相毎に合計し、これらの面積比を便宜的に体積比とした。また、結晶粒内、粒界に存在するα−Ａｌ_２Ｏ_３の体積比も同様に求めた。
【００４０】
この結果を表１のＮｏ．１〜１７に示す。表１から明らかなように、各成分の組成比が本発明の範囲内のもの（Ｎｏ．１〜１７）は、比誘電率εｒが３１以上、Ｑ値が３００００（１ＧＨｚにおいて）以上の優れた誘電特性が得られた。また、ペロブスカイト型構造の結晶相はＮｄＡｌＯ_３とＭＢａＴｉＯ_３（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）との固溶体であった。
【００４１】
一方、本発明の範囲外の試料（Ｎｏ．１８〜３９）は、Ｑ値が低いか、またはτｆの絶対値が大きく３０を越えた。
【００４２】
【表１】

【００４３】
【参考例２】
次に、上記と同様にして出発原料として高純度の稀土類酸化物（Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（ただし３≦ｘ≦４）、具体的にはＹ_２Ｏ_３、Ｌａ_２Ｏ_３、ＣｅＯ_２、Ｐｒ_６Ｏ_１１、Ｓｍ_２Ｏ_３、Ｅｕ_２Ｏ_３、Ｇｄ_２Ｏ_３、Ｄｙ_２Ｏ_３、Ｅｒ_２Ｏ_３、Ｙｂ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３）、酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）、炭酸カルシウム（ＣａＣＯ_３）、炭酸ストロンチウム（ＳｒＣＯ_３）、炭酸バリウム（ＢａＣＯ_３）、酸化チタン（ＴｉＯ_２）の各粉末を用いてそれらを表２のモル比の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ボールミルにより約２０時間湿式混合、粉砕、乾燥後、１２００℃で２時間仮焼した。
【００４４】
この仮焼物のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ミルにより約２０時間湿式混合、粉砕を行った。さらに得られたスラリ−に熱分解温度が１５０〜５００℃であるバインダ−を５重量％加えてからスプレ−ドライにより整粒した。得られた整粒粉体を相対密度４５〜７０％となる圧力で円板状に成形し、空気中５００℃で３時間熱処理して有機バインダ−に含まれる炭素分を９５％以上除去し、昇温速度５０℃／時間で昇温、１４５０〜１６５０℃の温度で２時間保持、最高温度から８００℃まで降温速度１０℃／時間で降温、８００℃から室温まで１００℃／時間で降温して焼成した。
【００４５】
得られた焼結体の円板部を平面研磨し、アセトン中で超音波洗浄し、１２０℃で１時間乾燥した後、円柱共振器法により測定周波数３．５〜４．５ＧＨｚで比誘電率εｒ、Ｑ値、共振周波数の温度係数τｆを個測定した。Ｑ値は、マイクロ波誘電体において一般に成立するＱ値×測定周波数ｆ＝−定の関係から１ＧＨｚでのＱ値に換算した。共振周波数の温度係数τｆは、−４０〜８５℃の範囲で測定した。また、相対密度、気孔率を測定した。
【００４６】
ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の存在は、焼結体内部をＴＥＭ（透過型電子顕微鏡）を用いてＸ線スペクトルを測定することにより確認した。また、ペロブスカイト型構造の結晶相、α−Ａｌ_２Ｏ_３、Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（３≦ｘ≦４）（Ｌｎは稀土類元素）の存在量の体積比較はＴＥＭを用いて以下の方法により行った。
【００４７】
焼結体内部を１０箇所無作為に選び、結晶粒子全体が写っている結晶粒子の結晶相を結晶粒子毎に同定した。ＴＥＭの倍率は、写真１００ｃｍ^２当たり結晶が４０個程度写る様にした。ＴＥＭ写真に含まれる面積を同じ結晶相毎に合計し、これらの面積比を便宜的に体積比とした
この結果を表２のＮｏ．４０〜９０に示す。表２から明らかなように、各成分の組成比が本発明の範囲内のもの（Ｎｏ．４０〜９０）は、比誘電率εｒが３１以上、Ｑ値が３００００（１ＧＨｚにおいて）以上の優れた誘電特性が得られた。また、ペロブスカイト型構造の結晶相はＬｎＡｌＯ_{（Ｘ＋３）／２}（ただし３≦ｘ≦４）とＭＢａＴｉＯ_３（ＭはＣａおよびＳｒのうち少なくとも１種以上）との固溶体であった。
【００４８】
一方、本発明の範囲外の試料（Ｎｏ．９１〜１１２）は、Ｑ値が低いか、またはτｆの絶対値が大きく３０を越えた。
【００４９】
【表２】

【００５０】
【表３】

【００５１】
【実施例１】
さらに、参考例１、２と同様に出発原料として高純度の稀土類酸化物（Ｌｎ_２Ｏ_Ｘ（ただし３≦ｘ≦４）、具体的にはＹ_２Ｏ_３、Ｌａ_２Ｏ_３、ＣｅＯ_２、Ｐｒ_６Ｏ_１１、Ｓｍ_２Ｏ_３、Ｅｕ_２Ｏ_３、Ｇｄ_２Ｏ_３、Ｄｙ_２Ｏ_３、Ｅｒ_２Ｏ_３、Ｙｂ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３）、酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）、炭酸カルシウム（ＣａＣＯ_３）、炭酸ストロンチウム（ＳｒＣＯ_３）、炭酸バリウム（ＢａＣＯ_３）、酸化チタン（ＴｉＯ_２）の各粉末を用いてそれらを表２、３のモル比の割合となるように秤量後、純水を加え、混合原料のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ボールミルにより約２０時間湿式混合、粉砕、乾燥後、１２００℃で２時間仮焼した。
