JP3553692B2 - Plasma vapor deposition apparatus and method for removing thin film of deposition shield in plasma vapor deposition apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本願の発明は、基板の表面に各種薄膜を作成するに際して使用されるプラズマ気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模集積回路(LSI)や液晶ディスプレイ(LCD)等を製作する際には、基板の表面に各種薄膜を作成する工程が必要になる。薄膜作成を行う装置としては、真空蒸着装置やスパッタリング装置等が知られているが、比較的低い温度で化合物や非晶質の薄膜を作成できるところから、プラズマ気相成長装置が多用されている。
【0003】
図3は、従来のプラズマ気相成長装置の一例の概略図である。図3に示すプラズマ気相成長装置は、排気系11を備えた真空容器1と、真空容器1内に所定のガスを導入するガス導入機構2と、導入されたガスにエネルギーを与えてプラズマを形成するための電力供給機構3と、薄膜作成を行う基板40を載置するための基板ホルダー4などから主に構成されている。
図3の装置では、不図示のゲートバルブを通して基板40を真空容器1内に搬入して基板ホルダー4上に載置する。排気系11によって真空容器1内を排気した後、ガス導入機構2によって所定のガスを導入する。次に、電力供給機構3によって高周波電力等のエネルギーを真空容器1内のガスに印加し、プラズマを形成する。そして、プラズマによって生ずる気相反応によって基板の表面に所定の薄膜が堆積する。例えば、ガス導入機構2によってシランガスと酸素ガスを導入すれば、プラズマによって分解反応等を生じ、酸化硅素の薄膜を基板40の表面に作成される。
【0004】
上記プラズマ気相成長装置において、プラズマと基板40の表面との間に電界を設定し、プラズマ中の荷電粒子を基板40の表面に衝突させるよう構成することがあった。例えば、イオンアシスト法と呼ばれる成膜技術では、成膜中に基板40の表面に比較的弱い加速エネルギーでイオンを衝突させ、このイオンのエネルギーを利用して効率的に薄膜が成長するようにする。
【0005】
プラズマと基板40との間に電界を設定するには、プラズマ電位(≒0)に対して基板40の表面が所定の電位になるようバイアス電圧(以下、基板バイアス電圧)を印加する。この基板バイアス電圧は、通常、プラズマと高周波との相互作用によって印加される。即ち、図3に示すように、基板ホルダー4に基板用高周波電源422を接続し、基板ホルダー4を通して基板40に高周波電力を印加する。印加された高周波の正の半周期においてはプラズマ中の電子が基板40の表面に素早く捕集されるが、負の半周期においては、モビリティの小さいイオンはゆっくりと捕集される。このようなモビリティの差によって基板40の表面には電子が集まり負のバイアス電圧が印加されたのと同じ状態になる。この結果、プラズマとの間に電界が設定されるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような基板バイアス電圧の印加は、最近では、基板40の表面に形成された孔又は溝を薄膜で塞ぐようにする薄膜作成の場合にも行われている。図4は、基板の表面に形成された孔又は溝を薄膜で塞ぐようにする薄膜作成の例の説明図である。
図4(a)に示すように、基板40の表面には例えば金属からなる薄膜のパターン400が配線として形成されており、このパターン400の形状にしたがって孔又は溝401が存在している。このパターン400の上層にさらに別のパターンを形成する場合には、パターン400を絶縁膜402で覆って層間を絶縁する。
【0007】
この場合、上記基板バイアス電圧を印加しないで通常の薄膜作成を行うと、薄膜の材料となる粒子は孔又は溝401の底に達しづらくパターン400の上面に集まり易いので、図4(b)のようにパターン400の上面から孔又は満401の上縁にかけて丸く膨らむようにして薄膜が成長する。この結果、図4(c)のように、孔又は溝401が薄膜で塞がれたとしても、薄膜中にポイドと呼ばれる空洞403が形成されてしまう。このような空洞403が形成されると、空洞403中に侵入するかもしくは存在する水分などによって金属配線であるパターン400間の絶縁耐圧が著しく劣化し、集積回路を短絡させる重大な故障の原因となる。
【0008】
そこで、基板バイアス電圧を印加してプラズマと基板40の表面との間に電界を設定し、この電界によってプラズマ中のイオンを取り出して衝突させるようにする。図4(a)に示すような場合、電界は孔又は溝401の上縁の角の部分において最も急峻となるから、この部分に最もよくイオンが衝突する。この結果、この部分に堆積する薄膜がエッチングされ、エッチングされた材料の一部は孔又は溝401の内部に達することになる。このため、孔又は溝401の内部とパターン400の上面との成膜速度の差が改善され、図4(b’)(c’)に示すように、空洞403が形成されることなく孔又は溝401を薄膜で塞ぐことができる。尚、この場合は、薄膜をエッチングすることが必要になるため、上述したイオンアシスト法に比べ、一般的により高い加速電界が設定される。
【0009】
上記プラズマ気相成長装置において、薄膜作成を続けていくうちに、真空容器の内面に薄膜が堆積してしまうことが避けられない。この薄膜堆積は、真空容器内で浮遊する粒子が真空容器の内面に付着するために生ずるものである。内面に堆積した薄膜は、ある程度の膜厚に達すると剥離して塵埃となる。この塵埃が基板に付着すると、配線パターンの断線やショートを起こしたりして重大な回路欠陥を生ずる場合がある。
本願の発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、真空容器の内面への材料の付着を防止し、薄膜剥離によって生ずる塵埃の発生を効果的に抑制することが可能なプラズマ気相成長装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えた真空容器と、真空容器内に所定のガスを導入するガス導入機構と、導入されたガスにエネルギーを与えてプラズマを形成するための電力供給機構とを具備し、プラズマによって生じる気相反応を利用して基板の表面に所定の薄膜を作成するプラズマ気相成長装置において、
