JP3545235B2 - 監視制御装置及び監視制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視制御装置及び監視制御方法に関する。
本発明は、有線伝送装置、無線通信装置、交換機等における通信状態のパフォーマンスやこれら装置の故障状態等を監視する必要のあるネットワーク機器における監視・制御系に適用できる。
【0002】
また、本発明は、これに限らず、一般的に、コンピュータ(特にサーバー)、NC装置、FA装置、重電機器等における高い信頼性を確保するために、パフォーマンス、エラー状況、装置故障状況等を監視する必要のある、あらゆる機械の監視・制御系に適用できる。
【0003】
【従来の技術】
通信業界では、通信装置にパフォーマンス・モニタ機能を有することの要求が高まっている。このパフォーマンス・モニタ機能とは、装置内で計数されたパフォーマンス上のエラー、又は、通信品質に関する情報を、ソフトウェアで定期的に読みに行くようプログラムしておき、情報を定期的に自動収集し、その結果によって、必要な対策が施せるようにしたものである。必要な対策とは、例えば、エラーの種類、個数に応じて、メジャーからマイナーまでの段階を付け、ネットワーク・マネジメント・システムを通じて、ネットワークを監視するオペレータに自動通知すること等である。
【0004】
図1に、このような監視対象の例を示す。1〜4及び6〜9には、通信を行う回線に対応したカード(機能ブロック、例えば、PCB(printed circuit board)、あるいは、LSI等で構成される。)が挿入されている。例えば、OC−12(Optical Carrier−level 12)カード(OC−12 Card)1は、OC−12に対応したカードが挿入されている。回線からの600Mbps のOC−12の信号を受信して、STS−3(Synchronous Transport Signal level3)の信号に変換し、スイッチ(Switch、クロスコネクト機能を有する。)5に出力する。スイッチ5は、信号の分岐・挿入動作を行う。スイッチ5からのSTS−3の信号は、OC−12カード6から、OC−12信号として、光回線に出力する
なお、2、3、7、8には、DS(ディジタル・サブスクライバ)3に対応したカードが挿入され、44.736MHZ のDS3、34MHZ のE3(欧州系の3次群)の伝送等に対応している。また、4、9には、DS1に対応したカードが挿入され、1.5MHZ のDS1及び2MHZ のE1(欧州系の1次群)の伝送等に対応している。カード2〜4は、伝送回線に接続され、カード7〜9は、交換機に接続される。
【0005】
図1の伝送装置において、各カード1〜4、6〜9は、それぞれ異なる周波数且つそれぞれ異なる同期系の信号を扱っている。また各カードのエラー等の監視のために、監視制御装置19が設けられている。この監視制御装置19は、通信装置と一体化しており、監視制御装置19は、監視対象毎に誤りを計数する計数系11、データ及びプログラムを格納するメモリ(Memory)12、監視系CPU(Central Processing Unit :中央処理装置)13及び周辺回路14で構成されている。監視制御装置19の周波数及び同期系は、各カード1〜4、6〜9と異なる周波数及び同期系である。従来のものは、これらの間の同期を取ることなく監視を行っている。
【0006】
図1のような伝送装置における、従来の監視装置の主要部を、図2を用いて説明する。各カード1〜4、6〜9を監視し、そのエラーを検出するエラー検出器21−1〜21−iにより検出し、そのエラー検出器21−1〜21−iの出力(Err1〜Erri)をエラー計数系22−1〜22−iで計数する。エラー計数系22−1〜22−iの出力(data1〜i)は、セレクタ26に印加する。エラー計数系22−1〜22−iの出力は、アドレスデコーダ(address decoder)25の出力により、アドレスに対応したデータ(data)が選択され、データバス(data bus)に出力される。このデータバスは、監視系CPU7に接続されている。監視系CPUは、アドレスを用いて、所望の監視対象のエラー信号を得ることができる。
【0007】
従来のものでは、エラー検出器21−1、エラー計数器系22−1のクロック(CLK1)とエラー検出器21−i、エラー計数器系22−iのクロック(CLKi)とは、独立しており、更にこれらのクロックは、監視系のクロックに対しても独立している。
図3は、図2の回路のタイムチャートである。図3のタイムチャートの信号は、上部から下部に、監視対象を指定するアドレス(data1〜iの一つを選択して、データバスに出力する)、エラー1検出器21−1とエラー1計数器系22−1のクロック(CLK1)、エラー1検出器21−1の出力(Err1)、エラー1計数系22−1の出力(data1)、エラーi検出器21−iとエラーi計数器系22−iのクロック(CLKi)、エラーi検出器21−iの出力(Erri)、エラーi計数系22−iの出力(datai)及び読みとり許可を示すXACK信号が示されている。
【0008】
CLK1、CLKi及び監視系CPUのクロックは、独立に動作し、非同期で、パルスの立ち上がり又は立ち下がりが行われている。その結果、次の「発明が解決しようとする課題」の項で説明する課題が存在する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
監視系で用いられるCPUのアクセス方式は、元来非同期であるため、非同期なインターフェースに合わせて、パフォーマンス・エラー通知をしていた。例えば、カウンタ計数値をそのままのタイミングか、せいぜいそれを単純にリタイミングしたものをデーターバスにセレクトさせておき、CPUは固有の読み取りタイミング(図3に示すように、ターゲットが出す非同期なACKの立ち上がりをラッチする等の方式)で値を読み取っていたので、不安定なデータを読みとる場合があった。また、この不安定性のためエラー計数器の動作周波数を上げるのに限界があるので粗い計測に甘んじていなければならなかった。
【0010】
また、パフォーマンスを監視している系では、一般に、非同期的に様々なエラーが発生するので、エラーの種類によって異なる周波数のクロックで動作するカウンタでエラーを計数していた。例えば通信装置の場合、STS−3(Synchronous Transport Signal level 3)、EC1、DS(ディジタル・サブスクライバ)3、DS1、E3、E1、ATM(Asynchronous Transfer Mode)等と様々な周波数(それぞれ、19.44MHz、51.84MHz、44.736MHz、1.5MHz、34.368MHz、2MHz等)のフレームフォーマットの信号を監視するので、エラー検出回路に合わせて、必然的にカウンタの周波数も変える必要がある。そのため、同一システム内で複数の通信フォーマットを取り扱う際は、システム内に異なる周波数のエラー計数カウンタが混在していた。
【0011】
従って、このような監視系では必然的に非同期系になり、CPUとのインターフェースも必然的に非同期的にならざるを得なかった。
つまり、従来の技術は、CPUとの非同期的なアクセス方式又はエラー検出系の相互の非同期性のために、エラー計数系とCPUとの関係が非同期となっており、その結果、監視対象のアドレスの指定が始まってからCPUにデータを通知するまでに検出したパフォーマンスエラーの情報が曖昧になるという問題があった。
【0012】
また、監視系CPUがエラー数に関するデータを読みとろうとしたとき、不安定なデータを読み込むという問題があった。
更に、この不安定さを少しでも回避するために、エラー計数器の動作周波数を上げようとしても限界があり、計測精度が良くならないという問題があった。
また、頻度の多いエラーやパフォーマンス通知の場合、CPUの短いアクセス時間における不正確さも無視出来なくなり、どの時点からどの時点までのパフォーマンスを通知しているのかが、はっきりしないという問題があった。
【0013】
更に、計測対象を広げると、回路規模が増大し、例外的な条件の処理ができなくなるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、CPUインターフェイスの安定性を常に確保し、観測精度(計数器の動作周波数)を物理的限界にまで引き上げることを目的とするものである。
【0014】
また、計測における暖昧さを除去し、瞬間、瞬間の正確なパフォーマンスを通知できることを目的とするものである。
更に、計測対象を広げても、回路規模又はアドレス空間が大きくならず、かつ、例外条件に適合できる監視制御装置及び監視制御方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、CPU(例えば、図1におけるCPU13)と計数装置(例えば、図8におけるメインカウンタ15、サブカウンタ16等)を有し、複数の監視対象(例えば、図1におけるカード1〜4、6〜9)から検出されたエラー信号を計数して監視を行う監視制御装置(例えば、図1における監視制御装置19)において、前記監視制御装置で用いる制御信号の全部又は一部の信号及び前記エラー信号を、前記監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置(例えば、図4における同期信号変換器10)を有することを特徴とする。
【0016】
