JP3555710B2 - データ伝送方法および装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ伝送方法および装置に関し、特に、所定のコンピュータネットワークにおいて、所定の移動ネットワークが接続位置を変更した場合、所定のルータに、移動ネットワークの識別子宛に送信されてくるデータを新しいアドレスに転送させるデータ伝送方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インターネットに代表される広域コンピュータネットワークに接続されている端末装置は、同一のコンピュータネットワークに接続されている他の端末装置とデータの通信を行うことで、所定の情報を授受している。
【0003】
インターネットに接続されている端末装置は、固有のIPアドレスを与えられ、IPアドレスが、その端末装置の識別子(インターネットにおける固有な名称)の役割を果たしている。例えば、所定の端末装置宛にデータ(パケット)を送信する場合、その端末装置のIPアドレス宛に送信を行う。
【0004】
従来、このような端末装置は、比較的大きく、例えば、机などの上に配置して使用されていたが、最近では、小型軽量化が進み、このような端末装置を携帯することや、自動車や飛行機などの移動体に設置することがハードウェア的には可能になりつつある。
【0005】
このように端末装置が移動する場合、電話回線を介して、インターネットに接続されている他の端末装置に接続し、その端末装置を介してインターネットに接続することもできるが、そのようにすると、処理速度および通信速度が遅くなってしまうので、移動した場所で、直接インターネットに接続することが望ましい。
【0006】
端末装置のインターネットへの接続点が移動する場合、それに伴い、端末装置のトポロジ的な位置を表すIPアドレスを変更する必要がある。
【0007】
IPアドレスは、通常、8ビットのフィールドを4つ有し、例えば、133.159.66.10などと書かれ、最初のフィールドから最後のフィールドに向けて、広い範囲のドメインから狭い範囲のドメインを表していき、最後のフィールドで所定の端末装置を指定している。
【0008】
しかしながら、このようなIPアドレスを変更すると、その変更を知らされていない他の端末装置は、移動した端末装置にデータ(パケット)を送信する場合、移動する前のIPアドレス宛に送信を行ってしまい、送信したデータ(パケット)が、移動した端末装置まで到達しないことになる。
【0009】
従って、このような端末装置のトポロジ的な位置(アドレス)をIPアドレスで示す他に、その端末装置に固有の識別子としてVIPアドレスを導入し、所定の端末装置やルータに、識別子(VIPアドレス)とアドレス(IPアドレス)の対応関係(AMTエントリ)を保持するAMT(アドレスマッピングテーブル)を備えさせ、所定の端末装置が移動した場合、AMTのIPアドレスを更新するようにし、それらの端末装置やルータは、移動した端末装置宛のデータ(パケット)を受け取ると、宛先を示すVIPアドレスに対応するIPアドレスをAMTから読み取り、そのIPアドレスに、受け取ったデータ(パケット)を送信することで、移動した端末装置にそのデータ(パケット)が届くようにすることが考えられる。
【0010】
例えば、図15(a)に示すフォーマットに従って、図15(b)に示すAMTエントリを保持しているルータは、宛先がVIPアドレス133.138.194.145であるパケットを受け取ると、同じVIPアドレスを有するAMTエントリ(図15(b))のIPアドレスを読み出し、そのIPアドレス131.113.20.110に受け取ったパケットを転送する。
【0011】
このように、VIPアドレスで端末装置を識別し、IPアドレスで、広域ネットワーク内におけるトポロジ的な位置のみを表すことにより、受信側の端末装置が移動しても、IPアドレスが変化するだけであるので、送信側の端末装置は、常に同一の識別子(VIPアドレス)宛にデータ(パケット)を送信すればよいことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1台の端末装置が携帯され、移動するというような場合においては、上述した方法は有効であるが、例えば、自動車や飛行機などの比較的大型の移動体の内部にLANが構築され、そのLANをインターネットに接続させる場合、サブネット単位で移動するため、上述した方法を利用することが困難であるという問題を有している。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、VIPアドレスおよびIPアドレスそれぞれに対応するネットマスクをAMTエントリに付加することで、サブネットが移動する場合においても、そのサブネット宛のデータが、確実に、移動先のサブネットに転送されるようにするものである。
【0014】
請求項1に記載のデータ伝送方法は、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの宛先情報である識別子またはアドレスとを、エントリの識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載のデータ伝送装置は、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送するデータ伝送装置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶する記憶手段と、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する転送手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載のデータ伝送方法においては、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの宛先情報である識別子またはアドレスとを、エントリの識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する。
【0017】
請求項6に記載のデータ伝送装置においては、記録手段は、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、転送手段は、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、ホームルータを介してインターネットに接続されている移動ネットワークの一例を示している。
【0019】
移動ネットワーク1は、移動ルータMR2と、移動サブネット3に接続された端末装置Va4を有している。移動ルータMR2と、移動サブネット3に接続された端末装置Va4は、それぞれ識別子であるVIPアドレスと、インターネット6上の位置を表すIPアドレスを有している。そして、移動ネットワーク1のホームルータHa5および移動ルータMR2は、これらのVIPアドレスとIPアドレスを対応づけて、AMTとして保持するようになされている。
【0020】
移動ネットワーク1は、ホームルータHa5を介して、インターネット6に接続されている。インターネット6には、この他、他の端末装置Vc7、他のホームルータHb8を介して接続されている端末装置Vb9、ルータRT10などのように、多数の情報処理装置が接続されている。
【0021】
移動ネットワーク1は、ホームルータHa5のサブネットをホームポジションとし、移動ルータMR2および移動サブネット3に接続された端末装置は、ホームポジションにおけるIPアドレスを、それぞれVIPアドレスとする。従って、移動ネットワーク1のホームルータは、ホームルータHa5となる。
【0022】
同様に、端末装置Vb9は、ホームルータHb8のサブネットをホームポジションとする。従って、端末装置Vb9のホームルータは、ホームルータHb8となる。
【0023】
図2は、本発明のデータ伝送装置を適用した移動ルータMR2の内部の構成例を示している。
【0024】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムに従って、各種処理を行うようになされている。
【0025】
RAM23(記憶手段)は、CPU21が処理を行う際に、データを記憶するようになされている。なお、RAM23には、図3に示すようなAMTエントリが保持される。
【0026】
ネットワークインターフェース24(転送手段)は、インターネット6から送信されてくるデータ(パケット)を取得し、CPU21に出力するようになされている。また、ネットワークインターフェース24は、インターネット6から送信されてくるデータ(パケット)の宛先が、移動サブネット3の端末装置以外である場合、そのデータ(パケット)をインターネット6上の所定の端末装置に転送するようになされている。
【0027】
さらに、ネットワークインターフェース24は、サブネット用インターフェース25が移動サブネット3より受信したデータ(パケット)を、インターネット6上の所定の端末装置に転送するようになされている。
【0028】
サブネット用インターフェース25(転送手段)は、CPU21が識別したサブネットの端末装置に、インターネット6より受信したデータ(パケット)を転送するようになされている。
【0029】
さらに、サブネット用インターフェース25は、移動サブネット3からのデータ(パケット)を取得し、CPU21に出力するようになされている。
【0030】
図3は、本実施例で利用するAMTを構成するAMTエントリを示している。AMTは、ホームルータに保持されている他、移動サブネット3や移動ホストが他の端末装置と通信を行うとき、中継されるルータや端末装置などにも保持される。
【0031】
図3(a)のフォーマットに示すように、AMTエントリは、所定の端末装置の識別子を示すVIPアドレス、VIPアドレスに対するネットマスク、所定の端末装置のアドレス(インターネットとの接続位置)を示すIPアドレス、IPアドレスに対するネットマスク、およびAMTエントリの更新に伴って更新されるバージョンを有する。
【0032】
VIPアドレスは、IPアドレスと同様に、8ビットで構成される4つのフィールドで構成され、例えば、133.44.120.1などと記述される。各ネットマスクは、VIPアドレスまたはIPアドレスと、それぞれ同じビット長を有する。
【0033】
図3(b)は、AMTエントリの一例を示している。このAMTエントリを有するルータは、VIPアドレスのネットマスクが0xffffff00(=255.255.255.0)(0xは16進数であることを意味する)(最初の3フィールドのビットがすべて1(fは2進数表現で1111))であるので、宛先VIPアドレスもしくは宛先IPアドレスの最初の3つのフィールドが133.138.194であるパケット(宛先IPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるパケット)の宛先IPアドレスを、IPアドレス113.131.20.110に変換する。
【0034】
このとき、そのルータは、最初に、AMTエントリのVIPアドレス133.138.194.0の各ビットと、VIPアドレスのネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)の各ビットの論理積を計算し、マスク後のVIPアドレス(133.138.194.0)を算出する。
【0035】
次に、データ(パケット)の宛先VIPアドレス(例えば、133.138.194.99)の各ビットと、AMTエントリのVIPアドレスのネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)の各ビットの論理積を計算し、マスク後の宛先VIPアドレス(133.138.194.0)を算出する。
【0036】
そして、マスク後のVIPアドレスと、マスク後の宛先VIPアドレスが一致する場合(即ち、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255である場合)、このルータは、AMTエントリのIPアドレス(113.131.20.110)とそのネットマスク(0xffffffff)を読み出し、宛先IPアドレスの、対応するネットマスクのビットが1である部分を、AMTエントリのIPアドレスの、対応するビットで書き換え、それ以外のビット(ネットマスクのビットが0である部分のビット)を、宛先VIPアドレスの対応するビットで書き換える。
【0037】
マスク後のVIPアドレスと、マスク後の宛先VIPアドレスが一致しない場合、同様に、AMTエントリのVIPアドレスを、VIPアドレスのネットマスクでマスクし、宛先IPアドレスを、VIPアドレスのネットマスクでマスクした後、両者を比較し、それらが一致する場合、ルータは、AMTエントリのIPアドレスとそのネットマスクを読み出し、宛先IPアドレスの、対応するネットマスクのビットが1である部分を、AMTエントリのIPアドレスの、対応するビットで書き換え、それ以外のビットを、そのままとする。
【0038】
例えば、VIPアドレスが131.155.33.0で、そのネットマスクが0xffffff00で、IPアドレスが131.155.200.0で、そのネットマスクが0xffffff00であるAMTエントリを保持するルータは、例えば、宛先VIPアドレスが131.155.33.10であるパケットを受け取ると、そのパケットの宛先IPアドレスを、131.155.200.10に書き換え、また、宛先IPアドレスが131.155.33.20であるパケットを受け取ると、その宛先IPアドレスを131.155.200.20に書き換える。
【0039】
なお、AMTエントリのVIPアドレスのネットマスクが0xffffffffである場合は、ルータは、宛先VIPアドレスと、VIPアドレスが一致する場合だけ、宛先IPアドレスを、AMTエントリのIPアドレスで書き換える。
【0040】
ルータは、AMTエントリのVIPアドレスが、データ(パケット)の宛先VIPアドレス(AMTエントリのVIPアドレスのネットマスクが0xffffffff以外の場合は、宛先VIPアドレスまたは宛先IPアドレス)に該当する場合、データ(パケット)の宛先IPアドレスを変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0041】
