JP3547841B2 - 蓄熱槽における温度成層の形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、蓄熱槽において温度成層を形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄熱槽の下方に冷水を溜め、上方に温水を溜めることによって槽内に温度成層を形成させるように構成された、温度成層型の蓄熱槽は従来より公知である。かかる蓄熱槽は、例えば一般空調装置、熱回収ヒートポンプ、太陽熱暖房などにおいて、広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この温度成層型の蓄熱槽にあっては、槽内の下方に存在する冷水と上方に存在する温水が混ざり合うことなく、温度成層を形成したままで上方から下方に、もしくは下方から上方に向かって槽内の水が押し出されるように流れることが理想的である。また、蓄熱槽内により多くの冷熱を蓄えるためには、できるだけ低温の冷水を蓄えることが望ましい。特に最近では、1〜2℃程度の冷水を製造できる冷凍機種が製造されるようになってきているが、このような1〜2℃程度の冷水を蓄熱槽内に溜めて冷熱を蓄えることができる蓄熱槽の出現が、切望されている。
【0004】
ところが、表1に示すように、水の密度は約4℃(詳しくは水の最大密度温度である3.98℃)で最大となることから、従来の温度成層型の蓄熱槽では、4℃以上の冷水で蓄熱せざるえなかった。
【0005】
【表1】
【0006】
即ち、今仮に図2(a)に示すように、蓄熱槽11の内部を水平に横切るように断熱性を有する仕切り板12を設置し、この仕切り板12よりも下側に0℃の冷水13を充填し、上側に空調負荷からの還水に相当する12℃の温水14を充填した場合を考える。そして、この仕切り板12を取り去ると、図2(b)に示されるように、冷水13と温水14の境界に両者の混じり合った混合域15が形成され、時間の経過に伴って冷水13の温度は0℃から次第に昇温し、温水14の温度は12℃から次第に降温する(グラフ線16の状態)。そして、やがて蓄熱槽11内の水温は均一になる(グラフ線17の状態)。この挙動を順を追って示すと、次の(1)〜(6)のようになる。
(1)仕切り板12が取り去られると、先ず、冷水13と温水14の間で主に伝導による熱移動が生じる。
(2)冷水13と温水14の間に0℃以上12℃以下の混合域15が生じる。
(3)混合域15内の1〜7℃の水の比重は、0℃の水よりも比重の大きいため、混合域15内の水が、冷水13の領域に降下を開始する。
(4)その反流として、蓄熱槽11内において冷水13が上昇する。
(5)蓄熱槽11の下方で対流が生じ、冷水13の温度が昇温する。
(6)蓄熱槽11内の全体で冷水13と温水14が混合し、均一温度になる。
【0007】
本発明の目的は、以上のような温度成層型の蓄熱槽において約4℃以下の冷水も蓄えることを可能にさせる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、蓄熱槽の下方に冷水を溜め、上方に温水を溜めるように構成された蓄熱槽において、冷水の温度を約4℃以下とし、温水の水温が約12〜14℃であり、温水と冷水との境界に、比重が冷水よりも小さくて温水よりも大きく、かつ、融点が冷水の温度以上で温水の温度以下である潜熱蓄熱材を配置することを特徴とする、温度成層の形成方法が提供される。
【0009】
この方法において用いられる温水は、例えば空調装置からの還水である。そして、この方法において用いられる潜熱蓄熱材は、カプセル容器内に融点が0℃以上の冷水と約12〜14℃の還水との中間温度の物質を封入したカプセル体であって、このカプセル体の比重は冷水よりも小さくて還水よりも大きくなるように調整する。
【0010】
【作用】
蓄熱槽の下方に水温が約4℃(詳しくは水の最大密度温度である3.98℃)以下の冷水を溜め、上方に温水を溜めるようにする。蓄熱槽の上方に溜められる温水は、空調装置などからの還水であり、その水温は12〜14℃程度であるのが一般的である。そして、温水と冷水との境界には潜熱蓄熱材を配置する。この潜熱蓄熱材は、例えばカプセル容器内に融点が0℃以上の冷水と約12〜14℃の還水との中間温度の物質を封入したカプセル体によって構成されている。この、潜熱蓄熱材として利用される物質としては、例えば共晶塩化水物、ボウ硝、C4H8O・17.2H2O−clathrate、C14〜16−paraffinなどがあげられる。潜熱蓄熱材として利用される物質を、表2に例示した。
【0011】
【表2】
【0012】
カプセル体の比重は冷水よりも小さく温水よりも大きい。従って、カプセル体は温水に対しては沈み、冷水に対しては浮くこととなり、カプセル体は温水と冷水の境界に浮遊した状態を保つ。このように本発明にあっては、カプセル体を境界に介在させることによって、冷水と温水との熱の移動が、カプセル体を経由した主として熱伝導によって行われる。また、境界にカプセル体が介在していることによって、冷水と温水が混ざり合うのを妨げ、大きな混合域の形成を抑制することができる。更に、カプセル体の介在により、蓄熱槽全体の対流も防ぐことが可能となる。蓄熱槽内の混合は、蓄熱槽上部の温水域であろうと蓄熱槽下部の冷水域であろうと、蓄熱槽の効率低下につながる。特に、蓄熱槽下部での混合により取り出し水温が大きく上昇すると、蓄熱槽内に蓄えた冷熱の価値が無くなってしまう。
【0013】
カプセル体内に封入される物質の融点を約0〜14℃以下とすることにより、冷水と温水との間で潜熱を利用した熱移動が行われるようになる。カプセル体内に封入される物質の融点は、冷水と温水の温度範囲内であり、冷水温度に近く、かつ水が最大の比重を示す約4℃以下の融点をもつ物質が、効率の上で最も好ましい。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。図1(a)に示すように、先ず最初に、蓄熱槽1の内部には12℃の温水4が充填されている。蓄熱槽1の底部には、温水4内に投入され、その比重差によって沈んだ潜熱蓄熱材であるカプセル体6がある。実施例のカプセル体6は、球形状をした薄肉のカプセル容器内に、融点が約3〜8℃以上の物質としてグラウバー塩または共晶塩水化物を封入したもの用いた。この蓄熱槽1の下部から0℃の冷水が供給され、同時に、蓄熱槽1の上部から12℃の温水が排出される。
【0015】
また、カプセル体6の比重は、0℃の冷水3の比重(0.99984kg/リットル)よりも小さく、12℃の温水4の比重よりも大きくなるように調整した。なお、このカプセル体6の比重の調整は、比重を小さくしたいときはカプセル容器内に空気を注入し、比重を大きくしたいときはカプセル容器内に重りを入れ、もしくはカプセル容器に重りを取り付けることによって行い、カプセル体6の比重が、0.9997±0.0001kg/リットル程度になるように調節した。以上のようなカプセル体5を蓄熱槽1内に投入すると、カプセル体5は、温水4と冷水3の境界に浮遊し、その状態を保つことができた。
【0016】
図1(a)に示す状態から蓄熱槽1の下部より冷水を供給し、同時に槽上部より12℃の温水を排出した時の、時間経過に対する槽内の水温状態を図1(b)に示す。蓄熱槽1の下部に冷水が入り、上方に温水が入っている状態での蓄熱槽1内における水温の分布状態を測定したところ、グラフ線7に示されるようになっていた。即ち、カプセル体5の浮遊している位置を境に、下側に冷水3の領域が保たれ、上側に温水4の領域が保たれていた。そして、冷水3の領域の上部に水温が0℃よりも昇温した部分が若干形成され、温水4の領域の下部に水温が12℃よりも降温した部分が若干形成されてはいたものの、冷水3の大部分の領域において水温は0℃に保たれており、また、温水4の大部分の領域において水温は12℃に保たれていた。
【0017】
かくして、本実施例においては、冷水3と温水4の境界にカプセル体6を介在させたことによって、冷水3と温水4が混ざり合うことを妨げることができた。また、冷水3と温水4の大きな混合域は形成されず、冷水3の大部分を0℃に保ち、温水4の大部分を12℃に保つことができた。このように、本実施例においては、4℃以下(実際には0℃)の低温の冷水3を用いて蓄熱をしたにも関わらず、蓄熱槽1内に対流を発生させることなく、良好な温度成層を維持することが可能であった。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来は水の密度が反転するとの理由によって利用できなかった4℃以下の低温の冷水を用いた蓄熱が可能となり、蓄熱容量が大幅に向上する。特に、本発明によれば、既存の蓄熱槽にカプセル体などを投入するだけで蓄熱容量を著しく増やすことができ、本発明は、簡便な方法でありながら極めて効果の高い有効な手段である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明図
【図2】従来技術の説明図
【符号の説明】
1 蓄熱槽
3 冷水
4 温水
6 カプセル体(潜熱蓄熱材)
Claims (3)
- 蓄熱槽の下方に冷水を溜め、上方に温水を溜めるように構成された蓄熱槽において、冷水の温度を約4℃以下とし、温水の水温が約12〜14℃であり、温水と冷水との境界に、比重が冷水よりも小さくて温水よりも大きく、かつ、融点が冷水の温度以上で温水の温度以下である潜熱蓄熱材を配置することを特徴とする、温度成層の形成方法。
- 温水が空調装置からの還水である、請求項1の温度成層の形成方法。
- 潜熱蓄熱材は、カプセル容器内に融点が約0〜14℃の物質を封入したカプセル体であり、該カプセル体の比重が冷水よりも小さくて温水よりも大きい、請求項1または2の温度成層の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08748795A JP3547841B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 蓄熱槽における温度成層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08748795A JP3547841B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 蓄熱槽における温度成層の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08261674A JPH08261674A (ja) | 1996-10-11 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08748795A Expired - Lifetime JP3547841B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 蓄熱槽における温度成層の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6907923B2 (en) | 2003-01-13 | 2005-06-21 | Carrier Corporation | Storage tank for hot water systems |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP08748795A patent/JP3547841B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08261674A (ja) | 1996-10-11 |
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