JP3553612B2 - アテローム性動脈硬化および同等な疾病のスクリーニング試験法 - Google Patents

アテローム性動脈硬化および同等な疾病のスクリーニング試験法 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は新規診断法に関する。更に詳しく言えば、本発明は、活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化および同様な疾病、例えば関節炎、炎症性腸疾患、虚血性リパーフュージョン(reperfusion)損傷ならびに同様な炎症および血管疾患、の診断法およびスクリーニング試験法に関する。
合衆国における死亡の主因は心臓病である。合衆国においては年間約百万人が心臓病で死亡する。実際には、心臓病は多種多様な病気であり、その多くの主な原因は動脈硬化である。
アテローム性動脈硬化は、プラークと呼ばれる脂肪沈着物が内膜(動脈内壁)に蓄積する動脈硬化の一般的な形式である。心臓へ血液を供給する動脈に対して生じた狭窄の結果として、心臓の酸素供給(血液により運ばれる)が減少する。血液供給が目立って減少すると、個人は狭心症の苦痛を感じるかもしれない。このような苦痛は、例えば興奮が高まる、あるいは運動している間、心臓が異常に大量の血液を必要とする場合に悪化することが多い。このようにして心臓がその酸素供給を阻んだとき、心臓組織は死ぬ。即ち、冠動脈閉塞あるいは心筋梗塞が起こり、もし広い区域の組織が影響を受けるなら、致命的となりうる。
従って、個人が狭心症の痛みの症状を経験したときには、急いで医学的救助を求めるのがよい。もし既に痛みが起こっていたならば、心筋梗塞を防止するため、あるいは医療を受けるために、早い医学的対応が必要かも知れない。
心臓疾患と闘うために使われる多くの治療剤はあるけれども、それらの使用は、既に過度の組織損傷が起こっている場合に限られる。血管形成術あるいはバイパス外科手術といった外科的介入も必要かも知れない。
上記事項からみて、アテローム性動脈硬化に対する診断法およびスクリーニング試験は、医学分野で重要な実際の使用価値をもつ筈であることは明白である。このような診断法は、食餌、運動などといった個人のコントロールの中で予防手段を設けるために、あるいは心筋梗塞の開始前に治療の介入を行なうために有用であろう。
従って、本発明の主要な目的は、活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化および類似の疾病、例えば関節炎、炎症性腸疾患、虚血性リパーフュージョン損傷およびそれに類する炎症および血管の病気、に対する診断法あるいは予防的スクリーニング試験法を提供することである。
もう一つの目的は、例えば心臓カテーテル法のような侵害的手順とは違って、患者に対し本質的に非侵害的なアテローム性動脈硬化診断法を提供することにある。
(注:以下の背景となる情報ならびに当業者にとって公知の通常の試験法および実験室的手順、および本明細書中で用いられている他のこのような最新式の技術に関する参考文献をカッコ内に示し、本明細書の末尾に付けた)。
高コレステロール血症と高血糖症とは、アテローム性動脈硬化性血管疾患に対する二つの重要な危険因子である(1,2)。 反応性アルデヒドによるタンパク質の共有結合性修飾が、これら障害の両方においてアテローム誘発に関係している(3−5)。以前の報告は、血液コレステロールの主要な運び手である低密度リポタンパク質(LDL)が、動脈硬化の病理学的発生を開始するためには酸化的に修飾されねばならないことを示している(4,6,7)。
酸化されたLDL脂質から誘導されたアルデヒドは、これら病変の多くを媒介する上で重要な役割を演じることがある(3−7)。糖尿病性血管疾患も同様に血管壁および血漿タンパク質のグルコース(その開鎖形において反応性アルデヒド部分を有する)による共有結合性修飾から起こりうる(8−10)。
病気および老化の原因論において、反応性アルデヒドの潜在的重要性に広汎な関心があるにも拘らず(3−12)、生体内でアルデヒドとタンパク質との間に生成される共有結合性付加体の性質に関しては殆ど知られていない。アルデヒドで修飾されたタンパク質を検出するための大抵の研究は、免疫組織化学的方法に頼っており、同起源エピトープ(複数のことがある)の正しい構造(複数かもしれない)は一般に不明である。事実、生体内でのアルデヒドとタンパク質との反応の生成物で、十分にその特性が明らかにされた唯一のものはグルコースリシン(17)、フルクトースリシン(Amadori生成物;文献17)、ペントシジン(18)、およびNε−(カルボキシメチル)リシン(19)であり、これらは容器内で還元糖とタンパク質との反応により生成される。
血管損傷に対して、本明細書中に提出し考察した一つの潜在的経路は、食細胞により分泌されるヘムタンパク質であるミエロペルオキシダーゼを含んでいる(7,20−22)。ミエロペルオキシダーゼは、食細胞によりつくり出されたH2O2を利用して拡散性細胞毒性オキシダントを生成させる(23−28)。免疫組織化学的および生物化学的研究は、活性ミエロペルオキシダーゼがヒトの動脈硬化性病変の成分であることを実証した(22)。アテローム性動脈硬化性病変部位(15)における酵素(22)およびタンパク質の結合した脂質酸化生成物に対する免疫学的染色のパターンは著しく類似している。
ミエロペルオキシダーゼの最もよく特性が明らかにされた生成物は次亜塩素酸(HOCl)で、このものは塩化物イオン(Cl-)から2電子酸化反応(反応式1:文献21,23)で発生する。
Cl-+H2O2+H+→HOCl+H2O (反応式1)
HOClはヘムタンパク質を漂白し(30)、アミンをクロラミンに変え(31−33)、スルフヒドリル基を不活性化し(34,35)、不飽和脂質を塩素化する(36−38)。
ミエロペルオキシダーゼによる酸化のもう一つの基質はL−チロシンである。このものは一電子酸化反応を受けてチロシルラジカルを生成する(25,26)。チロシルラジカルはタンパク質と結合したチロシル残基をO,O´−ジチロシンに変え、脂質の過酸化を開始させる。この過酸化がLDLにアテローム誘発性を付与するのかも知れない(25,26,39,40)。
