JP3551795B2 - 多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置 - Google Patents

多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置 Download PDF

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフライホイールバッテリ支持装置、特に多重弾性支持構造を持つ改良されたフライホイールバッテリ支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、移動体、例えば自動車に高速で回転するフライホイールを持つフライホイールバッテリを設置し、その運動エネルギを蓄電池の形で利用する技術が提案されている。
【0003】
このようなフライホイールバッテリを搭載した移動体の場合、移動体が移動する際の外乱、例えば路面振動が作用して移動体である車体が揺れると、一般にジャイロ効果と呼ばれるモーメントがフライホイールに作用する。このため、フライホイールの支持方法によっては、フライホイールを支える軸受けに過大な荷重が作用したり、フライホイールが大きく振動する場合がある。
【0004】
このようなジャイロ効果による影響を低減するために、例えば高剛性の軸受けにより車両とフライホイールのスピン軸との相対運動を抑える技術が提案されている(従来技術1)。このような例としては、”電気自動車用フライホイールを用いたエネルギー貯蔵装置の開発、田邊勝隆他、電気自動車研究会第2回研究発表会資料、p.31”があげられる。
【0005】
また、フリージンバルを支持機構に使用し、並進力のみをフライホイールの軸受けで抑える構造も知られている(従来技術2)。このような例としては、”フライホイール型電力貯蔵システム、池田哲史、日本機械学会第73期通常総会講演会講演論文集(III)pp−471−472”があげられる。
【0006】
また、フライホイールをその回転軸周りに回転可能に支持するフライホイール支持体をばねとダンパによりハウジングに対して支持し、ハウジングとフライホイール支持体との相対運動をある程度許容した構成も知られている(従来技術3)。このような例としては、”Gyrodynamics and its engeneering application,Ronald N.Arnold 著(1961)のFig.8.6”がある。
【0007】
さらに、アクチュエータを使用して、ハウジングに回転可能に取り付けられたジンバル及びジンバルの回転軸とは直交する軸でジンバルに回転可能に取り付けられたフライホイール支持体の各相対回転を制御する方法も提案されている。これは、車両のステアリング、アクセル、ブレーキ等の操作量である車両操作量、車体の加速度や車体の姿勢角速度等の車両挙動及びフライホイールの姿勢角速度や軸受け荷重等のフライホイール挙動等を検出し、目標とするフライホイールの揺動角及び軸受け荷重を達成するためのアクチュエータの制御トルクを算出し、これに基づいてアクチュエータを制御するものである(従来技術4)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術1では、上述したジャイロモーメントに耐えるために、高容量の軸受け機構が必要となり、コストが高くなる上、重量増、損失の増大等の問題があった。また、ジャイロモーメントによって、予期しない外乱が発生し、車両の操作安定性が悪化するという問題もあった。
【0009】
また、上記従来技術2では、フリージンバルによりフライホイール支持体を支持しているので、車体とフライホイール支持体との相対角が大きくなりすぎるため、フライホイールバッテリ装置自体が大型化すると共に、大きな相対角を許容するために、装置内部の配線が複雑となってしまうという問題があった。
【0010】
また、上記従来技術3では、フライホイールの軸受けを支持するばねのばね定数を高くすると、高周波振動に対する軸受け荷重が増加し、逆にばね定数を低くすると、低周波振動に対するフライホイールの揺動角が増加する。このため、ばね及びダンパの特性の設定が難しいという問題があった。
【0011】
