JP3555114B2 - Diamond flattening method - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は単結晶ダイヤモンドや多結晶ダイヤモンドの研磨ないし平坦化に関し、特に、切削工具、耐磨工具、表面弾性波素子、半導体素子、大面積ヒートシンクレンズ等に応用可能なダイヤモンド基板表面を与えることが可能なダイヤモンドの平坦化法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは、赤外領域の一部を除いて赤外〜紫外域の広い波長領域にわたって光の透過性に優れるのみならず、優れた耐圧性を有し、且つ物質中で最も硬いという優れた特性を有している。したがって、ダイヤモンドは、傷がつかない光学用の材料として最適の物質である。
【0003】
また、ダイヤモンドは物質中で最も高いヤング率を有し、表面弾性波が励起されれば非常に高速で伝播するという性質を有している。したがって、ダイヤモンドは、移動体通信等に用いられる高周波帯域通過フィルタ用材料として注目され、研究が進みつつある。
【0004】
更に、ダイヤモンドは、物質中で最も大きい熱伝導率を有するため、半導体レーザやIC等のデバイスのヒートシンクとしての利用も検討されてきている。
【0005】
また更に、ダイヤモンドは、高温下、放射線下などの苛酷な環境下でも安定に動作するデバイスの材料として、また高出力の動作にも耐え得るデバイスの材料としても、その応用が注目されている。
【0006】
ダイヤモンドが高温下でも動作可能な理由として、バンドギャップが5.5eVと大きいことが挙げられる。これは、半導体のキャリアが制御されなくなる温度範囲(真性領域)が1400℃以下には存在しないことを示している。
【0007】
人工的にダイヤモンドを合成する方法としては、従来より超高圧合成法が用いられて来たが、最近では、気相合成法を用いても、ダイヤモンド結晶が合成されるようになって来た。これにより、ダイヤモンドの光学材料、半導体材料等への応用が更に期待されている。
【0008】
近年、表面弾性波素子、半導体素子や、種々のデバイスのヒートシンク等にダイヤモンドが用いられる場合には、従来より遥かに大面積で且つ超微細加工可能な表面の鏡面性、平坦性を有するダイヤモンドが要求されるようになってきた。
【0009】
しかしながら、超高圧合成法または気相合成法で得られた人工ダイヤモンドの表面には、通常、約1000μm前後のかなり大きな凹凸が存在しているため、このような場合には人工ダイヤモンドの表面を研磨して平坦化する必要がある。
【0010】
しかしながら、上述したように、ダイヤモンドは物質中で最も硬い材質であるため、これを研磨し平坦化することは必ずしも容易ではない。
【0011】
従来より、ダイヤモンド表面の研磨には、主に機械加工による方法が用いられていた。
【0012】
このような機械的加工による方法としては、例えば、凹凸を有するダイヤモンドの表面を研削機等の物理的な手段で粗削りした後、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨し、更に高温で高速摩擦により凹凸部のダイヤモンド成分を溶解させてダイヤモンド表面を平坦化するスカイフ研磨が挙げられる。
【0013】
しかしながら、従来の研磨法では、比較的良好な鏡面を得ることが可能ではあるものの、直接接触に基づく研磨であったため、その研磨能力が基板の材質、そり量、面積、厚み等の基板の状態に大きく左右されるという欠点があった。
【0014】
また、このような機械的研磨において所望の平滑度を得るためには、研磨板の砥粒の粒径をコントロールすることが必要であったが、該粒自身もダイヤモンドであるため、その粒径コントロールは困難であった。
【0015】
例えば、薄膜シリコン基板上に成膜したダイヤモンド膜の場合、大面積のものほど「そり」が顕著となり、そり量が数十μmにも及ぶ場合がある。この場合、接触研磨によって機械的な圧力が基板にかかると、基板割れが生じてしまう虞がある。このように機械研磨においては、研磨装置および研磨板の大きさ、研磨できるダイヤモンド基板の厚み等に限界があるため、機械研磨可能なダイヤモンド膜はサイズの小さな基板上に形成したものに限られる。したがって、大面積基板上に形成したダイヤモンド膜の機械研磨は、極めて困難であった。
【0016】
一方、特開平2−26900号公報に開示されるように、研磨材として鉄等の金属を用い、ダイヤモンドと反応した層を除去する方法があるが、接触研磨装置を用いることには変わりないため、上述したような接触研磨における問題は依然として未解決である。
【0017】
これに対して、特開昭64−68484号公報に開示されるように、非接触でイオンビーム等を照射してダイヤモンドの平滑化を行なう方法がある。
【0018】
しかしながら、この方法では鏡面性は改善されるものの、上述の接触研磨に比べてその平滑性は著しく劣っており、この方法で平滑化したダイヤモンド膜を微細加工等に適用することは不可能であった。
【0019】
また、特開昭64−62484号公報では、上記方法の延長として、ダイヤモンド膜上に、CVD(化学的気相成長)法によりダイヤモンドと類似の物質であるアモルファスカーボン膜を形成して、エッチバック(一旦形成した平坦なアモルファスカーボン膜側からダイヤモンドをエッチング)する方法が提示されている。しかしながら、この方法により得られるダイヤモンド表面の凹凸は大きく、充分な平坦化は困難であるため、この方法により得られたダイヤモンド膜を微細加工に適用することは、極めて困難である。更に、この方法ではアモルファスカーボン膜(比較的厚い)の形成に長時間を要するため、この方法は製造コストの点から好ましくない。
【0020】
上述したように、従来の技術においては、ダイヤモンド砥石やダイヤモンド砥粒を用い、ダイヤモンドを平坦化する方法が主に用いられていた。また、Appl. Phys. Lett.,63(1993), 622 に示されるように、セリウムやランタン等の金属を用い、ダイヤモンドからこれらの金属への炭素原子の拡散的転移(diffusional transfer)を利用して、ダイヤモンド膜表面を平坦化する方法が知られている。しかしながら、これらの方法による平坦化では長い処理時間が必要であるか、あるいは表面の凹凸がサブミクロン以下となるように平滑化することが困難であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
単結晶ダイヤモンドないし多結晶ダイヤモンドを電子デバイスの構成材料に適用しようとする場合、該ダイヤモンド上に微細配線等を形成する観点から、ダイヤモンド表面の平坦度は、通常は配線長の10分の1程度あるいはそれ以下であることが極めて好ましい。本発明者の検討によれば、上記したAppl. Phys. Lett.,63(1993), 622 の方法を用いた場合、数十μm単位の平坦度しか得られない。また、LSI設計製作技術(森末 道忠著、電気書院発行、1987年)p370には、PSG(phospho−silicate glass)上に形成したレジスト層をエッチングするに際し、エッチングガスたるCF4 にO2 を添加するとレジストのエッチング速度が増大し、H2 を添加するとレジストのエッチング速度が減少することを利用して、レジストとPSGとのエッチング速度を同じとした条件下でこれらを同時にエッチングして平坦なPSG膜を残す方法が開示されている。このような半導体プロセス中のエッチング法による平坦化プロセスにおいては、犠牲層(この場合はPSG)と平坦化すべき膜とのドライエッチング速度を、ガス組成を変えるだけで簡単に同一にすることが可能であった。
【0022】
しかしながら、この方法をダイヤモンド膜の平坦化に適用しようとした場合、ダイヤモンドと犠牲層のドライエッチング速度を同一にすることは困難であり、たとえ同一の速度が得られたとしても、該エッチング速度は極めて遅くならざるを得ない。したがって、ダイヤモンド膜の平坦化には、かなり長い処理時間が必要となるという欠点があった。
【0023】
一般に、ダイヤモンドにおいても、その表面の凹凸が可能な限り小さいことが、該表面に安定的に微細配線パターン等を形成可能な点から好ましい。
【0024】
したがって本発明の目的は、上述した従来の問題点を解消するダイヤモンドの平坦化法を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、その上に微細配線等を安定的に形成可能なダイヤモンド表面を短時間で与えるダイヤモンドの平坦化法を提供することにある。
【0026】
本発明の更に他の目的は、基板の材質、そり量、面積、厚み等の基板の状態に実質的に影響を受けることなく、非接触で鏡面仕上げ研磨を行なうことが可能なダイヤモンドの平坦化法を提供することにある。
【0027】
本発明の更に他の目的は、その上に微細加工を施すことが可能なダイヤモンド膜を低コストで得ることができるダイヤモンドの平坦化法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、乾式法によりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイヤモンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の凹部の減削速度より相対的に大きくするダイヤモンドの平坦化法であって、ダイヤモンドとして単結晶又は多結晶ダイヤモンドを用い、該ダイヤモンド上に平坦な犠牲層を形成し、該犠牲層を均一にエッチングしてダイヤモンド表面の凸部を露出させ、露出した該凸部に不純物を付着させ、アニールして該不純物と凸部とを反応させた後該凸部を除去することを特徴とするダイヤモンドの平坦化法
が提供される。
【0031】
本発明によれば、更に、ダイヤモンドの表面に、該ダイヤモンドと異なる材料からなる平坦な被膜を形成する第1の工程と、
前記被膜を介して、ダイヤモンドにイオン注入を行なう第2の工程と、
前記被膜を除去するとともに、前記イオン注入により変質したダイヤモンド部分を、前記ダイヤモンドから除去する第3の工程とを備えることを特徴とするダイヤモンドの平坦化法が提供される。
【0032】
このようなダイヤモンドの平坦化法においては、ダイヤモンド表面の平滑性を高めるために、必要に応じて、上述した第1ないし第3の工程を繰返し行なってもよい。
【0033】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0034】
(ダイヤモンド)
本発明に使用可能なダイヤモンドの種類は、特に制限されない。より具体的には例えば、本発明の平坦化法ないし研磨法は、天然のダイヤモンド、高圧合成法によって人工的に製造されたバルク単結晶からなるダイヤモンド、又は気相合成法によって人工的に基板等の上に形成された薄膜多結晶または薄膜単結晶からなるダイヤモンド等の種々のダイヤモンドの表面を平坦化ないし研磨するために適用することが可能である。
【0035】
(被膜)
ダイヤモンド表面を平坦化するために、該ダイヤモンド表面に形成すべき被膜(ないし犠牲層)は、ダイヤモンドと異なる種々の材料を用いて形成することが可能であり、また、このような被膜は、種々の方法によって形成可能である。より具体的には例えば、ダイヤモンドと異なる材料を含む液状の塗布剤をダイヤモンド表面の凹凸を埋めるように塗布し、(溶媒蒸発等により)固化させる方法;あるいはゾルーゲル法に従いダイヤモンド表面にゾル状態のコーティング材料を塗布した後、ゲル状態に転換させて固化させ平坦な表面を形成する方法;等によって比較的容易に被膜を形成して平坦化を行なう(平坦な被膜を形成する)ことができる。
【0036】
液状材料を用いて上記被膜を形成する際には、適量の液状材料を平坦化すべきダイヤモンドの表面に滴下し、スピナ等を用いてスピンコート(回転塗布)により行なうことが好ましい。
【0037】
被膜の形成に使用すべき材料(ダイヤモンドと異なる材料)としては、ダイヤモンド表面へのコーティングにより、該ダイヤモンド表面に比較的安定で且つ凹凸のない表面を形成可能なものが好ましく用いられる。より具体的には例えば、このような材料としては、珪素(Si)、硼素(B)等を含む有機材料を主成分とするもの、あるいは珪素(Si)、硼素(B)等を含む無機材料を主成分とするものが挙げられる。
【0038】
Si、B等を含む無機材料を主成分とする被膜形成用材料としては、無機珪素化合物、無機硼素化合物等を挙げることができる。例えば、ゾルーゲル法に従って無機珪素化合物または無機硼素化合物等からなる被膜を形成する場合には、ダイヤモンドの表面に、SiO2 系、B2 O3 系等のゾルをスピナ等を用いてスピンコート(回転塗布)した後、加熱等によってゾルを転換させてゲル層を形成することができる。例えば、半導体プロセスで用いられるSiO2 系塗布液などが簡便に使用可能である。
【0039】
有機材料を主成分とする被膜形成用材料としては、半導体デバイス製造プロセス等に使用される比較的安価なポリイミド材料が簡便に使用可能であるが、これには限定されず、その他の有機ポリマ等を用いることができる。
【0040】
Si、B等を含む有機材料を主成分とする材料としては、水溶性コロイド系、ポリけい皮酸系、環化ゴム系、キノンジアザイド系等の液状フォトレジストが好適に使用可能である。
【0041】
(ドライエッチング)
本発明においては、ドライエッチング法として、反応性イオンエッチング(RIE)を用いることが最も好ましいが、他にプラズマエッチング、イオンビームエッチング等を用いることも可能である。いずれのエッチングを用いた場合にも、ほぼ同等の平滑化効果を得ることができる。
【0042】
ドライエッチングに用いるガスとしては、Ar、He、CF4 、CHF3 、SF6 、BCl3 、CHCl3 等の通常のエッチングガスを単独であるいは混合して用いることが可能である。必要に応じて、これらのガスに少量のO2 、N2 O、N2 等を混合したガス系を用いてもよい。
【0043】
本発明において、ドライエッチングにより、被膜とダイヤモンドの双方をエッチングし得る条件は、基本的には、ドライエッチングの際の被膜とダイヤモンドとのエッチング選択比をより小さく抑えることで実現される。本発明においては、被膜とダイヤモンドとのエッチング選択比が1:2から2:1までの範囲を採ることが好ましく、さらに、被膜とダイヤモンドとのエッチング選択比がほぼ1:1であること(すなわち、0.8:1から1:0.8の範囲、更には0.9:1から1:0.9の範囲のエッチング選択比)が最も好ましい。
【0044】
たとえば、ArにO2 を混合したガス系において、ドライエッチングを行なう場合、Arに対するO2 の添加量の割合を0〜10%とすることで、被膜とダイヤモンドとのエッチング選択比をほぼ1:1に調節することができる。
【0045】
(イオン注入)
本発明におけるイオン注入は、通常のイオン注入技術に従って実施することができる。
【0046】
イオン注入に用いる元素には制限はなく、あらゆる元素を適宜選択して用いることができる。この際に用いるイオンは、ダイヤモンドの結晶状態を破壊し変質させるのに十分な質量を有し、且つダイヤモンド中に深く導入される程度の大きさを有する元素であることが好ましい。より具体的には例えば、Ar、Ne、He、Al、Xe、Cu等が好ましく使用可能である。
【0047】
本発明においては、イオン注入時に、必要に応じて、注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積(E)と注入イオンに対する被膜の阻止断面積(F)とがほぼ一致(好ましくは、阻止断面積の比(F/E)が0.1〜10、更には0.9〜1.1)するように被膜を形成させてもよい。より具体的には、上記のあることが好ましい。
