JP3550931B2 - 気体送給量制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電所、その他の燃料消費設備等へ燃料ガス発生プラントあるいは水蒸気発生プラントで発生する燃料ガスや水蒸気等の気体を送給する経路に設けられたガスホルダあるいはアキュムレータ等の気体貯留手段により、前記気体の送給可能量の短期的時間的変動を吸収する気体送給量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にコークス炉、高炉及び転炉等のガス発生設備を備えた製銑・製鋼一貫製鉄所では、製鉄所内で発生する副生ガスを燃焼させて発電する自家発電所を有し、副生ガスの調整(収束バランス)は自家発電所内で燃焼させることにより行い、電力量の調整は自家発電所内におけるガス収支により燃焼、発電した残りの不足分を電力会社からの購入電力をもって調整するようにしている。
【0003】
一般に、変動する複数の種類の燃料ガスとこれを吸収するガスホルダを有する工場において、発電所の使用燃料を決定する場合、ガスホルダのレベル推移から人間が判断する方法と、計算機の需給予測から自動的に決定する方法がある。自動的に決定する方法としては、動的計画法(ダイナミックプログラミング)が知られている(前田活郎著「オペレーションズリサーチ」朝倉書店p.186;ヒリヤーリーバマン「ORの理論と応用〈上巻〉」同文館p.283他)。
【0004】
例えば、特開昭61−217689号公報には、生産計画情報に基づいて、時間単位で表わされる所定数時間先までの消費エネルギ運用計画及び該消費計画をそれまでの運用実績に応じて数分毎に調整する短期エネルギ運用計画を、情報処理装置により所定時間毎に作成し、購入電力量・購入ガス量が最小となるように、ガスホルダレベル推移及び発電量をそれぞれ決めて制御する製鉄所のエネルギ運用制御方法が開示されている。
【0005】
又、特開昭63−259004号公報には、生産管理及び生産計画に基づいて、時間単位で表わされる所定時間先までの製鉄所内エネルギ需給計画を、購入燃料最小、切替回数最小、余剰ガスの過不足最小となるよう目的関数を設定し、混合整数計画法を用いて副生ガスの供給量を算定することにより、算定された供給パターンに従って副生ガスの供給を制御する製鉄所のエネルギ運用方法が開示されている。
【0006】
又、特開平2−254110号公報には、高炉ガス、コークス炉ガス等の各ガスの発生状況及び発電設備への分与状況の推移、各事業所における電力需要の推移や各ガスの需要の推移を予測し、各ガスを備蓄する各ガスホルダの備蓄レベルの上下限を突破しないよう各ガス等の量を全体の収支バランスを考慮し、所要の全体コストを低減させる方向で算出し、制御する製鉄所のエネルギ最適運用制御方法が開示されている。
【0007】
又、特公平8−20188号公報には、ガス発生計画と必要熱量よりガスホルダの貯留量を管理範囲内に維持しつつ、発熱量の異なるガスを発生する各ガス発生設備からのガスをガス消費設備に効率的に供給するようにしたものが開示されている。
【0008】
更に、特開平8−44403号公報には、生産計画に基づき、副生ガス発生量、ガス必要量・必要電力の時系列変化を予測演算し、各ガスホルダレベルが設定又は決定した上限値以下になるようにし、且つ発電所に最大限供給可能なように発電用副生ガス配分比や購入電力量・購入発電用燃料を調整するものが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホルダ等の貯留手段のレベル推移から人間が発電所で使用すべき燃料量を決定する方法では、燃料の変動から貯留手段のレベル推移を予想することが困難であり、その結果、最適操業を指向することが難しいという問題がある。
【0010】
その一方、動的計画法による発電所での燃料使用量を自動決定する方法では、計算機は予測から得られる最適解を用いて発電所に燃料を送給しようとするため、燃料の変更量や変更頻度が多く、結果として計算機予測も発電所運転の単なるガイダンスに過ぎず、発電所の動的な運転は困難であるという問題があった。
