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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はデータ記録装置に関し、より詳しくは機器の運転状態を示すデータを記録するデータ記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ記録装置としては、例えば特開平6−18293号公報記載の技術が知られている。このデータ記録装置にあっては、リングバッファ内に一時的に格納した測定データを、通常は所定の間隔で間引きつつ所定の記録領域(記録手段)に転送して記録すると共に、測定データが設定範囲外となったときはトリガを発生し、トリガの発生前後にあっては、格納したデータを間引くことなく所定の記録領域に転送して記録するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなデータ記録装置によって記録されたデータを、機器の異常の原因解析などに用いる場合、対象機器における異常の発生を上記トリガの発生条件として設定することが考えられる。
【0004】
機器の異常や故障については、それらに関するデータを所定の記録領域にそれぞれ種類ごとに記録できることが望ましい。ところが、機器の異常には、一過性のもの(ノイズなどに起因して一時的に確認されるものや、特定の運転状態、例えば極端な高負荷運転のときなどに一時的に発生する異常であって、経時的に見て自己回復する可能性の高いもの。換言すれば、異常と正常を繰り返し発生する可能性(再現性)の高いもの。以下「異常」という)と、そうでないもの(継続的であり、一旦発生してしまうと自己回復の見込みが少なく再現性の乏しいもの。以下「故障」と呼ぶ)があり、この一過性の異常は一般に複数回繰り返されることが多く、上記のように異常の発生をトリガの発生条件とすれば、同様な異常に関するデータが複数回記録されることとなる。このため、記録領域の容量を浪費してしまい、他の異常や故障に関わる重要なデータを記録できなくなるといった問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、機器の異常が一過性の異常なのか故障なのかを正確に判断し、故障と確定されたときを上記トリガとしてデータを記録することも考えられるが、このように構成すると一過性の異常に関するデータを記録することができなくなる。
【0006】
また、一般に機器の異常や故障の原因解析においては、異常や故障の発生後のデータよりも、異常(後に故障と確定されるものも含む)の発生から所定時間前のデータ、特に、正常な状態から異常(故障)発生へと移行する過渡期の情報を含むデータが重要となる。しかしながら、機器の異常を故障と確定するにはある程度の時間を要するのが通常であるため、機器の異常を故障と確定してからでは異常(故障)発生から所定時間前のデータが得られないといった不具合があった。
【0007】
異常(故障)発生の所定時間前から異常が故障と確定されるまでの期間にわたってデータを記録し続ければ、上記不具合を解消することもできるが、この場合、原因解析に関して特に重要でない異常や故障の発生後のデータ、即ち異常が故障と確定されるまでの期間のデータまで記録されることとなり、記録領域の容量の浪費という問題を解決できるものではなかった。
【0008】
また、過渡期のデータが重要となることから、再現性の高い(即ち、同様な過渡期が繰り返し発生する可能性の高い)一過性の異常よりも、再現性の低い(即ち、同様な過渡期が今後発生しないであろう)故障に関するデータを優先的に記録することが望ましい。
【0009】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、所定の記録領域に種々の異常や故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができるようにしたデータ記録装置を提供することにある。さらには、特に故障の過渡期に関するデータを効率よく記録させることができるようにしたデータ記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、請求項1項において、車両に搭載された機器の運転状態を示すデータを記録するデータ記録装置であって、前記データの異常を検出する異常検出手段、前記データの異常が検出されたとき、前記異常の種類を判別する異常種類判別手段、前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に記録されているか否か判断する記録内容判断手段、および前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に記録されていないと判断されたとき、前記データを前記判別された異常の種類とともに前記所定のデータ記録領域に記録するデータ記録手段、を備えたデータ記録装置において、前記データの異常が故障確定時間にわたって継続して検出されたとき、前記異常を前記機器の故障と確定する故障確定手段、および前記車両のイグニッション・スイッチがオンされたときに前記異常が前記故障と確定されているか否か判断すると共に、前記異常が前記故障と確定されていないとき、前記故障と確定されていない異常が検出されたときに記録された前記データを消去するデータ消去手段、を備えるように構成した。
【0011】
車両に搭載された機器の運転状態を示すデータの異常を検出し、前記データの異常が検出されたとき、その異常の種類を判別し、前記データ、具体的にはその異常内容が、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に既に記録されているか否か判断し、前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に未だ記録されていないと判断されたとき、前記データを前記判別された異常の種類とともに前記所定のデータ記録領域に記録するように構成したので、一過性の異常のように繰り返し発生する可能性のある事象に関する同様なデータが複数回記録されるのを防止できる。このため、所定の記録領域に種々の異常や故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができる。また、別言すれば、記録領域の容量を少なくすることが可能であり、コストの抑制という効果も期待することができる。
【0013】
また、データの異常が故障確定時間にわたって継続して検出されたとき、前記異常を前記機器の故障と確定し、さらに、前記車両のイグニッション・スイッチがオンされたときに前記異常が前記故障と確定されているか否か判断すると共に、前記異常が前記故障と確定されていないとき、前記故障と確定されていない異常が検出されたときに記録された前記データを消去するように構成したので、所定の記録領域に種々の故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができる。また、別言すれば、記録領域の容量を少なくすることが可能であり、コストの抑制という効果も期待することができる。
【0014】