真空容器の内面を覆うようにして真空容器に対して絶縁された状態で配置され、真空容器内に浮遊する材料の真空容器の内面への付着を防止して当該内面への薄膜の堆積を防止する防着シールドと、この防着シールドとプラズマとの間に電界を設定して防着シールドにプラズマ中の荷電粒子を衝突させるためのシールドバイアス電圧を印加するシールドバイアス電圧印加機構とを有し、
前記防着シールドは、成膜中の基板を取り囲むものであり、
前記シールドバイアス印加機構は、成膜中に、負の電圧であるシールドバイアス電圧を前記防着シールドに印加するものであるという構成である。
同様に上記目的を達成するため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成において、シールドバイアス電圧印加機構は、プラズマとの相互作用によりシールドバイアス電圧が印加されるようにする高周波電源を含んでいる。
同様に上記目的を達成するため、請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2の構成において、基板に所定の電圧を印加してプラズマ中の荷電粒子を基板の表面に衝突させるための基板バイアス電圧を印加する基板バイアス電圧印加機構を有している。
同様に上記目的を達成するため、請求項4記載の発明は、上記請求項2又は3の構成において、基板バイアス電圧印加機構は、基板の表面に形成された孔又は溝の角部をエッチングしながら当該孔又溝が薄膜堆積によって塞がれるよう基板バイアス電圧を印加するものである。
同様に上記目的を達成するため、請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3又は4の構成において、防着シールドは、交換可能に設けられている。
同様に上記目的を達成するため、請求項6記載の発明は、上記請求項1,2,3,4又は5の構成において、防着シールドの温度を制御する温度調節機構が設けられている。
同様に上記目的を達成するため、請求項7記載の発明は、上記請求項1,2,3,4,5又は6の構成において、防着シールドと真空容器の内面との間の空間には、当該空間での放電を防止する放電防止部材が配設されている。
同様に上記目的を達成するため、請求項8記載の発明は、請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のプラズマ気相成長装置の前記防着シールドに堆積した薄膜を除去する薄膜除去方法において、ガス導入機構によって所定のガスを導入し、導入されたガスに電力供給機構によってエネルギーを与えてプラズマを形成し、そのプラズマ中で生成された材料によって防着シールドに堆積した薄膜をエッチングして除去するとともに、このエッチング除去の際に、シールドバイアス電圧印加機構によって防着シールドに所定のシールドバイアス電圧を印加するという構成を有する。
同様に上記目的を達成するため、請求項9記載の発明は、請求項3又は4記載のプラズマ気相成長装置の前記防着シールドに堆積した薄膜を除去する薄膜除去方法において、前記ガス導入機構によって所定のガスを導入し、導入されたガスに前記電力供給機構によってエネルギーを与えてプラズマを形成し、そのプラズマ中で生成された材料によって前記防着シールドに堆積した薄膜をエッチングして除去するとともに、このエッチング除去の際に、前記シールドバイアス電圧印加機構によって防着シールドに所定のシールドバイアス電圧を印加し、さらに、前記基板バイアス電圧印加機構は、基板が載置された基板ホルダーに基板バイアス電圧を印加するものであり、前記シールドバイアス電圧印加機構とともにこの基板バイアス電圧印加機構を動作させ、基板ホルダーに基板バイアス電圧を印加させながら行うという構成を有する。
【0011】
【実施例】
以下、本願発明の実施例を説明する。
図1は、本願発明の実施例のプラズマ気相成長装置の概略図である。図1に示すプラズマ気相成長装置は、図3の装置と同様、排気系11を備えた真空容器1と、真空容器1内に所定のガスを導入するガス導入機構2と、導入されたガスにエネルギーを与えてプラズマを形成するための電力供給機構3と、薄膜作成を行う基板を載置するための基板ホルダー4とを有している。
【0012】
さらに図1の装置は、真空容器1の内面を覆うようにして真空容器1に対して絶縁された状態で配置され、真空容器1内に浮遊する材料の真空容器1の内面への付着を防止して当該内面への薄膜の堆積を防止する防着シールド5と、この防着シールド5とプラズマとの間に電界を設定して防着シールド5にプラズマ中の荷電粒子を衝突させるためのシールドバイアス電圧を印加するシールドバイアス電圧印加機構51とを有している。
【0013】
まず、真空容器1は、成膜室101と、成膜室101の下側に位置した少し大きな空間の真空排気室102を構成している。そして、成膜室101を構成する部分と真空排気室102を構成する部分とが分離可能に構成されている。これは後述する防着シールド5の交換のためである。
また、成膜室101の部分の真空容器1の器壁には不図示のゲートバルブが設けられ、真空排気室102の部分の器壁には、排気系11がつながる排気管13が設けられている。排気系11は、粗引きポンプ111と、粗引きポンプ111の前段に配置された主ポンプ112と、これらのポンプ111,112によって排気する排気経路上に配置された主バルブ113及び可変コンダクタンスバルブ114とから主に構成されている。
上記真空容器1は、上側にベルジャー12を有している。真空容器1の上部器壁には中央に円形の開口が設けられ、ベルジャー12はこの開口に気密に接続されている。ベルジャー12は、先端が半球状で下端が開口になっている直径100mm程度の円筒状の形状を有するものであり、石英ガラス等の誘電体で形成されている。
【0014】
ガス導入機構2は、図1に示す例では、二つのガス導入系21,22から構成されており、二種の異なるガスを同時に導入できるようになっている。各々のガス導入系21,22は、不図示のガスボンベに接続された配管211,221と、配管211,221の終端に接続されたガス導入体212,222とから主に構成されている。
図2は、上記ガス導入体の構成を説明する図である。図2に示すように、ガス導入体212,222は、断面円形の円環状のパイプから構成されている。このガス導入体212,222は、真空容器1に設けられた支持棒23によって支持され、真空容器1の内面に沿う形で水平に配置されている。尚、真空容器1は、円筒形の場合もあるし、角筒形の場合もある。