活性化食細胞はまたミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系を用いてL−チロシンを両親媒性アルデヒド、p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド(pHA)に変換することが最近実証された(27)。L−チロシンおよびCl-の生理学的濃度において、pHAは食細胞活性化の主要生成物である(27)。
発明の簡単な説明
本発明は、活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化およびそれに類する疾病に対する診断法およびスクリーニング試験法を提供するものである。
本法は、体液または組織中で、ミエロペルオキシダーゼーが媒介する酸化的損傷に対する高度に選択的かつ敏感なマーカーとして、p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド−リシン(pHA−リシン)の存在を測定することからなる。
患者の体液または組織から、通常の患者における濃度に比して実質的に高い濃度でpHA−リシンが検出されることは、活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化および多種多様な病気のスクリーニングに役立つ。
本診断法はまた活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化および類似の疾患に対する治療の介入の有効性をモニターするための、また生体内での酸化的緊張に対する検定法として有用である。
本診断法に使用する体液または組織は、例えば活性化食細胞の代謝生成物を含む血清または血漿、尿または体組織あるいは細胞でよい。
本発明によると、食細胞によるL−チロシン酸化の主要生成物であるpHAは、タンパク質のリシン残基の遊離アミノ基と反応してSchiff塩基を生成することが分かった(下記のスキームI参照)。還元されたタンパク質付加体の構造は、質量分析および高分解能NMR分光法により、疑う余地なくpHA−リシンとして確定された。更にまた、ヒトの炎症組織からpHA−リシンが検出され、pHAが生体内でタンパク質を修飾することが実証された。
pHA−リシンはまた合成的に調製されたpHA、ミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系により酸化されたL−チロシン、および活性化ヒト食細胞により酸化されたL−チロシンに暴露されたモデルタンパク質でも発生した。これらの結果は、反応経路における重要な段階として、ミエロペルオキシダーゼによる遊離pHA発生を示している。これらの発見事項と一致して、H2O2スカベンジャーであるカタラーゼの添加、およびペルオキシダーゼ阻害剤のアジ化物およびシアン化物の添加は、精製酵素系および活性化ヒト好中球の両方によりpHA−リシン発生を抑制した。
完全な好中球および赤血球の細胞内タンパク質および膜関連タンパク質上でのリシン残基の共有結合による修飾が、ミエロペルオキシダーゼによるpHA合成後に観察された。従って、炎症部位でのpHA産生は細胞外、膜性および細胞内の標的タンパク質の共有結合による修飾を起こす。
pHA−リシンは、pHAに暴露され、NaCNBH3で還元され、そして酸加水分解を受けたモデルタンパク質のアミノ酸加水分解物中に検出される主要な付加体である。従って、ヒト組織中のpHA−リシンの検出は、アテローム性動脈硬化症の場合のように、ミエロペルオキシダーゼ媒介酸化的損傷に対する高度に選択的かつ敏感なマーカーとして役立つ。ここに開発された安定同位体希釈GC−MS分析は、フェムトモル(femtomole)濃度でpHA−リシンを検出でき、種々な炎症性疾患状態において、食細胞発生アルデヒドによるタンパク質修飾の度合を評価するための有用性に確証を与える。
発明の詳細な説明
本明細書は、本発明を構成すると考えられる主題事項を個々に指摘し、別々に請求する請求項で結んでいるが、本発明は図面と共に取り上げた特に適当な具体例についての下記の詳細な説明から一層よく理解されるであろう。該図は簡単に言えば:
【図面の簡単な説明】
図1は、pHAとNα−アセチル−リシンとの間の反応で生成した還元シッフ塩基付加体の逆相HPLC検出を示す。pHA(2mM)およびNα−アセチル−リシン(4mM)の両方を、あるいはいずれかの成分単独を含む反応物を、20mMリン酸ナトリウム、100μm DTPA(pH7.4)中37℃で4時間インキュベートした。次にNaCNBH3(10mM)を加え、反応混合物を37℃で一晩インキュベートした。生成物を、後の「方法」のところで説明されているC18カラム上のHPLC分析にかけた。pHAおよびNα−アセチル−リシン両方の存在下で生じた単一の主要酸安定性化合物(保持時間14.0分)を集め、これを図2−4で述べた試験によりNα−アセチル−Nε−pHA−リシンとして同定した。
図2は、二つの部分、図2Aと2Bにおいて、pHAとNα−アセチル−リシンとの間で生じた還元シッフ塩基の負イオン化学イオン化−ガスクロマトグラフィー−質量スペクトルを示す。Nα−アセチル−リシンとpHAとの間の反応の主生成物(図1、保持時間14.0分)を逆相HPLCにより単離し、そのn−プロピルエステル、per−PFP誘導体を「方法」のところで述べるGC−MS分析にかけた。
(図2A)誘導体化HPLC−精製生成物の全イオンクロマトグラム。
(図2B)誘導体化HPLC精製生成物の負イオン化学イオン化質量スペクトル。質量スペクトルは、提出した構造(挿入図、図2B)およびNα−アセチル−Nε−pHA−リシンのn−プロピルエステル、per−PFP誘導体のフラグメンテーションパターン(挿入図、図2A)と一致する。
ガスクロマトグラフィーによる分離は、次の温度勾配:60℃/分で60℃から150℃、次に10℃/分で150℃から250℃、で操作した15m DB−5キャピラリーカラム(J & W Scientific;内径0.35mm、膜厚1.0μm)上で行なった。インジェクター、トランスファーライン、およびソース温度はそれぞれ250℃、250℃および150℃にセットした。