【0011】
又、上に引用した各公報に開示された従来技術における発電所等への燃料・水蒸気等の送給量の制御方法には、以下に示すような問題点が含まれている。
【0012】
例えば、特開昭63−259004号公報に示されたものでは、燃料送給量の予測計算が複雑で時間がかかるという問題がある。
【0013】
又、いずれも燃料ホルダや水蒸気アキュムレータ等の貯留手段の貯留容量(上下限値)を最大限に活用しておらず、発電所の安定操業のために燃料送給量や水蒸気送給量の変更頻度が最小となるように考慮されていないという問題がある。
【0014】
更に、特開平8−44403号公報に開示されたものを除いて、購入電力単価の安い夜間帯に自家発電量を減らして購入電力量を増加させ、購入電力単価の高い昼間帯に安価な副生ガス燃料を最大限に活用して自家発電量を増加させて購入電力量を減少させるために、夜間帯終了時に、燃料貯留量がホルダ上限になり、昼間帯終了時に燃料貯留量がホルダ下限になるようには必ずしも計画されてはいないという問題がある。
【0015】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、使用燃料量変更頻度を最小限に抑え、発電所の安定運転を達成することのできる気体送給量制御技術を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気体発生設備で発生した気体を、気体消費設備に送給する送給経路に設けられた貯留手段により貯留し、必要に応じて前記気体消費設備に送給することにより気体送給量の短期的時間的変動を吸収し、気体送給量を安定化させる気体送給量制御方法において、前記気体消費設備における気体使用量の予測値を時間的に累積した予測使用量累積値を、横軸を時間、縦軸を気体使用量累積値とした座標平面に表わし、予測使用量累積値曲線を作成すると共に、該予測使用量累積値曲線と、該予測使用量累積値曲線を前記貯留手段の貯留容量分だけ平行移動した曲線とに挟まれる帯状領域を作成し、前記貯留手段が送給する気体送給量の累積値を表わす曲線が前記帯状領域内に含まれる折れ線となるように前記気体送給量を制御するに当り、該折れ線を作成する際、現時点からある傾きで一定範囲において直線を引いたとき、あるいは前記帯状領域内に予め設定された目標点と現時点とを直線で結んだとき、これらの直線が前記帯状領域内にあるときは、この直線を前記折れ線の一部とし、これらの直線が前記帯状領域を外れるときは、この直線が該帯状領域を外れる量が所定範囲において最大となるような該帯状領域の境界上の点を新しい目標点として、これと現時点とを直線で結び前記折れ線の一部とすると共に、前記新しい目標点を原点として上記と同様の操作を行い、前記折れ線を作成するようにしたことにより、前記課題を解決したものである。
【0017】
本発明によれば、気体貯留手段からの気体送給量が貯留手段の上限及び下限を外れることがないため、常に安定して気体消費設備に気体を送給することができ、安定的な運転が可能となる。
【0018】
又、前記折れ線の屈折点の個数が最小となるようにした場合には、エネルギ需給制御において、発生側と使用側の変動を吸収する前記気体貯留手段を効率的に運用することが可能となる。
【0019】
又、前記折れ線を作成する際、現時点からある傾きで一定範囲において直線を引いたとき、あるいは前記帯状領域内に予め設定された目標点と現時点とを直線で結んだとき、これらの直線が前記帯状領域内にあるときは、この直線を前記折れ線の一部とし、これらの直線が前記帯状領域を外れるときは、この直線が該帯状領域を外れる量が所定範囲において最大となるような該帯状領域の境界上の点を新しい目標点として、これと現時点とを直線で結び前記折れ線の一部とすると共に、前記新しい目標点を原点として上記と同様の操作を行い、前記折れ線を作成するようにした場合には、前記折れ線の屈折点の個数が最小となるような折れ線を容易に見出すことができ、エネルギ需給の最適制御が可能となる。
【0020】
