JP3537031B2 - カムシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

カムシャフトおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
レシプロ式エンジンにおいてインテ−クバルブやエキゾ
ーストバルブを往復運動させるのに利用されるカムシャ
フトおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカムシャフトは、カムシ
ャフト部にカム部とジャーナル部をそなえたものとする
のが一般的であり、鋳造により一体成形すると共にその
際カム部を冷やし金にて急速冷却する製造方法とするこ
とが多かった。
【0003】これに対して、カムシャフト部を中空にし
てカムシャフト全体の軽量化を図ることも試みられてお
り、鋼管を素材とした中空カムシャフト部に鉄系焼結材
料からなる別製造のカムピース部材と同じく鉄系焼結材
料からなる別製造のジャーナルピース部材をそれぞれ締
結した構造としたものも考えられた(特開昭61−23
6965号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
中空カムシャフトでは、カム部のほかジャーナル部につ
いても耐摩耗性を確保するために別製造のカムピース部
材と共にジャーナルピース部材を固定するようにしてい
たことから、重量が増大すること、カム部だけでなくジ
ャーナル部についても別ピースの製造工程とカムシャフ
ト部への締結工程とが必要となるので生産性が低下する
こと、などといった問題点があり、また、中空シャフト
を構成する鋼管素材そのものにジャーナル部を形成しよ
うとした場合には表面硬さが低いため耐摩耗性が十分で
ないという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点にか
んがみてなされたものであって、鋼管を素材とした中空
カムシャフト部にカム部が設けられていると共にジャー
ナル部が形成されているカムシャフトにおいて、ジャー
ナル部に別製造のジャーナルピース部材を用いる必要性
をなくして重量のさらなる軽減をはかると共に、ジャー
ナル部に別製造のジャーナルピース部材を用いないこと
としてもその部分の耐摩耗性を良好なものとすることが
可能であるカムシャフトを提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカムシャフ
トは、請求項1に記載しているように、鋼管を素材とし
た中空カムシャフト部にカム部が設けられていると共に
ジャ−ナル部が形成されているカムシャフトにおいて、
前記ジャーナル部はその表面硬さが鋼管素材の硬さより
もHv50以上高くHv300以上でありかつ平均径が
100μm以下の微細な凹部が分散した表面性状をなし
ているものとしたことを特徴としている。
【0007】そして、本発明に係わるカムシャフトにお
いては、請求項2に形成しているように、ジャ−ナル部
はその表面粗さがRa0.5μm以下でかつ平均径が1
00μm以下の微細な凹部が面積率で30%以上分散し
ているものとなすことができる。
【0008】本発明に係わるカムシャフトの製造方法
は、請求項3に記載してるように、鋼管を素材とした中
空カムシャフト部にカム部が設けられていると共にジャ
ーナル部が形成されているカムシャフトを製造するに際
し、前記ジャーナル部に高硬度の合金粉末を噴射して前
記ジャーナル部はその表面硬さが鋼管素材の硬さよりも
Hv50以上高くHv300以上でありかつ平均径が1
00μm以下の微細な凹部が分散した表面性状をなして
いるものとしたことを特徴としている。
【0009】そして、本発明に係わるカムシャフトの製
造方法では、請求項4に記載しているように、ジャーナ
ル部はその表面粗さがRa0.5μm以下でかつ平均径
が100μm以下の微細な凹部が面積率で30%以上分
散しているものとすることができる。
【0010】同じく本発明に係わるカムシャフトの製造
方法では、請求項5に記載しているように、合金粉末
は、必須元素として、重量%で、C:1〜2%、Cr,
Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf,Bのう
ちから選ばれる炭化物,炭窒化物,窒化物,硼化物形成
元素の少なくとも1種:合計で10%以上、を含むF
e,Co,Ni基合金からなるものとすることができ
る。
【0011】同じく、本発明に係わるカムシャフトの製
造方法においては、請求項6に記載しているように、合
金粉末は球形状をなしその粒径が#−200であるもの
とすることができる。
【0012】同じく、本発明に係わるカムシャフトの製
造方法では、請求項7に記載しているように、合金粉末
はその硬さがHv500以上であるものとすることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係わるカムシャフトは、
鋼管を素材とした中空カムシャフト部にカム部が設けら
れていると共にジャ−ナル部が形成されているカムシャ
フトにおいて、前記ジャーナル部はその表面硬さが鋼管
素材の硬さよりもHv50以上高くHv300以上であ
りかつ平均径が100μm以下の微細な凹部が分散した
表面性状をなしているものであって、このようなカムシ
ャフトを製造するに際しては、前記ジャーナル部に高硬
度の合金粉末を噴射して前記ジャーナル部はその表面硬
さが鋼管素材の硬さよりもHv50以上高くHv300
以上でありかつ平均径が100μm以下の微細な凹部が
分散した表面性状をなしているものとするようにしてい
る。
【0014】このようなカムシャフトにおいて、中空カ
ムシャフト部を構成する鋼管素材としては、例えば、J
