JP3539972B2 - 地層の導電率の決定 - Google Patents
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Description
一般に、炭化水素を含有するゾーンは、従来型の電磁誘導検層ツールを使用するときに、薄いケツ岩と砂岩との互層からなる成層状の砕屑貯留層においては、検出するのに困難である。電磁誘導検層ツールの垂直方向の分解能が低すぎるために、このツールによって地層を個々に検出するには地層が薄すぎる場合には、ツールは累層の平均導電率を読み取る。垂直坑井では、垂直方向の磁気双極モーメントを有する従来型の電磁誘導検層ツールは、砂岩の導電率とケツ岩の導電率との組合せであるがケツ岩層の比較的高い導電率が優勢を占める平均導電率を読み取る。水平方向の磁気双極モーメントを有する横断電磁誘導検層ツールは、炭化水素を含有する砂岩層の比較的低い導電率が優勢を占める平均導電率を読み取る。
累層におけるケツ岩と砂岩の量が例えばガンマ線ツールすなわち原子核ツールを使用した測定から既知である場合には、従来型の電磁誘導検層ツールと横断電磁誘導検層ツールとの組合せを使用して、同じ種類の地層は同じ導電率を有するとすれば、個々のケツ岩層と砂岩層との導電率を決定することができる。しかしながら横断(transversal)電磁誘導検層ツールの応答は、この応答が大きなボアホール効果と掘削泥水侵入効果を受けるので、解釈するには困難である。
横断電磁誘導検層ツールの応答からのボアホール効果を減少させる周知の一方法が、1979年のTabarovskii他による「Radial characteristics of induction focusing probes with transverse detectors in an anisotropic medium」(Soviet Geology and Geophysics,20,81−90ページ)に開示されている。この周知の方法では、累層の中で磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、送信手段から異なる間隔で応答磁場を受信して、各応答磁場を示す信号を提供するのに適した磁場受信手段とを有する電磁誘導検層ツールが使用される。しかしながら、このツールを使用して得られる動作記録はむしろ「粗野」であり、したがって解釈するのが困難である。この問題は、ツールが一連の地層を通過するときにはさらに明白になる。
したがって本発明の目的は、個々の地層の厚さが比較的薄い場合でも解釈が簡単で成層状の累層の一地層の特性を正確に示す、地層特性を決定する方法を提供することである。
本発明のさらに一つの目的は、本発明による方法を実施するためのシステムを提供することである。
本発明の他の一つの目的は、本発明による方法およびシステムにおいて使用するための電磁誘導検層ツールを提供することである。
本発明によって、前記累層の中に掘削泥水を含む坑井を延ばして、さまざまな地層で構成される累層の導電率を決定する方法が提供され、この方法は、
− 坑井の中に電磁誘導検層ツールを前記の選択された一地層によって囲まれた位置まで降下させる操作を含み、このツールは、累層の中で異なる周波数の磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、この送信手段から異なる間隔で応答磁場を受信して各応答磁場を表す信号を提供するのに適した磁場受信手段とを含み、この方法は、
− 前記の異なる周波数の少なくとも二つを選択すること、および前記の異なる間隔の少なくとも二つを選択すること、
− 選択された各周波数と選択された各間隔のさまざまな組合せについて、対応する応答磁場をツールの周辺に誘導する選択された周波数の磁場を前記の地層の中に誘導するように、送信手段を操作すること、および応答磁場を表す信号を提供するように送信手段からの選択された間隔で受信手段を操作すること、および
− 坑井領域における導電率と選択された地層の隣接地層の導電率とに依存する度合いが少なくなる組合せ信号を作るように、信号を組み合わせることを含む。