【００５２】
この仮焼物のメジアン粒径が２．２μｍ以下となるまで、ミルにより約２０時間湿式混合、粉砕を行った。得られたスラリ−に、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウムを添加して、等電位点よりもｐＨを２〜５高くしてスラリ−の電位を変更した後、鋳込み成形した。ポリアクリル酸アンモニウムの添加量は飽和吸着量の２〜１０倍であった。鋳込み成形後実施例１、２と同様にしてバインダ−除去、焼成等を行い、同様の評価を行った。
【００５３】
その結果、実施例１、２と同様に１ＧＨｚ換算において３００００以上のＱ値が得られた。
【００５４】
一方、分散剤を添加せず、電位、ｐＨの調整をしなかった場合はＱ値が２００００よりも低くなった。
【００５５】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、高周波領域において高い誘電率及び高いＱ値を得る事ができる。これにより、マイクロ波やミリ波領域において使用される共振器用材料やＭＩＣ用誘電体基板材料、誘電体導波線路、誘電体アンテナ、その他の各種電子部品等に充分適用することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention provides a dielectric ceramic composition which has a high εr and Q value and stably controls τf near zero in a high frequency region such as microwaves and millimeter waves, and has a small variation in εr, Q value and τf characteristics in manufacturing. For example, the present invention relates to various resonator materials, MIC dielectric substrate materials, dielectric waveguide materials, multilayer ceramic capacitors, and the like used in high-frequency regions such as microwaves and millimeter waves. The present invention relates to a dielectric ceramic composition that can be used and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Dielectric ceramics are widely used in dielectric resonators, MIC dielectric substrates, waveguides, and the like in high-frequency regions such as microwaves and millimeter waves. The required characteristics are (1) the wavelength is reduced to 1 / εr1 / ₂ in the dielectric, so that the relative dielectric constant is large for the demand for miniaturization, and (2) the dielectric loss at high frequencies is reduced. The three main characteristics are as follows: small, that is, high Q; and (3) small change in resonance frequency with respect to temperature, that is, small and stable temperature dependence of relative permittivity.
[0003]
In order to satisfy these requirements, the present applicant has proposed an LnAlCaTi-based (Ln is a rare earth element) dielectric ceramic composition disclosed in JP-A-6-76633.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, this LnAlCaTi-based dielectric porcelain composition has a problem that the relative dielectric constant εr is as high as 34 to 46 and the Q value can be increased to 20,000 or more, but the Q value is low.
