JP3545928B2 - マグネシウムイオン濃度測定装置 - Google Patents

マグネシウムイオン濃度測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は河川水,湖沼水,地下水,水道水もしくは清涼飲料水中のマグネシウムイオン濃度または医薬品等に含まれるマグネシウムイオン組成を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境中のマグネシウムイオン濃度は通常、人の健康を害しない範囲にあるために我が国ではマグネシウムイオン単独での濃度に関する水質基準値は設けられていない。しかしマグネシウムイオン濃度が極端に高濃度になると下痢等を引き起こす。このために諸外国ではマグネシウムイオン濃度に関する水質基準値が存在し、EC,フランス,ドイツでは最大許容濃度を50 mg/L と定めている。我が国では通常、自然水の硬度が低いため、監視基準値が設けられていないが、水質に関してより詳細な情報を得る際にはマグネシウムイオン濃度も重要な項目の1つとなる。
【0003】
従来、水溶液中のマグネシウムイオン濃度の測定手段としては、誘導結合プラズマ(ICP )発光分光分析法および原子吸光光度法が代表的な測定手段であった。これらの方法は高感度な測定が可能であり、実験室系での分析や測定に用いられてきた。
またEDTA(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)を用いるキレート滴定法によっても測定が可能である。この方法においては滴定の終点を金属指示薬エリオクロムブラックTの青色呈色によって判断する方法が一般的である。
【0004】
以上の他に発色試薬としてチタンイエローを用いる比色分析法が知られており、操作が簡便であることから現場での簡易測定に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
マグネシウムイオン濃度測定に関しては、上述のような背景から簡便な自動測定方法に対するニーズが高いが、従来の測定法には次のような問題があった。
(1) ICP 発光分光分析法および原子吸光光度法は、高感度,高精度な測定を実現しているがマグネシウムイオン濃度測定専用としては機能が過剰である。従って装置が高価で汎用性に欠け、簡便な自動連続測定に適さない。
(2) キレート滴定法は、複雑な前処理や手作業による滴定が必要であるため、自動連続測定の実現が困難である。
(3) チタンイエローを用いる比色法は測定原理が単純であるために自動測定装置の構成も可能であるが、発色が経時的に不安定であることや、測定が他種イオンによって干渉を受けるために高感度化,高精度化が難しい。
【0006】
一方、近年の研究によれば、ポルフィリン−金属イオン錯体を形成し、その蛍光を検出することにより金属イオン濃度の測定が可能であることが示された。金属イオンとポルフィリンの組合せについて多くのパターンが検討され、マグネシウムイオンの検出に関しても既にppb レベルの高感度測定が可能であることが報告されている。また試料液中に複数種の金属イオンが存在する場合には、ポルフィリンへの競合配位や配位後の消光作用によって蛍光光量が干渉を受け、特定の金属イオン濃度の定量に対して誤差を生じさせる場合があることも知られている。このために目的の金属イオンだけを選択的に検出するには、溶媒抽出などの前処理が必要となっており、測定自動化の障害となっていた。
【0007】
この発明は上述の点に鑑みてなされその目的は、ポルフィリン−金属錯体を形成する際の干渉を排除して、高感度,高精度で自動連続測定が可能なマグネシウムイオン濃度測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は第一の発明によれば、試料液中のマグネシウムイオン濃度の測定装置において、試料液にpH緩衝液を添加する第一の試薬混合部と、pH緩衝液添加によって生じる析出物の分離部と、前記分離部を通過した試料液にポルフィリン溶液を添加する第二の試薬混合部と、ポルフィリンと試料液中のマグネシウムイオンを反応させて錯体を形成する加熱反応部と、試料液に特定波長の励起光を照射してポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光光量を光電変換手段を用いて電気信号に変換する蛍光検出部と、前記錯体形成前後の蛍光光量の変化から試料液中のマグネシウムイオン濃度を所定の検量線を用いて算出する演算処理部を備えることにより達成される。