【0048】
ここに、「阻止断面積」は、注入イオンが被膜およびダイヤモンド中を通過する際に物質との相互作用によって失う損失エネルギーを、単位体積当りの原子数または分子数で除した商として規定される。このように、注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積と注入イオンに対する被膜の阻止断面積をほぼ一致させた場合、ダイヤモンドおよび被膜に導入される注入イオンの飛程距離を、再現性よく等しくすることが可能となる。
【0049】
注入イオンに対する被膜の阻止断面積の調整は、例えば、被膜を形成するために用いる材料に、適量の金属元素を添加して均一に混合することによって比較的容易に行うことができる。
【0050】
このような目的で添加する金属元素としては、例えば、Mg、Al、Ti、W、Mo、Au、Pt等を好適に用いることができる。また、金属元素の添加量は、被膜を構成する材料、注入イオンの種類、添加する金属元素の種類に基づくコンピュータ・シミュレーションにより求めることが可能である。
【0051】
(被膜の除去)
被膜の除去に際しては、被膜を構成する材料に応じた化学的または物理的エッチング、あるいは剥離剤、HF(フッ酸)等による化学的処理を適宜選択して用いることができる。
【0052】
(ダイヤモンド変質部分の除去)
ダイヤモンドが変質した部分の除去は、ドライエッチングまたは化学的なウェットエッチングのいずれのエッチングも用いることができる。いずれのエッチングを用いても、ほぼ同等の効果を得ることができる。
【0053】
ドライエッチングとしては、水素、酸素、またはハロゲンガス等の気体放電を利用したプラズマエッチングを好ましく用いることができる。またウェットエッチングとしては、クロム酸処理を用いたエッチング等を好ましく用いることができる。
【0054】
(平坦化ないし研磨の程度)
本発明の平坦化ないし研磨法において、得られたダイヤモンド表面の平滑度は、例えば、RMax 又はRa (JIS B 0601に基づく)に基づいて規定することが可能である。より具体的には例えば、平坦化ないし研磨前のダイヤモンド表面のRMax をA(μm)とし、平坦化ないし研磨後の該ダイヤモンド表面のRMax をB(μm)とした場合、本発明においては、B/Aの比は、通常1/3以下であることが好ましく、1/5以下(特に1/10以下)であることが更に好ましい。
【0055】
(ダイヤモンドの研磨方法)
本発明のダイヤモンド研磨方法の一態様について、その作用機構を図1に基づいて説明する。
【0056】
このダイヤモンドの研磨方法では、まず図1(a)に示すように、所定の基板1(例えば、シリコン基板)上に合成されたダイヤモンド膜2を用意する。通常、ダイヤモンド2表面全体には凹凸が存在している。このようなダイヤモンド2の表面に、該ダイヤモンドとは異なる材料からなる平坦な被膜を形成する。
【0057】
これにより、図1(b)に示すように、基板1上のダイヤモンド2表面全体に存在する凹凸が被膜3によって埋没されるとともに、ダイヤモンド2の表面の凹凸の程度に実質的に影響を受けずに、平坦な表面を有する被膜3が形成される。
【0058】
次いで、所定のガス雰囲気において被膜3とダイヤモンド2の双方をエッチングし得る条件下(例えば、被膜とダイヤモンドのエッチング選択比が、上述したようにほぼ1:1になる条件下)で、ドライエッチングにより、実質的に平坦な表面を有する被膜3の表面からエッチングを行なう。
【0059】
これにより、平坦性を高く保持したまま、まず被膜3が、さらに被膜3およびダイヤモンド2表面の凹凸が(例えば、同時に)基板1上から除去され、ダイヤモンド2の表面が平滑化される。
【0060】
この結果、図1(c)に示すように、最終的に被膜3およびダイヤモンド2表面全体に存在した凹凸の大部分が除去され、平坦で且つ鏡面仕上げされたダイヤモンド表面4を得ることができる。
【0061】
本発明のダイヤモンド研磨方法の他の態様を図2に基づいて説明する。
【0062】
まず、図2(a)に示すように、ダイヤモンド10からなる基板を用意する。ダイヤモンド10からなる基板の表面には、通常、凹凸が存在している。このようなダイヤモンド10からなる基板表面全体に、ダイヤモンドとは異なる材料からなる液状の塗布剤を滴下し硬化させて、表面が球面状の被膜11を形成する。
【0063】
これにより、ダイヤモンド10からなる基板表面に存在する凹凸が被膜11によって埋没されるとともに、ダイヤモンド10からなる基板の表面の凹凸の程度に実質的に影響を受けることなく、滑らかな表面を有する被膜11が形成される。
【0064】
次に、所定のガス雰囲気において、被膜11とダイヤモンド10の双方がエッチングし得る条件下(例えば、被膜11とダイヤモンド10のエッチング選択比がほぼ1:1になる条件下)で、ドライエッチングにより、被膜11の球面状の表面の側からエッチングを行なう。
【0065】
これにより、まず被膜11が、さらに被膜11およびダイヤモンド10からなる基板の表面の凹凸が(例えば、同時に)ダイヤモンド10からなる基板上から除去され、球面状に研磨されたダイヤモンド表面を得ることができる。
【0066】
その結果、図2(b)に示すように、最終的に表面が球面状に研磨されたダイヤモンドレンズ12を得ることができる。
【0067】
このような方法と同様にして、図4(a)に示すようにダイヤモンド10からなる基板の背面も研磨すれば、図4(b)に示すように、両面が球面状に研磨されたダイヤモンドレンズ14を得ることも可能である。
【0068】
本発明のダイヤモンドの平坦化法の一態様について、その作用機構を図5に基づいて説明する。
【0069】
このような平坦化法の態様においては、図5(a)に示すように、ダイヤモンド20の表面25に、ダイヤモンドと異なる材料からなる、平坦な表面を有する被膜30を形成する。
【0070】
これにより、図5(b)に示すように、ダイヤモンド20の表面25に存在する凹凸が被膜30により埋没され、平坦な被膜表面35が得られる。ここに、被膜30は、ダイヤモンド20の表面25に残存する凹凸に実質的に関係なく平坦に形成可能であるため、被膜30の膜厚はダイヤモンド20の領域ごとに異なっている。
【0071】
次に、図5(c)に示すように、平坦な表面35を有する被膜30を介して、ダイヤモンド20に(被膜30の側から)イオン注入を行なう。これにより、注入イオン40が被膜30を通過した後、ダイヤモンド20の全面に、実質的に均一に導入される。
【0072】
このとき、図6(d)に示すように、被膜30の膜厚が大きい領域100では、注入イオン40はダイヤモンド20内に浅く導入されるが、一方被膜30の膜厚が小さい領域105では、注入イオン40がダイヤモンド20中に深く導入される。
【0073】
図6(e)に示すように、注入イオン40が導入された部分のダイヤモンドは、イオン衝撃によって結晶構造が破壊されて変性ないし変質し、例えば、非晶質化またはグラファイト化する。
【0074】
次に、ダイヤモンド20の表面25から被膜30をすべて除去するとともに、イオン注入によりダイヤモンドが変質した部分45を除去する。これにより、図6(f)に示すように、ダイヤモンド20の表面25に存在した比較的大きな凹凸の大部分が、ダイヤモンドが変質した部分45として除去され、平滑な表面26が露出する。
【0075】
このような平坦化の態様において、1回の平坦化処理では、ダイヤモンド20の表面26において所望の平坦度が得られない場合には、上述した平担化処理をさらに1回以上繰返して行なうことで、残存する小さな凹凸を更に平坦化することが可能であり、より平滑な表面を有するダイヤモンドを得ることができる。
【0076】
また、このようなダイヤモンドの平坦化の態様に従って、図7(a)に示すように、ダイヤモンド20の表面25に、微量の金属元素の添加により注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積と注入イオンに対する被膜の阻止断面積とがほぼ一致するように、被膜31を形成して平坦な表面を有する被膜31を得てもよい。
【0077】
これにより、図7(b)示すように、ダイヤモンド20の表面25に存在する凹凸が被膜31により埋没され、平坦な被膜表面36が得られる。
【0078】
次に、図7(c)に示すように、平坦化された表面36を有する被膜31を介して、ダイヤモンド20にイオン注入を行なう。これにより、注入イオン40が被膜31を通過した後、ダイヤモンド20の全面に実質的に均一に導入される。
【0079】
このとき、図8(d)に示すように、注入イオンに対するダイヤモンドの阻止断面積および注入イオンに対する被膜の阻止断面積がほぼ一致しているので、注入イオン40が被膜表面36から同じ深さでダイヤモンドのすべての領域に効率よく導入される。
【0080】
これにより、図8(e)に示すように、注入イオンが被膜表面36から同じ深さで導入された部分のダイヤモンドは、イオン衝撃によって結晶構造が破壊されて変質し、例えば非晶質化またはグラファイト化する。
【0081】
次に、ダイヤモンド20の表面からコーティング31をすべて除去するとともに、イオン注入によりダイヤモンドが変質した部分45を除去する。
【0082】
これにより、図8(f)に示すように、ダイヤモンド20の表面25に存在した比較的大きな凹凸の大部分が、ダイヤモンドが変質した部分45として除去されるため、1回の平坦化処理により、非常に平坦な表面27を有するダイヤモンドを得ることができる。
【0083】
図9に基づき、本発明の平坦化法の他の態様を説明する(図9中の数値は、ダイヤモンド表面凹部の深さの一例を示す)。この態様においては、乾式法によりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイヤモンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の凹部の減削速度より相対的に大きくしているため、平坦化されたダイヤモンド表面を短時間で得ることができる。換言すれば、この態様においては、(異なる材料のエッチング速度を同一とするのではなく、むしろ)ダイヤモンド表面の凸部と凹部とに対する減削速度に積極的に差をつけることにより、比較的短時間で平滑なダイヤモンド表面を得ることを可能としている。
【0084】
すなわちこの態様においては、ダイヤモンド表面の凸部を相対的に早く削り、該表面の凹部を相対的に遅く削っているため、(換言すれば、削りたい部分を優先的に減削しているため)極めて平坦な表面(例えば、表面のRmax が0.5μm以下程度)でも比較的短時間で得ることが可能である。より具体的には例えば、ダイヤモンド表面の凸部と凹部にサブμm単位で研磨スピードもしくはドライエッチングスピードの差を相対的に付けることにより、凹凸の大きさ(Rmax )を例えば0.5μm以下程度にすることができる。
【0085】
本実施態様において、ダイヤモンド表面凸部の減削速度(エッチング速度又は研磨速度)および該ダイヤモンド表面凹部の減削速度は、例えば、Chenらの方法(Appl. Phys. Lett.,63(5),622(1993))により測定可能である。ダイヤモンド表面凸部の減削速度をC(Å/分)とし、該ダイヤモンド表面凹部の減削速度をD(Å/分)とした場合、本実施態様においては、C/Dの比は、通常1.5以上、更には3.0以上であることが好ましい。
【0086】
ダイヤモンドは、Appl. Phys. Lett.,63(5),622(1993)の公知例に知られるように、金属と反応させてカーバイド層が生成すると脆くなる。一方、ボロン等のダイヤモンドに圧縮歪みを入れる性質を有する物質をダイヤモンドに入れると堅くなることが知られている。本実施態様においては、ダイヤモンドのこれらの性質の1つ以上を利用して、ダイヤモンド表面を平坦化する。
【0087】
本実施態様において、乾式法としては、接触(ないし機械的)研磨法および/又はドライエッチング法のいずれも使用可能であるが、平坦化すべき基板表面の「そり」等の影響を受けにくい点からは、ドライエッチング法を用いることが好ましい。
【0088】
犠牲層としては、スピンオングラス(SOG)又はテトラエトキシシラン(TEOS)に基づく膜を用いることが好ましい。ここに、SOGとは、シリコンガラスを溶媒に溶解ないし分散させた液状ガラスをいう。SOGは、通常、200〜350℃程度の熱処理で固体化させることが可能である。犠牲層の厚さは、0.1〜10.0μm程度であることが好ましい。
【0089】
本実施態様においては、上記犠牲層を均一にエッチングしてダイヤモンド表面の凸部を露出させた後、露出した該凸部に不純物を付着させ、必要に応じてアニールすることが好ましい。これにより、該不純物と凸部とを反応させて、所定の厚さを有する反応層を、平滑化すべきダイヤモンド表面に形成することができる。
【0090】
このような反応層(凸部)は、変質ないし変性したダイヤモンドからなるため、該凸部はエッチング又は接触研磨により、容易に除去可能である。
【0091】
上記不純物としては、例えば、鉄、ニッケル、マンガン、セリウム、又はランタンから選ばれた金属が好ましく用いられる。前記不純物を導入するに際しては、イオン注入、蒸着等のドライプロセスを用いてもよく、またウエットプロセスを用いてもよい。
【0092】
上記アニールは、例えば、真空中において500〜2000℃の温度で、1〜30分間行うことが好ましい。このようなアニールに基づきダイヤモンド表面凸部と不純物とを反応させることにより、ダイヤモンド表面に厚さ0.1〜1μm程度の反応層を形成可能である。
【0093】
本実施態様においては、必要に応じて、前記ダイヤモンド表面の凹部に圧縮歪みを与えて、該凹部の減削速度を低減させてもよい。この場合、例えば、前記犠牲層として所定量の不純物を含む犠牲層を用いて、ダイヤモンド表面の凸部を露出させてアニールした後、ダイヤモンド表面の凹部に該不純物を混入させることが好ましい。このような不純物としては、例えば、ボロンが好ましく用いられる。
【0094】
以下、図9に基づき、この態様を具体的に説明する。
【0095】
図9(a)に示すように、犠牲層形成用材料としてスピンオングラスなどの有機SiO2 を用いて、ダイヤモンド51の表面に犠牲層52を形成し、ダイヤモンド表面を一旦平坦化させる。この際、ダイヤモンド表面の凹部にボロンを混入させる場合には、ボロンを多量に含んだ膜(犠牲層)を形成すればよい。
【0096】
次に、図9(b)に示すように、プラズマエッチング装置等を用いて、スピンオングラス52をエッチバック(エッチングにより減削)させ、ダイヤモンド51の表面のダイヤ凸部を露出させる。これにより、ダイヤモンド51の表面の凸部のみに、所望の不純物を反応させることが可能となる。
【0097】
次に、図9(c)に示すように、このように凸部を露出させた表面全体に、遷移金属等からなる、ダイヤモンドと反応する不純物53を、例えば蒸着等により塗布する。この際に用いる遷移金属としては、鉄(Fe)が好ましく用いられるが、その他にも、Ti、Ni、Mo、Ce等の遷移金属が使用可能である。
【0098】
次に、図9(d)に示すように、ダイヤモンドと不純物の反応を促進させるため、必要に応じて、真空又は不活性ガスの雰囲気中でアニールを行う。アニール温度は、不純物によって反応温度が変化するため、最適な温度は不純物の種類によって決定される。これにより、凸部においてダイヤモンドと該不純物が反応し、スピンオングラスの部分は未反応となる。