さらに、所定の時点において異常が故障と確定されているか否か判断し、故障と確定されていないときにはその異常に対応するデータを消去するように構成した、換言すれば、所定の時点前にあっては、異常が故障と確定されているか否かに関わらず記録されたデータを残存させるように構成したので、故障と確定されるに至らなかった異常についても、その原因解析が可能となる。
【0015】
また、請求項2項においては、さらに、前記データを所定の周期でサンプリングして時系列データとして格納する時系列データ格納手段、を備えると共に、前記データ記録手段は、前記データの異常が検出された時点から所定時間前までの前記時系列データを記録するように構成した。
【0016】
前記データを所定の周期でサンプリングして時系列データとして格納し、前記データの異常が検出された時点から所定時間前までの前記時系列データを記録するように構成したので、異常や故障の原因解析に重要なデータ、特に過渡期におけるデータを効率よく記録させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態に係るデータ記録装置を説明する。
【0018】
図1はその装置の構成を示す概略図である。
【0019】
以下説明すると、データ記録装置1は機器の運転状態を示すデータを記録してその異常や故障の解析に用いられるものであり、具体的には、ECU(電子制御ユニット)2からなる。ECU2は、CPU3,ROM4,RAM5、入力回路6、およびA/D変換器7からなるマイクロコンピュータから構成される。
【0020】
ECU2は車両(図示せず)の適宜位置に搭載され、内燃機関や自動変速機などの制御対象機器の動作を制御すると共に、それらに関するデータを記録する。以下、ECU2が自動変速機の制御装置として構成され、さらに、機器、即ち自動変速機やセンサ類などの異常や故障の解析に用いられる場合を例にとって説明する。
【0021】
ここで、図2を参照し、上記した自動変速機の制御装置を説明する。
【0022】
同図において符号Tは自動変速機(以下「トランスミッション」という)を示す。トランスミッションTは車両(図示せず)に搭載されてなると共に、前進5速および後進1速の平行軸式の有段自動変速機からなる。
【0023】
トランスミッションTは、内燃機関(以下「エンジン」という)Eのクランクシャフト10にロックアップ機構Lを有するトルクコンバータ12を介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウンタシャフト(出力軸)CSとを備える。
【0024】
メインシャフトMSには、1速から5速、およびリバースの各変速段に対応したメインギヤ14,16,18,20,22、および24がそれぞれ支持される。また、カウンタシャフトCSには、1速から5速の各メインギヤに噛合するカウンタギヤ28,30,32,34,36、および、リバース用のメインギヤ24にリバースアイドルギヤ40を介して接続されるリバース用のカウンタギヤ42が支持される。
【0025】
上記において、各メインギヤと各カウンタギヤを、各変速段用の油圧クラッチC1,C2,C3,C4R、およびC5でメインシャフトMSとカウンタシャフトCSに適宜結合することにより、任意の変速段を確立する。
【0026】
また、カウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ46およびファイナルドリブンギヤ48を介してディファレンシャルDに伝達され、それから左右のドライブシャフト50,50を介し、エンジンEおよびトランスミッションTが搭載される車両(図示せず)の駆動輪W,Wに伝達される。
【0027】
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー54が設けられ、運転者の操作によって8種のレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれかが選択される。また、シフトレバー54には、図示しないオーバドライブスイッチや、通常走行と高出力を期待する高出力走行とを切り替える走行モード切り替えスイッチが設けられる。
【0028】
エンジンEの吸気路(図示せず)に配置されたスロットルバルブ(図示せず)の付近には、スロットル開度センサ56が設けられ、スロットル開度THを示す信号を出力する。またファイナルドリブンギヤ48の付近には車速センサ58が設けられ、車速Vを示す信号を出力する。
【0029】
更に、カムシャフト(図示せず)の付近にはクランク角センサ60が設けられ、エンジン回転数NEを示す信号を出力する。また、エンジンEの吸気路のスロットルバルブ配置位置の下流には絶対圧センサ62が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAを示す信号を出力する。
【0030】
また、メインシャフトMSの付近には第1の回転数センサ64が設けられ、メインシャフトMSの回転に対応した入力軸回転数NMを示す信号を出力すると共に、カウンタシャフトCSの付近には第2の回転数センサ66が設けられ、カウンタシャフトCSの回転に対応した出力軸回転数NCを示す信号を出力する。
【0031】
さらに、車両運転席付近に装着されたシフトレバー54の付近にはシフトレバーポジションセンサ68が設けられ、前記した8種のポジション(レンジ)の中、運転者によって選択されたポジションを示す信号を出力される。さらに、シフトレバー54の付近にはオーバドライブスイッチや走行モード切り替えスイッチ(共に図示せず)が設けられ、ON・OFF信号を出力する。
【0032】
さらに、トランスミッションT、あるいはその付近の適宜位置には温度センサ70が設けられ、油温(Automatic Transmission Fluid温度。作動油温)TATFに比例した信号を出力すると共に、車両運転席床面に配置されたブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ72が設けられ、運転者によってブレーキペダルが踏まれると、ON信号を出力する。さらに、エンジンEの付近には、冷却水温TWに比例した信号を出力する水温センサ74が設けられる。
【0033】
これらセンサ56などの出力は、前記したECU2に送られる。ECU2のCPU3は、入力した各種信号に応じて登坂用や降坂用などのシフトスケジュールが記載された複数のマップを選択すると共に、選択されたマップを車速Vとスロットル開度THから検索して変速比を決定し、出力回路90および電圧供給回路(図示せず)を介して油圧制御回路Oに配置されたシフトソレノイド(電磁ソレノイド)SL1からSL5を励磁・非励磁して各油圧クラッチの切り替え制御を行う。また、リニアソレノイドSL6からSL8を励磁・非励磁してトルクコンバータ12のロックアップ機構Lの動作及び各クラッチの油圧を制御する。尚、これら制御の詳細はこの発明の要旨と直接の関係を有しないため、説明を省略する。
【0034】
図1の説明に戻ると、入力回路6には、前記したセンサ56などのセンサ群が接続される。入力回路6に入力されたセンサ56などの出力は、A/D変換器7を介してCPU3に入力される。
【0035】
