JP3550684B2 - rice cooker - Google Patents
rice cooker Download PDFInfo
- Publication number
- JP3550684B2 JP3550684B2 JP2003035906A JP2003035906A JP3550684B2 JP 3550684 B2 JP3550684 B2 JP 3550684B2 JP 2003035906 A JP2003035906 A JP 2003035906A JP 2003035906 A JP2003035906 A JP 2003035906A JP 3550684 B2 JP3550684 B2 JP 3550684B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating
- boiling
- pot
- rice
- lid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Cookers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保温釜兼用炊飯器などの炊飯器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
炊飯器において、炊飯時に米および水が収容された鍋内で発生した蒸気は、鍋の上部開口部を覆っている蓋体の下面から上面に通じた蒸気通過路を通過し、この蒸気通過路の上部にある蒸気放出口を通り抜けて、外部に放出される。蒸気放出口の形状は、幅2〜4mm、長さ10〜30mmの複数のスリットを平行あるいは同心円上に並べるなどしているのが一般的である。この形状は、外部から塵や虫などが入りにくく、かつ、蒸気の放出をよくするためのものである。
【0003】
図18には、従来の蒸気通過路1の構成の一例を示してある。同図において、2は鍋、3は蓋体である。この蓋体3は、その上面を形成する外蓋4と、この外蓋4の下側周辺部に設けられた枠板5と、この枠板5の内側に設けられた放熱板6と、この放熱板6の下側に着脱自在に設けられ鍋2の上部開口部を閉塞する内蓋7とからなっており、この内蓋7の裏面には蓋ヒータ8が設けられている。また、枠板5と放熱板6との間には、鍋2に密着する蓋パッキン9が設けられている。そして、内蓋7に形成された入口開口10上に、枠板5に形成された蒸気通過路本体部11が対向している。これら入口開口10と蒸気通過路本体部11との間には、蒸気通過口12を有する蒸気口パッキン13が介在させてある。蒸気通過路本体部11は外蓋4の上面に露出しているが、この蒸気通過路本体部11の上面部に、前述のようなスリット状の蒸気放出口14が複数開口形成されている。なお、図面には、蒸気放出口14の幅方向の断面が現れている。従来の炊飯器において、蒸気放出口14の縦壁部分15は、その下端から上端に至るまで垂直面になっていた。そして、鍋2内で発生した蒸気は、入口開口10、蒸気通過口12および蒸気通過路本体部11の内部を通って蒸気放出口14から放出される。また、鍋2から吹き上げた澱粉の溶けた水分(いわゆるおねば)も蒸気通過路1内に流入するが、このおねばは蒸気通過路1内で蒸気と分離される。
【0004】
ところで、蒸気は、蒸気放出口を抜ける際に温度の低い外気により急激に冷やされ、蒸気放出口の周囲の縦壁部分で結露して、ここに露が付着する(図4参照)。この露は、炊飯終了後に炊飯器本体にヒンジにより軸着されている蓋体を開けると、この蓋体の傾きによって流れ出し、蓋体を汚す問題を生じる。しかも、蒸気放出口の形状はスリット状であり、縦壁部分が長いため、付着する露の量は多量である。そのため、ひどいときには蓋体のヒンジ側の後部から炊飯器本体の背面を通じて炊飯器を置いた床面にまで露が流れ出すこともある。また、次に蓋体を閉めると、蓋体パッキンと鍋との締め代の分の体積だけ鍋内の空気が圧縮され、鍋内の気圧が瞬間的に高くなるが、その圧は蒸気放出口から抜け出るので、露の残りが勢いよく上へ飛び散り、蓋体を汚す問題を生じる。
【0005】
このような露の付着の問題を解決するために、従来は、蒸気放出口の幅などの寸法を変えたり、炊飯加熱制御におけるむらし時間を伸ばしたりする手段が採られていたが、これらの手段では十分な解決が得られていない。
【0006】
ところで、炊飯器において、気になる臭いの汚れの要因として、五目ご飯などを炊くときの醤油や塩、炊き込みご飯に使用する具、ピラフを炊くときのバターやケチャップがある。それらの臭いや汚れが残ったままになっていると、次回使用時にご飯に臭いが移ったり、汚れがこびりついたりする。
【0007】
また、炊飯器を兼用する保温釜において、長時間の保温を行った場合、外気と連通した蒸気通過路の内部は、澱粉の溶けた水分があるとともに、空気中の枯草菌が侵入しやすく、また、外気温度が低くなると枯草菌が成育しやすい55℃未満に冷えやすいことから、菌の増殖により臭いが発生しやすくなる。この臭いは、ご飯が臭いを吸着しやすい特性を有することから、ご飯に付着し、このご飯の臭いが悪くなる不都合を生じる場合がある。
【0008】
以上のような要因で汚れた場合に、鍋の中に水を入れ加熱して煮沸し、蒸気により鍋や蓋や蒸気通過路や蓋パッキンなどの汚れを除去する機能を付加した炊飯器が提案されている。しかし、煮沸機能を有する従来の炊飯器では、次のような問題があった。まず、煮沸に際して鍋内に入れられる水の量はこの鍋の半分から八部目程度で多く、加熱時間が長くかかり、電力消費も多くなる。また、煮沸終了後に残湯があり、蓋体を開けたときに多量に蒸気が出ること、鍋を炊飯器本体から外すときにこの鍋が高温になっていること、しかも、もともと状態が不安定な鍋の中に熱湯が入っていること、鍋の中の熱湯を捨てる必要があることなどから、不注意に扱うと火傷を負うなどの危険性もある。さらに、煮沸専用の加熱パターンや操作スイッチが必要となり、従来に増して制御プログラムが複雑になったり、操作スイッチが多くなったり、表示部が多くなったりする問題もある。
【0009】
なお、電磁誘導加熱式の炊飯器では、鍋とこの鍋の温度を検出する温度センサとの接触が悪くなった場合、鍋が異常に高温になっていても低い温度しか検出されずに異常加熱が続き、炊飯器本体の溶けや温度ヒューズの溶断をきたす虞があることから、通常の炊飯であり得る時間よりも長い所定時間加熱が続いても沸騰が検出されない場合や炊飯が終了しない場合には、何らかの異常があるものとして加熱を停止し、異常表示を行う安全機能を有するものがある。このような機能を有する炊飯器では、鍋内に水のみを入れて通常の白米炊飯の加熱パターンで煮沸を行おうとしても、前記安全機能により途中で加熱が停止して十分に煮沸がなされないため、特に煮沸専用の加熱パターンで水炊きができるようにする必要があった。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、汚れ防止のための煮沸機能を有する炊飯器において、煮沸に要する水や燃料費を減らすとともに、安全に煮沸ができるようにすることをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備えるとともに、煮沸機能を有する炊飯器において、煮沸コースでは加熱を開始するとすぐに鍋をほぼ最大加熱量で加熱し、ほぼ沸騰が始まったら加熱量を低減して沸騰を継続させ、鍋温度が所定温度上昇したら少量の残水が残る状態で煮沸加熱を停止させるものである。
【0012】
汚れの除去のために煮沸を行うとき、加熱を開始するとすぐにほぼ最大加熱量にすることにより、短時間で煮沸ができる。一方、ほぼ沸騰したら加熱量を低減するので、異常に煮沸が強くなって蒸気通過路から露が飛び散ることが防止される。さらに、鍋内の水がほぼなくなるまで加熱を続けることを前提にしているので、使用する水の量は少なくてよい。しかしながら、鍋内に少量の水が残った状態で加熱を停止するので、鍋などの過度の温度上昇を抑制できるとともに、鍋内にカルシウムやマグネシウムなどの残留物が残りにくい。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明の炊飯器において、鍋の温度が所定温度上昇するか、加熱を開始してからまたはほぼ沸騰してから所定時間経過したときに煮沸加熱を停止するものである。
【0014】
このように所定時間経過したときに沸騰加熱を停止すれば、長時間の煮沸で各部の温度上昇が異常に高くなることが防止されるとともに、所定時間加熱が行われることにより汚れが十分に落ちる。また、所定温度の上昇で沸騰加熱を停止すれば、誤って規定より少量の水を入れて煮沸を行った場合に、水がなくなった異常加熱が防止される。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2の発明の炊飯器において、加熱を開始してからまたはほぼ沸騰してから加熱を停止するまでの時間を任意に設定可能としたものである。
【0016】
これにより、ユーザーの使用目的および希望時間に応じて煮沸時間が設定でき、実用性が向上する。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明の炊飯器において、白米などの炊飯を目的とした任意の炊飯コースと煮沸コースとを兼用したものである。
【0018】
すなわち、特別な煮沸専用の加熱パターンを設定しておらず、これにより、構成が簡素化される。
【0019】
請求項5の発明の炊飯器は、鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備え、炊飯開始後ほぼ最大加熱量で加熱を開始し、ほぼ沸騰前後において加熱量を減少して鍋内の水を沸騰継続し、沸騰継続中に鍋の温度が所定温度上昇するか、炊飯を開始してから所定時間経過するか、ほぼ沸騰してから所定時間経過すると、煮沸継続中より加熱量を減少したむらし加熱を行い、このむらし加熱が所定時間経過したら保温加熱にすることにより、米を入れず水のみを煮沸する加熱とご飯を炊飯する加熱を通常の炊飯時に比べ短時間で行えるようにし、水のみを煮沸したときに少量の湯が残るように構成したものである。
【0020】
このように煮沸および炊飯が短時間で行える他、前述のような温度に関する条件または時間に関する条件によって加熱量を減少したむらし加熱、さらに保温加熱に移行することにより、水のみを煮沸する場合に、異常に煮沸が強くなって蒸気通過路から露が飛び散ることが防止される。これとともに、水のみを煮沸する場合には、鍋内の水がほぼなくなることを前提にしているので、使用する水の量は少なくてよい。しかしながら、鍋内に少量の湯が残ることにより、鍋などの過度の温度上昇を抑制できるとともに、鍋内にカルシウムやマグネシウムなどの残留物が残りにくい。
【0021】
【発明の実施形態】