このように、ネットマスクを用いることで、ネットワーク単位で、データ(パケット)の宛先IPアドレスの制御を行うことができる。
【0042】
以上のような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第1の実施例について説明する。
【0043】
第1の実施例においては、図5に示すように、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、その移動ネットワーク1に属する装置(移動ルータMR2、端末装置Va4など)のIPアドレスを変更する。
【0044】
最初に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動した場合の動作について説明する。
【0045】
図5は、第1の実施例における移動先でのIPアドレスの割り当ての一例を示している。図5に示すように、移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から新たなIPアドレス133.4.34.10を取得し、さらに、移動サブネット3用のIPアドレスブロック(IPアドレスの集合)133.4.200.0乃至133.4.200.255を取得する。
【0046】
そして、移動ルータMR2は、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4に、ルータRT10から取得したIPアドレスブロックのうちの1つを、新たなIPアドレスとして与える。図5においては、移動ルータMR2は、端末装置Va4にIPアドレス133.4.200.145を与える。
【0047】
移動ルータMR2は、移動サブネット3の新たなIPアドレス(ネットワーク番号)をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動サブネット3の新たなIPアドレス(ネットワーク番号)を受け取ると、その移動サブネット3に対応するAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0048】
図5においては、移動サブネット3に対して133.4.200.0から133.4.200.255までのIPアドレスが与えられているので、移動ルータMR2は、IPアドレス133.4.200.0を送信し、ホームルータHa5は、そのIPアドレス133.4.200.0を、図6(a)に示すように、ネットマスク0xffffff00(=255.255.255.0)とともにAMTに登録する。
【0049】
従って、ホームルータHa5は、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるパケットを受け取ると、図6(a)に示すAMTエントリに基づいて、宛先IPアドレスを133.4.200.0乃至133.4.200.255にそれぞれ書き換えた後、そのパケットを転送する。
【0050】
一方、新たに、この移動サブネットに接続された端末装置Vb9は、新しいIPアドレスを受け取ると、そのIPアドレスのデータを、自己のホームポジションのホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータを受け取り、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0051】
図5に示す実施例においては、端末装置Vb9は、新たにIPアドレス133.4.200.99を取得し、このIPアドレス133.4.200.99をホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスで、図6(b)に示すように、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0052】
次に、図7のフローチャートを参照して、図5に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、インターネット6に接続されている所定の端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信するときの動作について説明する。
【0053】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図8(a)に示すように、パケットのヘッダに位置する宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0054】
従って、このパケットは、宛先IPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていく。
【0055】
ステップS2において、インターネット6上のルータもしくは端末装置が、このパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットの宛先VIPアドレスと自らのVIPアドレスが一致するか否かを判断する。
【0056】
ここで、端末装置Va4以外の端末装置もしくはルータが、このパケットを受け取ると、このパケットは、端末装置Va4宛であるので、2つのVIPアドレスは一致しない。
【0057】
従って、ステップS4に進み、次に、その端末装置もしくはルータは、そのパケットの宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0058】
いま、このパケットに該当するVIPアドレスは、ホームルータHa5のみが保持しているとすると、ホームルータHa5以外のルータは、該当するAMTエントリを保持していないことになり、ステップS6に進む。
【0059】
ステップS6において、そのルータは、宛先IPアドレスに向けて、そのパケットを転送する。
【0060】
このようにして、インターネット6上のルータは、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を、そのパケットがホームルータHa5に届くまで繰り返す。
【0061】
ステップS2において、ホームルータHa5は、端末装置Va4宛のパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットのVIPアドレス(端末装置Va4のアドレス)を読み出し、自らのVIPアドレスと一致しないと判断し、ステップS4に進む。
【0062】
ステップS4において、ホームルータHa5は、このパケットの宛先VIPアドレスを読み取り、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0063】
ホームルータHa5は、図6(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.200.0)と、そのネットマスク(0xffffff00)を参照して、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.200.145に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0064】
該当するAMTエントリを保持していない場合、ホームルータHa5は、ステップS5をスキップして、宛先IPアドレスを変更しないで、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0065】
IPアドレスを133.4.200.145に変更されたパケットは、再度、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返して、インターネット6上を、端末装置Va4に向かって転送されていき、ルータRT10、移動ルータMR2を介して、IPアドレスが133.4.200.145である端末装置Va4に転送される。
【0066】
端末装置Va4は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス133.138.194.145が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0067】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のパケットは、インターネット6上を転送されていき、最終的に端末装置Va4により受信される。
【0068】
一方、端末装置Vb9にパケットを送信する場合、端末装置Vc7は、ステップS1において、図8(c)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置VbのVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0069】
このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0070】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、このパケットの宛先VIPアドレスを読み取り、自分宛のパケットではないと判断し(端末装置Vb9宛である)、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0071】
ホームルータHb8は、図6(b)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.200.99)と、そのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図8(d)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.4.200.99に書き換えた後、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0072】
このパケットは、再度、インターネット6上のルータが、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、ルータRT10、移動ルータMR2を介して、IPアドレスが133.4.200.99である端末装置Vb9に転送される。
【0073】
端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0074】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、一旦、ホームルータHb8において、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に転送される。
【0075】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、移動サブネット3のネットワーク番号(IPアドレス)、および移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスを変更し、移動サブネット3のネットワーク番号(IPアドレス)の変更をホームルータHa5に通知する。そして、ホームルータHa5は、通知されたネットワーク番号(IPアドレス)で移動サブネット3のAMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータ(パケット)の宛先IPアドレスを、通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0076】
また、移動サブネット3に移動した端末装置Vb9は、新たなIPアドレスを取得し、そのIPアドレスをホームルータHb8に通知する。ホームルータHb8は、ホームルータHa5と同様に、AMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータの宛先IPアドレスを、通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0077】
次に、図1に示すような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第2の実施例について説明する。
【0078】
第2の実施例においては、移動ネットワーク1における移動サブネット3が、ネットワーク番号として、仮想ネットワーク番号と物理ネットワーク番号を有することで、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動ルータMR2のIPアドレスおよび移動サブネットの物理ネットワーク番号が変更されるだけで、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。
【0079】
最初に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動したときの動作について説明する。
【0080】
移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から、図9に示すように、新たなIPアドレス133.4.34.10を取得する。このとき、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。即ち、端末装置Va4のIPアドレスは、133.138.194.145のままである。
【0081】
この実施例においては、移動サブネット3は、仮想ネットワーク番号と、物理ネットワーク番号を有し、仮想ネットワーク番号には、ホームポジションにおけるネットワーク番号(133.138.194.0)が利用され、物理ネットワーク番号は、ルータRT10によって、新たに割り当てられる(133.4.200.0)。移動ルータMR2は、この仮想ネットワーク番号と物理ネットワーク番号の対応関係を、図10(c)に示すように、自らのAMTに登録する。
【0082】
移動ルータMR2は、移動サブネット3の物理ネットワーク番号をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動サブネット3の新たなIPアドレスを受け取ると、その移動サブネット3のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0083】