さらに、上記従来技術4では、アクチュエータの制御系に遅れ時間があるので、その制御周波数帯域よりも高周波の振動に対しては効果があまりなく、制御量を検出するセンサやアクチュエータの分解能の限界のため、微小な振動に対処できないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低周波振動に対するフライホイールの揺動角を低減すると共に高周波振動に対する軸受け荷重を低減することができる多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車両に位置固定に設けられた固定部材と、この固定部材に、ばねまたはダンパにより構成され、回転方向に所定の抑制力を作用させる弾性取付部により、第1支持軸周りに回転可能に支持されたジンバルと、このジンバルに、ばねまたはダンパにより構成され、回転方向に所定の抑制力を作用させる弾性取付部により、第1支持軸と直交する第2支持軸周りに回転可能に支持されたフライホイール支持体と、このフライホイール支持体の内部に保持されたフライホイールと、このフライホイールをフライホイール支持体の内部で、第1、第2支持軸のいずれにも直交する回転軸周りに回転可能に支持する軸受け部と、軸受け部とフライホイール支持体との間に設けられ、ばねとして機能する緩衝構造部材と、を備える多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置であって、上記弾性取付部のばね硬さは、低周波振動に対するフライホイールの揺動角を低減するように設定され、上記緩衝構造部材のばね硬さが、軸受け部に存するばね要素のばね硬さより柔らかく、かつ、フライホイールと軸受け部とをあわせたマスと緩衝構造部材との共振周波数が、フライホイールと軸受け部とフライホイール支持体とをあわせたマスとジンバルとの共振周波数より大きくなるように設定されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、ジンバルとフライホイール支持体とを支持する弾性取付部と、軸受け部とフライホイール支持体との間に設けられた干渉構造とにより、二重の弾性支持構造が構成される。ジンバルのみでは低周波振動に対するフライホイールの揺動角の増加と高周波振動に対する軸受け荷重の増加とが相反してしまい、その両方を低減することが困難であるのに対し、このように、二重の弾性支持構造とすることにより、このいずれも低減させることができる。すなわち、ジンバルとフライホイール支持体とをそれぞれの支持軸線回りに回転可能に支持する弾性取付部の設定を調整し、低周波振動に対するフライホイールの揺動角を低減すると共に、緩衝構造のばね硬さを、上述したように設定することにより高周波振動に対する軸受け荷重を低減させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0016】
実施形態1.
図1には、本発明にかかる多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置の斜視図が示される。図1において、車両に固定されたハウジング10には、固定部材12が取り付けられており、この固定部材12に、第1支持軸線としてのX軸回りに回転可能にジンバル14が取り付けられている。このジンバル14は、固定部材12に、ばねまたはダンパにより構成された弾性取付部16により所定のばね定数または減衰係数を持って回転可能に取り付けられている。
【0017】
また、ジンバル14には、内部にフライホイールを保持したフライホイール支持体18が、X軸と直交する第2支持軸線としてのY軸周りに回転可能に取り付けられている。このフライホイール支持体18も、ジンバル14と同様に、ばねまたはダンパにより構成された弾性取付部20により所定のばね定数または減衰係数を持って回転可能に取り付けられている。
【0018】
また、フライホイール支持体18に保持されたフライホイールは、上述したX軸、Y軸に直交するZ軸周りに回転可能に図示しない軸受け部により支持されている。
【0019】
上述した弾性取付部16、20の構成は、例えばねじりばねとダンパの一方または両方により、ジンバル14及びフライホイール支持体18のそれぞれの相対回転に対して所定の弾性力を反発力として作用しうる構成であればよい。
【0020】
図2及び図3には、この弾性取付部16の例を簡略化して示している。両図においては、固定部材12は省略している。
【0021】