【0099】
また、このアニールの際に、ランプアニール炉を用いた場合には、反応部分の深さ方向の大きさを(例えば、約0.1μmから約1μmの間で)コントロールすることが可能となる。これにより、ダイヤモンド51の極く表面の部分にだけ反応部分を形成させることが可能となる。
【0100】
上記のように不純物53を反応させたダイヤモンド51の表面に、ドライエッチングまたは接触研磨を施すことにより、不純物53と反応した凸部は早く(凹Bより大きい減削速度で)減削され、図9(e)に示したように、平坦な表面を持つ単結晶又は多結晶ダイヤモンドが得られる。
【0101】
上記不純物の導入はイオン注入装置を用いて行うことも可能である。この場合には、SiO2 膜の部分がマスクとして機能するため、ダイヤモンド51の表面凹部には該不純物は注入されない。このようにイオン注入を用いる場合にも、不純物とダイヤモンドとを更に反応させるために、必要に応じてアニールしてもよい。
【0102】
ボロンをダイヤモンド表面の凹部に導入する場合、ボロンは不純物として%オーダまで容易に混入可能である。また、ダイヤモンドの破壊は脆性破壊となる。本発明者の知見によれば、この場合、多量に不純物が混入した状態では転位が進まないと考えられる。従って、上述の平坦化のための犠牲層に多量のボロンを含有させ、平坦化した後アニールすることで、凹部に選択的にボロンを混入させることが可能となる。これにより、凸部と凹部の減削速度をコントロールすることが可能となり、短時間のエッチングないし研磨で平坦な表面を得ることができる。
【0103】
以下、本発明に基づいて参考例及び実施例を更に具体的に説明する。
【0104】
【参考例】
参考例1
3インチ角シリコン基板上に成膜した、厚さ10μmの多結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを調べたところ、平均表面粗さRa は2000Å(200nm)であった。
【0105】
この基板上に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング剤(X−Si− (OH)n )(東京応化社製OCD)を2000rpmでスピンコートし、その後400°Cで30分間ベークして、コーティング層を形成した。得られたコーティング層の厚みは6000Åであった。
【0106】
この基板をドライエッチング装置中に配置し、Arガス(100%)を用いてエッチングした。エッチング速度はいずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1であった。40分間のエッチングにより、コーティング層およびダイヤモンド表面の凹凸をエッチンして、平均表面粗さRaが100Åの鏡面ダイヤモンドを得た。
【0107】
このようにして得られたダイヤモンド基板を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジストによる微細パターンを形成したところ、0.5μmのパターニングが得られた。
【0108】
参考例2
3インチ角シリコン基板上に成膜した厚さ10μmの多結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを調べたところ、平均表面粗さRa は2000Åであった。
【0109】
この基板上に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング剤(X−Si(OH)n)(東京応化社製OCD)を2000rpmでスピンコートし、その後400°Cで30分間ベークして、コーティング層を形成した。得られたコーティング層の厚みは6000Åであった。
【0110】
この基板をドライエッチング装置中に配置し、Ar(95%)+O2 (5%)ガス系を用いてドライエッチングした。エッチング速度はダイヤモンドが280Å/分で、コーティング層が250Å/分であり、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:0.9であった。40分間のエッチングにより、コーティング層およびダイヤモンド層の凹凸をエッチングすることで、平均表面粗さRa が120Åの鏡面ダイヤモンドを得た。
【0111】
このようにして得られたダイヤモンド基板を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジストによる微細パターンを形成したところ、0.5μmのパターニングが得られた。
【0112】
参考例3
3インチ角シリコン基板上に成膜した厚さ10μmの多結晶ダイヤモンドを基板として用いた。表面の粗さを調べたところ、平均表面粗さRa は2000Åであった。
【0113】
この基板上に、有機珪素化合物を主成分とするポリイミドを5000rpmでスピンコートし、その後400°Cで30分間ベークして、コーティング層を形成した。得られたコーティング層の厚みは6000Åであった。
【0114】
この基板をドライエッチング装置中に配置し、CF4 ガスを用いてドライエッチングした。エッチング速度はダイヤモンドが200Å/分で、ポリイミドからなるコーティング層が250Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1.25であった。50分間のエッチングによって、コーティング層およびダイヤモンド層の凹凸をエッチングすることで、平均表面粗さがRa が120Åの鏡面ダイヤモンドを得た。
【0115】
このようにして得られたダイヤモンド基板を用い、基板上に紫外線縮小投影露光機を用いてレジストによる微細パターンを形成したところ、0.5μmのパターニングが得られた。
【0116】
参考例4
図2(a)に示すように、5mm角ダイヤモンド10(平均表面粗さRa =2000Å)上に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング剤(X−Si−(OH)n )(東京応化社製)を滴下し、その後400°Cで30分間ベークして、ドーム状のコーティング層11を形成した。得られたコーティング層11の最大厚みは6000Åであった。
【0117】
このダイヤモンド10をエッチング装置内に配置し、Ar(95%)+O2 (5%)の混合ガスを用いてドライエッチングを行った。エッチング速度はいずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1であった。40分間のエッチングにより、コーティング層11およびダイヤモンド10の表面の一部をエッチングすることで、図2(b)に示すような、平均表面粗さRa が100Åの片面球面状ダイヤモンドレンズ12を得た。
【0118】
参考例5
図3(a)に示すように、5mm角ダイヤモンド10(平均表面粗さRa =2000Å)上に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング剤(X−Si−(OH)n )を複数並べて滴下し、その後400°Cで30分間ベークして、複数のドーム状のコーティング層11を形成した。得られたコーティング層11の最大厚みは1500Åであった。
【0119】
このダイヤモンド10をエッチング装置内に配置し、Ar(95%)+O2 (5%)の混合ガスを用いてドライエッチングを行った。エッチング速度はいずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1であった。10分間のエッチングにより、コーティング層11およびダイヤモンドレンズ10の表面の一部をエッチングすることで、図3 (b)に示すような、平均表面粗さRa が100Åの片面球面状ダイヤモンドレンズ13を得た。
【0120】
参考例6
参考例4で得られた片面球面状ダイヤモンドレンズ12の裏面に、無機珪素化合物を主成分とするコーティング剤(X−Si−(OH)n )を滴下し、その後400°Cで30分間ベークして、ドーム状のコーティング層11を形成した。得られたコーティング層11の最大厚みは6000Åであった。
【0121】
この基板をエッチング装置内に配置し、Ar(95%)+O2 (5%)の混合ガスを用いてドライエッチングを行なった。エッチング速度はいずれも250Å/分で、コーティング層とダイヤモンドとのエッチング選択比は1:1であった。40分間のエッチングにより、コーティング層11およびダイヤモンドレンズ12の裏面の一部をエッチングし、図4(b)に示すような、平均表面粗さRa が100Åの両面球面状ダイヤモンドレンズ14を得た。
【0122】
【実施例】
実施例1
まず、下記のようなダイヤモンドからなる3種類の基板を用意した(STEP1)。
【0123】
(1) 超高圧合成法で合成された単結晶ダイヤモンドを#200(80〜100μmの砥粒)のダイヤモンドの粉末で研磨したもの
(2) 超高圧合成法で合成された単結晶ダイヤモンドをスカイフ研磨したもの
(3) 気相合成法でSi基板上に形成した多結晶ダイヤモンド
まず、上記(1)〜(3)の各基板の表面粗さを表面粗さ計(例えば、DEKTAK製)を用いて測定し、その結果を下記表1(STEP1)に示した。
【0124】
次に、各基板表面に環化ゴム系フォトレジスト剤(商品名:OMR、東京応化社製)を適量滴下し、スピナーにより回転塗布を行なった。大気中、温度110℃、30分間加熱し、上記フォトレジスト剤を乾燥させて、膜厚1μm程度のレジスト膜を形成した(STEP2)。このようにして得られた各レジスト膜における表面粗さを表面粗さ計を用いて測定し、その結果を表1(STEP2)に示した。
【0125】
次に、イオン注入装置を用いて、上記(1)〜(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面から、Arイオンを加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm−2でイオン注入した。これにより、各基板表面に残存する凹凸にArイオンが注入され、その部分が非晶質化またはグラファイト化した。イオン注入後、レジスト膜を剥離剤により各基板上からすべて除去した。
【0126】
次に、基板温度を800℃に設定し、非晶質化またはグラファイト化した部分を水素を含むガスのプラズマ中に晒して、非晶質化またはグラファイト化した部分を各基板表面から除去してダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板の表面粗さを表面粗さ計を用いて測定した。測定結果を下記表1(STEP3)に併せて示す。
【0127】
【表1】
【0128】
上記表1に示したように、上述のような平坦化処理を施すことにより、上記 (1)〜(3)のすべてのダイヤモンド基板の表面粗さを非常に小さくすることができた。すなわち、本発明の平坦化処理による平坦化効果が大きいことが確認された。
【0129】
実施例2
実施例1において1回の平坦化処理が施された(1)〜(3)の各基板を用意した(STEP4)。したがって、下記表2(STEP4)に示した各基板の表面粗さは、表1(STEP3)に示した各基板の表面粗さと等しいものとして、以下の処理を行った。
【0130】
次に、実施例1と同様に、各基板上にレジスト膜を形成した(STEP5)。得られた各レジスト膜における表面粗さを測定した。得られた結果を下記表2(STEP5)に示す。
【0131】
次に、イオン注入装置を用いて、上記(1)〜(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面から、Arイオンを加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm−2でイオン注入した。
【0132】
イオン注入後、実施例1と同様に、レジスト膜を各基板上からすべて除去し、イオン注入により非晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去し、ダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP6)。得られた各基板の表面粗さを測定した。得られた結果を下記表2(STEP6)に併せて示す。
【0133】
【表2】
【0134】
上記表2に示したように、上述したような平坦化処理を2回繰返して行なうことにより、1回の平坦化処理を行なった場合に比べて、各基板の表面粗さを更に小さくすることができることが判明した。
【0135】
特に、本実施例においては、基板表面に2000Åの表面粗さを有していた多結晶ダイヤモンドからなる基板に、2回の平坦化処理を行なうことにより、表面粗さを10分の1程度まで平坦化できることが示された。すなわち、平坦化の効果が非常に大きいことが確認された。
【0136】
実施例3
実施例1と同様に、上記(1)〜(3)の各基板を用意し(STEP1)、次いで各基板上にレジスト膜を形成した(STEP2)。したがって、表3(STEP1)に示した各基板の表面粗さは、表1(STEP1)に示した各基板の表面粗さと等しく、また表3(STEP2)に示した各基板のレジスト膜における表面粗さは、表1(STEP2)に示した各基板のレジスト膜における表面粗さと等しいものとして、以下の処理を行った。
【0137】
次に、イオン注入装置を用いて、(1)〜(3)の各基板上に形成されたレジスト膜表面から、Arイオンを加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm−2でイオン注入した。イオン注入後、レジスト膜を各基板上からすべて除去し、各基板の表面を露出させた。
【0138】
本実施例では、イオン注入によりダイヤモンドが非晶質化またはグラファイト化した部分を各基板表面から除去する際に、プラズマエッチングを使用せず、クロム酸によるウェットエッチングを行なった。
【0139】
上記ウェットエッチングにより、基板表面から非晶質化またはグラファイト化した部分を除去し、ダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板の表面粗さを測定した。得られた結果を下記表3(STEP3)に併わせて示す。
【0140】
【表3】
【0141】
表3に示したように、クロム酸によるウェットエッチングを用いて平坦化処理を行なった場合においても、イオン注入によりダイヤモンドが非晶質化またはグラファイト化した部分を基板表面から効率よく除去することができ、各基板の表面粗さを非常に小さくすることができることが確認された。
【0142】
実施例4
気相合成法でSi基板上に形成された多結晶ダイヤモンドからなる基板のみを用いて、実施例1と同様の平坦化処理を行なった。本実施例では、注入イオンに対する金属元素添加による平坦化処理の効果を調べるため、Al、W、Mo、Fe、Auがそれぞれ1020cm-3添加され、均一に混合されたフォトレジスト剤(商品名:OMR、東京応化社製)を使用した。
【0143】
実施例1と同様に、各基板上に各金属元素が添加されたレジスト剤または無添加のレジスト剤を、各々スピナーで回転塗布し、レジスト膜を形成した(STEP2)。このようにして、得られたレジスト膜表面における表面粗さを測定し、すべて100Å以下となるようにした。
【0144】
次に、イオン注入装置を用いて、各基板上に形成されたレジスト膜表面から、Arイオンを加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm−2でイオン注入を行なった。イオン注入後、レジスト膜を各基板上から除去し、イオン注入により非晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去しダイヤモンド表面の平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板表面粗さを測定し、その結果を下記表4(STEP3)に併せて示した。
【0145】
【表4】
【0146】
上記表4に示したように、金属元素が添加されたレジスト剤を用いることにより、金属元素を一切添加しないレジスト剤を用いた場合に比べて、更に基板表面粗さを小さくできることが確認された。本発明者の知見によれば、レジスト膜内に金属元素が均一に添加されることで、イオン注入するArイオンに対するレジスト膜の阻止断面積と、ダイヤモンドからなる各基板の阻止断面積とがほぼ一致するためであると推定される。
【0147】
実施例5
実施例4と同様に、気相合成法でSi基板上に形成された多結晶ダイヤモンドからなる基板を用いて、実施例1と同様の平坦化処理を行なった。
【0148】
ただし本実施例では、基板上にレジスト膜を形成する代わりに、ゾルーゲル法により基板上にSiO2 膜を形成した。
【0149】
また、本実施例では、金属元素添加による平坦化の効果を調べるため、Al、W、Mo、Fe、Auがそれぞれ1020cm−3添加され均一に混合されたゲルを使用した。
【0150】
まず、各基板上に、金属元素が添加されたSiO系ゾルまたは金属元素無添加のSiO系ゾルを各々スピナーで回転塗布した。ゾルーゲル法に従い、加熱を施すことで、基板上のSiO系ゾルを固化させてSiO2 からなるゲル層を形成した(STEP2)。このようにして得られたSiO2 層表面における表面粗さを測定し、すべて100Å以下になるようにした。
【0151】
次に、イオン注入装置を用いて、各基板上に形成されたSiO2 層表面から、Arイオンを加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm−2でイオン注入した。イオン注入後、SiO2 層をHF処理により基板上からすべて除去し、各基板の表面を露出させた。その後、ダイヤモンドが非晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去し、平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板の表面粗さを測定し、その結果を下記表5(STEP3)に併せて示した。
【0152】
【表5】
【0153】
上記表5に示したように、基板上にゾルーゲル法に従ってSiO2 層を形成して平坦化処理を行なった場合にも、基板の表面粗さを非常に小さくすることができることが確認された。また、種々の金属元素が添加されたゾル剤を用いることで、基板の表面粗さをより小さくすることができることが確認された。本発明者の知見によれば、これはSiO2 層の阻止断面積とダイヤモンドからなる基板の阻止断面積がほぼ一致するためであると推定される。
【0154】
上述した、実施例4および実施例5で得られた結果に基づき、注入イオンの種や注入条件により、レジスト剤に添加する金属元素の種およびその添加量を適切に設定することで、1回の平坦化処理を施すだけでも、所望の平坦度を有する基板を実現できることが判明した。
【0155】
実施例6
実施例4と同様に、気相合成法でSi基板上に形成された多結晶ダイヤモンドからなる基板のみを用いて、実施例1と同様の平坦化処理を行なった。
【0156】
ただし、本実施例では、Ar、Ne、He、Al、Xe、Cuイオンを用いてイオン注入した。
【0157】
実施例1と同様に、各基板上にレジスト剤を各々スピナーで回転塗布し、レジシウト膜を形成した(STEP2)。このようにして得られたレジスト膜表面における表面粗さを測定し、すべて100Å以下になるようにした。次に、イオン注入装置を用いて、各基板上に形成されたレジスト膜表面からAr、Ne、He、Al、Xe、Cuの各イオンを、それぞれ加速電圧50keV、500keV、1MeV、2MeVでドーズ量にして1015cm-2でイオン注入を行なった。イオン注入後、レジスト膜を各基板上から除去し、イオン注入によりダイヤモンドが非晶質化またはグラファイト化した部分を、水素を含むガスのプラズマ中に晒して、各基板表面から除去し平坦化を行なった(STEP3)。得られた各基板の表面粗さを測定し、その結果を下記表6(STEP3)に併せて示した。
【0158】
【表6】
【0159】
上記表6に示したように、使用したすべての種類のイオンで、基板の表面粗さを大幅に小さくすることができ、平坦化の効果が確認された。
【0160】
実施例7
図9(a)に示すように、(100)面の単結晶ダイヤモンド基板51上に、4000回転(rpm)のスピードで、スピンオングラス52を0.7μm塗布した。次いで、上記スピンオングラス52を焼結させるため、N2 雰囲気中350℃20分間アニールした。
【0161】
更に、図9(b)に示すように、リアクティブエッチング装置を使い、フロンガス(CF4 )50sccm、13.56MHzのRFパワー300Wの条件で10分間、上記により焼結したスピンオングラス(SiO2 )をエッチングした。これにより、0.4μmスピンオングラスをエッチバックして、ダイヤモンド表面の凸部を露出させた。
【0162】
図9(c)に示すように、このように露出させた凸部に、電子ビーム蒸着装置を用いて、鉄(Fe)を0.2μm蒸着した。
【0163】
次いで図9(d)に示すように、アルゴンガス雰囲気中、1500℃、10秒のランプアニールを行って、上記鉄とダイヤモンド凸部とを反応させた。
【0164】
更に、リアクライブイオンエッチング装置を用い、アルゴン(Ar)80sccm、酸素(O2 )20sccm、13.56MHzのRFパワー300Wの条件で60分間エッチングし、反応部分の約0.3μm程度を除去した。この条件では、ダイヤモンドの鉄との反応部分(凸部)では、未反応部分(凹部)に比べ、10倍エッチング速度が速かった。更に、SiO2 を除去して、図9(e)に示すような平滑なダイヤモンド表面を得た。このようにして得たダイヤモンド表面の平滑度を測定したところ、Rmax で0.1μm以下であった。
【0165】
上述したように参考例によれば、ダイヤモンドの表面に該ダイヤモンドと異なる材料からなる平坦な被膜を形成した後;ドライエッチングにより、前記ダイヤモンドと被膜との双方をエッチングし得る条件下で、前記被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去して、該ダイヤモンドの表面を平滑化するダイヤモンドの平坦化法が提供される。
【0166】
他の参考例によれば、ダイヤモンドの表面に該ダイヤモンドと異なる材料を含む液状の塗布剤を滴下し硬化させて、ダイヤモンド上に表面が球面状の被膜を形成した後;ドライエッチングにより、前記被膜とダイヤモンドとの双方をエッチングし得る条件下で、前記被膜およびダイヤモンド表面の凹凸を除去して、球面状のダイヤモンド表面を得ることを特徴とするダイヤモンドの研磨方法が提供される。
【0167】
【発明の効果】
本発明に係る平坦化法を用いれば、従来のスカイフ研磨等の機械研磨とは異なり、非接触で表面を平坦化することができるため、基板の材質、そり量、面積、厚み等の基板の状態に実質的に制限を受けることなく、種々のダイヤモンド表面に良好に鏡面仕上げ研磨ないし平坦化することが可能になる。
【0168】
上記したダイヤモンドの平坦化法または研磨方法においては、大型のドライエッチング装置を用いることによって、より大面積のダイヤモンドの平坦化ないし研磨に充分に対応することができる。
【0169】
このようなダイヤモンドの平坦化法または研磨方法によれば、極めて平滑性に優れたダイヤモンド表面が得られるため、従来の機械研磨によって得られるダイヤモンド表面上には不可能であったレベルの超微細加工を、該ダイヤモンド表面上に施すことが可能となる。更には、本発明によれば、従来の機械研磨に比べて研磨工程が大幅に簡略化されるため、効率的なコスト低減が可能となり、工業的にも充分利点のある平坦化法ないし研磨法を提供することができる。
【0170】
また、上記したダイヤモンドの研磨方法を用いれば、ダイヤモンド以外の材料では得ることができなかった波長域、すなわち紫外線域(波長225nm以下程度)まで光を透過でき、しかも熱伝導率が高い、高信頼性のダイヤモンドレンズを得ることが可能となる。特に、本発明の研磨方法は、マイクロレンズ形成に好適に適用することができる。
【0171】
更に、本発明の他の態様によれば、ダイヤモンドの表面に該ダイヤモンドと異なる材料からなる被膜を形成して、該被膜を平坦化する第1の工程と;前記被膜を介して、前記ダイヤモンドにイオン注入を行なう第2の工程と;前記被膜を除去するとともに、前記イオン注入により変質したダイヤモンド部分を、前記ダイヤモンドから除去する第3の工程とを備えるダイヤモンドの平坦化法が提供される。
【0172】
このようなダイヤモンドの平坦化法は、50Å以下のより厳しい平坦度が要求される電子光学部品(特に、高出力の半導体レーザ等に使用可能なLSI用等の放熱基板)の製作に好適に応用することができる。
【0173】
更に、本発明の他の態様によれば、乾式法によりダイヤモンド表面を平坦化させるに際し、該ダイヤモンド表面凸部の減削速度を、該ダイヤモンド表面の凹部の減削速度より相対的に大きくするダイヤモンドの平坦化法が提供される。
【0174】
このようなダイヤモンド平坦化法によれば、多結晶又は単結晶ダイヤモンドからなり、平滑な表面を有する電子デバイス用の基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド研磨方法の一態様を示す模式側面断面図である。
【図2】本発明のダイヤモンド研磨方法の他の態様を示す模式側面断面図である。
【図3】本発明のダイヤモンド研磨方法の更に他の態様を示す模式側面断面図である。
【図4】本発明のダイヤモンド研磨方法の更に他の態様を示す模式側面断面図である。
【図5】本発明のダイヤモンド平坦化方法の一態様を工程順に示す模式側面断面図である。
【図6】本発明のダイヤモンド平坦化方法の一態様を工程順に示す模式側面断面図である。
【図7】本発明のダイヤモンド平坦化方法の他の態様を工程順に示す模式側面断面図である。
【図8】本発明のダイヤモンド平坦化方法の他の態様を工程順に示す模式側面断面図である。
【図9】本発明のダイヤモンド平坦化方法の更に他の態様を示す模式側面断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2,10,20,51…ダイヤモンド、3,11,30…被膜、4,20,25…ダイヤモンド表面、12,14…ダイヤモンドレンズ、35,36…被膜表面、40…注入イオン、45…ダイヤモンド変質部分、51…ダイヤモンド基板、52…犠牲層、100…被膜の膜厚が大きい領域、105…被膜の膜厚が小さい領域。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to polishing or flattening of single crystal diamond or polycrystalline diamond, and more particularly to providing a diamond substrate surface applicable to cutting tools, abrasive tools, surface acoustic wave devices, semiconductor devices, large area heat sink lenses and the like. PossibleDiamond flattening methodAbout.
[0002]
[Prior art]
Diamond not only has excellent light transmittance over a wide wavelength range from infrared to ultraviolet except for a part of the infrared region, has excellent pressure resistance and is the hardest material among materials. have. Therefore, diamond is an optimal substance as an optical material that does not damage.
[0003]
In addition, diamond has the highest Young's modulus among materials, and has the property of propagating at a very high speed when a surface acoustic wave is excited. Therefore, diamond is attracting attention as a material for a high-frequency band-pass filter used for mobile communication and the like, and research is progressing.
[0004]
Further, since diamond has the largest thermal conductivity among materials, its use as a heat sink for devices such as semiconductor lasers and ICs has been studied.
[0005]
Further, application of diamond has attracted attention as a material for devices that operate stably even under severe environments such as high temperatures and radiation, and as a material for devices that can withstand high-power operations.
[0006]
The reason why diamond can operate even at high temperatures is that the band gap is as large as 5.5 eV. This indicates that the temperature range (intrinsic region) in which the carrier of the semiconductor is not controlled does not exist below 1400 ° C.
[0007]
As a method of artificially synthesizing diamond, an ultra-high pressure synthesis method has been conventionally used, but recently, a diamond crystal has been synthesized even by using a gas phase synthesis method. Accordingly, application of diamond to optical materials, semiconductor materials, and the like is further expected.
[0008]
In recent years, when diamond is used for a heat sink of a surface acoustic wave device, a semiconductor device, and various devices, a diamond having a much larger surface area and a mirror surface and a flatness which can be processed ultra-finely is conventionally used. It has come to be required.
[0009]
However, the surface of the artificial diamond obtained by the ultra-high pressure synthesis method or the gas phase synthesis method usually has considerably large irregularities of about 1000 μm. In such a case, the surface of the artificial diamond is polished. Need to be planarized.
[0010]
However, as described above, since diamond is the hardest material among materials, it is not always easy to polish and flatten diamond.
[0011]
Conventionally, a method based on mechanical processing has been used for polishing the diamond surface.
[0012]
As a method by such mechanical processing, for example, after roughing the surface of diamond having irregularities by a physical means such as a grinder, polishing using diamond abrasive grains, and further, by high-speed friction at high temperatures, the irregularities are formed. And skiff polishing in which the diamond component is dissolved to flatten the diamond surface.
[0013]
However, in the conventional polishing method, although it is possible to obtain a relatively good mirror surface, since the polishing is based on direct contact, the polishing ability is limited by the material of the substrate, the amount of warpage, the area, the thickness and the like of the substrate. Had the disadvantage of being greatly influenced by
[0014]
In addition, in order to obtain a desired smoothness in such mechanical polishing, it was necessary to control the particle size of the abrasive grains of the polishing plate. Control was difficult.
[0015]
For example, in the case of a diamond film formed on a thin-film silicon substrate, the "warp" becomes remarkable as the area of the diamond film increases, and the amount of warp may reach several tens of micrometers. In this case, if mechanical pressure is applied to the substrate by contact polishing, the substrate may be cracked. As described above, in mechanical polishing, the size of a polishing apparatus and a polishing plate, the thickness of a diamond substrate that can be polished, and the like are limited. Therefore, the diamond film that can be mechanically polished is limited to a film formed on a small-sized substrate. Therefore, mechanical polishing of a diamond film formed on a large-area substrate has been extremely difficult.
[0016]
On the other hand, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2-26900, there is a method of using a metal such as iron as an abrasive and removing a layer that has reacted with diamond. However, the problems in the contact polishing as described above remain unsolved.
[0017]
On the other hand, as disclosed in JP-A-64-68484, there is a method in which diamond is smoothed by irradiating an ion beam or the like in a non-contact manner.
[0018]
However, although the specularity is improved by this method, the smoothness thereof is remarkably inferior to that of the above-described contact polishing, and it is impossible to apply the diamond film smoothed by this method to fine processing or the like. Was.
[0019]
In Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-62484, as an extension of the above method, an amorphous carbon film, which is a substance similar to diamond, is formed on a diamond film by a CVD (chemical vapor deposition) method and etched back. A method of etching diamond from the side of a once formed flat amorphous carbon film has been proposed. However, since the diamond surface obtained by this method has large irregularities and it is difficult to sufficiently planarize it, it is extremely difficult to apply the diamond film obtained by this method to fine processing. Furthermore, since this method requires a long time to form an amorphous carbon film (relatively thick), this method is not preferable in terms of manufacturing cost.
[0020]
As described above, in the related art, a method of flattening diamond using a diamond grindstone or diamond abrasive grains has been mainly used. In addition, Appl. Phys. Lett. ,63(1993), 622, a method of flattening the surface of a diamond film using a metal such as cerium or lanthanum and utilizing the diffusional transfer of carbon atoms from diamond to these metals. It has been known. However, the flattening by these methods requires a long processing time, or it is difficult to smooth the surface so that the unevenness of the surface becomes submicron or less.
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
When single crystal diamond or polycrystalline diamond is to be used as a constituent material of an electronic device, the flatness of the diamond surface is usually about one tenth of the wiring length from the viewpoint of forming fine wiring or the like on the diamond. Alternatively, it is extremely preferred that the value be less than that. According to the study of the present inventors, the above-mentioned Appl. Phys. Lett. ,63(1993), 622, a flatness of only several tens of μm can be obtained. Further, the LSI design / manufacturing technique (Michitada Morisue, published by Denki Shoin, 1987) p370 includes CF as an etching gas when etching a resist layer formed on PSG (phospho-silicate glass).4To O2Increases the etching rate of the resist,2Utilizing the fact that the etching rate of a resist is reduced by the addition of, a method is disclosed in which a resist and a PSG are simultaneously etched under the same etching rate to leave a flat PSG film. In the flattening process by the etching method in such a semiconductor process, the dry etching rate of the sacrificial layer (PSG in this case) and the film to be flattened can be easily made the same only by changing the gas composition. Met.
[0022]
However, when this method is applied to the flattening of the diamond film, it is difficult to make the dry etching rates of the diamond and the sacrificial layer the same, and even if the same rate is obtained, the etching rate is reduced. It has to be extremely slow. Therefore, the flattening of the diamond film has a disadvantage that a considerably long processing time is required.
[0023]
In general, it is preferable that the surface of diamond is as small as possible from the viewpoint that a fine wiring pattern or the like can be stably formed on the surface.
[0024]
Accordingly, an object of the present invention is to solve the above-mentioned conventional problems with a diamond.Flattening methodIs to provide.
[0025]
Another object of the present invention is to provide a diamond surface on which a diamond surface capable of stably forming fine wiring or the like can be provided in a short time.Flattening methodIs to provide.
[0026]
Still another object of the present invention is to provide a non-contact, mirror-finished diamond that can be subjected to mirror-finish polishing without being substantially affected by the state of the substrate such as the material of the substrate, the amount of warpage, the area, and the thickness.Flattening methodIs to provide.
[0027]
Still another object of the present invention is to provide a diamond film on which a fine processing can be performed at a low cost.Flattening methodIs to provide.
[0028]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, when flattening a diamond surface by a dry method, a diamond flattening method in which the cutting speed of the diamond surface convex portion is relatively larger than the cutting speed of the concave portion of the diamond surface.Using a single crystal or polycrystalline diamond as a diamond, forming a flat sacrifice layer on the diamond, uniformly etching the sacrifice layer to expose a projection on the diamond surface, Characterized in that an impurity is attached to the substrate, annealing is performed to react the impurity with the convex portion, and then the convex portion is removed.
Is provided.
[0031]
According to the present invention, further, a first step of forming a flat film made of a material different from the diamond on the surface of the diamond,
A second step of ion-implanting diamond through the coating;
A third step of removing the coating and removing a diamond portion altered by the ion implantation from the diamond.
[0032]
In such a diamond flattening method, the above-described first to third steps may be repeated as necessary to increase the smoothness of the diamond surface.
[0033]
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings as necessary.
[0034]
(diamond)
The type of diamond that can be used in the present invention is not particularly limited. More specifically, for example, the flattening method or polishing method of the present invention may be a natural diamond, a diamond made of a bulk single crystal artificially produced by a high-pressure synthesis method, or a substrate or the like artificially produced by a gas phase synthesis method. It can be applied to flatten or polish the surface of various diamonds such as diamond made of thin film polycrystal or thin film single crystal formed thereon.
[0035]
(Coating)
In order to flatten the diamond surface, a film (or a sacrificial layer) to be formed on the diamond surface can be formed using various materials different from diamond. It can be formed by the method described above. More specifically, for example, a method in which a liquid coating material containing a material different from diamond is applied so as to fill irregularities on the diamond surface and solidified (by evaporating a solvent or the like); or a sol-state coating on the diamond surface according to a sol-gel method After coating the material, the film can be relatively easily formed and flattened (forming a flat film) by, for example, a method of converting to a gel state and solidifying to form a flat surface;
[0036]
When the above-mentioned film is formed using a liquid material, it is preferable that an appropriate amount of the liquid material is dropped on the surface of the diamond to be flattened, and spin coating is performed using a spinner or the like.
[0037]
As a material to be used for forming a film (a material different from diamond), a material that can form a relatively stable and uneven surface on the diamond surface by coating on the diamond surface is preferably used. More specifically, for example, such a material is mainly composed of an organic material containing silicon (Si), boron (B), or the like, or an inorganic material containing silicon (Si), boron (B), or the like. And the main component is.
[0038]
Examples of the material for forming a film mainly containing an inorganic material containing Si, B, and the like include an inorganic silicon compound and an inorganic boron compound. For example, when a film made of an inorganic silicon compound or an inorganic boron compound is formed according to the sol-gel method, the surface of the diamond is coated with
[0039]
As a film forming material mainly composed of an organic material, a relatively inexpensive polyimide material used in a semiconductor device manufacturing process or the like can be easily used, but is not limited thereto. Can be used.
[0040]
As a material mainly composed of an organic material containing Si, B and the like, a liquid photoresist such as a water-soluble colloid system, a polycinnamic acid system, a cyclized rubber system, and a quinone diazide system can be suitably used.
[0041]
(Dry etching)
In the present invention, it is most preferable to use reactive ion etching (RIE) as a dry etching method, but it is also possible to use plasma etching, ion beam etching or the like. Regardless of the type of etching used, substantially the same smoothing effect can be obtained.
[0042]
Ar, He, CF4, CHF3, SF6, BCl3, CHCl3And the like can be used alone or in combination. If necessary, add a small amount of O to these gases.2, N2O, N2May be used.
[0043]
In the present invention, conditions under which both the film and the diamond can be etched by dry etching are basically realized by suppressing the etching selectivity between the film and the diamond during the dry etching to be smaller. In the present invention, it is preferable that the etching selectivity between the film and the diamond is in the range of 1: 2 to 2: 1 and further, the etching selectivity between the film and the diamond is approximately 1: 1 (that is, the etching selectivity is approximately 1: 1). , In the range of 0.8: 1 to 1: 0.8, and more preferably in the range of 0.9: 1 to 1: 0.9).
[0044]
For example, Ar is O2When dry etching is performed in a gas system containing2The etching selectivity between the film and the diamond can be adjusted to approximately 1: 1 by setting the ratio of the amount added to 0 to 10%.
[0045]
(Ion implantation)
The ion implantation in the present invention can be performed according to a usual ion implantation technique.
[0046]
There is no limitation on the element used for ion implantation, and any element can be appropriately selected and used. The ion used at this time is preferably an element having a mass sufficient to destroy and alter the crystalline state of diamond and a size large enough to be deeply introduced into diamond. More specifically, for example, Ar, Ne, He, Al, Xe, Cu and the like can be preferably used.
[0047]
In the present invention, at the time of ion implantation, if necessary, the blocking cross section (E) of diamond with respect to the implanted ions and the blocking cross section (F) of the coating with respect to the implanted ions substantially coincide with each other (preferably, the ratio of the blocking cross sections) The coating may be formed so that (F / E) is 0.1 to 10, more preferably 0.9 to 1.1. More specifically, the above is preferable.
[0048]
Here, the "blocking cross section" is defined as a quotient obtained by dividing the energy lost by the interaction of the implanted ions with the substance as it passes through the coating and diamond by the number of atoms or molecules per unit volume. . As described above, when the blocking cross-section of diamond for implanted ions and the blocking cross-section of the coating for implanted ions are substantially matched, the range of the implanted ions introduced into diamond and the coating can be made equal with good reproducibility. It becomes possible.
[0049]
Adjustment of the blocking cross section of the coating against the implanted ions can be made relatively easily, for example, by adding an appropriate amount of a metal element to the material used to form the coating and mixing uniformly.
[0050]
As the metal element added for such a purpose, for example, Mg, Al, Ti, W, Mo, Au, Pt, or the like can be suitably used. The amount of the metal element to be added can be determined by computer simulation based on the material constituting the film, the type of the implanted ions, and the type of the metal element to be added.
[0051]
(Removal of coating)
When removing the film, chemical or physical etching or a chemical treatment with a release agent, HF (hydrofluoric acid) or the like according to the material constituting the film can be appropriately selected and used.
[0052]
(Removal of altered part of diamond)
Either dry etching or chemical wet etching can be used to remove the portion where the diamond has been altered. Regardless of the type of etching, substantially the same effect can be obtained.
[0053]
As the dry etching, plasma etching using a gas discharge of hydrogen, oxygen, a halogen gas, or the like can be preferably used. As wet etching, etching using chromic acid treatment or the like can be preferably used.
[0054]
(Degree of flattening or polishing)
In the flattening or polishing method of the present invention, the smoothness of the diamond surface obtained is, for example, RMaxOr Ra(Based on JIS B0601). More specifically, for example, the RMaxIs A (μm), and R of the diamond surface after flattening or polishing isMaxIs B (μm), in the present invention, the B / A ratio is usually preferably 1/3 or less, more preferably 1/5 or less (particularly 1/10 or less).
[0055]
(Diamond polishing method)
An operation mechanism of one embodiment of the diamond polishing method of the present invention will be described with reference to FIG.
[0056]
In this diamond polishing method, first, as shown in FIG. 1A, a
[0057]
As a result, as shown in FIG. 1B, the unevenness existing on the entire surface of the
[0058]
Next, dry etching is performed under a condition in which both the
[0059]
As a result, while the flatness is kept high, first, the
[0060]
As a result, as shown in FIG. 1 (c), most of the irregularities existing on the entire surface of the
[0061]
Another embodiment of the diamond polishing method of the present invention will be described with reference to FIG.
[0062]
First, as shown in FIG. 2A, a substrate made of
[0063]
As a result, the unevenness existing on the surface of the substrate made of
[0064]
Next, in a predetermined gas atmosphere, dry etching is performed under the condition that both the coating 11 and the
[0065]
As a result, first, the coating 11 is further removed from (for example, simultaneously with) the surface of the substrate composed of the coating 11 and the
[0066]
As a result, as shown in FIG. 2B, a
[0067]
In the same manner as described above, if the back surface of the substrate made of
[0068]
One mode of the diamond flattening method of the present invention will be described with reference to FIG.
[0069]
In the mode of such a flattening method, as shown in FIG. 5A, a
[0070]
As a result, as shown in FIG. 5B, the unevenness existing on the
[0071]
Next, as shown in FIG. 5C, ions are implanted into the diamond 20 (from the side of the coating 30) through the
[0072]
At this time, as shown in FIG. 6D, in the
[0073]
As shown in FIG. 6 (e), the portion of the diamond into which the implanted
[0074]
Next, the
[0075]
In such a flattening mode, if the desired flatness cannot be obtained on the
[0076]
In addition, in accordance with such a mode of flattening the diamond, as shown in FIG. 7A, the
[0077]
As a result, as shown in FIG. 7B, the unevenness existing on the
[0078]
Next, as shown in FIG. 7C, ions are implanted into the
[0079]
At this time, as shown in FIG. 8D, the blocking cross-section of diamond for the implanted ions and the blocking cross-section of the coating for the implanted ions are substantially the same, so that the implanted
[0080]
As a result, as shown in FIG. 8E, the portion of the diamond into which the implanted ions have been introduced at the same depth from the
[0081]
Next, the
[0082]
As a result, as shown in FIG. 8 (f), most of the relatively large unevenness existing on the
[0083]
Another embodiment of the flattening method of the present invention will be described with reference to FIG. 9 (numerical values in FIG. 9 show an example of the depth of the concave portion on the diamond surface). In this embodiment, when the diamond surface is flattened by the dry method, since the reduction rate of the diamond surface convex portion is relatively larger than the reduction rate of the concave portion of the diamond surface, the diamond is flattened. A diamond surface can be obtained in a short time. In other words, in this embodiment, rather than making the etching rates of different materials the same, rather, by making a positive difference in the reduction rates for the projections and depressions of the diamond surface, a relatively short It is possible to obtain a smooth diamond surface in a short time.
[0084]
In other words, in this embodiment, the projections on the diamond surface are shaved relatively quickly, and the recesses on the surface are shaved relatively slowly. (In other words, since the portion to be shaved is preferentially reduced, ) A very flat surface (eg, RmaxCan be obtained in a relatively short time. More specifically, for example, the difference between the polishing speed or the dry etching speed in sub-μm units is relatively provided between the convex portion and the concave portion on the diamond surface, so that the size of the irregularities (Rmax) Can be, for example, about 0.5 μm or less.
[0085]
In this embodiment, the reduction rate (etching rate or polishing rate) of the diamond surface convex portion and the diamond surface concave portion are determined, for example, by the method of Chen et al. (Appl. Phys. Lett.,63 (5), 622 (1993)). In the present embodiment, when the reduction rate of the diamond surface convex portion is C (Å / min) and the reduction rate of the diamond surface concave portion is D (Å / min), the ratio of C / D is usually It is preferably 1.5 or more, more preferably 3.0 or more.
[0086]
Diamond is available from Appl. Phys. Lett. ,63 (5)622 (1993), it becomes brittle when it reacts with metal to form a carbide layer. On the other hand, it is known that when a substance such as boron having a property of compressively straining diamond is added to diamond, the diamond becomes harder. In this embodiment, one or more of these properties of diamond are used to planarize the diamond surface.
[0087]
In the present embodiment, as the dry method, any of a contact (or mechanical) polishing method and / or a dry etching method can be used. However, the dry method is not easily affected by the "warp" of the substrate surface to be flattened. It is preferable to use a dry etching method.
[0088]
As the sacrificial layer, it is preferable to use a film based on spin-on-glass (SOG) or tetraethoxysilane (TEOS). Here, SOG refers to liquid glass in which silicon glass is dissolved or dispersed in a solvent. SOG can be usually solidified by heat treatment at about 200 to 350 ° C. The thickness of the sacrificial layer is preferably about 0.1 to 10.0 μm.
[0089]
In this embodiment, it is preferable that the sacrificial layer is uniformly etched to expose the protrusions on the diamond surface, and then the exposed protrusions are made to adhere with impurities and, if necessary, annealed. As a result, the impurity and the convex portion react with each other to form a reaction layer having a predetermined thickness on the diamond surface to be smoothed.
[0090]
Since such a reaction layer (convex portion) is made of altered or modified diamond, the convex portion can be easily removed by etching or contact polishing.
[0091]
As the impurity, for example, a metal selected from iron, nickel, manganese, cerium, and lanthanum is preferably used. When introducing the impurities, a dry process such as ion implantation or vapor deposition may be used, or a wet process may be used.
[0092]
The above-mentioned annealing is preferably performed in a vacuum at a temperature of 500 to 2000 ° C. for 1 to 30 minutes. A reaction layer having a thickness of about 0.1 to 1 μm can be formed on the diamond surface by reacting the diamond surface protrusions and impurities based on such annealing.
[0093]
In the present embodiment, if necessary, compressive strain may be applied to the concave portion on the diamond surface to reduce the reduction rate of the concave portion. In this case, for example, it is preferable to use a sacrifice layer containing a predetermined amount of impurities as the sacrifice layer, expose the protrusions on the diamond surface and anneal the mixture, and then mix the impurities into the recesses on the diamond surface. As such an impurity, for example, boron is preferably used.
[0094]
Hereinafter, this embodiment will be specifically described with reference to FIG.
[0095]
As shown in FIG. 9A, organic SiO such as spin-on glass is used as a material for forming a sacrificial layer.2Is used to form a
[0096]
Next, as shown in FIG. 9B, the spin-on
[0097]
Next, as shown in FIG. 9C, an
[0098]
Next, as shown in FIG. 9D, annealing is performed in a vacuum or an atmosphere of an inert gas, if necessary, in order to promote the reaction between the diamond and the impurities. Since the reaction temperature varies depending on the impurity, the optimum temperature is determined by the type of the impurity. As a result, the diamond reacts with the impurity in the projection, and the spin-on-glass portion does not react.
[0099]
When a lamp annealing furnace is used during this annealing, the size of the reaction portion in the depth direction can be controlled (for example, between about 0.1 μm and about 1 μm). As a result, it is possible to form a reaction portion only on the very surface portion of the
[0100]
By performing dry etching or contact polishing on the surface of the
[0101]
The introduction of the impurities can also be performed using an ion implantation apparatus. In this case, SiO2Since the portion of the film functions as a mask, the impurity is not implanted into the concave portions on the surface of the
[0102]
When boron is introduced into the concave portion on the diamond surface, boron can be easily mixed as an impurity to the order of%. In addition, fracture of diamond becomes brittle fracture. According to the findings of the present inventor, in this case, it is considered that dislocation does not proceed in a state where a large amount of impurities are mixed. Therefore, a large amount of boron is contained in the sacrificial layer for flattening, and annealing is performed after flattening, so that boron can be selectively mixed into the concave portion. This makes it possible to control the reduction rate of the projections and the depressions, and to obtain a flat surface by short-time etching or polishing.
[0103]
Hereinafter, based on the present inventionReference examples andExamples will be described more specifically.
[0104]
[Reference example]
Reference Example 1
A 10 μm-thick polycrystalline diamond film formed on a 3-inch square silicon substrate was used as the substrate. When the surface roughness was examined, the average surface roughness RaWas 2000 ° (200 nm).
[0105]
On this substrate, a coating agent (X-Si- (OH)n) (OCD manufactured by Tokyo Ohka Co., Ltd.) was spin-coated at 2000 rpm, and then baked at 400 ° C. for 30 minutes to form a coating layer. The thickness of the obtained coating layer was 6000 °.
[0106]
The substrate was placed in a dry etching apparatus and etched using Ar gas (100%). The etching rates were all 250 ° / min, and the etching selectivity between the coating layer and diamond was 1: 1. By etching for 40 minutes, the irregularities on the coating layer and the diamond surface were etched to obtain mirror-surface diamond having an average surface roughness Ra of 100 °.
[0107]
Using the diamond substrate thus obtained, a fine pattern of resist was formed on the substrate using an ultraviolet reduction projection exposure machine, and a patterning of 0.5 μm was obtained.
[0108]
Reference Example 2
A 10 μm thick polycrystalline diamond film formed on a 3-inch square silicon substrate was used as the substrate. When the surface roughness was examined, the average surface roughness RaWas 2000Å.
[0109]
On this substrate, a coating agent (X-Si (OH) n) (OCD manufactured by Tokyo Ohka Kabushiki Kaisha) having an inorganic silicon compound as a main component is spin-coated at 2000 rpm, and then baked at 400 ° C. for 30 minutes to perform coating. A layer was formed. The thickness of the obtained coating layer was 6000 °.
[0110]
This substrate is placed in a dry etching apparatus, and Ar (95%) + O2(5%) Dry etching was performed using a gas system. The etching rate was 280 ° / min for diamond and 250 ° / min for the coating layer, and the etching selectivity between the coating layer and diamond was 1: 0.9. By etching the irregularities of the coating layer and the diamond layer by etching for 40 minutes, the average surface roughness RaObtained a mirror diamond of 120 °.
[0111]
Using the diamond substrate thus obtained, a fine pattern of resist was formed on the substrate using an ultraviolet reduction projection exposure machine, and a patterning of 0.5 μm was obtained.
[0112]
Reference Example 3
A 10 μm thick polycrystalline diamond film formed on a 3-inch square silicon substrate was used as the substrate. When the surface roughness was examined, the average surface roughness RaWas 2000Å.
[0113]
On this substrate, a polyimide containing an organic silicon compound as a main component was spin-coated at 5000 rpm, and then baked at 400 ° C. for 30 minutes to form a coating layer. The thickness of the obtained coating layer was 6000 °.
[0114]
This substrate is placed in a dry etching apparatus, and CF4Dry etching was performed using gas. The etching rate was 200 ° / min for diamond, 250 ° / min for the coating layer made of polyimide, and the etching selectivity between the coating layer and diamond was 1: 1.25. By etching the unevenness of the coating layer and the diamond layer by etching for 50 minutes, the average surface roughness is RaObtained a mirror diamond of 120 °.
[0115]
Using the diamond substrate thus obtained, a fine pattern of resist was formed on the substrate using an ultraviolet reduction projection exposure machine, and a patterning of 0.5 μm was obtained.
[0116]
Reference example 4
As shown in FIG. 2A, a 5 mm square diamond 10 (average surface roughness Ra= 2000Å) and a coating agent containing an inorganic silicon compound as a main component (X-Si- (OH)n) (Manufactured by Tokyo Ohka Co., Ltd.) was dropped, and then baked at 400 ° C. for 30 minutes to form a dome-shaped coating layer 11. The maximum thickness of the obtained coating layer 11 was 6000 °.
[0117]
The
[0118]
Reference example 5
As shown in FIG. 3A, a 5 mm square diamond 10 (average surface roughness Ra= 2000Å) and a coating agent containing an inorganic silicon compound as a main component (X-Si- (OH)n) Were dropped in a row, and then baked at 400 ° C. for 30 minutes to form a plurality of dome-shaped coating layers 11. The maximum thickness of the obtained coating layer 11 was 1500 °.
[0119]
The
[0120]
Reference Example 6
Reference example 4A coating agent (X-Si- (OH)) containing an inorganic silicon compound as a main component on the back surface of the single-sided
[0121]
This substrate is placed in an etching apparatus, and Ar (95%) + O2Dry etching was performed using a mixed gas of (5%). The etching rates were all 250 ° / min, and the etching selectivity between the coating layer and diamond was 1: 1. By etching for 40 minutes, a part of the back surface of the coating layer 11 and the
[0122]
【Example】
Example 1
First, the following three types of substrates made of diamond were prepared (STEP 1).
[0123]
(1) Single crystal diamond synthesized by ultra-high pressure synthesis method polished with diamond powder of # 200 (80-100 μm abrasive)
(2) Single crystal diamond synthesized by ultra-high pressure synthesis and skiff-polished
(3) Polycrystalline diamond formed on Si substrate by vapor phase synthesis
First, the surface roughness of each of the substrates (1) to (3) was measured using a surface roughness meter (for example, manufactured by DEKTAK), and the results are shown in Table 1 below (STEP 1).
[0124]
Next, an appropriate amount of a cyclized rubber-based photoresist agent (trade name: OMR, manufactured by Tokyo Ohka Co., Ltd.) was dropped on the surface of each substrate, and spin-coated with a spinner. The photoresist was dried in the air at a temperature of 110 ° C. for 30 minutes, and a photoresist film having a thickness of about 1 μm was formed (STEP 2). The surface roughness of each of the resist films thus obtained was measured using a surface roughness meter, and the results are shown in Table 1 (STEP 2).
[0125]
Next, using an ion implantation apparatus, Ar ions were implanted from the surface of the resist film formed on each of the above-mentioned substrates (1) to (3) at an acceleration voltage of 50 keV, 500 keV, 1 MeV, and 2 MeV at a dose of 10 ions.Fifteencm-2Was implanted. As a result, Ar ions were implanted into the concavities and convexities remaining on the surface of each substrate, and the portion was made amorphous or graphite. After the ion implantation, the resist film was completely removed from each substrate with a stripping agent.
[0126]
Next, the substrate temperature is set to 800 ° C., and the amorphized or graphitized portion is exposed to a plasma of a gas containing hydrogen to remove the amorphized or graphitized portion from each substrate surface. The diamond surface was flattened (STEP 3). The surface roughness of each of the obtained substrates was measured using a surface roughness meter. The measurement results are also shown in Table 1 below (STEP 3).
[0127]
[Table 1]
[0128]
As shown in Table 1 above, the surface roughness of all of the diamond substrates (1) to (3) could be extremely reduced by performing the above-described flattening treatment. That is, it was confirmed that the flattening effect of the flattening process of the present invention was large.
[0129]
Example 2
Example 1Each substrate of (1) to (3) subjected to one flattening process was prepared (STEP 4). Therefore, the following processing was performed on the assumption that the surface roughness of each substrate shown in Table 2 (STEP 4) was equal to the surface roughness of each substrate shown in Table 1 (STEP 3).
[0130]
next,Example 1Similarly, a resist film was formed on each substrate (STEP 5). The surface roughness of each of the obtained resist films was measured. The results obtained are shown in Table 2 below (STEP 5).
[0131]
Next, using an ion implantation apparatus, Ar ions were implanted from the surface of the resist film formed on each of the above-mentioned substrates (1) to (3) at an acceleration voltage of 50 keV, 500 keV, 1 MeV, and 2 MeV at a dose of 10 ions.Fifteencm-2Was implanted.
[0132]
After ion implantation,Example 1Similarly to the above, the resist film is entirely removed from each substrate, and the amorphous or graphitized portion is exposed to plasma of a gas containing hydrogen by ion implantation to remove the resist film from the surface of each substrate. Flattening was performed (STEP 6). The surface roughness of each of the obtained substrates was measured. The obtained results are also shown in Table 2 (STEP 6) below.
[0133]
[Table 2]
[0134]
As shown in Table 2 above, by performing the above-described flattening process twice, it is possible to further reduce the surface roughness of each substrate as compared with the case where one flattening process is performed. It turns out that you can.
[0135]
In particular, in this embodiment, the substrate made of polycrystalline diamond having a surface roughness of 2000 ° on the substrate surface is subjected to two flattening treatments to reduce the surface roughness to about 1/10. It was shown that planarization was possible. That is, it was confirmed that the flattening effect was very large.
