JP3545988B2 - 通信方法および通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信に関し、特に、パケット通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
以前は、インターネットを用いたすべてのデータトラフィックは平等に扱われ、「ベスト・エフォート」メカニズムを用いてトランスポートされた。しかし、時が経つにつれて、インターネットを通じてのリアルタイムアプリケーション(例えば、オーディオ/ビデオ会議ツール、ゲームアプリケーションなど)をサポートすることへの需要から、何らかの形の差別化されたサービス(differentiated service)提供の必要性が生じた。そこで、当業者は、サービス品質(QoS)をインターネットユーザに提供する新たなプロトコルを提案している。
【0003】
RSVP(Resource ReSerVation Protocol)はそのようなプロトコルの1つである。RSVPは、受信側ホストがデータフローパスを通じてネットワークエレメントへ所望のサービスを通知するために使用される受信側主導のエンドツーエンドプロトコルである。RSVPでは、QoS要求の粒度(グラニュラリティ:granularity)は、パケットフローごとに決定される(例えば、B. Braden, L. Zhang, S. Berson, S. Herzog, S. Jamin, ”Resource ReSerVation Protocol (RSVP) − Version I Functional Specification”, RFC 2205、を参照)。
【0004】
しかし、パケットフローごとにQoS保証を提供することは、バックボーンルータにスケーラビリティの問題点を生じる(例えば、R. Guerin, S. Blake, S. Herzog, ”Aggregating RSVP−based QoS Requests”, draft−guerin−aggreg−rsvp−00.txt, Nov. 1997、を参照)。例えば、ルータにおいて各パケットフロー(本明細書では、「TCP/IPセッション」ともいう)ごとに、例えばTCP/IPソース、TCP/IPデスティネーション、およびTCP/IPプロトコル番号を含む予約状態がある。このため、ルータが各TCP/IPセッションを追跡することが必要であることにより、多くのルータメモリと処理リソースを消費する。さらに、RSVPのエンドツーエンド性により、ネットワークを通じて仮想パイプを予約するために使用することは不適当になる。
【0005】
上記の問題点に対する1つの解決法は、パケットフローをまとめて2つのルータの間にRSVPトンネルを設けることである。この解決法については、
・R. Guerin, S. Blake, S. Herzog, ”Aggregating RSVP−based QoS Requests”, draft−guerin−aggreg−rsvp−00.txt, Nov. 1997・A. Terzis, J. Krawczyk, J. Wroclaski, L. Zhang, ”RSVP Operation overIP tunnels”, draft−ietf−rsvp−tunnel−03.txt, Aug. 1998に記載されている。ここで、一対のトンネルエンドポイントを通るRSVPセッションは、相異なるサービス(例えば、保証付きサービス(guaranteed service:最悪の遅延を保証する)や負荷制御サービス(controlled load service:最低帯域幅を保証する))を提供することが可能であり、同じサービスが相異なるパラメータ(例えば、保証付きサービスにおける相異なる遅延要求)を有し、あるいは、類似のサービスが相異なるポリシを有する。こうして、一対のトンネルエンドポイントの間に複数の異なるトンネルが存在することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、RSVPベースのQoS要求をまとめる修正された形式のRSVPはこの問題点に対する1つの解決法ではあるが、このような修正された形式のRSVPはもはや純粋に受信側指向ではない。特に、エンドツーエンドRSVP RESVメッセージ(受信側から送信側へ)で運ばれる情報は、トンネルソースポイントがセッションからトンネルへのマッピングについて決定する際には使用されない。これは、RSVPの受信側指向パラダイムに違反するのみならず、帯域幅の利用が非効率になる可能性がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明において、トンネルソースポイント(TSP:tunnel source point)とトンネルデスティネーションポイント(TDP:tunnel destination point)の間のパケットトンネルを通じて、RSVPの受信側主導パラダイムと整合性のある方法でエンドツーエンドRSVPセッションを確立する新規なRSVPベースのトンネルプロトコルを開発した。特に、エンドツーエンドRSVPセッションは、受信側指向RSVPタイプのシグナリングを用いて、TDPがトンネルマッピングを決定するようにマッピングされる。このように、この新しいRSVPタイプのプロトコルは、RSVPの受信側主導性と整合性があるため、既存のRSVPプロトコルを変更する必要がない。
【0008】
本発明の実施例では、RSVPプロトコルは、エンドツーエンドRSVPセッションから、TSPとTDPの間のトンネルへの受信側指向マッピングをサポートするように変更される。特に、TDPは、エンドツーエンドRSVP RESVメッセージで運ばれる情報を使用して、セッションからトンネルへのマッピングを決定する。このマッピングは、新しいTUNNEL_BINDINGオブジェクトを通じてTSPへ送信される。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、保証付きサービスを提供する際に、TDPは動的にTSPへのトンネルを構成し、確立されたトンネルに対するトンネル調整(チューニング)を実行する。後者の特徴により、帯域効率を改善するために、トラフィック条件に既存のトンネルを動的に適応させることが可能となる。トンネルチューニング手続きは、受け付けられたエンドツーエンドRSVPセッションの一部のトンネル再割当てを引き起こすこともある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下の説明は大きくいくつかの部分に分かれる。最初の部分では、高水準の背景知識について簡単に説明した後、新しいRSVPベースのトンネルプロトコルの概観を行う。概観のセクションに続いて、トンネル管理、受信側主導トンネル割当て/受付制御、トンネル設定、およびトンネルチューニングについてさらに詳細なセクションがある。