図2には、弾性取付部16としてばね22を使用し、ジンバル14をハウジング10に取り付けた例が示される。なお、フライホイール支持体18をジンバル14に取り付けるための弾性取付部20についても同様に構成することができる。図2において、ジンバル14がX軸回りに回転しようとしたときに、ばね22のばね硬さ(ばね定数)に応じた弾性力が作用し、その回転運動が所定程度抑制される。一般に、ばね22のばね硬さを硬く(ばね定数を高く)すると、車両に加わる低周波振動に対するフライホイールの揺動角すなわちジンバル14及びフライホイール支持体18の揺動角は小さくなるが、車両に加わる高周波振動に対してフライホイールの軸受け部にかかる荷重が増加する。反対に、ばね22のばね硬さを柔らかくすると、高周波振動に対する軸受け部荷重は低減するが、低周波振動に対するフライホイールの揺動角が増加する。本発明では、弾性取付部16としてのばね22のばね硬さをある程度硬くし、弾性取付部16で低周波振動に対するフライホイールの揺動角を低減するように構成している。
【0022】
図3には、図2のばね22の代わりにダンパ24を使用した弾性取付部16の例が模式的に示される。このダンパ24も、ジンバル14の回転量に応じて所定の抑制力を及ぼすような構成となっている。図4には、このようなダンパ24の構造の例が示される。図4において、図に示されるような形状の固定壁26によって形成された液室28の中に、面積可動オリフィス30が配置され、この面積可動オリフィス30には可動部32が取り付けられている。液室28の中を面積可動オリフィス30が移動した場合、液室28内の液体とアキュムレータ34との相互作用により所定の応力が発生し、これによって可動部32の変位に対して所定の減衰比を得ることができる。このダンパ24の形状については、図4に示されたものに限られるのではなく、上述したばね22と同様に、低周波振動に対するジンバル14及びフライホイール支持体18の揺動角を低減できる程度に高い応力を発生できるものであればよい。
【0023】
なお、上記弾性取付部16としては、上述したばね22とダンパ24とを組み合わせた構成とすることも好適である。
【0024】
図5には、フライホイール支持体18のZ軸方向の断面図が示される。また、図6には、図5のVI−VI断面図が示される。
【0025】
図5及び図6において、フライホイール支持体18の内部には、フライホイール36が保持されている。フライホイール36は、フライホイール支持体18の内部で、X軸とY軸とに直交するZ軸を回転軸とし、この周りに回転可能に軸受け部38によって支持されている。軸受け部38には、径方向軸受け40と、スラスト方向軸受け42とが設けられており、径方向軸受け40は、フライホイール36の回転によって発電を行うモータジェネレータを兼用している。
【0026】
また、図5及び図6に示されるように、軸受け部38は、板状の緩衝構造部材44によってフライホイール支持体18に取り付けられている。この緩衝構造部材44は、その構造上板ばねまたはコイルばね、ゴムなどによって構成され、軸受け部38をフライホイール支持体18に取り付ける際にはばねとして機能する。従って、この緩衝構造部材44のばね硬さ(ばね定数)を適切な値に調整すれば、車体に加わる高周波振動の影響を低減することができる。
【0027】
図7(a)、(b)、(c)には、緩衝構造部材44により高周波振動を低減するメカニズムが示される。図7(a)、(b)、(c)には、フライホイール支持体18と軸受け部38と緩衝構造部材44とが模式的に示されている。図7(a)に示される、振動が全くない状態から車両に振動が発生すると、図7(b)及び(c)に示されるように、緩衝構造部材44がそのばね定数に応じてたわみ、フライホイール36を支持している軸受け部38がフライホイール支持体18に対して回転運動を行う。このように、軸受け部38をフライホイール支持体18に緩衝構造部材44により取り付けることにより、フライホイール支持体18と内部にある軸受け部38との間でジンバルのような動きを可能にさせる。なお、図7(b)、(c)では、緩衝構造部材44のたわみかたを実際よりも拡大して描いているが、実際の軸受け部38の回転角度は目視で確認できるほどに大きくはない。
【0028】
以上の結果、弾性取付部16のばね硬さでは低減することができない高周波振動を緩衝構造部材44の動きで吸収することができ、高周波振動による軸受け荷重を低減することが可能となる。