また、CPU3は、ROM4に予め記憶された制御プログラムに従い、各種入力信号や内部演算された値、例えば変速比などを所定の周期でサンプリングすると共に、サンプリングした各種入力信号や演算値(以下これらを総称して「データ」という)をトランスミッションTの運転状態を示す時系列データとして、RAM5に所定(あるいは可変)の間隔で間引きつつ随時書き込んで(更新して)格納する。尚、このRAM5へのデータ格納動作の詳細はこの発明の要旨と直接の関係を有しないため、説明を省略する。
【0036】
また、CPU3は、データの異常が検出されたとき、特定の条件の場合を除いて、上記の如く随時行われるRAM5へのデータの更新を禁止する。これにより、データの異常が検出された時点よりも前の時系列データをRAM5に記録する。
【0037】
次いで図3フロー・チャートを参照し、データ記録装置1の動作である、RAM5へのデータの記録および検出された異常の故障確定について説明する。尚、図示のプログラムは、例えば10msecごとに実行される。
【0038】
以下説明すると、S10において故障確定済か否か判断する。ここで、故障確定済とは、後述するステップで、検出された異常が所定の条件に基づいて故障と確定されるに至った状態をいう。S10で肯定されて故障確定済と判断されるときは以降の処理をスキップすると共に、否定されるときは次いでS12に進み、上記したデータの異常が検出されているか否か判断する。
【0039】
具体的には、各データのうちセンサ出力について図4タイム・チャートに示すような異常を示すしきい値を予め設定しておき、そのしきい値とサンプリングしたセンサ出力の今回値を比較することなどにより判断する。尚、シフトレバーポジションセンサ68については、シフトレバー位置を示す信号が2つ以上同時に出力されていないかによって判断する。また、変速比やソレノイド出力などのCPU3で内部演算された値の異常は、制御値と検出値を比較することによって判断する。
【0040】
S12で否定されてデータの異常が検出されていないと判断されるときはS14に進み、正常であると判定して終了する。他方、肯定されてデータの異常が検出されていると判断されるときは次いでS16に進み、異常検出開始か否か判断する。具体的には、今回初めて異常が検出されたか否か、即ち、図4に示す異常検出時点t1か否か判断する。
【0041】
S16で肯定されて異常検出開始と判断されるときは、次いでS18に進んでデータの記録を実行する。
【0042】
図5は、上記したデータの記録の具体的な処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。同図を参照して説明すると、まずS100において、図3フロー・チャートのS12で検出された異常の種類を判別する。例えば、シフトレバーポジションセンサ68からのポジション信号の異常なのか、あるいは水温センサ74からの水温TWを示す信号の異常なのかなどを判別すると共に、異常の具体的な状態(例えば水温センサ74の出力が高過ぎ(あるいは低過ぎ))を判別する。
【0043】
次いでS102に進み、S100で判別された異常の種類と同じ種類の異常に関するデータが、RAM5に既に記録されているか否か判断する。否定されて未だ同様な異常に関するデータが記録されていないと判断されるときはS104に進み、RAM5へのデータの更新を禁止する。具体的には、上述したようにRAM5へのデータの更新を禁止し、よって異常が検出された時点、即ち図4に示す異常検出時点t1よりも所定時間前まで(データ記録時間T1。例えば6秒)の時系列データを記録する。
【0044】
ここで、RAM5は図6に示すようにA,Bの2つの領域に大別されると共に、A領域はさらに、A1,A2,A3の3つの領域に細分され、データは、この3つの領域A1,A2,A3のいずれか1つの空き領域に随時更新されつつ格納される。従って、図5フロー・チャートのS104においては、データの更新を禁止することにより、A1,A2,A3のうちのいずれか1つの領域にデータを記録することとなる。
【0045】
また、RAM5はバックアップされたバッファメモリで構成され、エンジンEの停止後も記録されたデータを保持する。尚、A1,A2,A3の3つの領域全てにデータが記録されたときは、図示しないプログラムによってデータのサンプリングそのものを停止する。
【0046】
図7を参照して記録されるデータについて詳しく説明すると、図示の如く、データはI群とII群に大別されると共に、A1,A2,A3のそれぞれの領域に各データごとに設けられたアドレスに記録される。
【0047】
上記でI群とは、短期間の時系列的にみてあまり変動量の大きくないデータ群であり、異常検出時点t1において1サンプルのみ記録される。具体的なデータとしては、S100で判別された異常の種類(具体的にはそれを特定の規格に基づいてコード化した故障コード)、異常検出時点t1における選択マップ、走行距離、および水温TWなどが該当する。S102では、ここに記録された異常の種類とS100で判別された異常の種類を対比することによって判断されることとなる。
【0048】
また、II群とは、短期間の時系列的にみて比較的変動量の大きいデータやトランスミッションTの制御に重要なデータからなるデータ群であり、異常検出時点t1から所定時間前まで(データ記録時間T1)の時系列データとして記録される。具体的には、所定(あるいは可変)の間隔で間引きながら格納された15サンプルを記録する。
【0049】
具体的なデータとしては、上記したセンサ群の出力信号の他、データ間隔(前記した所定あるいは可変の間引き間隔〔msec〕)や各ソレノイドSL1〜SL8の電源電圧と出力信号、および、CPU3で内部演算された変速比やトルクコンバータ12の滑り率(エンジン回転数NEと入力軸回転数NMから算出)などが該当する。また、ポジション信号1,2とは、具体的には、ポジション信号1がシフトレバーポジションセンサ68からのポジション信号を示し、ポジション信号2がオーバドライブスイッチや走行モード切り替えスイッチの出力信号を示す。
【0050】
図5フロー・チャートの説明に戻ると、S102で肯定されて既に同じ種類の異常に関するデータがRAM5に記録されていると判断されるときは、以降の処理をスキップしてデータの記録を実行せずに終了する。前記した特定の条件の場合とは、これを意味する。
【0051】
このように、この実施の形態にあっては、検出された異常の種類を判別し、判別された異常の種類と同じ異常に関するデータが既にRAM5に記録されているときは記録を実行しないようにしたので、一過性の異常のような繰り返し発生する可能性のある事象に関する同様なデータが、複数回記録されるのを防止できる。このため、所定の記録領域(RAM5)に種々の異常や故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができる。また、別言すれば、RAM5の容量を少なくすることが可能でもあり、コストの抑制という効果も期待することができる。