【0011】
概観
背景知識として、保証付きサービスのRSVPセッションに加入するための、例示的なエンドツーエンドRSVPメッセージトランザクションの一部を図1に示す。送信側は、RSVP PATHメッセージを(ユニキャスト、またはマルチキャストのIPアドレスによって識別される)受信側へ送る。RSVP PATHメッセージには、SENDER TSPECオブジェクトおよびADSPECオブジェクトが添付される。SENDER TSPECオブジェクトは、送信側が送信することが可能なフロー特性を指定し、ADSPECオブジェクトは、受信側へのパスにあるルータによる変更を受けるパラメータを含む。受信側は、予約を行うとき、その遅延要求と、ADSPECオブジェクトに含まれるパラメータ(これは、前述のように、上記のルータ(図示せず)によって変更されている可能性がある)とに従って、必要とする帯域幅を計算する。その後、受信側は、RSVP PATHメッセージがたどったパスに沿って帯域を予約するために、RSVP RESVメッセージをアップストリームへ送信する。これらの動作の詳細は、
・S. Shenker, C. Partridge and R. Guerin, ”Specification of Guaranteed
Quality of Service”, RFC 2212
・J. Wroclawski, ”The Use of RSVP with IETF Integrated Services”, RFC 2210
に記載されている。
【0012】
上記のように、RSVPトンネルを通じてエンドツーエンドRSVPセッションを運ぶことが可能である。RSVPトンネルは、TSPを送信側としTDPを受信側とするRSVPセッションにほかならない。エンドツーエンドRSVPセッションがTSPとTDPの間に形成されるとき、TSPは、このエンドツーエンドセッションを、これらの間のm個のRSVPトンネルのうちの1つにマッピングする。このm個のトンネルのセットは、例えば、当業者に周知のポリシング(監視)サーバあるいはAAA(Authentication Authorization and Accounting:認証許可課金)サーバを使用することによって、TSPとTDPの間にあらかじめ確立される。その結果、TSPとTDPの間のフローごとに1つのRSVPセッションを使う代わりに、複数のフローが単一のRSVPトンネルにまとめられるため、中間ルータで保持される状態数を大幅に削減することが可能となる。エンドツーエンドフローのデータがTSPに到着すると、このデータは、同じトンネルに属するさまざまなフローを中間ルータが差別しないように、カプセル化される。相異なるRSVPトンネルを区別するため、IP−in−UDP(User Datagram Protocol)カプセル化が用いられる。このカプセル化については、前掲のTerzis et al., ”RSVP Operations over IP tunnels”の論文に記載されている。このカプセル化方式(この論文にはタイプ2トンネル(Type 2 tunnel)として記載されている)では、UDPデスティネーションポート番号がトンネル識別子として用いられる。1つのトンネルにまとめられた後、ここのフローは、同じトンネル内の他のフローと帯域を共有しなければならない。従って、前掲のGuerin et al., ”Aggregating RSVP−based QoS Requests”の論文に記載されているように、トンネルは、エンドツーエンドフローのADSPECを更新するときには、純粋な遅延ネットワークエレメントとして扱わなければならない。トンネルを通じてエンドツーエンドRSVPセッションを確立するための従来のメッセージトランザクションの一部を図2に示す。前述のように、上記の修正された形式のRSVP(図2に示したもの)は、RSVPの受信側主導パラダイムと整合しない。TSPが、受信側に関する情報なしで、トンネルマッピングと、エンドツーエンドRSVPセッションについてのマッピング情報を決定するからである。
【0013】
そこで、本発明において、TSPとTDPの間のパケットトンネルを通じて、RSVPの受信側主導パラダイムと整合性のある方法でエンドツーエンドRSVPセッションを確立する新規なRSVPベースのトンネルプロトコルを開発した。特に、エンドツーエンドRSVPセッションは、TDPがエンドツーエンドRSVPメッセージ内の情報を用いてトンネルマッピングを決定するように、受信側指向RSVPタイプのシグナリングを用いてマッピングされる。
【0014】
本発明の原理による例示的なネットワーク10を図3に示す。図3において、本発明の概念に関するもの以外の要素は周知であり、詳細には説明しない。例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)15は、単一ブロックのエレメントとして示されているが、蓄積プログラム制御プロセッサ、メモリ、およびルータ/サーバ(例えば、POP(point−of−presence、アクセスポイント)ルータ、ネットワークアクセスサーバ(NAS:Network Access Server)など)を含む(図示せず)。ネットワーク10は、インターネット50を通じて接続された、ISP15およびISP25で表されるような複数のISPを含む。インターネット50は、インターネットプロトコル(IP)に基づくネットワークインフラストラクチャを表し、パケットエンドポイントどうしの間でIPパケットを通信するためのルータなどのような他のコンポーネント(図示せず)を含む。同様に、ネットワーク10のエレメントどうしの間の実線は、それぞれのエンドポイントどうしの間の周知の通信設備を表す。例えば、ISP15とインターネット50の間のコネクション(ライン22で示す)は、SONET(光同期網:synchronous optical network)上の非同期転送モード(ATM)によってサポートされる、などである。