請求項記載1の発明によれば、監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置を有し、同期パルス変換装置は、監視制御装置で用いる制御信号の全部又は一部の信号及びエラー信号を監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置を有することにより、観測精度を物理的限界にまで引き上げることができ、計測における暖昧さを除去し、瞬間、瞬間の正確なパフォーマンスを通知でき、回路規模を小さくすることができる。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の監視制御装置において、前記監視制御装置は、監視対象毎にアドレスを割り振り(アドレスは、監視系CPUが割り振る)、該アドレスに基づいて、前記監視対象毎にエラー信号を収集する(例えば、ポーリング又はセレクティング等により)ことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、監視対象毎にアドレスを割り振り、このアドレスに基づいて、監視対象毎にエラー信号を収集することにより、監視対象から的確に、エラー信号を獲得することができる。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2記載の監視制御装置において、前記計数装置は、メイン計数装置及びサブ計数装置から構成され、前記サブ計数装置は、前記メイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、サブ計数装置を設け、このサブ計数装置は、メイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことにより、正確な計数を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載された発明は、請求項3記載の監視制御装置において、前記サブ計数装置は、前記メイン計数装置の計数値の転送開始から、転送終了するまでの期間、監視対象からのエラー信号を計数し、前記メイン計数装置の転送終了時に、その時点の計数値を前記メイン計数装置にロードすることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、メイン計数装置の計数値の転送開始から、転送終了するまでの期間のメイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことにより、正確な計数を行うことができる。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項3又は4記載の監視制御装置において、複数の前記メイン計数装置の出力の一つを選択するメイン計数装置選択装置を複数の前記メイン計数装置の出力側に設け、該メイン計数装置選択装置は、前記CPUから供給されたアドレス信号に基づいて、複数のメイン計数装置の出力の一つを選択して出力することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、複数のメイン計数装置の出力の一つを選択するメイン計数装置選択装置を複数のメイン計数装置の出力側に設けたことにより、複数のメイン計数装置に対して、ラッチレジスタの数を一つで済ませることができる。
請求項6に記載された発明は、請求項3ないし5いずれか一項記載の監視制御装置において、複数の監視対象からのエラー信号の一つを選択するエラー信号選択装置を前記サブ計数装置の入力側に設け、該エラー信号選択装置は、前記CPUから供給されたアドレス信号に基づいて、複数のエラー信号の一つを選択して出力することを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、複数の監視対象からのエラー信号の一つを選択するエラー信号選択装置をサブ計数装置の入力側に設けたことにより、複数のエラー信号に対して、サブカウンタの数を一つで済ませることができる。
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6記載の監視制御装置において、前記メイン計数装置及びエラー信号選択装置の選択は、請求項2記載のアドレスに基づいて行うことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、監視対象からのエラー信号を、アドレスを指定することで、簡便に、的確に、エラー信号を獲得することができる。
請求項8に記載された発明は、請求項2、5、6又は7記載の監視制御装置において、該監視制御装置(エラー信号を計数する部分の監視制御装置。監視装置の共通部分は複数設ける必要はない。)を複数を設け、該監視制御装置の選択は、監視制御装置選択信号により選択し(チップセレクトのように選択を行う)、請求項2、5、6又は7記載における選択は、下位ビットのアドレスに基づいて行うことを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、監視制御装置選択信号を用いることにより、アドレスが下位ビットだけで済むので、回路構成を小さくすることができる。
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし8いずれか一項記載の監視制御装置において、さらに、ラッチレジスタを有し、該ラッチレジスタは、前記計数装置の計数値を転送開始信号に基づいてラッチし、そのラッチしたデータを前記CPUへ出力することを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項記載の監視制御装置。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、ラッチレジスタを有し、ラッチしたデータをCPUへ出力することにより、安定したデータをCPUに送信することができる。請求項10に記載された発明(図6に記載された発明)は、CPUと計数装置(例えば、図6における31)を有し、複数の監視対象から検出されたエラー信号(例えば、図6におけるErr_i)を計数して監視を行う監視制御装置におけるラッチレジスタ(例えば、図6の32)及びパルス発生器(例えば、図6における34)を有し、前記ラッチレジスタは、前記計数装置の計数値を転送開始信号に基づいてラッチし、そのラッチしたデータを前記CPUへ出力し、前記パルス発生器は、転送開始信号の立ち上がり又は立ち下がり信号を受けてパルスを発生し、該パルス発生器の出力により、前記計数装置の値をクリアすることを特徴とする監視制御装置である。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、ラッチレジスタ及びパルス発生器を有し、ラッチレジスタは、計数装置の計数値を転送開始信号に基づいてラッチし、そのラッチしたデータをCPUへ出力し、パルス発生器は、転送開始信号の立ち上がり又は立ち下がり信号を受けてパルスを発生し、パルス発生器の出力により、計数装置の値をクリアすることにより、1、2クロック分の計数できない期間が生じるが、それ以外は、正確なカウントを行うことができる。さらに、図4の発明における同期信号変換器10を省き非同期なエラーパルスErr_iのままでも、このような高い精度の監視ができるという利点を持つ。また、不要な回路を無くし、回路規模を小さくすることができる。
【0027】
請求項11に記載された発明は、請求項10記載の監視制御装置において、 複数の転送開始信号の立ち上がり信号の一つを選択する転送開始信号選択装置(例えば、図6におけるセレクタ36)を前記パルス発生器の入力側に設け、該転送開始信号選択装置は、入力されたアドレス信号に基づいて、複数の転送開始信号の立ち上がり信号の一つを選択して出力することを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明によれば、転送開始信号選択装置をパルス発生器の入力側に設けたことにより、一つのパルス発生器で済ますことができる。
請求項12に記載された発明は、請求項9記載の監視制御装置において、前記計数装置と前記ラッチレジスタの間に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置(例えば、図11におけるセレクタ55)を設け、同一の監視対象から、エラー信号を複数回連続して受信した場合、前記転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、前記計数装置の計数値の所定のビット位置のデータを選択して、前記ラッチレジスタに転送することを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明によれば、計数装置とラッチレジスタの間に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、計数装置の計数値の所定のビット位置のデータを選択して、ラッチレジスタに転送することにより、メインカウンタのビット幅に対して、CPUのビット幅が小さくても、メインカウンタもカウント値を伝送することができる。
【0030】
請求項13に記載された発明は、請求項9又は12記載の監視制御装置において、前記ラッチレジスタの出力側に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置(例えば、図12におけるセレクタ58)を設け、同一の監視対象から、エラー信号を複数回連続して受信した場合、前記転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、前記ラッチレジスタにラッチされた計数値の所定のビット位置のデータを選択して、前記CPUに転送することを特徴とする。