【0009】
第二の発明によれば第一の発明においてポルフィリンがα, β, γ, δ−テトラ(4−N−メチルピリジル)ポルフィン(TMPyP )、α, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)またはα, β, γ, δ−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)であることが有効である。
第三の発明によれば第一の発明においてポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光を分光することが有効である。
【0010】
第四の発明によれば第一の発明においてマグネシウムイオン濃度をx、蛍光光量をf( x) 、a,b,cをそれぞれ定数としたときに測定に用いる検量線が式(1)で近似することが有効である。
【0011】
【数2】
x=a× exp{b×f(x)}+c (1)
試料液にポルフィリンとpH緩衝液を添加し、ポルフィリン−マグネシウムイオン錯体を形成させる。試料液に励起光を照射すると、液中のポルフィリン−マグネシウムイオン錯体が蛍光を発する。この蛍光光量を光電変換手段を用いて電気信号に変換して検出する。検出した電気信号は演算処理部で解析し、錯体形成前後における蛍光の光量変化から試料液中のマグネシウムイオン濃度が算出される。
【0012】
共存する他種金属イオンの干渉を抑制するために反応液のpH調整や、緩衝液に含まれるイオンの作用を用いて、マグネシウムイオン濃度測定に干渉する他種金属イオンを析出、沈降させて反応系から除外する。また錯体に照射する励起光波長と蛍光測定波長をマグネシウムイオン錯体に適した値に選定すると共存する他種金属イオン等の挟雑物による光吸収や蛍光の影響が低減される。
【0013】
α, β, γ, δ−テトラ(4−N−メチルピリジル)ポルフィン(TMPyP )、α, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)またはα, β, γ, δ−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)は水溶性のポルフィリンであるので、水溶液中のマグネシウムイオンと反応してポルフィリン−マグネシウムイオン錯体を形成する。
【0014】
ポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光が分光されると分光スペクトルデータの解析によってポルフィリンの発する蛍光の錯体蛍光に対する干渉が除去される。
【0015】
【発明の実施の形態】
第二の試薬混合部で添加されるポルフィリンとしては、水溶性のポルフィリンであるポルフィンが用いられる。例えばα, β, γ, δ−テトラ(4−N−メチルピリジル)ポルフィン(TMPyP )、α, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)またはα, β, γ, δ−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)等が挙げられる。
【0016】
ポルフィリンがα, β, γ, δ−テトラ(4−N−メチルピリジル)ポルフィン(TMPyP )であるときは、第一の試薬混合部で添加されるpH緩衝液のpHは9ないし10、加熱反応部の温度は85℃ないし100℃で且つ反応時間は5分ないし30分、蛍光検出部において試料液に照射する励起光波長は445nmないし455nmを含む範囲で選定されポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する蛍光の測定波長は635nmないし645nmを含む範囲に選定される。
【0017】
ポルフィリンがα, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)であるときは、pH緩衝液のpHは9ないし10、加熱反応部の温度は85℃ないし100℃で且つ反応時間は5分ないし60分、試料液に照射する励起光波長は430nmないし435nmを含む範囲に選定されポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する蛍光の測定波長は615nmないし625nmを含む範囲に選定される。
【0018】