【0052】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、S16で否定されるときはS20に進み、故障確定時間T2(例えば1秒。図4に示す)が経過したか否か判断する。この判断は、より具体的には、S16で異常検出開始と判断されたときに1秒に設定されたタイマ(ダウンカウンタ)をスタートさせ、タイマ値が零に達したか否かにより行われる。尚、これが前記した所定の条件である。
【0053】
ここで否定されて故障確定時間T2が経過していないと判断されるときはS22に進み、故障検出中と判定して終了する。一方、肯定されて故障確定時間T2が経過したと判断されるときはS24に進み、検出された異常を故障と確定すると共に、S26に進んで故障と確定したことを示す故障確定情報を前記したRAM5のB領域に記録する。
【0054】
このように、この実施に形態において「故障」とは、検出された異常のうち、故障確定時間T2にわたって継続したものを意味する。即ち、経時的にみても自己回復する可能性が低く、再現性が低い、別言すれば、今後測定を続けても解析に重要な過渡期におけるデータが得られ難いであろう異常を意味する。
【0055】
次いで図8フロー・チャートを参照し、データ記録装置1の他の動作であるRAM5のA領域に記録されたデータの消去について説明する。尚、図示のプログラムは、車両に設けられたイグニッション・スイッチ(図示せず)がONされたときに1回実行される。
【0056】
以下説明すると、S200においてRAM5のA領域のA1,A2,A3のいずれかの領域にデータが記録されているか否か判断する。ここで否定されてデータが記録されていないと判断されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS202に進む。
【0057】
S202では、RAM5のA領域に存在するデータが記録されたときの異常が、故障と確定されているか否かを、RAM5のB領域に記録された故障確定情報に基づいて判断する。そして、ここで否定され、記録されたデータに対応する異常が故障と確定されていないと判断されるときは次いでS204に進み、RAM5のA領域のいずれかに記録された対応するデータを消去する。
【0058】
他方、肯定されて対応する異常が故障と確定されていると判断されるときは、S204をスキップしてそのデータを保持する。
【0059】
このように、この実施の形態にあっては、一過性の異常に関するデータは定期的に必ず消去すると共に、確定された故障に関するデータは保持するように構成したので、所定の記録領域に種々の故障に関する重要なデータ(特に過渡期におけるデータ)を効率よく記録させることができる。また、RAM5の容量を小さくすることが可能となるため、コストを抑制することも可能となる。
【0060】
また、所定の時点、即ちイグニッション・スイッチがONされたときに、異常が故障と確定されているか否か判断し、故障と確定されていないときにはその異常に関するデータを消去するようにした、換言すれば、所定の時点前にあっては、異常が故障と確定されているか否かに関わらず記録されたデータは残存させるようにしたので、故障と確定されるに至らなかった異常についても、その原因解析が可能となる。
【0061】
さらに、RAM5に記録するデータを、異常検出時点t1から所定時間前まで(データ記録時間T1)のデータに限定したことから、異常や故障の原因解析に重要となる、異常が検出されるに至るまでの過渡期を含む異常発生以前のデータのみを、所定の記録領域に効率よく記録させることができる。
【0062】
換言すれば、データの記録を実行するトリガの発生時期を、異常が故障と確定されるに至った故障確定時点t2(図4に示す)ではなく異常検出時点t1としたことから、異常や故障の原因解析にあまり重要でない故障確定時間T2にわたる異常発生後のデータを記録する必要がない。このため、RAM5の記録領域の浪費を防止することができることから、データ記録時間T1におけるサンプル数を増加することが可能となり、異常や故障の原因解析にとって重要なデータ(特に過渡期におけるデータ)を効率よく記録させることができる。
【0063】
以上のように、この実施の形態にあっては、機器(トランスミッションT)の運転状態を示すデータ(センサ群の出力信号や内部演算値など)を記録するデータ記録装置1において、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常を検出する異常検出手段(ECU2,S12)、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常が検出されたとき、前記異常の種類を判別する異常種類判別手段(ECU2,S18,S100)、前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域(RAM5、具体的にはそのA領域のA1,A2,A3のいずれか)に記録されているか否か判断する記録内容判断手段(ECU2,S18,S102)、および前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に記録されていないと判断されたとき、前記データを前記判別された異常の種類とともに前記所定のデータ記録領域に記録するデータ記録手段(ECU2,S18,S104)を備えるように構成した。
【0064】
また、機器(トランスミッションT)の運転状態を示すデータセンサ群の出力信号や内部演算値など)を記録するデータ記録装置1において、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常を検出する異常検出手段(ECU2,S12)、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常が検出されたとき、前記データを順次所定のデータ記録領域(RAM5、具体的にはそのA領域のA1,A2,A3のいずれか)に記録するデータ記録手段(ECU2,S18,S100からS104)、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常が検出されたとき、所定の条件(検出された異常が故障確定時間T2にわたって継続しているか否か)に基づいて前記異常を前記機器の故障と確定する故障確定手段(ECU2,S20,S24)、および所定の時点(イグニッション・スイッチがONされたとき)において、前記異常が前記故障と確定されているか否か判断する(ECU2,S202)と共に、前記異常が前記故障と確定されていないとき、前記故障と確定されていない異常が検出されたときに記録された前記データを消去するデータ消去手段(ECU2,S204)を備えるように構成した。
【0065】
さらに、前記データを所定の周期でサンプリングして時系列データとして格納する時系列データ格納手段(ECU2、RAM5)を備えると共に、前記データ記録手段は、前記機器およびデータの少なくともいずれかの異常が検出された時点(異常検出時点t1)から所定時間前まで(データ記録時間T1)の前記時系列データを記録するように構成した。
【0066】
また、上記において、データ記録装置1を自動変速機(トランスミッションT)の制御装置を例にとって説明したが、他の制御装置においても妥当するものである。
【0067】