[0005]
The present invention has been devised in view of the above problems, and provides a dielectric ceramic composition having a high Q value.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have studied the above problem and found that a method for producing a dielectric ceramic composition having a high Q value can be provided.
[0007]
That is, at least a rare earth element (Ln), Al, M (M is at least one of Ca and Sr), Ba, and Ti are contained as metal elements, and a composition formula based on a molar ratio of these metal elements is aLn _{When represented as 2} O _X .bAl ₂ O ₃ .cMO.dBaO.eTiO ₂ , the a, b, c, d, e and x are 0.056 ≦ a ≦ 0.450.
0.056 ≦ b ≦ 0.450
0.100 ≦ c ≦ 0.500
0 ≦ d ≦ 0.100
0.100 <e <0.470
3 ≦ x ≦ 4
However, 0.75 ≦ b / a ≦ 1.25
0.75 ≦ e / (c + d) ≦ 1.25
a + b + c + d + e = 1
Wherein the relative density is 95% or more, the porosity is 5% or less, the average crystal grain size is 1 to 30 μm, and α-Al ₂ O ₃ is contained as a crystal phase. Further, it has been found that when the following requirements are satisfied, the Q value increases.
[0008]
Firstly, the dielectric ceramic composition is characterized in that the amount of α-Al ₂ O ₃ is from 1/100000 to 1/10 by volume as compared with the amount of the crystal phase having a perovskite structure. It is desirable that the crystal phase having a perovskite structure contains a solid solution of LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr).
[0009]
Second, the volume of α-Al ₂ O ₃ present at the grain boundary of the crystal composed of the perovskite-type crystal phase is changed to the value of α-Al ₂ O ₃ existing within the crystal grains composed of the perovskite-type crystal phase. Characterized in that it is a dielectric porcelain composition larger than the volume of the dielectric ceramic composition. It is desirable that the crystal phase having a perovskite structure contains a solid solution of LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr).
[0010]
Third, the amount of the crystalline phase Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is 1/10 or less (including zero) by volume as compared with the amount of the crystalline phase having a perovskite structure. Wherein the dielectric ceramic composition is It is desirable that the crystal phase having a perovskite structure contains a solid solution of LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr).
[0011]
Here, the dielectric ceramic composition obtained by the production method of the present invention means a sintered body.
[0012]
The reason why the molar ratios a, b, c, d, and e of the respective components in the dielectric ceramic composition obtained by the present invention are limited to the above ranges is as follows.
[0013]
That is, 0.056 ≦ a ≦ 0.450 is set because, when a <0.056, τf becomes positive and the absolute value of τf exceeds 30, and a> 0.450. In this case, the Q value is lower than 20000, τf is negatively large, and its absolute value exceeds 30. In particular, 0.078 ≦ a ≦ 0.400 is preferable.
[0014]
The reason for setting 0.056 ≦ b ≦ 0.450 is that when b <0.056, the Q value is lower than 30,000, τf becomes positive, and when b> 0.450, the Q value is Is lower than 30,000 and τf becomes negatively large. In particular, it is preferable that 0.078 ≦ b ≦ 0.400.
[0015]
Further, the reason for setting 0.100 ≦ c ≦ 0.500 is that when c <0.100, the Q value becomes lower than 30,000, τf becomes larger negatively, and when c> 0.500, the Q value becomes Is decreased, and τf becomes large positively, and its absolute value exceeds 30. In particular, it is preferable that 0.150 ≦ c ≦ 0.450.
[0016]
The reason why 0 ≦ d ≦ 0.100 is that the Q value decreases when 0.100 <d.
[0017]
Also, the reason for setting 0.100 <e <0.470 is that when e ≦ 0.100, τf becomes large negatively, and when e ≧ 0.470, the Q value becomes lower than 30,000 and τf becomes positive. Because it becomes larger. In particular, it is preferable that 0.150 ≦ e ≦ 0.420.
[0018]
The reason that 0.75 ≦ b / a ≦ 1.25 is satisfied is that the Q value decreases when b / a <0.75, and the Q value decreases when b / a> 1.25. Is reduced.