図3は、pHAとNα−アセチル−リシンとの間で生じた還元シッフ塩基の1H NMRスペクトルを示す。Nα−アセチル−リシンとpHAとの主生成物(図1、保持時間14.0分)を、「方法」のところで述べるように、逆相HPLCにより単離し、1H NMRにより分析した。TOCSYにより確定したピーク帰属(図4)を描き(挿入図)、相対的積分面積を示した。α−プロトンおよびアミド(Nα−Nε)プロトンの積分面積が<1であるのは、それぞれ交換水(信号励起前に照射)から生ずる部分的な抑制と飽和移動によるものである。
「α」と帰属されたプロトンは縮退せず、一つはメチレン(f)信号に非常に接近して共鳴する。中性pHにおいて、アミドに隣接するプロトンは近くのメチレン基とのカップリングを示すが、溶媒と迅速に交換するアミドプロトンとはカップリングしない。DClを添加すると、アミド交換は遅くなり(アミドプロトンの検出が可能)、アミドに隣接する共鳴のブロード化を起こす。溶媒との迅速な交換のために観察されなかったプロトンは(L)と表示してある。
図4は、Nα−アセチル−Nε−pHA−リシンの二次元全相関スペクトルを示す。このスペクトルに用いた試料は図3に用いたものと同一である。交差ピークは還元シッフ塩基の共鳴(図3)の帰属を可能にする。F1とF2中の4.7ppm近くの人工物は強い水信号から生じたものである。
図5は、放射能標識したpHAと反応させたBSAの逆相HPLC分析を示す。BSA(1mg/ml)を、緩衝液B(20mMリン酸ナトリウム、100μM DTPA、pH7.0)中で精製[14C]pHA(1.0mM)と37℃で2時間インキュベートした。反応生成物を10mM NaCNBH3の添加により還元し、37℃で1時間インキュベーションし、そして次に修飾されたBSAを0℃で10%トリクロロ酢酸により沈殿させた。
ペレットを氷冷10%トリクロロ酢酸で二回洗浄し、「方法」のところで説明するようにHBrで加水分解した。このアミノ酸加水分解物を、1ml/分で25分間にわたり、0.1%TFA(pH2.5)中0〜100%メタノールの直線勾配を用いる逆相HPLCにかけた。フラクションを乾燥し、シンチレーション分光測定により分析した。主要な放射能化合物の実体がpHA−リシンであることはGC−MS分析により確かめられた。BSAから誘導されたL−チロシンがこれらHPLC条件下でpHA−リシンと共に溶離し、A276nmにおける吸光度に寄与することに注意されたい。
図6は、二つの部分図6Aと図6Bとして、ミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-−チロシン系に暴露された赤血球の細胞質タンパク質および膜関連タンパク質中のpHA−リシンの定量を示す。全血から得た赤血球(1×106個/ml)を、ミエロペルオキシダーゼ(40nM)、H2O2(100μM)、100mM Cl-、およびL−チロシン(100μM)と共に、媒質B中37℃で1時間インキュベートした。NaCNBH3で還元後、赤血球シトゾルタンパク質および膜関連タンパク質を、「方法」のところで述べるように、超遠心により単離した。
(図6A):赤血球細胞質タンパク質および膜関連タンパク質中のpHA−リシンの含量を、安定同位体希釈GC−MSにより定量した。値は三回の独立した定量操作に対する平均+/−SEMを表わす。
(図6B):ミエロペルオキシダーゼにより発生したpHAに暴露された赤血球細胞質タンパク質および膜関連タンパク質から得たpHA−リシンの基準ピーク(m/z726;M・−−HF)および他の主要フラグメントイオン(m/z706;M・−−2HF)の選ばれたイオンモニタリング。
ガスクロマトグラフィー分離は、次の温度勾配:60℃/分で70℃かに200℃;次に10℃/分で200℃から270℃、で操作した12m HP−1キャピラリーカラム(Hewlett Packard;内径0.20mm、膜厚0.33μm)上で行なった。インジェクター、トランスファーライン、およびソース温度はそれぞれ250℃、250℃および180℃にセットした。13C6]−標準pHA−リシン内部標準から生じたイオン。
図7は、活性化ヒト好中球に暴露されたBSAにおけるpHA−リシン生成を示す。新しく採取したヒト好中球(1×106個/ml)を、BSA(1mg/ml)およびL−チロシン(100μM)で補充した媒質A中でインキュベーションした。細胞をホルボールミリステートアセテート(200nM)で刺激し、37℃で2時間インキュベートし、37℃において2時間NaCNBH3(最終10mM)で還元した。好中球を遠心により除いた。
上澄中のタンパク質を10%トリクロロ酢酸で0℃において沈殿させ、酸加水分解し、アミノ酸加水分解物をGC−MSにかけた。負イオン化学イオン化質量スペクトルおよびpHA−リシンのn−プロピルエステル、per PFP誘導体の提出したフラグメンションパターンを例示する。13C6]−標識pHA−リシン内部標準から生ずるイオン。
図8は、活性化ヒト好中球の内因性タンパク質におけるpHA−リシンの生成を示す。完全な系(コンプリート)は、新しく採取したヒト好中球(1×106個/ml)を、200μMのL−チロシンおよび200nMのホルボールミリステートアセテート(PMA)で補充した媒質A中でインキュベートしたものである。37℃で60分のインキュベート後に、細胞をペレット化した。好中球タンパク質を37℃で2時間10mM NaCNBH3により還元し、酸加水分解にかけた。アミノ酸加水分解物中のpHA−リシンの含有量を、安定同位体希釈GC−MSにより定量した。指示した場合には、超酸化物ジスムターゼ(SOD;10μg/ml)、イオノマイシン抗生物質(IONO;1μM)、NaN3(1mM)、NaCN(1mM)またはカタラーゼ(20μg/ml)を完全系と共に含めた。
図9は、ヒト炎症組織中のpHA−リシンの質量分析による検出を示す。腹腔内膿瘍から得た液体を集め、カタラーゼおよびアジ化ナトリウムを補なった氷冷緩衝液Bと1:1(v:v)で混合し、次に、直ちに氷冷した水に浸けた。試料を100mM酢酸アンモニウムの存在下、10mM NaCNBH3により還元し、脱脂質し、13C−標準pHA−リシン内部標準を加えた。
