JP3543932B2 - 電動車両の回生制動制御方法 - Google Patents

電動車両の回生制動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機により駆動される二輪車や四輪車等の電動車両において、電動機からバッテリに所定の回生充電電流を流すことにより車両に制動をかける回生制動制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バッテリを電源とした電動機により駆動される電動車両においては、平地を慣性により走行しているときや、下り坂を走行しているとき等に、電動機が外部から駆動される状態になると電動機が発電機として作用し、電機子コイルに電圧が誘起する。この電機子コイルの誘起電圧でバッテリに回生充電電流を流すことにより、車両に制動をかける方法が知られている。
【0003】
バッテリにより駆動される電動機においては、基本的には、電機子巻線の印加電圧と、電機子巻線に与えられる駆動電流とにより回転速度が決る。直流電動機においては、ブラシ付きの電動機の場合も、ブラシレス直流電動機の場合も、バッテリの電圧EB と電機子電流I(平均値)と回転速度Nとの間に、等価的に下記の式が成立する。
【0004】
EB =k・π(N/60)・p・kw ・w・Φ+I・r …(1)
ここで、kは定数、pは電動機の極対数、wは電機子巻線の巻数、kw は巻線係数、rは電機子巻線の内部抵抗、Φは界磁により与えられる磁束である。
【0005】
(1)式において、右辺の第1項は電機子巻線の誘起電圧(平均値)を示し、第2項は電機子巻線における電圧降下を示している。電動機の回転速度が上昇していくと、第1項の誘起電圧が上昇していき、該誘起電圧がバッテリ電圧に等しくなると電機子電流Iが零になる。(1)式においてI=0とした場合の回転速度は無負荷速度と呼ばれる。直流電動機の無負荷速度No は、下記の式により与えられる。
【0006】
No =(60EB )/(k・π・p・kw ・w・Φ) …(2)
電動機はその回転速度が無負荷速度No 以下の領域で電動機として作用し、無負荷速度No を超える領域では発電機として作用することになる。無負荷速度No は電源電圧EB を変えることにより変化させることができる外、ブラシ付き直流電動機では弱め界磁制御により変化させることができ、ブラシレス直流電動機では制御進み角制御を行なうことにより変化させることができる。
【0007】
電動車両においてダイレクトドライブ方式(電動機の出力軸を変速機を介することなく、駆動車輪の車軸に直接伝達する方式)が採用されているものとすると、車輪の直径をDとした場合、電動機の無負荷速度No に相応する車両の走行速度Vo は下記の式で与えられる。
【0008】
Vo =π・D・No …(3)
本明細書では(3)式で与えられる走行速度Vo を無負荷走行速度と呼ぶことにする。
【0009】
電機子コイルにバッテリ電圧EB が印加されている電動機を外部から駆動して上記の無負荷速度No を超える回転速度で回転させると、電機子コイルに誘起する電圧(平均値)がバッテリ電圧を超えるため、電動機側からバッテリ側に回生充電電流が流れるようになる。
【0010】
図7は、ブラシレス直流電動機を駆動源とした電動二輪車において、電機子コイルにバッテリ電圧が印加されている電動機を外部から駆動する状態にしたときに電動機側からバッテリに流れる回生充電電流Ia と走行速度Vとの関係、及び該充電電流Ia が流れることにより生じる制動トルクτa と走行速度Vとの関係を示したものである。ダイレクトドライブ方式の電動車両の場合、図7の横軸の走行速度Vは電動機の回転速度N[rpm]に対応している。
【0011】
周知のように、ブラシレス直流電動機が用いられる場合には、多くの場合、n相(nは3以上の整数)の電機子コイルに駆動電流を転流させるために、スイッチ素子のブリッジ回路と各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとからなるn相ブリッジ形のインバータ回路が用いられ、回転子の位置を検出する位置センサの出力に応じてインバータ回路のスイッチ素子がオンオフ制御されて、バッテリから該インバータ回路を通して電機子コイルに所定の相順で転流する駆動電流が供給される。
【0012】
上記のインバータ回路においては、各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードによりn相ダイオードブリッジ全波整流回路が構成され、電動機が外部から駆動される状態になって電機子コイルに誘起する電圧がバッテリ電圧を超えたときには、電動機側から上記ダイオードブリッジ全波整流回路を通してバッテリに回生充電電流が流れる。
【0013】
図7において、横軸に示した速度Vo はバッテリにより電動機を駆動した場合の無負荷走行速度であり、理屈の上では、図に破線で示したように、(3)式により与えられる無負荷走行速度Vo を超える速度で電動車両が走行した場合に始めて電動機側からバッテリに回生充電電流が流れることになるが、実際には、電機子コイルの誘起電圧の波高値がバッテリ電圧を超えるようになる走行速度Vo ´(<Vo )から回生充電電流が流れ始める。回生充電電流が流れると電動機が制動トルクを生じるため、車両の速度が低下させられる。車両が無負荷走行速度Vo を超える速度で走行する状態になるのは、例えば車両が下り坂を走行する場合である。
【0014】
ここで、電動車両の法定速度をVs (電動二輪車の場合、Vs =30[km/h])とし、Vs ±0.33Vs の範囲の速度領域を中速領域、Vs −0.33Vs 以下の速度領域を低速領域、Vs +0.33Vs から2×Vs までの速度領域を高速領域、2×Vs を超える速度領域を超高速領域とすると、図7に示した例では、走行速度が高速領域に入らないと回生制動が有効に働かないことになる。
【0015】
上記のように、従来の方法により回生制動をかけた場合には、走行速度が無負荷走行速度Vo を超えないと回生制動が有効に働かないが、走行速度が無負荷走行速度Vo を超える状態になるのは例えば下り坂を走行する際であり、それも法定速度を大幅に超える高速領域まで加速された際である。そのため、従来の電動車両では、平地を法定速度付近の中速領域の速度で走行する定常走行時に回生制動による制動効果を期待することができず、運転者により操作される摩擦ブレーキのみに頼らざるを得ないという問題があった。
【0016】
法定走行速度付近で回生制動により有効な制動効果を得るために、電動機の無負荷速度No を低く設定することが考えられるが、無負荷速度No を低く設定すると法定速度付近(中速領域)での走行性能が著しく低下するので実用的でない。また無負荷速度No を低く設定した場合には、高速領域でバッテリに過大な回生充電電流が流れるため、長い下り坂を走行したような場合にバッテリが破損するおそれがある。
【0017】
そこで、本出願人は先に、オン状態になったときに電動機の電機子コイルを短絡する電機子コイル短絡用スイッチ手段を設けて、電動車両の制動時の走行速度が電動機の無負荷速度に相応する速度よりも高い値に設定されたスイッチング終了速度Vh 以上になっているときに電機子コイル短絡用スイッチ手段をオフ状態に保持し、制動時の走行速度が上記スイッチング終了速度未満のときにオンデューティ比を走行速度の変化に伴って変化させつつ該スイッチ手段をオンオフ制御するようにした回生制動制御方法を提案した。
【0018】
この既提案の回生制動制御方法では、例えば、バッテリと電機子コイルとの間に設けるインバータ回路のブリッジの下辺を構成するスイッチ素子を上記電機子コイル短絡用スイッチ手段として用いて、制動時の走行速度が上記スイッチング終了速度未満のときにオンデューティ比を走行速度の低下に伴って所定の変化率で増加させるように該オンデューティ比を走行速度の変化に伴って変化させつつブリッジの下辺のスイッチ素子を同時にオンオフさせ、これにより、走行速度がスイッチング終了速度未満のときに流れる回生充電電流をバッテリの充電電流の許容範囲の上限値以下に制限するようにしていた。
【0019】
なおここでオンデューティ比とは、スイッチ手段を周期Tでオンオフ制御する場合に、オン時間Tonとオフ時間Toff との和Ton+Toff (=T)に対するオン時間Tonの比[Ton/(Ton+Toff )]を意味する。
【0020】
上記のように、電動機が外部から駆動される状態になったときに、電機子コイルを短絡し得るように設けたスイッチ手段をオンオフ制御すると、スイッチ手段がオン状態からオフ状態になった際にそれまで流れていた短絡電流を流し続けようとする極性の高い電圧がn相の電機子コイルに誘起するため、電動機の回転速度が無負荷速度No より低い状態でも、電機子コイルからバッテリに回生充電電流を流すことができる。従って、電動機の無負荷速度に相応する速度Vo より低い走行速度で平地を走行している状態でも制動時にバッテリに回生充電電流を流して回生制動効果を得ることができ、安全性を高めることができる。