図9に示す実施例においては、移動サブネット3の物理ネットワーク番号は、133.4.200.0とされているので、移動ルータMR2は、ホームルータHa5に、その物理ネットワーク番号を送信し、ホームルータHa5は、その物理ネットワーク番号133.4.200.0を、ネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)とともに、図10(a)に示すように、IPアドレスとしてAMTに登録する。
【0084】
従って、ホームルータHa5は、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるデータ(パケット)を受け取ったとき、図10(a)に示すAMTエントリに従って、宛先IPアドレスを133.4.200.0乃至133.4.200.255に変換した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0085】
一方、新たに、この移動サブネット3に接続された端末装置Vb9は、図9に示すように、移動サブネット3(仮想ネットワーク番号133.138.194.0)に接続される端末装置として、新たなIPアドレス133.138.194.99を取得する。このとき、端末装置Vb9は、そのIPアドレスのデータをホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータを受け取り、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを、図10(b)に示すように更新する。
【0086】
次に、第1の実施例と同様に、図7のフローチャートを参照して、図9に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合の動作について説明する。
【0087】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図11(a)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0088】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先のIPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0089】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0090】
ホームルータHa5は、図10(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、AMTエントリのIPアドレス(133.4.200.0)と、そのネットマスク(0xffffff00)を参照して、図11(b)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.200.145に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0091】
そして、このパケットは、再度、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4およびステップS6の動作を繰り返すことで、IPアドレス133.4.200.145に向けてインターネット6上を転送されていき、移動ルータMR2に到達する。
【0092】
移動ルータMR2は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットのVIPアドレスを読み取った後、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4に進む。
【0093】
移動ルータMR2は、そのパケットのVIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断し、図10(c)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、図11(c)に示すように、そのパケットの宛先IPアドレスを、133.4.200.145から133.138.194.145に変換した後、ステップS6において、移動サブネット3に転送する。
【0094】
そして、このパケットは、IPアドレス133.138.194.145を有する端末装置Va4に転送される。端末装置Va4は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレス133.138.194.145が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0095】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のデータ(パケット)は、ホームルータHa5および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Va4に到達し、受信される。
【0096】
一方、端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合、端末装置Vc7は、ステップS1において、図11(d)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置Vb9のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0097】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かってインターネット上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0098】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0099】
ホームルータHb8は、図10(b)に示すAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.138.194.99)と、IPアドレスのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図11(e)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0100】
端末装置Vb9が移動サブネット3(仮想ネットワーク番号133.138.194.0)の端末装置としてIPアドレス133.138.194.99を取得したので、ホームルータHb8により転送されたパケット(宛先IPアドレス133.138.194.99)は、インターネット6上のルータが、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動サブネット3のホームポジションに向かって転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0101】
ホームルータHa5は、ステップS2において、そのパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0102】
ホームルータHa5は、図10(a)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリに従って、図11(f)に示すように、宛先IPアドレスを133.4.200.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0103】
このパケットは、IPアドレス133.4.200.99に向かって転送されていき、移動ルータMR2に到達する。
【0104】
移動ルータMR2は、ステップS2乃至ステップS4において、ホームルータHa5と同様に処理を行い、ステップS5において、図10(c)に示すAMTエントリ(宛先IPアドレスに該当する)に従って、図11(g)に示すように、宛先IPアドレスを133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動サブネット3に転送する。
【0105】
そして、このパケットは、IPアドレス133.138.194.99の端末装置Vb9に転送される。端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0106】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、ホームルータHb8、ホームルータHa5、および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に到達し、受信される。
【0107】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、所定のルータから、移動サブネット3の物理ネットワーク番号を取得し、その物理ネットワーク番号を、ホームルータHa5に通知する。
【0108】
そして、ホームルータHa5は、通知された物理ネットワーク番号でAMTエントリのIPアドレスを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、宛先IPアドレスを、通知された物理ネットワーク番号(IPアドレス)に変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0109】
また、移動サブネット3に移動してきた端末装置Vb9は、新たなIPアドレスを取得し、そのIPアドレスをホームルータHb8に通知する。
【0110】
ホームルータHb8は、ホームルータHa5と同様に、AMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータ(パケット)の宛先IPアドレスを通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0111】
なお、第2の実施例においては、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動サブネット3に接続されている端末装置のIPアドレスを変更しないので、移動時の処理が簡単になる。
【0112】
次に、図1に示すような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第3の実施例について説明する。
【0113】
第3の実施例においては、移動サブネット3に接続されている端末装置宛のデータ(パケット)を、一旦、すべて移動ルータMR2宛にする(宛先IPアドレスを移動ルータMR2のIPアドレスにする)ので、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動ルータMR2のIPアドレスだけが変更されるだけで、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。
【0114】
次に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動したときの動作について説明する。
【0115】
移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から、図12に示すように、新たなIPアドレス133.4.34.10を取得する。このとき、移動サブネット3および移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。即ち、端末装置Va4のIPアドレスは、133.138.194.145のままである。
【0116】
移動ルータMR2は、新たに取得したIPアドレス133.4.34.10をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動ルータMR2の新たなIPアドレスを受け取ると、図13(a)に示すように、移動サブネット3(VIPアドレス133.138.194.0、ネットマスク0xffffff00)のAMTエントリのIPアドレスを、この移動ルータMR2の新たなアドレスで更新する。
【0117】
従って、ホームルータHa5は、図13(a)に示すAMTエントリに従って、移動サブネット3に接続されている端末装置宛の(宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255である)データ(パケット)を、すべて移動ルータMR2(IPアドレス133.4.34.10)に転送する。
【0118】
さらに、移動ルータMR2は、宛先IPアドレスとして、自分宛に転送されてくるデータ(パケット)(宛先VIPアドレスは、移動サブネット3に接続されている端末装置を示している)を、各端末装置に転送するために、図13(c)に示すAMTエントリを自らのAMTに登録する。
【0119】
一方、新たに、この移動サブネット3に接続された端末装置Vb9は、図12に示すように、移動サブネット3(133.138.194.0)に接続される端末装置として、移動ルータMR2より新しいIPアドレス133.138.194.99を取得すると、そのIPアドレスのデータ(パケット)をホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータ(パケット)を受け取り、図13(b)に示すように、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0120】
移動ルータMR2は、宛先IPアドレスとして自分宛に転送されてくる、端末装置Vb9宛のデータ(パケット)(宛先VIPアドレスは、端末装置Vb9を示している)を、端末装置Vb9に転送するために、図13(d)に示すAMTエントリを自らのAMTに登録する。
【0121】
次に、第2の実施例と同様に、図7のフローチャートを参照して、図12に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合の動作について説明する。
