JP3558830B2 - Interlayer adhesive - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共押出成形法により多層フィルムを製造する際に使用する層間接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より包装材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素含有ポリマーフィルムまたはエバールなどのガスバリアー性ポリマーフィルムと機械的性質に優れたポリアミド系やポリエステル系樹脂フィルム、ヒートシール性に優れたポリエチレンやポリプロピレン系樹脂フィルムなどとの多層構造を有している。多層化に際しては、各フィルム層間の接着が必要であり、従来よりポリウレタン溶液系の接着剤が使用され、特に、塩素含有ポリマーフィルムの接着には2液型のポリウレタン系接着剤が用いられている。また、多層フィルムの素材ポリマーによっては脂肪酸変性オレフィン、エポキシ変性オレフィンなどの接着性樹脂が、共押出成形用の層間接着剤として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の2液型のポリウレタン系接着剤を使用する場合には、多層化工程で溶剤の大気放出による環境問題が懸念されている。さらに、製造コストの低減化のために、共押出成形法による多層フィルムの製造が望まれているのが実情である。
【0004】
本発明の目的は、製造工程が簡略化でき、かつ環境への影響の少ない共押出成形法により多層フィルムを製造する際に使用可能な、接着性能、機械的強度、耐熱性、耐寒性、共押出成形性等に優れた層間接着剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、塩素含有ビニル系ポリマーとポリアミド系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーとの層間接着剤として、構造単位である高分子ポリオール単位が特定の平均官能基数fを有しており、かつ特定の溶融粘性を有する熱可塑性ポリウレタンが有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、共押出成形法により多層フィルムを製造するに際し、フィルム素材であるポリアミド系ポリマーおよびポリエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、式(I)で示される構造単位(I)および/または式(II)で示される構造単位(II)を有する塩素含有ビニル系ポリマーとの層間の接着に使用され、かつ平均官能基数fが2.003〜2.1である高分子ポリオール単位、有機ジイソシアネート単位および鎖伸長剤単位からなり、測定温度220℃、剪断速度100s−1における溶融粘度ηaが250〜800Pa・sである熱可塑性ポリウレタンからなることを特徴とする接着剤に関する。
【0007】
【化3】

Figure 0003558830
【0008】
【化4】
Figure 0003558830
【0009】
[但し、mおよびnはそれぞれ塩素含有ビニル系ポリマーの構造単位(I)および構造単位(II)のモル%を表し、m+n=100、0≦m≦100および0≦n≦100の関係を有する。]
【0010】
【発明の実施の形態】
熱可塑性ポリウレタンを構成する高分子ポリオールとしては、ポリエーテル系またはポリエステル系であるのが好ましいが、これらの平均官能基数f(高分子ポリオール1分子当たりの水酸基の数)は2.003〜2.1であることが重要である。かかるf値を有する高分子ポリオールは、製造時に官能基の数が3以上の化合物を所定量添加することにより得られる。官能基の数が3以上の化合物としては、例えばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の水酸基含有化合物を使用するのが好ましい。f値が2.003未満であると、得られる接着剤の接着強力は低く、かかる接着剤が層間接着に使用された多層フィルムには、皺、波打ち、厚み斑等が認められる。f値が2.1を越えると、得られる接着剤を層間接着に使用して多層フィルムを連続成形する場合には、得られる多層フィルムにフィッシュアイなどのブツが発生し、また多層フィルムには皺、波打ち、厚み斑等が認められる。
【0011】
ポリエーテル系高分子ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。一方、ポリエステル系高分子ポリオールは、例えばジカルボン酸成分、ジオール成分および上記した3官能以上の水酸基含有化合物から、触媒としてチタン系化合物やスズ系化合物の存在下にエステル化反応を行う通常の方法により製造される。ここで、ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらのジカルボン酸成分およびジオール成分はそれぞれ1種または2種以上の組合わせで用いられる。
【0012】
そして高分子ポリオールは、熱可塑性ポリウレタンの機械特性、低温特性、共押出成形性の点から数平均分子量が500〜4000の範囲のものが好ましく、700〜3500の範囲のものがより好ましい。高分子ジオールの数平均分子量が4000を越えると、熱可塑性ポリウレタンの共押出成形安定性が悪くなる傾向にあり、また500未満では熱可塑性ポリウレタンの耐寒性、耐熱性が劣る傾向を呈し、いずれも好ましくない。ここで、数平均分子量はJIS K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した値である。
【0013】
熱可塑性ポリウレタンを構成する有機ジイソシアネートとしては、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられているいずれもが使用でき、その種類は特に制限されない。分子量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種または2種以上を組合わせて使用するのが好ましい。有機ジイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。さらに、必要に応じて、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネートを少量併用しても良い。
【0014】
熱可塑性ポリウレタンを構成する鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられているいずれもが使用でき、その種類は特に制限されない。そのうちでも、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個有する分子量300以下の低分子ジオールが好ましい。低分子ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび芳香族ジオールのいずれであってもよく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−へキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどが挙げられる。さらに、必要に応じて、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3官能以上の低分子ポリオールを少量併用しても良い。