【0015】
また、真空容器1の壁を気密に貫通する状態で輸送管24が設けられており、この輸送管24の一端はガス導入体212,222に接続されている。ガス導入体212,222の他端は図1の配管211,221に接続されている。
そして、ガス導入体212,222は、図2に示すように、その内側面にガス吹き出し口25を有している。このガス吹き出し口25は、直径0.5mm程度の開口であり、25mm程度の間隔をおいて周上に設けられている。
【0016】
一方、図1に戻り、電力供給機構3は、ベルジャー12の周囲を取り囲んで配置された高周波コイル31と、この高周波コイル31に整合器32を介して高周波電力を供給する高周波電源33とから主に構成されている。高周波電源33には、例えば13.56MHzの高周波電力を発生させるものが採用され、高周波コイル31からベルジャー12内にこの高周波電力が供給される。
【0017】
また、真空容器1内のベルジャー12の下方位置には、基板ホルダー4が設けられている。この基板ホルダー4は、薄膜作成を行う基板40を上面に載置させるものであり、必要に応じて基板40を加熱又は冷却する温度調節機構41を内蔵している。
この基板ホルダー4には、生成されるプラズマと高周波との相互作用によって基板40に所定の基板バイアス電圧を印加するための基板バイアス電圧印加機構42が付設されている。基板バイアス電圧印加機構42は、基板用整合器421と、基板用整合器421を介して印加する所定の高周波電力を発生させる基板用高周波電源422とから構成されている。尚、「プラズマと高周波との相互作用によるバイアス電圧」には、基板用高周波電源422とプラズマとの間に相当のキャパシタンスが存在していることが必要である。従って、基板ホルダー4や基板40がすべて金属で形成されている場合には、基板ホルダー40への給電回路上に所定のコンデンサを接続するようにする。
【0018】
本実施例の装置の大きな特徴点の一つである防着シールド5は、真空容器1に対して絶縁された状態で取り付けられたシート保持体52と、シート保持体52の前面に保持されたシールドシート53とから主に構成されている。
シート保持体52は、ほぼ円筒状の部材であり、図1に示すように上にいくに従って徐々に内径が小さくなる形状になっている。シート保持体52の内面の曲面となっている部分は、基板ホルダー4上の基板40の中心点に対してほぼ球面を形成するよう構成されている。
【0019】
シート保持体52の上端部分は、真空容器11の上壁部分の付近にまで達しており、図からは明かでないが、その上縁はベルジャー12の下端に対して接触した状態となっている。また、シート保持体52の下端部分は、基板ホルダー4の外側を取り囲むように位置し、その下縁は基板ホルダー4の上面よりも僅かに低い位置になっている。
シート保持体52は、上端部分と下端部分がそれぞれ内側に折れ曲がっており、この折れ曲がった部分に挟み込まれるようにしてシールドシート53が配置されている。シールドシート53は、純アルニミウム等の材質で形成された厚さ3mm程度の薄いシートである。
【0020】
上記構成の防着シールド5には、温度調節機構54が設けられている。この温度調節機構54は、シート保持体52の背後に配設された温調ブロック541と、温調ブロック541内に貫通して設けた媒体通路につながる配管542と、配管542を通して温調ブロック541に温度調節用の媒体を送る温調ユニット543とから主に構成されている。
温調ブロック541は、アルミニウム合金等の熱伝導性の良い材料から構成されており、シート保持体52に対して熱伝導性よく接触して配置されている。温調ユニット543は、液体又は気体を温調ブロック541内に送って温度調節する。例えば、防着シールド5を所定の高温に維持することで防着シールド5への薄膜堆積が防止される場合があり、このような場合に上記温度調節機構54が動作して防着シールド5の所定の温度に調節する。また、ある温度では、堆積した薄膜の剥離が抑制される場合があり、この温度に防着シールド5を維持することで、薄膜が堆積したとしても剥離して塵埃を発生させるのを抑制することができる。
【0021】
上記温調ブロック541と真空容器1の間には、放電防止部材55が配置されている。放電防止部材55は、温調ブロック541と真空容器1とが形成する空間の形状に合わせ、当該空間を埋めるような形状で構成されたものである。本実施例の放電防止部材55は、断面L字状の板を丸めて周状にしたような形状のものであり、石英ガラス等の誘電体で形成されている。
このように防着シールド5と真空容器1との間に形成される空間を誘電体よりなる放電防止部材55で埋めることによって、当該空間にプラズマが入り込んで放電が生ずることが防止される。このような部分に放電が生ずると、放電によって構成部材が損傷するほか、構成部材がスパッタされて異物が放出される元になる。
【0022】
次に、本実施例の装置の別の特徴点の一つであるシールドバイアス電圧印加機構51について説明する。
本実施例のシールドバイアス電圧印加機構51は、シールド用整合器511と、シールド用整合器511を介して防着シールド5に印加する所定の高周波電力を発生させるシールド用高周波電源512とから主に構成されている。即ち、本実施例のシールドバイアス電圧印加機構51は、基板バイアス電圧印加機構42と同様に、「プラズマと高周波との相互作用によるバイアス電圧」を発生させる機構が採用されている。
尚、シールド用整合器511からの給電ラインは、シート保持体52に対して接続されている。シールドシート53は、シート保持体52に対して上述の通り保持されており、両者は良好な電気的接触を保つようになっている。また、基板バイアス電圧印加機構42と同様、給電ライン上には必要に応じてコンデンサが配置される。
【0023】
次に、上記構成に係る本実施例のプラズマ気相成長装置の動作について説明する。
まず、真空容器1に設けられた不図示のゲートバルブを通して基板40を真空容器1内に搬入し、基板ホルダー4上に載置する。ゲートバルブを閉じて排気系11を作動させ、真空容器1内を例えば5mTorr程度まで排気する。
次に、ガス導入機構2を動作させ、所定のガスを所定の流量で真空容器1内に導入する。この際、ガスは、配管211,221から輸送管24を経由してガス導入体212,222に供給され、ガス導入体212,222のガス吹き出し口25から内側に吹き出すようにして真空容器1内に導入される。導入されたガスは真空容器1内を拡散してベルジャー12内に達する。
