JP3542722B2 - Car seat back - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用シートバック、特に自車が追突された時の乗員の頸椎を保護する自動車のシートバック構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のかかる自動車のシートバックとしては、国際特許98/09838号公報に示すように、シートバックフレーム(9)と、該シートバックフレーム(9)の上端部に前後に回転自在なるようにサポート部材(24)によって支持されてなる支持手段(5)と、該支持手段(5)の上端部にステイ(27)を介して上下動自在に支持されてなるヘッドレスト(4)と、前記支持手段(5)の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受けて前記支持手段(5)の上端部を前後に移動し得る受圧部材(10)と、前記シートバックフレーム(9)及び前記受圧部材(10)夫々に回転自在に軸支されてなる作動リンク(12)と、前記受圧部材(10)の前側に配されてなるパッドとより少なくとも構成されてなる。
【0003】
このため、例えば自車が追突された時、シートバック(3)には前側に向けての衝撃的な荷重が作用し、乗員による反動荷重が後ろ側に向けて作用する。即ち、シートバックフレーム(9)間に架設されたバックエレメント(20)及び受圧部材(10)に該荷重が作用する。その際、受圧部材(10)は後ろ側に移動することにより、支持手段(5)は、シートバックフレーム(9)のサポート部材(24)を回動支点として回動し、その上端部に支持されたヘッドレスト(4)は、乗員の頭部に接近する方向に作動する。
【0004】
従って、自車が追突された時に、乗員の反動荷重でシートバック(3)が後ろ側に撓んでも、ヘッドレスト(4)が瞬時にして乗員の頭部に接近作動するので、乗員の頭部は、ヘッドレスト(4)に確実に受け止められ、乗員の頸部の保護が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、前記受圧部材(10)の移動に伴い移動する支持手段(5)の回転中心をなすサポート部材(24)が、合成樹脂製であるため、自動車室内の熱による膨張・収縮変形が生じたときに、該サポート部材(24)をシートバックフレーム(9)に保持した手段との間の隙間が設計値を保持できなくなるおそれがある。
【0006】
また、サポート部材(24)は、単なる中空円柱状であるので、左右に回転してしまうおそれがあり、かかる場合、支持手段(5)から脱落するとか、前記サポート部材(24)をシートバックフレーム(9)に保持した手段との間の間隔が不正確になるなど、改善が求められている。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、支持手段を保持したホルダー部材の熱変形を防止し、正確な位置にホルダー部材を保持可能なる自動車用シートバックを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シートバックフレームと、該シートバックフレームの上端部に支持されたホルダーブラケットによって前後に回転自在なるように支持されてなる支持手段と、該支持手段の上端部に支持されてなるヘッドレストと、前記支持手段の下端部に支持されてなると共に乗員の背中の圧力を受けて前記支持手段の上端部を前後に移動し得る受圧部材とより少なくとも構成されてなる自動車用シートバックにおいて、前記支持手段の上端部の前記ホルダーブラケットに対向した位置には、合成樹脂製のホルダー部材がリング状に保持され、該ホルダー部材は、前記シートバックフレームに面で受けると共に熱変形防止手段を配してなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動車用シートバックであって、前記ホルダー部材の前記シートバックフレームに当接する面は、平滑面である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自動車用シートバックであって、前記ホルダー部材の熱変形防止手段は、櫛歯状に形成されてなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。尚、FRを前側、RRを後ろ側、UPは上側、LWRは下側として説明する。
【0012】
図1乃至図5は、この発明の一実施形態を示すもので、符号1は自動車のシートバック、符号3はヘッドレストである。