同様に、ライン11および21は、それぞれISP15およびISP25を通じて、ネットワーク10に出入りする任意の個数および種類の通信設備(例えば、複数のT1/E1回線(それぞれの方向に対して)を表す。(このトラフィックの送信側および受信側は簡単のため図示しない。)さらに、上記のRSVPプロトコルについては周知であると仮定する。RSVPは、統合サービス(例えば、保証付きサービスまたは負荷制御サービス)をサポートするが、ここでの説明は例として保証付きサービスを使用する。また、ここでの説明の目的では、ISP15およびISP25の動作は相補的であって、ISP15はTSPであり、ISP25はTDPであると仮定する。このように、本明細書では、TSPとTDPは固定され、互いを知っている(例えば、相手のアドレスを知っている)と仮定する。さらに、TSPは、どのトラフィックフローを、TDPを通じてルーティングしなければならないかを知っているとする。この場合、以下でさらに説明するように、RSVPトンネル60(破線)は、ISP15をISP25に接続するように設定され、RSVPトンネル60を通じてルーティングされる必要のあるトラフィックは、対応するトラフィックのデスティネーションサブネットアドレスによって識別される。
【0015】
本明細書の残りの部分では、トンネルに関するRSVPメッセージをエンドツーエンドフローのものから区別するために、トンネルに関するRSVPメッセージに”TUNNEL_”というプレフィクスを付加する。さらに、エンドツーエンドフローのデータがTSPに到着した場合、前掲のTerzis et al., ”RSVP Operations over IP tunnels”の論文に記載されているように、タイプ2トンネルがカプセル化のために使用されると仮定する。同様に、各トンネルは、前掲のGuerin et al., ”Aggregating RSVP−based QoS Requests”の論文に記載されているように、純粋な遅延ネットワークエレメントとして扱われる。
【0016】
まず、m個のトンネル60のセットが、TSPとTDPの間に存在すると仮定する。本発明による、例示的なRSVPエンドツーエンドメッセージトランザクションの一部を図4に示す。また、図5には、TDPにおいて使用される、本発明の原理による例示的な流れ図を示す。TDPは、通常のプログラミング技術を用いて下記の方法を実行するように適切にプログラムされると仮定し、そのようなプログラミング技術についてはここでは説明しない。RSVPは受信側主導のプロトコルであるため、新しいエンドツーエンドRSVP PATHメッセージがTSPに到着すると、TSPは単にそのエンドツーエンドRSVP PATHメッセージをカプセル化してTDPへ送る。(これは、トンネルは事前に静的に構成されていないことを仮定している。)TDPは、カプセル化されたエンドツーエンドRSVP PATHメッセージを受信すると(図5のステップ205)、そのカプセル化を解除し、ADSPECを更新し(図5のステップ210)、RSVPエンドツーエンドシグナリングに従って、対応する受信側(図示せず)へ転送する(図5のステップ215)。受信側(図示せず)はRSVP PATHメッセージを受信した後、このRSVPセッションに必要なパラメータを(従来技術と同様に)計算し、エンドツーエンドRSVP RESVメッセージを返送する。TDPは、このRSVP RESVメッセージを受信すると(図5のステップ220)、本発明に従って、受信側主導のトンネル割当て/受付制御手続きを実行することによってこのエンドツーエンドRSVPセッションのための適当なRSVPトンネルを決定し(図5のステップ225、詳細は後述)、受け付けられた場合(図5のステップ230)、セッションからトンネルへのバインディングをTSPに通知するためにTUNNEL_BINDINGオブジェクトを形成する。(受け付けられない場合、図5のステップ235でセッションは拒否される。)次に、TDPは、エンドツーエンドRSVP RESVメッセージを(添付されたTUNNEL_BINDINGオブジェクトとともに)カプセル化してTSPへ送り(図5のステップ240)、TSPはそれをカプセル化解除する。TUNNEL_BINDINGオブジェクトを受信した場合、TSPは、エンドツーエンドRSVPセッションのために、TDPによって割り当てられたトンネルを使用する。TSPは、RSVP RESVメッセージの残りの部分をアップストリームの送信側(図示せず)へ転送する。その結果、この修正されたシグナリングにより、TDPは、トンネルのパラメータおよびエンドツーエンドRESVメッセージに基づいてエンドツーエンドRSVPセッションにトンネルを割り当てることが可能となる。
【0017】
上記のメッセージに関して、RSVP PATHメッセージフォーマットを図6に示す。RSVP ADSPECオブジェクトを図7および図8に示す。図9に、RSVP RESVメッセージを、SESSIONオブジェクトおよびFLOWSPECオブジェクトとともに示す。(なお、本発明の概念以外については、これらのフォーマットはRSVPで定義されている通りである。)本発明による、TUNNEL_BINDINGオブジェクトの例示的なフォーマットを図10に示す。(認識されるように、TUNNEL_BINDINGオブジェクトフォーマットは、前掲のTerzis et al., ”RSVP Operations over IP tunnels”の論文に記載されているSESSIONオブジェクトに類似している。)
【0018】
その後、TSPは、データトラフィックを受信すると、セッション−トンネルバインディングに基づいて、適当なIP−in−UDPヘッダとともにパケットをカプセル化する。また、TSPは、個々のTSPECに従わない各フローからのデータトラフィックをマークしなければならない。このことは、TSPが、当業者に周知のように各フローに対するポリシング(監視)機能を備える必要があることを意味する。
【0019】