【0024】
この状態で、電力供給機構3を作動させ、高周波電源33から整合器32を介して高周波コイル31に13.56MHz2500W程度の高周波電力を印加する。同時に、基板バイアス電圧印加機構4242及びシールドバイアス電圧印加機構51も動作し、基板40及び防着シールド5に所定のバイアス電圧がそれぞれ印加される。
電力供給機構3が供給した高周波電力は、高周波コイル31を介してベルジャー12内に導入され、ベルジャー12内に存在するガスにエネルギーを与えてプラズマを生成する。生成されたプラズマは、ベルジャー12から下方の基板40に向けて拡散する。プラズマ中では、所定の生成物が生じ、この生成物が基板40に到達することにより所定の薄膜が作成される。
例えば酸化硅素薄膜を作成する場合、第一のガス導入系21によってモノシランガスを導入し、第二のガス導入系22によって酸素ガスを導入する。モノシラン/酸素のプラズマによってモノシランが分解し、酸素と反応することによって酸化硅素薄膜が作成される。
【0025】
この際、基板バイアス電圧印加機構42が与える基板バイアス電圧によって、基板40の表面にはプラズマ中の荷電粒子が衝突するようになっている。例えば、前述したような孔又は溝への薄膜の作成を行う場合には、基板用高周波電源422から13.56MHz2400W程度の高周波電力を基板に印加するようにする。これによって、図4(b’)及び(c’)に示した通り、空洞を形成することなく孔又は溝を薄膜で塞ぐことが可能となる。
【0026】
また一方、上述のように本実施例のプラズマ気相成長装置が動作している際、真空容器1内には防着シールド5に対して薄膜堆積作用のある材料が浮遊している。即ち、基板40の表面に付着して薄膜を形成する材料は同時に防着シールド5に付着して薄膜を堆積する可能性がある。また特に、上述のような基板バイアス電圧印加機構42を動作させながら孔又は溝への薄膜作成を行っている場合、孔又は溝の上縁に積もった膜がイオンによってスパッタされて真空容器1中に再放出されて浮遊している。この浮遊する材料がシールドシート53の表面に付着して滞留し、その付着滞留が相当程度の量及び時間に達すると、付着した材料はシールドシート53の表面上で薄膜に成長する。
しかしながら、上述のようにシールドバイアス電圧印加機構51が動作して防着シールド5に所定のシールドバイアス電圧が印加されているため、上記シールドシート53の表面での薄膜の成長が抑制される。即ち、シールドバイアス電圧機構42が印加する負の電圧であるシールドバイアス電圧により防着シールド5とプラズマとの間に所定の電界が形成され、シールドシート53の表面に堆積しつつある薄膜を、この電界により加速されたプラズマ中のイオンがスパッタする。この結果、薄膜の堆積が抑制される。
【0027】
さらに特筆すべきことは、上述のようにシールドバイアス電圧印加機構51を動作させると、シールドシート53に堆積する薄膜は、プラズマ中のイオンによってスパッタされ、再び真空容器1中に放出される。この再放出された材料の一部は、基板40の表面に達して上記基板の表面への薄膜作成に寄与する。このため、シールドバイアス電圧印加機構51を動作させると、シールドシート53への薄膜堆積が抑制される他、基板40の表面の成膜速度が向上するという重要な副次的効果が得られる。
【0028】
尚、基板バイアス電圧印加機構42が基板40に与える基板バイアス電圧は、シールドバイアス電圧印加機構51が防着シールド5に与えるシールドバイアス電圧よりも小さい。これは、シールドバイアス電圧5が薄膜堆積を完全に抑制するものであるのに対し、基板バイアス電圧は、図4(b)に示すような孔又は溝401の上縁の角の部分に堆積する薄膜をスパッタして孔又は溝401中への薄膜堆積を促進させるものであり、基板4への薄膜堆積を完全に抑制するものではないからである。
【0029】
また、上記のようにシールドバイアス電圧印加機構51を動作させても、非常に長い時間薄膜作成処理を続けると、シールドシート53の表面にある程度の薄膜が堆積するのが避けられない。この場合は、プラズマエッチングを行って薄膜を除去するか、シールドシート53を別のものに交換するようにする。
【0030】
プラズマエッチングを行う場合、ガス導入機構2によって四フッ化炭素などのフッ素系のガスを真空容器1内に導入し、前述と同様にプラズマを形成する。プラズマ中ではフッ素活性種が生成され、このフッ素活性種がシールドシート53の表面に達して薄膜と反応することによって薄膜がエッチング除去される。即ち、フッ素活性種は、薄膜と反応して蒸気圧の高い化合物を形成し、それが排気系によって排出されることで除去される。
尚、このプラズマエッチングの際、基板バイアス電圧印加機構42を動作させて基板バイアス電圧を印加するようにしておくとさらに好適である。即ち、防着シールド5から放出された材料が基板ホルダー4に付着したとしても、基板バイアス電圧によって加速された荷電粒子がこの付着物を弾き出し、基板ホルダー4上で薄膜に成長するのを抑制する。
【0031】
また、シールドシート53を交換する場合には、真空容器1の上側の部分を持ち上げて下側の部分から分離し、古いシールドシート53をシート保持体52から取り外す。そして、新しいシールドシート53を同様にシート保持体52にセットして保持させ、その後真空容器1の上側部分を下側部分に気密に連結させるようにする。
【0032】
次に、本実施例のプラズマ気相成長装置の効果を確認した実験の結果について説明する。
表1及び表2は、本実施例のプラズマ気相成長装置の効果を確認した実験の結果を示したものである。この実験の条件について説明すると、導入したガスはモノシラン100sccmで酸素300sccmである。尚、sccmとは、standard cubic centimeter per minuteの略であり、0℃一気圧で毎分に流れるガスの量(体積)で表したものである。また、電力供給機構3が与える高周波は13.56MHz2.5kW、基板バイアス電圧印加機構42が与える高周波は13.56Hz2.5kW、シールドバイアス電圧印加機構51が与える高周波は400kHz2kWとした。
【0033】