信号は周波数における級数展開式として書くことができ、この級数展開式は、周波数に線形で主として坑井領域における導電率によって決まる項を含んでいる。さらにこの級数展開式は、周波数に非線形で主として一つまたは複数の周辺地層の導電率によって決まる項を含んでいる。信号の級数展開式を記述する方程式から周波数に線形な項が除去されるように、これらの方程式を組み合わせることによって、坑井領域の影響が事実上除去された新しい一組の方程式が得られる。続いて、こうして得られた新しい方程式は、周波数に非線形である主要な項が各方程式から除去されるように組み合わせられ、この結果、坑井領域の影響と隣接地層の影響とが事実上除去された方程式が得られる。さらにまた、受信手段における信号は送信手段と受信手段との間の間隔にわずかに左右されるのみであることが解った。この間隔を以下ツール間隔と呼ぶ。したがって信号の級数展開式も、ツール間隔に大きく左右されるものではない。
本発明によるシステムは、
− 坑井の中に送信検層ツールを選択された地層によって囲まれた位置まで降下させるための手段であって、このツールは、累層の中で異なる周波数の磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、この送信手段から異なる間隔で応答磁場を受信して各応答磁場を表す信号を提供するのに適した手段とを含む、送信検層ツールを降下させるための手段と、
− 前記の異なる周波数の少なくとも二つを選択し、また前記の異なる間隔の少なくとも二つを選択するための手段と、
− 選択された各周波数と選択された各間隔のさまざまな組合せについて、対応する応答磁場をツールの周辺に誘導する選択された周波数の磁場を前記の地層の中に誘導するように、送信手段を操作するための手段、および応答磁場を表す信号を提供するように送信手段からの選択された間隔で受信手段を操作するための手段と、
− 坑井領域における導電率と隣接地層の導電率とに依存する度合いが少なくなる組合せ信号を作るように、信号を組み合わせるための手段
を含む。
本発明による方法とシステムにおいて使用するための電磁誘導検層は、坑井の中にツールを選択された地層によって囲まれた位置まで降下させるための手段と、前記の地層の中に異なる周波数の磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、この送信手段から異なる間隔において応答磁場を受信して各応答磁場を表す信号を提供するのに適した磁場受信手段と、前記の異なる周波数の少なくとも二つを選択し、また前記の異なる間隔の少なくとも二つを選択するための手段と、坑井領域における導電率と隣接地層の導電率とに依存する度合いが少なくなる組合せ信号を作るように、信号を組み合わせるための手段を含む。
選択された周波数と選択された間隔のさまざまな組合せは、第1周波数と第1間隔との組合せ、第2周波数と第1間隔との組合せ、第1周波数と第2間隔との組合せ、および第2周波数と第2間隔との組合せからなることが適当である。
各信号が、応答磁場の周波数の線形関数であって坑井領域における導電率にほぼ依存する線形成分と、応答磁場の周波数の非線形領域であって前記の隣接地層の導電率にほぼ依存する主要な非線形成分とを含み、そして前記の線形成分が、組合せ信号から主要な非線形成分を除去する前に組合せ信号から除去される場合には、この組合せ信号は効率的な方法で達成可能である。
本発明による方法の効率的な一実施形態では、ツールは第1の対の誘導コイルと第2の対の誘導コイルを有し、各誘導コイル対は一つの送信コイルと一つの受信コイルを含み、送信コイルは送信手段を画定し、受信コイルは受信手段を画定する。
前記のすべてのコイルが、送信コイルと受信コイルの少なくとも一つが他のコイルの磁気双極モーメントと反対の磁気双極モーメントを有するように配置されている場合には、前記の信号の組合せは効果的な方法で実施される。
送信コイルと受信コイルとの間の異なる間隔の生成された信号に対する影響は、コイルの対が共通中間点を有し、各コイル対の中間点が、対になったコイルどうしを接続する線の上に、また対になったコイルから同じ距離に置かれた点として定められる場合には、さらに減少される。
電流が地層間の境界と交差するように、さまざまな地層を通過する電流の最適の流れを達成するために、各コイルは、前記の地層が伸びている方向にほぼ平行な磁気双極モーメントを発生させるように、適当に配置されている。坑井がほぼ垂直に延びて、地層がほぼ水平に伸びている場合には、各コイルは、ほぼ水平の磁気双極モーメントを有するように適当に配置されている。
