JP3554104B2 - 動的表面粘弾性測定装置及びこれを用いる測定方法 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、インキ、洗剤、化粧品などの液体表面の粘弾性を測定する装置及びこれを用いる測定方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の液体表面の粘弾性測定装置を図1に示す。この装置は表面積変化法と呼ばれる手法に基づくものであり、攪拌、循環等の動いている液体の表面挙動、例えば塗料液中に配合された添加剤等の濃度分布や表面吸着濃度の変化などを疑似的に再現してその液体の表面挙動を調べるものである。すなわち、試料液2が満たされる容器1に、該試料液2表面に接触し該試料液2表面上を液表面と水平方向に振動可能なバリヤ−3を2つ設置し、該2つのバリヤ−間の中心の試料液中に白金プレ−ト4を検出器5から吊下げ浸漬し、該2つのバリヤ−3を振動させて該バリヤ−間の面積を変化させ、液に濡れやすい白金プレ−ト4を検出体としてこれにかかる液表面に対し垂直方向の応力を検出するものである。検出される応力Fは、図2に示すように試料液2の表面層を振動させたときの表面張力成分の垂直成分F1と表面粘弾性成分の垂直成分F2の合力である。
【0003】
上記装置は単分子膜測定用であり、例えば塗料液中に配合された添加剤等が該塗料液表面層に与える影響を調べる場合などに該装置を用いると、検出される応力が非常に微小であり、この検出応力を大きくするためバリヤ−の振動の周波数を大きくすると表面波が生じ、共振、表面波の影響を受け、正確に応力測定できないという問題があった。また上記装置は液表面に対して垂直方向の応力を検出する装置で、検出される応力はほとんど表面張力成分に相当する垂直成分であり、表面粘弾性成分に相当する水平成分及び垂直成分のみの応力を検出することは非常に困難であった。さらに2つのバリヤ−を同時に振動させると両者の微妙な動きの違いからプレ−トの中心の位置がずれ正確に応力測定できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題を解決するため、バリヤ−を1方のみにし、プレ−トの幅、検出器の設置の仕方などに着目し、その改良について検討した結果、歪みと同方向の応力を検出しうることを見出し本発明に到達した。
【0005】
本発明の主たる目的は、液体の表面粘弾性として、表面張力成分の影響を極力なくし、検出される応力を表面粘弾性成分のみの応力として正確に測定する装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、試料液が満たされる容器、該試料液表面に接触し該試料液表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−、検出体として該試料液中に吊下げ浸漬されるプレ−ト、及び該プレ−トを吊下げてなる検出器を具備する測定装置であって、該プレ−トが試料液に対し濡れ性が低く、該検出器がバリア−の振動による歪みと同方向の応力を検出するよう設置されることを特徴とする動的表面粘弾性測定装置、及びこの測定装置を用いて、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動せしめ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力を検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値を算出することを特徴とする動的表面粘弾性測定方法が提供される。
【0007】
【実施例】
次に、図3〜図6を参照して本発明の好適実施例に従う動的表面粘弾性測定装置及び測定方法を説明する。図3は本発明装置の一例を示す斜視図である。
【0008】
該装置は、試料液2が満たされる容器1、該試料液2表面に接触し該試料液2表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−3、検出体として該試料液2中に吊下げ浸漬されるプレ−ト6、及び該プレ−ト6を吊下げてなる検出器7を具備するものである。バリヤ−3はプレ−ト6の中心位置がずれないように1つとする。図3に示される測定装置は、恒温槽内に設置するのが適当である。
【0009】
プレ−ト6は、表面張力の影響を極力抑制する点から、試料液に対し濡れ性が低い素材を選択する。該プレ−トとしては、金属板、プラスチック板が使用できるが、特にテフロンプレ−トが好適である。またプレ−ト6の幅(バリヤ−の振動方向と垂直方向の幅)は、ノイズ防止や検出力向上の点から、容器の幅内でプレ−トの動きに影響ない範囲で最大とすることが望ましい。
【0010】
検出器7へのプレ−ト6の取り付けは、針金などにより接続でき、該プレ−トが回転振動しないように針金部分を二股にし、またたわみ防止の点から接続はネジ式とするのが適当である。検出器7は、従来の単分子膜の測定に比べて検出感度を高くするのが望ましい。高感度とすることでバリヤ−3の振動の周波数を小さくでき表面波を防げる。
【0011】
プレ−ト6・バリヤ−3間の距離は、プレ−トとバリヤ−の間が離れると応力応答の減衰や遅れが生じるので、できるだけ近くにするのが適当である。