[0019]
Further, the reason that 0.75 ≦ e / (c + d) ≦ 1.25 is satisfied is that if e / (c + d) <0.75, the Q value decreases, and e / (C + d)> 1.25. The reason is that the Q value decreases when.
[0020]
The rare earth elements (Ln) include Y, La, Ce, Pr, Sm, Eu, Gd, Dy, Er, Yb, Nd and the like. Examples of these rare earth element oxides Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) include Y ₂ O ₃ , La ₂ O ₃ , CeO ₂ , Pr ₆ O ₁₁ , Sm ₂ O ₃ , and Eu ₂ O. _3, there is _{_{_{_{Gd 2 O 3, Dy 2 O}}}} 3, Er 2 O 3, Yb 2 O 3, Nd 2 O 3. These rare earth elements are preferably Y, La, Sm, Gd, Dy, Er, Yb, and Nd, and particularly preferably La and Nd.
[0021]
Furthermore, the dielectric porcelain composition obtained by the present invention comprises, as a main component, the above-mentioned composition, and ZnO, NiO, SnO ₂ , Co ₃ O ₄ , MnCO ₃ , ZrO ₂ , WO ₃ , LiCO ₃ , Rb ₂ CO ₃ , Sc ₂ O ₃ , V ₂ O ₅ , CuO, SiO ₂ , MgCO ₃ , Cr ₂ O ₃ , B ₂ O ₃ , GeO ₂ , Sb ₂ O ₅ , Nb ₂ O ₅ , Ta ₂ O _5, etc. It may be added. These can be added at a ratio of 6 parts by weight or less based on 100 parts by weight of the main component, depending on the added components.
[0022]
In the dielectric porcelain composition obtained by the present invention, the relative density of 95% or more, the porosity of 5% or less, and the average crystal grain size of 1 to 30 μm provide a high Q value. This is because the Q value decreases. The crystal grain size is determined by taking SEM photographs at 10 or more locations inside the sintered body at random and averaging these. For that purpose, it is desirable that the magnification is such that about 50 to 200 crystals per 100 cm ² of a photograph are captured.
[0023]
The reason that the dielectric ceramic composition obtained in the present invention contains α-Al ₂ O ₃ as a crystal phase is to increase the Q value, and the Q value is reduced when α-Al ₂ O ₃ is not present. is there. In order to increase the Q value, the amount of α-Al ₂ O ₃ is desirably from 1/10000 to 1/10 by volume as compared with the amount of the crystalline phase having a perovskite structure. If it is smaller than 1/100000 or larger than 1/10, the Q value decreases. In order to increase the Q value, it is particularly desirable that the amount of α-Al ₂ O ₃ is 1/10000 to 1/30 by volume as compared with the amount of the crystal phase having the perovskite structure. In order to increase the Q value, the crystal phase of the perovskite structure includes LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and a solid solution of MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr). Is desirable.
[0024]
Further, in order to increase the Q value, the volume of α-Al ₂ O ₃ present at the grain boundary of the crystal composed of the crystal phase having the perovskite structure exists in the crystal grains composed of the crystal phase having the perovskite structure. It is desirable that the volume is larger than the volume of α-Al ₂ O ₃ . In order to increase the Q value, the volume of α-Al ₂ O ₃ present at the grain boundary of the crystal composed of the perovskite-type crystal phase is changed to the value of α-Al ₂ O ₃ present in the crystal grains composed of the perovskite-type crystal phase. It is particularly desirable that the volume is at least three times the volume of Al ₂ O ₃ .
[0025]
In the dielectric ceramic composition obtained by the present invention, the amount of the crystal phase Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is 1/10 by volume as compared with the amount of the perovskite type crystal phase. The reason for being the following is that a high Q value is obtained, and if it is larger than 1/10, the Q value decreases. In order to increase the Q value, the amount of the crystal phase Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is preferably 1/15 or less in volume compared to the amount of the perovskite type crystal phase. desirable. Further, in order to increase the Q value, the perovskite-type crystal phase is made of a solid solution of LnAlO _{(X + 3) / 2} (3 ≦ x ≦ 4) and MTiO ₃ (M is at least one of Ca, Sr and Ba). It is desirable to include it.