【0021】
上記のように、電機子コイルを短絡し得るように設けたスイッチ手段をオンオフさせて電機子コイルに電圧を誘起させることにより回生充電電流を流して制動効果を得る場合、各回転速度において流れる回生充電電流をできるだけ大きくして制動効果を大きくすることを狙うのであれば、各走行速度において流れる回生充電電流を最大にするように、スイッチ手段のオンデューティ比(オン時間Tonとオフ時間Toff との和Ton+Toff に対するオン時間Tonの比)Dを回転速度に反比例させて変化させるようにすればよい。
【0022】
図8は、電動機1を外部から駆動したときにバッテリに流れる回生充電電流と走行速度との関係、回生充電電流により生じる制動トルクと走行速度との関係、及びスイッチ手段のオンデューティ比と走行速度との関係を示したもので、同図において、Ia は、電動機が外部から駆動される状態になったときに、電動機からインバータ回路の帰還ダイオードにより構成された全波整流回路を通してバッテリに供給される回生充電電流を示している。またτa は、充電電流Ia により生じる制動トルク(電動機を発電機として動作させて負荷に電流Ia を流すために必要な入力トルク)である。充電電流Ia 及び制動トルクτa の特性曲線は、図7に示したものと同様のものである。ここで便宜上、Ia を全波整流充電電流と呼び、τa を全波整流充電トルクと呼ぶことにする。
【0023】
図8においてDm はデューティ比を示し、Ibmは、図示のようにオンデューティ比Dm を走行速度に反比例させて変化させつつスイッチ素子を同時にオンオフさせた場合に流れる回生充電電流を示している。またτbmは充電電流Ibmにより生じる制動トルクを示している。スイッチングにより流れる回生充電電流Ibmをスイッチング充電電流と呼び、同充電電流により生じる制動トルクτbmをスイッチング充電トルクと呼ぶことにする。
【0024】
図8に示した例では、ほぼ原点から立上るスイッチング充電電流Ibm対走行速度V(この例ではダイレクトドライブ方式であるので電動機の回転速度Nに対応している。)の特性直線が、全波整流充電トルクτa が最大になる走行速度Vm で全波整流充電電流Ia 対走行速度Vの特性曲線に接するように、オンデューティ比Dm を変化させている。このようにオンデューティ比Dm を変化させると、各走行速度において最大の充電トルクを得ることができ、回生制動効果を最大にすることができる。
【0025】
ところが上記のようにスイッチ手段のオンデューティ比を回転速度に応じて変化させると、スイッチング充電電流Ibmが過大になることがある。例えば、バッテリが鉛蓄電池からなっていて、その充電電流の適正範囲が図8の縦軸に示したように1C〜2C(Cはバッテリの25℃における定格放電率換算容量)の範囲にあるとすると、高速領域でスイッチング充電電流Ibmが許容範囲を超えてしまうことになる。電動車両は、下り坂を走行する際に容易にその走行速度が高速領域に入るので、上記のようにオンデューティ比を変化させた場合には、回生充電電流が過大になってバッテリが破損するおそれがある。シール鉛蓄電池の場合には、充電電流の適正範囲が0.2C〜0.5C程度であるので、上記のようにオンデューティ比を変化させると更に低い速度で回生充電電流が許容値を超えることになる。
【0026】
そこで、既提案の発明においては、図9に示すように、電動車両の制動時の走行速度が電動機の無負荷速度に相応する速度Vo よりも高い値に設定されたスイッチング終了速度Vh 以上になっているときにオンデューティ比を0としてスイッチ手段をオフ状態に保持し、制動時の走行速度がスイッチング終了速度Vh 未満のときにオンデューティ比Db を走行速度の低下に伴って所定の変化率で増加させるように該オンデューティ比を走行速度の変化に伴って変化させつつスイッチ手段をオンオフ制御する。そして、走行速度がスイッチング終了速度Vh に達したときに流れる回生充電電流Ib をバッテリの充電電流の許容範囲の上限値以下に制限するようにオンデューティ比Db の変化率を設定する。
【0027】
なおスイッチ手段のオン時間をTon、オフ時間をToff 、オンオフの周期をT=Ton+Toff とした場合、オンデューティ比DはD=Ton/Tで与えられるが、ここで、オンオフの周期Tは走行速度の如何に係わりなく一定に保持されるものとする。
【0028】
図9に示した例では、スイッチング充電電流Ib を許容範囲の中間値である1.5C以下に制限するようにしており、全波整流充電電流Ia が1.5Cに等しくなる走行速度をスイッチング終了速度Vh としている。なお図9において、Dm ,Ibm及びτbmはそれぞれ図8に示したDm ,Ibm及びτbmと同じものである。
【0029】
上記のように、バッテリと電機子コイルとの間に設けられたインバータ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子を同時にオンオフさせるように制御すると、該スイッチ素子が同時にオン状態になったときに電機子コイルが短絡されて短絡電流が流れ、該スイッチ素子がオフ状態になった際にそれまで流れていた短絡電流を流し続けようとする極性の高い電圧が電機子コイルに誘起する。そのため、電動機の回転速度が無負荷速度No より低い状態でも、電機子コイルからバッテリに回生充電電流を流すことができ、電動機の無負荷速度に相応する速度Vo より低い走行速度で平地を走行している状態でもバッテリに回生充電電流を流して制動効果を得ることができ、安全性を高めることができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、既提案の制御方法では、インバータ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比で同時にオンオフさせるように制御し、速度によってオンデューティ比を変えることにより、幅広い回転速度領域で回生制動効果を得るようにしていた。
【0031】
既提案の制御方法による場合、より大きい制動トルクを得ようとすると、回転速度の上昇に伴ってオンデューティ比を小さくしなければならないが、速度がスイッチング終了速度Vh 以上になるとオンデューティ比が零になり、回生充電電流の制御を行うことができなくなるという問題があった。また制動トルクは、オンデューティ比が零のときの大きさ(インバータ回路のダイオードブリッジ全波整流回路を通して回生充電電流が流れたときの大きさ)以上の大きさにすることはできなかった。
【0032】
そのため、既提案の回生制御方法により回生充電電流を制御している状態で、車両の走行速度が高速領域から超高速領域に入ってしまった場合には、制動トルクが不足する上に、バッテリが過充電状態になって破損するおそれがあった。特にバッテリがニッケルカドミウム電池の場合には、過充電ぎみになるとバッテリ電圧が低下して充電電流が急激に増大するため、発火するおそれがあり、危険であった。
【0033】
本発明の目的は、高速領域及び超高速領域においても、回生充電電流及び制動トルクを制御することができるようにして、制動トルクが不足したり、バッテリが過充電状態になったりするのを防ぐことができるようにした電動車両用回生制動制御方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子とn個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置と磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えて、位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで電機子コイルの励磁相を切り替えるようにインバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリからインバータ回路を通して電機子コイルに駆動電流を流して回転子を回転させるブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、電動機の電機子コイルに誘起する電圧でバッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて車両の走行速度を低下させる回生制動制御方法を対象とする。
【0035】
本発明においては、車両に制動をかける際に、電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して所定の位相角を有する界磁調整用交流電圧をバッテリからインバータ回路を通して電機子コイルに印加するようにインバータ回路の上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子を制御し、界磁調整用交流電圧の位相角を遅れ側または進み側に変化させることにより、電機子コイルに鎖交する磁束を増加または減少させて回生充電電流及び制動トルクを制御する。
【0036】