【0015】
本発明の接着剤を構成する熱可塑性ポリウレタンは、測定温度220℃、剪断速度100s−1における溶融粘度ηaが250〜800Pa・sであることが必要である。溶融粘度が250Pa・s未満であるか800Pa・sを越える場合には、塩素含有ビニル系ポリマーとポリアミド系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーとの共押出のバランスが悪く、均一な共押出フィルムは得られない。
【0016】
熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に制限されないが、高分子ポリオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を溶融状態で定量ポンプを用いて多軸スクリュー型押出機に供給し、溶融状態で連続的に重合する方法が、重合時の操作性および得られる熱可塑性ポリウレタンの物性などの点から好ましい。
【0017】
本発明の接着剤を構成する熱可塑性ポリウレタンは、必要に応じて酸化防止剤、耐光安定剤、滑剤、顔料などの添加剤の1種または2種以上を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。
【0018】
本発明の接着剤は、ポリアミド系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーと前記の塩素含有ビニル系ポリマーとを共押出して多層フィルムを製造するに際して、層間接着剤として使用される。
【0019】
ポリアミド系ポリマーとしては、ポリマー主鎖に−CO−NH−結合を有し、加熱溶融できるものであれば特に制限されず、例えば、3員環以上のラクタムを開環重合させることによって得られるポリアミド、ω−アミノ酸の重縮合により得られるポリアミド、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合により得られるポリアミドなどを挙げることができる。ポリアミドの原料として用いられるラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどを挙げることができる。ω−アミノ酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸などを挙げることができる。ジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などを挙げることができる。ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができる。ポリアミド系ポリマーは極限粘度(98%濃硫酸を溶媒として測定)が0.5〜2.5dl/gのものが好ましく、0.8〜2.0dl/gのものがより好ましい。
【0020】
ポリエステル系ポリマーとしては、実質的にジオール単位およびジカルボン酸単位から構成されるポリマーを用いることができる。ジオール単位としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールから誘導される単位を挙げることができる。ジカルボン酸単位としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロへキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体などから誘導される単位を挙げることができる。これらのなかでも、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのように、脂肪族ジオール単位および芳香族ジカルボン酸単位からなるものが好ましい。ポリエステル系ポリマーは極限粘度(テトラフルオロエチレンとフェノールの等重量混合液を溶媒として測定)が0.5〜0.9dl/gのものが好ましく、0.6〜0.7dl/gのものがより好ましい。
【0021】
前記の塩素含有ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができる。これらは重合度が100〜5000の範囲のものが好ましく、1000〜3000の範囲のものがより好ましい。塩素含有ビニル系ポリマーは成形加工助剤として通常用いられている、アジピン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸アセチルトリブチルなどの可塑剤を含んでいてもよい。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0023】
以下の参考例、実施例および比較例では、それぞれの化合物を下記の表1に示す略号で記載する。
【0024】
【表1】
Figure 0003558830
【0025】
参考例1〜6 〈ポリエステル系高分子ポリオールの製造〉
下記の表2に示すジカルボン酸成分、ジオール成分およびTMPをモル比で、1対1.17対{0.122×(f−2)}となるように反応釜に仕込み、210℃の高温下で水を留出させることによりエステル化反応せしめた。水の留出がほぼ停止した時点で、酸価を測定して30以下であることを確認し、テトライソプロピルチタネートを15ppm添加した。次いで、220℃に昇温し、減圧度4000Paで脱水し、更に減圧度130Pa
以下で脱グリコール反応によりエステル交換せしめた後、水酸基価を測定し、目標とする数平均分子量であることを確認した。次いで、100℃に保ち、3%の水を加え、2時間撹拌後、減圧にして水を除去して所望のポリエステル系高分子ポリオールを得た。得られたポリエステル系高分子ポリオールの数平均分子量を併せて下記の表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003558830
【0027】
下記の実施例および比較例において、熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価は以下の方法で行った。
【0028】
〈溶融粘度の測定〉
熱可塑性ポリウレタンペレットを、90℃の温度で減圧乾燥機にて乾燥し、次いで、高下式フローテスター[(株)島津製作所製]にて、測定温度220℃、予熱時間360秒、ダイス口径が1mm、ダイス厚みが10mm、荷重0.98〜4.9MPaの条件で数点測定して、グラフ上から剪断速度100s−1における溶融粘度(Pa・s)を求めた。
【0029】
〈共押出成形性の評価〉
塩素含有ビニル系ポリマーとしては信越化学工業(株)製のポリ塩化ビニルTK−500またはsolvay社製のポリ塩化ビニリデンIXAN PV892を、ポリアミド系ポリマーとしては宇部興産(株)製のUBEナイロン3035JU6を、ポリエステル系ポリマーとしては、(株)クラレ製のクラペット1030を使用し、下記の実施例または比較例で得られた熱可塑性ポリウレタンを用い、それぞれのポリマーを溶融状態にて共押出機より押出し、ダイス部から、ポリアミド系ポリマーまたはポリエステル系ポリマー層(60μm)/熱可塑性ポリウレタン層(20μm)/塩素含有ビニル系ポリマー層(60μm)の順に積層した3層構造の共押出積層体を得た。それぞれのポリマーの押出最高温度は、塩素含有ビニル系ポリマーが190℃、ポリアミド系ポリマーが240℃、ポリエステル系ポリマーが260℃、熱可塑性ポリウレタンが215℃とした。積層体の厚みの均一性を、皺、波打ち、10%以上の厚み斑の何れかが認められた場合に「×」と評価し、平滑な積層体が得られた場合に「○」と評価した。また、共押出成形の連続運転性を、共押出成形を3時間継続して実施した後に得られる積層体にフィッシュアイなどの直径10μ以上のブツが確認された場合に「×」と評価し、ブツが認められなった場合に「○」と評価した。