更に、前記折れ線は、一定の範囲内において屈折点を有さず、傾き一定であるようにした場合には、気体消費設備における所定時間内における気体消費量の変更を回避し、気体使用量を一定とする運転が可能となる。
【0021】
なお、前記気体送給量制御方法を実現する装置は、気体発生設備で発生した気体を、気体消費設備に送給する送給経路に設けられた貯留手段により貯留し、必要に応じて前記気体消費設備に送給することにより気体送給量の短期的時間的変動を吸収し、気体送給量を安定化させる気体送給量制御装置において、前記気体消費設備における気体使用量の予測値を時間的に累積した予測使用量累積値を算出する手段と、該予測使用量累積値を、横軸を時間、縦軸を気体使用量累積値とした座標平面に表わし、予測使用量累積値曲線とし、該予測使用量累積値曲線と、該予測使用量累積値曲線を前記貯留手段の貯留容量分だけ平行移動した曲線とに挟まれる帯状領域を作成して、前記貯留手段が送給する気体送給量の累積値を表わす曲線が前記帯状領域内に含まれる折れ線となるような気体送給量を算出する手段とを備えている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明が適用された気体送給量制御装置の概略構成図である。
【0024】
図1において、符号10は高炉であり、副生ガス(高炉ガス)を発生する。符号12は加熱炉であり、加熱炉12等の工場で使用された後の余剰ガスが送給経路14を介して発電所16等の燃料消費設備に送給される。高炉10、加熱炉12等にはガスの発生及び使用流量を検出する流量計18が設置されており、全体のガス流れ状況が監視できるようになっている。
【0025】
又、送給経路14には副生ガスの使用と発生の不均衡を吸収するためのガスホルダ20(貯留手段)が設置されている。ガスホルダ20に貯留される副生ガスのレベルはホルダレベル計22によって検出され、流量計18によって検出される各消費設備への流量と共に計算機24へ送られる。計算機24では、各消費設備の稼働計画から発電所16で使用すべき流量を算出し、流量調節弁26を制御する。
【0026】
本実施形態では、副生ガスを気体送給量制御の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、水蒸気発生プラントから水蒸気消費設備への水蒸気送給量制御に適用することもでき、更に他の気体の送給量制御に適用することも可能である。
【0027】
以下、本実施形態における気体送給量制御方法を図2のフローチャートに沿って説明する。
【0028】
図2のステップ100において、ホルダを常に上限レベルとして運用した場合の送給量であるホルダ上限維持送給量及びホルダを常に下限レベルとして運用した場合の送給量である下限維持送給量を算出する。ホルダ下限維持送給量及び上限維持送給量はそれぞれ次の(1)式及び(2)式により算出される。
【0029】
【数1】
Figure 0003550931
【0030】
このホルダ下限維持送給量と上限維持送給量の差(ホルダ運用上限値)−(ホルダ運用下限値)がホルダの貯留容量となる。
【0031】
次にステップ110において、次に述べるように運用目標値を決定する。
【0032】
LDG(転炉ガス)、COG(コークス炉ガス)、BFG(高炉ガス)、水蒸気等の各種エネルギについては、発生側と使用側のアンバランスを吸収するためにガスホルダ20等の貯留手段が設置されており、ガスホルダ20の運用は、設備上下限内にて運用する必要がある。従って、ホルダ上限をオーバーした場合には放散する。又、昼夜間運用時は昼夜間で電力単価が異なるため(昼間の電力単価が高く、夜間の電力単価が安い)、昼間はLDG、COG、BFGを多く使用し、夜間は少なくする運用を行っている。即ち、図3にホルダレベルの推移を示すように、昼間から夜間になるタイミングにホルダ下限まで使用し、夜間から昼間になるタイミングにホルダ上限まで貯留するように運用する。
【0033】
各種エネルギについては、運用目標値を昼夜間運用モードとオペレータによる設定モードの2種類の方法により決定する。ここで、オペレータによる設定モード時には、目標レベル及び到達時刻が運転員により決定される。