また、この条件で25枚の基板を連続処理した後、防着シールド5に堆積した薄膜を除去するため、ガス導入機構2によって四フッ化炭素ガスを200sccm、酸素ガスを100sccm導入し、電力供給機構3によって2kWの高周波を供給してプラズマエッチングを行った。尚、この際、防着シールド5には2.5kWの高周波を印加した。また、プラズマエッチングが終了する時点が、防着シールド5のインピーダンスの変化などを検出することにより測定された。即ち、防着シールド5に堆積した薄膜が完全に除去されると、高周波回路の負荷としての防着シールド5のインピーダンスなどが処理開始前の元の状態に戻るので、この時点を検出して薄膜除去終了とすることができる。
【0034】
【表1】
まず、表1に示す通り、上記条件による酸化硅素薄膜の作成において、防着シールド5にシールドバイアス電圧を印加した場合の基板上の成膜速度は525nm/分であり、印加しない場合の480nm/分に比べると、成膜速度が約10%向上していた。また、プラズマエッチングが終了するまでの時間は、基板上への薄膜作成時にシールドバイアス電圧を印加していた場合には30分で済むが、印加していなかった場合には45分の時間を要した。このことは、上記シールドバイアス電圧の印加によって防着シールド5への薄膜堆積を2/3に抑制できることを意味している。
【0035】
また、基板を25枚処理するごとに上記プラズマエッチングによる薄膜除去を行い、計1850枚の基板を処理した後の基板へのパーティクルの付着状況を測定した。即ち、1850枚めの基板の処理の後、上述のようなプラズマエッチングによる薄膜除去を行い、その後新たな基板を真空容器1に搬入して処理を行った。そして、その処理の後、その基板の表面に付着していたパーティクルの数をレーザー光散乱法で測定した。表2にレーザー光散乱法による散乱断面積0.28μm2 以上のパーティクルの測定結果を示す。
【0036】
【表2】
表2に示す通り、シールドバイアス電圧を印加しないで薄膜作成を行った場合には、目視観察でも防着シールド5に堆積した酸化硅素薄膜が剥離していることがわかり、パーティクルの数も1000個以上と多いことがわかった。一方、シールドバイアス電圧を印加して薄膜作成を行った場合には、パーティクルが20個以下に激減していた。
尚、基板バイアス電圧を印加した場合には、同様に20個以下であった。これは、プラズマエッチングによる薄膜除去の際に、防着シールド5から飛来して基板ホルダー4に付着する材料も同時に除去することで、パーティクルの原因となる薄膜堆積を基板ホルダー4も含めて完全に除去できた効果である。
【0037】
また、基板ホルダー4に基板バイアス電圧を印加した場合としない場合では、基板ホルダー4に付着した酸化膜の表面状態が異なることが観察できた。印加しない場合、表面は白濁して粉状の様子を呈すのに対し、印加した場合には無色透明で、その後も継続してパーティクル発生の心配なく基板を処理できることが推定された。
また、プラズマエッチングによる薄膜除去の際に防着シールド5にシールドバイアス電圧を印加しない場合には、四フッ化炭素ガス/酸素ガスの流量を400sccm/200sccmと増加させても、24時間プラズマエッチングによる薄膜除去を継続しても、防着シールド5上の薄膜は除去できず、極めてエッチング速度が小さいことがわかった。このことから、薄膜の堆積した部分にバイアス電圧を印加することが、堆積薄膜のエッチング除去に要する時間の短縮に非常に有効であることが確認された。
【0038】
上記実施例の説明において、基板バイアス電圧及びシールドバイアス電圧は、「プラズマと高周波との相互作用」により印加されるとして説明したが、堆積又は作成する薄膜が導電体である場合には、直流電源によってもこれらを印加することが可能である。但し、高周波電源によってこれらを印加する方が、薄膜材料等の点で受ける制約が少なくなるので、汎用性の意味から好適である。
【0039】
また上述した実施例のプラズマ気相成長装置は、ヘリコン波プラズマを利用するように構成を変更することができる。ヘリコン波プラズマは、強い磁場を加えるとプラズマ振動数より低い周波数の電磁波が減衰せずにプラズマ中を伝搬することを利用するものであり、高密度プラズマを低圧で生成できる技術として最近注目されているものである。プラズマ中の電磁波の伝搬方向と磁場の方向とが平行のとき、電磁波はある定まった方向の円偏光となり螺旋状に進行する。このことからヘリコン波プラズマと呼ばれている。
ヘリコン波プラズマを形成する場合には、一本の棒状の部材を曲げて上下二段の丸いループ状に形成したループ状アンテナを図1の高周波コイル31に代えてベルジャー11の外側を取り囲むようにして配置し、その外側にヘリコン波用磁場設定手段としての直流の電磁石をベルジャー12と同心上に配置する。整合器22を介して高周波電源23から13.56MHzの高周波をベルジャー12内に供給すると、磁場の作用によって上記ヘリコン波プラズマが形成される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本願の請求項1の発明によれば、真空容器の内面への材料の付着が防止され、薄膜剥離によって生ずる塵埃の発生を効果的に抑制することが可能となる。また、成膜中に防着シールドに負の電圧であるシールドバイアス電圧が印加されるため、防着シールドに付着した材料が再放出されて基板上の薄膜作成に寄与する結果、基板への成膜速度も向上する。また尚、防着シールドが真空容器に対して絶縁されている結果、真空容器にシールドバイアス電圧が印加されることがなく、この点で安全である。
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1の効果に加え、プラズマと高周波との相互作用によりシールドバイアス電圧が印加されるので、薄膜材料の点で制約が少なく、汎用性が高いというメリットがある。
また、請求項3の発明によれば、基板バイアス電圧印加機構を有するので、基板の表面に荷電粒子を衝突させながら薄膜作成等を行うことができる。
また、請求項4の発明によれば、上記請求項2又は3の効果に加え、基板表面に形成された孔又は溝を薄膜堆積によって塞ぐ際に、薄膜中に空洞が形成されることがないという効果が得られる。
また、請求項5の発明によれば、上記請求項1,2,3又は4の効果に加え、防着シールドの交換によって塵埃の発生を未然に防止することができ、この点でさらに好適である。
また、請求項6の発明によれば、上記請求項1,2,3,4又は5の効果に加え、防着シールドの温度が最適な値に調節されるので、防着シールドを薄膜堆積しない温度にしたり、また逆に薄膜堆積したとしても剥離しない温度にしたりすることが可能となる。