ポルフィリンがα, β, γ, δ−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)であるときは、pH緩衝液のpHは9ないし10、加熱反応部の温度は85℃ないし100℃で且つ反応時間は5分ないし120分、試料液に照射する励起光波長は430nmないし435nmを含む範囲に選定されポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する蛍光の測定波長は615nmないし625nmを含む範囲に選定される。
【0019】
【実施例】
図1はこの発明の実施例に係るマグネシウムイオン濃度測定装置を示す構成図である。
ポルフィリンは水溶性ポルフィリンであるα, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)を用いる。先ず測定フローと信号検出方法を説明する。
【0020】
マグネシウムイオンを含む試料液1をポンプ2を用いて測定対象となる液中から採取し、懸濁物質除去のために中空糸フィルタ3を通過させた後、第一の試薬混合部4に送る。続いてこの試料液をポンプ5を用いて送液し、ポンプ6によって送液される炭酸緩衝液14と混合する。pH値は25℃で10. 01である。緩衝液中の炭酸イオン(CO 2− )の濃度は0. 05mol/L である。純水11、マグネシウムイオン濃度20mg/Lの標準液12、およびマグネシウムイオン濃度50mg/Lの標準液13は装置の自動較正に用いる。
【0021】
分離部7では、試料液のpH調整や、緩衝液に含まれるイオンの作用により、マグネシウムイオン濃度測定に干渉する他種金属イオンを析出、沈降させ、フィルタ8でろ過して反応系から共存する他種金属イオンを除く。マグネシウムイオン濃度測定に干渉する金属イオンとしては、マンガンイオン,銅イオン,亜鉛イオン,銀イオン,カドミウムイオン,鉛イオン,クロムイオン,鉄イオン,コバルトイオン,ニッケルイオン,スズイオン等が挙げられる。これらの金属イオンがマグネシウムイオン濃度測定を干渉するのは、少なくともマグネシウムイオンに対して数倍以上のモル濃度が系中に存在する場合である。上記の反応系では、マンガンイオン,銅イオン,亜鉛イオン,カドミウムイオン,鉛イオン,クロムイオン,鉄イオン,コバルトイオン,ニッケルイオンは水酸化物としての溶解度が小さいため、また銀イオンは炭酸塩としての溶解度が小さいため、特殊な場合を除いてマグネシウムイオンより低濃度になる。前述の特殊な場合とは、純水などマグネシウムイオン濃度が低い溶液に、干渉作用のある金属イオンを添加する場合である。通常は干渉作用のある金属イオンは析出、沈降し、マグネシウムイオン濃度測定に干渉しなくなる。
【0022】
ろ過後の試料液は第二の試薬混合部9に送り、ポンプ10によって送液する一定濃度に調製されたTSPP溶液15と混合させる。
次に試料液を加熱反応部20に送り、反応容器21中に一定時間(40分)保つ。この間に液中のTSPPとマグネシウムイオンがモル比1 :1 の錯体形成反応を起こす。反応容器は反応促進のためにヒーター22によって一定温度(90℃)に加熱される。滞在時間は電磁弁23、24により送液を止めることで調節する。同時に電磁弁23、24は試料液端面のTSPP−マグネシウム錯体の拡散を防ぎ蛍光信号の鈍りを防止する。滞在時間を反応容器21の容積とポンプ5、6、10の送液量によって調節すれば反応容器前後の電磁弁23、24が省略できる利点があるが、反応容器の大型化や消費液量の増加につながるため、用途に応じて装置構成が選択される。
【0023】
蛍光検出部25のフローセル26に送ったTSPP−マグネシウムイオン錯体に中心波長430nmの励起光を照射すると、中心波長620nmの蛍光を発する。励起光源27としては、熱の発生が少なく長寿命な青色発光ダイオードが優れているが、タングステンランプなどの白色光源を用いてもよい。光源が発した光は励起光側レンズ28によって集光し、430nmに透過のピークを持つ励起光側干渉フィルタ29によって最適波長のみを選択透過させる。試料液が発する蛍光は蛍光側レンズ30によって集光し、620nmに透過のピークを持つ蛍光側干渉フィルタ31によって目的とする波長のみを選択透過させる。これらの波長限定によって挟雑物質による光吸収や蛍光の影響が低減される。
【0024】
蛍光側干渉フィルタ31を透過した光は光電変換器32によって電気信号に変換され演算処理部33に送られる。演算処理部としてパソコンが使用される。測定後の試料液は廃液34となる。
図2はこの発明の実施例に係る錯体蛍光光量とマグネシウムイオン濃度の検量関係を示す線図である。
【0025】