【0029】
この場合の、緩衝構造部材44のばね硬さは以下のように定められる。すなわち、軸受け部38においてフライホイール36を支持している径方向軸受け40やスラスト方向軸受け42には、その材料合成と形状とにより生じるばね要素が含まれている。そこで、緩衝構造部材44のばね硬さを、この軸受け部38に存するばね硬さよりも柔らかく設定する。さらに、緩衝構造部材44のばね硬さは、緩衝構造部材44の内部すなわちフライホイール36と軸受け部38とを合わせたマスと緩衝構造部材44との共振周波数が、ジンバル14の内部すなわちフライホイール36と軸受け部38とフライホイール支持体18とを合わせたマスとジンバル14との共振周波数より大きくなるように設定する。緩衝構造部材44のばね硬さを以上のように設定することにより、車両に加わる高周波振動が軸受け部38に軸受け荷重として作用せずに緩衝構造部材44のたわみとして吸収されることになる。したがって、車両に高周波振動が加わっても軸受け部38の軸受け荷重の増加を抑制することができる。
【0030】
以上のように、弾性取付部16、20と緩衝構造部材44とにより、本実施形態にかかる多重弾性支持構造が形成され、低周波振動によるフライホイールの揺動角と高周波振動による軸受け荷重とを、ともに低減することができる。
【0031】
図8には、本実施形態に係る多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置を使用した場合の制振効果の測定結果が示される。図8において、横軸には車両に作用する振動の周波数が示される。また、縦軸にはこの振動が作用した場合の、振動から軸受け部38に加わる軸受け荷重までの伝達特性とジンバル14及びフライホイール支持体18の揺動角すなわちフライホイール36の回転軸であるZ軸の揺動角までの伝達特性がそれぞれ示されている。ωが角速度で表された振動であり、GがX軸方向の軸受け荷重である。またGがY軸方向の軸受け荷重である。また、θがX軸方向の揺動角であり、θがY軸方向の揺動角である。また、この測定を行ったときのフライホイール36の回転数は30000rpmであった。
【0032】
図8では、4種類の測定結果が示されている。すなわち、緩衝構造部材44のばね硬さをフライホイール36と軸受け部38とを合わせたマスと緩衝構造部材44との共振周波数がフライホイール36と軸受け部38とフライホイール支持体18とを合わせたマスとジンバル14との共振周波数とほぼ同じになるように設定した場合を(1)の線で示している。また、本実施形態に係る緩衝構造部材44のばね硬さを採用した場合の結果が(2)の線で示されている。また、緩衝構造部材44のばね硬さを軸受け部38に存するばね要素のばね硬さと等しく設定した場合を(3)とし、緩衝構造部材44がない場合の結果を(4)として表している。この場合、(3)と(4)との結果は、全く重なり合っている。したがって、緩衝構造部材44のばね硬さを軸受け部38に存するばね要素のばね硬さと等しく設定した場合には、軸受け荷重及びフライホイール36の揺動角に関して改善が見られないことがわかる。
【0033】
また、(1)で示される条件においては、緩衝構造部材44がない場合の(4)と比較して、0.005Hz以上の周波数で揺動角及び軸受け荷重とも伝達ゲインが低下しているが、逆に0.005Hz以下の低周波領域ではこれらの伝達ゲインが大きく増加している。したがって、(1)で示される条件では低周波で、非常に大きな揺動を生じ((4)と比べるとθで約100倍)、実用に適する形態ではない。
【0034】
これらに対し、本実施形態に係る条件である(2)の場合には、緩衝構造部材44がない場合の(4)と比べて、低周波領域における軸受け荷重及び揺動角への伝達ゲインがほぼ同じ特性を有しており、また100Hz付近の高周波領域では(4)に存在するピークの伝達ゲインを低減することができている。すなわち、車両に加わる高周波振動に対する軸受け荷重及びフライホイール36の揺動角のいずれの点でも改善が認められる。
【0035】
以上の通り、本実施形態に係る緩衝構造部材44を使用することにより、高周波振動の影響を抑制できるので、弾性取付部16、20の作用と合わせて、低周波振動に対するフライホイール36の揺動角を低減できると共に高周波振動に対する軸受け部38の軸受け荷重を抑制することができる。
【0036】
実施形態2.