【0122】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図14(a)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0123】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先のIPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0124】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0125】
ホームルータHa5は、図13(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.34.10)と、そのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図14(b)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.34.10に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動ルータMR2に転送する。
【0126】
このパケットは、再度、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動ルータMR2に到達する。
【0127】
移動ルータMR2は、ステップS2において、そのパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、そのパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0128】
移動ルータMR2は、図13(c)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリに従って、そのパケットの宛先IPアドレスを133.138.194.145に書き換えた後、ステップS6において、移動サブネット3に転送する。
【0129】
そして、端末装置Va4は、ステップS2において、そのパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットの宛先VIPアドレス(133.138.194.145)を読み取り、自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、そのパケットを受信する。
【0130】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のパケットは、ホームルータHa5および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Va4に到達し、受信される。
【0131】
一方、端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7は、ステップS1において、図14(d)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置Vb9のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0132】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かって、インターネット6上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0133】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0134】
ホームルータHb8は、図13(b)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.138.194.99)と、IPアドレスのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図14(e)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0135】
端末装置Vb9は、移動サブネット3の端末装置としてIPアドレス133.138.194.99を取得したので、ホームルータHb8が転送したパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動サブネット3のホームポジションに向かって転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0136】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4おいて、このパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0137】
ホームルータHa5は、図13(a)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリに従って、図14(f)に示すように、宛先IPアドレスを133.4.34.10(移動ルータMR2のIPアドレス)に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動ルータMR2に転送する。
【0138】
移動ルータMR2は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4おいて、このパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0139】
移動ルータMR2は、図13(d)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリに従って、図14(g)に示すように、宛先IPアドレスを133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動サブネット3に転送する。
【0140】
そして、このパケットは、IPアドレスが133.138.194.99である端末装置Vb9に転送される。端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0141】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、ホームルータHb8、ホームルータHa5、および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に到達し、受信される。
【0142】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、新たに取得したIPアドレスをホームルータHa5に通知し、ホームルータHa5は、通知されたIPアドレスで、移動サブネット3のAMTエントリを更新し、AMTに登録されているVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取り、宛先IPアドレスをAMTエントリに従って変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0143】
なお、第3の実施例においては、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動サブネット3、および移動サブネット3に接続されている端末装置に新たなIPアドレスを割り当てる必要がないので、移動時の処理が簡単になる(ただし、ホームルータHa5に保持されている移動サブネット3のAMTエントリのIPアドレスは、移動ルータMR2の新たなIPアドレスで変更される)。
【0144】
以上のように、ネットマスクを有するAMTを導入することで、移動ネットワーク1は、インターネット6との接続位置を変更した場合においても、他のインターネット6に接続されている端末装置と通信を行うことができる。
【0145】
以上の第1乃至第3の実施例においては、移動ネットワーク1が1度しか移動していないが、複数回移動しても、移動する度に、ホームルータなどの所定の装置においてAMTが更新されるので、常に、移動ネットワーク1宛(移動ネットワーク1に属する装置宛)のデータ(パケット)は、移動ネットワーク1に到達するようになされる。
【0146】
上記実施例においては、移動ネットワーク1は、移動前において、移動サブネット3に、1台の端末装置(端末装置Va4)しか備えていないが、複数台の端末装置を備えることができる。
【0147】
なお、上記実施例においては、移動ルータMR2および新たに移動サブネットに接続された端末装置Vb9が、移動後、所定のホームルータに新たなIPアドレスを送信するとき、そのIPアドレスのデータ(パケット)を中継するルータは、そのデータ(パケット)を読み取り、その端末装置に対応するAMTエントリを、キャッシュに保持し、データ転送における経路の最適化に利用するようになされている。
【0148】
また、上記実施例においては、コンピュータネットワークの一例としてインターネット6における通信について説明したが、勿論、他のコンピュータネットワークにおいても、本実施例を適用することができる。
【0149】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載のデータ伝送方法および請求項6に記載のデータ伝送装置によれば、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送するようにしたので、移動ネットワークがコンピュータネットワーク内を移動する場合においても、移動ネットワークの端末装置宛のデータが、確実に、それらの端末装置に転送されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホームルータを介してインターネットに接続されている移動ネットワークの一例を示す図である。
【図2】本発明のデータ伝送装置を適用した移動ルータの内部の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施例において利用されるAMTエントリのフォーマットと一例を示す図である。
【図4】移動ネットワークの移動例を示す図である。
【図5】本発明のデータ伝送方法の第1の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図6】図5の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図7】移動ネットワークが移動した後、データを送信するときの動作について説明するフローチャートである。
【図8】図5の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図9】本発明のデータ伝送方法の第2の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図10】図9の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図11】図9の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図12】本発明のデータ伝送方法の第3の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図13】図12の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図14】図12の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図15】従来の方法におけるAMTエントリのフォーマットと一例を示す図である。
【符号の説明】
1 移動ネットワーク
2 移動ルータMR
3 移動サブネット
4 端末装置Va
5 ホームルータHa
6 インターネット(Internet)
7 端末装置Vc
8 ホームルータHb
9 端末装置Vb
10 ルータRT
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ伝送方法および装置に関し、特に、所定のコンピュータネットワークにおいて、所定の移動ネットワークが接続位置を変更した場合、所定のルータに、移動ネットワークの識別子宛に送信されてくるデータを新しいアドレスに転送させるデータ伝送方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インターネットに代表される広域コンピュータネットワークに接続されている端末装置は、同一のコンピュータネットワークに接続されている他の端末装置とデータの通信を行うことで、所定の情報を授受している。
【0003】
インターネットに接続されている端末装置は、固有のIPアドレスを与えられ、IPアドレスが、その端末装置の識別子(インターネットにおける固有な名称)の役割を果たしている。例えば、所定の端末装置宛にデータ(パケット)を送信する場合、その端末装置のIPアドレス宛に送信を行う。
【0004】
従来、このような端末装置は、比較的大きく、例えば、机などの上に配置して使用されていたが、最近では、小型軽量化が進み、このような端末装置を携帯することや、自動車や飛行機などの移動体に設置することがハードウェア的には可能になりつつある。
【0005】
このように端末装置が移動する場合、電話回線を介して、インターネットに接続されている他の端末装置に接続し、その端末装置を介してインターネットに接続することもできるが、そのようにすると、処理速度および通信速度が遅くなってしまうので、移動した場所で、直接インターネットに接続することが望ましい。
【0006】
端末装置のインターネットへの接続点が移動する場合、それに伴い、端末装置のトポロジ的な位置を表すIPアドレスを変更する必要がある。
【0007】
IPアドレスは、通常、8ビットのフィールドを4つ有し、例えば、133.159.66.10などと書かれ、最初のフィールドから最後のフィールドに向けて、広い範囲のドメインから狭い範囲のドメインを表していき、最後のフィールドで所定の端末装置を指定している。
【0008】
しかしながら、このようなIPアドレスを変更すると、その変更を知らされていない他の端末装置は、移動した端末装置にデータ(パケット)を送信する場合、移動する前のIPアドレス宛に送信を行ってしまい、送信したデータ(パケット)が、移動した端末装置まで到達しないことになる。