また、請求項7の発明によれば、上記請求項1,2,3,4,5又は6の効果に加え、防着シールドと真空容器との間の空間での放電が抑制されるので、放電による部材の損傷やスパッタによる異物の放出等を防ぐことができる。
またさらに、請求項8の発明によれば、防着シールドのエッチングによる薄膜除去の際にシールドバイアス電圧が印加されるので、エッチングの効率が向上し、薄膜除去完了までの時間を短縮することができる。
さらに、請求項9の発明によれば、請求項8と同様、防着シールドのエッチングによる薄膜除去の際にシールドバイアス電圧が印加されるので、エッチングの効率が向上し、薄膜除去完了までの時間を短縮することができる。またこの際、エッチングされて防着シールドから放出された材料が基板ホルダーに再付着して薄膜堆積するのが抑制されるため、さらに好適な良質な薄膜作成に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例のプラズマ気相成長装置の概略図である。
【図2】図1のガス導入体212,222の構成を説明する図である。
【図3】従来のプラズマ気相成長装置の一例の概略図である。
【図4】基板の表面に形成された孔又は溝を薄膜で塞ぐようにする薄膜作成の例の説明図である。
【符号の説明】
1 真空容器
11 排気系
2 ガス導入機構
3 電力供給機構
4 基板ホルダー
42 基板バイアス電圧印加機構
5 防着シールド
51 シールドバイアス電圧印加機構
52 シート保持体
53 シールドシート
54 温度調節機構
55 放電防止部材[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a plasma vapor deposition apparatus used for forming various thin films on the surface of a substrate.
[0002]
[Prior art]
When manufacturing a large-scale integrated circuit (LSI) or a liquid crystal display (LCD), a process of forming various thin films on the surface of a substrate is required. As an apparatus for forming a thin film, a vacuum evaporation apparatus, a sputtering apparatus, and the like are known, but a plasma vapor deposition apparatus is often used because a compound or an amorphous thin film can be formed at a relatively low temperature. .
[0003]
FIG. 3 is a schematic view of an example of a conventional plasma vapor deposition apparatus. The plasma vapor deposition apparatus shown in FIG. 3 includes a vacuum vessel 1 having an exhaust system 11, a
In the apparatus shown in FIG. 3, the
[0004]
In the plasma vapor deposition apparatus, an electric field may be set between the plasma and the surface of the
[0005]
To set an electric field between the plasma and the
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The application of the substrate bias voltage as described above has recently been performed also in the case of producing a thin film in which a hole or a groove formed on the surface of the
As shown in FIG. 4A, a thin-
[0007]
In this case, when a normal thin film is formed without applying the substrate bias voltage, particles serving as the material of the thin film are difficult to reach the bottom of the hole or
[0008]
Therefore, an electric field is set between the plasma and the surface of the
[0009]
the aboveIn a plasma vapor deposition apparatus, it is inevitable that a thin film is deposited on the inner surface of a vacuum container as the thin film is continuously formed. This thin film deposition occurs because particles floating in the vacuum vessel adhere to the inner surface of the vacuum vessel. When the thin film deposited on the inner surface reaches a certain thickness, it is peeled off and becomes dust. If the dust adheres to the substrate, the circuit pattern may be broken or short-circuited, resulting in serious circuit defects.
The invention of the present application has been made to solve the above-mentioned problems, and it is possible to prevent a material from adhering to the inner surface of a vacuum vessel and effectively suppress generation of dust caused by peeling of a thin film. It is intended to provide a phase growth apparatus.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an invention according to claim 1 of the present application provides a vacuum vessel provided with an exhaust system, a gas introduction mechanism for introducing a predetermined gas into the vacuum vessel, and energy supplied to the introduced gas. A power supply mechanism for forming a plasma, and comprising a power supply mechanism for forming a predetermined thin film on the surface of the substrate using a gas phase reaction generated by the plasma,
It is arranged in a state of being insulated from the vacuum container so as to cover the inner surface of the vacuum container, and prevents the material floating in the vacuum container from adhering to the inner surface of the vacuum container and preventing the deposition of a thin film on the inner surface. A shield bias voltage applying mechanism for setting an electric field between the shield and the plasma and applying a shield bias voltage for causing charged particles in the plasma to collide with the shield.And
The deposition prevention shield surrounds the substrate being formed,
The shield bias applying mechanism applies a negative shield bias voltage to the deposition shield during film formation.It is a configuration.
Similarly, in order to achieve the above object, according to a second aspect of the present invention, in the configuration of the first aspect, the shield bias voltage applying mechanism is configured to apply a shield bias voltage by interaction with plasma. Contains.
Similarly, in order to achieve the above object, the invention according to
Similarly, in order to achieve the above object, according to the invention of
Similarly, in order to achieve the above object, in the invention according to
Similarly, in order to achieve the above object, in the invention according to claim 6, in the configuration of
Similarly, in order to achieve the above object, according to the invention of claim 7, in the configuration of
Similarly, in order to achieve the above object, an invention according to claim 8 removes a thin film deposited on the deposition shield of the plasma vapor deposition apparatus according to
Similarly, in order to achieve the above object, an invention according to claim 9 is a method for removing a thin film deposited on the deposition-inhibiting shield of the plasma vapor deposition apparatus according to
[0011]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
FIG. 1 is a schematic view of a plasma vapor deposition apparatus according to an embodiment of the present invention. 1 is a vacuum vessel 1 provided with an exhaust system 11, a
[0012]
Further, the apparatus shown in FIG. 1 is disposed so as to cover the inner surface of the vacuum vessel 1 and is insulated from the vacuum vessel 1, and prevents the material floating in the vacuum vessel 1 from adhering to the inner surface of the vacuum vessel 1. A
[0013]
First, the vacuum vessel 1 forms a
A gate valve (not shown) is provided on the wall of the vacuum chamber 1 in the
The vacuum vessel 1 has a
[0014]
In the example shown in FIG. 1, the
FIG. 2 is a diagram illustrating the configuration of the gas introduction body. As shown in FIG. 2, the
[0015]
A
As shown in FIG. 2, the
[0016]
On the other hand, returning to FIG. 1, the
[0017]
A
The
[0018]
The
The
[0019]
The upper end of the
The upper and lower ends of the
[0020]
A temperature control mechanism 54 is provided in the
The
[0021]
A
By filling the space formed between the deposition-inhibiting
[0022]
Next, a description will be given of a shield bias
The shield bias
The power supply line from the matching device for
[0023]
Next, the operation of the plasma vapor deposition apparatus of the present embodiment having the above configuration will be described.
First, the
Next, the
[0024]
In this state, the
The high-frequency power supplied by the
For example, when forming a silicon oxide thin film, a monosilane gas is introduced by a first
[0025]
At this time, the charged particles in the plasma collide with the surface of the
[0026]
On the other hand, as described above, when the plasma vapor deposition apparatus of the present embodiment is operating, a material having a thin film deposition action on the
However, since the shield bias
[0027]
It should be further noted that when the shield bias
[0028]
The substrate bias voltage applied to the
[0029]
Further, even if the shield bias
[0030]
When performing plasma etching, a fluorine-based gas such as carbon tetrafluoride is introduced into the vacuum chamber 1 by the
It is more preferable to operate the substrate bias
[0031]
When replacing the shield sheet 53, the upper part of the vacuum vessel 1 is lifted and separated from the lower part, and the old shield sheet 53 is removed from the
[0032]
Next, the result of an experiment for confirming the effect of the plasma vapor deposition apparatus of the present embodiment will be described.
Tables 1 and 2 show the results of experiments confirming the effects of the plasma vapor deposition apparatus of the present embodiment. Explaining the conditions of this experiment, the introduced gas is 100 sccm of monosilane and 300 sccm of oxygen. Here, sccm is an abbreviation for standard cubic centimeter per minute, and is represented by the amount (volume) of gas flowing per minute at 0 ° C. and 1 atm. The high frequency provided by the
[0033]
After continuously processing 25 substrates under these conditions, in order to remove the thin film deposited on the deposition-inhibiting
[0034]
[Table 1]
First, as shown in Table 1, in forming a silicon oxide thin film under the above conditions, the film formation rate on the substrate when a shield bias voltage was applied to the deposition-inhibiting
[0035]
In addition, every
[0036]
[Table 2]
As shown in Table 2, when the thin film was formed without applying the shield bias voltage, it was found by visual observation that the silicon oxide thin film deposited on the
When a substrate bias voltage was applied, the number was similarly 20 or less. This is because when the thin film is removed by plasma etching, the material flying from the
[0037]
Further, it was observed that the surface state of the oxide film adhered to the
When no shield bias voltage is applied to the deposition-inhibiting
[0038]
In the above description of the embodiment, the substrate bias voltage and the shield bias voltage are described as being applied by “interaction between plasma and high frequency”. However, when the thin film to be deposited or formed is a conductor, a DC power supply is used. It is also possible to apply these. However, it is preferable from the viewpoint of versatility to apply these with a high-frequency power supply, because restrictions on thin film materials and the like are reduced.