【0013】
該シートバック1は、シートバックフレーム2と、該シートバックフレーム2の前後に配されてなるポリウレタンフォームなどより形成されてなる図示しないパッドと、該パッドを覆う布製などの表皮とより少なくとも形成される。
【0014】
前記シートバックフレーム2は、逆U字状に形成されてなり且つ一方が長く他方が短く(図示しないエアバッグ装置の取付代確保のため)形成されてなるアッパフレーム2aと、該アッパフレーム2aの左右端部より垂下された位置に配設されてなる略左右対称形状のサイドフレーム2b、2b’と、該サイドフレーム2b、2b’の下端部間に架設されてなるアンダーフレーム2cとよりなる。
【0015】
前記サイドフレーム2b、2b’それぞれには、鉄板によりプレート状に形成されてなるブラケット5、5’が支持されている。該ブラケット5、5’それぞれには、作動リンク6、6’の一端部6a,6a’が、ボルト20、ブッシュ21により、前後FR,RR方向に回転自在なるように、それぞれ支持されている。該作動リンク6、6’それぞれの他端部6b,6b’間には、後述する受圧部材4の端部4a,4a’が、リベット22、ブッシュ21により回転自在に支持されている。
【0016】
前記サイドフレーム2b、2b’のスプリングフック23、23’と前記作動リンク6、6’それぞれとの間には、付勢手段としてのコイル状のスプリング18、18が配されてなり、前記作動リンク6の他端部6b,6b’側を前側FRに、常時付勢してなる。
【0017】
該受圧部材4は、鉄板等の剛体により左右に延在されて長方形に形成され、後述する支持手段としてのアーマチュアパイプ7の保持部8、8との間に位置する上辺には、後ろ側へ立ち上がる斜面部9が形成されてなる。
【0018】
該受圧部材4の中央部には、前記アーマチュアパイプ7の折り返し部10が前後に偏平状に形成されてガス溶接により支持されてなる。
【0019】
前記アッパフレーム2aの下側には、該アッパフレーム2aの肩部2aa,2aa’間に架設されたセカンドフレーム28が溶接により支持されている。
【0020】
該セカンドフレーム28の中央部には、鉄板製のホルダーブラケット12が配されて、その両端部12a,12aが溶接により支持されてなる。該ホルダーブラケット12の中央部より左右に離間した位置には、前側に迫り出して横断面でU字状に形成されてなる支持部12b,12bが形成されてなる。
【0021】
前記支持部12b,12bの内側には、図2及び図4に示すように、合成樹脂製の「ホルダー部材」であるアーマチュアホルダー11、11が配されて、前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部にリング状に支持されてなる。従って、前記ホルダーブラケット12の支持部12b,12bとメタルコンタクトしない。また、該アーマチュアホルダー11、11を介して前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8が、保持されることになる。
【0022】
該アーマチュアホルダー11、11は、図5に示すように、外形形状が前後寸法(約33ミリ)が左右寸法(約26ミリ)より長い小判型に形成され、前記保持部8、8が挿入される上下貫通孔11aも同じく前後寸法が左右寸法より長い小判型をなす。そして、前記アーマチュアホルダー11、11の縦断面形状が、図6に示すように、前側FR及び後ろ側RRの内面11bには、下面より15ミリ上側の位置が最も後ろ側RRに突出して形成された第1分水嶺部11ba及び最も前側FRに突出して形成された第2分水嶺部11bbを有している。かかる構成により、該内面11bに挿入される前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部が、前側FR・後ろ側RR且つ上側UP・下側LWRに動く時に、追従可能である。
【0023】
より詳細に説明すると、シートバック1に乗員30が背も垂れていない時には、受圧部材4に荷重が加わっていないので、前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部は、前記第1分水嶺部11baに沿った位置に保持されることになる。そして、後述するように、受圧部材4に荷重が加わると、前記アーマチュアパイプ7の保持部8、8それぞれの上端部は、前記第2分水嶺部11bbに沿った位置に保持されることになる。
【0024】