図9には、本発明にかかる多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置に使用されるジンバル14及びフライホイール支持体18を回転可能に支持するアクチュエータ46が示される。アクチュエータ46は、モータ48とモータ48により回転トルクが与えられるモータ軸50とにより構成されている。このモータ48は、図1に示された固定部材12及びジンバル14に固定されており、図1に示された弾性取付部16、20の代わりに使用されるものである。また、アクチュエータ46のモータ48が故障したときのために、ねじりばね52も使用されている。モータ軸50とねじりばね52の端部はそれぞれジンバル14及びフライホイール支持体18に接続されており、ジンバル14及びフライホイール支持体18をそれぞれX軸、Y軸周りに回転可能に支持する。
【0037】
このアクチュエータ46は、前述したように、ステアリング、アクセル、ブレーキ等の車両操作量及び車体加速度、車体姿勢角速度等の車両挙動及びフライホイール姿勢角速度、軸受け荷重等のフライホイール挙動等を所定のセンサにより検出し、図示しない制御機構により制御されてジンバル14及びフライホイール支持体18の回転力に対して所定の抑制力を及ぼす。これにより、車両に作用する低周波振動に対して軸受け荷重とフライホイール36の揺動角のいずれも緩和することができる。ただし、このアクチュエータ46では、制御周波数帯域よりも高い振動成分を持つ振動や、センサやアクチュエータの分解能近傍もしくはそれ以下の微小振動に対しては、制振機能を発揮することができなくなる。そこで、実施形態1と同様に、フライホイール支持体18と軸受け部38との間に緩衝構造部材44を設け、このばね硬さを適切な値に設定することにより、上述した微小な振動やアクチュエータ46の応答周波数以上の高周波振動の効果を低減する。これにより、軸受け荷重を低減することができる。
【0038】
この場合の緩衝構造部材44のばね硬さは、軸受け部38に存するばね要素のばね硬さよりも柔らかくし、かつ、フライホイール36と軸受け部38とを合わせたマスと緩衝構造部材44との共振周波数が、フライホイール36と軸受け部38とフライホイール支持体18とを合わせたマスとジンバル14との共振周波数より十分大きくなるように設定し、さらにフライホイール36と軸受け部38とを合わせたマスと緩衝構造部材44との共振周波数がアクチュエータ46の応答周波数よりも高くなるように設定する。これにより、上述したように、アクチュエータ46では制振できない高周波振動や微小な振動を緩衝構造部材44で吸収し、軸受け部38の軸受け荷重を抑制することができる。
【0039】
なお、アクチュエータ46を制御する際に使用する軸受け荷重は、図5に示されるように、緩衝構造部材44にひずみゲージ54を取り付けることにより、測定することができる。
【0040】
図10には、上述したアクチュエータ46の効果の測定結果が示される。図10(a)、(b)、(c)、(d)の横軸と縦軸とは、図8と同じものである。また、フライホイール36の回転数も、図8の場合と同様に30000rpmである。
【0041】
図10(a)、(b)、(c)、(d)に示されるように、アクチュエータ46を使用した場合には、アクチュエータ46を使用しない場合に比べて、0.003Hzに存在する伝達ゲインのピークの高さに違いが生じている。すなわち、アクチュエータ46を使用した場合の方が、ピークゲインの高さが約10デシベル下がっており、同じ振動が車両に作動した場合に生じる振幅が、アクチュエータ46の制御により約3分の1に抑制されていることが分かる。
【0042】
図11には、ジンバル14とフライホイール支持体18との回転制御を、アクチュエータ46のみで行った場合と、本実施形態に係る緩衝構造部材44を併用した場合との制振作用の測定結果が示される。なお、図11(a)、(b)、(c)、(d)においても、その横軸及び縦軸及びフライホイール36の回転数は図8、図10の場合と同じである。
【0043】
図11(a)、(b)、(c)、(d)に示されるように、本実施形態に係るアクチュエータ46と緩衝構造部材44とを併用した場合の方が約100Hzを超える高周波領域において、軸受け部38の軸受け荷重及びフライホイール36の回転軸(Z軸)の揺動角への伝達ゲインがいずれも低減されている。アクチュエータ46の制御周波数帯域は、本実験例の場合10Hz以下であるので、緩衝構造部材44を併用したことにより、アクチュエータ46の制御周波数帯域を超えた振動の抑制効果が認められる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低周波数振動が車両に作用した場合にもフライホイールの回転軸の揺動角が増えないので、装置を小型化することができ、車両の設計自由度を向上させることができる。