【0031】
請求項13記載の発明によれば、ラッチレジスタの出力側に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、ラッチレジスタにラッチされた計数値の所定のビット位置のデータを選択して、CPUに転送することにより、メインカウンタのビット幅に対して、CPUのビット幅が小さくても、メインカウンタもカウント値を伝送することができる。
【0032】
請求項14に記載された発明は、請求項9ないし13いずれか一項記載の監視制御装置において、前記監視対象に対応する前記計数装置のビット幅の複数個の和が、前記CPUのデータバス幅以下の場合、ビット幅の複数個の和が前記CPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値をまとめて、前記ラッチレジスタにラッチすることを特徴とする。
【0033】
請求項14記載の発明によれば、監視対象に対応する計数装置のビット幅の複数個の和が、CPUのデータバス幅以下の場合、計数装置の計数値をまとめてラッチレジスタにラッチし、CPUに、このラッチされたデータを、まとめて転送することができる。
請求項15に記載された発明は、請求項14記載の監視制御装置において、前記監視対象に対応する前記計数装置に対応してI/Oレジスタを設け、ビット幅の複数個の和が前記CPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値を前記I/Oレジスタの同じアドレスに蓄積することを特徴とする。
【0034】
請求項15記載の発明によれば、監視対象に対応する計数装置のビット幅の複数個の和が、CPUのデータバス幅以下の場合、ビット幅の複数個の和がCPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値を前記I/Oレジスタの同じアドレスに蓄積することにより、アドレス空間を節約することができる。
請求項16に記載された発明は、請求項1ないし15いずれか一項記載の監視制御装置において、無効レジスタ(INVALIDレジスタ)を設け、該無効レジスタに値が書き込まれた場合、関係する計数値をクリアすることを特徴とする。
【0035】
請求項16記載の発明によれば、無効レジスタを設け、この無効レジスタに値が書き込まれた場合、関係する計数値をクリアすることより、危機的なアラームが生じたときそちらの処理を優先させるために、機能単位毎に全カウンタをクリアすることができる。
請求項17に記載された発明は、複数の監視対象から検出されたエラー信号を計数して監視を行う監視方法において、監視制御装置に用いられる制御信号及びエラー信号を同期信号に変換した後、各監視対象毎にエラー数を計数することを特徴とする監視制御方法である。
【0036】
請求項18に記載された発明は、請求項17記載の監視制御方法において、監視対象毎にアドレスを割り振り、該アドレスに基づいて、前記監視対象からエラー信号を収集することを特徴とする。
請求項19に記載された発明は、請求項18記載の監視制御方法において、複数の監視制御装置の一つを選択する監視制御装置選択信号を合わせて使用することにより、前記アドレスの内、下位ビットのみを使用することを特徴とする。
【0037】
請求項20に記載された発明は、請求項19記載の監視制御方法において、前記アドレスの上位アドレスは、無視して、エラー信号、メインカウンタ及び転送開始信号の選択を行うことを特徴とする。
請求項17〜20記載の発明によれば、請求項1〜16記載の監視制御方法に適した監視制御装置を提供することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
上記したように、図1の伝送装置では、各カード1〜4、6〜9は、それぞれ異なる周波数で相互に非同期の信号を扱っている。
本発明は、図1のような伝送装置において、監視系CPU7が、各カード1〜4、6〜9に関するエラー数情報をプログラムに基づいて、呼出し、そのエラー数情報を順に収集し、集中的に監視するものである。
【0039】
なお、エラー数情報は、伝送におけるあらゆる段階及び場面でのチェック(例えば、通信の品質のチェック、BER(Bit Error Rate)のチェック、パリティのチェック、同期のチェック、コーデングのチェック、セルヘッダに関するチェック(B1バイト、B2バイト、B3バイト、FEBE(FAR−END BLOCK ERROR)バイト)、テストパターンのチェック等)を行い、その結果がエラー数情報として出力される。
【0040】
図4は、本発明の原理説明図である。監視対象からのエラー信号Err_1〜Err_Nが同期信号変換器10を介して、計数器系11に印加され、データバス(data bus)を介して、監視系CPU等に出力される。また、監視対象のエラー信号を選択、計数するために、アドレス信号及び転送制御信号が計数器系11に印加されている。
【0041】
本発明では、異なる周波数の異なる同期系の信号が、同期信号変換器10により、計数系のクロックに同期されることにより、計数器系11の構成を簡単にすることができ、且つ精確な計測が可能となる。
図5は、本発明における、監視制御方法のフローチャートである。
監視対象毎にアドレスを割り振る。このアドレスに基づいて、監視対象からのエラー信号を受信して、このアドレスに基づいて計数器系11が動作するように設定する(S1)。次に、監視対象からのエラー信号を収集するために、監視対象毎に、時間又は時間間隔を決める(S2)。次に、計数器系11を動作させ、プログラム又はデータに従い監視対象からエラー信号を収集する(S3)。次に監視系CPU13は、収集したデータから、アラーム等を出力する。
【0042】
図6に図4で示した監視制御装置の要部の具体例を示す。計数器系は、メインカウンタ31(ここでは、複数個あるメインカウンタの一つを示している。従って、実際は、メインカウンタは、複数個存在する。)、ラッチレジスタ32、微分回路33、パルス発生器34及びセレクタ35、36から構成されている。(ただし、このような構成に限り、図4の同期信号変換器10はなくてもよい。)メインカウンタ31は、監視対象i番目のエラー信号Err_iをカウントする。セレクタ35、36は、アドレスで指定された信号を選択して出力する。微分回路33は、転送開始信号(例えば、アドレスデコーダ値)を微分し、ラッチレジスタ32及びセレクタ36を介して、ラッチレジスタ32に印加する。ラッチレジスタ32は微分回路33の出力で、メインカウンタ31の値をラッチする。パルス発生器34は、微分回路33の出力をフリップフロップ回路等で打ち直したパルス出力で、メインカウンタ31のカウント値をクリアする。(なお、メインカウンタ31、ラッチレジスタ32、微分回路33、パルス発生器34は、同期している。)
図7は、監視対象i番目に対しての図6の動作を説明するためのタイムチャートである。CLKは、計数器系のクロックを示し、Err_iは、監視対象i番目のエラー信号である。(Err_iは、図4の同期信号変換器10を介して、CLKに同期させてもよいが、同期信号変換器10を介さず、非同期のままでも、同程度の精度で監視ができる。)
メインカウンタ31に印加されたエラー信号Err_iは、メインカウンタ31でカウントされる。そのカウント値(21)は、アドレスデコーダの出力▲3▼によりセレクタ35で選択されて、微分回路33の出力▲1▼のタイミングでラッチレジスタ32にラッチされて、データバス(data bus)に出力される。ラッチレジスタ32にラッチされてから、パルス発生器34の出力▲2▼で、メインカウンタ31のカウント値はクリアされる。
【0043】
どの監視対象をデータバスに出力するかは、アドレスを指定することにより行うことができる。アドレス値に基づいて、セレクタ35、36を用いて、ラッチレジスタ32又はパルス発生器34への信号を選択しているので、複数個の監視対象に対して一つのラッチレジスタ32又はパルス発生器34で済んでいる。セレクタ35、36が無ければ、各監視対象毎に、ラッチレジスタとパルス発生器を設ける必要がある。
【0044】
なお、22個目のエラー信号は、計数値に反映できないが、それ以外は、正しい値を反映する。
図6では、エラー信号で、一部の信号が出力に反映されない場合があった、図8は、これを改良したものである。
図8に図4で示した監視制御装置の要部の他の具体例を示す。計数器系は、メインカウンタ15(ここでは、複数個あるメインカウンタの一つを示している。従って、実際は、メインカウンタは、複数個存在する。)、ラッチレジスタ17、サブカウンタ16から構成されている。
【0045】
メインカウンタ15及びサブカウンタ16は、監視対象i番目のエラー信号r_Err_iをカウントする。(r_Err_iは、図4の同期信号変換器10を介して同期信号に変換されたものである。)ラッチレジスタ17は、転送開始パルス(例えば、アドレスデコーダ信号の微分パルス、同期した監視系CPUからの転送要求パルス等)の発生タイミングで、メインカウンタ15のカウント値をラッチする。
【0046】
サブカウンタ16は、転送開始パルスによりクリアされ、メインカウンタ15の転送開始から転送終了までの間、監視対象i番目のエラー信号Err_iをカウントする。メインカウンタ15は、転送終了時に転送終了パルス(例えば、ACK信号の微分パルス)を受けて、サブカウンタ16のカウント値をロードする。(これらの微分パルス発生器は、図4の同期信号変換器10の中に組み込むといった構成をとることができる。)