上記のように、バッテリからインバータ回路を通して、電機子コイルの誘起電圧に対して所定の位相角を有する界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加すると、電機子コイルの誘起電圧に対する界磁調整用交流電圧の位相角を制御することにより、電機子コイルに鎖交する磁束を増加または減少させて、回生充電電流の大きさ及び制動トルクの大きさを制御することができる。
【0037】
即ち、界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して進角させると、電機子コイルに作用する界磁が減磁されて電機子コイルに鎖交する磁束の量が減少するため、回生充電電流が小さくなり、制動トルクが小さくなる。また界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して遅角させると、電機子コイルに作用する界磁が増磁されて、電機子コイルに鎖交する磁束の量が増加するため、回生充電電流が大きくなり、制動トルクが大きくなる。
【0038】
本発明においてはまた、車両に制動をかける際に、界磁調整用電流をPWM制御するようにしてもよい。界磁調整用電流をPWM制御する場合には、位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングを基準にしてインバータ回路の各上辺のスイッチ素子及び各下辺のスイッチ素子のオン期間を定めて、オン期間にある上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせる。上記のように、界磁調整用交流電圧の位相角を制御するとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせることにより、界磁調整用電流をPWM制御するようにすると、回生充電電流及び制動トルクの制御幅を更に大きくすることができる。
【0039】
例えば、界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して進角させた状態でインバータ回路の上辺または下辺のスイッチ素子のオンオフ動作のオンデューティ比を大きくしていくと、界磁調整用電流をPWM制御しない場合(オンデューティ比を100%とした場合)よりも、回生充電電流を更に小さくすることができる。
【0040】
また界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して遅角させた状態でスイッチ素子のオンデューティ比を小さくすると、界磁調整用電流をPWM制御しない場合(オンデューティ比を100%とした場合)よりも、制動トルクが更に大きくなる。
【0041】
上記のように、界磁調整用交流電圧の位相角を変えると、回生充電電流及び制動トルクの大きさを変化させることができ、界磁調整用交流電圧の位相角とインバータ回路のスイッチ素子のオンデューティ比との双方を変えることにより、回生充電電流及び制動トルクを更に大幅に変化させることができる。
【0042】
従って、例えば、高速領域に入ったときに電機子コイルの誘起電圧に対して進角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、回生充電電流を小さくしてバッテリの過充電を防ぐことができ、同時に各スイッチ素子のオンデューティ比を大きくすることにより、回生充電電流を更に小さくすることができる。
【0043】
また電機子コイルの誘起電圧に対して遅角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、制動トルクを増大させることができるため、インバータ回路の各スイッチ素子のオンデューティ比を大きくして回生充電電流を制限した状態で界磁調整用交流電圧を電機子コイルの誘起電圧に対して遅角させることにより、バッテリを過充電状態にすることなく、車両の減速効果を高めることができる。
【0044】
例えば、車両の速度が高速領域から超高速領域に入る前に電機子コイルの誘起電圧に対して遅角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、バッテリを過充電状態にすることなく、車両を減速することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
一般のブラシレス直流電動機は、磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子とn個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置と磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えていて、位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで電機子コイルの励磁相を切り替えるようにインバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリからインバータ回路を通して電機子コイルに駆動電流を流して回転子を回転させる。本発明は、このようなブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、電動機の電機子コイルに誘起する電圧で前記バッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて車両の走行速度を低下させる回生制動制御方法で、本発明の一実施形態において用いる電動車両用駆動制御装置のハードウェアの構成の一例を図1に示した。
【0046】
図1において、1はブラシレス直流電動機で、磁石界磁を有する回転子1Aと、固定子1Bとにより構成されている。
【0047】
一般にn相のブラシレス直流電動機においては、回転子に設けられる磁石界磁が2m極(mは1以上の整数)に構成され、固定子側がn×m極に構成される。固定子は、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有していて、電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が磁石回転子の磁石界磁に対向させられる。
【0048】
図1に示した例は、n=3,m=1とした場合で、同図に示したブラシレス直流電動機1は、カップ状に形成された回転子ヨーク101の周壁部の内周に永久磁石102及び103を取り付けて2極の磁石界磁を構成した回転子1Aと、120度間隔で設けられた歯部Pu〜Pwを有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部Pu〜Pwにそれぞれ巻回された3相の電機子コイルAu〜Awとを有する固定子1Bとからなっており、電機子コイルAu〜Awは星形結線されている。
【0049】
固定子1B側には回転子の磁石界磁の回転角度位置を検出する位置検出装置2が設けられている。位置検出装置2は、3相の電機子コイルAu〜Awのそれぞれに対して設けられて、120度の角度間隔をもって配置された3相の位置センサhu〜hwを備えていて、電機子鉄心104の歯部Pu〜Pwのそれぞれの先端の磁極部の中心位置と磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を3相の位置検出信号Hu〜Hwとして発生する。
【0050】
3相以上のブラシレス直流電動機では、一度に2以上の相の電機子コイルを励磁して、回転子の位置に応じて、励磁相の組み合わせを順次切り替えていく。したがって、3相以上のブラシレス直流電動機の励磁相切替タイミングは、電機子コイルの励磁相の組み合わせを切り替えるタイミングである。
【0051】
各相の位置センサはホールICからなっていて、検出している磁極の極性に応じて異なるレベルの電圧信号を出力する。図示の例では、ブラシレス直流電動機1を駆動する際に、各相の電機子コイルに流す駆動電流の通電角を電気角で180度とする180度スイッチング制御を行うものとしている。そのため、図示の例では、180度スイッチング制御を行う場合の位置センサの普通の配置の仕方に従って、3相の位置センサhu〜hwはそれぞれ対応する相の電機子コイルAu〜Awが巻回された電機子鉄心の歯部Pu〜Pw(各相の電機子コイルが複数の歯部に巻回される場合には、各相の電機子コイルが巻回される複数の歯部のうちの1つの歯部)の先端の磁極の中心位置よりも電気角で90度位相が進んだ位置に配置されて、回転子1Aの磁石界磁の磁極の極性を検出することにより、それぞれの相の電機子コイルが巻かれた歯部の磁極部の中心位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致した状態になるタイミングをそれぞれの相の基準励磁相切替タイミングとして検出する。
【0052】
