JP3550383B2 - オゾン発生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、脱臭および殺菌を行なうためにオゾンを発生するようなオゾン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素元素の高エネルギ同素体としてのO3(オゾン)が脱臭(消臭)、殺菌、カビの生長抑制に有効なことが知られている。
そこで、オゾンを発生させる従来装置としては高電圧コロナ放電によるものと、紫外線によるものとがある。
【0003】
高電圧コロナ放電によるオゾン発生装置は、気体酸素または空気を高電圧交流放電の中に通し、まずO2→2Oの式で示すように酸素原子を生成し、次にO+O2+M→O3+M(但し、Mは気体中の手近な分子)の式で示すようにオゾンを発生させるものであるが、この従来装置においてはオゾン発生時に有毒な酸化窒素NOxの発生を伴うと共に、湿度が高くなるとオゾン発生量が減少する問題点があった。
【0004】
また紫外線によるオゾン発生装置は、肉眼での直視により害を及ぼす問題点があった。
このような問題点を解決するために、従来、特開平10−328286号公報に記載のようなオゾン発生装置が既に発明されている。
【0005】
すなわち、水素イオン導電性の固体電解質の膜を陽極(正極)と陰極(負極)とで挟持して、上記両極間に電流を印加し、陽極側で電解反応により酸素を発生させ、陰極側で還元反応する固体電解素子において、上述の陰極は白金族金属または白金族金属の金属酸化物の第1の触媒と上記固定電解質の粉末とを混合して、上述の膜の一面に第1の触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで陰極触媒層を形成し、水分透過性を有する第1の多孔質基材を陰極触媒層に接合したものとし、陽極は酸素過電圧が高い第2の触媒と上記固体電解質の粉末とを混合して、上記膜の他面に第2の触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで陽極触媒層を形成し、水分透過性を有する導電部材の相互間が20mm以下に構成された第2の多孔質基材を上述の陽極触媒層に接合したものである。
【0006】
このように構成された固体電解素子の両極間に直流電源により直流電圧を印加すると、陽極側では空気中の水分が電気化学反応によって電気分解され、この結果、次に式(1)、式(2)で示す反応により陽極側の湿度が低下すると共に、オゾンおよび酸素が発生するものである。
【0007】
H2O→2H++1/3O3+2e−……(式1)
H2O→2H++1/2O2+2e−……(式2)
このように上述の固体電解素子を用いると、除湿を行なうことができると共に、オゾンによる殺菌および消臭を行なうことができる利点がある。
しかしながら、固体電解素子に流れる電流の積算値によりオゾン発生量(オゾン供給量)を検出すべく構成している。このように、オゾン発生量を電流の積算値で検出すると電流が他の要素により不安定となるので、時間当りのオゾン発生量が不正確となるので望ましくない。
【0008】
そこで、オゾン発生量がクローン量による電気分解生成物であることに着目して、上述の固定電解素子を定電流駆動することが考えられるが、この場合には次のような問題点が発生する。
【0009】
すなわち、上述の固体電解素子のオゾン発生は空気中の水分を素子内部に吸着させ、その水分を原料として電気分解するものであるから、空気中の相対湿度の増減による影響を受け、相対湿度が小さい時(例えば、エアコンによる除湿運転中)にはオゾン発生には充分な水分を得ることが困難となる。
【0010】
つまり、オゾン発生量は相対湿度の増加に伴って増加するが、逆に相対湿度が低下した場合にはオゾン発生量は低下する。固体電解素子の駆動を定電流で行ない、オゾン発生の制御を実行している時、相対湿度が低下し、空気中の水分量が減少すると、固体電解素子の電気抵抗値が上昇して、定電流が得られなくなり、この結果、オゾン発生量の制御が困難となる問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、この回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却する冷却回路とを設けることにより、この冷却回路にて固体電解素子に吸着される水分量の増加を図って、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができるオゾン発生装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるオゾン発生装置は、吸湿性固体膜の両面に正負の各電極が配置された固体電解素子を用いてオゾンを発生するオゾン発生装置であって、上記固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、上記定電流駆動回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却する冷却回路とを備えたものである。
