JP3555540B2 - 光触媒薄膜の活性測定方法及び活性測定フィルム - Google Patents
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- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はタイル等の基板の表面に形成した光触媒薄膜の活性を測定する方法及び活性の測定に用いる測定フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気の存在下で紫外線を照射すると、酸素分子の吸着或いは脱着が起り、悪臭成分等の有機機化合物の分解(酸化)を促進するという特異な化学反応を誘起する光触媒としての活性を示す物質としてTiO2等が知られており、この光触媒の薄膜をトイレや厨房の壁面を構成するタイル等の表面に形成することで、脱臭及び抗菌作用を発揮させる提案もなされている。
【0003】
上述したようにタイル等の基板表面に光触媒薄膜を形成した場合、当該光触媒薄膜の活性を評価することが、実際にトイレや厨房に適用するにあたって必要となる。この評価方法として、従来は、形成した光触媒薄膜によって分解されるガス(アンモニアやメチルメルカプタン等)の経時的な濃度変化をガスクロマトグラフでモニターする方法で行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ガスクロマトグラフでモニターする方法では、測定装置が高価である上に装置1台についてサンプル1枚しか測定できず効率が悪い。
また、Pt等の金属をTiO2に担持させることで光活性が向上することが知られているが、このような構造の光触媒薄膜にあっては金属によるガス吸着の影響のため、正味の光活性がどの程度のものか判断しにくい。
更に、タイル等を壁面として一旦施工した後に、その表面に形成されている光触媒薄膜の活性をガスクロマトグラフでは測定することはできない。
【0005】
一方、ガスクロマトグラフを用いない光活性の評価方法として、光触媒によって死滅する細菌の光照射後の生存率を調べる方法も考えられるが、ガスクロマトグラフ以上に操作が面倒で、また金属を担持した光触媒薄膜にあっては、金属自体の抗菌力によっても細菌が死滅するので、正味の光活性を判定しにくい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく第1発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液を滴下し、次いで、滴下したハロゲン化アルカリ水溶液に所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0007】
また、第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液にpH指示薬を添加した混合液を滴下し、次いで、滴下した混合液に所定時間紫外線を照射し、混合液の色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0008】
また、第3発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面に活性測定フィルムを密着させ、この状態で当該活性測定フィルムに所定時間紫外線を照射し、活性測定フィルムの色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0009】
また、本発明に係る光触媒薄膜の活性測定フィルムは、有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形した。
【0010】
【作用】
紫外線を光触媒薄膜に照射すると、酸化反応と還元反応が同時に起こり、還元反応によって生じる水酸基によってハロゲン化アルカリ水溶液等のpHが上昇する。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図であり、図中1はタイル等の基板であり、この基板1表面にはTiO2を主体とする光触媒薄膜2が形成されている。
【0012】
光触媒薄膜2の形成方法としてはTiの硫酸塩を塗膜形成して熱分解する方法、Tiのアルコキサイドを塗膜形成して熱分解する方法、Tiゾルを塗膜形成した後加熱して得る方法などがあり、更に光活性効果を高めるに、TiO2薄膜中に均一にCu、Ag、Fe、Co、Pt、Ni、Pd等の金属を固定化してもよい。
【0013】
以上のようにして形成した光触媒薄膜2に光活性があるか否かをチェックするには、光触媒薄膜2表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液3を滴下し、次いで、滴下したハロゲン化アルカリ水溶液3に紫外線ランプ4によって所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜2の活性の大きさを判断する。
【0014】
図4は紫外線照射時間とpHの変化量との関係を示すグラフであり、ハロゲン化アルカリ水溶液3の濃度は0.1mol/l、紫外線ランプ4としてはBLB蛍光灯20Wを用い、光触媒薄膜2と紫外線ランプ4との距離は20cm、照射時間は60分として試験を行った。
この図から分るように、アナターゼ型、金属担持型、ルチル型のいずれのタイプの光触媒薄膜2にあっても、紫外線の照射時間が30分になるまではハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなる。
【0015】
このように紫外線の照射によってハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなるのは以下の酸化反応と還元反応が同時に起こり、還元反応によってOH−(水酸イオン)が生じるからである。
酸化反応:2I−+2h+=I2
還元反応:O2+2H2O+4e−=4OH−
したがって、紫外線の照射によってハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなれば、その光触媒薄膜2は光活性を有しているといえる。
【0016】
図5はR30とpHの変化量との関係を示すグラフである。ここで、R30は紫外線照射後30分で減少したガス(メチルメルカプタン等)の割合(%)であり、この図からR30とpHの変化量とは正の相関関係があることが分る。即ち、pHの変化量は光活性の有無の指標となる。