位置センサhu〜hwが発生する位置検出信号Hu〜Hwは、基準励磁相切替タイミングの情報を含む波形の信号であればよいが、位置センサとしてホールICを用いた場合、該ホールICは、検出している磁極の極性がN極のときとS極のときとで異なるレベルの信号を発生するので、位置検出信号Hu〜Hwの波形は図2(A)ないし(C)に示すように矩形波状の波形になり、それぞれ位置検出信号の立上り及び立下がりがそれぞれ基準励磁相切替タイミングになる。
【0053】
電動機1の出力軸は車両の駆動車輪に直結されるか、または減速機を介して連結される。一般に電動機と駆動車輪との間にはクラッチが設けられないため、制動時や坂道を下る際等には電動機が外部から駆動される状態になり、このとき電動機1は同期発電機として作用して交流電圧を発生する。以下の説明では電動車両においてダイレクトドライブ方式が採用されているものとし、電動機の出力軸が駆動車輪に直結されているものとする。
【0054】
図1に示された電動車両用駆動制御装置の構成を更に説明すると、同図において、3はバッテリ、4は運転者により操作されるキースイッチ、5は励磁コイル5aと励磁コイル5aが励磁されたときに閉じる接点5bとを有する主リレー、6は電動機1の電機子コイルAu〜Awへの駆動電流の供給と該駆動電流の転流とを行わせるブリッジ形のインバータ回路、7はインバータ回路6のスイッチ素子にトリガ信号を与えるスイッチ駆動回路、8は制御ユニット、9は車両の走行速度を調節するために運転者により操作される速度調節部材(例えばアクセルグリップやアクセルペダル)の位置を検出するアクセルセンサ、10はインバータ回路6の直流入力端子間に接続されたサージ吸収素子である。
【0055】
図示の例では、バッテリ3の出力電圧がキースイッチ4を介してDC−DCコンバータ20に印加され、バッテリ3の出力電圧(この例では56V)がDC−DCコンバータ20により12Vの直流電圧に変換される。DC−DCコンバータ20から得られる直流電圧は主リレー5の励磁コイル5aと、ヘッドランプやウィンカー等の点灯負荷22とに印加されている。
【0056】
一般にブリッジ形のインバータ回路6は、駆動信号が与えられている間だけ導通する単方向性スイッチ素子をブリッジ接続して構成したスイッチ素子のブリッジ回路と、各スイッチ素子の両端に逆並列接続された帰還ダイオードとからなっている。
【0057】
なおここでスイッチ素子をブリッジ接続するとは、スイッチ素子を周知のダイオードブリッジ全波整流回路と同様にブリッジ接続することを意味し、一般にこの種の接続をしたブリッジ回路は、2個のスイッチ素子を極性を同じにして直列に接続したものからなるスイッチ素子直列回路を複数個設けて、該複数個のスイッチ素子直列回路を互いに並列に接続した回路構成を有する。n相(nは3以上の整数)ブラシレス直流電動機をブリッジ形のインバータ回路を用いて駆動する場合には、2n個のスイッチ素子をブリッジ接続して構成したスイッチ素子のブリッジ回路(n個のスイッチ素子直列回路を並列接続して構成したインバータ回路)が用いられる。
【0058】
このような回路構成を有するインバータ回路では、n個のスイッチ素子直列回路の一端側の共通接続点及び他端側の共通接続点(インバータ回路の両端)を対の直流入力端子(バッテリの電圧が印加される端子)として、該対の直流入力端子間に直流電源電圧を印加する。またn個のスイッチ素子直列回路のそれぞれのスイッチ素子どうしの接続点から引き出したn個の端子を出力端子(n個の電機子コイルに接続される端子)として、これらの出力端子にブラシレス直流電動機の電機子コイルを接続する。更にこの種のインバータ回路をn個の出力端子側から見た場合、n個の帰還ダイオードにより、ダイオードブリッジ全波整流回路が構成されている。
【0059】
本明細書においては、インバータ回路を構成するスイッチ素子のブリッジ回路の、正極性側の直流入力端子と出力端子との間に位置するスイッチ素子をブリッジの上辺を構成するスイッチ素子またはブリッジの上辺のスイッチ素子と呼び、負極性側の直流入力端子と出力端子との間に位置するスイッチ素子をブリッジの下辺を構成するスイッチ素子またはブリッジの下辺のスイッチ素子と呼んでいる。
【0060】
上記のようにスイッチ素子をブリッジ接続して構成したインバータ回路6をバッテリ3とn相のブラシレス直流電動機の電機子コイルAu〜Awとの間に設けると、インバータ回路6のブリッジの上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子をそれぞれ1つずつ所定のタイミングでオンオフさせることにより、バッテリ3の出力電圧を交流電圧に変換して電機子コイルAu〜Awに印加することができ、これにより電機子コイルAu〜Awに駆動電流を所定の相順で転流させて電動機を回転させることができる。
【0061】
図1に示した例で用いるインバータ回路6は、スイッチ素子SuとSxとを直列に接続して構成したスイッチ素子直列回路、SvとSyとを直列に接続して構成したスイッチ素子直列回路及びSwとSzとを直列に接続して構成したスイッチ素子直列回路を並列に接続(3相全波ブリッジ接続)するとともに、スイッチ素子Su,Sv,Sw及びSx,Sy,Szのそれぞれの両端に帰還ダイオードDu,Dv,Dw及びDx,Dy,Dzを逆並列接続して構成したものである。図示のインバータ回路6においては、各スイッチ素子として電界効果トランジスタ(FET)が用いられ、スイッチ素子Su〜Swを構成するFETのドレインの共通接続点が正極性側の直流入力端子6aとなり、スイッチ素子Sx〜Szを構成するFETのソースの共通接続点が負極性側の直流入力端子6bとなっている。またスイッチ素子Su〜Swをそれぞれ構成するFETのソースとスイッチ素子Sx〜Szをそれぞれ構成するFETのドレインとの接続点が3相の出力端子6u〜6wとなっている。
【0062】
図示のインバータ回路6を電動機1側から見た場合、帰還ダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzにより全波ブリッジ整流回路が構成され、電動機1が外部から駆動される状態になって電機子コイルAu〜Awに3相交流電圧が誘起した際に、ダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzからなる全波ブリッジ整流回路と主リレー5の接点5bとを通してバッテリ3に回生充電電流が流れる。
【0063】
この例では、インバータ回路6の正極性側の直流入力端子6aと出力端子との間に位置するスイッチ素子Su〜Swがブリッジの上辺のスイッチ素子であり、負極性側の直流入力端子6bと出力端子との間に位置するスイッチ素子Sx〜Szがブリッジの下辺のスイッチ素子である。
【0064】
インバータ回路6の正極性側の直流入力端子6aは主リレーの接点5bを介してバッテリ3の正極端子に接続されている。またインバータ回路6の負極性側の直流入力端子6bは電流検出用抵抗R1 を通して接地され、バッテリ3の負極端子は充電電流検出用抵抗R2 を通して接地されている。インバータ回路6の3相の出力端子6u,6v及び6wには、ブラシレス直流電動機1の3相の電機子コイルAu〜Awの中性点と反対側の端子がそれぞれ接続されている。
【0065】
制御ユニット8はCPU12と、該CPUに電源電圧を与える電源回路21と、発光ダイオードやブザー等からなる表示器13への通電をオンオフするスイッチ手段としてのトランジスタ14a〜14cとを有している。
【0066】
電源回路21は、DC−DCコンバータ20から与えられる12[V]の電圧を5[V]の直流定電圧に変換してCPU12の電源端子に供給する。
【0067】
CPU12には、位置検出装置2の出力、アクセルセンサ9の出力、バッテリ3の出力電圧Bの検出値、温度センサ15により検出されたバッテリ3の温度の検出値、抵抗R1 の両端の電圧を増幅器AMP(1) により増幅して得た電動機の駆動電流の検出値、抵抗R2 の両端の電圧を増幅器AMP(2) により増幅して得た回生充電電流の検出値、分圧回路16により検出されたインバータ回路6の正極性側直流入力端子と接地間の電圧の検出値、ラッチ回路17に保持された駆動電流の検出値、温度センサ18により検出されたインバータ回路6の温度の検出値、及び温度センサ19により検出された電動機1の巻線温度の検出値が入力されている。これらの信号の内アナログ信号は、CPU12に設けられているA/D端子を通してデジタル信号に変換されてCPUに読み込まれる。
【0068】
CPU12は、図示しないROMまたはEEPROMに記憶されたプログラムを実行することにより、電機子コイルAu〜Awに流す駆動電流の大きさの調整と転流とを行わせるべくインバータ回路6のスイッチ素子をオンオフ制御するスイッチ制御手段(駆動指示信号u´〜w´,x´〜z´及びPWM信号を発生させる手段)や、電動機が外部から駆動される状態になったときに該電動機の電機子コイルに誘起する電圧でバッテリ3に流れる回生充電電流を制御する回生電流制御手段や、表示器13に警告表示や各部の状態の表示(例えば温度表示)等の各種の表示動作を行わせるべく、トランジスタ14a〜14cをオンオフ制御する表示制御手段等を実現する。