以下、本発明の炊飯器の第1実施例について図1から図3を参照しながら説明する。炊飯器全体の断面図である図1において、21は炊飯器本体で、この炊飯器本体21は、ほぼ筒状の外枠22およびその下面開口を覆う底板23と、外枠22内に設けられた鍋収容部をなす有底筒状の内枠24とを備えている。この内枠24は、赤外線の放射率が高いアルミニウム材からなる。また、25は炊飯器本体21を持ち運ぶための回動自在のハンドルである。
【0022】
26はアルミニウム材料を主体とした鍋で、この鍋26は、上面を開口した有底筒状になっている。そして、鍋26は、被炊飯物である米および水が内部に収容されるとともに、前記内枠24内に挿脱自在に収容されるものである。そして、鍋26は、その上端周辺部に形成されたフランジ部27が、内枠24の上端周辺部に形成されたフランジ部28上に載ることにより支持されるものである。
【0023】
また、内枠24内の底面上には、鍋26を加熱する加熱手段であるシーズヒータなどからなる輻射加熱式の主ヒータ31が碍石32を介して固定されている。この主ヒータ31は、1重または2重の円状または螺線状で、内枠24に対して離隔した状態に備えてある。一方、内枠24内の外面上部には、この内枠24の保温用の加熱手段であるコードヒータなどからなる胴ヒータ33が設けられている。また、内枠24の底部中央には、鍋26の外底面に接触する鍋センサ34が上下動自在に、かつ、上方へ付勢された状態で設けられている。この鍋センサ34は、図示していないが、鍋26の外面温度を検出するための負特性サーミスタを内蔵している。さらに、鍋センサ34はスイッチレバー35を備えており、内枠24内に鍋26が収容されると、この鍋26に押されて鍋センサ34が下方へ下がる動作に連動してスイッチレバー35が下がり、鍋スイッチ36のオン・オフ用のレバー37を動作させることにより、鍋スイッチ36から鍋あり信号が発生するようになっている。
【0024】
さらに、前記炊飯器本体21の下面後部には、電源コードを巻き取るコードリール41が設けられている。また、炊飯器本体21内の前部には、電源基板42および表示基板43が基板ホルダ44により保持されて設けられており、表示基板43には表示用のLCD45、LED46および操作スイッチが搭載されている。なお、外枠22の前面には、表示および操作のための操作パネル47が設けられている。
【0025】
51は前記炊飯器本体21の上側に回動開閉自在に設けられた蓋体で、この蓋体51は、外蓋52と、この外蓋52の下側周辺部に固定された枠板53と、この枠板53の内側に固定されたアルミニウム材料からなる放熱板54となどからなっている。この放熱板54は、蓋体51の下面を形成し、前記鍋26の上部開口部を覆うものである。そして、蓋体51は、その後部において炊飯器本体21の後部にヒンジ軸55により回動自在に支持されているとともに、ヒンジばね56により開く方向へ付勢されており、炊飯器本体21の前上部に設けられたクランプ57により閉じた状態に保持されるようになっている。また、前記放熱板54の裏面つまり上面には、この放熱板54を加熱する加熱手段であるコードヒータなどからなる蓋ヒータ58が設けられている。この蓋ヒータ58は、前記胴ヒータ33と電気的に並列回路をなしている。さらに、前記枠板53と放熱板54との間には蓋パッキン59が設けられている。この蓋パッキン59は、蓋体51を閉じたとき鍋26のフランジ部27上に接触するものである。
【0026】
さらに、前記蓋体51には、この蓋体51の下面から上面へ通じ鍋26内で発生した蒸気を放出させる蒸気通過路61が設けられている。この蒸気通過路61は、鍋26の上部開口部の内径の中心よりもやや後側に対応する位置にある。つぎに、この蒸気通過路61の構成について、図2を加えて詳細に説明する。前記放熱板54には開口部62が形成されている。一方、前記外蓋52には、上方へ開口した直径約60mm程度の嵌合凹部63が一体に形成されている。この嵌合凹部63は外蓋52から下方へ延び出ており、この嵌合凹部63の底部中央には、放熱板54の開口部62に対向する開口部64が形成されている。そして、これら開口部62,開口部64の周辺部で放熱板54の上面と嵌合凹部63の下端部との間には、その密閉のためにシリコーンゴムからなる環状の蒸気口パッキン65が介在させてあり、この蒸気口パッキン65の下部中央には蒸気侵入口66が開口形成されている。なお、嵌合凹部63の上部には、この嵌合凹部63の径を拡げる形で段部67が形成されている。
【0027】
71はバケットで、このバケット71は、前記外蓋52の嵌合凹部63内に着脱自在に収容されるもので、上面を開口した容器状になっている。そして、バケット71の底部中央には筒状の蒸気流入口72が下方へ突出形成されているとともに、パイプ73が上方へ突出形成されている。蒸気流入口72は、外蓋52へのバケット71の装着のために蒸気口パッキン65内に押し込まれ、その蒸気侵入口66に対向するものである。パイプ73は、直径が5〜12mm程度で蒸気流入口72よりも若干径が小さくなっており、パイプ73の上端の高さまでのバケット71の容量は約35mlである。また、蒸気流入口72の内周側でパイプ73の外周側に位置してこのパイプ73の根元部には、2×2mm程度の寸法のおねば戻し孔74が2か所に開口形成されている。さらに、パイプ73の上部開口部には、このパイプ73の上面開口を開閉する蒸気弁76が無理嵌めにより上下動自在に組み付けられている。すなわち、この蒸気弁76は、その下面に突出形成された抜け止め突起77とパイプ73の内周面上端部に形成された抜け止め爪78とによりパイプ73に対して抜け止めされている。
【0028】
81は蒸気通過路61の上面部をなす蒸気口カバーで、この蒸気口カバー81は、前記バケット71上に着脱自在に取り付けられ、前記嵌合凹部63の周囲および上部を覆うものである。この取り付けのために、バケット71の外周面上部には4本の螺旋状の係止凸部82が形成されており、蒸気口カバー81の外周部から下方へ屈曲した縦リブ83の内周面下部には、幅10mm、長さ2mm程度の細長い係止爪部84が4つ突出形成されている。バケット71と蒸気口カバー81とを結合するには、この蒸気口カバー81を回しながら係止凸部82に係止爪部84を引っ掛けて締め込めばよく、分離するには反対向きに回せばよい。これにより、使用者が容易にバケット71の内部まで洗えるようになっている。なお、バケット71と蒸気口カバー81との密閉は、バケット71の上部開口部の周辺端面を蒸気口カバー81の下面に押し当てることにより行っている。このような構成であると、炊飯時に発生する蒸気でバケット71や蒸気口カバー81が熱収縮して開口部の直径が多少変化しても密閉状態が保たれ、蒸気漏れしないので、パッキンなども不要である。
【0029】
さらに、蒸気口カバー81には、同心円上に位置する複数、例えば4つのスリット状の蒸気放出口85が開口形成されている。一例であるが、蒸気口カバー81の上面部の材厚は2mmであり、蒸気放出口85は幅2.5mm 、長さ25mmである。そして、これら蒸気放出口85の周囲の下側の角部には1.5mm のC面カットからなる面取り部86が形成されている。また、蒸気放出口85の周囲の上側の角部にも、下側の面取り部86と交わるC面カットからなる面取り部87が形成されているが、この上側の面取り部87は下側の面取り部86よりも小さくなっている。さらに、蒸気口カバー81の下面には、蒸気放出口85の内周側に位置する筒状の邪魔壁88が突出形成されいる。
【0030】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。炊飯中に鍋26内で発生した蒸気は、澱粉の溶けた水分(おねば)とともに、蒸気侵入口66および蒸気流入口72を通過してバケット71のパイプ73内に流入する。そして、蒸気は、その圧により蒸気弁76を押し上げて、開放されたパイプ73の上部開口部からバケット71の内部に侵入する。ここで、蒸気とおねばとが分離され、比重の大きいおねばはバケット71内の下部に収容され、蒸気は蒸気放出口85より外部へ放出される。そして、炊飯が進みむらしになると、鍋26内の圧が下がることにより、バケット71内に溜まったおねばはおねば戻し孔74を通って鍋26内に戻される。これとともに、蒸気弁76が下方へ下がってパイプ73の上端の出口を密閉状態にして熱の放出を防ぐ。これによって、保温時にこの部分に露が付くことおよび鍋26の内部のご飯に露が垂れることが防止される。
【0031】
前記実施例の構成によれば、蒸気放出口85の周囲の下側の角部にCカットを施して面取り部86を形成したので、この部分への露の付着が大幅に低減する。ここで、露の付着についての実験結果について、図4を参照しながら説明する。同図において、81A ,81B ,81C ,81D は蒸気口カバー、85A ,85B ,85C ,85D は蒸気放出口である。そして、(A)は、蒸気放出口85A の周囲の下側と上側とにそれぞれ1mmのC面カットからなる面取り部86A ,87A を形成したもの(本発明相当品)、(B)は、蒸気放出口85B の周囲の上側にのみ2mmのC面カットからなる面取り部87B を形成したもの、(C)は、蒸気放出口85C の周囲の下側にのみ2mmのC面カットからなる面取り部86C を形成したもの(本発明相当品)、(D)は、面取り部のないもの(従来相当品)である。そして、これらの4種類について、炊飯を行い、むらし開始時および終了時(むらし開始から13分後)の露dの付着結果を調べた。図3にも示すように、(D)は、むらしを終了しても大量に露が残り、蓋体51を開けると、この蓋体51の下まで露が流れ落ちた。(B)は、むらしを終了してもいくらか露が残り、蓋体51を開けたとき少し流れた。(A),(C)は、むらしの終了時にほとんど露が残らず、蓋体51を開けたとき垂れ流れることはなかった。以上の結果から、(A),(C)の構成が露垂れの防止には有効であることが分かる。
【0032】
さらに、外観性を考慮すると、(C)のように主として蒸気放出口85の下側にのみ面取り部86を形成するのが最も望ましいが、(A)のように蒸気放出口85の上下に面取り部86,87を形成してもよい。図1および図2に示す第1実施例では、下側の面取り部86を上側の面取り部87よりも大きくしている。
【0033】
このように面取り部86によって蒸気放出口85への露の付着を大幅に低減でき、炊飯終了後に蓋体51を開閉するとき、蒸気放出口85からの露の垂れや飛び散りを防止でき、蓋体51や炊飯器本体21やこれを置いた床面などの汚れを防止できる。しかも、従来の炊飯器に比べて、蒸気放出口85の外観が悪くなるようなことがなく、炊飯加熱制御方法を変える必要もない。
【0034】
なお、前記第1実施例では、蓋体51に対して蒸気通路路61を着脱自在にしたが、蓋体に蒸気通路路を一体的に設けたものであってもよい。また、蒸気放出口の下側の面取りの大きさも、前記実施例の通りでなくてもかまわず、蓋体を開けたときに露が流れ落ちない程度の面取りが施されていればよい。