図3はこの発明の実施例に係るマグネシウムイオン濃度と錯体蛍光光量の検量関係を示す線図である。
次にマグネシウムイオン濃度の定量方法を説明する。マグネシウムイオン濃度CMgと蛍光光量f( CMg) は、ほぼ関数Fの関係で表される。マグネシウムイオン濃度CMgと蛍光光量f( CMg) が直線関係にならないのは、マグネシウムイオン濃度が上昇し、蛍光物質であるTSPP−マグネシウムイオン錯体の濃度が高くなると、濃度消光の影響が出て蛍光光量の増加の割合が低下するためである。濃度消光の影響は、試料液フローに対する蛍光観察視野の広さよって異なるが、試料液フローを細くして、フロー全体の蛍光を観察するよう光学系を設定した場合には、CMgとf( CMg) の関係は式(2)で表される。
【0026】
【数3】
Figure 0003545928
【0027】
となる。式(2)中でεは蛍光物質であるTSPP−マグネシウムイオン錯体の吸光係数、lは励起光軸方向の試料液フローの光路長である。
実際の装置においては、試料液の蛍光光量f( x) が得られ、Fの逆関数F−1を解くことで、試料液中のマグネシウムイオン濃度xが算出される。式(2)の逆関数(対数関数を含む)を導き、測定に用いても良いが、式(2)は対数関数で近似できる場合がある。このときは、式(2)の逆関数を求めなくてもFの逆関数F−1は式(1)の指数関数で近似される。
【0028】
【数4】
x=a× exp{b×f( x) }+c…(1)
ここでa、b、cは実測値から算出される定数である。
装置は以下のようにして自動較正される。装置内部にマグネシウムイオン濃度既知の標準液を内蔵し、定期的にこの標準液を自動測定する。これら標準液の測定結果に基づいて演算処理部で演算を行い、定数a、b、cを更新して装置を較正する。例えば1日1回、純水11、マグネシウムイオン濃度20mg/Lの標準液12、およびマグネシウムイオン濃度50mg/Lの標準液13を用いて蛍光光量f( 0) 、f( 20) およびf( 50) を測定する。これらの測定結果を式(3)にそれぞれ代入し、3連の連立方程式を解いて定数a、b、cを更新する。
【0029】
蛍光側干渉フィルタに替えて励起光をカットする(例えば500nm以上の光のみを透過させる)シャープカットフィルタを用い、光電変換器として分光用楔形干渉フィルタ付フォトダイオードアレイを用いる方式も可能である。単一のフォトダイオードを用いる方式は、信号処理が単純な点で優れている。フォトダイオードアレイを用いる分光方式は、信号処理は複雑になるが、スペクトルデータを利用してより高度な演算処理が可能な点で優れている。
【0030】
図4はポルフィリンTSPPとマグネシウムイオンの反応系につきその蛍光スペクトルを示す線図である。
I(太実線)はフォトダイオードアレイから得られる蛍光の電気信号出力、II(細実線)はIに対するTSPP−マグネシウムイオン錯体の蛍光の寄与分、III (破線)はIに対するTSPP単体の蛍光の寄与分である。この反応系では錯体を形成していない単独のTSPPが発する蛍光が中心波長640nmにあり、TSPP−マグネシウムイオン錯体が発する蛍光のうち610nm〜630nmの波長範囲の蛍光を単一のフォトダイオードで一括検出すると、斜線で示した面積Sに相当するTSPP単体の蛍光が錯体の蛍光光量に干渉する。
【0031】
これに対しフォトダイオードアレイ方式では、次の方法で干渉分を補正する。予めマグネシウムイオン濃度0の標準液測定時の640nmでの蛍光光量Iと、この時の干渉面積Sを求めておく。マグネシウムイオン濃度未知の試料液を測定する際には640nmでの蛍光光量Iから610nm〜630nmへの干渉分Sが式(3)で与えられる。
【0032】
【数5】
=S×(I/I)… (3)
これを610nm〜630nmの波長範囲の蛍光光量の積分値から差し引くことによりTSPP−マグネシウムイオン錯体の寄与分のみを検出することができる。このようにして0. 5mg/Lの検出感度が達成され、50mg/LのMg標準液測定時にはC.V.