なお、トンネルは、はじめに仮定したように事前に構成されている必要はない。特に、TDPは、TSPへのトンネルを動的に構成することが可能である(詳細は後述)。このタイプのメッセージトランザクションを図11に示す。(なお、TDPにおいてトンネルを動的に構成する機能以外の点では、このタイプのメッセージフロートランザクションは従来技術と同一である。すなわち、あらかじめ構成されたトンネルの場合でも、このタイプのメッセージフローは生じる。)図11に関して、RSVPトンネルを確立するため、TSPは送信側(すなわちデータソース)として作用し、TDPのユニキャストアドレスへTUNNEL_PATHメッセージを送る。このTUNNEL_PATHメッセージには、TUNNEL_ADSPECオブジェクトが添付される。本発明の特徴によれば(後述)、TDPは、受信したTUNNEL_ADSPECオブジェクトに含まれるパラメータに基づいて、確立するトンネルの個数と、それらのトンネルの間でどのようにリソースを割り当てるかを決定する。その後、TDPは、トンネルを確立するために、TSPへTUNNEL_RESVメッセージを送る。
【0020】
上記の各トンネル設定は、S. Shenker and J. Wroclawski, ”General Characterization Parameters for Integrated Service Network Elements”, RFC 2215、の論文で定義されている制御負荷サービスあるいは保証付きサービスのいずれも提供することが可能である。以下のセクションでは、保証付きサービスを提供するトンネルを管理するための追加のアルゴリズムについて説明する。
【0021】
保証付きサービスのためのトンネル管理
TDPで実行される受信側主導割当て/受付制御、トンネル構成、およびトンネルチューニング手続きの説明に進む前に、トンネルに関する以下の情報について説明する。
【0022】
相異なるエンドツーエンドRSVPセッションは相異なる遅延要求を有することがある。従って、各トンネルごとに異なる遅延保証を有することが有効である。TSPとTDPの間にn個のトンネルがあり、各トンネルの遅延保証がd <d <...<d であると仮定する。その場合、TSPとTDPの間で遅延保証dを要求するエンドツーエンドRSVPセッションは、トンネルiが十分な容量を有すると仮定して、d <d<di+1 である場合にトンネルiにマッピングされることになる。
【0023】
そこで、トンネルiのTSPECをベクトルTS =(b ,r ,p ,M ,m )で表す。ただし、b はバーストサイズであり、r は平均レートであり、p はピークレートであり、M はトンネルメッセージ転送ユニット(MTU:message transfer unit)であり、m は課金ユニット(例えば、前掲のShenker el al., ”General Characterization Parameters for Integrated Service Network Elements”の論文を参照)である。一般に、トンネルiに関連するCおよびDの値(前掲のShenker et al., ”Specification of Guaranteed Qualityof Service”の論文を参照)(Ctot,i およびDtot,i で表す)はTS の関数であり、従って、各トンネルごとに異なることがある。(なお、保証付きサービスの場合、Dtot,i は更新されるがCtot,i は更新されない。)
【0024】
一般性を失うことなく、それぞれ遅延d およびd を保証する2つのトンネルを考える。遅延保証dは次式により計算される。
d=(b+C)/R+D (1)
ただし、bはバーストサイズであり、Rは予約される帯域幅であり、CおよびDは前掲のShenker et al., ”Specification of Guaranteed Quality of Service”の論文で定義される通りである。
【0025】
各トンネルは、次の帯域幅を要求することになる。
=(b +Ctot,i )/(d −Dtot,i ) (2)
ただし、i=1,2である。2つのトンネルをまとめた(グループ化した)場合、保証遅延d がなければならず、新しいTSPECはTS =(b +b ,r +r ,p +p ,max{M ,M },min{m ,m })となる。対応して、このトンネルは、Ctot,g およびDtot,g を有することになり、次の帯域幅を要求する。
=(b +b +Ctot,g )/(d −Dtot,g ) (3)
【0026】
明らかに、R ≦R +R の場合、2個ではなく1個のトンネルを設定するほうが有利である。
【0027】
中間ルータが、TSPから送信されるTUNNEL_TSPECに部分的に基づいて、TUNNEL_ADSPEC内のCtotおよびDtotを更新するため、TDPが別のTUNNEL_TSPECを使用することを決定する場合、Ctot =f(TUNNEL_TSPEC)およびDtot =h(TUNNEL_TSPEC)もまた異なることがある。ただし、fおよびhは、TSPおよびTDPには未知の関数である。その結果、TDPは一般に、Rを正しく計算するために、関数fおよびhを知る必要がある。
【0028】
関数fおよびhを求めるため、TSPは、相異なるTUNNEL_TSPECを有するいくつかのTUNNEL_PATHメッセージを送出することができる。TDPは、これらのTUNNEL_TSPECを、対応するTUNNEL_ADSPECとともに受信すると、fおよびhを補間により評価することができる。トンネル予約に使用されないTUNNEL_PATHメッセージはタイムアウトすることになる。
【0029】
実際には、fおよびhは、複雑な関数である可能性は少ない。例えば、中間ルータがすべてWFQ(重み付き公平キューイング:weighted fair queueing)を実装している場合、Ctot =(k−1)M、および、Dtot =Σ /Cである。ただし、kは、トンネル内のホップ数であり、Cは、各ホップのリンク速度である。この場合、TSPは、TUNNEL_TSPEC内の他のすべての成分を固定したままMの値を変えていくつかのTUNNEL_PATHメッセージを送信する。すると、TDPは、TUNNEL_TSPECおよびTUNNEL_ADSPECからデータ(M ,C ,D )のセットを収集し、これらを、それぞれC およびD の上限である、Mの1次関数に当てはめる。
【0030】
TSPとTDPの間に複数のパスが存在する場合、Ctot およびDtot の値は、異なるパスでは非常に異なることがある(そうでなければ、これらのパスを区別する必要がない)。このような場合、TDPは、まず、データを分類してクラスタに分けてから、補間に進む。あるいは、TDPは、すべてのクラスタに対するCおよびDの単一の上限を求めることも可能であるが、これは控えめすぎることがある。