上記構成の差動増幅器はオペアンプで構成してもよく、定電流は単一素子の場合においては約48mAに設定してもよい。
【0013】
上記構成によれば、上述の差動増幅器はその入力端子間の電圧の差(電位)が零になるように動作して固体電解素子を定電流駆動するが、湿度が低下すると、固体電解素子に吸収される水分が減少するため該素子の抵抗が上昇し、電源電圧が不足する。このため差動増幅器の入力端子間の電圧は零にならない。
【0014】
そこで、この入力端子間の電圧により冷却回路を駆動して、この冷却回路の作用で空気を冷却すると、固体電解素子に対する水分吸着量が増加するので、差動増幅器の入力端子間の電圧は自動的に零となり、固体電解素子駆動用の定電流を確保することができる。
【0015】
したがって、固体電解素子の抵抗が変化しても、常に一定電流を確保することができ、この結果、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる。
【0016】
また上述の定電流駆動回路にて固体電解素子を定電流ドライブさせるので、オゾン発生量の安定を図ることができる。つまり、オゾン発生量はクローン量による電気分解生成物であるから、オゾン発生量の安定化を図るためには定電流ドライブが最適である。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記冷却回路は電子冷却素子を備えたものである。
上記構成の電子冷却素子としては、ペルチェ効果(Peltier effect)を応用した熱電素子や電子冷凍素子などを用いることができる。また電子冷却素子は固体電解素子に供給される気体(空気)の温度よりも充分に低い温度に設定されることが望ましい。
【0018】
上記構成によれば、電子冷却素子により固体電解素子へ供給される空気を充分に冷却することができると共に、冷却回路を小型コンパクトに構成することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記固体電解素子と電子冷却素子の冷却面を近接配置したものである。
上記構成によれば、電子冷却素子の冷却面を固体電解素子に近接配置したので、この固体電解素子に吸着される水分量の増加により一層効果的に実行することができる。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はオゾン発生装置を示し、図1において1つの入口1と2つの出口2,3(高濃度オゾン吐出口2と、余剰空気3)とを備えたケーシング4を設け、このケーシング4の入口1近傍には送風手段としてのファン5を配設している。
【0021】
また入口1と一方の出口2とを連通する通路6内には固体電解素子7を配設すると共に、この固体電解素子7の上流近傍には電子冷却素子8を配設している。ここで、上述の固体電解素子7としては固体高分子電解素子を用いてもよく、一方、電子冷却素子8は固体電解素子7に供給される気体(空気)の温度よりも充分に低い温度まで冷却することができるように設定されている。
【0022】
上述の電子冷却素子8は冷却面9と放熱面(加熱面)10とを有するペルチェ効果応用素子であって、放熱面10にはその放熱効果の向上を図る目的で放熱板11を取付け、この放熱板11をオゾン発生装置下面に位置させる一方、上記素子8の上部にはアルミなどの良熱伝導性金属板40を介して冷却フィン41を取付けている。
【0023】
なお、上述の出口2は送気ダクトを介してオゾンを供給すべき室などの空間部に連通され、この空間部は吸気ダクトを介して入口1に連通される。また上述の電子冷却素子8の全体を固体電解素子7の上流側近傍に配置し、冷却面9による冷却効果、湿度増大効果が固体電解素子7に効率的に反映されるように構成してもよい。
またファン5の下流部には導入空気を通路6と通路12とに切換える調整板42を取付けている。
【0024】
上述の固体電解素子7は図2に示すように構成されている。
すなわち、陽イオン導電圧(水素イオン導電性)の固体電解質を使用した厚さ約170μmの膜(吸湿性固体膜)13を設け、この膜13の一面に陰極触媒層14を形成している。
【0025】
この陰極触媒層14は膜13と同じ固体電解質の粉末を含んだイソプロピルアルコールと水等の揮発性溶剤に、触媒としての白金黒(プラチナ・ブラック)を混合して、白金黒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで膜13に塗布または吹き付けたものである。
【0026】
上述の陰極触媒層14と共に陰極15を構成する多孔質素基材16を設けている。この多孔質素基材16はカーボンを使用した厚さ約200μmの水透過性を有する基材で、具体的にはカーボンペーパー、カーボンクロス等の炭素繊維を用いる。
上述の陰極触媒層14と多孔質素基材16との両者により陰極15が構成される。
【0027】