【0030】
〈積層体の接着強力の評価〉
上記の積層体を10mm×100mmの短冊状に切り出し、端部をジメチルホルムアミド中に3時間浸漬して剥離させ、引張試験機にてT剥離強度を測定した(測定温度:23℃、湿度:65%RH、剥離スピード:200mm/分)。T剥離強度が500g/cm以上であった場合に「○」と評価し、500g/cm未満の場合に「×」と評価し、積層体の厚み斑が大きく測定不能であった場合に「−」と表記した。
【0031】
実施例1
体積計量ポンプを用いて溶融状態のPOH−1、MDIおよびBDを表3に示すモル比でそれぞれ同方向2軸押出機(プラスチック工学研究所(株)製「BP−30−S」、φ30mm、スクリュー長さ1080mm)に連続的に供給し、230〜260℃の温度で溶融重合し、押出機の先端部からストランド状に押出し、水冷してペレット状に切断した。次いで、得られたペレットを80℃で5時間乾燥し、熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価を上記の方法により行った。それらの結果を表3に示す。
共押出成形性の評価では、平滑で、かつ長時間運転してもブツなどの発生がない良好な積層体を得ることができた。
【0032】
実施例2〜4
実施例1と同様にしてポリエステル系高分子ポリオール、MDIおよびBDを表3に示すモル比でそれぞれ溶融重合し、ペレット化し、熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価を同様にして行った。それらの結果を表3に示す。共押出成形性の評価では、いずれも良好な積層体を得ることができた。
【0033】
比較例1および3
実施例1と同様にして高分子ポリオール、MDIおよびBDを表3に示すモル比でそれぞれ溶融重合し、ペレット化し、熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価を同様にして行った。それらの結果を表3に示す。共押出成形性の評価では、いずれも積層体全体に皺が寄り、良好な積層体を得ることができなかった。
【0034】
比較例2および4
実施例1と同様にして高分子ポリオール、MDIおよびBDを表3に示すモル比でそれぞれ溶融重合し、ペレット化し、熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価を同様にして行った。それらの結果を表3に示す。共押出成形性の評価では、いずれも熱可塑性ポリウレタンの吐出安定性が不良で、積層体の厚み変動が大きく筋状の皺が入り、かつ成形開始後3時間で熱可塑性ポリウレタン層中にブツの発生も認められ、良好な積層体を得ることができなかった。
【0035】
比較例5
実施例1と同様にして高分子ポリオール、MDIおよびBDを表3に示すモル比でそれぞれ溶融重合し、ペレット化し、熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの溶融粘度の測定、共押出成形性および積層体の接着強力の評価を同様にして行った。それらの結果を表3に示す。共押出成形性の評価では、熱可塑性ポリウレタンの吐出安定性が不良で、積層体の厚み変動が大きく、かつ成形開始後10分間で熱可塑性ポリウレタン層中にブツの発生も認められ、良好な積層体を得ることができなかった。
【0036】
【表3】
Figure 0003558830
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、製造工程が簡略化でき、かつ環境への影響の少ない共押出成形法により多層フィルムを製造する際に使用可能な、接着性能の優れた層間接着剤が提供される。また本発明の層間接着剤は機械的強度、耐熱性、耐寒性、共押出成形性等に優れる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an interlayer adhesive used when producing a multilayer film by a coextrusion molding method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, packaging materials include chlorine-containing polymer films such as polyvinyl chloride and polyvinylidene chloride or gas barrier polymer films such as Eval, polyamide and polyester resin films with excellent mechanical properties, and polyethylene with excellent heat sealability. And a multi-layer structure with a polypropylene resin film or the like. At the time of multi-layering, adhesion between the respective film layers is necessary, and a polyurethane solution-based adhesive has conventionally been used. In particular, a two-component polyurethane-based adhesive has been used for bonding a chlorine-containing polymer film. . Further, depending on the material polymer of the multilayer film, an adhesive resin such as a fatty acid-modified olefin or an epoxy-modified olefin is used as an interlayer adhesive for coextrusion molding.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the above-mentioned two-pack type polyurethane-based adhesive is used, there is a concern about environmental problems due to release of a solvent into the atmosphere in the multilayering process. Further, in order to reduce the production cost, it is a reality that production of a multilayer film by a coextrusion molding method is desired.