【0035】
また、本第1実施例の炊飯器は、鍋26、蓋体51、蒸気通過路61および蓋パッキン59などを清掃するための煮沸機能を備えている。つぎに、この煮沸機能関連の構成について説明する。まず、前記操作パネル47の構成を図5に基づいて説明する。この操作パネル47には、前記LED46からなる行程表示ランプである炊飯ランプ46a 、保温ランプ46b および予約ランプ46c が設けられている。また、前記LCD45は、時計の時刻などを表示する時間時刻表示部45a を有しているとともに、操作パネル47の表面に形成されたメニュー表示91を指示するメニュー指示部45b を有している。さらに、操作パネル47には、それぞれ押しボタンスイッチからなる切スイッチ92、炊飯スイッチ93、保温スイッチ94、予約スイッチ95、時計スイッチ96、時スイッチ97、分スイッチ98、メニュースイッチ99が設けられている。
【0036】
また、制御回路、鍋26の温度検出、マイクロコンピュータを利用した鍋26の加熱調節などは、従来の炊飯器と同様である。本炊飯器では、それに煮沸コースの加熱パターンが加わっている。炊飯時あるいはその後の保温時における加熱制御は、使用者によるスイッチ92,…99の操作や、鍋センサー34により検出される鍋26の温度あるいは図示していない蓋センサにより検出される放熱板54の温度や、タイマにより計時される時間などに応じて、マイクロコンピュータが予めプログラムされたロジックに従ってヒータ31,33,58を通断電制御することによりなされる。通常の炊飯においては、炊飯開始後、ひたし炊きである予熱行程が行われる。この予熱行程は、常温よりも高く、かつ、米の糊化温度(約60℃)よりやや低い温度で加熱を行って、米の吸水を促進するものである。予熱行程に続いて、ほぼ最大加熱量で鍋を加熱する沸騰行程が行われる。そして、例えば温度上昇の勾配が所定値以下になると、沸騰行程から沸騰継続加熱行程に移行し、加熱量が低減された状態で鍋26内の沸騰状態が継続される。その後若干加熱パターンを変えた炊き上げ行程を経てドライアップが検出されると、むらし行程に移行し、加熱量がさらに低減される。むらし行程が終了すると、保温行程に移行し、鍋の温度がほぼ一定温度に保持される。
【0037】
煮沸コースの選択はメニュースイッチ99を押すことにより行うが、このメニュースイッチ99による選択では、煮沸コースは早炊きコースと兼用である。その後、炊飯スイッチ93を1回のみ押せば早炊きコースによる炊飯が行われ、炊飯スイッチ93を2回続けて押せば煮沸コースが実行される。さらに、炊飯スイッチ93を押す度に、早炊きコースと煮沸コースとが切り替わる。これを図6のフローチャートに基づいてより詳しく説明する。メニュースイッチ99により早炊きコースが選択され、炊飯スイッチ93がオンすると、炊飯加熱が開始され、早炊きコースの表示が行われる(S1,S2,S3)。なお、この早炊きコースの表示は、他の炊飯時と同様、ランプ46a ,46b ,46c の常時点灯により行われる。ここで、炊飯スイッチ93が10秒未満に再びオンされなければ、そのまま炊飯加熱が続き、炊飯が終了すれば、むらし後保温になる(S4,S5,S6,S7)。一方、炊飯スイッチ93が10秒未満に再びオンされると、煮沸加熱に切り替わり、煮沸コースの表示が行われる(S4,S5,S8)。なお、この煮沸コースの表示は、通常の炊飯時の表示と区別できるよう、例えばランプ46a ,46b ,46c の点滅によりなされる。その後、2度目のオンから炊飯スイッチ93が10秒未満に再びオンされなければ、そのまま煮沸加熱が続き、煮沸加熱が終了すれば、むらし後保温または切になる(S9,S10,S11 ,S12 )。一方、2度目のオンから炊飯スイッチ93が10秒未満に再びオンされれば、再び早炊きコースに切り替わる。
【0038】
煮沸コースでは、前記予熱行程を省略して、加熱開始後すぐにほぼ最大加熱量で水の入った鍋26を加熱する。これは、短時間で煮沸ができるようにするためである。ほぼ煮沸すなわち沸騰が開始して、鍋センサ34により検出される鍋26の温度勾配が安定したら、加熱量を低減して鍋26内の水の沸騰状態を継続させる。なお、沸騰の検出方法は、蓋体51の温度により蒸気の温度を検出する方法であってもよい。このように沸騰後に加熱量を低減することにより、異常に煮沸が強くなって蒸気放出口14から露が飛び出る危険が防止される。そのため、沸騰後の加熱量は煮沸が継続でき、かつ、蒸気放出口14からの露の飛び散りが生じない程度に調節されている。沸騰が続き、鍋26内の水がほとんどなくなると、鍋26の温度が急に上昇するので、これを検出することにより加熱を停止する。なお、加熱を停止する温度は、絶対的な値、例えば 120℃でもよいが、沸騰中の温度を基準に所定温度、例えば10℃上昇したら停止するようにした方が、炊飯器本体21の寸法などのばらつきや、気圧の変化に伴う沸騰温度の変動を考慮すると好ましい。これとともに、加熱の停止条件は、加熱を停止したときにわずかに鍋26の中に水が残る温度設定とする。例えば、水の残量は、0.05〜50ml程度で、鍋26内が完全には乾燥せず、鍋26内の残水を捨てるときに支障が生じない量であればよい。これは、完全に水がない状態まで加熱すると、内枠24などの炊飯器本体21の温度が高くなり過ぎる不具合があり、また、鍋26の中にカルシウムやマグネシウムなどの残留物が残り、こびりついて鍋26の底の清掃がしにくくなったり、鍋26の弗素樹脂などの表面コーティングに溶けなどの悪影響が生じたりすることを防止するためである。さらに、加熱が停止した後、所定時間経過したらブザーにより報知を行い、沸騰コースが終了したことを知らせて切にする。このように加熱停止から所定時間経過するまで待つのは、鍋26や蓋体51をある程度冷やし、蓋体26を開けたときに多量に蒸気が放出しないようにするためである。なお、通常炊飯のむらしに相当する加熱(鍋26を約 100℃に加熱し、蓋体51の下面を結露防止のために約110℃に加熱するなど)を行い、むらしが終了したら、保温にするようにしてもよい。こうすれば、鍋26内の水がなくなった後の加熱制御の構成を通常炊飯と共用でき、制御プログラムの簡素化が図れる。また、この期間の残時間を表示すれば、終了時間の目安となり、実用性が向上する。通常炊飯と兼用した場合には、むらし時間の残時間表示がこれに相当することになる。
【0039】
また、従来の煮沸コースと異なり、鍋26の中にそれほどの残湯を残さずに加熱することから、鍋26の中に入れる水の量は従来の量より少なくてよく、最小炊飯量の水位線程度か、計量カップで1〜3杯程度( 180〜 540ml程度)でよい。よって、水の量がほとんど決まっていることから、煮沸コース開始時から終了時間までの残時間を表示するようにしてもよい。すなわち、水の量が540ml 程度に多い場合に要する時間を標準時間として設定し、最初から残時間として表示し、途中で水がなくなった場合は、加熱を停止して残時間が経過するまで待つ構成にする。これにより、加熱の開始時からの所要時間がわかり、さらに実用性が向上する。
【0040】
また、鍋26の中に何も入れない空の状態で使用しても問題のないようにするために、次のような構成とする。すなわち、鍋26の温度が 120℃以上になったら加熱を抑制した状態にする(これは前記沸騰後の加熱に相当する)。この状態で、鍋26が 120℃になるような温度制御により加熱し、所定時間、例えば15分間加熱を続ける。
【0041】
温度は、特に制限があるわけではないが、雑菌の殺菌効果が得られる 100℃以上で、蓋体51などの構成部品であるポリプロピレンなどのプラスチックが溶解しない温度、すなわち蓋体51のプラスチックがその耐熱温度である 130℃以下になることが好ましい。加熱時間は、特に制約があるわけではないが、雑菌の殺菌のために5分以上が好ましい。長くなり過ぎると、実用性の悪化要因になるので、60分以内が好ましい。なお、蓋体51の温度を検出することが可能な場合は、蓋体51の温度も 120℃になるように制御する。すなわち、鍋26からの輻射熱で蓋体51が高温になった場合や、この蓋体51に備えられた蓋ヒータ58で蓋体51が高温になった場合には、この蓋体51の温度も 120℃に保持されるように鍋26や蓋体51の加熱を調節する。これにより、鍋26の表面コーティングや蓋体51を形成するプラスチック部品の耐熱性に悪影響がない構成にでき、空炊きでの加熱もできるようになる。なお、このように空炊きでの加熱を可能とした場合も、前記水を入れた場合と同様に所定時間が経過したら煮沸加熱を停止する。これにより、誤って鍋26の中に入れる水の量が少なかったり、水を入れなかったりした場合でも、問題なく使用できる構成になる。
【0042】
また、空炊きで乾燥した状態にでき、かつ、 100℃以上の温度で加熱することを利用して、あえて水を入れないで使用して、枯草菌などの殺菌を目的に使用してもよい。枯草菌は 100℃では死なず、水炊きしても殺菌の効果は薄い。また、残水に菌が凝縮して残る場合もあり、水が残るのでは、殺菌効果の期待は薄い。しかし、鍋26が空になって乾燥すれば、菌は水分活性値(Aw)が0.9 以上では成育できないこともあり、また、高温であれば殺菌作用があるので、長時間の保温などで枯草菌が多くなって臭いが発生した場合などのときに有効な使用ができるようになる。
【0043】
また、本実施例の炊飯器は、白米の他、おかゆ、玄米、早炊き、炊き込みなどの各種の炊飯加熱パターンを備えており、使用者は任意の炊飯加熱パターンのコースをメニュースイッチ99により選択することができるが、前述のように、煮沸用の加熱パターンを炊飯加熱パターンの選択と同様にメニュースイッチ99により行うようにすれば、煮沸専用のスイッチが不要となり、スイッチ数を増やさないで済む効果がある。また、選択されたことも従来からあるメニュー表示91およびメニュー指示部45b により兼用すれば、煮沸専用の表示は不要となり、経済的になる。
【0044】
なお、煮沸コースは通常とは異なる炊飯を目的とした加熱パターンではないので、この点を知らせる手段として、前述のように、炊飯、保温、予約などの工程を表示するランプ46a ,46b ,46c の点灯を 0.5秒毎に順次行うなどして、通常の炊飯と異なる表示形態を採用すれば、炊飯加熱パターンの実行中ではないことが容易にわかり、使用者の誤認を防止できる。また、この構成によれば、ランプ46a ,46b ,46c も従来の数より多くする必要はなく、さらに経済性が向上する。
【0045】