【0012】
本発明方法は、上記測定装置を用いて、バリヤ−3を液表面に対し水平方向に振動せしめ、その歪みに対してプレ−ト6にかかる応力を検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値を算出するものである。該検出応力は、図4に示すように試料液2の表面層の粘弾性成分のみの応力に相当するものである。
【0013】
本発明方法では、容器の大きさ、測定試料、測定環境などの応じて、バリヤ−3の振動(周波数)、バリヤ−3の振幅、プレ−ト6の幅、プレ−ト6の浸漬深さ、プレ−ト6・バリヤ−3間距離などの測定条件を適宜選択するのが適当である。該バリヤ−3の振動(周波数)は、大きすぎると表面波が生じ、小さすぎると歪みが付与できなくなる。該プレ−ト6の浸漬深さは、試料液表面膜の応力を全て受けられるように、プレ−トの液接触面が試料液表面層に完全に密着浸漬するように選択するのが望ましい。
【0014】
具体例としては、容器1の大きさが50×200×10mm、試料液2の液温が25℃の場合、バリヤ−3の周波数が0.1〜0.4Hz、バリヤ−3の振幅が0.5〜2mm、プレ−ト6のサイズを45(幅)×5×1mmとすると、プレ−ト6の浸漬深さが0.3〜1mm、プレ−ト6・バリヤ−3間距離3.8〜7mmとなるように設定することができる。
【0015】
上記の通り本発明方法に従って、該プレ−ト6にかかる応力が検出器7により検出される。該応力から試料液2表面層の粘弾性特数値は以下のように算出される。
【0016】
即ち、該プレ−ト6にバリヤ−3を振動させて正弦的に歪みを与えて得られる応力応答は横軸に時間をとると、図5のように歪みに対して位相差δを有する正弦波で表され、塗料などの粘弾性体は、位相差δが0〜90°の間を示す。これより縦軸に応力、横軸に歪みを取って描けるリサ−ジュ図形は楕円となり、該リサ−ジュ図形から粘弾性特数値である複素弾性率G* が同図に示す方法で算出される。該複素弾性率G* は、弾性要素である貯蔵弾性率G´と粘性要素である損失弾性率G”の和であり、G* をG´とG”に分解してより定量的な評価が可能である。位相差δの算出やリサ−ジュ図形の解析は、検出器をデ−タ処理装置に接続することにより自動的に行うことができる。
【0017】
実施例1
アクリル系レベリング剤のキシレン溶液(固形分0.33%)を図3に示す動的表面粘弾性測定装置の容器(50×200×10mm)内に充填し、液温25℃で、バリヤ−の周波数が0.2Hz、バリヤ−の振幅が0.75mm、テフロンプレ−トのサイズが45(幅)×5×1mm、テフロンプレ−トの浸漬深さが1.0mm、テフロンプレ−ト・バリヤ−間距離5.75mmの条件で、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動させ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力Fを検出し、その検出応力からきれいなリサ−ジュ図形(図6)が得られ試料液表面層の粘弾性特数値をデ−タ処理装置により自動的に算出した。
【0018】
比較例1
実施例1と同じ試料液を図1に示す表面積変化法動的表面張力測定装置を用い、その容器(50×200×10mm)内に充填し、白金プレ−トを使用する以外は実施例1と同様の条件で測定した。その検出応力からは明確なリサ−ジュ図形が得られなかった(図7)。
【0019】
実施例2
アルキド樹脂のキシレン溶液(固形分20%)に、添加剤であるa:ポリジメチルシロキサン、b:フェニルメチルポリシロキサン、c:ポリビニルイソブチルエ−テル、d:ポリラウリルメタクリレ−トをそれぞれ溶解して得られた各溶液を、図3に示す動的表面粘弾性測定装置の容器内に充填し、液温25℃で、バリヤ−の周波数が0.2Hz、バリヤ−の振幅が0.75mm、プレ−トのサイズが45(幅)×5×1mm、プレ−トの浸漬深さが1.0mm、プレ−ト・バリヤ−間距離5.75mmの条件で、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動させ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力Fを検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値である貯蔵弾性率G´をデ−タ処理装置により自動的に算出した。各添加剤の濃度を変化させて、それぞれについて該G´、G”を算出し図8に示すような各添加剤の表面変化挙動が得られた。
【0020】
【発明の効果】
本発明の表面粘弾性測定装置によれば、表面張力成分の影響を極力少なくして、検出される応力を表面粘弾性成分のみの応力として、液体の表面粘弾性を正確に測定できる。従って本発明方法は塗料、インキ、洗剤、化粧品などの液体において各種樹脂及び添加剤などの配合成分の表面粘弾性に対する寄与の測定に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の背景となる従来の液体の表面粘弾性測定装置を示す斜視図。
【図2】従来の表面粘弾性測定装置においてプレ−トにかかる応力の概念図。
【図3】本発明の好適実施例に従う液体の表面粘弾性測定装置を示す斜視図。