【0031】
トンネル管理を簡単にするため、トンネルMTUが、すべてのトンネルに対するMとして常に使用される。さらに、与えられたMに対して、CおよびDはいずれも定数であると仮定する。これは、WFQルータからエクスポートされる値と整合する。明らかに、RSVPもまたこの仮定を暗黙のうちにしている。その理由は、受信側は、送信側から受信したのとは異なるTSPECを指定することがあるが、それでも依然として、帯域幅要求を計算するためにPATHメッセージ内のTSPECに対応する同じCおよびDの値を使用するからである。この仮定が成り立たない場合、上記の補間法を使用することが可能であり、計算の複雑さ(計算量)はfおよびhの形に依存することになる。
【0032】
上記の仮定の下で、
+R =(b +Ctot )/(d −Dtot )+(b +Ctot )/(d −Dtot ) (4)
であり、2つのトンネルを1つに合併した場合、要求される帯域幅は、
=(b +b +Ctot )/(d −Dtot ) (5)
である。
【0033】
従って、
【数1】
Figure 0003545988
となる。
【0034】
が一定の場合、これはdに関して単調増大関数であり、
<d +(d −Dtot )Ctot /b (7)
のとき、
<R +R (8)
となる。
【0035】
つまり、2つのトンネルを1つに合併することによって帯域幅が節約される。なお、d =d のとき、R −(R +R )=−Ctot /(d −Dtot )<0である。すなわち、同じ遅延要求のセッションを1つのトンネルにまとめることによって、常に帯域幅が節約される。この特殊な場合は、S. Rampal and R.Guerin, ”Flow Grouping for Reducing Reservation Requirements for Guaranteed Delay Service”, draft−rampal−flow−delay−service−01.txt, July 1997、で観察されたものである。
【0036】
式(6)でd →∞とすると、
−(R +R )=b /(d −Dtot )>0 (9)
となる。
【0037】
これはもう1つの極端な場合であり、d が十分に大きいとき、2つのトンネルを別々のままにしたほうが帯域効率が良いことを示している。
【0038】
上記の考察からわかるように、使用される帯域を効率的にトンネルに分割する方法について決定するときに用いるのに、遅延は良好な指標となる可能性がある。これは実際その通りである。
【0039】
パラメータセット(b,R,d)(i=1,...,n)を有するn個のRSVPセッションがある場合を考え、これらのセッションがdでソートされていると仮定する。トンネルが遅延dを保証するように設定された場合、dより小さい遅延要求のセッションはこのトンネルには入らない。他方、遅延要求d′<dのトンネルに、dより大きい遅延要求のセッションiを入れるのは帯域効率が悪い。これは次のことから明らかである。すなわち、遅延保証dのトンネルにこのセッションを追加するのに要する追加帯域幅はΔR=b/(d−Dtot )であり、帯域保証d′のトンネルにこのセッションを追加するのに要する追加帯域幅はΔR′=b/(d′−Dtot )>ΔRであるからである。
【0040】
このことから次のことがわかる。与えられたセッションのセットに対して、さまざまな遅延保証d <d <...<d を提供するようにトンネルが設定された場合、遅延要求d ≦d<dj+1 のセッションをトンネルjに入れると帯域効率がよい。従って、与えられたRSVPセッション統計に基づいてトンネルがあらかじめ構成されている場合、RSVPセッションは、まずdでソートすべきである(詳細は後述)。
【0041】
一般に、TSPは、トンネルがどのような種類のTSPECをサポートすることができるかを知らないため、できるだけ大きいTSPECとして知っていることを単に送信する。具体的には、TSPは、bがそのバッファサイズであり、pが入力リンク速度の和(または無限大)であり、rが出力リンク速度であり、Mが出力インタフェースによってサポートされる最大パケットサイズであり、mがTSPによってサポートされる最小の課金単位であるとして、送信する。
【0042】
また、TSPは、設定するトンネルの適当な個数を知らないため、トンネル設定期間中に、TSPがサポート可能なトンネルの数と同数以上のTUNNEL_PATHメッセージを送信する。過剰のTUNNEL_PATHメッセージは、必要であればパラメータ補間をサポートするために使用可能であり、対応するTUNNEL_RESVメッセージがタイムアウト期間内に受信されないときにはルータから消去される。
【0043】
トンネルの適当な個数とTUNNEL_TSPECの値はTDPによって計算される。その後、TDPは、TUNNEL_FLOWSPEC内のTUNNEL_TSPECとともにTUNNEL_RESVメッセージをTSPへ送る。このTUNNEL_RESVメッセージは、FilterspecがTSPのIPアドレスとUDPデスティネーションポート番号を指定するFF予約スタイルを使用すべきである。
【0044】
受信側主導トンネル割当て/受付制御
RSVPは受信側主導のプロトコルである。アプリケーションの遅延要求と、エンドツーエンドRSVP PATHメッセージ内のTSPECおよびADSPECで受信されるパラメータに基づいて、受信側は、所望の帯域幅R、スラック項S、および所望のTSPECを計算し、それらをFLOWSPECでアップストリームへ送信する。
【0045】
本発明によれば、TDPは、カプセル化されたRSVP PATHメッセージをTSPから受信した後、それをカプセル化解除し、ADSPECを変更する。TDPは常に、トンネルについてC=0およびD=d (最小遅延)であると(たとえそのトンネルにもう空き容量がなくても)公示する。TDPは、受信側から返されたRESVメッセージを受信すると、スラック項の一部0≦S≦Sをオプションとして使用して、このセッションを、d +Sより小さい遅延を保証するトンネルiにマッピングする。その後、TDPは、Sをd −d だけ小さくする。このセッションに関して、資格のあるいずれのトンネルにも十分な容量がない場合でも、遅延保証に違反することなくこのセッションを別のトンネルにマッピングすることは可能である。これについて以下で詳述する。