[0026]
Crystal phase of a perovskite-type structure, the presence of _{_{_{α-Al 2 O 3, Ln}}} 2 O X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is rare earth element) is used inside the sintered body TEM (transmission electron microscope) By confirming the X-ray spectrum. Further, the volume comparison of the abundance of the crystal phase having a perovskite structure, α-Al ₂ O ₃ , and Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is performed by the following method using TEM. .
[0027]
The inside of the sintered body is randomly selected at three or more places, and the crystal phase of the crystal in which the entire crystal is captured is identified for each crystal particle. The magnification of the TEM is set so that about 10 to 50 crystals in which the entire crystal is taken per 100 cm ² of the photograph. The areas included in the TEM photograph are totaled for each same crystal phase, and the area ratio of these areas is referred to as a volume ratio for convenience. Further, the volume ratio of α-Al ₂ O ₃ present in the crystal grains and at the grain boundaries is determined in the same manner.
[0028]
In order to obtain the dielectric porcelain composition of the present invention, it is necessary to produce it by the following production method.
[0029]
As starting materials, rare earth elements (Ln), Al, M (M is at least one of Ca and Sr), Ba and Ti oxides, carbonates, nitrides, carbides, etc., are converted to oxides by firing. When a raw material is used and the composition formula based on the molar ratio of these metal elements is expressed as aLn ₂ O _X .bAl ₂ O ₃ .cMO.dBaO.eTiO ₂ , a, b, c, d, e, and x are 0. 0.056 ≦ a ≦ 0.450
0.056 ≦ b ≦ 0.450
0.100 ≦ c ≦ 0.500
0 ≦ d ≦ 0.100
0.100 <e <0.470
3 ≦ x ≦ 4
However, 0.75 ≦ b / a ≦ 1.25
0.75 ≦ e / (c + d) ≦ 1.25
a + b + c + d + e = 1
Is crushed to a median particle diameter of 0.4 to 2.2 μm, and after calcination of the crushed material at 1000 to 1300 ° C. for 1 to 10 hours, a median particle diameter of 0.4 to 2.2 μm Wet grinding. After adding 2 to 10% by weight of an organic binder having a thermal decomposition temperature of 100 to 800 ° C. to the slurry, granulation is performed, and the slurry is formed into an arbitrary shape at a relative density of 45 to 70%, and carbon contained in the organic binder is subjected to heat treatment. 95% or more is removed, the temperature is raised at a rate of 5 to 300 ° C./hour, the temperature is maintained at 1450 ° C. to 1650 ° C. for 1 hour to 20 hours at a temperature at which the relative density reaches 95% or more. By lowering the temperature at a temperature lowering rate of 5 to 300 ° C./hour, an α-Al ₂ O ₃ crystal phase is generated, and the dielectric ceramic composition of the present invention can be obtained. Desirably, a dispersing agent such as ammonium polyacrylate is added to the slurry obtained after calcination and pulverization in the same manner as described above, and the pH is changed by one or more from the equipotential point to change the potential of the slurry. After that, molding is performed by a method of causing slurry particles to settle in a molding die such as casting. It is desirable to add the dispersant 2 to 10 times the saturated adsorption amount. After the casting, the binder is removed and baked in the same manner as described above to obtain the dielectric ceramic composition of the present invention.
[0030]
The method for producing the dielectric ceramic composition of the present invention is, for example, as follows. As starting materials, high-purity neodymium oxide, aluminum oxide, calcium carbonate, strontium carbonate, barium carbonate, and titanium oxide powders were weighed to a desired ratio, pure water was added, and the median of the mixed raw materials was obtained. Wet mixing / pulverization is performed by a mill using zirconia balls or the like for 1 to 100 hours until the particle diameter becomes 0.4 to 2.2 μm. After drying this mixture, it is calcined at 1000 to 1300 ° C. for 1 to 10 hours. The calcined product thus obtained is wet-mixed and pulverized by a mill using zirconia balls or the like for 1 to 100 hours until the median particle diameter becomes 0.4 to 2.2 μm. Further, 2 to 10% by weight of an organic binder having a thermal decomposition temperature of 100 to 800 ° C. is added, followed by dehydration, and then granulation or sizing.