値が3%程度の測定精度を実現することができる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば試料液中のマグネシウムイオン濃度の測定装置において、試料液にpH緩衝液を添加する第一の試薬混合部と、pH緩衝液添加によって生じる析出物の分離部と、前記分離部を通過した試料液にポルフィリン溶液を添加する第二の試薬混合部と、ポルフィリンと試料液中のマグネシウムイオンを反応させて錯体を形成する加熱反応部と、試料液に特定波長の励起光を照射してポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光光量を光電変換手段を用いて電気信号に変換する蛍光検出部と、前記錯体形成前後の蛍光光量の変化から試料液中のマグネシウムイオン濃度を所定の検量線を用いて算出する演算処理部を備えるので、第一の試薬混合部におけるpH調整および緩衝液中のイオンの作用により異種金属イオンの析出、沈降が起こり、分離部で異種金属イオンを反応系から除外して異種金属イオンの錯体形成への干渉を防止することができる。また蛍光検出部において錯体の励起または蛍光検出に用いる光の波長をマグネシウムイオン錯体に適した波長に選定して挟雑物質による光吸収や蛍光の影響を低減することができる。
【0034】
他の発明によればポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光を分光するので、ポルフィリンの発する蛍光のマグネシウムイオン錯体の蛍光に対する干渉が除去されマグネシウムイオン濃度測定の精度が向上する。
さらに他の発明によればマグネシウムイオン濃度をx、蛍光光量変化をf( x) 、a,b,cをそれぞれ定数としたときに測定に用いる検量線を式(1)で近似するので、自動較正によりa,b,cを決定して高精度のマグネシウムイオン濃度測定を行うことができる。
【0035】
このようにしてポルフィリン−マグネシウムイオン錯体形成における干渉を排除して高感度,高精度で自動連続測定が可能なマグネシウムイオン濃度測定装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るマグネシウムイオン濃度測定装置を示す構成図
【図2】この発明の実施例に係る錯体蛍光光量とマグネシウムイオン濃度の検量関係を示す線図
【図3】この発明の実施例に係るマグネシウムイオン濃度と錯体蛍光光量の検量関係を示す線図
【図4】ポルフィリンTSPPとマグネシウムイオンの反応系につきその蛍光スペクトルを示す線図
【符号の説明】
1 試料液
2 ポンプ
3 中空糸フィルタ
4 第一の試薬混合部
5 ポンプ
6 ポンプ
7 分離部
8 フィルタ
9 第二の試薬混合部
10 ポンプ
11 純水
12 標準液
13 標準液
14 炭酸緩衝液
15 TSPP溶液
16 電磁弁
17 電磁弁
18 電磁弁
19 電磁弁
20 加熱反応部
21 反応容器
22 ヒーター
23 電磁弁
24 電磁弁
25 蛍光検出部
26 フローセル
27 励起光源
28 励起光側レンズ
29 励起光側干渉フィルタ
30 蛍光側レンズ
31 蛍光側干渉フィルタ
32 光電変換器
33 演算処理部
34 廃液

Claims (4)

  1. 試料液中のマグネシウムイオン濃度の測定装置において、試料液にpH緩衝液を添加する第一の試薬混合部と、pH緩衝液添加によって生じる析出物の分離部と、前記分離部を通過した試料液にポルフィリン溶液を添加する第二の試薬混合部と、ポルフィリンと試料液中のマグネシウムイオンを反応させて錯体を形成する加熱反応部と、試料液に特定波長の励起光を照射してポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光光量を光電変換手段を用いて電気信号に変換する蛍光検出部と、前記錯体形成前後の蛍光光量の変化から試料液中のマグネシウムイオン濃度を所定の検量線を用いて算出する演算処理部を備えることを特徴とするマグネシウムイオン濃度測定装置。
  2. ポルフィリンがα, β, γ, δ−テトラ(4−N−メチルピリジル)ポルフィン(TMPyP )、α, β, γ, δ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィン(TSPP)またはα, β, γ, δ−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)である請求項1に記載のマグネシウムイオン濃度測定装置。
  3. ポルフィリンとマグネシウムイオンの錯体が発する所定波長範囲の蛍光を分光する請求項1に記載のマグネシウムイオン濃度測定装置。
  4. マグネシウムイオン濃度をx、蛍光光量をf( x) 、a,b,cをそれぞれ定数としたときに測定に用いる検量線が式(1)で近似する請求項1に記載のマグネシウムイオン濃度測定装置。
    Figure 0003545928
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