【0046】
トンネルについてできるだけ小さい単一の遅延値d を公示することにより、プロトコルは単純かつスケーラブルになる。すなわち、TDPは、受信側のさまざまな相異なる遅延保証要求を知る必要がなく、単に、なし得る最善のことを公示する。なお、RSVPプロトコルの受信側主導性により、TDPは、送信側からのADSPECを処理するときに、RSVPセッションの遅延要求を知ることさえもない。
【0047】
受信側が、より多くの遅延を許容することができる場合、第1の選択肢として、スラック項Sに過剰な値を入れることがある。この場合、TDPは、この過剰値を用いて、上記のように、より緩い遅延保証のトンネルにセッションをマッピングすることができる。受信側の第2の選択肢は、単に、より小さい帯域幅を予約することである。ほとんどの受信側が第2の選択肢を選ぶ場合、最小の遅延を提供するトンネルは、より大きい帯域幅のシェアを必要とする。この問題点についてはさらに後述する。
【0048】
上記の説明からわかるように、トンネルはRSVPセッション要求の前に確立されるが、TDPは、受信側からのRESVおよびTSPECメッセージを使用することによって、トンネルを最大限に利用(すなわち、セッションをトンネルにマッピングする)しようとする。
【0049】
各RSVPトンネルごとに、TDPは、パラメータのセット(b,R,d,p,M)を管理する。TDPは、以下の条件がすべて成立する場合に、新しいRSVPセッションをトンネルに受け付ける(図5のステップ225および230)。
【数2】
Figure 0003545988
【0050】
なお、pは、トンネルの入力リンク速度の総和と設定され、Mは、トンネルのMTUと設定されるため、式(12)および(13)で表される条件は常に真になるはずである。
【0051】
トンネル構成
トンネルを確立する前に、TSPとTDPの間でのRSVPセッションについての統計が存在すると仮定する。具体的には、各セッションi=1,...,Nごとに、(b,R,S)が記録される。ただし、bは最大バーストサイズであり、Rは予約される帯域幅であり、Sはスラック項である。このような統計が典型的なトラフィックパターンを表すと仮定した場合に、帯域を効率的に利用するようにトンネルを構成する方法を見つけることが望ましい。Sのうち、S がトンネルによって使用されると仮定する。トラフィックプロファイルに基づくトンネル構成アルゴリズム(Tunnel_Config(b,R,S,N))は次の通りである。
【0052】
1.d=(b+Ctot )/R+Dtot とおく。
2.d+S (i=1,...,N)をキーとして用いて、ベクトル(R,b,d+S )をソートする。
3.n=1,...,Nのそれぞれについて、次式を計算する。
【数3】
Figure 0003545988
4.n=argmin{R1,n0 +R2,n0 }を求める。
5.n=1の場合、d=d+S 、b=Σ 、およびR=(b+Ctot )/(d−Dtot )としてトンネルが構成され、Tunnel_Configは終了する。
6.n>1の場合、
Tunnel_Config((b,...,bn0−1),(R,...,Rn0−1),(S ,...,S n0−1),n−1)、および、
Tunnel_Config((bn0,...,b),(Rn0,...,R),(S n0,...,S ),N−n−1)
を実行する。
【0053】
トンネル構成プロセスは、ステップ1で、dを計算することから開始する。dは、トンネルがセッションiのみに対して作成された場合にこのセッションが受ける遅延である。次に、ステップ2で、d+S をキーとして用いて、ベクトル(R,b,d+S )をソートする。次に、ステップ3で、セッションを2つのグループに分割し、各グループについて帯域幅を計算する。全帯域幅の最も少ない分割を固定し、プロセスは、ステップ4、5、および6で、この分割のそれぞれの部分について再帰的に実行される。さらに分割をしても帯域幅要求がもはや減少しなくなったら、再帰的実行を終了する。
【0054】
トンネルチューニング
RSVPセッションのパス上のトンネルの存在は、送信側および受信側の双方にとってトランスペアレントである。前述のように、TDPは常に、提供可能な最もきつい遅延保証を公示する。その結果、受信側に見えるのは、パス上の最小のDtotの値である。受信側のアプリケーションがより大きな遅延を許容することができる場合、予約メッセージにおいて、スラック項を入れるか、それとも、単により小さい帯域幅を要求するかを決定することは受信側に任される。
【0055】
前述のように、TDPでスラック項S>0が見える場合、TDPは、オプションとして、その一部を使用することができる。他方、S=0である場合、TDPは、最もきつい遅延保証のトンネルにRSVPセッションを入れるしかない。その結果、このトンネルは、他のトンネルよりもずっと急速に満たされる可能性が高い。一般に、トンネルはあらかじめ分割されているため、トンネルが分割される際に基づくパラメータにトラフィックパターンが一致する可能性は少ない。そのような場合、トンネルパラメータを動的に調整してトラフィックパターンに合わせることができる。
【0056】
前掲のGuerin et al., ”Aggregating RSVP−based QoS Requests”の論文に記載されているように、トンネルによって提供される遅延保証は、バーストサイズbおよび帯域幅Rの関数である。なお、セッションが遅延保証を必要とする場合、dよりも小さい遅延保証のすべてのトンネルが満たされているときにのみ、d >dのトンネルjを使用することが必要となる。すなわち、d は、dj,new <dj,old となるように調整されるべきである。これは、既存のトンネルの帯域幅を増大させなければならないか、または、d>dのトンネルで許容されるバーストサイズを減少させなければならないかのいずれかであることを意味する。いずれの場合でも、トンネルパラメータの変更を通知するためにTUNNEL_FLOWSPECがTDPからTSPへ送られる。
【0057】
トンネル帯域幅R を増大させる要求は、利用可能な帯域幅に依存して受け入れられない可能性があるが、バーストサイズb を減少させる要求はそのような可能性はない。従って、バーストサイズを減少させることが、トンネルを動的に調整する好ましい方法である。