【0034】
オペレータによる設定モードの場合、高炉の突発的な休風あるいは減風が予告される場合や、昼夜間運用後の運転に不都合が予想される場合に、運転員が目標値及び到達時刻を指定する。この目標値を第1目標値という。又、第1目標値の到達時刻以降所定時間先(例えば12時間先)での目標値(これを第2目標値という)は、後で説明する昼夜間運用モードの決定と同様とする。但し、第1目標値になったときの時刻が昼夜間運用時間内にある場合は、オペレータによる設定時刻以降最初の目標値を無視し、第2目標値を決定する。オペレータによる設定モードでの目標値の決定方法を図4に示す。
【0035】
昼夜間モードの場合、昼夜間における電力単価差を考慮し、電力曲線により目標値を決定する。
【0036】
平日の場合、平日の判断はB/C(ビジネスコンピュータ)より受信している電力契約データの電力契約曲線により判断し、昼間(例えば8時から22時)と夜間(例えば22時から8時)に区分する。
【0037】
まず、現時刻から12時間先までの間の目標値(これを第1目標値という)を決定する。8時の目標値は上限値(運用上限値)とし、22時の目標値は下限値(運用下限値)とする。
【0038】
次に、12時間先の目標値(これを第2目標値という)を決定する。
【0039】
12時間先の時刻が8時〜18時の場合、第2目標値は次の(3)式により決定する。
【0040】
Figure 0003550931
ここで、γは0から1の間の定数である。
【0041】
12時間先の時刻が18時〜22時の場合には、次の(4)式により第2目標値を決定する。
【0042】
Figure 0003550931
【0043】
12時間先の時刻が22時〜24時〜4時の場合、次の(5)式により第2目標値を決定する。
【0044】
Figure 0003550931
ここで、βは0から1の間の定数である。
【0045】
12時間先の時刻が4時〜8時の場合には、次の(6)式により第2目標値を決定する。
【0046】
Figure 0003550931
【0047】
平日の場合の目標値の決定方法を、図5に示す。
【0048】
休日(休日は平日でない場合を指し、土、日、祝日、正月、G/W、盆である。)の場合、第1目標値はないものとする。
【0049】
又、第2目標値は次の(7)式により決定する。
【0050】
第2目標値=上限値×α …(7)
αは0から1の間の定数である。
【0051】
水蒸気については、現時刻より一定時間に上下限を越えなければ送給量を前記一定時間まで現状維持し、送給量変更後、上限圧(設定値)を指向し、送給量を決定する。休日の場合の目標値決定方法を図6に示す。
【0052】
又、平日と休日の切り替わり時における第2目標値の設定は、図7に示すようにホルダレベル推移において連続性を保つようにする。
【0053】
次にステップ120において、次に説明するように制御用対象時間を決定する。
【0054】
制御用対象時間Xは、第1目標値までの時間により以下の3パターンにより決定する。ここで、Cyは第1目標値までの時間定数であり、第1目標値までの時間がCy時間以内になったときに送給量が第1目標値になるように制御を開始する時間である。又、Cxは制御用対象時間定数であり、第1目標値がないときに、制御用に使用する時間である。又、Xは制御用対象時間であり、Yは現時間から第1目標値までの時間である。
【0055】
(1)第1のケース、Y≦Cyの場合
図8に示すように現在時刻が目標レベル制御になっている場合には、第1目標値までの時間を制御用対象時間とする。即ち、X=Yである。
【0056】
(2)第2のケース、Y>Cy且つCx≧Y−Cyの場合
図9に示すように制御用対象時間定数Cxが目標レベル制御切り替わり時刻までの時間より長い場合には、制御用対象時間Xは、目標レベル制御切り替わりまでの時間とする。即ち、X=Y−Cyである。
【0057】
(3)第3のケース、Y>Cy且つCx<Y−Cyの場合
図10に示すように制御用対象時間定数Cxが目標レベル制御切り替わり時刻までの時間より短い場合には、制御用対象時間Xは、制御用対象時間定数Cxとする。即ち、X=Cxである。