一方、上述の膜13の他面に形成される陽極触媒層17を設けている。この陽極触媒層17は膜13と同じ固体電解質の粉末を含んだイソプロピルアルコールと水等の揮発性溶剤に、PbO2、SnO2、FeO4、SrFeO3などの酸素過電圧が高い触媒を混合して、触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで膜13に塗布または吹き付けたものである。
【0028】
上述の陽極触媒層17と共に陽極19を構成する多孔質素基材18を設けている。この多孔質素基材18はチタンのエキスパンドメタルに白金メッキした厚さが約100μmの水透過性を有する基材であって、この多孔質素基材18と上述の陽極触媒層17との両者で陽極19が構成される。
【0029】
ここで、上述の膜13と各極15,19とは、約180℃の温度、約50kg/cm2の圧力で約3分間のホットプレスを行なうことにより、互いに物理的に一体化すると共に電気的に接合される。なお、陰極触媒層14に混合する触媒は、白金黒の他にルテニウム、イリジウム、パラジウムなどの白金族金属または白金族金属の金属酸化物としての酸化イリジウム等であってもよい。
【0030】
このように構成した固体電解素子7の動作原理は次の通りである。
つまり陽極19、陰極15にプラス、マイナスの直流電圧を印加すると、陽極19側では空気中の水分が電気化学反応によって電気分解される。この結果、次に式(3)、式(4)で示す反応により陽極19側の湿度が低下すると共に、同極側において、オゾンおよび酸素(副反応生成物)が発生する。
【0031】
H2O→2H++1/3O3+2e−……(式3)
H2O→2H++1/2O2+2e−……(式4)
したがって、図1に示すように固体電解素子7をケーシング4内に配置し、ファン5にて送風を行なうと、固体電解素子7の陽極19側で発生したオゾンを送気ダクト(図示せず)を介して、オゾンを供給すべき所定の空間内へ供給することができる。
【0032】
図3は固体電解素子7の制御回路を示し、この制御回路は定電流駆動回路20と、冷却回路21とを備えている。
固体電解素子7に定電流を通電する上述の定電流駆動回路20は、定電流値の設定を目的として設けられた可変基準電源22(直流電流)と、増幅用のオペアンプ23(以下単にオペアンプと略記する)と、抵抗体24とを備えている。
【0033】
上述の基準電源22をライン25を介してオペアンプ23の一方の入力端子23aに接続し、このオペアンプ23の他方の入力端子23bは交点26および抵抗体24を介してアースに接続すると共に、ライン27を介して冷却回路21内のオペアンプ30の一方の入力端子30bに接続している。
【0034】
また上述のオペアンプ23の出力端子23cはライン28を介して固体電解素子7の陽極19に接続し、この固体電解素子7の陰極15はライン29を介して交点26に接続している。
【0035】
一方、上述の定電流駆動回路20を構成するオペアンプ23の入力端子23a,23b間の電圧Voにより駆動され、空気を冷却して、相対湿度(空気中の水蒸気の分圧がその温度における飽和水蒸気圧の何%にあたるかを表わす値)を増加させる冷却回路21は、増幅用オペアンプ30(以下単にオペアンプと略記する)と、電子冷却素子8とを備えている。
【0036】
上述のオペアンプ30の他方の入力素子30aはライン31を介して基準電源22に接続され、このオペアンプ30の出力端子30cはライン32を介して電子冷却素子8に接続され、この電子冷却素子8の冷却面9を冷却すべくライン33を介してアースに接続されている。
【0037】
このように構成したオゾン発生装置の作用を以下に詳述する。
固体電解素子7に流れる負荷電流iは交点26および抵抗体24を介して接地され、オペアンプ23はその各入力端子23a,23b間の電圧Voが零になるように差動することで、固体電解素子7を定電流駆動する。
【0038】
しかし、固体電解素子7周辺の湿度が低下すると、オペアンプ23が定電流動作を行なおうとしても、固体電解素子7に吸収される水分が少ないため、該素子7の電気抵抗値が上昇し、個体電解素子7の両極19,15間電圧が上昇する。このため電源電圧が不足して、所定の電流値(定電流)が得られなくなる。つまり、オペアンプ23の入力端子間電圧Voが零でなくなる。
【0039】
この入力端子間電圧Voは冷却回路21におけるオペアンプ30に印加され(ライン27からオペアンプ30の入力端子30bに電流が流れる)、この電圧Voが該オペアンプ30にて増幅され、該オペアンプ30の出力端子30cから電子冷却素子8に対してライン32を介して電流iaが流れ、ペルチェ効果により、その冷却面9が冷却され、この冷却面9に接する冷却フィン41が冷却される。
【0040】
上述の冷却フィン41の冷却により通路6(図1参照)を流通する空気が冷却されると共に、その相対湿度が増大するので、固体電解素子7に吸着される水分量が増加することになる。
【0041】