また、RAM5のA領域をA1,A2,A3の3つの領域に分割したが、2つでも良いし、4つ以上に分割しても良い。さらに、それに記録するデータも上記に限られるものではない。
【0068】
また、RAM5におけるデータの更新を禁止することによってデータを記録するようにしたが、RAM5の他に随時更新可能なデータ格納用のRAMを設け、異常が検出されたときに、このデータ格納用のRAMに格納されたデータをRAM5に記録するようにしても良い。
【0069】
また、サンプリングしたデータを所定の間隔で間引きつつRAM5に格納するようにしたが、間引く間隔は上述したように可変としても良く、例えば、異常検出時点t1に近付くほど間引く回数を少なくし、異常検出時点t1から離れるほど間引く回数を多くすることで、過渡期の情報をより克明に記録することができる。
【0070】
また、故障の確定を、異常が故障確定時間T2にわたって継続したか否かで判断するように構成したが、異常の程度、即ち正常値とどれだけ離れているかによって判断するようにしても良い。
【0071】
また、異常が故障と確定されるに至った場合は、それに関するデータを保持し続けるようにしたが、機器の修理などにより故障の原因が改善されたときには、適宜な方法で消去しても良いのは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、車両に搭載された機器の運転状態を示すデータの異常を検出し、前記データの異常が検出されたとき、その異常の種類を判別し、前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に既に記録されているか否か判断し、前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に未だ記録されていないと判断されたとき、前記データを前記判別された異常の種類とともに前記所定のデータ記録領域に記録するように構成したので、一過性の異常のように繰り返し発生する可能性のある事象に関する同様なデータが複数回記録されるのを防止できるため、所定の記録領域に種々の異常や故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができる。また、別言すれば、記録領域の容量を少なくすることが可能であり、コストの抑制という効果も期待することができる。
【0073】
また、データの異常が故障確定時間にわたって継続して検出されたとき、前記異常を前記機器の故障と確定し、さらに、前記車両のイグニッション・スイッチがオンされたときに前記異常が前記故障と確定されているか否か判断すると共に、前記異常が前記故障と確定されていないとき、前記故障と確定されていない異常が検出されたときに記録された前記データを消去するように構成したので、所定の記録領域に種々の故障に関する重要なデータを効率よく記録させることができる。また、別言すれば、記録領域の容量を少なくすることが可能であり、コストの抑制という効果も期待することができる。
【0074】
さらに、所定の時点において異常が故障と確定されているか否か判断し、故障と確定されていないときにはその異常に対応するデータを消去するようにしている、換言すれば、所定の時点前にあっては、異常が故障と確定されているか否かに関わらず記録されたデータは残存しているので、故障と確定されるに至らなかった異常についても、その原因解析が可能となる。
【0075】
請求項2項にあっては、前記データを所定の周期でサンプリングして時系列データとして格納し、前記データの異常が検出された時点から所定時間前までの前記時系列データを記録するように構成したので、異常や故障の原因解析に重要となるデータ、特に過渡期のデータを所定の記録領域に効率よく記録させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るデータ記録装置を示す概略図である。
【図2】図1装置がデータの記録の対象とする自動変速機(トランスミッション)の概略を示す概略図である。
【図3】図1装置の動作であるデータ記録および故障確定を示すフロー・チャートである。
【図4】図3フロー・チャートの処理を説明するタイム・チャートである。
【図5】図3フロー・チャートのデータ記録の具体的な処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図6】図1装置のうち、RAMの構成を説明するための説明図である。
【図7】図1装置が記録する各データを示す表である。
【図8】図1装置の他の動作であるデータ消去を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
1 データ記録装置
2 ECU(電子制御ユニット)
3 CPU
4 ROM
5 RAM
6 入力回路
7 A/D変換器
T 自動変速機(トランスミッション)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a data recording device, and more particularly, to a data recording device that records data indicating an operation state of a device.
[0002]
[Prior art]
As a data recording device, for example, a technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-18293 is known. In this data recording device, the measurement data temporarily stored in the ring buffer is normally transferred to a predetermined recording area (recording means) while being thinned out at predetermined intervals, and recorded. When the value is out of the range, a trigger is generated, and before and after the trigger is generated, the stored data is transferred to a predetermined recording area without thinning and recorded.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
When data recorded by such a data recording device is used for analyzing the cause of an abnormality of a device or the like, it is conceivable to set the occurrence of an abnormality in a target device as the trigger generation condition.