【0058】
なお、以上の制御用対象時間Xの決定において、常にCx≦Cyとする。
【0059】
稼働スケジュールは、直近の数時間以降精度が悪くなるため、予想対象区間を現時刻から直近のx時間先までの制御用区間とx時間以降y時間(例えば12時間)先までのガイダンス用区間の2種類に区分する。
【0060】
ステップ130において、制御用送給量を決定し、ステップ140において、ガイダンス用送給量を決定する。
【0061】
図11に制御用送給量決定方法の詳細フローチャートを示す。
【0062】
又、図12において、破線のグラフaはホルダが下限レベルを維持するようにした場合の送給量の累積値を示すグラフであり、破線のグラフbはホルダが上限レベルを維持するようにした場合の送給量の累積値を示すグラフである。この2つのグラフの差cがホルダの貯留容量を示す。即ち、グラフaは発電所16における予測使用量累積値曲線を表し、これをホルダの貯留容量cだけ平行移動したものがグラフbである。
【0063】
本実施形態における送給量決定方法は、基本的に送給量の累積値を示すグラフが、図12に示すような2つのグラフa、bによって狭まれる帯状領域に含まれ、且つ屈折点が最小である折れ線となるように送給量を決定しようというものであり、最小屈折点法あるいは山登り法という。
【0064】
なお、通常は4時間先を制御対象とし、現状送給量維持を基本として制御を行い、送給量累積値が前記帯状領域をはずれる(送給量がホルダレベルをはずれる)場合にのみ前記最小屈折点法により最適点を算出して制御するようにする。
【0065】
図12に示すように、制御用対象時間X内に第1目標点Qがある場合には、現時点(原点)Oと第1目標点Qを直線で結び屈折点でのホルダレベルを算出する。
【0066】
ホルダレベルの算出は基本式である次の(8)式によって行われる。
【0067】
【数2】
Figure 0003550931
ここで、Llow :ホルダ下限(m
Lhigh:ホルダ上限(m
Lo :ホルダ現在レベル(m
a :流量(Nm)→レベル(m)換算係数
fi :発生量(Nm
xi :ホルダ送給量(Nm
ti :時刻
【0068】
次に、ホルダレベルが上下限値を超える(上下限エラーとなる)点、即ちグラフaあるいはbと交差する点を抽出する。
【0069】
上下限エラーが発生した場合は、上下限値との差の絶対値が最大となる点を求める。ここで絶対値は、時間を考慮し、上下限エラー発生時の上下限送給量との差をΔαとし、現時刻から上下限エラー発生時刻までの時間をΔt1としたとき、次の(9)式で算出される。
【0070】
絶対値=|Δα÷Δt1| …(9)
【0071】
絶対値最大が上限でない場合は、目標点を最大となる屈折点とし、ホルダの目標レベルを下限値とし、絶対値最大が上限の場合には、目標点を最大となる屈折点とし、ホルダの目標レベルを上限値とする。
【0072】
ここで、最大となる屈折点を選定するにあたり、制御用対象時間以降で上下限エラーが発生する最初の屈折点までを考慮するものとする。
【0073】
このようにして、上限エラー最大となる点Pを目標点として、図13に示すように原点Oと目標点Pを直線で結ぶ。次に目標点Pを原点として、同様の操作を繰り返す。
【0074】
即ち図14に示すように、この新しい目標点Pを新しい原点として第1目標点Qとを直線で結ぶ。このとき直線PQが運用下限を示すグラフaを上回った場合に、グラフaとの差が最大となる下限エラー最大点Pをとり、これを新しい目標点とする。そして、図15に示すように、新しい原点Pと新しい目標点Pとを直線で結ぶ。
【0075】
次に図16に示すように新しい目標点Pを新しい原点として第1目標点Qとを直線で結ぶ。この直線PQが帯状領域を外れることがなければ、これで折れ線OPQにより送給量が決定される。
【0076】
次に、図2のステップ140において、ガイダンス用送給量が決定される。
【0077】