[0004]
It is an object of the present invention to provide an adhesive property, a mechanical strength, a heat resistance, a cold resistance and a coexistence which can be used for producing a multilayer film by a coextrusion molding method which can simplify a production process and has less influence on the environment. An object of the present invention is to provide an interlayer adhesive excellent in extrudability and the like.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies conducted by the present inventors to achieve the above object, as an interlayer adhesive between a chlorine-containing vinyl polymer and a polyamide-based polymer or a polyester-based polymer, a polymer polyol unit as a structural unit has a specific structure. The inventors have found that a thermoplastic polyurethane having an average functional group number f and a specific melt viscosity is useful, and have completed the present invention.
[0006]
That is, in the present invention, when producing a multilayer film by a coextrusion molding method, at least one polymer selected from the group consisting of a polyamide-based polymer and a polyester-based polymer as a film material and a structure represented by the formula (I) Used for adhesion between layers with a chlorine-containing vinyl-based polymer having the unit (I) and / or the structural unit (II) represented by the formula (II), and has an average functional group number f of 2.003 to 2.1. An adhesive comprising a thermoplastic polyol comprising a polymer polyol unit, an organic diisocyanate unit and a chain extender unit and having a melt viscosity ηa of 250 to 800 Pa · s at a measurement temperature of 220 ° C. and a shear rate of 100 s −1 . About.
[0007]
Embedded image
Figure 0003558830
[0008]
Embedded image
Figure 0003558830
[0009]
[Where m and n represent mol% of the structural unit (I) and the structural unit (II) of the chlorine-containing vinyl polymer, respectively, and have a relationship of m + n = 100, 0 ≦ m ≦ 100 and 0 ≦ n ≦ 100. . ]
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The polymer polyol constituting the thermoplastic polyurethane is preferably a polyether-based or polyester-based polyol, and the average number of functional groups f (the number of hydroxyl groups per molecule of the polymer polyol) is 2.003 to 2.0. It is important that it is 1. A polymer polyol having such an f-value can be obtained by adding a predetermined amount of a compound having three or more functional groups at the time of production. As the compound having three or more functional groups, it is preferable to use a trifunctional or more hydroxyl-containing compound such as trimethylolpropane, glycerin, and pentaerythritol. When the f-value is less than 2.003, the adhesive strength of the obtained adhesive is low, and wrinkles, waving, uneven thickness and the like are observed in a multilayer film using such an adhesive for interlayer bonding. If the f-value exceeds 2.1, when the obtained adhesive is used for interlayer bonding to continuously form a multilayer film, the resulting multilayer film may have bumps such as fish eyes and the like. Wrinkles, undulations, uneven thickness, etc. are observed.