【0069】
CPU12は、7個の出力ポートからそれぞれ駆動指示信号u´〜w´及びx´〜z´とPWM信号とを発生する。これらの信号はインターフェース回路7Aを通してドライブ回路7Bに与えられる。
【0070】
駆動指示信号u´〜w´,x´〜z´は、インバータ回路6を構成するスイッチ素子のうち、導通させる必要があるスイッチ素子を指示する信号であり、PWM信号は電機子コイルに流す駆動電流の平均値に相応したオンデューティ比で断続するパルス信号である。
【0071】
スイッチ駆動回路7は、インバータ回路6を構成するスイッチ素子Su〜Sw及びSx〜Szにそれぞれ駆動信号eu〜ew及びex〜ezを供給する回路で、図示のスイッチ駆動回路7は、DC−DCコンバータ20から直流電源電圧が与えられて動作するインターフェース回路7Aとドライブ回路7Bとにより構成されている。
【0072】
ドライブ回路7Bは、駆動指示信号u´〜w´及びx´〜z´とPWM信号とに応じて、インバータ回路6のブリッジの上辺のスイッチ素子Su〜Swに所定のパルス幅を有する駆動信号eu〜ewを与え、ブリッジの下辺のスイッチ素子Sx〜Szに所定のオンデューティ比をもって変化するパルス幅変調された駆動信号ex〜ezを与える。これにより、上辺のスイッチ素子Su〜Swのうち、駆動信号が与えられたスイッチ素子が、駆動信号のパルス幅に相当する時間だけ導通し、下辺のスイッチ素子Su〜Swのうち、パルス幅変調された駆動信号が与えられたスイッチ素子が所定のオンデューティ比でオンオフして所定の相の電機子コイルにパルス幅変調された駆動電流を流す。
【0073】
位置検出装置2を構成するホールICが図2(A)〜(C)のように矩形波信号(位置検出信号)Hu〜Hwを発生する場合、スイッチ素子Su〜Sw及びSx〜Szにそれぞれ与えられる駆動信号eu〜ew及びex〜ezは図2(D)〜(F)及び(G)〜(I)のようになり、これらの駆動信号eu〜ew及びex〜ezがそれぞれ高レベルの状態にある期間スイッチ素子Su〜Sw及びSx〜Szがオン状態になる。なお図2(D)〜(F)及び(G)〜(I)の波形は駆動電流のオンデューティ比が100%の場合を示している。
【0074】
また車両に制動をかける際には、位置検出装置2により検出される基準励磁相切替タイミングを基準にしてインバータ回路6の上辺のスイッチ素子Su〜Sw及び下辺のスイッチ素子Sx〜Szのそれぞれのオン期間を定めて、オン期間にある上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせる(駆動信号を断続させる)ことにより、電機子コイルAu〜Awの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して進み位相角を有する界磁調整用交流電圧または遅れ位相角を有する界磁調整用交流電圧をバッテリ3からインバータ回路6を通して電機子コイルAu〜Awに印加して、該界磁調整用交流電圧により電機子コイルに界磁調整用電流を流す。そして、界磁調整用交流電圧の位相角と界磁調整用電流の平均値とを制御することにより、電機子コイルに鎖交する磁束を増加または減少させて回生充電電流及び制動トルクを制御する。
【0075】
また図示の例では、駆動電流の検出値をラッチするラッチ回路17の出力または増幅器AMP(1) の出力がドライブ回路7Bに入力されている。ドライブ回路7Bは、駆動電流の検出値を取り込んで電機子コイルAu〜Awに流れる駆動電流を所定の制限値以下に保つ制御を行う。
【0076】
ラッチ回路17は、電機子コイルの短絡事故などにより、過大な駆動電流が流れたときに、駆動電流を直ちに遮断して電機子コイルの焼損を防止する制御を行わせるために設けられている。
【0077】
図1に示した駆動制御装置の動作の概略は次の通りである。運転者によりキースイッチ4が閉じられると、DC−DCコンバータ20が12[V]の直流電圧を出力するため、主リレー5の接点が閉じ、バッテリ3の出力電圧(例えば60[V])がインバータ回路6の直流入力端子間と、電源回路21と、スイッチ駆動回路7のインターフェース7A及びドライブ回路7Bの電源端子とに印加される。
【0078】
制御ユニットのCPU12により実現されるスイッチ制御手段は、位置検出装置2から与えられる位置検出信号Hu〜Hwと図示しない手段により与えられる回転方向指令信号とから励磁すべき相順を求めて、インバータ回路6の所定のスイッチ素子に駆動信号を与えることを指示する駆動指示信号u´〜w´及びx´〜z´をスイッチ駆動回路7に与える。
【0079】
CPU12はまた、位置検出装置2から与えられる信号から(または別個に設けられたエンコーダから)電動機の回転速度の情報を得て、この回転速度情報をアクセルセンサ9から与えられる指示速度情報と比較し、電動機の回転速度を指示速度に一致させるために必要な駆動電流の大きさ(平均値)を演算して、演算した駆動電流の大きさに相応したオンデューティ比で変化するパルス波形のPWM信号をスイッチ駆動回路7に与える。
【0080】
ドライブ回路7Bは、制御ユニット8から与えられる駆動指示信号及びPWM信号に応じて、インバータ回路6のブリッジの上辺のスイッチ素子Su〜Swの中から選択した1つのスイッチ素子に所定の時間幅の駆動信号を与えて該スイッチ素子を導通させるとともに、下辺のスイッチ素子Sx〜Szの中から選択した1つのスイッチ素子に、駆動電流の大きさに相応したオンデューティ比で断続する(PWM変調された)駆動信号を与えて該スイッチ素子をオンオフさせる。これによりインバータ回路6の上辺のスイッチ素子Su〜Sw及び下辺のスイッチ素子Sx〜Szをそれぞれ1つずつ所定の順序で導通させて電動機に駆動電流を流し、電動機を指示速度で回転させる。
【0081】
CPU12により実現される表示制御手段は、バッテリ温度、バッテリ電圧、電動機の回転状況、電動機の温度等を監視して、これらに異常が生じたときにLEDやブザー等の表示器13を動作させて警告表示を行わせる。
【0082】
分圧回路16は、インバータ回路6の両端6a,6b間の電圧を検出して、その検出値をCPU12に与える。CPU12は、この検出値を入力として、インバータ回路6の直流入力端子6a,6b間の電圧が許容値を超えているときにインバータ回路6をブリッジの下辺のスイッチ素子Su〜Swのすべてをオン状態にする過電圧時スイッチオン手段を実現する。
【0083】
上記の電動車両において、バッテリ3が外された状態、またはバッテリの端子の締め付けが緩い状態(端子の電気的接触抵抗が大きい状態)で、回生制動をかけると、インバータ回路6のスイッチ素子に高い電圧が印加され、スイッチ素子が破損するおそれがある。そこで、上記のように過電圧時スイッチオン手段を設けておくと、インバータ回路6の直流入力端子間の電圧が過大になったときに、インバータ回路のブリッジの下辺のスイッチ素子を通して電機子コイルを短絡してスイッチ素子に過電圧が印加されるのを防ぐことができるため、スイッチ素子が過電圧により破損するのを防止することができる。またこの場合、分圧回路16により過電圧が検出されたときに、表示器13を動作させて、警告表示を行わせるようにしてもよい。
【0084】
車両を減速するため、または停止させるためにアクセルグリップ等の速度調節部材を戻すと、車両が減速する過程で電動機が外部から駆動される状態になって、電動機1が同期発電機として働き、電機子コイルAu〜Awに3相交流電圧が誘起する。このときインバータ回路のすべてのスイッチ素子をオフ状態に保つと、電機子コイルから帰還ダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzにより構成されたダイオードブリッジ全波整流回路と主リレーの接点5bとを通してバッテリ3に回生充電電流が流れ、この回生充電電流により、バッテリ3が充電されるとともに、電動機1に制動トルクが生じて車両が減速させられる。
【0085】
このように、車両を減速する過程でインバータ回路のスイッチ素子をオフ状態に保持した場合には、電動機の回転速度が無負荷速度を超えている場合にのみ電動機からバッテリに回生充電電流が流れるため、前述のように、走行速度が高速領域にある場合にしか回生制動による制動効果を得ることができない。
【0086】
そこで本発明においては、位置検出装置2により検出される基準励磁相切替タイミングを基準にしてインバータ回路6の上辺のスイッチ素子Su〜Sw及び下辺のスイッチ素子Sx〜Szのオン期間を定めて、オン期間にある上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせることにより、電機子コイルAu〜Awの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して所定の位相角を有する界磁調整用交流電圧をバッテリ3からインバータ回路6を通して電機子コイルに印加して、該界磁調整用交流電圧により電機子コイルに界磁調整用電流を流し、界磁調整用交流電圧の位相角と界磁調整用電流の平均値とを制御することにより、電機子コイルAu〜Awに鎖交する磁束を増加または減少させて回生充電電流及び制動トルクを制御する。
【0087】
上記界磁調整用交流電圧の位相角は、ブラシレス直流電動機における「制御進み角」に相当する。「制御進み角」は、位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングと、実際の励磁相切替タイミング(駆動電流を流す電機子コイルの相を切り替える際の回転子の回転角度位置)との位相差であるが、この制御進み角が正負の値をとり得るもので、実際の励磁相切替タイミングが基準励磁相切替タイミングに対して遅れ側の位置となる場合には、該制御進み角が負の値をとる。
【0088】
なお基準励磁相切替タイミングは、ブラシレス直流電動機の機械的構造により一義的に決まるものではなく、位置検出装置2を構成する位置センサの取付け位置により決まるものである。通常のブラシレス直流電動機では、各相の電機子コイルに流す駆動電流の通電角(電気角)に応じて、位置検出装置の取付け位置を適当な位置に設定している。例えば、各相の電機子コイルに駆動電流が流れた際に該電機子コイルに誘起する無負荷誘起電圧がピークに達する位置(各相の電機子コイルが巻回された歯部を流れる磁束が零点を通過する位置)の前後90度(電気角)の区間各相の電機子コイルに電流を流す「180度スイッチング制御」を行って電動機を回転させる場合には、各相の電機子コイルが巻回されている歯部の先端の磁極部の中心位置(周方向の中心)が回転子の磁石界磁の各磁極の中心位置に一致した時の回転子の回転角度位置を検出するように各相の位置検出信号を得るための位置センサを取り付ける。
【0089】
例えば、図1に示したように、U相ないしW相の電機子コイルAuないしAwが3つの歯部Pu〜Pwに巻回されている場合に、ホールICからなる位置センサhuないしhwを用いて磁石回転子の磁極を検出することにより、U相ないしW相の位置検出信号を得る場合には、図示のように歯部PuないしPwの磁極部の中心位置からそれぞれ90度位相が進んだ位置に位置センサhu〜hwを配置して磁石界磁の磁極を検出することにより、歯部Pu〜Pwの先端の磁極部の中心位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致する毎にレベルが変化する矩形波状のU相ないしW相の位置検出信号を得るようにするのが普通である。
【0090】
この場合、歯部Pu〜Pwの先端の磁極部の中心位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致するタイミングがそれぞれU相ないしW相の基準励磁相切替タイミングとなり、各相の基準励磁相切替タイミングは、各相の位置センサから得られる矩形波状の位置検出信号のレベルが変化するタイミング(矩形波信号の立上り及び立下がり)となる。
【0091】
また各相の電機子コイルに駆動電流が流れた際に該電機子コイルに誘起する無負荷誘起電圧がピークに達する位置の前後60度の区間各相の電機子コイルに電流を流す「120度スイッチング制御」を行って電動機を回転させる場合には、歯部PuないしPwの磁極部の中心位置からそれぞれ60度位相が進んだ位置にU相ないしW相の位置センサhu〜hwを配置して磁石界磁の磁極を検出することにより、歯部Pu〜Pwの先端の磁極部の中心位置よりも電気角で30度遅れた位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致する毎にレベルが変化する矩形波状のU相ないしW相の位置検出信号を得るようにするのが普通である。この場合、歯部Pu〜Pwの先端の磁極部の中心位置よりも電気角で30度遅れた位置に磁石界磁の各磁極の中心位置が一致した状態になるタイミングが基準励磁相切替タイミングとなり、各相の基準励磁相切替タイミングは、各相の位置センサから得られる位置検出信号のレベルが変化するタイミングとなる。
【0092】
180度スイッチング制御または120度スイッチング制御を行ってブラシレス直流電動機を回転させる場合に上記のように位置センサを配置して、各相の位置検出信号を得るようにした場合には、制御進み角を零とした場合、即ち、各相の位置検出信号のレベルが変化する基準励磁相切替タイミング(位置検出信号の立上り及び立下がり)で励磁される電機子コイルの相の組み合わせを所定の組み合わせに切り替えるようにインバータのスイッチ素子を制御することにより、起動時のトルクを最大にすることができる。しかしながら、常に上記のように位置センサの取り付け位置を設定しなければならないわけではなく、基準励磁相切替位置をインバータ回路の制御にとって都合がよいで位置に設定して、該基準励磁相切替位置で検出信号を発生させるように位置センサを取り付けるようにすることもできる。
【0093】
図1の駆動装置において、車両に制動がかけられた状態になったとき、即ち、電動機が外部から駆動される状態になったときには、バッテリ3からインバータ回路6を通して、電機子コイルAu〜Awの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して所定の位相角(制御進み角)を有する界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加するようにインバータ回路6のスイッチ素子を制御して、該界磁調整用交流電圧により電機子コイルに界磁調整用電流を流す。このようにバッテリからインバータ回路を通して電機子コイルに界磁調整用交流電圧を印加すると、該界磁調整用交流電圧の位相角に応じて、電機子コイルに鎖交する磁束を増加または減少させることができるため、界磁調整用交流電圧の位相角(制御進み角)に応じて、制動トルク及び回生充電電流を変化させることができる。
【0094】
図3は、回生制動により得られる制動トルクと車両の走行速度Vとの関係を与える制動トルク対走行速度特性が界磁調整用交流電圧の位相角(制御進み角)αに応じて変化する様子を示したもので、同図において曲線aは制御進み角α=0°とした場合を示し、曲線b及びcはそれぞれα=12°及びα=24°とした場合を示している。また曲線dはα=−12°とした場合(12°遅角させた場合)を示し、曲線e及びfはそれぞれα=−24°及びα=−36°とした場合を示している。更に曲線gはインバータのスイッチ素子をオフ状態に保って帰還ダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzにより構成される整流回路を通して回生充電電流を流した場合に得られる全波整流充電トルクτa(図8に示されたものと同じ。)を示し、曲線hは図8に示した制動トルクτbmを示している。
【0095】
また図4は、回生充電電流Iの走行速度Vに対する特性が制御進み角αにより変化する様子を示したもので、曲線aは制御進み角α=0°とした場合を示し、曲線b及びcはそれぞれα=12°及びα=24°とした場合を示している。また曲線dはα=−12°とした場合を示し、曲線e及びfはそれぞれα=−24°及びα=−36°とした場合を示している。更に曲線gは、制動時にインバータのスイッチ素子をオフ状態に保った場合に、帰還ダイオードDu〜Dw及びDx〜Dzにより構成される整流回路を通して流れる回生充電電流Iaを示し、曲線hは図8に示したスイッチング充電電流Ibmを示している。
【0096】
図5は、制動時に、インバータ回路6の下辺のスイッチ素子(または上辺のスイッチ素子)を所定のデューティ比でオンオフさせて、界磁調整用電流をPWM制御するようにした場合の制動トルク対走行速度特性を、種々のデューティ比D0 〜D4 をパラメータとして示したものである。同図においてτa及びτbmは図8に示したものと同様である。
【0097】
また図6は、制動時に、インバータ回路6の下辺のスイッチ素子(または上辺のスイッチ素子)を所定のデューティ比でオンオフさせて、界磁調整用電流をPWM制御する場合の回生充電電流対走行速度特性を種々のデューティ比D0 〜D4 をパラメータとして示したもので、Ia及びIbmは図8に示したものと同様である。
【0098】
図3及び図4から明らかなように、界磁調整用交流電圧の位相角を変化させることにより、制動トルク及び回生充電電流を変化させることができる。即ち、界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して進角させる(制御進み角をプラス側に増大させると)と、電機子コイルに作用する界磁が減磁されて電機子コイルに鎖交する磁束の量が減少するため、回生充電電流が小さくなり、回生制動トルクが小さくなる。
【0099】
また界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して遅角させると(制御進み角をマイナス側に増大させると)、電機子コイルに作用する界磁が増磁されて、電機子コイルに鎖交する磁束の量が増加するため、回生充電電流が大きくなり、回生制動トルクが大きくなる。従って、例えば、下り坂を走行する際などに、界磁調整用交流電圧の位相角を遅角させるように、インバータ回路を制御することにより、大きな制動力を得て、車両の速度が制限速度を超えるのを防ぐことができる。