[0004]
It is desirable that data relating to device abnormalities and failures can be recorded for each type in a predetermined recording area. However, equipment failures include transient ones (such as those that are temporarily confirmed due to noise, etc., or those that occur temporarily in certain operating conditions, such as during extreme high-load operation). And those that are likely to self-recover over time. In other words, those that have a high probability (reproducibility) of repeated occurrence of abnormalities and normals. (Which is continuous and, once it occurs, has a low probability of self-recovery and poor reproducibility; hereinafter, referred to as "failure"). This transient abnormality is generally repeated multiple times. If the occurrence of an abnormality is set as a trigger generation condition as described above, data on the same abnormality is recorded a plurality of times. For this reason, there is a problem that the capacity of the recording area is wasted, and important data relating to other abnormalities or failures cannot be recorded.
[0005]
In order to solve this problem, it is also conceivable to accurately determine whether the abnormality of the device is a transient abnormality or a failure, and to record data when the failure is determined as the trigger as described above. With this configuration, it becomes impossible to record data relating to transient abnormalities.
[0006]
In general, in the analysis of the cause of a device abnormality or failure, data obtained a predetermined time before the occurrence of an abnormality (including data that is later determined to be a failure), and Data including information on a transition period from a state to an abnormality (failure) occurrence is important. However, since it usually takes a certain amount of time to determine an abnormality of a device as a failure, data of a predetermined time before the occurrence of the abnormality (failure) cannot be obtained after determining the abnormality of the device as a failure. There was such a problem.
[0007]
If the data is continuously recorded for a period from a predetermined time before the occurrence of the abnormality (failure) to a time when the abnormality is determined to be a failure, the above-described problem can be solved. However, in this case, the abnormality or the failure that is not particularly important in the cause analysis is performed. The data after the occurrence of the error, that is, the data until the abnormality is determined to be a failure, is recorded, and the problem of wasting the capacity of the recording area cannot be solved.
[0008]
In addition, since the data of the transition period is important, the reproducibility is low (that is, similar to that of the transient abnormality having high reproducibility (that is, high possibility that the same transition period is repeatedly generated)). (Transient periods will not occur in the future.) It is desirable to preferentially record data on failures.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION It is therefore an object of the present invention to provide a data recording apparatus which solves the above-mentioned problem and can efficiently record important data relating to various abnormalities and failures in a predetermined recording area. It is still another object of the present invention to provide a data recording apparatus capable of efficiently recording data relating to a transition period of a failure.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides, in
[0011]
Mounted on the vehicle An abnormality of data indicating the operation state of the device is detected, and when the abnormality of the data is detected, the type of the abnormality is determined, and the data, specifically, the content of the abnormality is determined by the type of the determined abnormality. It is determined whether or not the data is already recorded in a predetermined data recording area, and when it is determined that the data is not yet recorded in the predetermined data recording area together with the type of the determined abnormality, the data is Since it is configured to be recorded in the predetermined data recording area together with the type of the determined abnormality, it is possible to prevent similar data related to an event that may occur repeatedly such as a transient abnormality from being recorded a plurality of times. Can be prevented. Therefore, important data relating to various abnormalities and failures can be efficiently recorded in a predetermined recording area. In other words, the capacity of the recording area can be reduced, and the effect of suppressing costs can be expected.
[0013]
Also, When data abnormality is detected continuously for the failure confirmation time, Determining the abnormality as a failure of the device; When the ignition switch of the vehicle is turned on It is determined whether or not the abnormality is determined to be the failure, and when the abnormality is not determined to be the failure, the data recorded when the abnormality that is not determined to be the failure is detected is deleted. With such a configuration, important data relating to various failures can be efficiently recorded in a predetermined recording area. In other words, the capacity of the recording area can be reduced, and the effect of suppressing costs can be expected.
[0014]
Further, at a predetermined time, it is determined whether or not the abnormality is determined to be a failure, and when the failure is not determined, the data corresponding to the abnormality is deleted. In other words, the data is deleted before the predetermined time. In other words, since the recorded data is left irrespective of whether the abnormality is determined to be a failure or not, the cause analysis can be performed even for an abnormality that has not been determined to be a failure.
[0015]
[0016]
The data is sampled at a predetermined cycle and stored as time-series data. Note ー Of Since the time-series data is recorded until a predetermined time before the abnormality is detected, data important for analyzing the cause of the abnormality or the failure, particularly data in a transition period, can be efficiently recorded.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a data recording device according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0018]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the configuration of the device.
[0019]
To be described below, the
[0020]
The
[0021]
Here, the control device for the automatic transmission described above will be described with reference to FIG.
[0022]
In the figure, reference symbol T indicates an automatic transmission (hereinafter referred to as "transmission"). The transmission T is mounted on a vehicle (not shown) and comprises a parallel-shaft stepped automatic transmission with five forward speeds and one reverse speed.
[0023]
The transmission T includes a main shaft (input shaft) MS connected to a
[0024]
The main shaft MS supports
[0025]
In the above, an arbitrary shift speed is established by appropriately coupling each main gear and each counter gear to the main shaft MS and the counter shaft CS by the hydraulic clutches C1, C2, C3, C4R, and C5 for each shift speed. .