【0058】
トンネルが新しい遅延保証dnew を提供するためには、新しい許容バーストサイズは、
new =(dnew −Dtot )×R−Ctot (15)
である。
【0059】
バーストサイズの減少を要求する決定をする前に、TDPはまず、新しいトンネルに対しても受付基準(前述)が成り立つことを確認しなければならない。
【0060】
トンネル調整は、一時的に行うことも可能である。すなわち、小さい遅延要求のセッションが終了した後、トンネルは、TDPからTSPへTUNNEL_FLOWSPECを送ることによって、下のパラメータに戻すことが可能である。
【0061】
動的なトンネル調整は、トンネルパラメータを現在のトラフィックの需要に合わせるように変化させるのに有用であるが、同様の遅延保証を有する複数のトンネルが生じることもある。前述のように、このような場合、これらのトンネルをまとめるほうが帯域効率がよい可能性がある。一般に、トラフィックパターンは、はじめにトンネルを分割するために使用されたものと一致しないことがあるため、利用可能な帯域を効率的に使用するためには、トンネル分割は、時間が経つにつれて変更しなければならないことがある。そこで、トンネルチューニング手続きにより、受け付けられるエンドツーエンドRSVPセッションの一部のトンネル再割当てが起こることがある。
【0062】
トラフィックプロファイルもまた、ベクトル(b,R,S)のセットによって記述され、TDPによって記録される。しかし、前述の例とは異なり、遅延保証値は別の方法で計算される。
【0063】
トンネルは各セッションiごとに遅延値dを公示しているため、遅延d+S を保証しなければならない。ただし、0≦S ≦Sは、トンネルが使用することに決めたスラック値である。トンネルチューニングアルゴリズムは、遅延を計算する方法を除いては、トンネル構成アルゴリズム(前述)と同様である。トンネルチューニングアルゴリズム(Tunnel_Tuning(b,R,S,N))は次の通りである。
1.d=d とおく。
2.d+S (i=1,...,N)をキーとして用いて、ベクトル(R,b,d+S )をソートする。
3.n=1,...,Nのそれぞれについて、次式を計算する。
【数4】
Figure 0003545988
4.n=argmin{R1,n0 +R2,n0 }を求める。
5.n=1の場合、d=d+S 、b=Σ 、およびR=(b+Ctot )/(d−Dtot )としてトンネルが構成され、Tunnel_Tuningは終了する。
6.n>1の場合、
Tunnel_Tuning((b,...,bn0−1),(R,...,Rn0−1),(S ,...,S n0−1),n−1)、および、
Tunnel_Tuning((bn0,...,b),(Rn0,...,R),(S n0,...,S ),N−n−1)
を実行する。
【0064】
プロトコルパフォーマンスに影響を及ぼすもう1つの重要なファクタは、公示されるトンネル遅延値(すべてのトンネルのうちで最小のもの)である。この値が大きすぎる場合、いくつかの受信側では遅延が許容できず、RSVPセッションは失敗することになる。他方、この値が小さすぎて、しかも、受信側はスラック項を与えない場合(または、スラックが、TDPと受信側の間のルータで使い尽くされてしまった場合)、トンネル帯域幅に対する過大な要求になる可能性がある。
【0065】
適当な公示遅延値を見つけるため、TDPは、小さい公示値から開始して、失敗するRSVPセッションが大幅に増大するまで、(この場合も、動的調整よりもずっと長い時間スケールで)次第に公示値を増大させる。
【0066】
上記のことからわかるように、本発明による新規なRSVPベースのトンネルプロトコルは、以下の顕著な特徴を有する。
・TDPは、どのエンドツーエンドセッションがどのトンネルに割り当てられるかについて、トンネルのパラメータと、受信側からのエンドツーエンドRESVメッセージとに基づいて、決定する。
・TDPは、TSPとTDPの間のすべてのトンネルに対する単一の遅延値を公示する。これにより、プロトコルは単純かつスケーラブルになる。
・トラフィックプロファイルに基づいて、TDPは、帯域を効率的に使用するようにトンネルを分割する。
・TDPは、トラフィックダイナミクスに応じてトンネルを調整する。
・TDPは、プロトコルパフォーマンスを改善するために、長い時間スケールでトンネルを調整する。
・CおよびDが、TSPEC内のいくつかのパラメータの未知関数である場合、さまざまなパラメータ値の複数のTSPECメッセージを送信して、関数を補間により推定することができる。
【0067】
最初の特徴により、プロトコルはRSVPの受信側主導性と整合性のあるものとなり、残りの特徴により、プロトコルは、単純で、スケーラブルで、フレキシブルになるとともに、トンネル帯域を効率的に利用することになる。
【0068】
図12に、簡単に、本発明の原理による代表的なTDPの高水準ブロック図を示す。TDPは、蓄積プログラム制御方式のプロセッサアーキテクチャであり、プロセッサ650、メモリ660(プログラム命令およびデータ(例えば、上記の新規なRSVPベースのトンネルプロトコルにより通信するためのものなど)を格納する)、および、パス666で表されるような通信設備に接続するための通信インタフェース665を有する。
【0069】
以上、本発明の実施例について説明したが、当業者であれば、上記の説明に基づいて、本発明の技術的範囲から離れることなく、さまざまな変形例を考えることが可能である。例えば、本発明の概念は、モバイルIPサービスの上でQoS保証を提供するために使用することも可能である。この場合、ホームエージェントから外部エージェントへのIPトンネルが設定され、このようなトンネルは、本発明の原理によるRSVPを使用して、まとめられたトラフィックのQoS要求を通知し、各フローごとのQoS要求が満たされるようにされる。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、トンネルソースポイント(TSP)とトンネルデスティネーションポイント(TDP)の間のパケットトンネルを通じて、RSVPの受信側主導パラダイムと整合性のある方法でエンドツーエンドRSVPセッションを確立する新規なRSVPベースのトンネルプロトコルが実現される。特に、エンドツーエンドRSVPセッションは、受信側指向RSVPタイプのシグナリングを用いて、TDPがトンネルマッピングを決定するようにマッピングされる。このように、この新しいRSVPタイプのプロトコルは、RSVPの受信側主導性と整合性があるため、既存のRSVPプロトコルを変更する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のエンドツーエンドRSVPメッセージトランザクションの一部を示す図である。