従って、メインカウンタ15には、初期値として、メインカウンタ15の転送開始から転送終了までの間の監視対象i番目のエラー信号r_Err_iのカウント値が与えられ、図6のような、エラー信号のカウント漏れは回避できる。
【0047】
図8は、監視対象毎に、ラッチレジスタ17及びサブレジスタ16を用いた例を説明したが、図6のようなアドレス値に基づいて選択されるセレクタを、メインカウンタ15とラッチレジスタ17の間に設ければ、ラッチレジスタ17を各監視対象に対して共用することができる。同じく、サブカウンタ16の前段にエラー信号を選択するセレクタを設けることにより、サブカウンタ16を各監視対象に対して共用することができる。
【0048】
図9は、図8において、セレクタを用いた具体例である。
監視対象からのエラー信号を、図4の同期信号変換器10を介して同期信号に変換したものをpm_err1、pm_errNで表し、8bits PM Counter41−1及び24bits PM Counter41−Nは、監視対象1番目及びN番目のメインカウンタ41−1、41−Nを表し、SEL45、46はセレクタ45、46を表し、24bits Shodow Register49は、共用されたラッチレジスタ49を表し、PM Sub Counter48は共用されたサブカウンタ48を表し、Address Decoder44は、アドレスデコーダ44を表す。また、hb_addressはアドレス信号を表し、hb_rd_timは転送終了信号を表し、p.m. clockは、クロックを表す。(図9中のアドレスや転送制御信号に関しては、図4のアドレスデコーダや同期信号変換部分も含めて図9中に記載されている。)微分回路43及び47は、転送終了信号及びアドレスデコーダ44でデコードされた信号の立ち上がりを微分する。
【0049】
図10は、図9の動作を説明するための代表的なタイミングチャートである。pm_err1、pm_errNは、N種類のエラーイベントの入力を示している。pm_err1、pm_erriNが繋がっている、PM Counter41−1、41−Nはメインカウンタで、ビット幅が、8ビット、24ビットと特に指定されているが、これはエラーの種類(モニターすべきパフォーマンスの種類)に応じて、任意のビット幅で作り込むことが出来ることを示している。Shadow Register49はラッチ用レジスタで、出力のshadowreg信号は、CPU等のデータバスに出力される。P.M. Clockは、図9内の全てのカウンタ、レジスタ、微分回路に、同期を取るために供給されているもので、システムの要求に合わせて任意の周波数で用いる。
【0050】
hb_rd_timは、転送終了信号となる転送認識信号(ACK)であり、この信号の立ち上り時に、メインカウンタ41−1、41−Nは、サブカウンタ48の値をロードする。
本システムを含む系が全くアクセスを受けないアドレス空間がCPUから指定されているときは、hb_adressが一致しても、hb_rd_timが変化しないようにしておく。これは、CPUのアドレスバスの上位の方のビットを見ることでCPUが本システムを含む系をアクセスしようとしているか否かがわかるところから制御可能である。
【0051】
こうすることによりhb_adressは、CPUのアドレスバスの一部でも済む。
図9中の▲1▼、▲2▼、▲3▼は、それぞれ繋がっていることを示す。
メインカウンタ41−1、41−Nは、監視対象1番目及びN番目のエラー信号Err_1、Err_Nをカウントする。アドレスデコードされたアドレス値(これは、監視対象を示している。従って、監視対象からのエラー信号をも示すことになる。)の監視対象の信号がセレクタ45、46によって選択される。
【0052】
選択された監視対象n(1<n<N)番目のメインカウンタ42のカウント値は、ラッチタイミング▲2▼でラッチされ、バスに出力される。一方、サブレジスタ48は、ラッチタイミング▲2▼でリセットされ、選択された監視対象n番目のpm_errnをカウントする。この値は、転送終了信号の微分パルス▲1▼により、メインカウンタ41−nにロードされる。メインカウンタ41−nには、初期値として、メインカウンタ41−nの転送開始から転送終了までの間の監視対象n番目のエラー信号Err_nのカウント値が与えられ、転送の間に発生したエラー信号を取り込んでカウントすることができる。
【0053】
図17に、同期微分パルス(立ち上り時)を出力するための一般的な微分回路を示す。パルス▲1▼は、同期回路100(例えば、フリップフロップ回路)で同期パルス▲2▼となる。パルス▲2▼は、遅延回路101(例えば、フリップフロップ回路)で遅延され、且つ反転されて、パルス▲3▼となる。パルス▲2▼とパルス▲3▼は、アンド回路102で論理積が取られ、出力パルス▲4▼を得る。この出力パルス▲4▼は、パルス▲1▼の立ち上がりを微分した信号となっている。(図4の同期信号変換器10も各入力信号に対して、同様の構成をしている。また、図4又は図6の発明において、これまでの例のような立ち上がり信号の代わりに、立ち下がり信号を用いて同様の構成にしてもよい。)
図9中の「↑微分」は、図17のような立ち上り検出微分回路を表わしている。アドレスデコーダ44は、CPUが知りたいエラーの種類のアドレス値をデコードし、セレクタで該当するエラーの種類を選べるようになっている。この二つのセレクタがあることで、システム中にラッチレジスタ49とサブカウンタ48を一つずつ置けば十分で、エラーの種類毎にラッチレジスタ49やサブカウンタ48を設ける必要がない。
【0054】
図10のタイミングチャートは次のことを示す。エラーイベントが来たら、P.M.Clockに同期してメインカウンタ41−1、41−Nとサブカウンタ48をカウントアップする。アドレス値(HB_adress)の微分パルスが立ったときにラッチレジスタ49にメインカウンタ値をラッチし、且つサブカウンタ48をクリアする。Read Acknow1edge(hb_rd_tim)の微分パルスが立ったときにサブカウンタ値をメインカウンタ41−1、41−Nにロードする。このサブカウンタ48により、CPUからアクセス要求が来た瞬間(hb_adressの微分パルスをラッチした瞬間)から、CPUが所望のデータを読み取る瞬間(hb_rd_timの微分パルスをラッチした瞬間)までのエラー計数値を次回の通知時に反映させることができるので、全体として任意の区間(CPUがアクセス要求した瞬間から次に要求した瞬間)のエラー計数値を安定的で正確に通知することができる。
【0055】
次に、メインカウンタのビット幅とCPUのデータバス幅が異なる場合について、説明する。
あるメインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅より小さいときは、Shadow Registerに繋がるセレクタを通過するとき空白ビットに“L”を挿入させ、Shadow Registerにフルビット幅にして入力させる。逆にメインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅より大きいときは、二つ以上のアドレスにまたがって、二回(以上)に分けてCPUに通知する。このときもCPUのデータバス幅にぴたりと納まらないときは、空白ビットに“L”を挿入させる。
【0056】
メインカウンタのビット幅がCPUのdataバス幅より大きいときの対処法は、より具体的には次の通りである。
該当するエラー数を表わすレジスタを隣同士のアドレスになるように構成する.ソフトウェアが、このエラー情報を読みに行くときは、続けてこれらのアドレスを読むようにする。エラー計数系の回路構成やタイミング仕様は次の二通りのやり方で実現できる。
【0057】
第一は、Shadow Registerのビット幅をメインカウンタの最大ビット幅に合わせる方法である。その際は1回目のアドレスが指定されたときのみ、Shadow Registerへメインカウンタ値のラッチ、サブカウンタのクリア、メインカウンタヘのロードが行われるように、アドレスデコーダ、微分回路、セレクタに条件をいれておく。2回目のアドレス指定時は、ラッチ、クリア、ロードは行われず、Shadow Registerの上位ビットをCPUのデータバスに見せるようにする。一回目の転送時の、ラッチ、クリア、ロードのタイミング仕様は、図10に準じる。実際に回路に実現するときは、例えば、2回目以降のアドレスのとき、アドレスデコーダ、微分回路(セレクタ)の動作がマスクされるように条件付けておけば良い。
【0058】
図11を用いて説明する。図9とは、セレクタ55とパルス発生器54を有する点で異なる。セレクタ55は、メインカウンタ51とShadow Register57の間に設け、同一の監視対象から、エラー信号を2回連続して受信した場合、アドレスデコーダ53の出力により、1回目の時は下位16ビットを送信し、2回目の時は、残りのビットをShadow Register57に転送する。
【0059】
また、パルス発生器は、2回目の転送終了信号を受信して、その2回目の時、メインカウンタ51にパルスを印加し、サブカウンタ52の値を、メインカウンタ51にロードする。
なお、サブカウンタ52は、エラー信号を2回連続して受信するアドレスの場合は、最初の転送開始信号でリセットされるが、2回目の転送開始信号では、リセットされないように設定されている。
【0060】
また、メインカウンタ51又はShadow Register57は、1回目のエラー信号の受信と2回目のエラー信号の受信との間に、桁上がりがあった、場合、その桁上がりを元に戻して、データバスに伝送する。