[0026]
Further, the rotation of the counter shaft CS is transmitted to a differential D via a
[0027]
A
[0028]
A
[0029]
Further, a
[0030]
Further, a first
[0031]
Further, a shift
[0032]
Further, a temperature sensor 70 is provided at the transmission T or at an appropriate position in the vicinity of the transmission T, and outputs a signal proportional to the oil temperature (Automatic Transmission Fluid temperature; hydraulic oil temperature) TATF, and is disposed on the vehicle driver's seat floor. A brake switch 72 is provided near the brake pedal (not shown), and outputs an ON signal when the driver depresses the brake pedal. Further, a
[0033]
Outputs of the
[0034]
Returning to the description of FIG. 1, the
[0035]
In addition, the
[0036]
Further, when an abnormality of the data is detected, the
[0037]
Next, the operation of the
[0038]
In the following, it is determined in S10 whether the failure has been confirmed. Here, “failure determined” means a state in which a detected abnormality is determined to be failure based on predetermined conditions in a step described later. If the result is affirmative in S10 and it is determined that the failure has been confirmed, the subsequent processing is skipped. If the result is negative, the process proceeds to S12, and it is determined whether or not the above-described data abnormality is detected.
[0039]
Specifically, a threshold value indicating an abnormality as shown in the time chart of FIG. 4 is set in advance for the sensor output of each data, and the threshold value is compared with the current value of the sampled sensor output. Judge by such as. The shift
[0040]
If the result in S12 is negative and it is determined that no data abnormality has been detected, the process proceeds to S14, where it is determined that the data is normal and the process ends. On the other hand, when the result is affirmative and it is determined that the data abnormality is detected, the process proceeds to S16, and it is determined whether the abnormality detection is started. Specifically, it is determined whether or not an abnormality is detected for the first time this time, that is, whether or not it is the abnormality detection time t1 shown in FIG.
[0041]
If the determination in S16 is affirmative and it is determined that abnormality detection has started, then the process proceeds to S18, where data recording is performed.
[0042]
FIG. 5 is a subroutine flowchart showing a specific process of recording the data. Referring to the figure, first, in S100, the type of abnormality detected in S12 of the flowchart of FIG. 3 is determined. For example, it is determined whether the position signal from the shift
[0043]
Next, the process proceeds to S102, and it is determined whether or not data relating to the same type of abnormality as the type of abnormality determined in S100 has already been recorded in the
[0044]
Here, the
[0045]
Further, the
[0046]
The data recorded with reference to FIG. 7 will be described in detail. As shown in the figure, the data is roughly divided into a group I and a group II, and is provided for each data in each area of A1, A2, and A3. Recorded in the address.
[0047]
In the above, the group I is a data group in which the amount of fluctuation is not so large in a short time series, and only one sample is recorded at the abnormality detection time t1. Specific data includes the type of abnormality determined in S100 (specifically, a failure code coded based on a specific standard), a selection map at abnormality detection time t1, a traveling distance, and a water temperature TW. Is applicable. In S102, the determination is made by comparing the type of abnormality recorded here with the type of abnormality determined in S100.
[0048]
The group II is a data group composed of data having a relatively large fluctuation amount in a short time series and data important for controlling the transmission T, and is a group of data from the abnormality detection time t1 to a predetermined time before (data recording). It is recorded as time-series data at time T1). Specifically, 15 samples stored while being thinned out at predetermined (or variable) intervals are recorded.
[0049]
As specific data, in addition to the output signals of the above-described sensor group, data intervals (the above-mentioned predetermined or variable thinning intervals [msec]), power supply voltages and output signals of the solenoids SL1 to SL8, The calculated gear ratio, the slip ratio of the torque converter 12 (calculated from the engine speed NE and the input shaft speed NM), and the like correspond. Further, as the position signals 1 and 2, specifically, the
[0050]
Returning to the description of the flow chart of FIG. 5, when the result in S102 is affirmative and it is determined that data relating to the same type of abnormality has already been recorded in the
[0051]
As described above, in the present embodiment, the type of the detected abnormality is determined, and if the data relating to the same abnormality as the determined abnormality type is already recorded in the
[0052]
Returning to the description of the flow chart of FIG. 3, when the result in S16 is negative, the process proceeds to S20, in which it is determined whether or not the failure confirmation time T2 (for example, 1 second; shown in FIG. 4) has elapsed. More specifically, this determination is made based on whether a timer (down counter) set to one second is started when it is determined in S16 that abnormality detection has started, and whether the timer value has reached zero. This is the above-mentioned predetermined condition.
[0053]
If the result is negative and it is determined that the failure confirmation time T2 has not elapsed, the process proceeds to S22, where it is determined that a failure is being detected, and the process ends. On the other hand, when the result is affirmative and it is determined that the failure determination time T2 has elapsed, the process proceeds to S24, in which the detected abnormality is determined as a failure, and the process proceeds to S26, in which the failure determination information indicating that the failure has been determined is described. It is recorded in area B of RAM5.
[0054]
As described above, in this embodiment, “failure” means a detected abnormality that has continued over the failure determination time T2. In other words, this means an abnormality in which the possibility of self-recovery is low even over time and the reproducibility is low. In other words, it will be difficult to obtain data in a transition period important for analysis even if measurement is continued in the future.
[0055]
Next, another operation of the
[0056]
More specifically, in S200, it is determined whether or not data is recorded in any of the areas A1, A2, and A3 in the area A of the
[0057]
In S202, it is determined based on the failure determination information recorded in the B area of the
[0058]
On the other hand, positive If it is determined that the corresponding abnormality is determined to be a failure, S204 is skipped and the data is held.
[0059]
As described above, in this embodiment, the data relating to the transient abnormality is always erased periodically and the data relating to the determined failure is retained, so that various data are stored in the predetermined recording area. Important data (particularly, data in a transition period) regarding the failure of the device can be efficiently recorded. Further, since the capacity of the
[0060]
Further, at a predetermined time, that is, when the ignition switch is turned on, it is determined whether or not the abnormality is determined to be a failure, and when the failure is not determined, data relating to the abnormality is deleted. For example, before the predetermined point in time, the recorded data is kept irrespective of whether the abnormality is determined to be a failure or not. Cause analysis becomes possible.