[0136]
Example 3
Example 1Similarly to (1), each of the substrates (1) to (3) was prepared (STEP 1), and then a resist film was formed on each substrate (STEP 2). Therefore, the surface roughness of each substrate shown in Table 3 (STEP 1) is equal to the surface roughness of each substrate shown in Table 1 (STEP 1), and the surface of each substrate shown in Table 3 (STEP 2) in the resist film. The following treatment was performed on the assumption that the roughness was equal to the surface roughness of the resist film of each substrate shown in Table 1 (STEP 2).
[0137]
Next, using an ion implantation apparatus, Ar ions were formed at a dose of 10 at an acceleration voltage of 50 keV, 500 keV, 1 MeV, and 2 MeV from the surface of the resist film formed on each of the substrates (1) to (3).Fifteencm-2Was implanted. After the ion implantation, the resist film was completely removed from each substrate, exposing the surface of each substrate.
[0138]
In the present embodiment, wet etching with chromic acid was performed without using plasma etching when removing a portion where diamond was made amorphous or graphitized by ion implantation from the surface of each substrate.
[0139]
By the above-mentioned wet etching, the amorphous or graphitized portion was removed from the substrate surface, and the diamond surface was flattened (STEP 3). The surface roughness of each of the obtained substrates was measured. The results obtained are shown in Table 3 below (STEP 3).
[0140]
[Table 3]
[0141]
As shown in Table 3, even in the case where the flattening process is performed using wet etching with chromic acid, it is possible to efficiently remove the amorphous or graphitized portion of the diamond from the substrate surface by ion implantation. It was confirmed that the surface roughness of each substrate could be made very small.
[0142]
Example 4
Using only a substrate made of polycrystalline diamond formed on a Si substrate by a vapor phase synthesis method,Example 1The same flattening process was performed. In this embodiment, in order to investigate the effect of the flattening treatment by adding the metal element to the implanted ions, Al, W, Mo, Fe,20cm-3A photoresist agent (trade name: OMR, manufactured by Tokyo Ohkasha) added and uniformly mixed was used.
[0143]
Example 1Similarly to the above, a resist agent to which each metal element was added or a resist agent to which no metal element was added was spin-coated with a spinner on each substrate to form a resist film (STEP 2). The surface roughness on the surface of the resist film thus obtained was measured, and all were set to 100 ° or less.
[0144]
Next, using an ion implantation apparatus, Ar ions were implanted from the surface of the resist film formed on each substrate at a dose of 10 at an acceleration voltage of 50 keV, 500 keV, 1 MeV, and 2 MeV.Fifteencm-2Was used for ion implantation. After ion implantation, the resist film is removed from each substrate, and the amorphous or graphitized parts are exposed to the plasma of a gas containing hydrogen by ion implantation, and removed from each substrate surface to flatten the diamond surface. (STEP 3). The surface roughness of each of the obtained substrates was measured, and the results are shown in Table 4 (STEP 3) below.
[0145]
[Table 4]
[0146]
As shown in Table 4 above, it was confirmed that the use of the resist agent to which the metal element was added could further reduce the substrate surface roughness as compared to the case where the resist agent to which no metal element was added was used. . According to the findings of the present inventor, the uniform addition of the metal element in the resist film makes the blocking cross section of the resist film against Ar ions to be implanted substantially equal to the blocking cross section of each substrate made of diamond. It is presumed that they match.
[0147]
Example 5
Example 4Similarly, using a substrate made of polycrystalline diamond formed on a Si substrate by a vapor phase synthesis method,Example 1The same flattening process was performed.
[0148]
However, in the present embodiment, instead of forming a resist film on the substrate,
[0149]
Further, in the present embodiment, Al, W, Mo, Fe, and Au were set to 1020cm-3The added and homogeneously mixed gel was used.
[0150]
First, an SiO-based sol to which a metal element was added or a SiO-based sol to which no metal element was added was spin-coated on each substrate by a spinner. By heating according to the sol-gel method, the SiO-based sol on the substrate is solidified and2(STEP 2). The SiO thus obtained2The surface roughness on the surface of the layer was measured and all were set to 100 ° or less.
[0151]
Next, using an ion implantation apparatus, the
[0152]
[Table 5]
[0153]
As shown in Table 5 above,
[0154]
As mentioned above,Example 4andExample 5Based on the results obtained in
[0155]
Example 6
Example 4Similarly, using only a substrate made of polycrystalline diamond formed on a Si substrate by a vapor phase synthesis method,Example 1The same flattening process was performed.
[0156]
However, in this example, ion implantation was performed using Ar, Ne, He, Al, Xe, and Cu ions.
[0157]
Example 1Similarly to the above, a resist material was spin-coated on each substrate with a spinner to form a resist film (STEP 2). The surface roughness on the surface of the resist film thus obtained was measured, and all were set to 100 ° or less. Next, using an ion implantation apparatus, doses of Ar, Ne, He, Al, Xe, and Cu ions were respectively accelerated from the surface of the resist film formed on each substrate at an acceleration voltage of 50 keV, 500 keV, 1 MeV, and 2 MeV. Then 1015cm-2Was used for ion implantation. After the ion implantation, the resist film is removed from each substrate, and the portion where the diamond is made amorphous or graphitized by the ion implantation is exposed to a plasma of a gas containing hydrogen to remove from the surface of each substrate and planarize. Performed (STEP 3). The surface roughness of each of the obtained substrates was measured, and the results are shown in Table 6 (STEP 3) below.
[0158]
[Table 6]
[0159]
As shown in the above Table 6, the surface roughness of the substrate could be significantly reduced with all types of ions used, and the effect of flattening was confirmed.
[0160]
Example 7
As shown in FIG. 9A, a spin-on
[0161]
Further, as shown in FIG. 9 (b), using a reactive etching apparatus, CFC gas (CF4) Spin-on-glass (SiO 2) sintered as above under the conditions of 50 sccm, 13.56 MHz RF power 300 W for 10 minutes.2) Was etched. As a result, the 0.4 μm spin-on glass was etched back to expose the projection on the diamond surface.
[0162]
As shown in FIG. 9C, 0.2 μm of iron (Fe) was vapor-deposited on the projections thus exposed using an electron beam vapor deposition apparatus.
[0163]
Next, as shown in FIG. 9D, lamp annealing was performed at 1500 ° C. for 10 seconds in an argon gas atmosphere to react the iron with the diamond projections.
[0164]
Further, using a reactive ion etching apparatus, argon (Ar) 80 sccm, oxygen (O2) Etching was performed for 60 minutes under the conditions of RF power of 300 W at 20 sccm and 13.56 MHz to remove about 0.3 μm of a reaction portion. Under these conditions, the etching rate of the diamond-reacted portion (convex portion) with iron was 10 times faster than the unreacted portion (concave portion). Furthermore, SiO2Was removed to obtain a smooth diamond surface as shown in FIG. When the smoothness of the diamond surface thus obtained was measured, RmaxWas 0.1 μm or less.
[0165]
As mentioned aboveReference exampleAccording to the method, after forming a flat film made of a material different from the diamond on the surface of the diamond; unevenness of the film and the diamond surface is reduced under a condition that both the diamond and the film can be etched by dry etching. A method of planarizing diamond is provided which removes and smoothes the surface of the diamond.
[0166]
otherReference exampleAccording to the method, after a liquid coating agent containing a material different from the diamond is dropped and cured on the surface of the diamond to form a film having a spherical surface on the diamond; A method for polishing a diamond, characterized in that a surface of the diamond is removed by removing the unevenness of the film and the surface of the diamond under conditions where both can be etched.
[0167]
【The invention's effect】
According to the present inventionUnlike the conventional mechanical polishing such as skiff polishing, the surface can be flattened in a non-contact manner by using the flattening method, so that the material of the substrate, the amount of warpage, the area, the thickness of the substrate, etc. are substantially changed. It is possible to satisfactorily mirror-polish or flatten the surface of various diamonds without any limitation.
[0168]
In the above-described diamond flattening method or polishing method, by using a large-sized dry etching apparatus, it is possible to sufficiently cope with flattening or polishing of a diamond having a larger area.
[0169]
According to such a diamond flattening method or polishing method, a diamond surface with extremely excellent smoothness can be obtained, so that ultra-fine processing at a level impossible on a diamond surface obtained by conventional mechanical polishing is impossible. Can be applied on the diamond surface. Further, according to the present invention, the polishing process is greatly simplified as compared with the conventional mechanical polishing, so that the cost can be efficiently reduced, and a flattening method or a polishing method which has industrially sufficient advantages. Can be provided.
[0170]
Further, by using the above-described diamond polishing method, light can be transmitted in a wavelength range that could not be obtained with materials other than diamond, that is, in an ultraviolet range (wavelength of about 225 nm or less), and has high thermal conductivity and high reliability. It is possible to obtain a diamond lens having a good quality. In particular, the polishing method of the present invention can be suitably applied to microlens formation.
[0171]
Further, according to another aspect of the present invention, a first step of forming a coating made of a material different from that of the diamond on the surface of the diamond and flattening the coating; There is provided a diamond flattening method comprising: a second step of performing ion implantation; and a third step of removing, from the diamond, the diamond portion altered by the ion implantation while removing the coating.
[0172]
Such a flattening method for diamond is suitably applied to the manufacture of electronic optical components (especially, heat dissipation substrates for LSIs and the like that can be used for high-power semiconductor lasers) requiring a stricter flatness of 50 ° or less. can do.
[0173]
Further, according to another aspect of the present invention, when the diamond surface is flattened by a dry method, the diamond cutting speed of the diamond surface convex portion is relatively larger than the diamond cutting portion of the diamond surface. Is provided.
[0174]
According to such a diamond flattening method, it is possible to provide a substrate for an electronic device made of polycrystalline or single-crystal diamond and having a smooth surface.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side sectional view showing one embodiment of the diamond polishing method of the present invention.
FIG. 2 is a schematic side sectional view showing another embodiment of the diamond polishing method of the present invention.
FIG. 3 is a schematic side sectional view showing still another embodiment of the diamond polishing method of the present invention.
FIG. 4 is a schematic side sectional view showing still another embodiment of the diamond polishing method of the present invention.
FIG. 5 is a schematic side sectional view showing one embodiment of the diamond flattening method of the present invention in the order of steps.
FIG. 6 is a schematic side cross-sectional view showing one embodiment of the diamond flattening method of the present invention in the order of steps.
FIG. 7 is a schematic side sectional view showing another embodiment of the diamond flattening method of the present invention in the order of steps.
FIG. 8 is a schematic side sectional view showing another embodiment of the diamond flattening method of the present invention in the order of steps.
FIG. 9 is a schematic side sectional view showing still another embodiment of the diamond flattening method of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (12)
前記ダイヤモンドとして単結晶又は多結晶ダイヤモンドを用い、該ダイヤモンド上に平坦な犠牲層を形成し、該犠牲層を均一にエッチングしてダイヤモンド表面の凸部を露出させ、露出した該凸部に不純物を付着させ、アニールして該不純物と凸部とを反応させた後該凸部を除去することを特徴とするダイヤモンドの平坦化法。 When flattening the diamond surface by a dry method, a diamond flattening method in which the reduction rate of the diamond surface convex portion is relatively larger than the reduction rate of the concave portion of the diamond surface ,
A single-crystal or polycrystalline diamond is used as the diamond, a flat sacrificial layer is formed on the diamond, the sacrificial layer is uniformly etched to expose a convex portion on the diamond surface, and impurities are added to the exposed convex portion. A method of flattening diamond, comprising: adhering, annealing, and reacting the impurity with a convex portion, and then removing the convex portion.
前記被膜を介して、ダイヤモンドにイオン注入を行なう第2の工程と、
前記被膜を除去するとともに、前記イオン注入により変質したダイヤモンド部分を、前記ダイヤモンドから除去する第3の工程とを備えることを特徴とするダイヤモンドの平坦化法。A first step of forming a flat film made of a material different from the diamond on the surface of the diamond;
A second step of ion-implanting diamond through the coating;
A third step of removing the coating and removing a diamond portion altered by the ion implantation from the diamond.
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