タンパク質を酸加水分解し、C18逆相カラムを用いて単離し、「方法」のところで説明するように、選択イオンモニターイングGC−MS分析のために誘導体化した。pHA−リシンのn−プロピル−per PFP誘導体から生ずるイオンをm/z746(M・−),726(M・−−HF),706(M・−−2HF),682(M・−−HF−CO2),598(M・−−CF3CF2CHO)および479(M・−−CF3CF2COO−C6H4−CH2CH2)でモニターした。
これらイオンの保持時間は、[13C6]−標識pHA−リシン内部標準から誘導された対応するイオンと同一であった。ガスクロマトグラフィーによる分離は、次の温度勾配:175℃で3分間、次に40℃/分で175℃から270℃、で操作した30m DB−17キャピラリーカラム(J & W Scientific;内径0.25mm、膜厚0.25μm)上で行なった。インジェクター、トランスファーライン、およびソース温度は、それぞれ250℃、250℃および120℃にセットした。
本発明を更に詳細に説明するために、下記の例を実施するが、本発明がこれら特定の例に、あるいは例中に述べられた詳細事項に限定されないことは明らかであろう。

材料
D2O、L−[13C6]リシンおよびL−[13C6]チロシンは、Cambridge Isotope,Inc.から購入した。L−[14C]チロシンはDupont−New England Nuclearから購入した。HPLC溶媒はBaxterから購入した。Chelex−100樹脂、脂肪酸不含BSAおよび結晶カタラーゼ(ウシ肝臓から得た;チモールを含まず)はBoehringer−Mannheimから購入した。リン酸ナトリウム、酢酸エチル、H2O2およびNaOClはFisher Chemical Companyから購入した。他の材料はすべて、特に指示した場合を除き、Sigma Chemical Companyから購入した。
方法
一般手順
以前に記述されている通り(25,41)、ミエロペルオキシダーゼ(ドナー:過酸化水素、オキシドレダクターゼ、EC1.11.1.7)を単離し(A430nm/A280nm比0.6)、貯蔵した。
酵素濃度を分光測光法で測定した(ε430=170mM-1cm-1;文献42)。ヒト好中球を浮遊密度遠心(27)により単離した。細胞実験は、100μMジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)で補った媒質A(ハンクス液、マグネシウム、カルシウム、フェノールおよび重炭酸塩を含まず;pH7.2;Gibco−BRL)で行なった。
好中球実験については、イオノマイシンおよびホルボールミリステートアセテートをそれぞれエタノールまたはジメチルスルホキシド中の濃縮原液から加え、各ビヒクルの最終含量を≦0.2%(v/v)とした。
HOCl濃度は、分光測光により決定した。
(ε292=350M-1cm-1;文献43)
緩衝液はレドックス活性金属を除くために、100μM DTPAで処理し、かつこれで補ったChelex−100である。
* デシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)はLaemmli(44)により記述された方法で行なった。
* タンパク質含量は、標準としてウシ血清アルブミンを用いるLowry等(45)の方法により測定した。
* アミノ酸分析は、Washington University School of Medicine protein Chemistry Core Laboratoryで行なった。アミノ酸加水分解物の6−アミノキノイル−N−ヒドロキシ−スクシンイミジルカルバメートによるプレカラム誘導体化は、紫外検知による高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)に従った(46,47)。
pHAの合成 NaOCl(1:1、モル:モル)を、L−チロシン(20mMリン酸ナトリウム、pH7.4中2mM)へ0℃で絶えずかきまぜながら滴加した。次に溶液を37℃に60分加温し、直ちに実験に用いた。調製物は使用に先立ち逆相HPLCにより分析した。普通は≧95%純粋であった。
高性能液体クロマトグラフィー pHAのHPLC分析は、溶媒A(5%メタノール、0.1%トリフルオロ酸酸(TFA)、pH2.5)で平衡化したC18カラム(Beckman μporacil、5μm樹脂、4.6mm×260mm)を用いて行なった。
生成物は、吸光度(A276nm)によりモニターし、下記のように、溶媒B(90%メタノール、0.1%TFA、pH2.5)で発生させた非直線勾配により、流速1ml/分で溶離した:
10分間にわたり溶媒B0%から35%;
20分間溶媒B35%でアイソクラチック溶出
10分間にわたりB12%から100%。
14C]pHA−リシンは、下記の勾配:
5分間にわたり溶媒B0%から10%;
20分間10%でアイソクラチック(isocratic)溶出;
10分間にわたり溶媒B10%から100%
を用いる逆相HPLC(表I、後述)で単離後、シンチレーション分光測定により定量した。これら条件下で、pHA−リシンはチロシンから基線分解(base−line resolved)された。
pHA−リシン付加体の生成 前記図の簡単な説明の中で示した反応条件下、37℃で4時間反応を行なった。次にシッフ塩基付加体を10mM NaCNBH3の添加と一晩の(あるいは指示された時間)37℃インキュベーションにより還元した。示されている場合には、還元中遊離pHAを除去するために100mM酢酸アンモニウムを含めた。
完全な細胞の膜関連タンパク質および細胞質タンパク質上でのpHA−リシン生成 媒質B(10mMリン酸塩緩衝食塩水、pH7.0(Sigma Chemical Company)、100μM DTPAで補充)で最終濃度1×106個赤血球/mlに希釈した全血を、ミエロペルオキシダーゼ(40nM)、H2O2(100μM)およびL−チロシン(100μM)と37℃で1時間インキュベーションした。
シッフ塩基付加体を、100mM酢酸アンモニウムの存在下、37℃で2時間10mM NaCNBH3とインキュベートすることにより還元した。細胞を4℃で15分遠心(5000×g)することによりペレット化し、媒質Bで二回洗浄し、次に固く適合したPotter−Elvejheimホモジナイザーを用いて氷上で均質化した。