[0032]
Alternatively, similarly to the above, the slurry after calcination and pulverization is added with ammonium polyacrylate or the like to adsorb 0.1 to ² mg / m ² , and the pH is raised 3 to 4 above the potential point, and then cast molding Molding is performed by a method in which particles in the slurry are settled in a mold such as the one described above. Thereafter, the binder is removed and baked in the same manner as above to obtain the dielectric ceramic composition of the present invention.
[0033]
In addition, as an example of the production method of the present invention, neodymium oxide may be replaced with at least one of rare earth oxides.
[0034]
In addition, as a molding method for causing the particles in the slurry to settle in the molding die, the above-described casting molding, centrifugal molding, and the like can be performed.
[0035]
[Reference Example 1]
The Q value was confirmed by variously changing the composition of the dielectric ceramic composition. Using high purity neodymium oxide (Nd ₂ O ₃ ), aluminum oxide (Al ₂ O ₃ ), calcium carbonate (CaCO ₃ ), and titanium oxide (TiO ₂ ) powders as starting materials, and using them in the molar ratio shown in Table 1. , And pure water was added. The mixture was wet-mixed with a ball mill for about 20 hours, pulverized and dried until the median particle diameter of the mixed raw material became 2.2 μm or less, and then calcined at 1200 ° C. for 2 hours. .
[0036]
The calcined product was wet-mixed and pulverized for about 20 hours by a mill until the median particle size became 2.2 μm or less. Further, 5% by weight of a binder having a thermal decomposition temperature of 150 to 500 ° C. was added to the obtained slurry, followed by spray-drying and sizing. The obtained sized powder is formed into a disk shape at a pressure that gives a relative density of 45 to 70%, and heat-treated in air at 500 ° C. for 3 hours to remove carbon content contained in the organic binder by 95% or more. The temperature is raised at a rate of 50 ° C./hour, maintained at a temperature of 1450 to 1650 ° C. for 2 hours, cooled from the maximum temperature to 800 ° C. at a rate of 10 ° C./hour, and lowered from 800 ° C. to room temperature at a rate of 100 ° C./hour. Fired.
[0037]
The disk portion of the obtained sintered body is polished in a plane, ultrasonically cleaned in acetone, dried at 120 ° C. for 1 hour, and then measured for relative dielectric constant at a measurement frequency of 3.5 to 4.5 GHz by a cylindrical resonator method. εr, Q value, and temperature coefficient τf of the resonance frequency were measured. The Q value was converted to a Q value at 1 GHz from a relation of Q value × measurement frequency f = −constant which generally holds in a microwave dielectric. The temperature coefficient τf of the resonance frequency was measured in the range of -40 to 85 ° C. Further, the relative density and the porosity were measured.
[0038]
The presence of the crystal phase having a perovskite structure, α-Al ₂ O ₃ and Nd ₂ O ₃ was confirmed by measuring the X-ray spectrum inside the sintered body using a TEM (transmission electron microscope). The volume comparison of the amounts of the perovskite-type crystal phase, α-Al ₂ O ₃ , and Nd ₂ O ₃ was performed using TEM by the following method.
[0039]
The inside of the sintered body was randomly selected at 10 or more places, and the crystal phase of the crystal particles in which the entire crystal particles were captured was identified for each crystal particle. The magnification of the TEM was such that about 40 crystals appeared per 100 cm ² of the photograph. The areas included in the TEM photograph were totaled for each of the same crystal phases, and the area ratios thereof were defined as volume ratios for convenience. In addition, the volume ratio of α-Al ₂ O ₃ present in the crystal grains and at the grain boundaries was similarly determined.
[0040]
The results are shown in Table 1. 1 to 17. As is clear from Table 1, those having a composition ratio of each component within the range of the present invention (Nos. 1 to 17) have excellent relative dielectric constants εr of 31 or more and Q values of 30000 (at 1 GHz) or more. Dielectric properties were obtained. The crystal phase of the perovskite structure was a solid solution of NdAlO ₃ and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr).