第二の方法として、Shadow Registerのビット幅をCPUのデータバスと一致させたままでも実現できる。アドレスによってアドレスデコーダ、微分回路、セレクタを条件付けて、うまく整合性を取らせれば良い。回路規模はShadow Registerのビット数が減るので第一の方法より小さくなるが、タイミング仕様は複雑になる。
【0061】
図12を用いて説明する。図9とは、セレクタ58とパルス発生器54を有する点で異なる。セレクタ58は、Shadow Register57の出力側に設け、同一の監視対象から、エラー信号を2回連続して受信した場合、アドレスデコーダ53の出力により、1回目の時は下位16ビットを送信し、2回目の時は、残りのビットをデータバスに転送する。
【0062】
また、パルス発生器は、2回目の転送終了信号を受信して、その2回目の時、メインカウンタ51にパルスを印加し、サブカウンタ52の値を、メインカウンタ51にロードする。
なお、微分回路56の出力は、1回目の転送パルス開始時にパルスを出力するように設定されている。従って、サブカウンタ52は、1回目の転送パルス開始時にリセットされ、Shadow Register57は、1回目の転送パルス開始時にメインカウンタ51のカウント値をラッチする。
【0063】
メインカウンタのビット幅の複数個の和が、データバス幅(Nビット)以内の場合の構成例を図13を用いて説明する。
ここでは、例えば、メインカウンタはM個あり、その内のm個のメインカウンタのビット幅の和が、データバス幅(Nビット)以内の場合を説明する。
監視装置は、M個の監視対象から、メインカウンタのビット幅の和が、データバス幅以内の監視対象のエラー信号を連続して受信する。メインカウンタのビット幅の和が、データバス幅以内の監視対象のエラー信号のカウント値は、セレクタ76により、順に選択され、各アドレスデコーダの立ち上がり微分信号で、Shadow Register77にラッチされる。Shadow Register77のレジスタにおいては、m個のメインカウンタ値が順に格納され、データバスに出力される。
【0064】
また、セレクタ78は、M個のエラー信号から、m個の監視対象のエラー信号を選択する。m個のサブカウンタ79、80…は、メインカウンタのShadow Register77への転送開始から転送終了までの間、それぞれのエラー信号をカウントする。この値を、それぞれのエラー信号に関するメインカウンタの初期値とする。
【0065】
メインカウンタのビット幅の複数個の和が、データバス幅以内の場合は、図16に示すように、同一アドレスのI/Oレジスタに複数種類のエラー数情報を載せることができる。ソフトウェアは、このレジスタ構成に合わせて、同一アドレスで複数のエラー数情報を読んで、対処できるようにする。こうすることにより、エラー頻度が他の種類のエラーよりも少ない性質を持つため、メインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅よりも十分小さいものが複数存在するとき、アドレス空間を節約できる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、メインカウンタのビット幅がCPUのdataバス幅より大きいときの対処法として、連続して2回エラー信号を伝送した例について説明したが、メインカウンタのビット幅がCPUのdataバス幅より大きいときの対処法として、連続して3回以上、エラー信号を伝送しても良い。
【0067】
【実施例】
図14は、本発明を実現した回路図の例である。この伝送装置は、OC−12までの光インターフエース、及びそれより低次群の様々な電気インターフェースを持っている。このLSIは、EC1、DS3、E3とSTS−3間の多重・分離機能を有し、DS3、E3信号においては、STMのみならず、ATMも取り込むことができる。図14は、LSIの各部で検出されたパフォーマンス・エラーを集約してエラー数を計数し、ソフトウェアがパフォーマンスモニタレジスタ領域と呼ばれるAddress空間を読みにきたとき、CPUから読みだされるデータを出力するブロックである。例えば、伝送装置では通常1秒に一回、各パフォーマンスモニタレジスタを読み、その結果を他のレジスタに累積するようにプログラムされている(もっと頻繁に読みに行き、より詳細、頻繁にパフォーマンスモニタ情報を収集するようにソフトウエアを作ることも可能である)。測定されるエラーの頻度によって、マイナーなレベルからメジャーなレベルまで段階的な注意・警告を自動通知するようにプログラムされている。
【0068】
さて、図14のこのブロックは、その中に更にHb_pm_retim、Hb_pm_bif、Hb_pm_dl、Hb_pm_ul1、Hb_pm_ul2、Hb_pm_ul3の6つのブロックから成っている。
EC1、DS3、E3、STS−3(8ビットに分割)といった様々な通信フォーマットの信号に対応して、例えば、カードのLSIの各部で、51.84MHz、44.736MHz、34.368MHz、19.44MHzと様々な周波数に同期してエラーが検出され、そこからエラーの存在を示すパルスがそれぞれの周波数で図14のブロックに入力される(pj_inc_k、bif_blerr_w、bif_b3err_k、bif_reip_k、hec_verr_k、…、hb_p_err、bpv_err1、d3_fmerr_1、b2_err_1、e3_rei_1、p1cp_febe_1、…。各エラー信号の内容は後述する。_k=_1、_2、_3である。後述するように3チャネル分に対応して同様の信号が3本あるのを1本に代表させて記述している。(以下同様)。
【0069】
図14内では全ての信号を76MHz(ck_in)に同期させて処理を行なう。そのために、ブロックHb_pm_retim内では、様々な周波数の入力エラーパルスを76MHzでラッチして、更に、立ち上がり微分パルスを出力している(Hb_pm_retimからの出力信号は、対応する入力信号名にr_をつけて、r_pj_inc_k、r_bif_blerr_w、rbif_b3err_k、r_bif_reip_k、r_hec_verr_k、…、r_hb_p_err、r_bpv_err_1、r_d3_fmerr_1、r_b2_err_1、r_e3_rei1、r_p1cp_febe_1、…と表わす)。xrst、ck_inは、全てのFF(Counter、Register)に入力されている。xrstは、パワーオン時等に全てのブロック内のFFをクリアするために使われる。図14ブロックヘの入力信号、hb_rd_tim、hb_adress(信号の内容の説明は後述)は、Hb_pm_retimブロックは通らず、Hb_pm_bif、Hb_pm_dl、Hb_pm_ul1、Hb_pm_ul2、Hb_pm_ul3へ直接入力される。尚、本実現例では、76MHzでシステムを動作させているが、より詳細なパフォーマンス・エラー情報を計数したいときは、実現する回路系が物理的に許されるまで高速の周波数で動作させることも可能である。
【0070】
伝送装置内のLSIは、低次群側と高次群側との問で3本の信号を多重・分離する機能がある。Hb_pm_bif、Hb_pm_dl、Hb_pm_ul1、Hh_pm_ul2、Hb_pm_ul3のブロックはそれぞれ、高次群側、低次群側の下り、低次群側の上りの3チャンネルの各チャンネルとインターフェイスしているブロックで検出されたエラーを監視している(以下、下りとは、高次群側から低次群側へ流れる信号、上りとは低次群から高次群へ流れる信号を意味する)。全エラー信号は、Hb_pm_retimに入力されるが、そこを通過後は、対応するブロックに接続されている。各ブロックには、CPUのアドレスバスの一部であるhb_adress(18ビット分)と、CPUへreadAcknowledgeする信号から繋がってきているhb_rd_timが入力されている。各ブロック内の構成は、図9と同様である。図14では、代表してHb_pm_bifブロックのみ、その構成を示した。
【0071】
各ブロックのShadow Registerから出力された16ビットデータ(hb_rd_データ)は、ブロックの外でORを取り、hb_pm_readに束ねられる。hb_pm_readが、LSIの外のCPUのデータバスに接続されていく。尚、SEL1で選択されたメインカウンタのビット幅がShadow Registerの16ビットより小さい場合は、空白ビットに“L”を挿入する。逆に、メインカウンタのビット幅がShadow Registerの16ビット出力より大きい場合も実現することが可能である。
【0072】
図14のHb_pm_bifブロック等の内部構成は、アドレスデコーダの出力値が、Shadow Registerブロックに入力されているところが、図9の説明図と違っている。この部分は、メインカウンタのビット幅がShadow Registerの出力幅より大きい場合の実現例の一つにおいて必要な配線である。
【0073】
エラーの内容について説明する。最初に各エラー毎のメインカウンタのビット幅についてコメントしておく。先に述べたように本実施例では、1秒間に1回、計数情報を読みに行くようソフトウエアが作られるので、信号のスピード(EC1、DS3、E3、STS−3、ATM)や、エラーの種類(1フレームや1セルに一つ現われるバイトのエラー情報を監視したいのか、1クロック単位で頻繁に現われる確率のあるエラーを監視したいか)で、エラー数が見積もられ、最大計数可能エラー数(メインカウンタのビット幅)が決定されている。