また、煮沸コースでの加熱パターンと通常の加熱パターンとを兼用することも可能である。例えば、前述のように早炊きコースの加熱パターンを利用してもよい。ただし、予熱工程は省略し、ほぼ最大加熱量で加熱を開始し、鍋26の温度が120℃になるか、蓋体51の温度を検出できるものでは蓋体51が 120℃になるか、あるいは、鍋26の温度上昇の温度勾配が所定状態に安定するか、蓋体51の温度を検出できるものでは蓋体51が所定の温度勾配になるかしたら、加熱量を抑制し、加熱量を抑制した状態が5分継続するか、加熱中の鍋26の温度上昇が所定値になっら加熱を停止してむらしにし、10分程度のむらし時間が経過したら保温にすればよい。なお、沸騰後むらし中は蓋体51を加熱してこの蓋体51の下面に結露しない構成にする。この早炊きの構成であれば、ご飯を炊くことも可能、水を入れて煮沸することも可能、鍋26の中が空の状態で加熱することも可能になり、さらに、特別な煮沸専用の加熱パターンを設定しなくてもよく、極めて簡素化した効率のよい形態で煮沸が実現できる構成になる。また、実用性向上のために残時間を表示した煮沸専用加熱の表示にしたい場合には、メニューを早炊きに合わせ、炊飯スイッチ93を一度押せば早炊き、二度押せば煮沸表示にして、前述のような加熱の最初から残時間の表示を行ったり、炊飯、保温、予約のランプ46a ,46b ,46c の表示の形態を変えた構成にするようにしてもよい。これにより、同一のメニューであっても、炊飯ではなく煮沸で使用する場合での実用性が向上することになる。煮沸コースと共用する炊飯コースは、早炊き以外でもよいが、早炊きは通常より短時間で炊飯を行う加熱パターン設定がなされているため、煮沸を短時間で行い、実用性を高めるためには早炊きが最も好ましいパターンであるので、早炊きと共用することが好ましい。
【0046】
ここで、上述した煮沸コースにおける加熱パターンおよび表示の制御のいくつかについて、図7から図9のフローチャートを参照しながらまとめる。図7に示す加熱制御では、煮沸コース加熱を開始する(S21 )と、すぐに最大加熱量で加熱がオンする(S22 )。そして、鍋26内が沸騰状態になれば加熱量を低減して加熱を継続し(S23 ,S24 ,S25 ,S26 )、鍋26の温度が所定温度上昇するか、所定時間経過するかしたら加熱を停止し(S25 ,S26 ,S27 )、煮沸加熱を終了とする(S28 )。
【0047】
また、図8に示す加熱制御では、煮沸コース加熱を開始する(S31 )と、鍋26の温度が 120℃以上でなければ、鍋26の加熱をオンする(S32 ,S33 )。その後、鍋26の温度が 120℃以上になっていなければ、鍋26の加熱のオン状態を続け(S34 ,S37 )、一方、鍋26の温度が 120℃以上になり、かつ、15分経過していないならば、鍋26の加熱を一時的にオフする(S34 ,S35 ,S36 )。鍋26の温度が120℃以上になり、かつ、15分経過したならば、煮沸加熱を終了とする(S38 )。
【0048】
さらに、図9に示す制御では、煮沸コース加熱を開始する(S41 )と、時間時刻表時部45a に残時間として30分を表示し(S42 )、残時間の減算を開始する(S43 )とともに、鍋26の加熱をオンする(S44 )。そして、加熱停止温度以上になったら、鍋26の加熱をオフする(S45 ,S46 )。残時間があれば、再び温度を判定して鍋26の加熱のオン・オフを切り替える(S47 ,S45 )が、残時間がなくなれば、煮沸加熱を終了とする(S47 ,S48 )。
【0049】
さらに、図10に示す制御は、通常の炊飯時に比べ短時間で炊飯できる早炊きコースと煮沸コースで加熱制御を完全に兼用したものである。メニュースイッチ99により早炊きコースが選択され、炊飯スイッチ93がオンすると、炊飯が始まって加熱が開始され、早炊きコースの表示が行われる(S51 ,S52 ,S53 )。この加熱は最初からほぼ最大加熱量で行われるが、ほぼ沸騰前後で加熱量が減少され、鍋26内の水の沸騰状態が継続される。そして、煮沸継続中に鍋26の温度が所定温度上昇するか、炊飯を開始してから所定時間経過するか、ほぼ沸騰してから所定時間経過すると、煮沸継続中より加熱量を減じたむらし加熱に移行する(S54,S55 ,S56 ,S57 )。さらに、このむらし加熱が所定時間(例えば9分)経過したら保温加熱に移行し、煮沸は終了となる(S58 ,S59 )。
【0050】
以上のような本炊飯器における煮沸コースによれば、予熱行程であるひたし炊きを省略してすぐに鍋26の加熱をほぼ最大加熱量で開始するので、短時間で煮沸することができる。また、沸騰した後に加熱量を低減するので、異常に煮沸が強くなって蒸気放出口85から露が飛び散る危険を防止できる。さらに、加熱を停止したときわずかに鍋26の中に水が残るようにしたので、内枠24などの炊飯器本体1の温度の上昇を抑制でき、鍋26の中にカルシウムやマグネシウムなどの残留物が残りにくく、鍋26内の底の清掃がしやすくなる。これとともに、鍋26の弗素樹脂などの表面コーティングに溶けなどの悪影響を及ぼすことも防止できる。そして、鍋26の中の水がなくなった場合に加熱を停止することを前提にしているので、使用する水の量が少なくてよくて、早く煮沸ができ、従来より短時間で煮沸が行え、使用電力量も少なくて済む。一方、残水量は従来に比べて極めて少ないので、煮沸後に蓋体51を開けたときに発生する蒸気量を低減でき、捨てる残湯も少なくなって安全性が向上する。
【0051】
また、鍋26が空の状態で加熱を開始すると、鍋26を 100℃以上の所定温度に高温保持し、所定時間後、高温保持の加熱を停止するので、誤って鍋26の中に入れる水の量が少なかったり、水を入れなかったりした場合でも、問題なく使用できる。また、空炊きで乾燥した状態にでき、かつ、 100℃以上の高温で加熱することを利用し、あえて水を入れないで使用して枯草菌などの雑菌を目的に使用できる。
【0052】
ところで、煮沸に際しての加熱停止条件を経過時間とした場合には、残湯が多く残り得るが、長時間の煮沸により各部の温度上昇が異常に高くなることを防止できる。ただし、加熱停止までの所定時間は、沸騰している時間が10分以上程度になり、汚れを落とすのに十分な煮沸時間が得られるように設定する。また、煮沸に際しての加熱停止条件を温度上昇とした場合にも、誤って規定より少量の水を鍋26に入れて煮沸を行った場合に、鍋26内の水がなくなって異常加熱をきたすことが防止される。ただし、煮沸終了時に鍋26内にほとんど水が残らない状態であってもよい。
【0053】
また、白米、おかゆ、玄米、早炊き、炊き込みなどの各種の炊飯加熱パターンを任意に選択するメニュースイッチ99を兼用して煮沸コースを選択する構成としたので、煮沸コース専用のスイッチが不要となり、スイッチ数を増やさないで済む。
【0054】
また、煮沸コースを開始した後には、炊飯、保温、予約などの行程表示用のランプ46a ,46b ,46c の点灯形態を通常の点灯状態と違う形態にしたので、ランプ46a ,46b ,46c を従来の数より多くすることなく、通常の炊飯とは異なる加熱パターンであることを表示することができ、誤使用を防止できる。
【0055】
また、煮沸コースの加熱パターンと、白米を炊くための炊飯加熱パターンとを共用したので、ご飯を炊くことも可能、水を入れて煮沸することも可能、鍋26の中が空で加熱することも可能になり、特別な煮沸専用の加熱パターンを設定しなくても、極めて簡素化した効率のよい形態で煮沸機能が実現できる。
【0056】
さらに、炊飯を開始する炊飯開始スイッチを通常の炊飯を開始する操作とは異なる態様で操作して加熱を開始した場合に、煮沸コースを実行している表示形態で沸騰加熱を行うことにより、実用性向上のために残時間を表示したり、ランプ46a ,46b ,46c の表示の形態を変えたりして、炊飯ではなく煮沸で使用する場合の実用性を向上できる。
【0057】
このように煮沸に際して、加熱時間の短縮が図れ、使用する水の量が少なくてよいので、節水、節電効果が得られ、煮沸終了時には鍋26の中にほとんど熱湯が残らないので、蓋体51を開けたときに蒸気の発生する量が少なく、鍋26内の残湯を捨てるときにも容易に処理ができて、火傷の危険を防止でき、専用のスイッチや表示部を設ける必要がないので、構造の簡素化を図ることができる。
【0058】
なお、煮沸コースにおいて、加熱を開始してからまたはほぼ沸騰してから加熱を停止するまでの所定時間をユーザーが任意に設定可能にしてもよい。これには、例えば煮沸コースを選択した状態で、分スイッチ98を操作することにより前記所定時間を調整可能にすればよい。これにより、ユーザーは使用目的および希望時間に応じて煮沸時間が設定でき、実用性が向上する。
【0059】
つぎに、本発明の炊飯器の第2実施例について、図11から図15を参照しながら説明する。炊飯器全体の断面図である図11において、101 は炊飯器本体であり、これは、上面を開口した有底筒状の内枠102 と、この内枠102 を内部に備え炊飯器本体101 の外殻を形成する外枠103 と、この外枠103 の底側を覆う底板104 とにより構成されている。前記内枠102 は、FR−PET樹脂製で、この内枠102 内に着脱自在に収容される鍋106 の外面形状とほぼ相似形状に形成してある。
【0060】
前記鍋106 は、被炊飯物である米や水が収容されるもので、熱伝導性のよいアルミニウムを主体にして上面を開口した有底筒状に形成されているが、この鍋106 の上部開口部には、水平に外方へ突出したフランジ部107 が形成されている。また、鍋106 の外面下部には、この鍋106 の電磁誘導加熱用の磁性金属材料からなる発熱層108 が設けられている。この発熱層108 は、例えばフェライト系のステンレスからなり、プレス加工により成形されている。また、鍋106 は、溶湯鍛造により発熱層108 と一体に成形され、厚さは上部開口部で3mm、下側の底面部で5mmになっている。さらに、前記フランジ部107 の上面は、機械加工により平らに仕上げられている。さらに、発熱層108 を含めて鍋106 の外面には、50〜 100μm 程度の厚さのシリコーン樹脂やポリエーテルサルフォン樹脂を主体としたプラスチックコーティング塗装膜を形成してある。このコーティング層は、膜厚が厚くなると断熱効果が高くなることから50μm 以上程度の厚さであることが好ましい。また、コーティング材料にアルミナパウダーやチタニアパウダー、アルミニウム粉末、ガラス粉末、中空ガラスビーズ、ガラス繊維、マイカ粉末などの熱伝導性の悪い無機質材料を混ぜることにより、さらに断熱性を向上でき、鍋106 の本体部の熱を蓄熱する効果を引き出すことができる。
【0061】
また、前記内枠102 の外側には加熱手段としての加熱コイル111 が設けられている。この加熱コイル111 は、鍋106 の側面下部から底面にかけて位置する発熱層108 に対向する状態で、内枠102 の外側面に巻き付けて固定してある。また、加熱コイル111 の外側には、酸化鉄などを主体とした高透磁率の材料粉末をプラスチック材料に混ぜたコイルカバー112 が設けられている。これにより、加熱コイル111 を内枠102 に固定し、また、磁束の漏れを防止して発熱層108 を効率よく誘導加熱する構成になっている。また、113 は、内部に負特性サーミスタを備え、鍋106 の底部の温度を検出する鍋温度センサであり、114 は、発熱層108 と加熱コイル111 の近傍に位置して、内枠102 の外面に設けられた温度ヒューズである。さらに、115 は、前記内枠102 の外側面上部に設けられた保温用の加熱手段である胴ヒータである。