[0039]
The configuration of the plasma vapor deposition apparatus of the above-described embodiment can be changed so as to use helicon wave plasma. Helicon wave plasma utilizes the fact that electromagnetic waves of a frequency lower than the plasma frequency propagate through the plasma without attenuation when a strong magnetic field is applied, and has recently been attracting attention as a technology that can generate high-density plasma at low pressure. Is what it is. When the direction of propagation of the electromagnetic wave in the plasma is parallel to the direction of the magnetic field, the electromagnetic wave becomes circularly polarized light in a certain direction and travels in a spiral. For this reason, it is called helicon wave plasma.
When helicon wave plasma is formed, a loop-shaped antenna formed by bending a single rod-like member into a two-stage upper and lower round loop is replaced with the high-
[0040]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, it is possible to prevent the material from adhering to the inner surface of the vacuum vessel and effectively suppress the generation of dust caused by the thin film peeling. Also,During film formationFor protective shieldNegative voltageSince the shield bias voltage is applied, the material adhered to the deposition shield is re-emitted and contributes to the formation of a thin film on the substrate. As a result, the film forming speed on the substrate is also improved. Further, since the deposition shield is insulated from the vacuum vessel, no shield bias voltage is applied to the vacuum vessel, which is safe in this respect.
According to the second aspect of the invention, in addition to the effect of the first aspect, the shield bias voltage is applied by the interaction between the plasma and the high frequency, so that there is little restriction in terms of the thin film material and the versatility is high. There is a merit.
According to the third aspect of the present invention, since a substrate bias voltage applying mechanism is provided, a thin film can be formed while colliding charged particles with the surface of the substrate.
According to the invention of
According to the fifth aspect of the present invention, in addition to the effects of the first, second, third, and fourth aspects, the generation of dust can be prevented beforehand by exchanging the deposition shield. is there.
According to the sixth aspect of the invention, in addition to the effects of the first, second, third, fourth or fifth aspect, the temperature of the deposition shield is adjusted to an optimum value, so that the deposition shield is not deposited as a thin film. It is possible to set the temperature or, conversely, the temperature at which the thin film is not separated even if it is deposited.
According to the seventh aspect of the invention, in addition to the effects of the first, second, third, fourth, fifth or sixth aspect, the discharge in the space between the deposition-inhibiting shield and the vacuum vessel is suppressed. Damage to members due to electric discharge and emission of foreign matter due to sputtering can be prevented.
Furthermore, according to the invention of claim 8, since the shield bias voltage is applied when the thin film is removed by etching the deposition shield, the efficiency of etching is improved, and the time until the removal of the thin film is shortened. it can.
Further, according to the ninth aspect of the present invention, similarly to the eighth aspect, the shield bias voltage is applied at the time of removing the thin film by etching the anti-adhesion shield, so that the etching efficiency is improved and the time until the completion of the thin film removal is improved. Can be shortened. Further, at this time, since the material released from the deposition shield by etching is prevented from re-adhering to the substrate holder and depositing a thin film, it is possible to contribute to the production of a more suitable high-quality thin film.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a plasma vapor deposition apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating a configuration of
FIG. 3 is a schematic view of an example of a conventional plasma vapor deposition apparatus.
FIG. 4 is an explanatory diagram of an example of forming a thin film in which holes or grooves formed on the surface of a substrate are closed with a thin film.
[Explanation of symbols]
1 vacuum container
11 Exhaust system
2 Gas introduction mechanism
3 Power supply mechanism
4 Board holder
42 Substrate bias voltage application mechanism
5 Protection shield
51 Shield bias voltage application mechanism
52 Sheet holder
53 shield sheet
54 Temperature control mechanism
55 Discharge prevention member
Claims (9)
真空容器の内面を覆うようにして真空容器に対して絶縁された状態で配置され、真空容器内に浮遊する材料の真空容器の内面への付着を防止して当該内面への薄膜の堆積を防止する防着シールドと、この防着シールドとプラズマとの間に電界を設定して防着シールドにプラズマ中の荷電粒子を衝突させるためのシールドバイアス電圧を印加するシールドバイアス電圧印加機構とを有し、
前記防着シールドは、成膜中の基板を取り囲むものであり、
前記シールドバイアス印加機構は、成膜中に、負の電圧であるシールドバイアス電圧を前記防着シールドに印加するものであることを特徴とするプラズマ気相成長装置。A vacuum vessel provided with an exhaust system, a gas introduction mechanism for introducing a predetermined gas into the vacuum vessel, and a power supply mechanism for applying energy to the introduced gas to form a plasma, which are generated by the plasma. In a plasma vapor deposition apparatus that creates a predetermined thin film on the surface of a substrate using a vapor phase reaction,
It is arranged in a state of being insulated from the vacuum container so as to cover the inner surface of the vacuum container, and prevents the material floating in the vacuum container from adhering to the inner surface of the vacuum container and preventing the deposition of a thin film on the inner surface. a deposition shield that, possess a shield bias voltage applying mechanism for applying a shield bias voltage for by setting the electric field impinging charged particles in the plasma to the deposition preventing shield between the deposition shield and the plasma ,
The deposition prevention shield surrounds the substrate being formed,
The plasma vapor deposition apparatus, wherein the shield bias applying mechanism applies a negative shield bias voltage to the deposition shield during film formation .
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