【図4】本発明の表面粘弾性測定装置においてプレ−トにかかる応力の概念図。
【図5】歪みに対する粘弾性体の応力の正弦波及びリサ−ジュ図形。
【図6】実施例1におけるリサ−ジュ図形。
【図7】比較例1におけるリサ−ジュ図形。
【図8】実施例2における添加剤濃度と貯蔵弾性率G´及び損失弾性率G”との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 容器
2 試料液
3 バリヤ−
4 白金プレ−ト
5 検出器
6 テフロンプレ−ト
7 検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、インキ、洗剤、化粧品などの液体表面の粘弾性を測定する装置及びこれを用いる測定方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の液体表面の粘弾性測定装置を図1に示す。この装置は表面積変化法と呼ばれる手法に基づくものであり、攪拌、循環等の動いている液体の表面挙動、例えば塗料液中に配合された添加剤等の濃度分布や表面吸着濃度の変化などを疑似的に再現してその液体の表面挙動を調べるものである。すなわち、試料液2が満たされる容器1に、該試料液2表面に接触し該試料液2表面上を液表面と水平方向に振動可能なバリヤ−3を2つ設置し、該2つのバリヤ−間の中心の試料液中に白金プレ−ト4を検出器5から吊下げ浸漬し、該2つのバリヤ−3を振動させて該バリヤ−間の面積を変化させ、液に濡れやすい白金プレ−ト4を検出体としてこれにかかる液表面に対し垂直方向の応力を検出するものである。検出される応力Fは、図2に示すように試料液2の表面層を振動させたときの表面張力成分の垂直成分F1と表面粘弾性成分の垂直成分F2の合力である。
【0003】
上記装置は単分子膜測定用であり、例えば塗料液中に配合された添加剤等が該塗料液表面層に与える影響を調べる場合などに該装置を用いると、検出される応力が非常に微小であり、この検出応力を大きくするためバリヤ−の振動の周波数を大きくすると表面波が生じ、共振、表面波の影響を受け、正確に応力測定できないという問題があった。また上記装置は液表面に対して垂直方向の応力を検出する装置で、検出される応力はほとんど表面張力成分に相当する垂直成分であり、表面粘弾性成分に相当する水平成分及び垂直成分のみの応力を検出することは非常に困難であった。さらに2つのバリヤ−を同時に振動させると両者の微妙な動きの違いからプレ−トの中心の位置がずれ正確に応力測定できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題を解決するため、バリヤ−を1方のみにし、プレ−トの幅、検出器の設置の仕方などに着目し、その改良について検討した結果、歪みと同方向の応力を検出しうることを見出し本発明に到達した。
【0005】
本発明の主たる目的は、液体の表面粘弾性として、表面張力成分の影響を極力なくし、検出される応力を表面粘弾性成分のみの応力として正確に測定する装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、試料液が満たされる容器、該試料液表面に接触し該試料液表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−、検出体として該試料液中に吊下げ浸漬されるプレ−ト、及び該プレ−トを吊下げてなる検出器を具備する測定装置であって、該プレ−トが試料液に対し濡れ性が低く、該検出器がバリア−の振動による歪みと同方向の応力を検出するよう設置されることを特徴とする動的表面粘弾性測定装置、及びこの測定装置を用いて、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動せしめ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力を検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値を算出することを特徴とする動的表面粘弾性測定方法が提供される。
【0007】
【実施例】
次に、図3〜図6を参照して本発明の好適実施例に従う動的表面粘弾性測定装置及び測定方法を説明する。図3は本発明装置の一例を示す斜視図である。
【0008】
該装置は、試料液2が満たされる容器1、該試料液2表面に接触し該試料液2表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−3、検出体として該試料液2中に吊下げ浸漬されるプレ−ト6、及び該プレ−ト6を吊下げてなる検出器7を具備するものである。バリヤ−3はプレ−ト6の中心位置がずれないように1つとする。図3に示される測定装置は、恒温槽内に設置するのが適当である。
【0009】
プレ−ト6は、表面張力の影響を極力抑制する点から、試料液に対し濡れ性が低い素材を選択する。該プレ−トとしては、金属板、プラスチック板が使用できるが、特にテフロンプレ−トが好適である。またプレ−ト6の幅(バリヤ−の振動方向と垂直方向の幅)は、ノイズ防止や検出力向上の点から、容器の幅内でプレ−トの動きに影響ない範囲で最大とすることが望ましい。
【0010】