【0062】
116 は、加熱コイル111 に所定の高周波電流を供給するためのインバータ回路部品117 などを備えた加熱基板である。そして、インバータ回路から加熱コイル111 に高周波電流が供給されると、この加熱コイル111 に交番磁界が発生して、磁界中にある鍋106 の発熱層108 に渦電流が発生し、この渦電流がジュール熱に変換されることにより発熱層108 が発熱して、鍋106 が加熱されるようになっている。前記加熱基板116 は、炊飯器本体101 の内部に設けられた支え118 によって、モータ119 を備えた冷却ファン120 とともに、炊飯器本体101 の底部の底板104 と支え118 との間に配設されている。冷却ファン120 に対向する底板104 の底部には、吸気口121 が設けられているとともに、加熱基板116 の一側に対向する底板104 の側面部には、排気口122 が設けられている。支え118 は、加熱基板116 の一側において直立状態に設けられており、この支え118 と炊飯器本体101の前面との間には、表示操作手段としての操作パネル123 を形成するLCD124、LED125 およびスイッチ126 を備えた表示操作部品127 と電源回路部品128とが、基板129 に搭載された状態で設けてある。なお、130 は、外枠103 の下部後側に設けられた電源コード131 を巻取るコードリールである。
【0063】
141 は、前記炊飯器本体101 の上側に回動開閉自在に設けられた蓋体で、この蓋体141 は、その上部外殻を形成する外蓋142 と、この外蓋142 の下側周辺部に固定された枠板143 と、この枠板143 の内側に止めねじ144 により固定され鍋106 の上部開口部を覆う蓋下面材としての放熱板145 とにより構成されている。なお、枠板143 の底面図である図15において、146 は止めねじ144 が螺着される放熱板固定用ねじ孔である。放熱板145 は、蓋体141 の下面を形成するもので、材料はアルミニウム、材厚は2〜3mm程度であり、鍛造により成形されている。また、放熱板145 の下面には、厚さ50〜 100μm 程度のシリコーン樹脂やポリエーテルサルフォン樹脂を主体にしたプラスチックコーティング塗装膜を形成してある。なお、前記止めねじ144 は放熱板145 の上側から螺着してあり、これにより、止めねじ144 が外部から見えないようにして外観性をよくしてある。
【0064】
そして、蓋体141 は、炊飯器本体101 の上部後側にヒンジ軸147 により軸支されている。図示していないが、このヒンジ軸147 の内部には、蓋体141 に常時開く方向への力を作用させるねじるコイルばねなどの弾性部材を設けてある。また、炊飯器本体101 のヒンジ軸147 と反対側の前上部または蓋体141 の上面前部には、炊飯器本体101 に対して蓋体141 を閉じた状態に係止するクランプ148 が設けられている。
【0065】
また、前記放熱板145 の裏面つまり上面には、この放熱板145 を加熱する加熱手段であるコードヒータなどからなる蓋ヒータ149 が設けられており、この蓋ヒータ149 は、両面粘着テープを介在させて放熱板145 に貼着されたアルミニウム箔150 によりこの放熱板145 に固定されている。そして、蓋ヒータ149 は、前記胴ヒータ115 と電気的に並列回路をなしている。そして、これら胴ヒータ115 および蓋ヒータ149 は、双方向性サイリスタなどの通断電制御素子に直列回路で接続してあり、所定の通断電制御により炊飯時および保温時に加熱を行うようになっている。さらに、蓋体141 の内部には、その下面の温度を検出する負特性サーミスタからなる蓋温度センサ151 が設けられている。
【0066】
前記枠板143 の内周部と放熱板145 の外周部との間にはシリコーンゴムなどの弾性ゴム材料からなる蓋パッキン156 が設けられている。この蓋パッキン156 は、蓋体141 を閉じたとき鍋106 のフランジ部107 上に接触して、放熱板145 と鍋106 との間を密閉するものである。つぎに、この蓋パッキン156 付近の構成について、図12から図14を加えて詳細に説明する。枠板143 の内周部に形成された立上がり壁157 と放熱板145 の外周部に形成された立上がり壁158 との間に下方へ開口した凹溝159 が形成されている。そして、この凹溝159 を形成する枠板143 の立上がり壁157 の内周面下部には引掛り部160 が突出形成されている。この引掛り部160 は、枠板143 のほぼ全周に渡っているが、クランプ148 側つまり前側の一か所で凹状に切り欠かれており、これにより、凹溝159 の幅が部分的に広くなった長さ15〜30mm程度のパッキン着脱部161 が形成されている。
【0067】
蓋パッキン156 は、例えばシリコーンゴムからなり、押し出し成形により成形され、所定長に切断後、その両端を接合することにより環状に形成されている。また、蓋パッキン156 は、上部が前記凹溝159 内に挿入される厚肉な挿入部162になっており、下部が鍋106 のフランジ部107 に密接する密閉部163 になっている。挿入部162 の断面形状は、凹溝159 の引掛り部160 に引っ掛かるようなほぼ三角形状ないしほぼ四角形状になっている。一方、密閉部163 は、断面ほぼく字形状になっていて柔軟に弾性変形するようになっている。
【0068】
そして、蓋パッキン156 は、凹溝159 に対して着脱可能になっており、蓋体141 の下面側から前記挿入部162 を凹溝159 内に押し込むことにより装着し、密閉部163 を下方向へ引くことにより外す。したがって、挿入部162 は、凹溝159 内に押し込むときに容易に折れ曲がらないだけの厚みが必要である。なお、挿入部162 が折れ曲がって装着しにくい場合には、ある程度の剛性を有する環状の板材を挿入部162 に付けてもよい。また、蓋パッキン156 の着脱の際に前記凹溝159のパッキン着脱部161 を利用することにより容易に着脱が可能である。つまり、装着に際しては、パッキン着脱部161 に最後に嵌まるように蓋パッキン156 を押し込み、外すときには、パッキン着脱部161 で最初に蓋パッキン156 を引けばよい。さらに、パッキン着脱部161 は蓋体141 のクランプ148 側に設けているが、これは、蓋体141 を開けたときパッキン着脱部161 が上になるので、蓋パッキン156 に付着した露がこの隙間に入らないからである。
【0069】
また、前記蓋体141 のほぼ中央部には、この蓋体141 の下面から上面へ通じ鍋106 内で発生した蒸気を放出させる蒸気通過路171 が設けられている。つぎに、この蒸気通過路171 の構成について説明する。前記放熱板145 の中心部には、蒸気通過用の直径10〜30mm程度の蒸気侵入口172 が開口形成されており、この蒸気侵入口172 の周囲には、シリコーンゴム製の環状の蒸気口パッキン173 が取り付けられている。一方、外蓋142 には、蒸気侵入口172 の上方位置に直径約70mm程度の穴を内部に形成する縦リブ174 が一体に形成されている。この縦リブ174 は、上下に貫通した筒状になっており、外蓋142 から下方へ延び出ている。縦リブ174 の下端と放熱板145 の上面とは、蒸気侵入口172 の周囲において前記蒸気口パッキン173 が介在していることにより密閉されている。
【0070】
そして、縦リブ174 内の穴に着脱自在に収容されるバケット176 と、縦リブ174 内の穴の周囲および上面を覆う着脱自在の蒸気口カバー177 とが蒸気通過路171 を形成する主たる構成部品になっている。前記バケット176 は有底筒状になっており、蒸気口カバー177 内に位置して蒸気口パッキン173 上に載っている。また、バケット176 の底部には、直径1〜2mm程度のおねば戻し孔178 が開口形成されている。このおねば戻し孔178 は、バケット176 の底部に取り付けられたシリコーンゴムなどの弾性材料からなる逆止弁179 により下側から開放可能に塞がれた構成になっている。また、バケット176 の上面部は、通孔181 を有する仕切板182 になっている。さらに、前記蒸気口カバー177 は、その上面周辺部から下方へ延び出た筒状の縦リブ183 を有し、この縦リブ183 の下端は前記蒸気口パッキン173 により密閉され、これにより、縦リブ183 の下端周囲からの蒸気漏れが防止される。そして、この縦リブ183 の外周面上部に部分的に形成された凸部184 が、外蓋142 の縦リブ174 の内周面上部に形成された凸部185 に係合されることにより、蒸気口カバー177 が外蓋142 の縦リブ174 内に着脱自在に装着されるようになっている。さらに、前記蒸気口カバー177 の上面部には複数のスリット状の蒸気放出口186 が開口形成されている。そして、前記第1実施例と同様に、これら蒸気放出口186 の周囲の下側の角部にはC面カットからなる面取り部187が形成されている。
【0071】
なお、前記蓋ヒータ149 は、前記蒸気通過路171 を中心にしてほぼ均等に放熱板145 に配置されており、蒸気通過路171 の近傍および前記蓋パッキン156 の近傍にも位置している。
【0072】
つぎに、前記の構成について、その作用を説明する。常時は、バケット176 は蒸気口パッキン173 上に載っているが、炊飯中に鍋106 内で蒸気が発生すると、この蒸気の圧力によりバケット176 が浮き上がり、このバケット176 の底面と蒸気口パッキン173 との間に隙間が生じる。そして、鍋106 内の蒸気は、澱粉の溶けた水分(おねば)とともに、蒸気侵入口172 からバケット176 の底面と蒸気口パッキン173 との間の隙間を通って、バケット176 と蒸気口カバー177 との間に流入する。ここで、蒸気とおねばとが分離され、比重の大きいおねばは仕切板182 の通孔181 を通ってバケット176 内に収容され、蒸気は蒸気放出口186 より外部へ放出される。そして、炊飯が進みむらしになると、鍋106 内の圧が下がることにより、バケット176 が蒸気口パッキン173 上に載るとともに、逆止弁179 が開いてバケット176 内のおねばがおねば戻し孔178 から鍋106 内に戻される。
【0073】
本第2実施例の炊飯器においても、蒸気放出口186 の周囲の下側の角部に面取り部187 を形成したことにより、前記第1実施例の炊飯器の面取り部86による作用効果と全く同様の作用効果が得られる。
【0074】