【図2】従来技術のエンドツーエンドRSVPメッセージトランザクションの一部を示す図である。
【図3】本発明の原理によるネットワークを示す図である。
【図4】本発明の原理によるエンドツーエンドRSVPベースのメッセージトランザクションの一部を示す図である。
【図5】本発明の原理による例示的な流れ図である。
【図6】TSPECを含むRSVP PATHメッセージフォーマットの図である。
【図7】保証付きサービスのRSVP ADSPECオブジェクトを示す図である。
【図8】保証付きサービスのRSVP ADSPECオブジェクトを示す図である。
【図9】SESSIONオブジェクトおよびFLOWSPECオブジェクトを含むRSVP RESVメッセージフォーマットの図である。
【図10】本発明の原理による例示的なTUNNEL_BINDINGオブジェクトを示す図である。
【図11】トンネルメッセージトランザクションの一部を示す図である。
【図12】トンネルデスティネーションポイントの例示的な高水準ブロック図である。
【符号の説明】
10 ネットワーク
15 インターネットサービスプロバイダ(ISP)
25 ISP
50 インターネット
60 RSVPトンネル
650 プロセッサ
660 メモリ
665 通信インタフェース
666 パス

Claims (14)

  1. トンネルデスティネーションポイントとして作用するパケットサーバにおいて使用される通信方法において、
    1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージを受信するステップと、
    前記1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージで運ばれた情報を用いて、エンドツーエンドRSVPセッションをトンネルにマッピングするステップとを有する通信方法。
  2. カプセル化された1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージをトンネルソースポイントへ送るステップをさらに有し、
    前記カプセル化された1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージは、前記トンネルおよび前記マッピングされるエンドツーエンドRSVPセッションについてのマッピング情報を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記マッピング情報は、前記カプセル化された1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージに添付されたTUNNEL_BINDINGオブジェクトにより送信される請求項に記載の方法。
  4. 前記マッピングするステップは、前記受信した1つまたは複数のエンドツーエンドRSVP RESVメッセージから抽出されるスラック時間値、最小トンネル遅延値との関数として、前記エンドツーエンドRSVPセッションを前記トンネルに割り当てる請求項1に記載の方法。
  5. 前記受信するステップの前に、受信側へ送信されるADSPECオブジェクトで単一の遅延値を公示するステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
  6. バーストサイズのような少なくとも1つのトンネルパラメータを調整することによって、確立されたトンネルをチューニングするステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
  7. 確立されたトンネルを再構成し、必要であれば、エンドツーエンドRSVPセッションを再割当てすることによって、前記確立されたトンネルをチューニングするステップをさらに有する請求項1に記載の方法。
  8. トンネルデスティネーションポイントとして作用する通信装置において、
    (a)1つまたは複数のRSVP RESVメッセージを受信し、かつ、(b)前記1つまたは複数のRSVP RESVメッセージで運ばれた情報を用いて、エンドツーエンドRSVPセッションをトンネルにマッピングするパケットサーバを有する通信装置。
  9. 前記パケットサーバは、カプセル化された1つまたは複数のRSVP RESVメッセージをトンネルソースポイントへ送り、
    前記カプセル化された1つまたは複数のRSVP RESVメッセージは、前記トンネルおよび前記マッピングされるエンドツーエンドRSVPセッションについてのマッピング情報を含む請求項に記載の装置。
  10. 前記マッピング情報は、前記カプセル化された1つまたは複数のRSVP RESVメッセージに添付されたTUNNEL_BINDINGオブジェクトにより送信される請求項に記載の装置。
  11. 前記パケットサーバは、前記受信した1つまたは複数のRSVP RESVメッセージから抽出されるスラック時間値、最小トンネル遅延値との関数として、前記エンドツーエンドRSVPセッションを前記トンネルにマッピングする請求項に記載の装置。
  12. 前記パケットサーバは、前記1つまたは複数のRSVP RESVメッセージを受信する前に、受信側へ送信されるADSPECオブジェクトで単一の遅延値を公示する請求項に記載の装置。
  13. 前記パケットサーバは、バーストサイズのような少なくとも1つのトンネルパラメータを調整することによって、確立されたトンネルをチューニングする請求項に記載の装置。
  14. 前記パケットサーバは、確立されたトンネルを再構成し、必要であれば、エンドツーエンドRSVPセッションを再割当てすることによって、前記確立されたトンネルをチューニングする請求項に記載の装置。
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