[0041]
On the other hand, in the samples (Nos. 18 to 39) outside the range of the present invention, the Q value was low, or the absolute value of τf exceeded 30.
[0042]
[Table 1]

[0043]
[Reference Example 2]
Next, a high-purity rare earth oxide (Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4), specifically, Y ₂ O ₃ , La ₂ O ₃ , CeO ₂ , Pr _{_{_{_{6 O 11, Sm 2 O 3}}}} , Eu 2 O 3, Gd 2 O 3, Dy 2 O 3, Er 2 O 3, Yb 2 O 3, Nd 2 O 3), aluminum oxide _(Al _{2 O} 3), carbonate Powders of calcium (CaCO ₃ ), strontium carbonate (SrCO ₃ ), barium carbonate (BaCO ₃ ), and titanium oxide (TiO ₂ ) were weighed so as to have a molar ratio shown in Table 2, and then pure water was used. Was added, wet-mixed by a ball mill for about 20 hours, pulverized, dried, and calcined at 1200 ° C. for 2 hours until the median particle size of the mixed raw material became 2.2 μm or less.
[0044]
The calcined product was wet-mixed and pulverized for about 20 hours by a mill until the median particle size became 2.2 μm or less. Further, 5% by weight of a binder having a thermal decomposition temperature of 150 to 500 ° C. was added to the obtained slurry, followed by spray-drying and sizing. The obtained sized powder is formed into a disk shape at a pressure that gives a relative density of 45 to 70%, and heat-treated in air at 500 ° C. for 3 hours to remove carbon content contained in the organic binder by 95% or more. The temperature is raised at a rate of 50 ° C./hour, maintained at a temperature of 1450 to 1650 ° C. for 2 hours, cooled from the maximum temperature to 800 ° C. at a rate of 10 ° C./hour, and lowered from 800 ° C. to room temperature at a rate of 100 ° C./hour. Fired.
[0045]
The disk portion of the obtained sintered body is polished in a plane, ultrasonically cleaned in acetone, dried at 120 ° C. for 1 hour, and then measured for relative dielectric constant at a measurement frequency of 3.5 to 4.5 GHz by a cylindrical resonator method. εr, Q value, and temperature coefficient τf of the resonance frequency were measured. The Q value was converted to a Q value at 1 GHz from a relation of Q value × measurement frequency f = −constant which generally holds in a microwave dielectric. The temperature coefficient τf of the resonance frequency was measured in the range of -40 to 85 ° C. Further, the relative density and the porosity were measured.
[0046]
Crystal phase of a perovskite-type structure, the presence of _{_{_{α-Al 2 O 3, Ln}}} 2 O X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is rare earth element) is used inside the sintered body TEM (transmission electron microscope) It was confirmed by measuring the X-ray spectrum. The volume comparison of the amount of the perovskite-type crystal phase, α-Al ₂ O ₃ , and Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is performed by the following method using TEM. Was.
[0047]
The inside of the sintered body was randomly selected at 10 points, and the crystal phase of the crystal particle in which the entire crystal particle was captured was identified for each crystal particle. The magnification of the TEM was such that about 40 crystals appeared per 100 cm ² of the photograph. The areas included in the TEM photographs were totaled for each same crystal phase, and the area ratios of these areas were defined as volume ratios for convenience. 40 to 90. As is clear from Table 2, the composition ratio of each component within the range of the present invention (No. 40 to 90) is excellent in that the relative dielectric constant εr is 31 or more and the Q value is 30000 (at 1 GHz) or more. Dielectric properties were obtained. The crystal phase of the perovskite structure was a solid solution of LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr).
[0048]
On the other hand, samples (Nos. 91 to 112) out of the range of the present invention had a low Q value or a large absolute value of τf exceeding 30.