ところで、炊飯時に発生する蒸気が鍋と蓋体との間から漏れないようにする蓋パッキンは、蒸気が直接当たる使用環境であるため、蒸気の影響により劣化が早く、ゴム弾性が早期になくなったり、変色が著しかったり、臭いが付着して取れなくなったりするため、炊飯器本体の使用寿命より寿命が短く、劣化した場合などには交換する必要がある。しかし、従来、この蓋パッキンの交換はほとんどの製品で容易ではなく、一般的には蓋体を炊飯器本体から取り外し、つぎに、外蓋を取り外し、さらに蓋体の下面を形成する放熱板を取り外してから行うようにしている。このように蓋パッキンの交換には大変複雑な作業が必要なため、この交換を一般ユーザーが行うことは不可能で、通常はサービスマンが行う。そのため、蓋パッキンの交換にはサービスマンの工賃も含まれることになり、割高となる。また、ユーザーは、蓋パッキンを交換するのに販売店などまで炊飯器を持っていく必要があり、さらに、通常はその場ですぐ交換することができないので、後日受け取るまで炊飯器が使用できない不便を強いられる。また、蓋パッキンの交換はサービスマンが行っても容易ではなく、蓋体を炊飯器本体から外すときや、外蓋を外すときに製品外観を傷付けてしまいやすい。特に外蓋はねじをほとんど使用しないで、爪のみにより止めている場合が多く、これを外す場合には嵌合部の隙間に金属の板などを差し込んで多少強引に外す必要があり、蓋体を非常に傷付けやすい。また、蓋体を外すとき、蓋体の内部に繋がっているヒータ線や温度センサ線のコネクタを外す必要があり、蓋パッキン交換後の組立て時にこれを繋ぎ忘れる可能性がある。
【0075】
これに対して、本第2実施例の炊飯器では、放熱板145 の外周部に枠板143 とにより構成される凹溝159 を設け、この凹溝159 に蓋パッキン156 を嵌め込む構成としたので、蓋体141 を分解することなく、蓋パッキン156 を単体で蓋体141の下面側から着脱でき、この蓋パッキン156 の交換ができる。ところが、もし凹溝の幅が全体に渡って一定であったとすると、次のような問題を生じる。まず凹溝の幅を広くしたとすると、蓋パッキンが外れやすくなるとともに、凹溝と蓋パッキンとの間の隙間から蒸気漏れを生じやすくなる。一方、凹溝の幅を狭くしたとすると、蓋パッキンの着脱がしにくくなり、特に劣化した蓋パッキンは切れて外せないこともある。
【0076】
しかしながら、本第2実施例の炊飯器では、蓋パッキン156 の装着用の凹溝159 に部分的に幅が広い部分を形成してパッキン着脱部161 を設けたので、装着に際しては、パッキン着脱部161 に最後に嵌まるように蓋パッキン156 を押し込み、外すときには、パッキン着脱部161 で最初に蓋パッキン156 を引くことにより、蓋パッキン156 の不用意な外れや蒸気漏れなどの問題をきたすことなく、蓋パッキン156 を容易に着脱できる。また、蓋パッキン156 の装着時に、パッキン着脱部161 に蓋パッキン156 の余った部分を押し込むことにより、この蓋パッキン156 の長さ調整も可能である。
【0077】
さらに、パッキン着脱部161 を蓋体141 の反ヒンジ軸147 側に設けたので、蓋パッキン156 に溜まった露がパッキン着脱部161 に入りにくい。
【0078】
なお、前記第2実施例では、枠板143 の立上がり壁157 の内周面下部に形成したに引掛り部160 を部分的になくすことにより、凹溝159 の幅を部分的に広くしたパッキン着脱部161 を形成したが、図16に示す第3実施例のように、枠板143 の立上がり壁157 の内周面は全体的に柱面とし、その下部の一部に外周側へ窪んだ凹部を形成することにより、凹溝159 の幅を部分的に広くしたパッキン着脱部161 を形成してもよい。
【0079】
つぎに、本発明の炊飯器の第4実施例について、図17を参照しながら説明する。この第4実施例は、蓋パッキン156 の変形例であり、この蓋パッキン156 の断面ほぼ三角形状の挿入部162 内に中空部191 を形成したものである。また、蓋パッキン156 の挿入部162 の底面部は、断面ほぼへ字形状の屈曲部192 にしてある。この屈曲部192 は、両側から力を加えたとき上方へ折れ曲がるようになっている。
【0080】
蓋体141 への蓋パッキン156 の取り付けは、前記第2実施例と同様であり、蓋パッキン156 の挿入部162 を凹溝159 内に押し込むが、このとき、挿入部162 に両側から力が加わることにより、屈曲部192 が上方へ折れ曲がった状態で中空部191 が押し潰され、挿入部162 が引掛り部160 を乗り越えて凹溝159 内に入っていく。すなわち、挿入部162 は中空なので、前記第2実施例のように中実になっている場合に比べ、より少ない力でより大きく潰れる。そのため、挿入部162 が凹溝159 の引掛り部160 に大きく引っ掛かる構造にできる。したがって、蓋パッキン156 を嵌めやすく、抜けにくくすることが可能である。蓋パッキン156 を外すには、密閉部163 を引けばよい。
【0081】
また、挿入部162 を厚肉で中実にした場合に比べ、蓋パッキン156 を押し出し成型する際、ひけが生じたり、捩じれたりしにくい。
【0082】
すなわち、蓋パッキン156 は、凹溝159 に挿入される挿入部162 の肉厚が薄いと、蓋体141 への装着時に挿入部162 が折れ曲がって挿入しにくいとともに、蓋パッキン156 の抜け防止用の引掛り部160 を大きくできないので抜けやすくなる。そのため、挿入部162 の肉厚は十分に厚くする必要があるが、挿入部162 を中実なまま肉厚にしたとすると、成形時にひけてしまって設計通りの寸法が得られなくなる虞がある。また、挿入部162 とその他の部分とで厚さが大きく異なるため、押し出し成形により成形した場合、肉厚の違いによる冷え方の差から、真っ直ぐには成形できず、大きく捩じれてしまう虞がある。このため、両端を接合して環状にするときに滑らかな接合が難しく、使用時にこの部分からの蒸気漏れが生じやすくなる。さらに、凹溝159 に蓋パッキン156 を嵌め込むとき、ほとんどこの蓋パッキン156 の素材の弾性による変形だけを用いて押し込むので、引掛り部160 と挿入部162 との引っ掛かりを大きくすると、固くて嵌め込みにくくなる。そのため、引掛り部160 と挿入部162 との引っ掛かりはあまり大きくできないので、蓋パッキン156 が外れやすい。
【0083】
これに対して、本第4実施例の構成によれば、挿入部162 内に中空部191 を設けたことにより、挿入部162 の肉厚を中実な場合よりも厚くしても、押し出し成形時にひけたり、捩じれたりせず、設計通りの寸法が得られるとともに、環状に接合するときに接合部が滑らかになり、この部分からの蒸気漏れを防止できる。また、前述のように、中実な場合に比べ、挿入部162 が少ない力で大きく潰れるので、凹溝159 の引掛り部160 に挿入部162 が大きく引っ掛かる構造にできる。したがって、蓋パッキン156 をより嵌めやすく、かつ、抜けにくくすることができる。
【0084】
なお、前記第2実施例から第4実施例の炊飯器においても、前述した煮沸コースの構成は全て適用可能である。
【0085】
【発明の効果】
請求項1の発明の炊飯器によれば、煮沸コースでは加熱を開始するとすぐに鍋をほぼ最大加熱量で加熱し、ほぼ沸騰が始まったら加熱量を低減して沸騰を継続させ、鍋温度が所定温度上昇したら少量の残水が残る状態で煮沸加熱を停止させるので、煮沸に要する水や燃料費を減らせるとともに、安全に煮沸ができ、しかも、汚れを確実に防止できる。
【0086】
請求項2の発明の炊飯器によれば、請求項1の発明の効果に加えて、鍋の温度が所定温度上昇するか、加熱を開始してからまたはほぼ沸騰してから所定時間経過したときに煮沸加熱を停止するので、安全性がより向上するとともに、汚れを十分に落とすことができる。
【0087】
請求項3の発明の炊飯器によれば、請求項2の発明の効果に加えて、加熱を開始してからまたはほぼ沸騰してから加熱を停止するまでの時間を任意に設定可能としたので、ユーザーは使用目的および希望時間に応じて煮沸時間を設定でき、実用性が向上する。
【0088】
請求項4の発明の炊飯器によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、白米などの炊飯を目的とした任意の炊飯コースと煮沸コースとを兼用したので、加熱制御の構成を簡素化できる。
【0089】
請求項5の発明の炊飯器によれば、炊飯開始後ほぼ最大加熱量で加熱を開始し、ほぼ沸騰前後において加熱量を減少して鍋内の水を沸騰継続し、沸騰継続中に鍋の温度が所定温度上昇するか、炊飯を開始してから所定時間経過するか、ほぼ沸騰してから所定時間経過すると、煮沸継続中より加熱量を減少したむらし加熱を行い、このむらし加熱が所定時間経過したら保温加熱にすることにより、米を入れず水のみを煮沸する加熱とご飯を炊飯する加熱を通常の炊飯時に比べ短時間で行えるようにし、水のみを煮沸したときに少量の湯が残るように構成したので、炊飯コースと煮沸コースとの兼用により構成を簡素化でき、また、煮沸に際しては、この煮沸に要する水や燃料費を減らせるとともに、安全に煮沸ができ、しかも、汚れを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炊飯器の第1実施例を示す断面図である。
【図2】同上蒸気通過路付近の拡大断面図である。
【図3】同上蒸気口カバーの平面図である。
【図4】同上蒸気の付着に関する実験結果を示す説明図である。
【図5】同上操作パネルの正面図である。
【図6】同上早炊きコースと煮沸コースとの切り替え動作を示すフローチャートである。
【図7】同上煮沸コースでの制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】同上煮沸コースでの制御の他の例を示すフローチャートである。
【図9】同上煮沸コースでの制御のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図10】同上煮沸コースでの制御のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の炊飯器の第2実施例を示す断面図である。
【図12】同上図11のXI部の拡大断面図である。
【図13】同上図11のXII 部の拡大断面図である。
【図14】同上蓋パッキンの断面図である。
【図15】同上枠板の底面図である。
【図16】本発明の炊飯器の第3実施例を示す蓋パッキン付近の断面図である。
【図17】本発明の炊飯器の第4実施例を示す蓋パッキン付近の断面図である。
【図18】従来の炊飯器の一例を示す蒸気通過路付近の断面図である。
【符号の説明】
26 鍋
31 主ヒータ(加熱手段)
51 蓋体
106 鍋
111 加熱コイル(加熱手段)
141 蓋体[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rice cooker such as a rice cooker that also serves as a heating pot.