累層の中で誘導されるべき磁場の周波数は、40〜200kHzの間、好ましくは50〜150kHzの間になるように適当に選択される。
これから本発明を添付の図面を参照して、さらに詳細に例示として以下に説明する。
第1図は、本発明による方法において使用されるような電磁誘導検層ツールが降ろされている、成層状の累層の中に延びた坑井を示す概略図である。
第1図に示す坑井1は、上部ケツ岩層5と下部ケツ岩層7と、これらの間に位置する炭化水素を含有する砂岩層3とを含む累層の中に延び、ケツ岩層5、7は炭化水素を含有する砂岩層3よりも高い導電率を有する。本発明による電磁誘導検層ツール9は、噴出防止装置13(概略的に図示されている)を通って延びるワイヤライン11を介して坑井1の中に降ろされており、噴出防止装置13は地表15の坑井1の頂部に位置している。検層ツール9は二つの送信コイル17、18と二つの受信コイル19、20を備えており、各コイル17、18、19、20は、ワイヤライン11に沿って延びる一組の導体(図示せず)を介して地上設備22に接続されている。地上設備22は、電力を送信コイル17、18に供給するための電源と、受信コイル19、20からの電気信号を受信して処理するための信号処理装置とを含む。
コイル17、18、19、20は横断コイルを形成する。すなわち、これらのコイルは坑井の軸に直角方向の磁気双極モーメント24、26、28、30を有するように方向付けられ、これによって磁気双極モーメント28の方向は磁気双極モーメント24、26、30の方向とは逆である。さらにコイル17、18、19、20は検層ツール9の縦軸に沿ってほぼ整列しており、またコイル17、20の対とコイル18、19の対がこの対のコイルの間隔の半分に位置する点として定められる共通中間点32を有するように配置されている。このような対のコイルの間隔を、以後ツール間隔と呼ぶ。コイル17、20の対のツール間隔はL1、またコイル18、19の対のツール間隔はL2であり、ただしL1>L2である。
正常動作中では、周波数f1の交流電流が地上設備22の電源によって送信コイル17に供給され、これによって磁気双極モーメント24を有する磁場が累層の中に誘導される。この磁場は砂岩層3の中に広がり、これによって砂岩層3の中に電流を誘導し、この電流は多くの局部渦電流からなる。このような局部渦電流の大きさは、送信コイル17に対するその位置、前記位置における累層の導電率、および送信コイル17が作動する周波数に依存する。原則として局部渦電流は、新しい電流を誘導する源泉として作用し、この新しい電流が再び新しい電流を誘導する。砂岩層3の中に誘導された電流は応答磁場を誘導し、この磁場は誘導された磁場とは位相が異なっており、受信コイル20の中に応答電流を誘導する。砂岩層3の中に誘導された電流の大きさは砂岩層3の導電率に依存するので、受信コイル20における応答電流の大きさもこの導電率に依存し、これによって砂岩層3の導電率の示度をもたらす。しかし送信コイル17によって生ずる磁場は、砂岩層3の中に広がるのみならず、掘削泥水の中にもケツ岩層5、7の中にも広がるので、掘削泥水とケツ岩層5、7の中に電流が誘導され、これは受信コイル20における応答電流の中の追加成分になる。これらの追加成分は、送信コイル17が作動する周波数に依存するか、または周波数のより高次の項に比例することができる。一般に、坑井1が比較的大きい場合、または周波数または導電率が比較的高い場合、もしくはその両方の場合には、より高次の項が優勢となる。そうでない場合には、送信コイル17における全応答に対する掘削泥水の優勢な寄与は、周波数の一次の成分を形成する。
受信コイル20によって受信される応答磁場h(f1)は、下記のように周波数の級数展開式として書くことができる。
h(f1)=f1h1+f1 3/2h2+f1 2h3+・・ (1)
ただし、h1、h2、h3は応答磁場h(f)の級数展開項である。
成分f1h1は坑井領域における導電率にほぼ依存する。すなわち、この項は掘削泥水の導電率に依存する。
次に、周波数f2の交流電流が地上設備22の電源によって送信コイル17に供給され、これによって周波数f2の磁場が累層の中に誘導される。交流電流の周波数f2は、送信コイル17に供給される交流電流の周波数f1と異なるよに適当に選択される。周波数f1の磁場と同様に、周波数f2の磁場は層3、5、7に電流を誘導し、この電流は累層の中に応答磁場を誘導し、この応答磁場は受信コイル20の中に応答電流を誘導する。受信コイル20によって受信される応答磁場は、下記のように周波数の級数展開式として書くことができる。