[0011]
Examples of the polyether polymer polyol include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, and the like. On the other hand, polyester-based polymer polyols are prepared, for example, from a dicarboxylic acid component, a diol component and the above-mentioned trifunctional or higher hydroxyl-containing compound by a usual method of performing an esterification reaction in the presence of a titanium compound or a tin compound as a catalyst. Manufactured. Here, examples of the dicarboxylic acid component include aliphatic dicarboxylic acids such as succinic acid, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, and dodecane diacid; terephthalic acid, isophthalic acid, and aromatic dicarboxylic acids such as phthalic acid; As the diol component, for example, ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butanediol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,6-hexanediol, 1,9-nonanediol, 3-methyl-1, 5-pentanediol, neopentyl glycol and the like. These dicarboxylic acid components and diol components are used alone or in combination of two or more.
[0012]
The polymer polyol preferably has a number average molecular weight in the range of 500 to 4000, more preferably 700 to 3,500, in view of the mechanical properties, low-temperature properties, and coextrusion moldability of the thermoplastic polyurethane. If the number average molecular weight of the high molecular diol exceeds 4,000, the co-extrusion molding stability of the thermoplastic polyurethane tends to be poor, and if it is less than 500, the cold resistance and heat resistance of the thermoplastic polyurethane tend to be inferior. Not preferred. Here, the number average molecular weight is a value calculated based on the hydroxyl value measured according to JIS K - 1557.
[0013]
As the organic diisocyanate constituting the thermoplastic polyurethane, any of those conventionally used in the production of ordinary thermoplastic polyurethanes can be used, and the type thereof is not particularly limited. It is preferable to use one or more of aromatic diisocyanate, alicyclic diisocyanate and aliphatic diisocyanate having a molecular weight of 500 or less in combination. Examples of the organic diisocyanate include 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, dicyclohexyl methane diisocyanate, isophorone diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, and tetramethylene diisocyanate. Further, if necessary, a small amount of trifunctional or higher functional polyisocyanate such as triphenylmethane triisocyanate may be used.
[0014]
As the chain extender constituting the thermoplastic polyurethane, any of those conventionally used in the production of ordinary thermoplastic polyurethane can be used, and the type thereof is not particularly limited. Among them, a low molecular weight diol having a molecular weight of 300 or less and having two active hydrogen atoms capable of reacting with an isocyanate group in a molecule is preferable. The low molecular weight diol may be any of an aliphatic diol, an alicyclic diol and an aromatic diol, for example, ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 2-methyl -1,3-propanediol, 1,6-hexanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, neopentyl glycol, 1,9-nonanediol, 2-methyl-1,8-octanediol, cyclohexane Diol, cyclohexane dimethanol, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene and the like can be mentioned. Further, if necessary, a small amount of a trifunctional or higher functional low molecular polyol such as trimethylolpropane, glycerin, and pentaerythritol may be used in a small amount.
[0015]
The thermoplastic polyurethane constituting the adhesive of the present invention needs to have a melt viscosity ηa of 250 to 800 Pa · s at a measurement temperature of 220 ° C. and a shear rate of 100 s −1 . If the melt viscosity is less than 250 Pa · s or exceeds 800 Pa · s, the balance of co-extrusion between the chlorine-containing vinyl polymer and the polyamide-based or polyester-based polymer is poor, and a uniform co-extruded film cannot be obtained. .
[0016]
The method for producing a thermoplastic polyurethane is not particularly limited, but a method in which a polymer polyol, an organic diisocyanate, and a chain extender are supplied in a molten state to a multi-screw extruder using a metering pump and are continuously polymerized in a molten state. Is preferred from the viewpoints of operability during polymerization and physical properties of the obtained thermoplastic polyurethane.
[0017]
The thermoplastic polyurethane constituting the adhesive of the present invention may contain one or more additives such as an antioxidant, a light stabilizer, a lubricant and a pigment within a range that does not impair the effects of the present invention. May be contained.
[0018]
The adhesive of the present invention is used as an interlayer adhesive when a polyamide-based polymer or a polyester-based polymer and the chlorine-containing vinyl-based polymer are coextruded to produce a multilayer film.