[0002]
[Problems to be solved by the invention]
In a rice cooker, steam generated during cooking in a pot containing rice and water passes through a steam passage that extends from the lower surface to the upper surface of the lid that covers the upper opening of the pan, and this steam passage. Through the vapor outlet at the top of the is released to the outside. Generally, the shape of the vapor discharge port is such that a plurality of slits having a width of 2 to 4 mm and a length of 10 to 30 mm are arranged in parallel or concentrically. This shape is intended to make it difficult for dust and insects to enter from the outside and to improve the release of steam.
[0003]
FIG. 18 shows an example of the configuration of a
[0004]
By the way, when the steam passes through the steam discharge port, it is rapidly cooled by outside air having a low temperature, and dew forms on a vertical wall portion around the steam discharge port, and the dew adheres here (see FIG. 4). When the lid that is hinged to the rice cooker main body is opened after the rice cooking is completed, the dew flows out due to the inclination of the lid, thereby causing a problem of soiling the lid. Moreover, since the shape of the vapor discharge port is slit-shaped and the vertical wall portion is long, the amount of dew adhering is large. Therefore, in severe cases, dew may flow from the rear part of the lid on the hinge side to the floor on which the rice cooker is placed through the back of the rice cooker main body. Next, when the lid is closed, the air inside the pan is compressed by the volume of the interference between the lid packing and the pan, and the pressure inside the pan increases instantaneously. As a result, the remaining dew splatters vigorously upward, causing a problem of soiling the lid.
[0005]
Conventionally, in order to solve such a problem of the adhesion of dew, means such as changing the dimensions such as the width of the steam discharge port and extending the unevenness time in the rice heating control have been adopted. Means do not provide a sufficient solution.
[0006]
By the way, in a rice cooker, there are soy sauce and salt used for cooking fifth rice, tools used for cooked rice, and butter and ketchup used for cooking pilaf, as factors that cause an unpleasant smell. If those odors and stains remain, the odor will be transferred to the rice at the next use and the stains will stick.
[0007]
In addition, when the heat is maintained for a long time in a heat-insulating pot that also serves as a rice cooker, the inside of the steam passage that communicates with the outside air contains the dissolved moisture of the starch and the Bacillus subtilis in the air easily enters, In addition, when the outside air temperature decreases, the bacillus subtilis easily cools to less than 55 ° C. where it grows easily. The odor may adhere to the rice because the rice has a characteristic of easily adsorbing the odor, and may cause a disadvantage that the odor of the rice is deteriorated.
[0008]
A rice cooker with a function that removes dirt from the pot, lid, steam passage, lid packing, etc. with steam is proposed if water is put into the pot and heated and boiled when the soiling is caused by the above factors. Have been. However, a conventional rice cooker having a boiling function has the following problems. First, the amount of water that can be put into the pot at the time of boiling is about half to about the eighth part of the pot, so that the heating time is long and the power consumption is large. In addition, there is residual hot water after boiling, a large amount of steam is emitted when the lid is opened, and when the pan is removed from the rice cooker body, this pot is hot, and the condition is originally unstable There is a danger of burns if handled carelessly because the hot water is contained in the hot pot and the hot water in the hot pot needs to be discarded. Further, a heating pattern and operation switches dedicated to boiling are required, and there are problems that the control program becomes more complicated, operation switches are increased, and the number of display sections is increased.
[0009]
In the case of an electromagnetic induction heating type rice cooker, if the contact between the pot and the temperature sensor that detects the temperature of the pot deteriorates, even if the pot is abnormally hot, only a low temperature is detected and abnormal heating may occur. If there is a risk of melting the rice cooker body or melting the temperature fuse, if boiling is not detected even if heating is continued for a predetermined time longer than the time that can be normal rice cooking, or if rice cooking does not end Some have a safety function of stopping the heating assuming that there is some abnormality and displaying an abnormality. In a rice cooker having such a function, even if water is put in a pot and boiling is performed in the normal heating pattern of white rice cooking, heating is stopped halfway due to the safety function and boiling is not sufficiently performed. Therefore, it was necessary to be able to cook with water in a heating pattern especially for boiling.
[0010]
The present invention is intended to solve such a problem, and in a rice cooker having a boiling function for preventing dirt, it is possible to reduce the cost of water and fuel required for boiling and to enable safe boiling. For that purpose.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0012]
When boiling is performed to remove dirt, boiling can be performed in a short time by setting the maximum heating amount almost immediately after heating is started. On the other hand, since the heating amount is reduced when the water is substantially boiled, the boiling is abnormally increased and the dew is prevented from scattering from the steam passage. Further, since it is assumed that heating is continued until the water in the pot is almost exhausted, the amount of water used may be small. However, since heating is stopped in a state where a small amount of water remains in the pot, an excessive rise in temperature of the pot or the like can be suppressed, and residues such as calcium and magnesium hardly remain in the pot.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the rice cooker according to the first aspect of the present invention, the boiling heating is stopped when the temperature of the pot rises by a predetermined temperature or when a predetermined time has elapsed since the heating was started or almost boiling. Things.
[0014]
When the boiling heating is stopped when the predetermined time has elapsed, the temperature rise of each part is prevented from becoming abnormally high due to the boiling for a long time, and the dirt is sufficiently removed by performing the heating for the predetermined time. . Further, if the boiling heating is stopped at a rise in the predetermined temperature, abnormal heating with no water is prevented when a small amount of water is erroneously added and boiling is performed.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, in the rice cooker according to the second aspect of the present invention, a time period from the start of heating or from almost boiling to the stop of heating can be arbitrarily set.
[0016]
Thereby, the boiling time can be set according to the purpose of use and the desired time of the user, and the practicality is improved.
[0017]
According to a fourth aspect of the present invention, in the rice cooker according to any one of the first to third aspects of the present invention, an optional rice cooking course for cooking rice such as white rice is also used as a boiling course.
[0018]
That is, no special heating pattern dedicated to boiling is set, thereby simplifying the configuration.
[0019]
The rice cooker according to the invention of
[0020]
In this way, boiling and cooking can be performed in a short time, and when heating only water is performed by shifting to uneven heating, in which the heating amount is reduced by the above-described temperature-related conditions or time-related conditions, and further to heat-retaining heating, In addition, it is possible to prevent the boiling from being abnormally strong and the dew from being scattered from the steam passage. At the same time, when only water is boiled, it is assumed that the water in the pot is almost exhausted, so that the amount of water used may be small. However, since a small amount of hot water remains in the pan, an excessive rise in temperature of the pan or the like can be suppressed, and residues such as calcium and magnesium hardly remain in the pan.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of the rice cooker according to the present invention will be described with reference to FIGS. In FIG. 1 which is a cross-sectional view of the entire rice cooker,
[0022]
[0023]
On the bottom surface in the
[0024]
Further, at the rear of the lower surface of the rice cooker
[0025]
[0026]
Further, the
[0027]
[0028]
[0029]
Further, a plurality of, for example, four slit-shaped
[0030]
Next, the operation of the above configuration will be described. The steam generated in the
[0031]
According to the configuration of the above-described embodiment, the C-cut is formed on the lower corner around the
[0032]
Further, in consideration of the appearance, it is most preferable to form the chamfered
[0033]
As described above, the adhesion of the dew to the
[0034]
In the first embodiment, the
[0035]
Further, the rice cooker according to the first embodiment has a boiling function for cleaning the
[0036]
The control circuit, the temperature detection of the
[0037]
The selection of the boiling course is performed by pressing the
[0038]
In the boiling course, the preheating step is omitted, and immediately after the start of heating, the
[0039]
Also, unlike the conventional boiling course, since the heating is performed without leaving much remaining hot water in the
[0040]
The following configuration is adopted so that there is no problem even when used in an empty state where nothing is put in the
[0041]
Although the temperature is not particularly limited, the temperature at which the plastic such as polypropylene which is a component part of the
[0042]
In addition, it can be dried without heating, and can be used for the purpose of sterilization of Bacillus subtilis, for example, by using it by heating at a temperature of 100 ° C. or more without using water. . Bacillus subtilis does not die at 100 ° C. In addition, bacteria may be condensed and remain in the residual water, and if water remains, the expectation of the bactericidal effect is low. However, if the
[0043]
In addition, the rice cooker of the present embodiment has various rice heating patterns such as rice porridge, brown rice, fast-cooking, and cooking, in addition to white rice, and the user selects a course of an arbitrary rice heating pattern with the
[0044]
Since the boiling course is not a heating pattern intended for cooking rice that is different from normal, as a means for notifying this point, as described above, the
[0045]
It is also possible to use both the heating pattern in the boiling course and the normal heating pattern. For example, a heating pattern of a fast-cooking course may be used as described above. However, the preheating step is omitted, heating is started at almost the maximum heating amount, and the temperature of the
[0046]
Here, some of the heating patterns and display controls in the boiling course described above will be summarized with reference to the flowcharts of FIGS. 7 to 9. In the heating control shown in FIG. 7, when the boiling course heating is started (S21), the heating is immediately turned on with the maximum heating amount (S22). If the inside of the
[0047]
In the heating control shown in FIG. 8, when the boiling course heating is started (S31), if the temperature of the
[0048]
Further, in the control shown in FIG. 9, when the boiling course heating is started (S41), 30 minutes is displayed as the remaining time in the time /
[0049]
Further, in the control shown in FIG. 10, the heating control is completely used in the fast-boiling course and the boiling course in which rice can be cooked in a shorter time than in normal cooking. When the fast-cooking course is selected by the
[0050]
According to the boiling course in the present rice cooker as described above, the heating of the
[0051]
Further, when the heating is started in an empty state of the
[0052]