【0100】
界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧に対して進み位相とするか、遅れ位相とするかは、制動時の車両の速度やバッテリの充電状態により相違する。例えば、制動時にバッテリが満充電の状態にあるときには、界磁調整用交流電圧の位相角を進み位相角として回生充電電流を抑制するように制御する。また制動時にバッテリが放電していて、大きな充電電流を流すことが許容される状態にあるときには、界磁調整用交流電圧の位相角を遅れ位相角として制動トルクを増大させるように制御する。
【0101】
また上記のように、界磁調整用交流電圧の位相角を制御するとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせて界磁調整用電流をPWM制御するようにすると、回生充電電流及び制動トルクの制御幅を更に大きくすることができる。
【0102】
例えば、界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して進ませた状態でインバータ回路の上辺または下辺のスイッチ素子のオンオフ動作のオンデューティ比を大きくしていくと、界磁調整用電流をPWM制御しない場合(オンデューティ比を100%とした場合)よりも、回生充電電流を更に小さくすることができる。
【0103】
また界磁調整用交流電圧の位相を電機子コイルの誘起電圧の位相に対して遅らせた状態でスイッチ素子のオンデューティ比を小さくすると、界磁調整用電流をPWM制御しない場合(オンデューティ比を100%とした場合)よりも、制動トルクが更に大きくなる。
【0104】
上記のように、界磁調整用交流電圧の位相角を変えると、回生充電電流及び制動トルクの大きさを変化させることができ、界磁調整用交流電圧の位相角とインバータ回路のスイッチ素子のオンデューティ比との双方を変えることにより、回生充電電流及び制動トルクを更に大幅に変化させることができる。
【0105】
従って、例えば、高速領域に入ったときに電機子コイルの誘起電圧に対して進角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、回生充電電流を小さくしてバッテリの過充電を防ぐことができ、同時に各スイッチ素子のオンデューティ比を大きくすることにより、回生充電電流を更に小さくすることができる。
【0106】
また電機子コイルの誘起電圧に対して遅角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、制動トルクを増大させることができるため、インバータ回路の各スイッチ素子のオンデューティ比を大きくして回生充電電流を制限した状態で界磁調整用交流電圧を電機子コイルの誘起電圧に対して遅角させることにより、バッテリを過充電状態にすることなく、車両の減速効果を高めることができる。
【0107】
例えば、車両の速度が高速領域から超高速領域に入る前に電機子コイルの誘起電圧に対して遅角した界磁調整用交流電圧を電機子コイルに印加することにより、バッテリを過充電状態にすることなく、車両を減速することができる。
【0108】
上記の説明では、電動車両が、電動機の出力軸を変速機を介することなく、駆動輪の軸に直接伝達するダイレクトドライブ方式を採用しているとしたが、ダイレクトドライブ方式の電動車両では、走行速度と電動機の回転速度とが対応しているので、制御を簡単にすることができる。しかしながら、本発明はダイレクトドライブ方式の電動車両に限定されるものではなく、電動機の出力軸を変速機を介して駆動輪に伝達する方式の電動車両でも、変速比を加味して制動時のスイッチングのオンデューティ比を制御することにより、本発明を実施することができる。
【0109】
上記の例では、回生制動をかける際に、インバータ回路の上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子のオンオフのデューティ比を制御するとしたが、インバータ回路の上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子のオンオフのデューティ比を一定として、界磁調整用交流電圧の位相角(制御進み角)のみを制御するようにしてもよい。
【0110】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、車両に制動をかける際に、電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して所定の位相角を有する界磁調整用交流電圧をバッテリからインバータ回路を通して電機子コイルに印加して、該界磁調整用交流電圧の位相角を制御することにより、電機子コイルに鎖交する磁束を増加または減少させて回生充電電流及び制動トルクを制御するようにしたので、高速領域及び超高速領域においても、回生充電電流及び制動トルクを制御して、制動トルクが不足したり、バッテリが過充電状態になったりするのを防ぐことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いる装置の構成例を示した構成図である。
【図2】図1の装置の各部の信号波形を示した波形図である。
【図3】ブラシレス直流電動機により駆動される車両の制動トルク対走行速度特性を界磁調整用交流電圧の位相角をパラメータとして示した線図である。
【図4】ブラシレス直流電動機により駆動される車両の回生充電電流対走行速度特性を、界磁調整用交流電圧の位相角をパラメータとして示した線図である。
【図5】ブラシレス直流電動機により駆動される車両の制動トルク対走行速度特性を、PWM制御される界磁調整用電流のデューティ比をパラメータとして示した線図である。
【図6】ブラシレス直流電動機により駆動される車両の回生充電電流対走行速度特性を、PWM制御される界磁調整用電流のデューティ比をパラメータとして示した線図である。。
【図7】従来の電動車両の回生制動制御方法において制動時に流れる全波整流充電電流と走行速度との関係及び全波整流充電トルクと走行速度との関係を示した線図である。
【図8】ブラシレス直流電動機により駆動される車両において、各走行速度において最大の制動トルクを得るように回生充電電流のスイッチングのオンデューティ比を制御した場合のオンデューティ比Dm と走行速度との関係、スイッチング充電電流Ibmと走行速度との関係、スイッチング充電トルクτbmと走行速度との関係、全波整流充電電流Ia と走行速度との関係及び全波整流充電トルクτa と走行速度との関係を示した線図である。
【図9】既提案の制御方法により回生制動制御を行った場合について、各走行速度において最大の制動トルクを得るように回生充電電流のスイッチングのオンデューティ比を制御した場合のオンデューティ比Dm と走行速度との関係、スイッチング充電電流Ibmと走行速度との関係、スイッチング充電トルクτbmと走行速度との関係、全波整流充電電流Ia と走行速度との関係及び全波整流充電トルクτa と走行速度との関係を示した線図である。
【符号の説明】
1 ブラシレス直流電動機
Au〜Aw 電機子コイル
2 位置検出装置
3 バッテリ
6 インバータ回路
Su〜Sw,Sx〜Sz スイッチ素子
Du〜Dw,Dx〜Dz 帰還ダイオード
7 ドライブユニット
8 コントロールユニット
12 CPU

Claims (4)

  1. 磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して前記電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が前記磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子と前記n個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置と前記磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えて、前記位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで前記電機子コイルの励磁相を切り替えるように前記インバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに駆動電流を流して前記回転子を回転させるブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、前記電動機の電機子コイルに誘起する電圧で前記バッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて前記車両の走行速度を低下させる電動車両の回生制動制御方法において、