【0074】
図14のエラー信号から順に説明していく。Hb_pm_bifに繋がっていく、pj_inc_kは、下り側のSTS−3信号の各STS−1チャンネルにおいて、ポインタのincriment動作があったというパフォーマンス情報を示す。これに繋がるメインカウンタは、12ビット幅を持ち、4095までのincriment数を記録、通知できる(これを超えたときは、4095として通知)。この値が大きいと、STS−3のフレーム(装置)とSPE(信号の中身)の周波数差が大きいことを示しているので、注意・警告を与えることができる。図14には、pj_inc_kと一本の信号で書かれているが、実際には同様の信号が3本ある(以下、_kと表記させている信号名はすべて同様)。図14には例示されていない、上りのEC1信号をSTSにマッピングする際のポインタincrimentを表わす信号もある。これは、各チャンネル毎にHb_pm_ulkで計数される(メインカウンタのビット幅も同じ)。また、両者について、ポインタのdecriment情報を表わす信号も存在し、計数・通知している。以上のエラーは、EC1モードの信号を通す際に、各チャンネルに対して計測される。
【0075】
次に、bif_b1err_wについて説明する。STS−3とLSIのインターフェイスには、Work側、Protect側と、2:1の冗長構成を持っている。bif_b1err_wは、Work側の下り入力のSTS−3の、B1バイト(前フレームのBip−8の偶数パリティビットを配列)におけるパリティエラー情報を示す(パリティエラーがあったとき、19.44MHzに同期したパルスがHb_pm_retimに入力される)。B1バイトは、1フレームに1個しかないので、最頻でも125μsに一度しか本パリティエラーは、生じない。Hb_pm_bifにおける本メインカウンタは、8ビットまでで十分と見積もられ、最大255まで計数できる(これを超えるときも、255として通知するが、1秒間に255以上のレベルはいづれにしても最悪レベルであるという思想に基づいて本実施例は構成されている)。図14には記載されていないが、bif_b1err_pというProtect側の同様の信号も存在する。このメインカウンタも8ビット幅である。I/Oレジスタを構成するときは、データバス幅は16ビットあるので、同じアドレスのところに両者を並べてアドレス空間の割当てを節約してもよい(図16参照)。当然ながら、ソフトウェアもこの構成に合わせて作くる必要がある。。その際、このアドレスに関してアドレスデコーダ、微分回路、セレクタに条件付けをしておき、サブカウンタは別個に2つ持たせ、Shadow Registerへのメインカウンタ値のラッチ、サブカウンタのクリア、メインカウンタヘのロードは、図10のタイミング仕様に準じて行えば良い。
【0076】
次ぎに、bif_b3err_kについて説明する。下り側のSTS−3に3多重されているSTS−1のPOHのB3バイト(前STS−SPEフレームのBIP−8個パリティビットを配列)のパリティエラーを各チャンネル毎に検出したエラー情報(8ビットあるので、1フレームあたり最大8個になる)を示している。bif_b3err_kが繋がっていく、Hb_pm_bif中のメインカウンタは、それぞれ16ビット幅である。従って、65535までエラー数を計数できる。bif_reip_kは、対局(自LSIが載っている自装置とネットワークを通じて繋がっている先の装置)で受信したSTS−3において検出した1フレーム中のB3バイトのエラー数を折り返しのSTS−3のG1バイトのFEBE領域に対局が挿入してくるので、本LSIに入力されたSTS−3の各フレームのG1バイトのこの4ビットのFEBEに示されているエラー数を、各チャンネル毎に示す(1フレーム当たり最大8個のパルスをシリアルに送出する)。メインカウンタは、チャンネル毎にこの1フレーム当たり最大8個のエラー数を累計していく。こうのように、自局が受信した回線の通信品質(B3バイト)だけでなく、対局が受信した(自局が送信した後の)回線の通信品質を監視することができる。
【0077】
次に、hec_verr_kについて述べる。これは、下りのSTS−3中の、ATMセル中のヘッダー(HEC)のviolationエラーを各チャンネル毎に検出したエラー情報である。このエラーは、最大各セル毎に検出されるので、メインカウンタは、16ビット幅になっている。このエラーの検出に当然、DS3及びE3のATMモード(フレームフォーマット中にATMがマッピングされているとき)において有効である。
【0078】
次から述べるのは、上り信号の低次群側のインターフェイス部分のうち、チャネル1で検出されるエラー情報を示し、Hb_pm_ul1に入力されている。hb_p_errrは、CPUのデータバスをパリティチェックした際のエラー情報を示す。bpv_err_1は、チャンネル1において、LSIに入力されるBipolar信号のViolationエラー情報を示す。Bipo1ar信号は、入力されるクロック毎に変化する信号なので、Violationエラーは、入力信号のモードによって、EC1、DS3、E3のそれぞれの信号の周波数に同期して検出される。モードによって異なる周波数で、エラーを示すパルスがHb_pm_retimに入力される。エラー数は、最大、クロック数の単位で来る可能性があるので、メインカウンタは、25ビット幅になっており、33554431まで計数することができる。このようにメインカウンタのビット幅がCPUのデータバスより大きいときのシステム構成例は、後に説明する。
【0079】
次に、d3_fmerr_1は、チャンネル1に入力されるDS3信号のFビットとMビットのエラー情報を示す(他のモードのときは検出不要)。D3の周波数とフレーム数から最大エラー数が見積もられて、メインカウンタは、19ビット幅となっている。すなわち、524287まで計数する。次のb2_err_1は、チャンネル1に入力されるEC1信号のB2バイト(先フレームのBIP−24偶数パリティビット)のパリティエラー情報を示す(他のモードのときは検出不要)。B2バイトは、1フレームに1つしかないので、メインカウンタのビット幅は、16ビットとしている。e3_rei_1は、E3モードの入力のとき有効となって検出されるエラー情報である。E3フレームのオーバーヘッドには、自局でディテクトしたエラー情報を送り返すためのバイトがある。対局が検出しこのバイトに挿入して、本LSIのチャンネル1に入力されてきたエラー情報を検出し、Hb_pm_retimに送出されてきたエラー情報を表わす。メインカウンタでそのエラー数を累計する。ビット幅は、13ビットにしているので、8191まで計数できる。このように、対局が受信した信号に関するエラー情報を監視できるので、ネットワークの回線品質がわかる。p1cp_febe_1はDS3のATMモードのとき有効となって検出されるエラー情報である。ATMセルをDS3信号にマッピングする際、PLCPというフレームを用いるが、このフレーム中にも、FEBEといわれる対局エラー検出用のビットがある。このビットからエラーを検出することにより、ATMがマッピングされたDS3信号が通るネットワークの回線品質を監視することができる。Hb_pm_ul2、Hb_pm_ul3には、それぞれ、チャンネル2、3の同様のエラー情報が計数される。Hb_pm_d1は、下り信号の低次群側で検出されるエラー情報の計数が行われる。
【0080】
図15は、メインカウンタのビット幅がCPUのデータバスよりも広いものを持つときのI/Oレジスタ構成例を示している。CARD ADDは、CPUから見たアドレス空間を示している。ASIC ADDは、CPUはバイト単位でアドレスを割り当てているのに対し、LSI内では、16ビット単位でデータを扱えば良いので、一番下位のアドレスバスを切り離したものである。CARD ADDの20000hと20020hは、INVALIDレジスタを表わしている。これは、より危機的なアラームが生じたときそちらの処理を優先させるために、機能単位毎に全カウンタをクリアするためにある。2000hのいづれかのビットに“1”が書き込まれたら、20016までの全カウンタ、20020hのいづれかのビットに“1”が書き込まれたら、20056までの全カウンタをクリアするというようになっている。本実施例のシステムは、DS3、EC1、E3、STS−3、STM、ATMと従来のシステムよりも扱う信号の種類が多いので、INVALIDレジスタの種類やビット数も多くなっている。BPV COUNT、EXZ COUNT、DS3F/M bit ERR COUNTがメインカウンタのビット幅がCPUのデータバスよりも広い場合のレジスタ構成である。BPV COUNTは、bpv_errで説明したBipolar信号のViolationエラー数を示している。EXZ COUNTは、Bipo1ar信号に“L”が過剰に来た時のエラーの累計、DS3F/M bit ERR COUNTは、d3_fmerrで説明したDS3信号のFビットとMビットのエラー数を示す。図15の他のアドレスの箇所は、メインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅以下のケースなので特に説明はしない。ソフトウェアは、上の3つの箇所を読みに行くときは、アドレスを続けて読むように作っておく。
【0081】
なお、実施例の説明において、図9の構成を持つブロックが機能・モード別に5つに分かれたものとして説明したが、これは、本実施例におけるLSIのレイアウト上等の制約から来るものである。そのような制約が無く回路を構成できる環境にあれば、全部一つのブロックにまとめて、サブカウンタとShadow Registerを一つにした方が回路効率は上がる。