By the way, when the heating stop condition at the time of boiling is the elapsed time, a large amount of residual hot water may remain, but it is possible to prevent the temperature rise of each part from becoming abnormally high due to the long-time boiling. However, the predetermined time until the heating is stopped is set so that the boiling time is about 10 minutes or more, and a sufficient boiling time for removing dirt is obtained. In addition, even when the heating stop condition at the time of boiling is set to a temperature rise, if a small amount of water is erroneously put into the
[0053]
In addition, since the boiling switch is selected by also using the
[0054]
After the boiling course is started, the lighting mode of the
[0055]
In addition, since the heating pattern of the boiling course and the rice heating pattern for cooking white rice are shared, rice can be cooked, water can be boiled, and the
[0056]
Furthermore, when heating is started by operating the rice cooker start switch for starting rice cooker in a different manner from the operation for starting normal rice cooker, it is practical to perform boiling heating in a display mode in which a boiling course is being executed. The remaining time is displayed to improve the performance, and the display form of the
[0057]
In this way, during boiling, the heating time can be shortened and the amount of water used can be small, so that water saving and power saving effects can be obtained. At the end of boiling, almost no boiling water remains in the
[0058]
In the boiling course, the user may be able to arbitrarily set a predetermined time from the start of heating or from almost boiling to the stop of heating. For example, the predetermined time may be adjusted by operating the
[0059]
Next, a rice cooker according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In FIG. 11 which is a cross-sectional view of the entire rice cooker,
[0060]
The
[0061]
A
[0062]
[0063]
141 is a lid provided rotatably on the upper side of the rice cooker
[0064]
The
[0065]
Further, a
[0066]
A lid packing 156 made of an elastic rubber material such as silicone rubber is provided between the inner peripheral portion of the
[0067]
The lid packing 156 is made of, for example, silicone rubber, formed by extrusion molding, cut into a predetermined length, and joined at both ends to form an annular shape. The lid packing 156 has a
[0068]
The lid packing 156 is detachable from the
[0069]
At a substantially central portion of the
[0070]
The main components forming the
[0071]
The
[0072]
Next, the operation of the above configuration will be described. Normally, the
[0073]
Also in the rice cooker of the second embodiment, since the chamfered portion 187 is formed at the lower corner around the
[0074]
By the way, the lid packing that prevents the steam generated during cooking from leaking from between the pot and the lid is a use environment where the steam is directly applied, so the deterioration of the lid is quick due to the influence of the steam, and the rubber elasticity is lost quickly. The rice cooker itself has a shorter service life than the service life of the rice cooker, and needs to be replaced when it has deteriorated, because the discoloration is remarkable or the odor adheres to it and cannot be removed. However, conventionally, the replacement of the lid packing is not easy for most products.In general, the lid is removed from the rice cooker main body, then the outer lid is removed, and a radiator plate that forms the lower surface of the lid is further removed. I do it after removing it. Since the replacement of the lid packing requires a very complicated operation, this replacement cannot be performed by a general user, and is usually performed by a service person. Therefore, replacement of the lid packing includes labor costs for service personnel, which is expensive. In addition, the user needs to bring the rice cooker to a store or the like to replace the lid packing, and since it can not usually be replaced immediately on the spot, the inconvenience that the rice cooker can not be used until it is received at a later date Is forced. Further, the replacement of the lid packing is not easy even if performed by a service person, and the appearance of the product is easily damaged when the lid is removed from the rice cooker main body or when the outer lid is removed. In particular, the outer lid is often fastened with only claws without using screws.To remove the outer lid, it is necessary to insert a metal plate or the like into the gap between the fittings and remove it slightly forcibly. Very easy to scratch. Further, when removing the lid, it is necessary to disconnect the connector of the heater wire or the temperature sensor wire connected to the inside of the lid, and there is a possibility that the lid may be forgotten to be connected at the time of assembly after replacement of the lid packing.
[0075]
On the other hand, in the rice cooker of the second embodiment, a
[0076]
However, in the rice cooker according to the second embodiment, since the packing groove attaching / detaching
[0077]
Further, since the packing attachment /
[0078]
In the second embodiment, the packing 160 is formed at the lower portion of the inner peripheral surface of the rising
[0079]
Next, a fourth embodiment of the rice cooker according to the present invention will be described with reference to FIG. The fourth embodiment is a modification of the lid packing 156, in which a
[0080]
The attachment of the lid packing 156 to the
[0081]
Also, as compared with the case where the
[0082]
That is, when the thickness of the
[0083]
On the other hand, according to the configuration of the fourth embodiment, since the
[0084]
In the rice cookers of the second to fourth embodiments, all the configurations of the boiling course described above are applicable.
[0085]
【The invention's effect】
According to the rice cooker according to the first aspect of the present invention, in the boiling course, the pot is heated at almost the maximum heating amount as soon as the heating is started, and when the boiling almost starts, the heating amount is reduced to continue the boiling, and the pot temperature is reduced. When the predetermined temperature rises, the boiling heating is stopped in a state where a small amount of residual water remains, so that the water required for boiling and the fuel cost can be reduced, the boiling can be performed safely, and dirt can be reliably prevented.
[0086]
According to the rice cooker of the second aspect of the present invention, in addition to the effect of the first aspect of the present invention, when the temperature of the pot rises by a predetermined temperature, or when a predetermined time has elapsed since the start of heating or almost boiling. Since boiling heating is stopped, safety can be further improved and dirt can be sufficiently removed.
[0087]
According to the rice cooker of the third aspect of the present invention, in addition to the effect of the second aspect of the present invention, the time from the start of heating or from almost boiling to the stop of heating can be arbitrarily set. In addition, the user can set the boiling time according to the purpose of use and the desired time, thereby improving the practicality.
[0088]
According to the rice cooker of the invention of claim 4, in addition to the effect of any one of the inventions of
[0089]
According to the rice cooker according to the fifth aspect of the present invention, the heating is started at the maximum heating amount after the rice cooking is started, the heating amount is reduced substantially before and after the boiling, and the water in the pot is continuously boiled. When the temperature rises by a predetermined temperature, or when a predetermined time has elapsed since the start of rice cooking, or when a predetermined time has elapsed since almost boiling, uneven heating is performed with a reduced heating amount compared to during boiling, and the uneven heating is performed. After a certain period of time, by heating and heating, heating to boil only water without rice and heating to cook rice can be performed in a shorter time than normal cooking, and a small amount of hot water when only water is boiled , The structure can be simplified by using both the rice cooker course and the boiling course, and at the time of boiling, the water and fuel costs required for the boiling can be reduced, and the boiling can be done safely. Prevent dirt reliably It can be.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing a first embodiment of a rice cooker according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of the vicinity of the steam passage.
FIG. 3 is a plan view of the steam port cover.
FIG. 4 is an explanatory diagram showing an experimental result regarding the adhesion of steam.
FIG. 5 is a front view of the operation panel.
FIG. 6 is a flowchart showing an operation of switching between a fast-cooking course and a boiling course.
FIG. 7 is a flowchart illustrating an example of control in the boiling course according to the first embodiment.
FIG. 8 is a flowchart showing another example of the control in the boiling course.
FIG. 9 is a flowchart showing still another example of control in the boiling course.
FIG. 10 is a flowchart showing still another example of the control in the boiling course.
FIG. 11 is a sectional view showing a second embodiment of the rice cooker according to the present invention.
FIG. 12 is an enlarged sectional view of an XI part in FIG. 11;
FIG. 13 is an enlarged sectional view of a portion XII in FIG. 11;
FIG. 14 is a sectional view of the same lid packing.
FIG. 15 is a bottom view of the frame plate.
FIG. 16 is a sectional view showing the vicinity of a lid packing showing a third embodiment of the rice cooker of the present invention.
FIG. 17 is a sectional view showing the vicinity of a lid packing showing a fourth embodiment of the rice cooker of the present invention.
FIG. 18 is a cross-sectional view near a steam passage showing an example of a conventional rice cooker.
[Explanation of symbols]
26 hot pot
31 Main heater (heating means)
51 Lid
106 hot pot
111 heating coil (heating means)
141 Lid
Claims (5)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035906A JP3550684B2 (en) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | rice cooker |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035906A JP3550684B2 (en) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | rice cooker |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14899197A Division JPH10337247A (en) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | Rice cooker |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003219960A JP2003219960A (en) | 2003-08-05 |
JP3550684B2 true JP3550684B2 (en) | 2004-08-04 |
Family
ID=27751613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003035906A Expired - Lifetime JP3550684B2 (en) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | rice cooker |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3550684B2 (en) |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003035906A patent/JP3550684B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003219960A (en) | 2003-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4137914B2 (en) | rice cooker | |
JP3550684B2 (en) | rice cooker | |
JP4033264B2 (en) | Induction heating cooker | |
JPH10337247A (en) | Rice cooker | |
KR100676669B1 (en) | Induction heating cooker | |
JP3298090B2 (en) | rice cooker | |
JP3456150B2 (en) | Insulated pot | |
JPH09140574A (en) | Cooking device | |
JP3666019B2 (en) | Warming pot | |
JP2000041836A (en) | Rice cooker | |
JPH10165301A (en) | Rice cooker | |
JP2001299580A (en) | Rice cooker | |
JPH0795922A (en) | Rice cooker | |
JP3239349B2 (en) | Insulated pot | |
JP3440464B2 (en) | Insulated pot | |
JP3038696B2 (en) | rice cooker | |
JPH105126A (en) | Rice cooker having warming function | |
JP2890398B2 (en) | rice cooker | |
JP2002215078A (en) | Home electric apparatus | |
JP3562440B2 (en) | Electric rice cooker | |
JP3275288B2 (en) | Rice cooker and method for producing lower surface member of lid of rice cooker | |
JPH0919363A (en) | Jar type rice cooker | |
JP2001292895A (en) | Rice cooker | |
JP2005087762A (en) | Rice cooker with warmer | |
JP2023154308A (en) | heating cooker |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040301 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040411 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514 Year of fee payment: 10 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |