JP3546890B2 - 消防服 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、必要強度を確保しながら一層の軽量化を可能にした芳香族ポリアミド繊維使いの消防服に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタ系芳香族ポリアミド繊維は耐熱性に優れており、その耐熱性が注目されて、その紡績糸からなる織物を表地に使用した消防服が製品化されている。
しかし、消防服は、単に耐熱性に優れているばかりでなく着用時の消火活動をし易いように、できる限り軽量で運動性能に優れたものであることが強く求められている。しかし、上記メタ系芳香族ポリアミド繊維の紡績糸からなる織物は、消防服に必要な強力を考慮すると、その目付量を約400g/m2よりも小さくすることには限界があり、それ以上に軽量化して運動性能を向上させることはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、芳香族ポリアミド繊維の利点である耐熱性を生かしながら、消防服としての強力を損なうことなく一層の軽量化を可能にする消防服を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する本発明の消防服は、少なくとも表地がメタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸で構成された織物又は編物からなる布帛にコート材を被覆した構成からなり、かつ前記布帛の目付量が100〜350g/m2 であることを特徴とするものである。
このようにメタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸で構成された織物又は編物で少なくとも表地用布帛を構成し、しかもその布帛の目付量を100〜350g/m2 にしたことにより、従来の紡績糸使いのものと同等又はそれ以上の強力を保持しながら、重量を約1/3以下に低減することが可能になる。
【0005】
以下、本発明を図面を参照して具体的に説明する。
図2は、本発明の実施例からなる消防服の外観を示す。この消防服1は上衣1uと下衣1dの二ピースからなり、それぞれが表地が図1のように構成されている。図1において、2は上述した上衣1uや下衣1dを構成する表地であり、布帛3に樹脂又はゴムからなるコート材4を被覆して構成されている。布帛3は、タテ糸及びヨコ糸がメタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸3aから構成されている。
【0006】
本発明において、表地を構成する布帛としては、織物、編物、不織布のいずれかであってもよいが、特に織物、編物が好ましい。メタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸は、それぞれ単独で使用してもよく、或いは両種類を併用してもよい。その併用方法は糸の段階でフィラメント糸同志を混繊してもよく、或いは織物又は編物にする段階で交織又は交編するようにしてもよい。
【0007】
また、フィラメント糸を形成するポリマーは、メタ系芳香族ポリアミド及びパラ系芳香族ポリアミドのいずれかを使用するが、好ましくは耐熱性がより一層優れているメタ系芳香族ポリアミドを使用する方がよい。メタ系芳香族ポリアミドとしては、ポリメタフェニレンテレフタラミド又はそれを主成分とする共重合体があり、パラ系芳香族ポリアミドとしてはポリパラフェニレンテレフタラミドがある。
【0008】
このようなメタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸から構成した布帛は、目付量を100〜350g/m2、さらに好ましくは150〜200g/m2の範囲になるように調整する。この目付量が350g/m2よりも大きくなると、従来の紡績糸使いのものに比べて消防服の軽量化が不十分になる。また、100g/m2未満では消防服の強力が低くなり、安全性を十分に確保できなくなる。このような目付量を得るためのフィラメント糸の太さは、200〜1200デニールの範囲で採用するとよい。
【0009】
布帛の表面を被覆するコート材としては、ゴム又は樹脂があり、これらは難燃性、防水性、熱輻射性に優れたものが望ましい。ゴムとしては、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム、アクリルゴム(AR)、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム(ECO)等を挙げることができる。これらの中でもクロロスルホン化ポリエチレンを使用することが好ましい。また、樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0010】
これらコート材は、難燃性、防水性、熱輻射性を有するものが使用されるが、さらに熱輻射性の効果を高めるため、アルミニウム等の各種金属粉末を混合したり、或いはそのコート材の上に、金属を蒸着又はスパッタリングして薄い金属膜層を形成することが望ましい。また、これらコート材は明色の識別性を有する顔料を混合又は表面塗布することが好ましい。さらにコート材は微多孔化することにより通気性や透湿性を付与して着心地性を向上したり、防水剤や撥水剤を塗布して防水性や撥水性を付与することが望ましい。
【0011】
これらコート材を布帛に対して被覆する手段としては、ナイフコーテイング、デッピング等の公知の方法を適用することができ、特に限定されるものではない。また、予めコート材を薄膜状に形成し、これを布帛と張り合わせるようにすることもできる。このコート材の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜0.05mmとなるようにする。
【0012】
得られた生地は、消防服の少なくとも表地として使用するが、さらに中地、衿等に使用することができる。
【0013】
【実施例】
ポリメタフェニレンテレフタルアミドからなる200D、フィラメント数 100本のフィラメントを用いて平織物を製織した。この平織物にアルミニウム粉末を混合したクロロスルホン化ポリエチレンゴムをナイフコーテイング法により厚さ0.01mmに塗布した目付量160g/m2 の生地Aを作製した。
【0014】
また、比較のため、1.7d、長さ51mmのポリメタフェニレンテレフタルアミドからなる短繊維を紡績糸にし、この紡績糸を用いて平織物を製織し、この平織物に生地Aと同じゴムを塗布した目付量450g/m2の生地Bを作製した。これら生地A,Bを表地として使用し、図2に示す外観の本発明の消防服A及び比較消防服Bをそれぞれ作った。この消防服A、Bの表地の引張強力をそれぞれJIS−L−1096に準拠して測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0015】
表1から、本発明の生地Aは比較生地Bに比べて、重量が約1/3も軽いにも拘わらず、ほぼ同等以上の引張強力を有していることが判る。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、消防服の表地を、メタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸からなる布帛から構成し、しかもその布帛の目付量を100〜350g/m 2 にしたことにより、従来のメタ系芳香族ポリアミド繊維の紡績糸からなる織物(布帛)と同等又はそれ以上の強力を保持しながら、軽量化された運動性能に優れた消防服にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消防服の表地の1例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の消防服の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 消防服 2 表地
3 布帛 4 コート材
Claims (4)
- 少なくとも表地がメタ系芳香族ポリアミド繊維又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸で構成された織物又は編物からなる布帛にコート材を被覆した構成からなり、かつ前記布帛の目付量が100〜350g/m2 である消防服。
- 前記コート材がクロロスルホン化ポリエチレンである請求項1に記載の消防服。
- 前記コート材の厚さが0.01〜0.05mmである請求項1又は2に記載の消防服。
- 前記コート材に金属粉末を混合するか、或いは前記コート材の表面に金属を蒸着又はスパッタリングした金属膜を形成した請求項1、2又は3に記載の消防服。
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---|---|---|---|
JP35178193A JP3546890B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 消防服 |
Publications (2)
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JPH07194720A JPH07194720A (ja) | 1995-08-01 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35178193A Expired - Fee Related JP3546890B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 消防服 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3546890B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP35178193A patent/JP3546890B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07194720A (ja) | 1995-08-01 |
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