この結果、固体電解素子7の抵抗値が復帰して、該素子7に流れる負荷電流iが増加し、抵抗体24に流れる負荷電流iと、基準電源22の電圧Esと、抵抗体24の抵抗値Rsとの間において、Es−iRs=0の状態つまりEs=iRsの状態で、換言すれば入力端子間電圧Voが零になると、冷却回路21側のオペアンプ30の入力端子30bに印加される電圧が自動的に零となり、冷却回路21による空気の冷却、相対湿度の増大が自動的に中止され、固体電解素子7に対しては定電流駆動回路20により所定の定電流ドライブを実行することができる。
【0042】
要するに、湿度の変化により固体電解素子7の抵抗値が変化しても、冷却回路21の作用にて、該素子7に常に一定の電流を流すことができ、これにより安定したオゾン供給を実行することができるものである。また上述の冷却回路21は固体電解素子7の抵抗値が上昇した時にのみ自動的に作動するので、複雑な制御手段が一切不要であり、かつ省電力化(バッテリ消費量の低減)を図ることができる。換言すれば、Vo=0になるまで電子冷却素子8が冷却、加湿されるものである。
【0043】
図4は温度をパラメータとして、相対湿度に対するオゾン発生量の変化を示す特性図で、温度が同一の場合には相対湿度が増加する程、オゾン発生量が増加することを示している。つまり加湿によりオゾン発生量が増大することを表わしている。
【0044】
このように上記実施例のオゾン発生装置は、吸湿性固体膜13の両面に正負の各電極19,15が配置された固体電解素子7を用いてオゾンを発生するオゾン発生装置であって、上記固体電解素子7に定電流を通電する定電流駆動回路20と、上記定電流駆動回路20を構成する差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voにより駆動され、空気を冷却する冷却回路21とを備えたものである。
【0045】
上記構成によれば、上述の差動増幅器(オペアンプ32参照)はその入力端子23a,23b間の電圧の差(電位)Voが零になるように動作して固体電解素子7を定電流駆動するが、湿度が低下すると、固体電解素子7に吸収される水分が減少するため該素子7の抵抗が上昇し、電源電圧が不足する。このため差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voは零にならない。
【0046】
そこで、この入力端子間の電圧Voにより冷却回路21を駆動して、この冷却回路21の作用で空気を冷却すると、固体電解素子7に対する水分吸着量が増加するので、差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voは自動的に零となり、固体電解素子駆動用の定電流を確保することができる。
【0047】
したがって、固体電解素子7の抵抗が変化しても、常に一定電流を確保することができ、この結果、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる。
【0048】
また上述の定電流駆動回路20にて固体電解素子7を定電流ドライブさせるので、オゾン発生量の安定を図ることができる。つまり、オゾン発生量はクローン量による電気分解生成物であるから、オゾン発生量の安定化を図るためには定電流ドライブが最適である。
【0049】
また、上記冷却回路21は電子冷却素子8を備えたものである。
この構成によれば、電子冷却素子8により固体電解素子7へ供給される空気を充分に冷却することができると共に、冷却回路21を小型コンパクトに構成することができる。
【0050】
さらに、上記固体電解素子7と電子冷却素子8の冷却面9を近接配置したものである。
この構成によれば、電子冷却素子8の冷却面9に接する冷却フィン41を固体電解素子7に近接配置したので、この固体電解素子7に吸着される水分量の増加により一層効果的に実行することができる。
【0051】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の吸湿固体膜の正負の電極は、実施例の陽極19、陰極15に対応し、
以下同様に、
差動増幅器は、オペアンプ23に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、この回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却して、相対湿度を増加させる冷却回路とを設けたので、この冷却回路にて相対湿度を増加させ、固体電解素子に吸着される水分量の増加を図って、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオゾン発生装置を示す断面図。
【図2】固体電解素子の構成を示す断面図。
【図3】オゾン発生装置の電気回路図。
【図4】相対湿度に対するオゾン発生量の変化を示す特性図。
【符号の説明】
7…固体電解素子
8…電子冷却素子
9…冷却面
13…吸湿性固体膜
15…陰極(電極)
19…陽極(電極)
20…定電流駆動回路
21…冷却回路
23…オペアンプ(差動増幅器)
【発明の属する技術分野】
この発明は、脱臭および殺菌を行なうためにオゾンを発生するようなオゾン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素元素の高エネルギ同素体としてのO3(オゾン)が脱臭(消臭)、殺菌、カビの生長抑制に有効なことが知られている。
