JP3543265B2 - 作品押え具を付設したイーゼル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絵画、写真、書、絵皿などのような美術工芸品を展示可能に構成され、近年に到ってレストラン、喫茶店、ブティック、デパート催事場、自動車のディーラー等の店内外に於ける広告宣伝用パネルの展示具として多用されるようになったイーゼルに係るものであり、さらに詳しくは、展示する美術工芸品の固定手段が付与された構造のイーゼルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から提供されているイーゼルは、例えば特開平5−246200号公報に開示されているように、カンパスを支持することのみを目的として形成されているもので、美術工芸品や広告宣伝用パネルなどのような様々な分野の作品(本発明ではこれらを単に作品と称して説明する)の展示具としての用途は想定されていなかった。したがってこの特開平5−246200号のイーゼルに作品を展示しようとしても、大きさや形状等がほぼ限定された作品しか展示することができず、また重心が高いためにイーゼルが不安定で、作品の展示具としては不適当であった。
【0003】
そこで、イーゼルが展示具として多用されるようになった近年では、作品載置台やイーゼルピンを前部脚柱の下部位置にも取付可能な構造とすることにより、作品の大きさや重量、種類などに応じて展示位置を適宜に設定することができるように構成したイーゼルが提供されるようになった。また特開平5−246200号に開示されているように、上部固定部材がイーゼルとあらかじめ一体状に形成されたものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、近年におけるイーゼルは、作品展示具としての用途に重点を置いて製作されているので、絵画を含む様々な分野の作品を適宜に展示することができる構造となっており、また作品載置台またはイーゼルピン上に載せた作品を、上部固定部材によって固定することも可能となっているのであるが、その上部固定部材を必要に応じて着脱することは不可能であった。
【0005】
そこで本発明は、上下移動および着脱可能な構造の作品押え具を備えることにより、作品を適切且つ安全に展示することができるように構成したイーゼルの提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じたものである。すなわち本発明は、左右の前部脚柱4,4間に軸棒6を横架し、且つその軸棒6に後部脚柱5を開閉自在に取付け、さらにその前部脚柱4,4に作品載置台9を備えた形状のイーゼル本体1に、別体に設けた作品押え具2を取付けて成るイーゼルにおいて、該作品押え具2を、倒設片と立設片によってL字型に設けられた取付片24と、作品の押え部22が設けられた押え板21とにより形成し、前記軸棒6の上面に倒設片を固定するとともに、押え板21を立設片に位置変更自在に取付けて構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のイーゼルは、従来からの使用目的であるカンパス支持具としても使用可能であることは勿論であるが、近年では美術工芸品や宣伝広告用パネルなどの展示具として使用されるものである。このような展示具として使用される場合には、展示する作品にふさわしい適宜な位置に作品載置台9を取付けた後、後部脚柱5を開状態に設定してイーゼル本体を立設するとともに、作品載置台9上に作品を載せる。次にその作品の上端部中央に作品押え具2の押え部22を当接させて、作品を上方から押止するようにするのであるが、この作品押え具2は、その取付片24をあらかじめ軸棒6に取付けておいて、その取付片24に押え板21を位置変更自在に取付けるように構成されたものである。なおその押え板21の取付片24への取付方法については、押え板21に設けられた長孔21を利用して両者を螺合するようになっているので、押え板21を作品に合わせて上下移動させながら設定位置を調整するものとする。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、まずイーゼル本体1について説明する。このイーゼル本体1は、図1に示すように、左右の前部脚柱4,4と、後部脚柱5と、前部脚柱間の上部に固定状に横架された軸棒6と、前部脚柱間の下部に固定状に横架された補強棒7と、軸棒6と補強棒7の間に差し渡された2本の補助棒8,8と、断面L字形の細長い台状に形成された作品載置台9から成るものであり、その後部脚柱5の上端部を軸棒6の背面側に開閉自在に取付けることにより、必要に応じてイーゼルを立設可能に形成したものである。また丸棒状に形成された2本の補助棒8,8を図示のように設けることにより、展示される作品が例え小さなものであっても、空隙部から背後に落下することなく展示できる構造となっており、さらに前記3本の脚柱の下部にそれぞれゴム板10を固着することにより、イーゼルに滑り止め機能が付設された構造となっている。なお作品載置台9は、前部脚柱4,4の前側下部に適宜な手段で取付けられるものであり、また本発明で使用するイーゼル本体1の形状等は、図示のものに限定されるものではない。