【0045】
また、車両に高周波振動が作用した場合にも、軸受け荷重を抑制できるので、軸受け部の小型化を図ることができ、エネルギーロスも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多重弾性構造を持つフライホイールバッテリ支持装置の実施形態1の斜視図である。
【図2】図1に示された実施形態に使用される弾性取付部の例を示す図である。
【図3】図1に示された実施形態に使用される弾性取付部の例を示す図である。
【図4】図3に示されたダンパの例を示す断面図である。
【図5】図1に示された実施形態においてフライホイール支持体の内部を示す断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI断面図である。
【図7】図5、図6に示された緩衝構造部材の作用の説明図である。
【図8】本実施形態に係る多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置の制振作用を示す図である。
【図9】本発明にかかる多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置の実施形態2に使用されるアクチュエータを示す図である。
【図10】図9に示されたアクチュエータを使用した場合の制振作用を示す図である。
【図11】実施形態2に係る、アクチュエータと緩衝構造部材とを併用した多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置の制振作用を示す図である。
【符号の説明】
10 ハウジング、12 固定部材、14 ジンバル、16,20 弾性取付部、18 フライホイール支持体、22 ばね、24 ダンパ、26 固定壁、28 液室、30 面積可動オリフィス、32 可動部、34 アキュムレータ、36 フライホイール、38 軸受け部、40 径方向軸受け、42 スラスト方向軸受け、44 緩衝構造部材、46 アクチュエータ、48 モータ、50 モータ軸、52 ねじりばね、54 ひずみゲージ。

Claims (1)

  1. 車両に位置固定に設けられた固定部材と、
    前記固定部材に、ばねまたはダンパにより構成され、回転方向に所定の抑制力を作用させる弾性取付部により、第1支持軸周りに回転可能に支持されたジンバルと、
    前記ジンバルに、ばねまたはダンパにより構成され、回転方向に所定の抑制力を作用させる弾性取付部により、前記第1支持軸と直交する第2支持軸周りに回転可能に支持されたフライホイール支持体と、
    前記フライホイール支持体の内部に保持されたフライホイールと、
    前記フライホイールを前記フライホイール支持体の内部で、前記第1、第2支持軸のいずれにも直交する回転軸周りに回転可能に支持する軸受け部と、
    前記軸受け部と前記フライホイール支持体との間に設けられ、ばねとして機能する緩衝構造部材と、
    を備える多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置であって、
    前記弾性取付部のばね硬さは、低周波振動に対するフライホイールの揺動角を低減するように設定され、
    前記緩衝構造部材のばね硬さが、前記軸受け部に存するばね要素のばね硬さより柔らかく、かつ、前記フライホイールと前記軸受け部とをあわせたマスと前記緩衝構造部材との共振周波数が、前記フライホイールと前記軸受け部と前記フライホイール支持体とをあわせたマスと前記ジンバルとの共振周波数より大きくなるように設定されたことを特徴とする多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置。
JP31552398A 1998-11-06 1998-11-06 多重弾性支持構造を持つフライホイールバッテリ支持装置 Expired - Fee Related JP3551795B2 (ja)

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