【0009】
従って、このような端末装置のトポロジ的な位置(アドレス)をIPアドレスで示す他に、その端末装置に固有の識別子としてVIPアドレスを導入し、所定の端末装置やルータに、識別子(VIPアドレス)とアドレス(IPアドレス)の対応関係(AMTエントリ)を保持するAMT(アドレスマッピングテーブル)を備えさせ、所定の端末装置が移動した場合、AMTのIPアドレスを更新するようにし、それらの端末装置やルータは、移動した端末装置宛のデータ(パケット)を受け取ると、宛先を示すVIPアドレスに対応するIPアドレスをAMTから読み取り、そのIPアドレスに、受け取ったデータ(パケット)を送信することで、移動した端末装置にそのデータ(パケット)が届くようにすることが考えられる。
【0010】
例えば、図15(a)に示すフォーマットに従って、図15(b)に示すAMTエントリを保持しているルータは、宛先がVIPアドレス133.138.194.145であるパケットを受け取ると、同じVIPアドレスを有するAMTエントリ(図15(b))のIPアドレスを読み出し、そのIPアドレス131.113.20.110に受け取ったパケットを転送する。
【0011】
このように、VIPアドレスで端末装置を識別し、IPアドレスで、広域ネットワーク内におけるトポロジ的な位置のみを表すことにより、受信側の端末装置が移動しても、IPアドレスが変化するだけであるので、送信側の端末装置は、常に同一の識別子(VIPアドレス)宛にデータ(パケット)を送信すればよいことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1台の端末装置が携帯され、移動するというような場合においては、上述した方法は有効であるが、例えば、自動車や飛行機などの比較的大型の移動体の内部にLANが構築され、そのLANをインターネットに接続させる場合、サブネット単位で移動するため、上述した方法を利用することが困難であるという問題を有している。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、VIPアドレスおよびIPアドレスそれぞれに対応するネットマスクをAMTエントリに付加することで、サブネットが移動する場合においても、そのサブネット宛のデータが、確実に、移動先のサブネットに転送されるようにするものである。
【0014】
請求項1に記載のデータ伝送方法は、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの宛先情報である識別子またはアドレスとを、エントリの識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載のデータ伝送装置は、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送するデータ伝送装置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶する記憶手段と、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する転送手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載のデータ伝送方法においては、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの宛先情報である識別子またはアドレスとを、エントリの識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する。
【0017】
請求項6に記載のデータ伝送装置においては、記録手段は、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、転送手段は、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、ホームルータを介してインターネットに接続されている移動ネットワークの一例を示している。
【0019】
移動ネットワーク1は、移動ルータMR2と、移動サブネット3に接続された端末装置Va4を有している。移動ルータMR2と、移動サブネット3に接続された端末装置Va4は、それぞれ識別子であるVIPアドレスと、インターネット6上の位置を表すIPアドレスを有している。そして、移動ネットワーク1のホームルータHa5および移動ルータMR2は、これらのVIPアドレスとIPアドレスを対応づけて、AMTとして保持するようになされている。
【0020】
移動ネットワーク1は、ホームルータHa5を介して、インターネット6に接続されている。インターネット6には、この他、他の端末装置Vc7、他のホームルータHb8を介して接続されている端末装置Vb9、ルータRT10などのように、多数の情報処理装置が接続されている。
【0021】
移動ネットワーク1は、ホームルータHa5のサブネットをホームポジションとし、移動ルータMR2および移動サブネット3に接続された端末装置は、ホームポジションにおけるIPアドレスを、それぞれVIPアドレスとする。従って、移動ネットワーク1のホームルータは、ホームルータHa5となる。
【0022】
同様に、端末装置Vb9は、ホームルータHb8のサブネットをホームポジションとする。従って、端末装置Vb9のホームルータは、ホームルータHb8となる。
【0023】
図2は、本発明のデータ伝送装置を適用した移動ルータMR2の内部の構成例を示している。
【0024】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムに従って、各種処理を行うようになされている。
【0025】
RAM23(記憶手段)は、CPU21が処理を行う際に、データを記憶するようになされている。なお、RAM23には、図3に示すようなAMTエントリが保持される。
【0026】
ネットワークインターフェース24(転送手段)は、インターネット6から送信されてくるデータ(パケット)を取得し、CPU21に出力するようになされている。また、ネットワークインターフェース24は、インターネット6から送信されてくるデータ(パケット)の宛先が、移動サブネット3の端末装置以外である場合、そのデータ(パケット)をインターネット6上の所定の端末装置に転送するようになされている。
【0027】
さらに、ネットワークインターフェース24は、サブネット用インターフェース25が移動サブネット3より受信したデータ(パケット)を、インターネット6上の所定の端末装置に転送するようになされている。
【0028】
サブネット用インターフェース25(転送手段)は、CPU21が識別したサブネットの端末装置に、インターネット6より受信したデータ(パケット)を転送するようになされている。
【0029】
さらに、サブネット用インターフェース25は、移動サブネット3からのデータ(パケット)を取得し、CPU21に出力するようになされている。
【0030】
図3は、本実施例で利用するAMTを構成するAMTエントリを示している。AMTは、ホームルータに保持されている他、移動サブネット3や移動ホストが他の端末装置と通信を行うとき、中継されるルータや端末装置などにも保持される。
【0031】
図3(a)のフォーマットに示すように、AMTエントリは、所定の端末装置の識別子を示すVIPアドレス、VIPアドレスに対するネットマスク、所定の端末装置のアドレス(インターネットとの接続位置)を示すIPアドレス、IPアドレスに対するネットマスク、およびAMTエントリの更新に伴って更新されるバージョンを有する。
【0032】
VIPアドレスは、IPアドレスと同様に、8ビットで構成される4つのフィールドで構成され、例えば、133.44.120.1などと記述される。各ネットマスクは、VIPアドレスまたはIPアドレスと、それぞれ同じビット長を有する。
【0033】
図3(b)は、AMTエントリの一例を示している。このAMTエントリを有するルータは、VIPアドレスのネットマスクが0xffffff00(=255.255.255.0)(0xは16進数であることを意味する)(最初の3フィールドのビットがすべて1(fは2進数表現で1111))であるので、宛先VIPアドレスもしくは宛先IPアドレスの最初の3つのフィールドが133.138.194であるパケット(宛先IPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるパケット)の宛先IPアドレスを、IPアドレス113.131.20.110に変換する。
【0034】
このとき、そのルータは、最初に、AMTエントリのVIPアドレス133.138.194.0の各ビットと、VIPアドレスのネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)の各ビットの論理積を計算し、マスク後のVIPアドレス(133.138.194.0)を算出する。
【0035】
次に、データ(パケット)の宛先VIPアドレス(例えば、133.138.194.99)の各ビットと、AMTエントリのVIPアドレスのネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)の各ビットの論理積を計算し、マスク後の宛先VIPアドレス(133.138.194.0)を算出する。
【0036】
そして、マスク後のVIPアドレスと、マスク後の宛先VIPアドレスが一致する場合(即ち、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255である場合)、このルータは、AMTエントリのIPアドレス(113.131.20.110)とそのネットマスク(0xffffffff)を読み出し、宛先IPアドレスの、対応するネットマスクのビットが1である部分を、AMTエントリのIPアドレスの、対応するビットで書き換え、それ以外のビット(ネットマスクのビットが0である部分のビット)を、宛先VIPアドレスの対応するビットで書き換える。
【0037】
マスク後のVIPアドレスと、マスク後の宛先VIPアドレスが一致しない場合、同様に、AMTエントリのVIPアドレスを、VIPアドレスのネットマスクでマスクし、宛先IPアドレスを、VIPアドレスのネットマスクでマスクした後、両者を比較し、それらが一致する場合、ルータは、AMTエントリのIPアドレスとそのネットマスクを読み出し、宛先IPアドレスの、対応するネットマスクのビットが1である部分を、AMTエントリのIPアドレスの、対応するビットで書き換え、それ以外のビットを、そのままとする。
【0038】
例えば、VIPアドレスが131.155.33.0で、そのネットマスクが0xffffff00で、IPアドレスが131.155.200.0で、そのネットマスクが0xffffff00であるAMTエントリを保持するルータは、例えば、宛先VIPアドレスが131.155.33.10であるパケットを受け取ると、そのパケットの宛先IPアドレスを、131.155.200.10に書き換え、また、宛先IPアドレスが131.155.33.20であるパケットを受け取ると、その宛先IPアドレスを131.155.200.20に書き換える。
【0039】
なお、AMTエントリのVIPアドレスのネットマスクが0xffffffffである場合は、ルータは、宛先VIPアドレスと、VIPアドレスが一致する場合だけ、宛先IPアドレスを、AMTエントリのIPアドレスで書き換える。
【0040】
ルータは、AMTエントリのVIPアドレスが、データ(パケット)の宛先VIPアドレス(AMTエントリのVIPアドレスのネットマスクが0xffffffff以外の場合は、宛先VIPアドレスまたは宛先IPアドレス)に該当する場合、データ(パケット)の宛先IPアドレスを変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0041】
このように、ネットマスクを用いることで、ネットワーク単位で、データ(パケット)の宛先IPアドレスの制御を行うことができる。
【0042】
以上のような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第1の実施例について説明する。
【0043】
第1の実施例においては、図5に示すように、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、その移動ネットワーク1に属する装置(移動ルータMR2、端末装置Va4など)のIPアドレスを変更する。
【0044】
最初に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動した場合の動作について説明する。
【0045】
図5は、第1の実施例における移動先でのIPアドレスの割り当ての一例を示している。図5に示すように、移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から新たなIPアドレス133.4.34.10を取得し、さらに、移動サブネット3用のIPアドレスブロック(IPアドレスの集合)133.4.200.0乃至133.4.200.255を取得する。
【0046】
そして、移動ルータMR2は、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4に、ルータRT10から取得したIPアドレスブロックのうちの1つを、新たなIPアドレスとして与える。図5においては、移動ルータMR2は、端末装置Va4にIPアドレス133.4.200.145を与える。
【0047】
移動ルータMR2は、移動サブネット3の新たなIPアドレス(ネットワーク番号)をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動サブネット3の新たなIPアドレス(ネットワーク番号)を受け取ると、その移動サブネット3に対応するAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0048】
図5においては、移動サブネット3に対して133.4.200.0から133.4.200.255までのIPアドレスが与えられているので、移動ルータMR2は、IPアドレス133.4.200.0を送信し、ホームルータHa5は、そのIPアドレス133.4.200.0を、図6(a)に示すように、ネットマスク0xffffff00(=255.255.255.0)とともにAMTに登録する。