【0082】
また、本実施例の環境でも、5つのブロックに分けられているhb_rd_timの立ち上り検出微分回路、hb_adressの立ち上り検出微分回路を、更にはhb_adressのアドレスデコーダをHb_pm_retimブロック内に集約して、出力を5つのブロックに分配することも可能である(アドレスデコーダは、5つのブロック内に残しておく構成例も考えられる)。この方が配線が増えるものの、微分回路を(又はアドレスデコーダも)集約できるので、わずかながらであるが、回路規模を小さくすることができる。
【0083】
また、本発明は、ネットワーク機器だけでなく、パフォーマンスやエラーを監視する必要のあるあらゆる機械、装置に適用することができる。
本発明では、回路技術とCPUから6インターフェース仕様しか、主な請求項には、挙げていないが、本発明が関わるパフォーマンスモニタ機能は、ソフトウェア、レジスタ構成(観測対象の選択も含む)、エラー検出器(その手法や原理)、ネットワークにおいて装置間に受け渡される様々な情報(これは、通信信号のセルやフレームフォーマット内のしかるべき位置や、主信号と独立したネットワークマネージメント用の回線でやりとりされるもの)等に関わる。従って、製品全体に関わる主要機能についての発明である。
【0084】
本発明を用いれば、従来の非同期的バフォーマス・エラーモニタ方式に残されていた、値の不正確さ、測定時間範囲の暖昧さ、精度の粗さの限界を除去し、任意の瞬間から任意の瞬間までの、正確で、きめの細かい精度のパフォーマンス・エラーを観測することができる。
従来の、エラー計数値をCPUに通知するときのデータの不安定性の問題を解決し、安定なデータ状態で、パフォーマンス・エラー情報を通知することができる。また、従来のこの不安定さ故のエラー計数系の動作周波数の限界を、本発明により物理的限界にまで高めることができ、最小エラー計数単位時間を格段に短かくすることができる。
【0085】
上記した測定精度が高まるという効果を定量的に例を挙げて説明すると次のようになる。従来技術では、非同期カウンタ出力の安定性や、CPUが転送要求してアドレスを指定してからACKが帰って来るまでのバスクロック(例えば、16MHz又は33MHz、最も速い類で100MHzくらい)で数クロック間の誤差を考えると数百nsから良くても60〜80ns程度の精度しかなかった(すなわちエラーを計数する区間にこの程度のバラツキは含まれていて、それ以上細かくは制御できなかった)、ところが本発明では、原理的には同期回路が実現できる最高速度のクロックイベントの単位の精度まで計測することができる。現在のプロセスでも500MHzなり1GHz以上で動作するLSI等が手に入り、その上で本発明を実現することができるので、1nsよりも短い単位のクロックの任意の瞬間から瞬間までのエラー数を計測できる。この際の測定区間の誤差は、クロック遅延(又はゲート遅延)による数百ps以下になる。従って本発明は、精度に関して言えば、従来技術の数十倍から数百倍以上の効果を実現する方式である。また、従来の技術では検出できたとしても計数や通知できなかった、1nsに1回以上のような、極めて高い頻度で発生し得るエラーや、きめの細かいパフォーマンス情報を本発明では観測、累計し、その結果を通知、記録することができる。
【0086】
本発明の内容を単純に実現しようとしたときに回路規模増大の問題や、例外的な条件(観測しているエラーのカウント数が、CPUのデータバス幅を超えてしまう場合、逆に小さすぎる場合等)が生じるが、考え得る限り回路規模を小さく出来る手法や、アドレス空間を節約する方法、例外的条件のときの対処法もソフトウエア仕様やI/Oレジスタ構成例を交えて提案しているので、この問題を払拭している。これにより、消費電力の節約、あるいは、限りある回路資源等(LSI、FPGA、PLD等の回路容量、CPUがアクセスできる空間領域)の有効活用等が可能となる。また、どんなにエラー数、エラー頻度が多い対象に対しても、ソフトウエアの仕様も含めて本発明を用いることにより、対応して観測、計数、通知、記録をすることができる。エラー数、エラー頻度が小さすぎるものが含まれていても効率的に対処できる。さらに、この例外的な条件(観測しているエラーのカウント数が、CPUのデータバス幅を超えてしまう場合、逆に小さすぎる場合等)が生じても、上に挙げた、観測の精度、正確さ、安定性が失われることはない。
【0087】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。請求項記載1の発明によれば、監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置を有し、同期パルス変換装置は、監視制御装置で用いる制御信号の全部又は一部の信号及びエラー信号を監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置を有することにより、観測精度を物理的限界にまで引き上げることができ、計測における暖昧さを除去し、瞬間、瞬間の正確なパフォーマンスを通知でき、回路規模を小さくすることができる。
【0088】
請求項2記載の発明によれば、監視対象毎にアドレスを割り振り、このアドレスに基づいて、監視対象からのエラー信号を収集することにより、監視対象から的確に、エラー信号を獲得することができる。
請求項3記載の発明によれば、サブ計数装置を設け、このサブ計数装置は、メイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことにより、正確な計数を行うことができる。
【0089】
請求項4記載の発明によれば、メイン計数装置の計数値の転送開始から、転送終了するまでの期間のメイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことにより、正確な計数を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、複数のメイン計数装置の出力の一つを選択するメイン計数装置選択装置を複数のメイン計数装置の出力側に設けたことにより、複数のメイン計数装置に対して、ラッチレジスタの数を一つで済ませることができる。
【0090】
請求項6記載の発明によれば、複数の監視対象からのエラー信号の一つを選択するエラー信号選択装置をサブ計数装置の入力側に設けたことにより、複数のエラー信号に対して、サブカウンタの数を一つで済ませることができる。
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6記載の監視制御装置において、メイン計数装置及びエラー信号選択装置の選択は、請求項2記載のアドレスに基づいて行うことを特徴とする。
【0091】
請求項7記載の発明によれば、監視対象からのエラー信号を、アドレスを指定することで、簡便に、的確に、エラー信号を獲得することができる。
請求項8記載の発明によれば、監視制御装置選択信号を用いることにより、アドレスが下位ビットだけで済むので、回路構成を小さくすることができる。
請求項9記載の発明によれば、ラッチレジスタを有し、ラッチしたデータをCPUへ出力することにより、安定したデータをCPUに送信することができる。
【0092】
請求項10記載の発明によれば、パルス発生器を有し、パルス発生器は、転送開始信号の立ち上がり信号を受けてパルスを発生し、パルス発生器の出力により、計数装置の値をクリアすることにより、1、2クロック分の計数できない期間が生じるが、それ以外は、正確なカウントを行うことができる。さらに、図4の発明における同期信号変換器10を省き非同期なエラーパルスErr_iのままでも、このような高い精度の監視ができるという利点を持つ。また、不要な回路を無くし、回路規模を小さくすることができる。
【0093】
請求項11記載の発明によれば、転送開始信号選択装置をパルス発生器の入力側に設けたことにより、一つのパルス発生器で済ますことができる。
請求項12記載の発明によれば、計数装置とラッチレジスタの間に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、計数装置の計数値の所定のビット位置のデータを選択して、ラッチレジスタに転送することにより、メインカウンタのビット幅に対して、CPUのビット幅が小さくても、メインカウンタもカウント値を伝送することができる。
【0094】
請求項13記載の発明によれば、ラッチレジスタの出力側に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、ラッチレジスタにラッチされた計数値の所定のビット位置のデータを選択して、CPUに転送することにより、メインカウンタのビット幅に対して、CPUのビット幅が小さくても、メインカウンタもカウント値を伝送することができる。
【0095】
請求項14記載の発明によれば、監視対象に対応する計数装置のビット幅の複数個の和が、CPUのデータバス幅以下の場合、計数装置の計数値をまとめてラッチレジスタにラッチし、CPUに、このラッチされたデータを、まとめて転送することができる。
請求項15記載の発明によれば、監視対象に対応する計数装置のビット幅の複数個の和が、CPUのデータバス幅以下の場合、ビット幅の複数個の和がCPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値をI/Oレジスタの同じアドレスに蓄積することにより、アドレス空間を節約することができる。