ガイダンス用送給量決定では、制御用対象時間x以降y時間(例えば12時間)先までの送給量を決定する。ガイダンス用送給量の決定は制御用対象時間x後を原点として行う。制御用対象時間x以降y時間先までに第1目標値と第2目標値(最終目標値)の両方が存在する場合と、第2目標値しか存在しない場合がある。原点から目標値となる送給量を決定し、上下限と交差する場合は上下限と交差しないような最小屈折回数を求め、折れ線を作成する。送給量が上限値を越えるか、又は下限値より小さくなる場合は、送給量を上限値又は下限値とする。
【0078】
図17に、ガイダンス用送給量を決定するための詳細フローチャートを示す。
【0079】
ガイタンス用送給量の決定方法も、上に説明した制御用送給量の決定方法とほぼ同様である。
【0080】
図18は、実際の制御方法を示したものである。図18において、グラフaは、まず副生ガスの発生量予測から発電所以外での副生ガス使用量予測を差し引き、発電所で使用できる副生ガスの量を算出し、この量を時間に対して累積して表した折れ線グラフ(予測使用量累積値曲線)である。このグラフaに対しホルダの貯留容量cを差し引いた折れ線グラフbを作成し、帯状領域を作成する。
【0081】
次に、現時点でのホルダレベルAからTF 時間後の目標値Fに向かって直線(一点鎖線)dを引く。この直線dが折れ線a又はbと交差した場合は、交差した点の直近にある折れ線の折れ点Pに向かって直線d1を引き直す。
【0082】
更に、この折れ点Pから再度目標値Fに向かって直線を引く(図示省略)。この直線が再び折れ線bと交差した場合は、交差した点の直近にある折れ線の折れ点Pに向かって直線d2を引き直す。更に、この折れ点Pから再度目標値Fへ向かって直線を引き、この操作を繰り返し目標値Fまで直線dnを引いていく。このようにして得られた折れ線d1、・・・、dnの傾きが各時刻における発電所での使用ガス量(ホルダからの送給量)を表わす。
【0083】
副生ガス需給制御のポイントは、ガスホルダの容量を有効に活用し、しかも発電所負荷を電力契約に応じて制御することである。以上述べたような最小屈折点法(山登り法)による需給予測は、各製鋼工場が吹練を開始するか、10分毎定時に起動する。この際、発電所負荷の急激な変更やガス使用量変更が頻繁に行われることのないよう、前回実績及び次回以降の予定を考慮して制御出力の変更に制限をかける。又、発電所負荷配分においては、各発電所のバーナー能力、マスターガスの選択、発電効率等を加味した負荷配分を実施する。
【0084】
図19に副生ガス需給制御による実施例として、LDGガスホルダを用いた発電所向けガス量の制御の比較を示す。従来のシステムによる制御(実線)では、発電所への燃料ガス量はLDGガスの発生量予測とは無関係にフィードバック的に決められ、ホルダレベルが下限になるとガス供給量をカットする制御となっていた。これに対し、本発明を適用した実施例(破線)ではホルダレベルが上下限をフルに使用し、発電所向けのガス量を安定的に供給させることができる。
【0085】
これにより、燃料変更頻度を10分毎から1時間毎に、発電所の燃料切り替えをLDGで30回/day から6回/day に、上記の送給、停止の切り替えを72回/day から24回/day に減少させることができ、発電所の運転を安定化させ、平均出力の向上を図ることが可能となった。
【0086】
しかし、発電所における使用ガス量を変化した場合、ボイラが安定するまで使用ガス量の変化を回避したい場合が生ずる。このとき、使用ガス量を変更後、一定にしておきたい時間をTとする。
【0087】
このとき、上記図18等で説明した折れ線作成時、折れ線の折れ点において折れ線の再計算をするのでなく、図20に示すように、T時間の間では同じ傾きとなるように一定の傾きで直線d1、d2、・・・、dnを引き直す。これにより、T時間内においては使用ガス量を一定とする運転を可能とすることができる。
【0088】
これに対し単純な最小屈折点法のみの適用では、図21に示すように、T時間内においても折れ線の折れ点P、P等が存在し、T時間内において使用ガス量が変化していた。
【0089】
更にこのとき、図18の折れ線d1、d2、・・・、dnの傾きの変化に上下限を設定するようにすれば、急激な使用ガス量変更を抑えることもできる。
【0090】
このように本実施形態によれば、最小屈折点法による最適解算出の方法に発電所運転の許容条件(変更頻度、最大変更量)を付加することにより、予測に基づく発電所の安定運転が可能となった。又、この方法によれば、人を介さず予測に基づく発電所の自動運転が可能となった。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、気体送給量を最適に制御することにより、気体発生設備と気体消費設備の需給バランスを平滑化し、予測に基づく気体消費設備の安定運転が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された気体送給量制御装置の概略構成図
【図2】本実施形態による送給量決定手順を示すフローチャート
【図3】ホルダの昼夜間運用時の例を示す線図
【図4】ホルダ運用目標値の決定の例を示す線図
【図5】ホルダの平日の場合の運用目標値の例を示す線図
【図6】ホルダの休日の場合の運用目標値の例を示す線図
【図7】ホルダの平日・休日の切り替わりにおける運用目標値の決定の例を示す線図
【図8】制御用対象時間の決定の第1の例を示す線図
【図9】制御用対象時間の決定の第2の例を示す線図
【図10】制御用対象時間の決定の第3の例を示す線図
【図11】制御用送給量の決定手順を示すフローチャート
【図12】第1目標点までで上下限越えが発生する場合の送給量決定手順を示す線図
【図13】同じく第1目標点までで上下限越えが発生する場合の送給量決定手順を示す線図
【図14】同じく第1目標点までで上下限越えが発生する場合の送給量決定手順を示す線図
【図15】同じく第1目標点までで上下限越えが発生する場合の送給量決定手順を示す線図
【図16】同じく第1目標点までで上下限越えが発生する場合の送給量決定手順を示す線図
【図17】ガイダンス用送給量の決定手順を示すフローチャート
【図18】送給量決定手順の他の例を示す線図
【図19】本実施形態による送給量制御の結果を従来と比較して示す線図
【図20】本実施形態において一定時間内は使用ガス量を一定とした例を示す線図
【図21】図20と比較するために単純な最小屈折点法による結果を示す線図
【符号の説明】
10…高炉
12…加熱炉
14…送給経路
16…発電所
18…流電計
20…ガスホルダ
22…ホルダレベル計
24…計算機
26…流量調節弁

Claims (1)

  1. 気体発生設備で発生した気体を、気体消費設備に送給する送給経路に設けられた貯留手段により貯留し、必要に応じて前記気体消費設備に送給することにより、気体送給量の短期的時間的変動を吸収し、気体送給量を安定化させる気体送給量制御方法において、
    前記気体消費設備における気体使用量の予測値を時間的に累積した予測使用量累積値を、横軸を時間、縦軸を気体使用量累積値とした座標平面に表わし、予測使用量累積値曲線を作成すると共に、
    該予測使用量累積値曲線と、該予測使用量累積値曲線を前記貯留手段の貯留容量分だけ平行移動した曲線とに挟まれる帯状領域を作成し、
    前記貯留手段が送給する気体送給量の累積値を表わす曲線が前記帯状領域内に含まれる折れ線となるように前記気体送給量を制御するに当り、
    該折れ線を作成する際、現時点からある傾きで一定範囲において直線を引いたとき、あるいは前記帯状領域内に予め設定された目標点と現時点とを直線で結んだとき、これらの直線が前記帯状領域内にあるときは、この直線を前記折れ線の一部とし、これらの直線が前記帯状領域を外れるときは、この直線が該帯状領域を外れる量が所定範囲において最大となるような該帯状領域の境界上の点を新しい目標点として、これと現時点とを直線で結び前記折れ線の一部とすると共に、
    前記新しい目標点を原点として上記と同様の操作を行い、前記折れ線を作成するようにしたことを特徴とする気体送給量制御方法。
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