【0049】
従って、ホームルータHa5は、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるパケットを受け取ると、図6(a)に示すAMTエントリに基づいて、宛先IPアドレスを133.4.200.0乃至133.4.200.255にそれぞれ書き換えた後、そのパケットを転送する。
【0050】
一方、新たに、この移動サブネットに接続された端末装置Vb9は、新しいIPアドレスを受け取ると、そのIPアドレスのデータを、自己のホームポジションのホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータを受け取り、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0051】
図5に示す実施例においては、端末装置Vb9は、新たにIPアドレス133.4.200.99を取得し、このIPアドレス133.4.200.99をホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスで、図6(b)に示すように、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0052】
次に、図7のフローチャートを参照して、図5に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、インターネット6に接続されている所定の端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信するときの動作について説明する。
【0053】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図8(a)に示すように、パケットのヘッダに位置する宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0054】
従って、このパケットは、宛先IPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていく。
【0055】
ステップS2において、インターネット6上のルータもしくは端末装置が、このパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットの宛先VIPアドレスと自らのVIPアドレスが一致するか否かを判断する。
【0056】
ここで、端末装置Va4以外の端末装置もしくはルータが、このパケットを受け取ると、このパケットは、端末装置Va4宛であるので、2つのVIPアドレスは一致しない。
【0057】
従って、ステップS4に進み、次に、その端末装置もしくはルータは、そのパケットの宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0058】
いま、このパケットに該当するVIPアドレスは、ホームルータHa5のみが保持しているとすると、ホームルータHa5以外のルータは、該当するAMTエントリを保持していないことになり、ステップS6に進む。
【0059】
ステップS6において、そのルータは、宛先IPアドレスに向けて、そのパケットを転送する。
【0060】
このようにして、インターネット6上のルータは、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を、そのパケットがホームルータHa5に届くまで繰り返す。
【0061】
ステップS2において、ホームルータHa5は、端末装置Va4宛のパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットのVIPアドレス(端末装置Va4のアドレス)を読み出し、自らのVIPアドレスと一致しないと判断し、ステップS4に進む。
【0062】
ステップS4において、ホームルータHa5は、このパケットの宛先VIPアドレスを読み取り、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0063】
ホームルータHa5は、図6(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.200.0)と、そのネットマスク(0xffffff00)を参照して、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.200.145に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0064】
該当するAMTエントリを保持していない場合、ホームルータHa5は、ステップS5をスキップして、宛先IPアドレスを変更しないで、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0065】
IPアドレスを133.4.200.145に変更されたパケットは、再度、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返して、インターネット6上を、端末装置Va4に向かって転送されていき、ルータRT10、移動ルータMR2を介して、IPアドレスが133.4.200.145である端末装置Va4に転送される。
【0066】
端末装置Va4は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス133.138.194.145が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0067】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のパケットは、インターネット6上を転送されていき、最終的に端末装置Va4により受信される。
【0068】
一方、端末装置Vb9にパケットを送信する場合、端末装置Vc7は、ステップS1において、図8(c)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置VbのVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0069】
このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0070】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、このパケットの宛先VIPアドレスを読み取り、自分宛のパケットではないと判断し(端末装置Vb9宛である)、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0071】
ホームルータHb8は、図6(b)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.200.99)と、そのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図8(d)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.4.200.99に書き換えた後、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0072】
このパケットは、再度、インターネット6上のルータが、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、ルータRT10、移動ルータMR2を介して、IPアドレスが133.4.200.99である端末装置Vb9に転送される。
【0073】
端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0074】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、一旦、ホームルータHb8において、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に転送される。
【0075】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、移動サブネット3のネットワーク番号(IPアドレス)、および移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスを変更し、移動サブネット3のネットワーク番号(IPアドレス)の変更をホームルータHa5に通知する。そして、ホームルータHa5は、通知されたネットワーク番号(IPアドレス)で移動サブネット3のAMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータ(パケット)の宛先IPアドレスを、通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0076】
また、移動サブネット3に移動した端末装置Vb9は、新たなIPアドレスを取得し、そのIPアドレスをホームルータHb8に通知する。ホームルータHb8は、ホームルータHa5と同様に、AMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータの宛先IPアドレスを、通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0077】
次に、図1に示すような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第2の実施例について説明する。
【0078】
第2の実施例においては、移動ネットワーク1における移動サブネット3が、ネットワーク番号として、仮想ネットワーク番号と物理ネットワーク番号を有することで、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動ルータMR2のIPアドレスおよび移動サブネットの物理ネットワーク番号が変更されるだけで、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。
【0079】
最初に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動したときの動作について説明する。
【0080】
移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から、図9に示すように、新たなIPアドレス133.4.34.10を取得する。このとき、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。即ち、端末装置Va4のIPアドレスは、133.138.194.145のままである。
【0081】
この実施例においては、移動サブネット3は、仮想ネットワーク番号と、物理ネットワーク番号を有し、仮想ネットワーク番号には、ホームポジションにおけるネットワーク番号(133.138.194.0)が利用され、物理ネットワーク番号は、ルータRT10によって、新たに割り当てられる(133.4.200.0)。移動ルータMR2は、この仮想ネットワーク番号と物理ネットワーク番号の対応関係を、図10(c)に示すように、自らのAMTに登録する。
【0082】
移動ルータMR2は、移動サブネット3の物理ネットワーク番号をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動サブネット3の新たなIPアドレスを受け取ると、その移動サブネット3のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0083】
図9に示す実施例においては、移動サブネット3の物理ネットワーク番号は、133.4.200.0とされているので、移動ルータMR2は、ホームルータHa5に、その物理ネットワーク番号を送信し、ホームルータHa5は、その物理ネットワーク番号133.4.200.0を、ネットマスク255.255.255.0(=0xffffff00)とともに、図10(a)に示すように、IPアドレスとしてAMTに登録する。
【0084】
従って、ホームルータHa5は、宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255であるデータ(パケット)を受け取ったとき、図10(a)に示すAMTエントリに従って、宛先IPアドレスを133.4.200.0乃至133.4.200.255に変換した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0085】
一方、新たに、この移動サブネット3に接続された端末装置Vb9は、図9に示すように、移動サブネット3(仮想ネットワーク番号133.138.194.0)に接続される端末装置として、新たなIPアドレス133.138.194.99を取得する。このとき、端末装置Vb9は、そのIPアドレスのデータをホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータを受け取り、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを、図10(b)に示すように更新する。
【0086】
次に、第1の実施例と同様に、図7のフローチャートを参照して、図9に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合の動作について説明する。
【0087】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図11(a)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0088】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先のIPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0089】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0090】