細胞溶解物を超遠心(100,000×g,4℃で1時間)により可溶性画分と膜関連画分とに分別し、水洗したジエチルエーテル(1:1;v:v)で二回連続抽出することにより脱脂質し、L−[13C6]チロシン(300ナノモル;タンパク質分のマーカー)およびNα−アセチル−Nε−[13C6]pHA−リシン(20ピコモル)を内部標準として加えた。HBr加水分解およびC18 Supelcoカラム上での固相抽出の後、pHA−リシン含量を後述のように安定同位体希釈GC−MSにより定量した。
α−アセチル−Nε−[13C6]pHA−リシン内部標準の調製 先ず、20mMリン酸ナトリウム(pH7.0)中L−[13C6]チロシン(2mM)を、前記のようにNaOClの添加によって[13C6]pHA(逆相HPLCにより評価したところ純度≧98%)に変えた。次にNα−アセチル−リシン(4mM)を加え、混合物を37℃で4時間インキュベートし、シッフ塩基を10mM NaCNBH3と一晩インキュベートすることにより還元した。Nα−アセチル−Nε−[13C6]pHA−リシンを逆相HPLCにより単離した(図1)。
タンパク質加水分解 pHAにより共有結合で修飾されたタンパク質の溶液を真空乾燥した。次に既知量のL−[13C6]リジンまたはL−[13C6]チロシンのいずれか、およびNα−アセチル−Nε−[13C6]pHA−リシンを内部標準として加えた。フェノール(1%)を添加したHBr(6N,0.5ml)を、Mininert気密弁を具えた2mlガラス反応容器中で試料(タンパク質250μg)へ加え、試料を排気およびアルゴンガスによる掃気を交互に5回行なった。アルゴンで覆われた溶液を120℃で24時間加水分解した。このタンパク質加水分解物を0.1%TFAで2.0mlに希釈し、0.1%TFAで平衡化したC18カラム(Supleclean,3ml,Supelco Co.)に適用した。0.1%TFA2mlで洗浄後、pHA−リシンを0.1%TFA中20%メタノール2mlで回収した。
誘導体化に先立ち、試料を無水N2または真空いずれかの下で蒸発乾固した。n−プロパノール(Cambridge Isotope Laboratories)中3.5M HBr200μlを添加し、次いで65℃で30分加熱することによりn−プロピルエステルを調製した。プロピル化生成物をN2下で乾燥し、次に酢酸エチル中過剰のペンタフルオロプロピオン酸無水物(Pierce Chemical Co.)(1:3;v:v)を加えて65℃で1時間加熱することによりペンタフルオロプロピオニル(PFP)誘導体を生成させた。エステル化反応生成物のヘプタフルオロブチリル(HFB)誘導体は、酢酸エチル/ヘプタフルオロ酪酸無水物(4:1,v/v)50μlを加え、65℃で30分加熱することにより調製した。
組織の収集 試料を氷の中に浸し、収集30分以内処理した。シッフ塩基を、50mMリン酸ナトリウム(pH7.4)中100mM酢酸アンモニウム(遊離アルデヒドを除去するため)、1mM NaN3(ミエロペルオキシダーゼ阻害剤)および300nMカタラーゼ(H2O2スカベンジャー)の存在下、10mM NaCNBH3で37℃において1時間還元することにより、酸に対して安定化させた。予備的実験によると、試料にミエロペルオキシダーゼ(20nM)およびH2O2(100μM)を追加したとき、これら条件下で更にpHA−リシンが生成することはないことが確かめられた。
その後試料を脱脂質し、タンパク質ペレットを排煙フード下で10%トリクロロ酢酸により0℃で二回洗浄し、次に酸加水分解に付し、C18ミニカラム上で固相抽出し、GC−MS分析に供するため誘導体化した。
質量分析 負イオン化学イオン化モードで安定同位体希釈GC−MSを用いることによりアミノ酸を定量した。拡張された質量範囲をもつHewlett Packard 5988A質量分析計とインターフェースで連結したHewlett Packard 5890ガスクロマトグラフを用いて試料を分析した。ガスクロマトグラフィー分離は、典型的には、キャリヤーガスとしてHeを用い、スプリットレスモードで12m HP−1キャピラリーカラム(Hewlett Packard;内径0.2mm、膜厚0.33μm)を用いることにより行なった。特に断らない限り、次の温度勾配:60℃/分で70℃から200℃、次いで10℃/分で200℃から250℃、でカラムを操作した。インジェクター、トランスファーラインおよびソース温度は、それぞれ250℃、250℃、および150℃にセットした。VG−ZAB SE二重集束質量分析計を用いて高分解質量分析を行ない、主要イオンの元素組成を決定することによりそれらのここに提出した構造帰属を確証した。分解能は、標準としてペルフルオロケロシンを用いて10,000にセットした。
アミノ酸は選ばれたイオンのモニターイングを用いてそれらのn−プロピル、per−PFP誘導体として定量した。pHA−リシンはm/z726(M・−−HF)の基準ピーク、他の主要フラグメントイオンm/z706(M・−−2HF)、およびそれらの対応する同位体標識した内部標準イオンm/z732およびm/z712を用いてモニターした。L−チロシンはm/z367(M・−−PFP)の基準ピーク、m/z495(M・−−HF)の他の主要フラグメントイオン、およびm/z373とm/z501におけるそれらの対応した同位体標識内部標準イオンを用いてモニターした。L−リシンはm/z460(M・−−HF)の基準ピーク、他の主要フラグメントイオンm/z440(M・−−2HF)、およびそれらの対応する同位体標識した内部標準イオンm/z466およびm/z446を用いてモニターした。
定量化は、各真正化合物およびその同位体標識した内部標準を用いて構成された校正曲線に基づいた。被検物質と同時に溶出する妨害イオンが無いことを確かめるために、各化合物およびその内部標準の二つの特徴的なイオンのイオン流の比を通常の仕方でモニターした。すべてのアミノ酸は基線分離され、13C標識された内部標準と共に溶出した。検出限界(信号/ノイズ>10)は全化合物に対し<1ピコモルであった。
NMR研究
Nalorac間接検知プローブを具えたVarian Unity−Plus 500分光計(1Hに対し499,843MHz)を用い、HPLC精製Nα−アセチル−Nε−pHA−リシンについて25℃においてD2O:(1:9;v:v)中で分析を行なった。1H化学シフトは外部D2O中3−(トリメチルシリル)−プロピオン酸ナトリウム−2,2,3,3−d4を標準とした。
NMR分析に先立ち、Nα−アセチル−Nε−pHA−リシンの試料をアミドプロトン交換の抑制が観察されるまでDCl(Cambridge Isotopes Inc.)で酸性にした。プロトンおよび全相関分光法(TOCSY)実験に対し、トランスミッター前照射により強い水の信号を減弱化した。Nα−アセチル−Nε−リシンのプロトンNMRスペクトルを25℃で64トランジェントから、下記条件:プリ−アクイジション ディレー=2秒、アクイジション タイプ=1.89秒(37,760コンプレックス データポイント)、パルス幅=7μs(フリップ角80゜)およびスペクトル幅=10,000Hzで記録した。自由誘導減衰は1.0Hzの線幅ブロード化アポディゼーションで処理した。TOCSYについては、200t1ドメインインクリーメントの各々に対し8トランジェントを集めた。10ミリ秒の混合時間を用い、最も強いスカラーカップリング(ジェミナールおよびビシナール)だけについて交差ピークを得た。アクイジションタイムはt2で0.256秒(2048コンプレックス データポイント)およびt1で0.050秒(200データポイント)であった。TOCSYデータはt1およびt2ジメンション両方で、ガウスの秤量を用いるハイパーコンプレックス法(hypercomplex method)により処理した。強い水の共鳴から生ずる人工現象を抑えるためデジタル信号処理を用いた。
結果
pHAは、Nα−アセチル−リシンの遊離アミノ基とシッフ塩基付加体を生成する。 最初、生成物の単離と同定を容易にするため、タンパク質上の遊離アミノ基に対するモデル化合物であるNα−アセチル−リシンとpHAとの反応について研究した。反応は、リン酸塩緩衝生理食塩溶液中pH7.4、37℃で行なった。
NaCNBH3による還元後、完全反応混合物の逆相HPLC分析は、単一の主要な酸安定生成物(図1;保持時間14.0分)を示した。この化合物の生成は、pHAとNα−アセチル−リシン両方の存在を必要とした(図1)。このものはHPLC分析に用いた酸性条件下で還元なしでは検出できなかった。
NMRおよびGC−MSによる安定な還元生成物の特徴づけ(下記参照)はそれがNα−アセチル−Nε−pHA−リシンであることを実証した(スキームI)。酸存在下でこの化合物を検出できないことは、アルデヒドとNα−アセチル−リシンの遊離アミノ基との最初の反応がシッフ塩基の生成を起こしたことを示唆した。次に、シッフ塩基を還元すると酸に安定なアルデヒド−リシン付加体が生成するであろう(スキームI)。
化合物の構造を決定するために、反応混合物をNaCNBH3で還元し、HPLC精製物質を誘導体化し、GC−MS分析にかけた。全イオンクロマトグラムに物質の単一の主要ピークが現われた(図2A)。化合物のn−プロピルエステル、per−PFP誘導体の負イオン化学イオン化質量スペクトル(図2B)は、pHA−リシンの提出した構造と一致した(図2A、挿入図)。
この化合物は、選ばれたイオンモニターイングで、化合物の質量スペクトルに見られる主要イオンと一緒に溶出するm/z746(分子イオン(M・−)の予期したm/z)の低存在量イオンを実証した。化合物のn−プロピルエステル、per−HFB誘導体のGC−MS分析も、提出した構造と一致する質量スペクトルを示した;イオンはm/z896(M・−)、876(M・−−HF)、856(M・−−2HF)、832(M・−−HF−CO2)、698(M・−−CF3CF2CF2CHO)および579(M・−−CF3CF2COO−C6H4−CH2CH2)に観察された。
NMR分光法を実施し、疑う余地なく化合物の構造を確立した(図3)。1H NMRスペクトルの化学シフトおよび積分されたピーク面積は、両方ともpHA−リシンの構造と一致した(図3、挿入図)。プロトンの帰属を確かめるため、TOCSYを用いて共鳴間のスカラーカップリングを確認した(図4)。TOCSY実験で観察された2,3−結合 H−Hカップリングの連続順序は、化合物の構造がNα−アセチル−Nε−pHA−リシンであることを確定した。要約すると、これらの研究は、pHAがNα−アセチル−リシンの遊離アミノ基とシッフ塩基を形成すること、および安定な還元生成物の構造がNα−アセチル−Nε−pHA−リシンであることを示している。
ミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系により発生したpHAがBSAのリシン残基を共有結合で修飾する。 L−[14C]チロシンを用いた予備実験は、SDS−PAGEおよびその後のオートラジオグラフィーにより評価される通り、完全なミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系の存在下で、ウシ血清アルブミン(BSA)がL−チロシン誘導生成物により共有結合で修飾されることを実証した。
pHAとリシンのε−アミノ基との間のシッフ塩基付加体が、一部は、この反応の原因となるかどうかを決定するため、生理学的濃度(48)の14C標識されたL−チロシン(100μM)と塩化物(100mM)を追加したミエロペルオキシダーゼ−H2O2系にBSAを暴露した。
インキュベーション後、タンパク質をNaCNBH3で還元し、[14C]pHA−リシン含量を、「方法」のところで述べたように逆相HPLCおよびシンチレーションカウンティングにより測定した。完全ミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系の存在下で、BSAのリシン残基はpHA−リシンへ変換された(表I)。付加体の合成は、ミエロペルオキシダーゼ、H2O2、L−チロシンおよびCl-の存在を要求しており、H2O2スカベンジャーカタラーゼにより妨害された(表I)。アジ化物またはシアン化物、二種のヘムタンパク質阻害剤、いずれかを添加するとpHA−リシン合成の阻害が起こり、この反応がペルオキシダーゼに依存していることと一致する。
この酵素反応のC1依存性は、HOCl(あるいは、恐らくは酵素と結合した次亜塩素酸塩;文献49,50)がpHA生成における中間体であることを示唆している(27)。この提案と一致して、BSAに対するHOClおよびL−トリプシンの添加はNε−リシン残基の共有結合による修飾を起こした(表I)。更にまた、基質として塩化物を利用しないラクトペルオキシダーゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼは、両方ともpHA(27)またはリシン付加体を発生させなかった(表I)。pHAによるBSAの共有結合修飾は、遊離金属イオンに無関係であった。それはすべての反応が、金属で触媒される反応の強力な阻害剤であるDTPAの存在下で行なわれたからである。
pHAとBSAとの間で生じた主要な共有結合付加体はpHA−リシンである。 他の潜在的タンパク質付加体と比較して、pHA−リシンの定量的重要性を決定するために、HPLC精製した14C−標識pHAとBSAをインキュベートした。次に修飾タンパク質をNaCNBH3とインキュベートし、HBrで加水分解し、アミノ酸加水分解物を逆相HPLCおよびシンチレーション分光測定により分析した。アミノ酸加水分解物中に回収された放射能の80%以上が真正pHA−リシンと共にクロマトグラフィー挙動を示した(図5)。放射能標識された化合物がpHA−リシンと同一であることはGC−MS分析により確証が与えられた。
アミノ酸分析によれば、リシンがpHAによる共有結合修飾に対する主な標的であることが確証された。NaCNBH3存在下にBSAを精製pHAとインキュベーションにすると、タンパク質中の全L−リシン残基のうちの34%が消費された。また少量ではあるが、一貫したL−アルギニンの減損(〜6%)も観察され、これは図5に見られる終り頃の溶出生成物を説明できる。また、少量ではあるが一貫したL−アスパラギン酸の減損(〜3%)があり、このことは反応がBSAのN−末端アスパラギン酸の遊離アミノ基を含むことを示唆する。
シッフ塩基は、それらの母体アルデヒドおよびアミノ部分との平衡状態にある。NaCNBH3の存在下で、pHA−リシン生成は存在するシッフ塩基の還元により促進される。還元剤欠如下で修飾されるタンパク質リシン残基の数を見積るため、BSAをpHAとインキュベーションし、次にこのシッフ塩基付加体を、高濃度の酢酸アンモニウム(未反応pHAを除去するため)の存在下でNaCNBH3還元により安定化した。アミノ酸加水分解は、これら条件下でpHAによる共有結合修飾に対する主要標的がリシンであることを証明した(表II)。L−リシン残基の減損は、アミノ酸分析に際してL−グリシンと共に溶出する新しい生成物の出現と、これがpHA−リシンを代表すると考えられることにより説明された。
pHA、両親媒性L−チロシン酸化生成物、は完全な細胞の肝要な膜および細胞質のタンパク質を共有結合で修飾する。 以前の研究によれば、活性化好中球により生じたpHAの〜90%が、アルデヒドの両親媒性のため、膜部分に配分されることが示された(27)。それ故に、ミエロペルオキシダーゼで発生したpHAが、完全細胞の膜関連タンパク質と細胞質タンパク質を共有結合によって修飾しうるかどうかを本発明により決定したのである。赤血球をミエロペルオキシダーゼ、H2O2および生理学的濃度のL−チロシンおよびCl-と共にインキュベートし、pHA−リシン生成の程度を測定した。
pHAとNα−リシン残基との間のシッフ塩基付加体の相当な量が、膜タンパク質および細胞質タンパク質両方に生成することがGC−MSにより検出された(図6A)。選ばれたイオンをモニターするGC−MS分析は、pHA−リシンに対して予期された主要イオンが、合成的につくられた[13C6]pHA−リシンのそれと共に溶出することを実証した(図6B)。
pHA−リシンの生成は、ミエロペルオキシダーゼ、H2O2、L−チロシン、および赤血球を必要とする。これらの結果は、pHAが血漿膜を通って容易に拡散して細胞内タンパク質と反応することを示す。膜関連タンパク質中にpHA−リシンが相対的に豊富に存在するのは、遊離pHAが最初にミエロペルオキシダーゼにより発生する細胞内環境と細胞外空間との境界面におけるpHAの高い局所濃度あるいはその所在のいずれかによるのかも知れない。
ヒト好中球により発生するpHAが、モデルタンパク質上でpHA−リシン付加体を生成する。 BSAおよび血漿濃度のL−チロシンを追加した平衡塩類溶液中でインキュベートしたホルボールエステル活性化ヒト好中球がpHA−リシンを発生させることは、安定同位体希釈GC−MSにより測定された通りである(図7および表III)。選ばれたイオンをモニターするGC−MSは、pHA−リシンの存在に確証を与え、合成的につくられた[13C6]pHA−リシンに見られるm/zおよび予期した保持時間をもつイオンを明らかにした。更にまた、好中球生成物の負イオン化学イオン化質量スペクトルは、真正pHA−リシンのそれと同一であった(図7および図2B参照)。
好中球により発生したpHAによるBSA中のリシン残基の共有結合修飾は、細胞、L−チロシン、および活性化させる刺激を必要とする(表III)。反応混合物へ超酸化物ジスムターゼ(中性pHにおいて、超酸化物陰イオンからH2O2への変換を500倍促進する(51))を添加すると付加体の収量を2倍増加させた(表III)。pHA合成を高める(27)カルシウムイオノホア、イオノマイシンの添加もまた更にpHA−リシン生成を起こし、これはH2O2合成の増進および/またはミエロペルオキシダーゼ脱顆粒と一致する。
活性化ヒト好中球による共有結合付加体の生成は、カタラーゼによる阻害に敏感であり、このことはH2O2がpHA−リシン合成に必要であることを示す。ヘム毒であるアジ化物およびシアン化物は、pHA−リシン生成を阻害するが、このことは細胞によるアルデヒド発生におけるミエロペルオキシダーゼの役割と一致する(27)。総括すると、本発明によるこれらの結果は、活性化されたヒト好中球がミエロペルオキシダーゼ−H2O2−Cl-系を用いることによりpHAを発生させ、次にこのpHAがタンパク質の遊離アミノ基と反応してpHA−リシンを生ずることを示している。
活性化好中球は内因性タンパク質上でpHA−リシン付加体を形成する。 生理学的濃度のL−チロシンを含む媒質中で、ホルボールエステルによるヒト好中球の活性化は好中球タンパク質の共有結合による修飾を起こした(図8)。BSAの場合と同様に、細胞媒介反応は、超酸化物ジスムターゼにより刺激され、ペルオキシダーゼ阻害剤(NaN3およびNaCN)またはH2O2スカベンジャー(カタラーゼ)のいずれかにより抑制される(図8)。