そこで、オゾンを発生させる従来装置としては高電圧コロナ放電によるものと、紫外線によるものとがある。
【0003】
高電圧コロナ放電によるオゾン発生装置は、気体酸素または空気を高電圧交流放電の中に通し、まずO2→2Oの式で示すように酸素原子を生成し、次にO+O2+M→O3+M(但し、Mは気体中の手近な分子)の式で示すようにオゾンを発生させるものであるが、この従来装置においてはオゾン発生時に有毒な酸化窒素NOxの発生を伴うと共に、湿度が高くなるとオゾン発生量が減少する問題点があった。
【0004】
また紫外線によるオゾン発生装置は、肉眼での直視により害を及ぼす問題点があった。
このような問題点を解決するために、従来、特開平10−328286号公報に記載のようなオゾン発生装置が既に発明されている。
【0005】
すなわち、水素イオン導電性の固体電解質の膜を陽極(正極)と陰極(負極)とで挟持して、上記両極間に電流を印加し、陽極側で電解反応により酸素を発生させ、陰極側で還元反応する固体電解素子において、上述の陰極は白金族金属または白金族金属の金属酸化物の第1の触媒と上記固定電解質の粉末とを混合して、上述の膜の一面に第1の触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで陰極触媒層を形成し、水分透過性を有する第1の多孔質基材を陰極触媒層に接合したものとし、陽極は酸素過電圧が高い第2の触媒と上記固体電解質の粉末とを混合して、上記膜の他面に第2の触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで陽極触媒層を形成し、水分透過性を有する導電部材の相互間が20mm以下に構成された第2の多孔質基材を上述の陽極触媒層に接合したものである。
【0006】
このように構成された固体電解素子の両極間に直流電源により直流電圧を印加すると、陽極側では空気中の水分が電気化学反応によって電気分解され、この結果、次に式(1)、式(2)で示す反応により陽極側の湿度が低下すると共に、オゾンおよび酸素が発生するものである。
【0007】
H2O→2H++1/3O3+2e−……(式1)
H2O→2H++1/2O2+2e−……(式2)
このように上述の固体電解素子を用いると、除湿を行なうことができると共に、オゾンによる殺菌および消臭を行なうことができる利点がある。
しかしながら、固体電解素子に流れる電流の積算値によりオゾン発生量(オゾン供給量)を検出すべく構成している。このように、オゾン発生量を電流の積算値で検出すると電流が他の要素により不安定となるので、時間当りのオゾン発生量が不正確となるので望ましくない。
【0008】
そこで、オゾン発生量がクローン量による電気分解生成物であることに着目して、上述の固定電解素子を定電流駆動することが考えられるが、この場合には次のような問題点が発生する。
【0009】
すなわち、上述の固体電解素子のオゾン発生は空気中の水分を素子内部に吸着させ、その水分を原料として電気分解するものであるから、空気中の相対湿度の増減による影響を受け、相対湿度が小さい時(例えば、エアコンによる除湿運転中)にはオゾン発生には充分な水分を得ることが困難となる。
【0010】
つまり、オゾン発生量は相対湿度の増加に伴って増加するが、逆に相対湿度が低下した場合にはオゾン発生量は低下する。固体電解素子の駆動を定電流で行ない、オゾン発生の制御を実行している時、相対湿度が低下し、空気中の水分量が減少すると、固体電解素子の電気抵抗値が上昇して、定電流が得られなくなり、この結果、オゾン発生量の制御が困難となる問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、この回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却する冷却回路とを設けることにより、この冷却回路にて固体電解素子に吸着される水分量の増加を図って、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができるオゾン発生装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるオゾン発生装置は、吸湿性固体膜の両面に正負の各電極が配置された固体電解素子を用いてオゾンを発生するオゾン発生装置であって、上記固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、上記定電流駆動回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却する冷却回路とを備えたものである。
上記構成の差動増幅器はオペアンプで構成してもよく、定電流は単一素子の場合においては約48mAに設定してもよい。
【0013】
上記構成によれば、上述の差動増幅器はその入力端子間の電圧の差(電位)が零になるように動作して固体電解素子を定電流駆動するが、湿度が低下すると、固体電解素子に吸収される水分が減少するため該素子の抵抗が上昇し、電源電圧が不足する。このため差動増幅器の入力端子間の電圧は零にならない。