[0019]
The polyamide-based polymer is not particularly limited as long as it has a -CO-NH- bond in the polymer main chain and can be heated and melted. For example, polyamide obtained by ring-opening polymerization of a lactam having three or more ring members , Polyamide obtained by polycondensation of ω-amino acid, polyamide obtained by polycondensation of dicarboxylic acid and diamine, and the like. Examples of the lactam used as a raw material of polyamide include ε-caprolactam, enantholactam, caprylactam, lauryl lactam, α-pyrrolidone, α-piperidone and the like. Examples of the ω-amino acid include 6-aminocaproic acid, 7-aminoheptanoic acid, 9-aminononanoic acid, 11-aminoundecanoic acid, and the like. Examples of the dicarboxylic acid include malonic acid, dimethylmalonic acid, succinic acid, 3,3-diethylsuccinic acid, glutaric acid, 2,2-dimethylglutaric acid, adipic acid, 2-methyladipic acid, trimethyladipic acid, pimelic acid, Aliphatic dicarboxylic acids such as azelaic acid, sebacic acid and suberic acid; alicyclic dicarboxylic acids such as 1,3-cyclopentanedicarboxylic acid and 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid; terephthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalene Dicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-phenylenedioxydiacetic acid, 1,3-phenylenedioxydiacetic acid, diphenic acid, 4,4′-oxydibenzoic acid Diphenylmethane-4,4'-dicarboxylic acid, diphenylsulfone-4,4'-dicarboxylic acid, , And the like 4'-biphenyl dicarboxylic acid. As the diamine, ethylenediamine, propylenediamine, 1,4-butanediamine, 1,6-hexanediamine, 1,8-octanediamine, 1,9-nonanediamine, 1,10-decanediamine, 1,12-dodecanediamine, 2-methyl-1,5-pentanediamine, 3-methyl-1,5-pentanediamine, 2,2,4-trimethyl-1,6-hexanediamine, 2,4,4-trimethyl-1,6-hexane Aliphatic diamines such as diamine, 2-methyl-1,8-octanediamine and 5-methyl-1,9-nonanediamine; alicyclic diamines such as cyclohexanediamine, methylcyclohexanediamine and isophoronediamine; p-phenylenediamine, m - phenylenediamine, xylylenediamine, 4, 4'Jiaminojife Rumetan, 4,4'-diaminodiphenylsulfone, and aromatic diamines such as 4,4'-diaminodiphenyl ether can be exemplified. The polyamide-based polymer preferably has an intrinsic viscosity (measured using 98% concentrated sulfuric acid as a solvent) of 0.5 to 2.5 dl / g, more preferably 0.8 to 2.0 dl / g.
[0020]
As the polyester-based polymer, a polymer substantially composed of a diol unit and a dicarboxylic acid unit can be used. Examples of the diol unit include ethylene glycol, propylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, neopentyl glycol, 1,6-hexanediol, and 1,7-heptane. Aliphatic diols such as diol, 1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, 1,10-decanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 2-methyl-1,8-octanediol; Examples include units derived from alicyclic diols such as cyclohexane dimethanol and cyclohexanediol. Examples of the dicarboxylic acid unit include aliphatic dicarboxylic acids such as glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, and sebacic acid; alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid; phthalic acid, terephthalic acid, and isophthalic acid Units derived from aromatic dicarboxylic acids such as acids and naphthalenedicarboxylic acids; and ester-forming derivatives thereof. Among them, those composed of an aliphatic diol unit and an aromatic dicarboxylic acid unit, such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, are preferred. The polyester-based polymer preferably has an intrinsic viscosity (measured using an equal weight mixture of tetrafluoroethylene and phenol as a solvent) of 0.5 to 0.9 dl / g, more preferably 0.6 to 0.7 dl / g. preferable.
[0021]
Examples of the chlorine-containing vinyl polymer include polyvinyl chloride and polyvinylidene chloride. These preferably have a degree of polymerization in the range of 100 to 5,000, more preferably 1000 to 3,000. The chlorine-containing vinyl polymer is usually used as a molding aid, and may contain a plasticizer such as dioctyl adipate, dioctyl azelate, dioctyl sebacate, dibutyl phthalate, dioctyl phthalate, and acetyl tributyl citrate. Good.
[0022]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0023]
In the following Reference Examples, Examples and Comparative Examples, each compound is described by the abbreviation shown in Table 1 below.