pHA−リシンはヒトの炎症組織中に存在する。 生体内でのタンパク質修飾におけるpHAの役割を調べるため、種々な急性炎症組織をリシン付加体の存在について検査した。過剰の酢酸アンモニウム(遊離アルデヒドを排除するため)、NaN3(ミエロペルオキシダーゼ阻害剤)およびカタラーゼ(H2O2スカベンジャー)の存在下で標品をNaCNBH3で還元した。その後、試料を脱脂質し、酸加水分解にかけ、GC−MSにより分析した。pHA−リシンは、選ばれたイオンをモニターすることにより、腹腔内膿瘍から単離された液体中に容易に検出された(図9)。痛風膝および感染毛巣のう胞から集めた標品についても同様な結果が得られた。
Figure 0003553612
Figure 0003553612
完全系は、緩衝液B(20mMリン酸ナトリウム、pH7.0、100μM DTPA)に、BSA(1mg/ml)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO;40nM)、H2O2(100μM)、L−[14C]チロシン(100μM)およびNaCl(100mM)を補充したものである。示した場合には、ラクトペルオキシダーゼ(100μg/ml)およびセイヨウワサビペルオキシダーゼ(10μg/ml)をミエロペルオキシダーゼの代りに使用し、あるいは試薬HOCl(100μM)をミエロペルオキシダーゼおよびH2O2の代りに用いた。37℃で1時間のインキュベーション後、反応生成物をNaCNBH3で還元し、BSAを沈殿させ、ペレットを10%トリクロロ酢酸で洗浄し(×3)、次いで酸加水分解した。次にアミノ酸加水分解物のpHA−リシン含量を、「方法」のところで述べたように、逆相HPLCおよびシンチレーションカウンティングにより測定した。生成物が何であるかをGC−MS分析により確認した。完全系におけるH2O2の2.5%および試薬HOClの5.5%**をpHA−リシンの生成に使用した。
Figure 0003553612
BSA(1mg/ml)に媒質B中でpHA(1mM)と37℃で一晩インキュベートした。反応を10mM NaCNBH3および100mM酢酸アンモニウム(それぞれ、シッフ塩基を還元するため、および遊離pHAを除去するため)の添加により停止させた。37℃で2時間のインキュベーション後、修飾されたタンパク質を、H2Oで平衡化したDG−10カラム(Bio−Rad)を用いてサイズ排除クロマトグラフィーにより単離した。次にタンパク質を真空下で乾燥し、酸加水分解し、「方法」のところで述べたように、アミノ酸分析にかけた。システイン、メチオニンおよびトリプトファンは酸に不安定であり、定量しなかった。
グリシンと推定pHA−リシン付加体の合算収量を表わす。
Figure 0003553612
ヒト好中球(1×106個/ml)を、DTPA(100μM)およびBSA(1mg/ml)で補充したHank's平衡塩類溶液中37℃で2時間インキュベートした。好中球をホルボールエステル(PMA;200nM)で活性化し、間欠的反転により浮遊状態に保った(完全系)。好中球を遠心により除去し、上澄中のシッフ塩基を、NaCNBH3(10mM)および酢酸アンモニウム(100mM)の添加により還元した。37℃で2時間のインキュベーション後、上澄中のタンパク質を氷冷10%トリクロロ酢酸で沈殿させ、タンパク質ペレットを酸加水分解にかけた。アミノ酸加水分解物のpHA−リシン含量を安定同位体希釈GC−MSにより定量した。SOD、超酸化物ジスムターゼ。
本発明の開示を読めば、本発明の主旨と範囲から離れることなく、種々な他の例が当業者にとって明白になるであろう。このような他のあらゆる例も請求の範囲内に含めるものとする。従って、体液または組織試料中のpHA−リシンの存在と濃度も、pHA−リシンに対する多クローン抗体または単クローン抗体を用いる免疫検定法において、免疫沈殿手順により測定できる。一部位および二部位放射線免疫検定法および酵素免疫検定法、例えばEngvall and Perlmann,J.Immunol.109、129−135(1972)により記述された酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、の手順を本発明診断法に使用できる。このような手順
Figure 0003553612
97(1975),およびEur.J.Immunol.,511−519(1976);およびGoding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press Inc.,New York,1983)に記述された通常のハイブリドーマ方法論により調製できる。
Figure 0003553612
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Claims (5)

  1. 活性化食細胞および/または炎症が関与するアテローム性動脈硬化および同様な疾病のスクリーニング試験法において、体液または組織試料中に、p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド−リシンが正常被験者における濃度と比べて高濃度で存在することを測定することからなる上記方法。
  2. 試料はヒトの炎症組織である、請求項1記載の方法。
  3. 試料はヒトの血清または血漿部分である、請求項1記載の方法。
  4. p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド−リシンの存在および濃度を、質量分析および高分解能NMR分光法により測定する、請求項1記載の方法。
  5. p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド−リシンの存在および濃度を、前記p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド−リシンに対する抗体を用いる免疫検定法により測定する、請求項1記載の方法。
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