【0014】
そこで、この入力端子間の電圧により冷却回路を駆動して、この冷却回路の作用で空気を冷却すると、固体電解素子に対する水分吸着量が増加するので、差動増幅器の入力端子間の電圧は自動的に零となり、固体電解素子駆動用の定電流を確保することができる。
【0015】
したがって、固体電解素子の抵抗が変化しても、常に一定電流を確保することができ、この結果、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる。
【0016】
また上述の定電流駆動回路にて固体電解素子を定電流ドライブさせるので、オゾン発生量の安定を図ることができる。つまり、オゾン発生量はクローン量による電気分解生成物であるから、オゾン発生量の安定化を図るためには定電流ドライブが最適である。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記冷却回路は電子冷却素子を備えたものである。
上記構成の電子冷却素子としては、ペルチェ効果(Peltier effect)を応用した熱電素子や電子冷凍素子などを用いることができる。また電子冷却素子は固体電解素子に供給される気体(空気)の温度よりも充分に低い温度に設定されることが望ましい。
【0018】
上記構成によれば、電子冷却素子により固体電解素子へ供給される空気を充分に冷却することができると共に、冷却回路を小型コンパクトに構成することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記固体電解素子と電子冷却素子の冷却面を近接配置したものである。
上記構成によれば、電子冷却素子の冷却面を固体電解素子に近接配置したので、この固体電解素子に吸着される水分量の増加により一層効果的に実行することができる。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はオゾン発生装置を示し、図1において1つの入口1と2つの出口2,3(高濃度オゾン吐出口2と、余剰空気3)とを備えたケーシング4を設け、このケーシング4の入口1近傍には送風手段としてのファン5を配設している。
【0021】
また入口1と一方の出口2とを連通する通路6内には固体電解素子7を配設すると共に、この固体電解素子7の上流近傍には電子冷却素子8を配設している。ここで、上述の固体電解素子7としては固体高分子電解素子を用いてもよく、一方、電子冷却素子8は固体電解素子7に供給される気体(空気)の温度よりも充分に低い温度まで冷却することができるように設定されている。
【0022】
上述の電子冷却素子8は冷却面9と放熱面(加熱面)10とを有するペルチェ効果応用素子であって、放熱面10にはその放熱効果の向上を図る目的で放熱板11を取付け、この放熱板11をオゾン発生装置下面に位置させる一方、上記素子8の上部にはアルミなどの良熱伝導性金属板40を介して冷却フィン41を取付けている。
【0023】
なお、上述の出口2は送気ダクトを介してオゾンを供給すべき室などの空間部に連通され、この空間部は吸気ダクトを介して入口1に連通される。また上述の電子冷却素子8の全体を固体電解素子7の上流側近傍に配置し、冷却面9による冷却効果、湿度増大効果が固体電解素子7に効率的に反映されるように構成してもよい。
またファン5の下流部には導入空気を通路6と通路12とに切換える調整板42を取付けている。
【0024】
上述の固体電解素子7は図2に示すように構成されている。
すなわち、陽イオン導電圧(水素イオン導電性)の固体電解質を使用した厚さ約170μmの膜(吸湿性固体膜)13を設け、この膜13の一面に陰極触媒層14を形成している。
【0025】
この陰極触媒層14は膜13と同じ固体電解質の粉末を含んだイソプロピルアルコールと水等の揮発性溶剤に、触媒としての白金黒(プラチナ・ブラック)を混合して、白金黒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで膜13に塗布または吹き付けたものである。
【0026】
上述の陰極触媒層14と共に陰極15を構成する多孔質素基材16を設けている。この多孔質素基材16はカーボンを使用した厚さ約200μmの水透過性を有する基材で、具体的にはカーボンペーパー、カーボンクロス等の炭素繊維を用いる。
上述の陰極触媒層14と多孔質素基材16との両者により陰極15が構成される。
【0027】
一方、上述の膜13の他面に形成される陽極触媒層17を設けている。この陽極触媒層17は膜13と同じ固体電解質の粉末を含んだイソプロピルアルコールと水等の揮発性溶剤に、PbO2、SnO2、FeO4、SrFeO3などの酸素過電圧が高い触媒を混合して、触媒の量が0.3mg/cm2〜3.0mg/cm2となる厚さで膜13に塗布または吹き付けたものである。
【0028】