【0017】
上記第1発明にあってはpHの変化量はpHメータ或いはpH測定シート5によって行うが、第2発明にあってはハロゲン化アルカリ水溶液3にpH指示薬を添加した混合液を光触媒薄膜2表面に滴下し、次いで、滴下した混合液に所定時間紫外線を照射し、混合液の色の変化でもって光触媒薄膜2の活性の大きさを判断する。
【0018】
pH指示薬としては、ハロゲン化アルカリ水溶液3の紫外線照射前のpHが約4.5、紫外線照射後のpHが5.5〜6.5であるので、メチルレッドが適当である。
【0019】
また、前記した第1発明及び第2発明にあっては、光触媒薄膜2表面にハロゲン化アルカリ水溶液3或いはハロゲン化アルカリ水溶液3にpH指示薬を添加した混合液を滴下するが、基板毎に滴下した液体の広がりがまちまちで一定の液厚を確保できず、反応面積が基板毎に異なることがある。
【0020】
これを解消するのが図2に示す方法であり、この方法にあっては、ハロゲン化アルカリ水溶液3などを光触媒薄膜2表面に滴下した後、ガラス板等の透明板6によってハロゲン化アルカリ水溶液3を押え付け、一定の厚さにするとともに乾燥するのを防止している。
【0021】
また、ハロゲン化アルカリ水溶液3等の液体は基板1の表面が水平であることが条件になるので、既設の壁面等の垂直面や天井面に形成した光触媒薄膜の活性を判定することが困難である。
【0022】
これを解消するのが図3に示す方法であり、この方法にあっては、基板1表面に形成した光触媒薄膜2の表面に活性測定フィルム7を密着させ、この状態で当該活性測定フィルム7に紫外線を照射し、活性測定フィルム7の色の変化でもって光触媒薄膜2の活性の大きさを判断するようにしている。
ここで、活性測定フィルム7は有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形することで得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明した如く第1発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法によれば、タイル等の基板表面に形成した光触媒薄膜の表面にハロゲン化アルカリ水溶液を滴下し、この滴下したハロゲン化アルカリ水溶液に所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにしたので、従来のガスクロマトグラフでモニターする方法や死滅した細菌数を測定する方法に比べて簡単且つ迅速に光触媒薄膜の活性の有無を判定することができる。
【0024】
また、第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法によれば、光触媒薄膜の表面にハロゲン化アルカリ水溶液にpH指示薬を添加した混合液を滴下するようにしたので、pHメータやpH測定シートを用いることなく、混合液自体の色の変化でもって光触媒薄膜の活性を測定できるので更に簡便である。
【0025】
特に、上記ハロゲン化アルカリ水溶液またはハロゲン化アルカリ水溶液とpH指示薬との混合液を滴下した後、基板表面にガラス板等の透明板を載置するようにすれば、ハロゲン化アルカリ水溶液等の厚みが一定になるとともに乾燥しにくくなるので、より正確な判断が可能になる。
【0026】
また、有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形してなる光触媒薄膜の活性測定フィルムで光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにすれば、施工後のタイル具体的には天井面や垂直面等を構成するため測定液を滴下しにくいタイルに形成した光触媒薄膜の活性についても簡単に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1発明及び第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図2】
別実施例に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図3】
第3発明に係る活性測定フィルムを用いた光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図4】
紫外線照射時間とpHの変化量との関係を示すグラフ
【図5】
R30とpHの変化量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…基板、2…光触媒薄膜、3…ハロゲン化アルカリ水溶液、4…紫外線ランプ、5…pH測定シート、6…ガラス板、7…活性測定フィルム。
【産業上の利用分野】
本発明はタイル等の基板の表面に形成した光触媒薄膜の活性を測定する方法及び活性の測定に用いる測定フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気の存在下で紫外線を照射すると、酸素分子の吸着或いは脱着が起り、悪臭成分等の有機機化合物の分解(酸化)を促進するという特異な化学反応を誘起する光触媒としての活性を示す物質としてTiO2等が知られており、この光触媒の薄膜をトイレや厨房の壁面を構成するタイル等の表面に形成することで、脱臭及び抗菌作用を発揮させる提案もなされている。
【0003】
上述したようにタイル等の基板表面に光触媒薄膜を形成した場合、当該光触媒薄膜の活性を評価することが、実際にトイレや厨房に適用するにあたって必要となる。この評価方法として、従来は、形成した光触媒薄膜によって分解されるガス(アンモニアやメチルメルカプタン等)の経時的な濃度変化をガスクロマトグラフでモニターする方法で行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ガスクロマトグラフでモニターする方法では、測定装置が高価である上に装置1台についてサンプル1枚しか測定できず効率が悪い。
また、Pt等の金属をTiO2に担持させることで光活性が向上することが知られているが、このような構造の光触媒薄膜にあっては金属によるガス吸着の影響のため、正味の光活性がどの程度のものか判断しにくい。
更に、タイル等を壁面として一旦施工した後に、その表面に形成されている光触媒薄膜の活性をガスクロマトグラフでは測定することはできない。
【0005】
一方、ガスクロマトグラフを用いない光活性の評価方法として、光触媒によって死滅する細菌の光照射後の生存率を調べる方法も考えられるが、ガスクロマトグラフ以上に操作が面倒で、また金属を担持した光触媒薄膜にあっては、金属自体の抗菌力によっても細菌が死滅するので、正味の光活性を判定しにくい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく第1発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液を滴下し、次いで、滴下したハロゲン化アルカリ水溶液に所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0007】
また、第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液にpH指示薬を添加した混合液を滴下し、次いで、滴下した混合液に所定時間紫外線を照射し、混合液の色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0008】
また、第3発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法は、基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面に活性測定フィルムを密着させ、この状態で当該活性測定フィルムに所定時間紫外線を照射し、活性測定フィルムの色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにした。
【0009】
また、本発明に係る光触媒薄膜の活性測定フィルムは、有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形した。
【0010】
【作用】
紫外線を光触媒薄膜に照射すると、酸化反応と還元反応が同時に起こり、還元反応によって生じる水酸基によってハロゲン化アルカリ水溶液等のpHが上昇する。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図であり、図中1はタイル等の基板であり、この基板1表面にはTiO2を主体とする光触媒薄膜2が形成されている。
【0012】
光触媒薄膜2の形成方法としてはTiの硫酸塩を塗膜形成して熱分解する方法、Tiのアルコキサイドを塗膜形成して熱分解する方法、Tiゾルを塗膜形成した後加熱して得る方法などがあり、更に光活性効果を高めるに、TiO2薄膜中に均一にCu、Ag、Fe、Co、Pt、Ni、Pd等の金属を固定化してもよい。
【0013】
以上のようにして形成した光触媒薄膜2に光活性があるか否かをチェックするには、光触媒薄膜2表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液3を滴下し、次いで、滴下したハロゲン化アルカリ水溶液3に紫外線ランプ4によって所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜2の活性の大きさを判断する。
【0014】
図4は紫外線照射時間とpHの変化量との関係を示すグラフであり、ハロゲン化アルカリ水溶液3の濃度は0.1mol/l、紫外線ランプ4としてはBLB蛍光灯20Wを用い、光触媒薄膜2と紫外線ランプ4との距離は20cm、照射時間は60分として試験を行った。
この図から分るように、アナターゼ型、金属担持型、ルチル型のいずれのタイプの光触媒薄膜2にあっても、紫外線の照射時間が30分になるまではハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなる。
【0015】
このように紫外線の照射によってハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなるのは以下の酸化反応と還元反応が同時に起こり、還元反応によってOH−(水酸イオン)が生じるからである。
酸化反応:2I−+2h+=I2
還元反応:O2+2H2O+4e−=4OH−
したがって、紫外線の照射によってハロゲン化アルカリ水溶液3のpHが高くなれば、その光触媒薄膜2は光活性を有しているといえる。
【0016】
図5はR30とpHの変化量との関係を示すグラフである。ここで、R30は紫外線照射後30分で減少したガス(メチルメルカプタン等)の割合(%)であり、この図からR30とpHの変化量とは正の相関関係があることが分る。即ち、pHの変化量は光活性の有無の指標となる。
【0017】
上記第1発明にあってはpHの変化量はpHメータ或いはpH測定シート5によって行うが、第2発明にあってはハロゲン化アルカリ水溶液3にpH指示薬を添加した混合液を光触媒薄膜2表面に滴下し、次いで、滴下した混合液に所定時間紫外線を照射し、混合液の色の変化でもって光触媒薄膜2の活性の大きさを判断する。
【0018】
pH指示薬としては、ハロゲン化アルカリ水溶液3の紫外線照射前のpHが約4.5、紫外線照射後のpHが5.5〜6.5であるので、メチルレッドが適当である。
【0019】
また、前記した第1発明及び第2発明にあっては、光触媒薄膜2表面にハロゲン化アルカリ水溶液3或いはハロゲン化アルカリ水溶液3にpH指示薬を添加した混合液を滴下するが、基板毎に滴下した液体の広がりがまちまちで一定の液厚を確保できず、反応面積が基板毎に異なることがある。
【0020】
これを解消するのが図2に示す方法であり、この方法にあっては、ハロゲン化アルカリ水溶液3などを光触媒薄膜2表面に滴下した後、ガラス板等の透明板6によってハロゲン化アルカリ水溶液3を押え付け、一定の厚さにするとともに乾燥するのを防止している。
【0021】
また、ハロゲン化アルカリ水溶液3等の液体は基板1の表面が水平であることが条件になるので、既設の壁面等の垂直面や天井面に形成した光触媒薄膜の活性を判定することが困難である。
【0022】
これを解消するのが図3に示す方法であり、この方法にあっては、基板1表面に形成した光触媒薄膜2の表面に活性測定フィルム7を密着させ、この状態で当該活性測定フィルム7に紫外線を照射し、活性測定フィルム7の色の変化でもって光触媒薄膜2の活性の大きさを判断するようにしている。