[0049]
[Table 2]

[0050]
[Table 3]

[0051]
Embodiment 1
Furthermore, as in Reference Examples 1 and 2, high-purity rare earth oxides (Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4), specifically Y ₂ O ₃ , La ₂ O ₃ , CeO ₂ _{_{_{_{, Pr 6 O 11, Sm 2}}}} O 3, Eu 2 O 3, Gd 2 O 3, Dy 2 O 3, Er 2 O 3, Yb 2 O 3, Nd 2 O 3), aluminum oxide _(Al _{2 O} 3) , Calcium carbonate (CaCO ₃ ), strontium carbonate (SrCO ₃ ), barium carbonate (BaCO ₃ ), and titanium oxide (TiO ₂ ) were weighed so as to have the molar ratios shown in Tables 2 and 3. Thereafter, pure water was added, and the mixture was wet-mixed, pulverized, and dried by a ball mill for about 20 hours until the median particle size of the mixed raw material became 2.2 μm or less, and then calcined at 1200 ° C. for 2 hours.
[0052]
The calcined product was wet-mixed and pulverized for about 20 hours by a mill until the median particle size became 2.2 μm or less. To the obtained slurry, ammonium polyacrylate was added as a dispersing agent, and the pH of the slurry was raised by 2 to 5 above the equipotential point to change the potential of the slurry, followed by casting. The addition amount of ammonium polyacrylate was 2 to 10 times the saturated adsorption amount. After casting, binder removal and firing were performed in the same manner as in Examples 1 and 2, and the same evaluation was performed.
[0053]
As a result, similarly to Examples 1 and 2, a Q value of 30,000 or more was obtained in 1 GHz conversion.
[0054]
On the other hand, when the dispersant was not added and the potential and pH were not adjusted, the Q value was lower than 20,000.
[0055]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, a high dielectric constant and a high Q value can be obtained in a high frequency region. As a result, the present invention can be sufficiently applied to resonator materials, MIC dielectric substrate materials, dielectric waveguides, dielectric antennas, and other various electronic components used in microwave and millimeter wave regions.

Claims

It contains at least rare earth elements (Ln), Al, M (M is at least one of Ca and Sr), Ba, and Ti as metal elements, and the composition formula based on the molar ratio of these metal elements is aLn ₂ O _X , bAl ₂ O ₃ .cMO.dBaO.eTiO ₂ , wherein a, b, c, d, e, and x are 0.056 ≦ a ≦ 0.450.
0.056 ≦ b ≦ 0.450
0.100 ≦ c ≦ 0.500
0 ≦ d ≦ 0.100
0.100 <e <0.470
3 ≦ x ≦ 4
However, 0.75 ≦ b / a ≦ 1.25
0.75 ≦ e / (c + d) ≦ 1.25
a + b + c + d + e = 1
Wherein the relative density is 95% or more, the porosity is 5% or less, the average crystal grain size is 1 to 30 μm, and the dielectric ceramic composition contains α-Al ₂ O ₃ as a crystal phase. After the baking and pulverization, a dispersing agent is added to the slurry, the pH is changed by one or more from the pH at the equipotential point, and then the particles in the slurry are settled in a molding die to form. Of producing a dielectric porcelain composition.

α-Al ₂ O ₃ amount, the dielectric according to claim 1, wherein the obtaining 1/100000 least 1/10 of the following dielectric ceramic composition by volume relative to the amount of the crystalline phase of the perovskite type structure A method for producing a porcelain composition.

The volume of α-Al ₂ O ₃ present at the grain boundary of the crystal composed of the perovskite type crystal phase is larger than the volume of α-Al ₂ O ₃ existing within the crystal grains of the crystal composed of the perovskite type crystal. 3. The method for producing a dielectric ceramic composition according to claim 1, wherein a large amount of the dielectric ceramic composition is obtained.

A dielectric ceramic composition is obtained in which the amount of the crystalline phase Ln ₂ O _X (3 ≦ x ≦ 4) (Ln is a rare earth element) is 1/10 or less in volume as compared with the amount of the perovskite type crystalline phase. The method for producing a dielectric ceramic composition according to any one of claims 1 to 3, wherein:

Obtaining a dielectric ceramic composition containing a solid solution of a perovskite type crystal phase of LnAlO _{(X + 3) / 2} (where 3 ≦ x ≦ 4) and MBaTiO ₃ (M is at least one of Ca and Sr) The method for producing a dielectric ceramic composition according to any one of claims 1 to 4, wherein