上述の陽極触媒層17と共に陽極19を構成する多孔質素基材18を設けている。この多孔質素基材18はチタンのエキスパンドメタルに白金メッキした厚さが約100μmの水透過性を有する基材であって、この多孔質素基材18と上述の陽極触媒層17との両者で陽極19が構成される。
【0029】
ここで、上述の膜13と各極15,19とは、約180℃の温度、約50kg/cm2の圧力で約3分間のホットプレスを行なうことにより、互いに物理的に一体化すると共に電気的に接合される。なお、陰極触媒層14に混合する触媒は、白金黒の他にルテニウム、イリジウム、パラジウムなどの白金族金属または白金族金属の金属酸化物としての酸化イリジウム等であってもよい。
【0030】
このように構成した固体電解素子7の動作原理は次の通りである。
つまり陽極19、陰極15にプラス、マイナスの直流電圧を印加すると、陽極19側では空気中の水分が電気化学反応によって電気分解される。この結果、次に式(3)、式(4)で示す反応により陽極19側の湿度が低下すると共に、同極側において、オゾンおよび酸素(副反応生成物)が発生する。
【0031】
H2O→2H++1/3O3+2e−……(式3)
H2O→2H++1/2O2+2e−……(式4)
したがって、図1に示すように固体電解素子7をケーシング4内に配置し、ファン5にて送風を行なうと、固体電解素子7の陽極19側で発生したオゾンを送気ダクト(図示せず)を介して、オゾンを供給すべき所定の空間内へ供給することができる。
【0032】
図3は固体電解素子7の制御回路を示し、この制御回路は定電流駆動回路20と、冷却回路21とを備えている。
固体電解素子7に定電流を通電する上述の定電流駆動回路20は、定電流値の設定を目的として設けられた可変基準電源22(直流電流)と、増幅用のオペアンプ23(以下単にオペアンプと略記する)と、抵抗体24とを備えている。
【0033】
上述の基準電源22をライン25を介してオペアンプ23の一方の入力端子23aに接続し、このオペアンプ23の他方の入力端子23bは交点26および抵抗体24を介してアースに接続すると共に、ライン27を介して冷却回路21内のオペアンプ30の一方の入力端子30bに接続している。
【0034】
また上述のオペアンプ23の出力端子23cはライン28を介して固体電解素子7の陽極19に接続し、この固体電解素子7の陰極15はライン29を介して交点26に接続している。
【0035】
一方、上述の定電流駆動回路20を構成するオペアンプ23の入力端子23a,23b間の電圧Voにより駆動され、空気を冷却して、相対湿度(空気中の水蒸気の分圧がその温度における飽和水蒸気圧の何%にあたるかを表わす値)を増加させる冷却回路21は、増幅用オペアンプ30(以下単にオペアンプと略記する)と、電子冷却素子8とを備えている。
【0036】
上述のオペアンプ30の他方の入力素子30aはライン31を介して基準電源22に接続され、このオペアンプ30の出力端子30cはライン32を介して電子冷却素子8に接続され、この電子冷却素子8の冷却面9を冷却すべくライン33を介してアースに接続されている。
【0037】
このように構成したオゾン発生装置の作用を以下に詳述する。
固体電解素子7に流れる負荷電流iは交点26および抵抗体24を介して接地され、オペアンプ23はその各入力端子23a,23b間の電圧Voが零になるように差動することで、固体電解素子7を定電流駆動する。
【0038】
しかし、固体電解素子7周辺の湿度が低下すると、オペアンプ23が定電流動作を行なおうとしても、固体電解素子7に吸収される水分が少ないため、該素子7の電気抵抗値が上昇し、個体電解素子7の両極19,15間電圧が上昇する。このため電源電圧が不足して、所定の電流値(定電流)が得られなくなる。つまり、オペアンプ23の入力端子間電圧Voが零でなくなる。
【0039】
この入力端子間電圧Voは冷却回路21におけるオペアンプ30に印加され(ライン27からオペアンプ30の入力端子30bに電流が流れる)、この電圧Voが該オペアンプ30にて増幅され、該オペアンプ30の出力端子30cから電子冷却素子8に対してライン32を介して電流iaが流れ、ペルチェ効果により、その冷却面9が冷却され、この冷却面9に接する冷却フィン41が冷却される。
【0040】
上述の冷却フィン41の冷却により通路6(図1参照)を流通する空気が冷却されると共に、その相対湿度が増大するので、固体電解素子7に吸着される水分量が増加することになる。
【0041】
この結果、固体電解素子7の抵抗値が復帰して、該素子7に流れる負荷電流iが増加し、抵抗体24に流れる負荷電流iと、基準電源22の電圧Esと、抵抗体24の抵抗値Rsとの間において、Es−iRs=0の状態つまりEs=iRsの状態で、換言すれば入力端子間電圧Voが零になると、冷却回路21側のオペアンプ30の入力端子30bに印加される電圧が自動的に零となり、冷却回路21による空気の冷却、相対湿度の増大が自動的に中止され、固体電解素子7に対しては定電流駆動回路20により所定の定電流ドライブを実行することができる。
【0042】