検出器7へのプレ−ト6の取り付けは、針金などにより接続でき、該プレ−トが回転振動しないように針金部分を二股にし、またたわみ防止の点から接続はネジ式とするのが適当である。検出器7は、従来の単分子膜の測定に比べて検出感度を高くするのが望ましい。高感度とすることでバリヤ−3の振動の周波数を小さくでき表面波を防げる。
【0011】
プレ−ト6・バリヤ−3間の距離は、プレ−トとバリヤ−の間が離れると応力応答の減衰や遅れが生じるので、できるだけ近くにするのが適当である。
【0012】
本発明方法は、上記測定装置を用いて、バリヤ−3を液表面に対し水平方向に振動せしめ、その歪みに対してプレ−ト6にかかる応力を検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値を算出するものである。該検出応力は、図4に示すように試料液2の表面層の粘弾性成分のみの応力に相当するものである。
【0013】
本発明方法では、容器の大きさ、測定試料、測定環境などの応じて、バリヤ−3の振動(周波数)、バリヤ−3の振幅、プレ−ト6の幅、プレ−ト6の浸漬深さ、プレ−ト6・バリヤ−3間距離などの測定条件を適宜選択するのが適当である。該バリヤ−3の振動(周波数)は、大きすぎると表面波が生じ、小さすぎると歪みが付与できなくなる。該プレ−ト6の浸漬深さは、試料液表面膜の応力を全て受けられるように、プレ−トの液接触面が試料液表面層に完全に密着浸漬するように選択するのが望ましい。
【0014】
具体例としては、容器1の大きさが50×200×10mm、試料液2の液温が25℃の場合、バリヤ−3の周波数が0.1〜0.4Hz、バリヤ−3の振幅が0.5〜2mm、プレ−ト6のサイズを45(幅)×5×1mmとすると、プレ−ト6の浸漬深さが0.3〜1mm、プレ−ト6・バリヤ−3間距離3.8〜7mmとなるように設定することができる。
【0015】
上記の通り本発明方法に従って、該プレ−ト6にかかる応力が検出器7により検出される。該応力から試料液2表面層の粘弾性特数値は以下のように算出される。
【0016】
即ち、該プレ−ト6にバリヤ−3を振動させて正弦的に歪みを与えて得られる応力応答は横軸に時間をとると、図5のように歪みに対して位相差δを有する正弦波で表され、塗料などの粘弾性体は、位相差δが0〜90°の間を示す。これより縦軸に応力、横軸に歪みを取って描けるリサ−ジュ図形は楕円となり、該リサ−ジュ図形から粘弾性特数値である複素弾性率G* が同図に示す方法で算出される。該複素弾性率G* は、弾性要素である貯蔵弾性率G´と粘性要素である損失弾性率G”の和であり、G* をG´とG”に分解してより定量的な評価が可能である。位相差δの算出やリサ−ジュ図形の解析は、検出器をデ−タ処理装置に接続することにより自動的に行うことができる。
【0017】
実施例1
アクリル系レベリング剤のキシレン溶液(固形分0.33%)を図3に示す動的表面粘弾性測定装置の容器(50×200×10mm)内に充填し、液温25℃で、バリヤ−の周波数が0.2Hz、バリヤ−の振幅が0.75mm、テフロンプレ−トのサイズが45(幅)×5×1mm、テフロンプレ−トの浸漬深さが1.0mm、テフロンプレ−ト・バリヤ−間距離5.75mmの条件で、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動させ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力Fを検出し、その検出応力からきれいなリサ−ジュ図形(図6)が得られ試料液表面層の粘弾性特数値をデ−タ処理装置により自動的に算出した。
【0018】
比較例1
実施例1と同じ試料液を図1に示す表面積変化法動的表面張力測定装置を用い、その容器(50×200×10mm)内に充填し、白金プレ−トを使用する以外は実施例1と同様の条件で測定した。その検出応力からは明確なリサ−ジュ図形が得られなかった(図7)。
【0019】
実施例2
アルキド樹脂のキシレン溶液(固形分20%)に、添加剤であるa:ポリジメチルシロキサン、b:フェニルメチルポリシロキサン、c:ポリビニルイソブチルエ−テル、d:ポリラウリルメタクリレ−トをそれぞれ溶解して得られた各溶液を、図3に示す動的表面粘弾性測定装置の容器内に充填し、液温25℃で、バリヤ−の周波数が0.2Hz、バリヤ−の振幅が0.75mm、プレ−トのサイズが45(幅)×5×1mm、プレ−トの浸漬深さが1.0mm、プレ−ト・バリヤ−間距離5.75mmの条件で、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動させ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力Fを検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値である貯蔵弾性率G´をデ−タ処理装置により自動的に算出した。各添加剤の濃度を変化させて、それぞれについて該G´、G”を算出し図8に示すような各添加剤の表面変化挙動が得られた。
【0020】
【発明の効果】
本発明の表面粘弾性測定装置によれば、表面張力成分の影響を極力少なくして、検出される応力を表面粘弾性成分のみの応力として、液体の表面粘弾性を正確に測定できる。従って本発明方法は塗料、インキ、洗剤、化粧品などの液体において各種樹脂及び添加剤などの配合成分の表面粘弾性に対する寄与の測定に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の背景となる従来の液体の表面粘弾性測定装置を示す斜視図。
【図2】従来の表面粘弾性測定装置においてプレ−トにかかる応力の概念図。
【図3】本発明の好適実施例に従う液体の表面粘弾性測定装置を示す斜視図。
【図4】本発明の表面粘弾性測定装置においてプレ−トにかかる応力の概念図。
【図5】歪みに対する粘弾性体の応力の正弦波及びリサ−ジュ図形。
【図6】実施例1におけるリサ−ジュ図形。
【図7】比較例1におけるリサ−ジュ図形。
【図8】実施例2における添加剤濃度と貯蔵弾性率G´及び損失弾性率G”との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 容器
2 試料液
3 バリヤ−
4 白金プレ−ト
5 検出器
6 テフロンプレ−ト
7 検出器
Claims (3)
- 試料液が満たされる容器、該試料液表面に接触し該試料液表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−、検出体として該試料液中に吊下げ浸漬されるプレ−ト、及び該プレ−トを吊下げてなる検出器を具備する測定装置であって、該プレ−トが試料液に対し濡れ性が低く、該検出器がバリア−の振動による歪みと同方向の応力を検出するよう設置されることを特徴とする動的表面粘弾性測定装置。
- プレ−トがテフロンプレ−トである請求項1の測定装置。
- 試料液が満たされる容器、該試料液表面に接触し該試料液表面上を液表面に対し水平方向に振動可能なバリヤ−、検出体として該試料液中に吊下げ浸漬されるプレ−ト、及び該プレ−トを吊下げてなる検出器を具備する測定装置であって、該プレ−トが試料液に対し濡れ性が低く、該検出器がバリア−の振動による歪みと同方向の応力を検出するよう設置されてなる動的表面粘弾性測定装置を用いて、バリヤ−を液表面に対し水平方向に振動せしめ、その歪みに対してプレ−トにかかる応力を検出し、その検出応力から試料液表面層の粘弾性特数値を算出することを特徴とする動的表面粘弾性測定方法。
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JP11542996A JP3554104B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 動的表面粘弾性測定装置及びこれを用いる測定方法 |
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JPH09281025A JPH09281025A (ja) | 1997-10-31 |
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ID=14662356
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101949809A (zh) * | 2010-08-09 | 2011-01-19 | 西华师范大学 | 液体表面张力系数测量仪 |
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JP4548991B2 (ja) * | 2001-09-11 | 2010-09-22 | 花王株式会社 | 棒状化粧料の使用感の評価方法 |
DE102006034346B4 (de) * | 2006-07-25 | 2008-11-27 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Verfahren und Vorrichtung zum periodischen Messen der Fließgrenze von Dispersionen sowie deren Verwendung |
JP4721994B2 (ja) * | 2006-09-11 | 2011-07-13 | 花王株式会社 | 化粧料の使用感の評価方法 |
JP5431879B2 (ja) * | 2009-11-09 | 2014-03-05 | 株式会社コーセー | スティック状化粧料の評価方法 |
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1996
- 1996-04-12 JP JP11542996A patent/JP3554104B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101949809A (zh) * | 2010-08-09 | 2011-01-19 | 西华师范大学 | 液体表面张力系数测量仪 |
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JPH09281025A (ja) | 1997-10-31 |
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