また、前記アーマチュアホルダー11、11の後ろ側RRの面11cには、前記アーマチュアホルダー11、11の上下方向に櫛歯状の「熱防止手段」である放熱部11d,11d,11dが形成され、該放熱部11dは、4ミリの板厚と4ミリの隙間をもって形成されてなると共に前記セカンドフレーム28に当接する当接面11eは、平滑状であるので、該セカンドフレーム28に対して位置決めされる。
【0025】
また、前記アーマチュアホルダー11、11の前側FRの面11fには、突起11gが形成され、前記ホルダーブラケット12の切欠部12cに係合することで、回り止めされている。符号11hは、前記アーマチュアホルダー11、11に形成した爪で、前記ホルダーブラケット12の開口12dに係合されることで、仮止めされている。
【0026】
前記アーマチュアパイプ7は、正面視で左右に並列されてなる垂直状の保持部8、8と、該保持部8、8の下端に形成されてなる折り返し部10とより略U字状に形成されてなる。
【0027】
前記保持部8、8は、正面視で、少なくともAF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されてなる。AF05%タイルマネキン(SAE)のショルダーポイントより中央側に配されている、ということは、大人の体格のほとんどの乗員30のショルダーポイントより内側に保持部8、8が配されているということになるので、該乗員30が自車の追突により前記シートバックフレーム2の前側から荷重が加わっても、該乗員30のショルダーが干渉しないことになる。
【0028】
また、前記保持部8、8は、図1に示す側面視で、前記受圧部材4が保持部材8、8より前側に配されるように、前後に「く」の字状に形成されてなる。該折曲部8aは、前記ヘッドレスト3のステイ13の下端部に干渉しない近接した位置に形成され、内面は半径20ミリの曲面である。
【0029】
また、前記保持部8、8の上端部には、合成樹脂製のヘッドレストホルダー14、14が保持されてなり、該ヘッドレストホルダー14、14によって、前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下摺動自在に支持されてなる。符号14aは、該ヘッドレストホルダー14、14の係合部であり、符号15は、ヘッドレスト3のフレームである。
【0030】
符号16は、前記サイドフレーム2b,2b’にフック17、17’を介して支持されてなるS字状のバネで、前記受圧部材4の下方の位置に配されてなる。
【0031】
前記保持部8の後面には、開口部19が形成されていて、該開口部19にねじ回しなどの工具を押し入れると、該開口部19に係合した前記ヘッドレストホルダー14、14の係合部14aが押されて、該開口部19から係合部14aが離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる構造である。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0032】
符号24は、保持部8の後ろ側RRの位置のアッパフレーム2aに支持されて、保持部8の上端部が後ろ側RRへの回動をこの位置以上にいかないように阻止するラバー状の第1ストッパ、同25は、図示しないバックボードの引っ掛け用フレーム、同34は、保持部8の一方側に配されて、保持部8の上端部が前側FRへの回動をこの位置以上にいかないように阻止する針金状の第2ストッパである。
【0033】
次に、この実施形態に係る作動を説明する。
【0034】
図1に示すように、乗員30がシート26のシートクッション27に着座し、前記シートバック1に背中30aを凭れかけた通常の状態では、乗員30の頭部30bとヘッドレスト3とは若干の隙間Aがあり、乗員30の背中30aと受圧部材4とも若干の隙間Bが形成されている。尤も、該乗員30の背中30aと受圧部材4との間には、図示しないパッドや表皮が介在されているが、乗員30からの荷重が受圧部材4に加わらない状態にある。この状態では、ヘッドレスト3を支持した保持部8の上端部8bは、アーマチェアホルダー11の第1分水嶺11baに沿った状態に保持されている。
【0035】
前記アーマチャパイプ7の保持部8の上端部8bの前記ホルダーブラケット12に対向した位置には、合成樹脂製のアーマチュアホルダー11がリング状に保持され、該アーマチュアホルダー11は、前記シートバックフレーム2のセカンドフレーム28に面で受けると共に放熱部11dを配してなるので、前記アーマチャパイプ7の保持部8を保持したアーマチュアホルダー11の成形時の熱変形を防止し、正確な形状にアーマチュアホルダー11を成形することが可能となる。
【0036】
前記アーマチュアホルダー11の放熱部11dは、櫛歯状に形成されてなるので、直射日光等でシート全体が加熱され、該熱がアーマチュアホルダー11に加わっても、それぞれの櫛状の歯の間で熱による変形を吸収することが可能であるので、熱変形を防止し、正確な位置にホルダー部材を保持することが可能となる。
【0037】
この状態で、自車が追突されて、着座した乗員30が二次衝突により後ろ側RRに押されてパッド等が後ろ側RRに移動すると、該乗員30の背中30aによりパッド等を介して受圧部材4が後ろ側RRに押される。乗員30による後ろ側RR方向への荷重によりパッド等が後ろ側に移動しても、乗員30のショルダーポイントが少なくともAF05%タイルマネキンによるショルダーポイントであるから、パッド等がアーマチャパイプ7の保持部8に食い込むことはない。このため、保持部8の回転に伴う上昇は妨げられず、十分ヘッドレスト3の作動量を確保することができる。
【0038】
かかる状態で、前記アーマチュアホルダー11の放熱部11dの前記シートバックフレーム2のセカンドフレーム28に当接する面11eは、平滑面であるので、回り止めとなり、正確な位置にアーマチュアホルダー11を保持することが可能となる。
【0039】
また、前記受圧部材4は、鉄板等剛体より構成されてなるので、乗員30による後ろ側RR方向への荷重が確実に保持部8に伝達される。即ち、ヘッドレスト3の移動が、受圧部材4に荷重が加わると直ぐに移動するので、タイミングロスがない。また、受圧部材4の移動量が大きくなる。
【0040】
該受圧部材4を支持している作動リンク6が、ボルト20を中心に回転付勢され、作動リンク6の他端部6bが、図1に示す位置から図9に示す位置に移動されることで、該作動リンク6の他端部6bは、ボルト20を中心に上側UP及び後ろ側RR方向に回転される。
【0041】
こうして、作動リンク6の他端部6bが上側UP且つ後ろ側RRに回転すれば、アーマチュアパイプ7の下端部、つまり折り返し部10が上側UP且つ後ろ側RRに移動する。該移動に伴い、アーマチュアパイプ7の上端部、つまり保持部8、8の上端部8b、8bと共にヘッドレストホルダー14、14は、上側UP且つ前側FRに移動する。該移動により、前記ヘッドレスト3のスティ13も上側UP且つ前側FRに移動される。この状態では、前記保持部8、8の上端部8b、8bは、アーマチェアホルダー11の第2分水嶺11bbに沿った状態に保持される。
【0042】
従って、保持部8、8、スティ13、13が、ホルダーブラケット12を中心に、共に移動する。該ステイ13、13に支持されたヘッドレスト3は、図9に示すように、乗員30の頭部30b(太い二点鎖線)に当接することになる。尚、図9では、ヘッドレスト3が乗員30の頭部30bに食い込んでいるように図示されているが、ヘッドレスト3は中央が凹んでおり、乗員30の頭部30bも周知のように横断面で略円柱状をなすので、食い込んでいる訳ではない。また、図9のヘッドレスト3に二点鎖線で示す符号3が示されているが、この二点鎖線で示すヘッドレスト3は、移動しない場合のヘッドレスト3の位置を示したもので、こうした場合、乗員30の頭部30bは、細い二点鎖線で示すように移動することを示すものである。
【0043】
こうして、乗員30の上半身が後ろ側RRに移動することで、残される挙動をする乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されることになる。この時、前記受圧部材4の上辺に、後ろ側RRへ立ち上がる斜面部9が形成されてなるので、パッドの後面に受圧部材4の傾斜面9が沿ってスムースに移動できる。換言すると、パッドに受圧部材4が食い込み難いことになる。
【0044】
この状態で、前記保持部8は、前記受圧部材4に対して前後に「く」の字状に形成されてなるので、受圧部材4が後ろ側RRに移動した時に、図9に示すように、受圧部材4及び折り返し部10が後ろ側RRに出っ張らない。
【0045】
また、前記保持部8の後ろ側の開口部19に、ねじ回しなどの工具を押し入れると、前記ヘッドレストホルダー14、14の開口部19に係合した係合部14aが押されて開口部19から離脱し、保持部8、8から抜くことが可能となる。つまり、ヘッドレストホルダー14、14のロックオフが可能としている。
【0046】
また、前記ヘッドレストホルダー14、14に、前記ヘッドレスト3のステイ13、13が上下移動自在に支持されてなるので、乗員30の頭部30bの位置に適宜ヘッドレスト3を合致させることができる。
【0047】
また、前記作動リンク6と前記シートバックフレーム2のサイドフレーム2bとの間に、前記受圧部材4を前側FRに付勢してなるスプリング18が支持されてなるので、乗員30の背中30aによる後ろ側RRへの押す力が加えられない状態では、スプリング18により受圧部材4は前側FRにある。即ち、該受圧部材4を下端に支持したアーマチュアパイプ7の保持部8、8の上端に支持されたヘッドレスト3は、シーソの原理で後ろ側RRの位置に収まるので、乗員30の居住性を損なうことがない。
【0048】
前記アーマチュアパイプ7は、保持部8、8と折り返し部10とによりU字状をなす実施形態に限らず、例えば、折り返し部10が存在せずに、保持部8、8の下端部がそのまま受圧部材4に溶接により支持されるものであっても良い。
【0049】
前記作動説明で、乗員30の頭部30bが、ヘッドレスト3の移動により、確実に保持されるとしたが、ヘッドレスト3の移動と、シートバック1の移動とは、相対的なものであり、乗員30の背中30aによってシートバック1が後ろ側RRに移動しても、乗員30の頭部30bに対してヘッドレスト3が移動せず、その位置に保持されることで、乗員30の頭部30bが保護されるものと説明されるものも含むものである。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、前記支持手段の上端部の前記ホルダーブラケットに対向した位置には、合成樹脂製のホルダー部材がリング状に保持され、該ホルダー部材は、前記シートバックフレームに面で受けると共に熱変形防止手段を配してなるので、支持手段を保持したホルダー部材の成形時の熱変形を防止し、正確な形状にホルダー部材を成形することが可能となる。
【0051】
また、乗員による後ろ側方向への荷重によりパッドが後ろ側に移動すると、支持部材の上端部が前側に回転すると共に上側に移動するので、ヘッドレストの作動量を十分確保することができる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、前記ホルダー部材の前記シートバックフレームに当接する面は、平滑面であるので、回り止めとなり、正確な位置にホルダー部材を保持することが可能となる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、前記ホルダー部材の熱変形防止手段は、櫛歯状に形成されてなるので、直射日光等でシート全体が加熱され、該熱がホルダー部材に加わっても、それぞれの櫛の歯の間で熱による変形を吸収することが可能であるので、熱変形を防止し、正確な位置にホルダー部材を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るシートバックを示す断面図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1の要部を示す斜視図。
【図4】図1の矢視Zにかかる斜視図。
【図5】図4のアーマチェアホルダーの上面図。
【図6】図5のX−X線に沿った断面図。
【図7】図6の矢視Yにかかる正面図。
【図8】図7の矢視Wにかかる斜視図。
【図9】図1の作動実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 シートバック
2 シートバックフレーム
2a シートバックフレームのアッパフレーム
2b シートバックフレームのサイドフレーム
3 ヘッドレスト
4 受圧部材
6 作動リンク
6a 作動リンクの一端部
6b 作動リンクの他端部
7 「支持手段」としてのアーマチュアパイプ
8 アーマチュアパイプの保持部
11 ホルダー部材としてのアーマチェアホルダー
11d 「熱変形防止手段」としての放熱部
12 ホルダーブラケット
13 ヘッドレストのステイ
30 乗員
30a 乗員の背中
30b 乗員の頭部
FR 前側
RR 後ろ側
UP 上側
LWR 下側[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle seat back, and more particularly to a vehicle seat back structure for protecting an occupant's cervical spine when the vehicle is hit by a rear-end collision.
[0002]
[Prior art]
As a conventional seat back of such an automobile, as shown in International Patent Publication No. 98/09838, a seat back frame (9) and a support member which is rotatable back and forth on an upper end portion of the seat back frame (9). A support means (5) supported by the support means (24), a headrest (4) supported at the upper end of the support means (5) via a stay (27) so as to be vertically movable; 5) a pressure receiving member (10) which is supported by the lower end and which can move back and forth on the upper end of the support means (5) under the pressure of the occupant's back; It comprises at least an operating link (12) rotatably supported by each of the pressure receiving members (10), and a pad disposed on the front side of the pressure receiving member (10).
[0003]
Therefore, for example, when the own vehicle is collided, an impact load acts on the seat back (3) toward the front side, and a reaction load by the occupant acts toward the rear side. That is, the load acts on the back element (20) and the pressure receiving member (10) provided between the seat back frames (9). At this time, the pressure receiving member (10) moves rearward, so that the support means (5) rotates around the support member (24) of the seat back frame (9) as a rotation fulcrum, and is supported at the upper end thereof. The moved headrest (4) operates in a direction approaching the occupant's head.
[0004]
Therefore, even if the seat back (3) flexes rearward due to the recoil load of the occupant when the host vehicle collides, the headrest (4) instantaneously comes close to the occupant's head. Is reliably received by the headrest (4) to protect the occupant's neck.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in such a conventional technique, since the support member (24) which is the center of rotation of the support means (5) that moves with the movement of the pressure receiving member (10) is made of synthetic resin, When expansion / contraction deformation occurs due to indoor heat, the gap between the support member (24) and the means holding the seat back frame (9) may not be able to maintain the design value.
[0006]
Further, since the support member (24) is merely a hollow columnar shape, there is a possibility that the support member (24) may rotate right and left. Improvements are required, such as the inaccuracy of the distance between the means held in (9).
[0007]
The present invention has been made by paying attention to such a conventional technique, and provides a seat back for an automobile which can prevent thermal deformation of a holder member holding a support means and can hold the holder member at an accurate position. Is what you do.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, there is provided a seat back frame, a support means supported by a holder bracket supported on an upper end of the seat back frame so as to be rotatable back and forth, and an upper end of the support means. A vehicle head comprising at least a supported headrest and a pressure receiving member supported by a lower end of the support means and capable of moving the upper end of the support means back and forth by receiving pressure from the back of an occupant. In the seat back, a holder member made of a synthetic resin is held in a ring shape at a position facing the holder bracket at the upper end of the support means. Prevention means are provided.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the automobile seat back according to the first aspect, wherein a surface of the holder member abutting on the seat back frame is a smooth surface.
[0010]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the automobile seat back according to the first or second aspect, wherein the thermal deformation preventing means of the holder member is formed in a comb shape.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. Note that FR is described as a front side, RR is a rear side, UP is an upper side, and LWR is a lower side.
[0012]
1 to 5 show an embodiment of the present invention, in which reference numeral 1 denotes an automobile seat back, and
[0013]
The seat back 1 is at least formed of a
[0014]
The
[0015]
Each of the
[0016]
Between the
[0017]
The
[0018]
At the center of the
[0019]
Below the
[0020]
The
[0021]
As shown in FIGS. 2 and 4,
[0022]
As shown in FIG. 5, each of the
[0023]
More specifically, when the
[0024]
Also, on the
[0025]
A
[0026]
The
[0027]
The holding
[0028]
In addition, the holding
[0029]
[0030]
[0031]
An
[0032]
[0033]
Next, the operation according to this embodiment will be described.
[0034]
As shown in FIG. 1, in a normal state in which the
[0035]
An
[0036]
Since the
[0037]
In this state, when the own vehicle is collided and the seated
[0038]
In this state, since the
[0039]
Further, since the
[0040]
The
[0041]
Thus, when the
[0042]
Therefore, the holding
[0043]
In this manner, the
[0044]
In this state, since the holding
[0045]
When a tool such as a screwdriver is pushed into the
[0046]
Further, since the
[0047]
Also, a
[0048]
The
[0049]
In the above description of the operation, it is assumed that the
[0050]
【The invention's effect】
According to the invention as set forth in claim 1, a synthetic resin holder member is held in a ring shape at a position facing the holder bracket at the upper end of the support means, and the holder member is provided with the seat back frame. Since the heat receiving member is provided with a heat deformation preventing means, the heat deformation of the holder member holding the supporting means at the time of molding can be prevented, and the holder member can be formed into an accurate shape.
[0051]
In addition, when the pad moves rearward due to the load on the rear side by the occupant, the upper end of the support member rotates forward and moves upward, so that the operation amount of the headrest can be sufficiently secured.
[0052]
According to the second aspect of the present invention, since the surface of the holder member that contacts the seat back frame is a smooth surface, the holder member is prevented from rotating, and the holder member can be held at an accurate position.
[0053]
According to the third aspect of the present invention, since the thermal deformation preventing means of the holder member is formed in a comb-like shape, even if the entire sheet is heated by direct sunlight or the like, the heat is applied to the holder member. Since it is possible to absorb deformation due to heat between the teeth of each comb, it is possible to prevent thermal deformation and to hold the holder member at an accurate position.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing a seat back according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an exploded perspective view of FIG.
FIG. 3 is a perspective view showing a main part of FIG. 1;
FIG. 4 is a perspective view taken along the arrow Z in FIG. 1;
FIG. 5 is a top view of the armchair holder of FIG. 4;
FIG. 6 is a sectional view taken along line XX of FIG. 5;
FIG. 7 is a front view taken in the direction of arrow Y in FIG. 6;
FIG. 8 is a perspective view taken along arrow W in FIG. 7;
FIG. 9 is a sectional view showing the operation embodiment of FIG. 1;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Seat back 2 Seat back
Claims (3)
前記支持手段の上端部の前記ホルダーブラケットに対向した位置には、合成樹脂製のホルダー部材がリング状に保持され、
該ホルダー部材は、前記シートバックフレームに面で受けると共に熱変形防止手段を配してなることを特徴とする自動車用シートバック。A seat back frame, supporting means supported by a holder bracket supported on an upper end of the seat back frame so as to be rotatable back and forth, a headrest supported on an upper end of the supporting means, and A vehicle seat back comprising at least a pressure receiving member supported at the lower end of the means and capable of moving the upper end of the support means back and forth under the pressure of the occupant's back,
At a position facing the holder bracket at the upper end of the support means, a synthetic resin holder member is held in a ring shape,
The seat back for an automobile, wherein the holder member is received on the surface of the seat back frame and is provided with thermal deformation preventing means.
前記ホルダー部材の前記シートバックフレームに当接する面は、平滑面であることを特徴とする自動車用シートバック。The vehicle seat back according to claim 1,
The surface of the holder member that comes into contact with the seatback frame is a smooth surface.
前記ホルダー部材の熱変形防止手段は、櫛歯状に形成されてなることを特徴とする自動車用シートバック。An automobile seat back according to claim 1 or claim 2,
The seat back for an automobile, wherein the thermal deformation preventing means of the holder member is formed in a comb shape.
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