ここで、活性測定フィルム7は有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形することで得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明した如く第1発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法によれば、タイル等の基板表面に形成した光触媒薄膜の表面にハロゲン化アルカリ水溶液を滴下し、この滴下したハロゲン化アルカリ水溶液に所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにしたので、従来のガスクロマトグラフでモニターする方法や死滅した細菌数を測定する方法に比べて簡単且つ迅速に光触媒薄膜の活性の有無を判定することができる。
【0024】
また、第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法によれば、光触媒薄膜の表面にハロゲン化アルカリ水溶液にpH指示薬を添加した混合液を滴下するようにしたので、pHメータやpH測定シートを用いることなく、混合液自体の色の変化でもって光触媒薄膜の活性を測定できるので更に簡便である。
【0025】
特に、上記ハロゲン化アルカリ水溶液またはハロゲン化アルカリ水溶液とpH指示薬との混合液を滴下した後、基板表面にガラス板等の透明板を載置するようにすれば、ハロゲン化アルカリ水溶液等の厚みが一定になるとともに乾燥しにくくなるので、より正確な判断が可能になる。
【0026】
また、有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形してなる光触媒薄膜の活性測定フィルムで光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにすれば、施工後のタイル具体的には天井面や垂直面等を構成するため測定液を滴下しにくいタイルに形成した光触媒薄膜の活性についても簡単に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1発明及び第2発明に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図2】
別実施例に係る光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図3】
第3発明に係る活性測定フィルムを用いた光触媒薄膜の活性測定方法を説明した図
【図4】
紫外線照射時間とpHの変化量との関係を示すグラフ
【図5】
R30とpHの変化量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…基板、2…光触媒薄膜、3…ハロゲン化アルカリ水溶液、4…紫外線ランプ、5…pH測定シート、6…ガラス板、7…活性測定フィルム。
Claims (5)
- 基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液を滴下し、次いで、滴下したハロゲン化アルカリ水溶液に所定時間紫外線を照射し、照射前のハロゲン化アルカリ水溶液のpHと照射後のpHとの差から光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにしたことを特徴とする光触媒薄膜の活性測定方法。
- 基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面にヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液にpH指示薬を添加した混合液を滴下し、次いで、滴下した混合液に所定時間紫外線を照射し、混合液の色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにしたことを特徴とする光触媒薄膜の活性測定方法。
- 請求項1または2に記載の光触媒薄膜の活性の測定方法において、基板表面にハロゲン化アルカリ水溶液またはハロゲン化アルカリ水溶液とpH指示薬との混合液を滴下した後、基板表面に透明板を載置し、この透明板を介して紫外線を照射するようにしたことを特徴とする光触媒薄膜の活性測定方法。
- 基板表面に形成したTiO2を主体とする光触媒薄膜の表面に活性測定フィルムを密着させ、この状態で当該活性測定フィルムに所定時間紫外線を照射し、活性測定フィルムの色の変化でもって光触媒薄膜の活性の大きさを判断するようにしたことを特徴とする光触媒薄膜の活性測定方法。
- 有機バインダにヨウ化カリウム或いは塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ水溶液及びpH指示薬を添加した混合液を乾燥してフィルム状に成形してなる光触媒薄膜の活性測定フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055128A JP3555540B2 (ja) | 1993-12-24 | 2000-03-01 | 光触媒薄膜の活性測定方法及び活性測定フィルム |
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JP6310896A JPH0866635A (ja) | 1993-12-14 | 1994-12-14 | 光触媒薄膜及びその形成方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|---|
JP2007298328A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Shunichi Nakai | 光触媒活性度評価装置 |
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- 2000-03-01 JP JP2000055128A patent/JP3555540B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000227429A (ja) | 2000-08-15 |
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