ホームルータHa5は、図10(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、AMTエントリのIPアドレス(133.4.200.0)と、そのネットマスク(0xffffff00)を参照して、図11(b)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.200.145に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0091】
そして、このパケットは、再度、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4およびステップS6の動作を繰り返すことで、IPアドレス133.4.200.145に向けてインターネット6上を転送されていき、移動ルータMR2に到達する。
【0092】
移動ルータMR2は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットのVIPアドレスを読み取った後、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4に進む。
【0093】
移動ルータMR2は、そのパケットのVIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断し、図10(c)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、図11(c)に示すように、そのパケットの宛先IPアドレスを、133.4.200.145から133.138.194.145に変換した後、ステップS6において、移動サブネット3に転送する。
【0094】
そして、このパケットは、IPアドレス133.138.194.145を有する端末装置Va4に転送される。端末装置Va4は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレス133.138.194.145が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0095】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のデータ(パケット)は、ホームルータHa5および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Va4に到達し、受信される。
【0096】
一方、端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合、端末装置Vc7は、ステップS1において、図11(d)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置Vb9のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0097】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かってインターネット上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0098】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0099】
ホームルータHb8は、図10(b)に示すAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.138.194.99)と、IPアドレスのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図11(e)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0100】
端末装置Vb9が移動サブネット3(仮想ネットワーク番号133.138.194.0)の端末装置としてIPアドレス133.138.194.99を取得したので、ホームルータHb8により転送されたパケット(宛先IPアドレス133.138.194.99)は、インターネット6上のルータが、ステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動サブネット3のホームポジションに向かって転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0101】
ホームルータHa5は、ステップS2において、そのパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0102】
ホームルータHa5は、図10(a)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリに従って、図11(f)に示すように、宛先IPアドレスを133.4.200.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0103】
このパケットは、IPアドレス133.4.200.99に向かって転送されていき、移動ルータMR2に到達する。
【0104】
移動ルータMR2は、ステップS2乃至ステップS4において、ホームルータHa5と同様に処理を行い、ステップS5において、図10(c)に示すAMTエントリ(宛先IPアドレスに該当する)に従って、図11(g)に示すように、宛先IPアドレスを133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動サブネット3に転送する。
【0105】
そして、このパケットは、IPアドレス133.138.194.99の端末装置Vb9に転送される。端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0106】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、ホームルータHb8、ホームルータHa5、および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に到達し、受信される。
【0107】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、所定のルータから、移動サブネット3の物理ネットワーク番号を取得し、その物理ネットワーク番号を、ホームルータHa5に通知する。
【0108】
そして、ホームルータHa5は、通知された物理ネットワーク番号でAMTエントリのIPアドレスを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、宛先IPアドレスを、通知された物理ネットワーク番号(IPアドレス)に変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0109】
また、移動サブネット3に移動してきた端末装置Vb9は、新たなIPアドレスを取得し、そのIPアドレスをホームルータHb8に通知する。
【0110】
ホームルータHb8は、ホームルータHa5と同様に、AMTエントリを更新し、そのAMTのVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取ると、そのデータ(パケット)の宛先IPアドレスを通知されたIPアドレスに変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0111】
なお、第2の実施例においては、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動サブネット3に接続されている端末装置のIPアドレスを変更しないので、移動時の処理が簡単になる。
【0112】
次に、図1に示すような移動ネットワーク1が接続されている広域コンピュータネットワークにおける、本発明のデータ伝送方法の第3の実施例について説明する。
【0113】
第3の実施例においては、移動サブネット3に接続されている端末装置宛のデータ(パケット)を、一旦、すべて移動ルータMR2宛にする(宛先IPアドレスを移動ルータMR2のIPアドレスにする)ので、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動ルータMR2のIPアドレスだけが変更されるだけで、移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。
【0114】
次に、図1に示す移動ネットワーク1が、ホームポジションから、図4に示すように、ルータRT10のサブネットに移動し、さらに、端末装置Vb9が移動ネットワーク1に移動したときの動作について説明する。
【0115】
移動ルータMR2は、ルータRT10に接続されると、ルータRT10から、図12に示すように、新たなIPアドレス133.4.34.10を取得する。このとき、移動サブネット3および移動サブネット3に接続されている端末装置Va4のIPアドレスは変更されない。即ち、端末装置Va4のIPアドレスは、133.138.194.145のままである。
【0116】
移動ルータMR2は、新たに取得したIPアドレス133.4.34.10をホームルータHa5に送信する。ホームルータHa5は、移動ルータMR2の新たなIPアドレスを受け取ると、図13(a)に示すように、移動サブネット3(VIPアドレス133.138.194.0、ネットマスク0xffffff00)のAMTエントリのIPアドレスを、この移動ルータMR2の新たなアドレスで更新する。
【0117】
従って、ホームルータHa5は、図13(a)に示すAMTエントリに従って、移動サブネット3に接続されている端末装置宛の(宛先VIPアドレスが133.138.194.0乃至133.138.194.255である)データ(パケット)を、すべて移動ルータMR2(IPアドレス133.4.34.10)に転送する。
【0118】
さらに、移動ルータMR2は、宛先IPアドレスとして、自分宛に転送されてくるデータ(パケット)(宛先VIPアドレスは、移動サブネット3に接続されている端末装置を示している)を、各端末装置に転送するために、図13(c)に示すAMTエントリを自らのAMTに登録する。
【0119】
一方、新たに、この移動サブネット3に接続された端末装置Vb9は、図12に示すように、移動サブネット3(133.138.194.0)に接続される端末装置として、移動ルータMR2より新しいIPアドレス133.138.194.99を取得すると、そのIPアドレスのデータ(パケット)をホームルータHb8に送信する。ホームルータHb8は、そのIPアドレスのデータ(パケット)を受け取り、図13(b)に示すように、端末装置Vb9のAMTエントリのIPアドレスを更新する。
【0120】
移動ルータMR2は、宛先IPアドレスとして自分宛に転送されてくる、端末装置Vb9宛のデータ(パケット)(宛先VIPアドレスは、端末装置Vb9を示している)を、端末装置Vb9に転送するために、図13(d)に示すAMTエントリを自らのAMTに登録する。
【0121】
次に、第2の実施例と同様に、図7のフローチャートを参照して、図12に示すように、移動ネットワーク1および端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7が端末装置Va4もしくは端末装置Vb9にデータ(パケット)を送信する場合の動作について説明する。
【0122】
ステップS1において、端末装置Vc7は、端末装置Va4にパケットを送信する場合、図14(a)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、133.138.194.145(端末装置Va4のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、133.138.194.145に設定する。
【0123】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先のIPアドレス133.138.194.145(即ち、端末装置Va4のホームポジション)に向かってインターネット6上を転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0124】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、このパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0125】
ホームルータHa5は、図13(a)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.4.34.10)と、そのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図14(b)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、133.138.194.145から133.4.34.10に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動ルータMR2に転送する。
【0126】
このパケットは、再度、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動ルータMR2に到達する。
【0127】
移動ルータMR2は、ステップS2において、そのパケットを受け取ると、ステップS3において、そのパケットが自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4において、そのパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0128】
移動ルータMR2は、図13(c)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5に進み、そのAMTエントリに従って、そのパケットの宛先IPアドレスを133.138.194.145に書き換えた後、ステップS6において、移動サブネット3に転送する。