[0061]
Further, since the data to be recorded in the
[0062]
In other words, the trigger time for executing data recording is set to the abnormality detection time t1 instead of the failure confirmation time t2 (shown in FIG. 4) at which the abnormality is determined to be a failure. It is not necessary to record the data after the occurrence of the abnormality over the failure determination time T2 which is not so important for the cause analysis of the failure. For this reason, since it is possible to prevent the recording area of the
[0063]
As described above, in the present embodiment, in the
[0064]
Further, in the
[0065]
Further, a time-series data storage means (ECU2, RAM5) for sampling the data at a predetermined cycle and storing the data as time-series data is provided, and the data recording means detects at least any abnormality of the device and the data. The time series data is recorded from a point in time (abnormality detection point in time t1) to a predetermined time before (data recording time T1).
[0066]
Further, in the above description, the
[0067]
Further, the area A of the
[0068]
Further, the data is recorded by prohibiting the updating of the data in the
[0069]
Although the sampled data is stored in the
[0070]
Further, the failure is determined based on whether the abnormality has continued for the failure determination time T2. However, the failure may be determined based on the degree of the abnormality, that is, how far away from the normal value.
[0071]
Further, when the abnormality is determined to be a failure, the data relating to the failure is kept stored. However, when the cause of the failure is improved by repairing the device, the data may be deleted by an appropriate method. Needless to say.
[0072]
【The invention's effect】
In
[0073]
Also, When data abnormality is detected continuously for the failure confirmation time, Determining the abnormality as a failure of the device; When the ignition switch of the vehicle is turned on It is determined whether or not the abnormality is determined to be the failure, and when the abnormality is not determined to be the failure, the data recorded when the abnormality that is not determined to be the failure is detected is deleted. With such a configuration, important data relating to various failures can be efficiently recorded in a predetermined recording area. In other words, the capacity of the recording area can be reduced, and the effect of suppressing costs can be expected.
[0074]
Further, at a predetermined time, it is determined whether or not the abnormality is determined to be a failure, and when the failure is not determined, the data corresponding to the abnormality is erased. In other words, since the recorded data remains regardless of whether the abnormality is determined to be a failure, the cause analysis can be performed for an abnormality that has not been determined to be a failure.
[0075]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a data recording device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing an outline of an automatic transmission (transmission) in which data is recorded by the apparatus shown in FIG. 1;
FIG. 3 is a flow chart showing data recording and failure determination as operations of the apparatus in FIG. 1;
FIG. 4 is a time chart for explaining the processing of the flow chart of FIG. 3;
FIG. 5 is a subroutine flowchart showing a specific process of recording data in the flowchart of FIG. 3;
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining a configuration of a RAM in the apparatus of FIG. 1;
FIG. 7 is a table showing data recorded by the apparatus in FIG. 1;
FIG. 8 is a flowchart showing another operation of the apparatus of FIG. 1, which is data erasure.
[Explanation of symbols]
1 Data recording device
2 ECU (electronic control unit)
3 CPU
4 ROM
5 RAM
6 Input circuit
7 A / D converter
T automatic transmission (transmission)
Claims (2)
a.前記データの異常を検出する異常検出手段、
b.前記データの異常が検出されたとき、前記異常の種類を判別する異常種類判別手段、
c.前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に記録されているか否か判断する記録内容判断手段、
および
d.前記データが、前記判別された異常の種類とともに所定のデータ記録領域に記録されていないと判断されたとき、前記データを前記判別された異常の種類とともに前記所定のデータ記録領域に記録するデータ記録手段、
を備えたデータ記録装置において、
e.前記データの異常が故障確定時間にわたって継続して検出されたとき、前記異常を前記機器の故障と確定する故障確定手段、
および
f.前記車両のイグニッション・スイッチがオンされたときに前記異常が前記故障と確定されているか否か判断すると共に、前記異常が前記故障と確定されていないとき、前記故障と確定されていない異常が検出されたときに記録された前記データを消去するデータ消去手段、
を備えることを特徴とするデータ記録装置。A data recording device that records data indicating an operation state of a device mounted on a vehicle ,
a. Abnormality detection means for detecting an abnormality in the data,
b. When an abnormality of the data is detected, an abnormality type determining unit that determines a type of the abnormality,
c. Recording content determining means for determining whether the data is recorded in a predetermined data recording area together with the type of the determined abnormality,
And d. When it is determined that the data is not recorded in the predetermined data recording area together with the determined abnormality type, the data recording that records the data in the predetermined data recording area together with the determined abnormality type. means,
In a data recording device provided with
e. When the abnormality of the data is continuously detected over the failure determination time, a failure determination unit that determines the abnormality as a failure of the device,
And f. When the ignition switch of the vehicle is turned on, it is determined whether or not the abnormality is determined to be the failure.When the abnormality is not determined to be the failure, the abnormality that is not determined to be the failure is detected. Data erasing means for erasing the data recorded when the
A data recording device comprising:
g.前記データを所定の周期でサンプリングして時系列データとして格納する時系列データ格納手段、
を備えると共に、前記データ記録手段は、前記データの異常が検出された時点から所定時間前までの前記時系列データを記録することを特徴とする請求項1項記載のデータ記録装置。further,
g. A time-series data storage unit that samples the data at a predetermined cycle and stores the data as time-series data;
2. The data recording apparatus according to claim 1, wherein the data recording unit records the time-series data from a time point at which the abnormality of the data is detected until a predetermined time before.
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