[0024]
[Table 1]
Figure 0003558830
[0025]
Reference Examples 1 to 6 <Production of polyester polymer polyol>
The dicarboxylic acid component, the diol component, and the TMP shown in Table 2 below were charged into a reaction vessel in a molar ratio of 1: 1: 17: {0.122 × (f-2)}, and heated at a high temperature of 210 ° C. The esterification reaction was carried out by distilling water. When the distillation of water was almost stopped, the acid value was measured and confirmed to be 30 or less, and 15 ppm of tetraisopropyl titanate was added. Next, the temperature was raised to 220 ° C., dehydration was performed at a reduced pressure of 4000 Pa, and further reduced to 130 Pa.
After transesterification by a deglycol reaction below, the hydroxyl value was measured, and it was confirmed that the number average molecular weight was a target. Then, the temperature was kept at 100 ° C., 3% of water was added, and the mixture was stirred for 2 hours, and the pressure was reduced to remove water to obtain a desired polyester polymer polyol. The number average molecular weight of the obtained polyester polymer polyol is also shown in Table 2 below.
[0026]
[Table 2]
Figure 0003558830
[0027]
In the following Examples and Comparative Examples, the measurement of the melt viscosity of the thermoplastic polyurethane, the evaluation of the coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed by the following methods.
[0028]
<Measurement of melt viscosity>
The thermoplastic polyurethane pellets were dried in a vacuum dryer at a temperature of 90 ° C., and then measured by a height type flow tester [manufactured by Shimadzu Corporation] at a measurement temperature of 220 ° C., a preheating time of 360 seconds, and a die diameter of The melt viscosity (Pa · s) at a shear rate of 100 s −1 was measured from several points under the conditions of 1 mm, a die thickness of 10 mm, and a load of 0.98 to 4.9 MPa.
[0029]
<Evaluation of coextrusion moldability>
As a chlorine-containing vinyl polymer, polyvinyl chloride TK-500 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. or polyvinylidene chloride IXAN PV892 manufactured by Solvay is used. As a polyamide polymer, UBE nylon 3035JU6 manufactured by Ube Industries, Ltd. is used. As the polyester-based polymer, Kuraray Co., Ltd. Clappet 1030 was used, and the thermoplastic polyurethane obtained in the following Examples or Comparative Examples was used. From the part, a co-extruded laminate having a three-layer structure in which a polyamide-based polymer or polyester-based polymer layer (60 μm) / a thermoplastic polyurethane layer (20 μm) / a chlorine-containing vinyl polymer layer (60 μm) was laminated in this order was obtained. The maximum extrusion temperature of each polymer was 190 ° C. for the chlorine-containing vinyl polymer, 240 ° C. for the polyamide polymer, 260 ° C. for the polyester polymer, and 215 ° C. for the thermoplastic polyurethane. The uniformity of the thickness of the laminate was evaluated as “X” when any of wrinkles, wavy, and unevenness of 10% or more was recognized, and evaluated as “O” when a smooth laminate was obtained. did. In addition, the continuous operability of the co-extrusion molding was evaluated as “×” when the laminated body obtained after the co-extrusion molding was continuously performed for 3 hours was found to have fish or other particles having a diameter of 10 μ or more, When no spots were observed, it was evaluated as "O".
[0030]
<Evaluation of adhesion strength of laminate>
The laminate was cut into a strip of 10 mm × 100 mm, and the end was immersed in dimethylformamide for 3 hours to be peeled off, and the T peel strength was measured with a tensile tester (measuring temperature: 23 ° C., humidity: 65). % RH, peeling speed: 200 mm / min). When the T peel strength was 500 g / cm or more, it was evaluated as “O”, and when it was less than 500 g / cm, it was evaluated as “X”. When the thickness unevenness of the laminate was too large to be measured, “−” ".
[0031]
Example 1
Using a volumetric pump, the molten POH-1, MDI and BD were co-directionally twin-screw extruders (“BP-30-S” manufactured by Plastics Engineering Laboratory Co., Ltd., φ30 mm, (Screw length: 1080 mm), melt-polymerized at a temperature of 230 to 260 ° C., extruded into a strand from the tip of the extruder, cooled with water, and cut into pellets. Next, the obtained pellet was dried at 80 ° C. for 5 hours to obtain a thermoplastic polyurethane. The measurement of the melt viscosity of the obtained thermoplastic polyurethane, the evaluation of the coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed by the above-described methods. Table 3 shows the results.
In the evaluation of the coextrusion moldability, it was possible to obtain a good laminated body that was smooth and free of bumps even after long-time operation.