【0129】
そして、端末装置Va4は、ステップS2において、そのパケットを受け取り、ステップS3において、そのパケットの宛先VIPアドレス(133.138.194.145)を読み取り、自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、そのパケットを受信する。
【0130】
このようにして、端末装置Vc7が送信した端末装置Va4宛のパケットは、ホームルータHa5および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Va4に到達し、受信される。
【0131】
一方、端末装置Vb9が移動した後、端末装置Vc7は、ステップS1において、図14(d)に示すように、パケットのヘッダにおいて、宛先VIPアドレスを、131.113.30.5(端末装置Vb9のVIPアドレス)に設定し、宛先IPアドレスも同様に、131.113.30.5に設定する。
【0132】
従って、このパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、宛先IPアドレス131.113.30.5(即ち、端末装置Vb9のホームポジション)に向かって、インターネット6上を転送されていき、ホームルータHb8に到達する。
【0133】
ホームルータHb8は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、宛先VIPアドレスを読み取り、該当するAMTエントリを保持しているか否かを調べる。
【0134】
ホームルータHb8は、図13(b)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリのIPアドレス(133.138.194.99)と、IPアドレスのネットマスク(0xffffffff)を参照して、図14(e)に示すように、このパケットの宛先IPアドレスを、131.113.30.5から133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを転送する。
【0135】
端末装置Vb9は、移動サブネット3の端末装置としてIPアドレス133.138.194.99を取得したので、ホームルータHb8が転送したパケットは、インターネット6上のルータがステップS2乃至ステップS4、およびステップS6の動作を繰り返すことで、移動サブネット3のホームポジションに向かって転送されていき、ホームルータHa5に到達する。
【0136】
ホームルータHa5は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4おいて、このパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0137】
ホームルータHa5は、図13(a)に示すような、宛先IPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリに従って、図14(f)に示すように、宛先IPアドレスを133.4.34.10(移動ルータMR2のIPアドレス)に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動ルータMR2に転送する。
【0138】
移動ルータMR2は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、自分宛のパケットではないと判断し、ステップS4おいて、このパケットに該当するAMTエントリを保持しているか否かを判断する。
【0139】
移動ルータMR2は、図13(d)に示すような、宛先VIPアドレスに該当するAMTエントリを保持しているので、ステップS5において、そのAMTエントリに従って、図14(g)に示すように、宛先IPアドレスを133.138.194.99に書き換えて、ステップS6において、そのパケットを移動サブネット3に転送する。
【0140】
そして、このパケットは、IPアドレスが133.138.194.99である端末装置Vb9に転送される。端末装置Vb9は、ステップS2において、このパケットを受け取り、ステップS3において、パケットの宛先VIPアドレス131.113.30.5が自らのVIPアドレスに一致すると判断し、ステップS7において、このパケットを受信する。
【0141】
このように、端末装置Vc7が送信した端末装置Vb9宛のデータ(パケット)は、ホームルータHb8、ホームルータHa5、および移動ルータMR2により、宛先IPアドレスを変更された後、端末装置Vb9に到達し、受信される。
【0142】
この実施例においては、移動サブネット3が移動した場合、移動ルータMR2は、新たに取得したIPアドレスをホームルータHa5に通知し、ホームルータHa5は、通知されたIPアドレスで、移動サブネット3のAMTエントリを更新し、AMTに登録されているVIPアドレスに一致する宛先VIPアドレスを有するデータ(パケット)を受け取り、宛先IPアドレスをAMTエントリに従って変更した後、そのデータ(パケット)を転送する。
【0143】
なお、第3の実施例においては、移動ネットワーク1がインターネット6との接続位置を変更した場合、移動サブネット3、および移動サブネット3に接続されている端末装置に新たなIPアドレスを割り当てる必要がないので、移動時の処理が簡単になる(ただし、ホームルータHa5に保持されている移動サブネット3のAMTエントリのIPアドレスは、移動ルータMR2の新たなIPアドレスで変更される)。
【0144】
以上のように、ネットマスクを有するAMTを導入することで、移動ネットワーク1は、インターネット6との接続位置を変更した場合においても、他のインターネット6に接続されている端末装置と通信を行うことができる。
【0145】
以上の第1乃至第3の実施例においては、移動ネットワーク1が1度しか移動していないが、複数回移動しても、移動する度に、ホームルータなどの所定の装置においてAMTが更新されるので、常に、移動ネットワーク1宛(移動ネットワーク1に属する装置宛)のデータ(パケット)は、移動ネットワーク1に到達するようになされる。
【0146】
上記実施例においては、移動ネットワーク1は、移動前において、移動サブネット3に、1台の端末装置(端末装置Va4)しか備えていないが、複数台の端末装置を備えることができる。
【0147】
なお、上記実施例においては、移動ルータMR2および新たに移動サブネットに接続された端末装置Vb9が、移動後、所定のホームルータに新たなIPアドレスを送信するとき、そのIPアドレスのデータ(パケット)を中継するルータは、そのデータ(パケット)を読み取り、その端末装置に対応するAMTエントリを、キャッシュに保持し、データ転送における経路の最適化に利用するようになされている。
【0148】
また、上記実施例においては、コンピュータネットワークの一例としてインターネット6における通信について説明したが、勿論、他のコンピュータネットワークにおいても、本実施例を適用することができる。
【0149】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載のデータ伝送方法および請求項6に記載のデータ伝送装置によれば、コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、データを転送する中継位置において、コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、識別子とアドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、コンピュータネットワークからデータを受け取ったとき、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとを、識別子に対応するネットマスクで規定される範囲で比較し、エントリの識別子と、データの識別子またはアドレスとが一致したとき、データのアドレスのうちのネットマスクにより規定される部分を書き換えてデータを転送するようにしたので、移動ネットワークがコンピュータネットワーク内を移動する場合においても、移動ネットワークの端末装置宛のデータが、確実に、それらの端末装置に転送されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホームルータを介してインターネットに接続されている移動ネットワークの一例を示す図である。
【図2】本発明のデータ伝送装置を適用した移動ルータの内部の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施例において利用されるAMTエントリのフォーマットと一例を示す図である。
【図4】移動ネットワークの移動例を示す図である。
【図5】本発明のデータ伝送方法の第1の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図6】図5の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図7】移動ネットワークが移動した後、データを送信するときの動作について説明するフローチャートである。
【図8】図5の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図9】本発明のデータ伝送方法の第2の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図10】図9の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図11】図9の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図12】本発明のデータ伝送方法の第3の実施例における新たなIPアドレスの割り当ての一例を示す図である。
【図13】図12の実施例におけるAMTエントリの例を示す図である。
【図14】図12の実施例におけるデータヘッダの変化の例を示す図である。
【図15】従来の方法におけるAMTエントリのフォーマットと一例を示す図である。
【符号の説明】
1 移動ネットワーク
2 移動ルータMR
3 移動サブネット
4 端末装置Va
5 ホームルータHa
6 インターネット(Internet)
7 端末装置Vc
8 ホームルータHb
9 端末装置Vb
10 ルータRT
Claims (6)
- コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、前記データを転送する中継位置において、前記コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、前記移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、前記識別子と前記アドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶し、
前記コンピュータネットワークから前記データを受け取ったとき、前記エントリの前記識別子と、前記データの前記宛先情報である識別子またはアドレスとを、前記エントリの前記識別子に対応する前記ネットマスクで規定される範囲で比較し、前記エントリの前記識別子と、前記データの識別子またはアドレスとが一致したとき、前記データのアドレスのうちの前記ネットマスクにより規定される部分を書き換えて前記データを転送する
ことを特徴とするデータ伝送方法。 - 前記データのアドレスのうち、前記エントリの前記アドレスに対応するネットマスクのビットが1であるビットを、前記エントリの前記アドレスの対応するビットで書き換え、
前記エントリの前記アドレスに対応するネットマスクのビットが0であるビットを、一致した前記データの識別子もしくは前記データのアドレスのビットで書き換える
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。 - 前記移動ネットワークが接続位置を変更した場合、前記移動ネットワークに接続されている装置は、新たなアドレスを取得し、
前記移動ネットワークのホームルータは、管理している前記移動ネットワークの前記アドレスを、前記装置の新たなアドレスの集合に更新する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。 - 前記移動ネットワークは、その識別子を示す仮想ネットワーク番号と、
そのアドレスを示す物理ネットワーク番号とを有し、接続位置を変更した場合、新たな前記物理ネットワーク番号を取得し、
前記移動ネットワークのホームルータは、管理している前記物理ネットワーク番号を、前記新たな物理ネットワーク番号に更新する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。 - 前記移動ネットワークが接続位置を変更した場合、前記移動ネットワークを管理する移動ルータは、新たなアドレスを取得し、
前記移動ネットワークのホームルータは、管理している前記移動サブネットのアドレスを、前記移動ルータの新たなアドレスに更新する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。 - コンピュータネットワークから宛先情報を含むデータを受け取ったとき、前記データを転送するデータ伝送装置において、
前記コンピュータネットワーク内を移動する移動ネットワークを示す識別子、前記移動ネットワークの位置を示すアドレス、および、前記識別子と前記アドレスとのそれぞれに対応するネットマスクのエントリを記憶する記憶手段と、
前記コンピュータネットワークから前記データを受け取ったとき、前記エントリの前記識別子と、前記データの前記宛先情報である識別子またはアドレスとを、前記識別子に対応する前記ネットマスクで規定される範囲で比較し、前記エントリの前記識別子と、前記データの識別子またはアドレスとが一致したとき、前記データのアドレスのうちの前記ネットマスクにより規定される部分を書き換えて前記データを転送する転送手段と
を備えることを特徴とするデータ伝送装置。
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