【0009】
次に前記軸棒6に取付けられる作品押え具2について説明する。該作品押え具2は、図2に示すように、細長状の帯板の中央部に長孔28が形成され、且つその上部にL字状の押え部22が設けられた押え板21と、その立設片に螺子孔25が形成され、且つ取付ボルト29を介してその倒設片を軸棒6の上面に固定するように形成されたL字型の取付片24とにより構成されたもので、図8に示すように、別体の螺軸26を長孔23から挿通させるとともに、螺子孔25の外方にワッシャー28と蝶ナット27を取付けて、前記取付片24に押え板21を固定するように設けられたものである。したがって蝶ナット27の締付けを緩めるようにすれば、押え板21の上下移動が自由になるので、展示する作品に対応する押え板21の固定位置(すなわち押え部22の設定位置)を任意に決定することができるようになっている。また作品の展示に際して押え板21が邪魔になる場合は、押え板21を取付片24から分離させて、イーゼル本体1から取り除くことができ、さらにこの作品押え具2を、作品の固定手段が設けられていない既存のイーゼルに後から取付けることも可能である。
【0010】
以上に述べたように、本発明のイーゼルは、イーゼル本体1に別体の作品押え具2を付設した構成となっているものであり、従来と同様にカンパス支持具として使用可能であることは勿論であるが、近年では美術工芸品や宣伝広告用パネルの展示具として多用されるものである。本発明において、イーゼルをこのような展示具として使用する場合には、まずイーゼル本体1を立設して作品を展示した後、その作品の上端部中央に作品押え具2の押え部22を当接させて、作品を上方から押止するようにするのであるが、この作品押え具2は、押え板21を取付片24に位置変更自在に螺合する構造となっているので、押え板21を作品に合わせて上下移動させながら、押え部22の設定位置を調整するようにするものである。
【0011】
【発明の効果】
本発明のイーゼルは、その主たる用途を美術工芸品や広告宣伝用パネルなどのような様々な分野の作品展示具としているもので、作品の上端部を押止するように設けた作品押え具を、任意な高さに設定することができる構造になっているので、作品の形状や重量、種類などには係りなく、どのような作品でも所望の位置に展示することが可能であり、且つ作品の落下による破損の恐れも全くないので、高価な作品でも安心して展示することができるという極めて重要な効果がある。またその作品押え具を、押え板と取付片に分離することができるので、押え板が作品の展示の邪魔になる場合には、押え板のみをイーゼルから取り除くことができるとともに、その作品押え具の1組を既存のイーゼルに後から取付けることも可能であるので、作品押え具を必要に応じて様々な形態に活用することができるという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイーゼルの一実施例を示す斜視図である。
【図2】作品押え具の分解斜視図である。
【図3】作品押え具の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・イーゼル本体 2・・・作品押え具
4・・・前部脚柱 5・・・後部脚柱
6・・・軸棒 7・・・補強棒
8・・・補助棒 9・・・作品載置台
10・・・ゴム材 21・・・押え板
22・・・押え部 23・・・長孔
24・・・取付片 25・・・螺子孔
26・・・螺軸 27・・・蝶ナット
28・・・ワッシャー 29・・・取付ボルト
Claims (1)
- 左右の前部脚柱間に軸棒を横架し、且つその軸棒に後部脚柱を開閉自在に取付け、さらにその前部脚柱に作品載置台を備えた形状のイーゼル本体に、別体に設けた作品押え具を取付けて成るイーゼルにおいて、該作品押え具を、倒設片と立設片によってL字型に設けられた取付片と、作品の押え部が設けられた押え板とにより形成し、前記軸棒の上面に倒設片を固定するとともに、押え板を立設片に位置変更自在に取付けたことを特徴とする作品押え具を付設したイーゼル。
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