[0032]
Examples 2 to 4
In the same manner as in Example 1, the polyester-based polymer polyol, MDI and BD were each melt-polymerized at the molar ratios shown in Table 3 and pelletized to obtain a thermoplastic polyurethane. The measurement of the melt viscosity of the obtained thermoplastic polyurethane, the evaluation of coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed in the same manner. Table 3 shows the results. In the evaluation of the coextrusion moldability, a good laminate was obtained in each case.
[0033]
Comparative Examples 1 and 3
In the same manner as in Example 1, the polymer polyol, MDI and BD were each melt-polymerized at the molar ratios shown in Table 3 and pelletized to obtain a thermoplastic polyurethane. The measurement of the melt viscosity of the obtained thermoplastic polyurethane, the evaluation of the coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed in the same manner. Table 3 shows the results. In the evaluation of the co-extrusion moldability, all of the laminates were wrinkled, and a good laminate could not be obtained.
[0034]
Comparative Examples 2 and 4
In the same manner as in Example 1, the polymer polyol, MDI and BD were each melt-polymerized at the molar ratios shown in Table 3 and pelletized to obtain a thermoplastic polyurethane. The measurement of the melt viscosity of the obtained thermoplastic polyurethane, the evaluation of the coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed in the same manner. Table 3 shows the results. In the evaluation of the coextrusion moldability, in all cases, the ejection stability of the thermoplastic polyurethane was poor, the thickness of the laminate was largely fluctuated, and streaks were formed. Occurrence was also observed, and a good laminate could not be obtained.
[0035]
Comparative Example 5
In the same manner as in Example 1, the polymer polyol, MDI and BD were each melt-polymerized at the molar ratios shown in Table 3 and pelletized to obtain a thermoplastic polyurethane. The measurement of the melt viscosity of the obtained thermoplastic polyurethane, the evaluation of the coextrusion moldability, and the evaluation of the adhesive strength of the laminate were performed in the same manner. Table 3 shows the results. In the evaluation of the coextrusion moldability, the discharge stability of the thermoplastic polyurethane was poor, the thickness variation of the laminate was large, and the occurrence of bumps in the thermoplastic polyurethane layer was observed 10 minutes after the start of molding. I couldn't get my body.
[0036]
[Table 3]
Figure 0003558830
[0037]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the manufacturing process can be simplified and the interlayer adhesive excellent in adhesive performance which can be used at the time of manufacturing a multilayer film by the coextrusion molding method with little influence on environment is provided. Further, the interlayer adhesive of the present invention is excellent in mechanical strength, heat resistance, cold resistance, coextrusion moldability and the like.

Claims (1)

共押出成形法により多層フィルムを製造するに際し、フィルム素材であるポリアミド系ポリマーおよびポリエステル系ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、式(I)で示される構造単位(I)および/または式(II)で示される構造単位(II)を有する塩素含有ビニル系ポリマーとの層間の接着に使用され、かつ平均官能基数fが2.003〜2.1である高分子ポリオール単位、有機ジイソシアネート単位および鎖伸長剤単位からなり、測定温度220℃、剪断速度100s−1における溶融粘度ηaが250〜800Pa・sである熱可塑性ポリウレタンからなることを特徴とする接着剤。
Figure 0003558830
Figure 0003558830
[但し、mおよびnはそれぞれ塩素含有ビニル系ポリマーの構造単位(I)および構造単位(II)のモル%を表し、m+n=100、0≦m≦100および0≦n≦100の関係を有する。]
In producing a multilayer film by a co-extrusion molding method, at least one polymer selected from the group consisting of a polyamide-based polymer and a polyester-based polymer as a film material, and a structural unit (I) and / or Or a high molecular weight polyol unit used for adhesion between layers with a chlorine-containing vinyl polymer having a structural unit (II) represented by the formula (II) and having an average number of functional groups f of 2.003 to 2.1; An adhesive comprising a thermoplastic polyurethane comprising a diisocyanate unit and a chain extender unit and having a melt viscosity ηa of 250 to 800 Pa · s at a measurement temperature of 220 ° C. and a shear rate of 100 s −1 .
Figure 0003558830
Figure 0003558830
[Where m and n represent mol% of the structural unit (I) and the structural unit (II) of the chlorine-containing vinyl polymer, respectively, and have a relationship of m + n = 100, 0 ≦ m ≦ 100 and 0 ≦ n ≦ 100. . ]
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