【0096】
請求項16記載の発明によれば、無効レジスタを設け、この無効レジスタに値が書き込まれた場合、関係する計数値をクリアすることより、危機的なアラームが生じたときそちらの処理を優先させるために、機能単位毎に全カウンタをクリアすることができる。
請求項17〜20記載の発明によれば、請求項1〜16記載の監視制御方法に適した監視制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】監視対象を説明するための図である。
【図2】従来の監視制御装置を説明するための図である。
【図3】図2の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明の監視制御装置の原理説明図である。
【図5】本発明の監視制御方法の原理説明図である。
【図6】本発明の監視制御装置の要部の具体例を説明するための図である。
【図7】図6を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の監視制御装置の要部の他の具体例を説明するための図である。
【図9】図9は、図8において、セレクタを用いた具体例を説明するための図である。
【図10】図9の動作を説明するための代表的なタイミングチャートタイムチャートである。
【図11】メインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅より大きいときの構成例(その1)を説明するための図である。
【図12】メインカウンタのビット幅がCPUのデータバス幅より大きいときの構成例(その2)を説明するための図である。
【図13】メインカウンタのビット幅の複数個の和が、CPUのデータバス幅以内の場合の構成例を説明するための図である。
【図14】実施例を説明するための図である。
【図15】I/Oレジスタ(その1)の例である。
【図16】I/Oレジスタ(その2)の例である。
【図17】立ち上がり微分を説明するための図である。
【符号の説明】
1〜4、6〜9 カード(PCB又はLSI等の機能ブロック)
5 スイッチ
7 監視系CPU
10 同期信号変換器
11 計数器系
12 メモリ
13 監視系CPU
14 周辺回路
15、31、41、51、71〜73 メインカウンタ
16、48、52、79、80 サブカウンタ
17、32、77 ラッチレジスタ(Shadow Register)
19 監視制御装置
33、43、47、56、74、81 立ち上がり微分回路
34、54 パルス発生器
44、53、75 アドレスデコーダ
45、46、55、58、61、62、76、78 セレクタ
Claims (20)
- CPUと計数装置を有し、複数の監視対象から検出されたエラー信号を計数して監視を行う監視制御装置において、
前記監視制御装置で用いる制御信号の全部又は一部の信号及び前記エラー信号を、前記監視制御装置のクロックと同期した信号に変換する同期パルス変換装置を有することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項1記載の監視制御装置において、
前記監視制御装置は、監視対象毎にアドレスを割り振り、該アドレスに基づいて、前記監視対象毎にエラー信号を収集することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項1又は2記載の監視制御装置において、
前記計数装置は、メイン計数装置及びサブ計数装置から構成され、
前記サブ計数装置は、前記メイン計数装置が計数できない期間の計数を行うことを特徴とする監視制御装置。 - 請求項3記載の監視制御装置において、
前記サブ計数装置は、前記メイン計数装置の計数値の転送開始から、転送終了するまでの期間、監視対象からのエラー信号を計数し、前記メイン計数装置の転送終了時に、その時点の計数値を前記メイン計数装置にロードすることを特徴とする監視制御装置。 - 請求項3又は4記載の監視制御装置において、
複数の前記メイン計数装置の出力の一つを選択するメイン計数装置選択装置を複数の前記メイン計数装置の出力側に設け、
該メイン計数装置選択装置は、前記CPUから供給されたアドレス信号に基づいて、複数のメイン計数装置の出力の一つを選択して出力することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項3ないし5いずれか一項記載の監視制御装置において、
複数の監視対象からのエラー信号の一つを選択するエラー信号選択装置を前記サブ計数装置の入力側に設け、
該エラー信号選択装置は、前記CPUから供給されたアドレス信号に基づいて、複数のエラー信号の一つを選択して出力することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項5又は6記載の監視制御装置において、
前記メイン計数装置及び前記エラー信号選択装置の選択は、請求項2記載のアドレスに基づいて行うことを特徴とする監視制御装置。 - 請求項2、5、6又は7記載の監視制御装置において、
該監視制御装置を複数を設け、該監視制御装置の選択は、監視制御装置選択信号により選択し、
請求項2、5、6又は7記載における選択は、下位ビットのアドレスに基づいて行うことを特徴とする監視制御装置。 - 請求項1ないし8いずれか一項記載の監視制御装置において、
さらに、ラッチレジスタを有し、
該ラッチレジスタは、前記計数装置の計数値を転送開始信号に基づいてラッチし、そのラッチしたデータを前記CPUへ出力することを特徴とする監視制御装置。 - CPUと計数装置を有し、複数の監視対象から検出されたエラー信号を計数して監視を行う監視制御装置において、
ラッチレジスタ及びパルス発生器を有し、
前記ラッチレジスタは、前記計数装置の計数値を転送開始信号に基づいてラッチし、そのラッチしたデータを前記CPUへ出力し、
前記パルス発生器は、転送開始信号の立ち上がり又は立ち下がり信号を受けてパルスを発生し、該パルス発生器の出力により、前記計数装置の値をクリアすることを特徴とする監視制御装置。 - 請求項10記載の監視制御装置において、
複数の転送開始信号の立ち上がり信号の一つを選択する転送開始信号選択装置を前記パルス発生器の入力側に設け、
該転送開始信号選択装置は、入力されたアドレス信号に基づいて、複数の転送開始信号の立ち上がり信号の一つを選択して出力することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項9記載の監視制御装置において、
前記計数装置と前記ラッチレジスタの間に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、
同一の監視対象から、エラー信号を複数回連続して受信した場合、
前記転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、前記計数装置の計数値の所定のビット位置のデータを選択して、前記ラッチレジスタに転送することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項9又は12記載の監視制御装置において、
前記ラッチレジスタの出力側に、転送ビットを選択する転送ビット選択装置を設け、
同一の監視対象から、エラー信号を複数回連続して受信した場合、
前記転送ビット選択装置は、エラー信号の到着の順番に基づいて、前記ラッチレジスタにラッチされた計数値の所定のビット位置のデータを選択して、前記CPUに転送することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項9ないし13いずれか一項記載の監視制御装置において、
前記監視対象に対応する前記計数装置のビット幅の複数個の和が、前記CPUのデータバス幅以下の場合、
ビット幅の複数個の和が前記CPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値をまとめて、前記ラッチレジスタにラッチすることを特徴とする監視制御装置。 - 請求項14記載の監視制御装置において、
前記監視対象に対応する前記計数装置に対応してI/Oレジスタを設け、
ビット幅の複数個の和が前記CPUのデータバス幅以下の計数装置の計数値を前記I/Oレジスタの同じアドレスに蓄積することを特徴とする監視制御装置。 - 請求項1ないし15いずれか一項記載の監視制御装置において、
無効レジスタを設け、
該無効レジスタに値が書き込まれた場合、関係する計数値をクリアすることを特徴とする監視制御装置。 - 複数の監視対象から検出されたエラー信号を計数して監視を行う監視方法において、
監視制御装置に用いられる制御信号及びエラー信号を同期信号に変換した後、各監視対象毎にエラー数を計数することを特徴とする監視制御方法。 - 請求項17記載の監視制御方法において、
監視対象毎にアドレスを割り振り、該アドレスに基づいて、前記監視対象からエラー信号を収集することを特徴とする監視制御方法。 - 請求項18記載の監視制御方法において、
複数の監視制御装置の一つを選択する監視制御装置選択信号を合わせて使用することにより、前記アドレスの内、下位ビットのみを使用することを特徴とする監視制御方法。 - 請求項19記載の監視制御方法において、
前記アドレスの上位アドレスは、無視して、エラー信号、メインカウンタ及び転送開始信号の選択を行うことを特徴とする監視制御方法。
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