要するに、湿度の変化により固体電解素子7の抵抗値が変化しても、冷却回路21の作用にて、該素子7に常に一定の電流を流すことができ、これにより安定したオゾン供給を実行することができるものである。また上述の冷却回路21は固体電解素子7の抵抗値が上昇した時にのみ自動的に作動するので、複雑な制御手段が一切不要であり、かつ省電力化(バッテリ消費量の低減)を図ることができる。換言すれば、Vo=0になるまで電子冷却素子8が冷却、加湿されるものである。
【0043】
図4は温度をパラメータとして、相対湿度に対するオゾン発生量の変化を示す特性図で、温度が同一の場合には相対湿度が増加する程、オゾン発生量が増加することを示している。つまり加湿によりオゾン発生量が増大することを表わしている。
【0044】
このように上記実施例のオゾン発生装置は、吸湿性固体膜13の両面に正負の各電極19,15が配置された固体電解素子7を用いてオゾンを発生するオゾン発生装置であって、上記固体電解素子7に定電流を通電する定電流駆動回路20と、上記定電流駆動回路20を構成する差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voにより駆動され、空気を冷却する冷却回路21とを備えたものである。
【0045】
上記構成によれば、上述の差動増幅器(オペアンプ32参照)はその入力端子23a,23b間の電圧の差(電位)Voが零になるように動作して固体電解素子7を定電流駆動するが、湿度が低下すると、固体電解素子7に吸収される水分が減少するため該素子7の抵抗が上昇し、電源電圧が不足する。このため差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voは零にならない。
【0046】
そこで、この入力端子間の電圧Voにより冷却回路21を駆動して、この冷却回路21の作用で空気を冷却すると、固体電解素子7に対する水分吸着量が増加するので、差動増幅器(オペアンプ32参照)の入力端子23a,23b間の電圧Voは自動的に零となり、固体電解素子駆動用の定電流を確保することができる。
【0047】
したがって、固体電解素子7の抵抗が変化しても、常に一定電流を確保することができ、この結果、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる。
【0048】
また上述の定電流駆動回路20にて固体電解素子7を定電流ドライブさせるので、オゾン発生量の安定を図ることができる。つまり、オゾン発生量はクローン量による電気分解生成物であるから、オゾン発生量の安定化を図るためには定電流ドライブが最適である。
【0049】
また、上記冷却回路21は電子冷却素子8を備えたものである。
この構成によれば、電子冷却素子8により固体電解素子7へ供給される空気を充分に冷却することができると共に、冷却回路21を小型コンパクトに構成することができる。
【0050】
さらに、上記固体電解素子7と電子冷却素子8の冷却面9を近接配置したものである。
この構成によれば、電子冷却素子8の冷却面9に接する冷却フィン41を固体電解素子7に近接配置したので、この固体電解素子7に吸着される水分量の増加により一層効果的に実行することができる。
【0051】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の吸湿固体膜の正負の電極は、実施例の陽極19、陰極15に対応し、
以下同様に、
差動増幅器は、オペアンプ23に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、この回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却して、相対湿度を増加させる冷却回路とを設けたので、この冷却回路にて相対湿度を増加させ、固体電解素子に吸着される水分量の増加を図って、乾燥空気などの低湿度状態下においても良好なオゾン発生量の制御を行なうことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオゾン発生装置を示す断面図。
【図2】固体電解素子の構成を示す断面図。
【図3】オゾン発生装置の電気回路図。
【図4】相対湿度に対するオゾン発生量の変化を示す特性図。
【符号の説明】
7…固体電解素子
8…電子冷却素子
9…冷却面
13…吸湿性固体膜
15…陰極(電極)
19…陽極(電極)
20…定電流駆動回路
21…冷却回路
23…オペアンプ(差動増幅器)
Claims (3)
- 吸湿性固体膜の両面に正負の各電極が配置された固体電解素子を用いてオゾンを発生するオゾン発生装置であって、
上記固体電解素子に定電流を通電する定電流駆動回路と、
上記定電流駆動回路を構成する差動増幅器の入力端子間の電圧により駆動され、空気を冷却する冷却回路とを備えた
オゾン発生装置。 - 上記冷却回路は電子冷却素子を備えた
請求項1記載のオゾン発生装置。 - 上記固体電解素子と電子冷却素子の冷却面を近接配置した
請求項2記載のオゾン発生装置。
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