h(f2)=f2h1+f2 3/2h2+f2 2h3+・・ (2)
成分f2h1は坑井領域における導電率に主に依存する。
適当な方法で方程式(1)と(2)を組み合わせることによって、成分f1h1と成分f2h1を除去することができ、結果として下記の方程式になる。
h(f1,f2)=h(f1)−(f1/f2)h(f2) (3)
この方法で周波数の一次の項は除去され、これによって、方程式(3)における坑井領域の影響はほぼ除去される。しかしながら、ショールダベッド層と呼ばれる隣接層の影響が著しく増加し、このため垂直方向の分解能が低下したことは欠点である。これは、f3/2に比例する項が非常に低い垂直方向の分解能を有することによるものである。
本発明は、f3/2に比例する項が事実上ツール間隔には影響されず、異なったツール間隔を有する二つの周波数指向送信器/受信器の対の個別応答を組み合わせることによって周波数指向応答を改善することができる、という洞察を使用する。こうしてf3/2に比例する項を取り消すことができる。適用される周波数が両方の送信器/受信器の対について同じになるように選択される場合には、この取消しは、送信器17、18について同じ磁気双極モーメントを、しかし受信器19、20については逆の磁気双極モーメントを使用して適当に達成することができる。代替案として、異なった周波数の対を送信器/受信器の対のために使用することができる。
したがって次のステップでは、送信機コイル18は累層における磁場および対応する電流域を誘導するために使用され、受信機コイル19は応答磁場を示す信号を提供するために使用される。送信機コイル18に供給される交流電流は、周波数f1すなわち先に送信機コイル17に供給されたものと同じ周波数の電流である。応答磁場h'は、式(1)と同様の級数展開式で書くことができ、この級数展開式は、主として坑井領域の導電率に依存する成分f1h'1、および主としてケツ岩層5、7の導電率に依存する成分f1 3/2h'2を含む。次に、周波数f2の交流電流、すなわち先に送信機コイル17に供給されたものと同じ周波数の電流が送信機コイル18に供給される。応答磁場h'は、式(2)と同様の級数展開式で書くことができ、この級数展開式は、主として坑井領域の導電率に依存する成分f2h'1、および主としてケツ岩層5、7の導電率に依存する成分f2 3/2h'2を含む。式(1)と式(2)について説明したものと同様の方法でこれらの級数展開式を組み合わせることによって、周波数の一次項を除去することができ、これによって下記の式が得られる。
h'(f1,f2)=h'(f1)−(f1/f2)h'(f2) (4)
式(3)と式(4)を組み合わせることによって、項f1 3/2、f2 3/2を有する成分をここで除去することができるので、この結果、坑井領域における導電率とケツ岩5、7の導電率の影響が事実上除去された式が得られる。こうして得られる式は地上設備22によって組合せ信号の形で提供される。
上記の内容から結論として、異なる周波数と異なるツール間隔の組合せから、坑井領域と隣接地層の影響が事実上除去された、選択された地層の導電率を表す信号を供給することができる。
Claims (10)
- 地中の累層の中に掘削泥水を含む坑井を延ばして、さまざまな地層で構成される累層の導電率を決定する方法であり、
− 坑井の中に電磁誘導検層ツールを前記の選択された一地層によって囲まれた位置まで降下させる操作を含み、このツールは、前記累層の中で互いに異なる複数の周波数の磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、この送信手段から互いに異なる複数の間隔で応答磁場を受信して各応答磁場を表す信号を提供するのに適した磁場受信手段とを含み、
− 少なくとも二つの異なる周波数を選択すること、および少なくとも二つの異なる間隔を選択すること、
− 選択された各周波数と選択された各間隔のさまざまな組合せについて、対応する応答磁場を誘導する選択された周波数の磁場を前記の地層の中に誘導するように、送信手段を操作することおよび応答磁場を表す信号を提供するように送信手段からの選択された間隔で受信手段を操作することを含み、各信号が周波数の級数展開式を記述した方程式によって定義され、この級数展開式は、坑井領域における導電率にほぼ依存する線形項と一つまたは複数の隣接地層の導電率にほぼ依存する非線形項とを含み、さらに、
− 級数展開式を表す方程式から前記の線形項と非線形項とを除去し、これによって坑井領域における導電率と選択された地層の隣接地層の導電率とに依存する度合いが低下した組合せ信号を作るように、信号を組み合わせることを含むことを特徴とする方法。 - 選択された周波数と選択された間隔とのさまざまな組合せが、
− 第1周波数と第1間隔との組合せ、
− 第2周波数と第1間隔との組合せ、
− 第1周波数と第2間隔との組合せ、および
− 第2周波数と第2間隔との組合せからなる、請求の範囲第1項に記載の方法。 - 各信号が、応答磁場の周波数の線形関数であり坑井領域における導電率にほぼ依存する成分と、応答磁場の周波数の非線形関数であり前記の隣接地層の導電率にほぼ依存する成分とを含み、組合せ信号から非線形成分を除去する前に、組合せ信号から前記の線形成分が除去される、請求の範囲第1項または第2項に記載の方法。
- ツールが第1の対のコイルと第2の対のコイルとを含み、各コイル対は一つの送信コイルと一つの受信コイルとを含み、送信コイルと受信コイルとの間の間隔は第1の対の方が第2の対よりも大きく、送信コイルは送信手段を画定し、受信コイルは受信手段を画定する、請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記のすべてのコイルが、送信コイルと受信コイルとの少なくとも一つが他のコイルの磁気双極モーメントと反対の磁気双極モーメントを有するように配置されている、請求の範囲第4項に記載の方法。
- コイルの対が共通中間点を有し、各コイル対の中間点が、対になったコイルどうしを接続する線の上に、また対になったコイルから同じ距離に置かれた点として定められる、請求の範囲第4項または第5項に記載の方法。
- 前記の地層が伸びている方向にほぼ平行な磁気双極モーメントを発生させるように、各コイルが配置されている、請求の範囲第4項から第6項のいずれか一項に記載の方法。
- 前記の坑井がほぼ垂直に延び、また前記の地層がほぼ水平に伸び、各コイルは、ほぼ水平の磁気双極モーメントを有するように適当に配置されている、請求の範囲第7項に記載の方法。
- 累層の中に誘導されるべき磁場の周波数が、40〜200kHzの間になるように適当に選択される、請求の範囲第1項から第8項のいずれか一項に記載の方法。
- 地中の累層の中に掘削泥水を含む坑井を延ばして、少なくとも一つの他の地層と隣接するある地層の導電率を決定するためのシステムであり、
− 坑井の中に電磁誘導検層ツールを選択された地層によって囲まれた位置まで降下させるための手段であって、このツールは、前記地層の中で互いに異なる複数の周波数の磁場を誘導するのに適した磁場送信手段と、この送信手段から互いに異なる複数の間隔で応答磁場を受信して各応答磁場を表す信号を提供するのに適した磁場受信手段とを含む、電磁誘導検層ツールを降下させるための手段と、
− 少なくとも二つの異なる周波数を選択し、また少なくとも二つの異なる間隔を選択するための手段と、
− 選択された各周波数と選択された各間隔の異なる組合せについて、対応する応答磁場をツールの周辺に誘導する選択された周波数の磁場を前記の地層の中に誘導するように、送信手段を操作するための手段、および応答磁場を表す信号を提供するように送信手段からの選択された間隔で受信手段を操作するための手段を含むシステムであって、
各信号が周波数の級数展開式を記述した方程式によって定義され、この級数展開式は、坑井領域における導電率にほぼ依存する線形項と一つまたは複数の隣接地層の導電率にほぼ依存する非線形項とを含み、さらに、
− 級数展開式を表す方程式から前記の線形項と前記の非線形項とを除去し、これによって坑井領域における導電率と選択された地層の隣接地層の導電率とに依存する度合いが低下した組合せ信号を作るように、信号を組み合わせる手段を含み、
前記信号を組み合わせる手段が、受信手段から信号を受信して処理するように構成された信号処理装置であることを特徴とするシステム。
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