    前記バッテリが満充電状態にある状態で前記車両に制動をかける際には、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して位相が進んだ界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加し、前記バッテリが放電していて大きな充電電流を流すことが許容される状態で前記制動をかける際には、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧に対して位相が遅れた界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加するように前記インバータ回路の上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子を制御することを特徴とする電動車両の回生制動制御方法。
  2. 磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して前記電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が前記磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子と前記n個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置と前記磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えて、前記位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで前記電機子コイルの励磁相を切り替えるように前記インバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに駆動電流を流して前記回転子を回転させるブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、前記電動機の電機子コイルに誘起する電圧で前記バッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて前記車両の走行速度を低下させる電動車両の回生制動制御方法において、
    前記バッテリが満充電状態にある状態で前記車両に制動をかける際には、前記位置検出装置により検出される前記基準励磁相切替タイミングを基準にして前記インバータ回路の各上辺のスイッチ素子及び各下辺のスイッチ素子のオン期間を定めて、オン期間にある上 辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせることにより、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧よりも位相が進んだ界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加して、該界磁調整用交流電圧により前記電機子コイルに界磁調整用電流を流し、
    前記バッテリが放電していて大きな充電電流を流すことが許容される状態で前記車両に制動をかける際には、前記位置検出装置により検出される前記基準励磁相切替タイミングを基準にして前記インバータ回路の各上辺のスイッチ素子及び各下辺のスイッチ素子のオン期間を定めて、オン期間にある上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせることにより、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧よりも位相が遅れた界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加して、該界磁調整用交流電圧により前記電機子コイルに界磁調整用電流を流し、
    前記界磁調整用交流電圧の位相角と前記界磁調整用電流の平均値とを制御することにより、前記回生充電電流及び制動トルクを制御することを特徴とする電動車両の回生制動制御方法。
  3. 磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して前記電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が前記磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子と前記n個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置と前記磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えて、前記位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで前記電機子コイルの励磁相を切り替えるように前記インバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに駆動電流を流して前記回転子を回転させるブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、前記電動機の電機子コイルに誘起する電圧で前記バッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて前記車両の走行速度を低下させる電動車両の回生制動制御方法において、
    前記車両に制動をかける際に、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧よりも位相が遅れた界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加するように前記インバータ回路の上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子を制御することを特徴とする電動車両の回生制動制御方法。
  4. 磁石界磁を有する回転子と、周方向に並ぶ多数の歯部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心の歯部に巻回されてn相回路(nは3以上の整数)を構成するように結線されたコイル群からなるn相の電機子コイルとを有して前記電機子鉄心の歯部の先端に形成された磁極部が前記磁石回転子の磁石界磁に対向させられる固定子と、n個の上辺のスイッチ素子と前記n個の上辺のスイッチ素子にそれぞれ対応するように設けられて一端が共通接続されるとともに他端が対応する上辺のスイッチ素子の他端に接続されたn個の下辺のスイッチ素子とを有するスイッチ素子のブリッジ回路と該ブリッジ回路を構成する各スイッチ素子に逆並列接続されたダイオードとを有するn相ブリッジ形のインバータ回路と、各相の電機子コイルが巻回されている電機子鉄心の歯部の先端の磁極部の中心位置 と前記磁石界磁の各磁極の中心位置との間の位置関係が予め設定された関係になるタイミングを各相の基準励磁相切替タイミングとして検出して、該基準励磁相切替タイミングの情報を含む信号を発生する位置検出装置とを備えて、前記位置検出装置により検出される基準励磁相切替タイミングまたは該基準励磁相切替タイミングに対して所定の制御進み角を有する励磁相切替タイミングで前記電機子コイルの励磁相を切り替えるように前記インバータ回路のスイッチ素子を制御しつつバッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに駆動電流を流して前記回転子を回転させるブラシレス直流電動機により車輪を駆動する電動車両の制動時に、前記電動機の電機子コイルに誘起する電圧で前記バッテリに回生充電電流を流すことにより制動トルクを生じさせて前記車両の走行速度を低下させる電動車両の回生制動制御方法において、
    前記車両に制動をかける際に、前記位置検出装置により検出される前記基準励磁相切替タイミングを基準にして前記インバータ回路の各上辺のスイッチ素子及び各下辺のスイッチ素子のオン期間を定めて、オン期間にある上辺のスイッチ素子及び下辺のスイッチ素子にそれぞれのスイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を与えるとともに、オン期間にある上辺のスイッチ素子または下辺のスイッチ素子を所定のオンデューティ比でオンオフさせることにより、前記電機子コイルの誘起電圧と同じ周波数で該誘起電圧よりも位相が遅れた界磁調整用交流電圧を前記バッテリから前記インバータ回路を通して前記電機子コイルに印加して、該界磁調整用交流電圧により前記電機子コイルに界磁調整用電流を流し、
    前記界磁調整用交流電圧の位相角と前記界磁調整用電流の平均値とを制御することにより、前記回生充電電流及び制動トルクを制御することを特徴とする電動車両の回生制動制御方法。
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