IS G 3441に制定する機械構造用合金鋼鋼管
(SCr−TK,SCM−TKなど)が使用され、ま
た、JIS G 3444に制定する一般構造用炭素鋼
鋼管(STKなど)や、JIS G 3445に制定す
る機械構造用炭素鋼鋼管(STKMなど)などが適用さ
れる。
【0015】また、この鋼管を素材とした中空カムシャ
フト部分に設けられるカム部としては、例えば、鉄系焼
結合金からなる別製造のカムピース部材が用いられる。
【0016】そして、中空カムシャフト部のうち、ジャ
ーナル部に相当する部分の表面に高硬度の合金粉末を噴
射して前記ジャーナル部はその表面硬さが鋼管素材の硬
さよりもHv50以上高くHv300以上でありかつ平
均径が100μm以下の微細な凹部が分散した表面性状
をなしているものとする。
【0017】この場合、ジャーナル部の表面硬さが鋼管
素材の硬さよりもHv50以上であるようにしたのは、
合金粉末の噴射面積が小さく、ジャーナル部以外に処理
しても顕著な効果が認められないためであり、また、ジ
ャーナル部の表面硬さがHv300以上であるようにし
たのは十分な耐摩耗性を得ることができるようにしたた
めである。
【0018】さらにまた、同じくジャーナル部はその表
面において平均径が100μm以下の微細な凹部が分散
した表面性状をなしているものとしたのは、ジャーナル
部での耐久性能を良好なものとするためであり、具体的
には、表面粗さがRa0.5μm以下の微細な凹部が面
積率で30%以上存在して分散しているものとなすこと
によって、適度の油溜まりが形成されて良好なる潤滑性
能が得られると共に良好なる耐摩耗性が確保されること
となって、十分な機能耐久性を有するものとなすことが
できる。
【0019】そして、このようなジャーナル部の表面性
状とするに際して用いる噴射用合金粉末としては、工具
鋼組成の粉末や、高速度鋼組成の粉末や、超硬合金組成
の粉末などが用いられ、例えば、必須元素として、重量
%で、C:1〜2%、Cr,Mo,W,V,Nb,T
a,Ti,Zr,Hf,Bのうちから選ばれる炭化物,
炭窒化物,窒化物,硼化物形成元素の少なくとも1種:
合計で10%以上、を含むFe,Co,Ni基合金から
なるものを用いる。
【0020】そして、この合金粉末としては、アスペク
ト比が1.0〜1.5程度の球形状をなすものとするの
が望ましく、その粒径が#−200で硬さがHv500
以上であるものを用いることによって、表面粗さがRa
0.5μm以下で平均径が100μm以下の微細な凹部
が形成されたものとするのに適しており、合金粉末の粒
径が大きすぎると微細な凹部を形成することができがた
くなる傾向となり、合金粉末の硬さが低すぎると微細な
凹部を形成しがたい傾向となる。
【0021】また、噴射時間が短いと硬化代が小さいと
共に、凹部の面積が少なくなってスカッフィング損傷を
生じやすいこととなるので例えば60秒以上程度とする
のが望ましいが、あまり長くしても表面性状の変化はあ
まり大きく認められずむしろ生産性が低下することとな
るので120秒以内程度とするのが良い。
【0022】
【発明の効果】本発明によるカムシャフトでは、請求項
1に記載しているように、鋼管を素材とした中空カムシ
ャフト部にカム部が設けられていると共にジャ−ナル部
が形成されているカムシャフトにおいて、前記ジャーナ
ル部はその表面硬さが鋼管素材の硬さよりもHv50以
上高くHv300以上でありかつ平均径が100μm以
下の微細な凹部が分散した表面性状をなしているものと
したから、ジャーナル部に別製造のジャーナルピース部
材を用いる必要性をなくして重量のさらなる軽減と生産
性のより一層の向上を実現することが可能であると共
に、ジャーナル部に別製造のジャーナルピース部材を用
いないこととしてもその部分の耐摩耗性を良好なものと
することが可能であるカムシャフトを提供することがで
きるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0023】そして、請求項2に記載しているように、
ジャ−ナル部はその表面粗さがRa0.5μm以下でか
つ平均径が100μm以下の微細な凹部が面積率で30
%以上分散しているものとすることによって、カムシャ
フトとして要求される機能耐久性をより一層安定して満
足したものとすることができるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【0024】本発明によるカムシャフトの製造方法で
は、請求項3に記載しているように、鋼管を素材とした
中空カムシャフト部にカム部が固定されていると共にジ
ャーナル部が形成されているカムシャフトを製造するに
際し、前記ジャーナル部に高硬度の合金粉末を噴射して
前記ジャーナル部はその表面硬さが鋼管素材の硬さより
もHv50以上高くHv300以上でありかつ平均径が
100μm以下の微細な凹部が分散した表面性状をなし
ているものとするようにしたから、ジャーナル部におけ
る表面硬さの増加のみならず、ある程度の表面粗さを維
持しながら微細な凹凸が形成されているものとすること
により、潤滑油を凹部に保持できるようにすることで耐
摩耗性をかなり向上できるものとなり、別製造のジャー
ナルピース部材を用いる場合に比べて軽量化と生産性の
さらなる向上を実現することが可能であると共に鋼管素
材そのままでジャーナル部を形成した場合に比べて耐摩
耗性のより一層の向上を実現することが可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされる。
【0025】そして、請求項4に記載しているように、
ジャーナル部はその表面粗さがRa0.5μm以下でか
つ平均径が100μm以下の微細な凹部が面積率で30
%以上分散しているものとすることによって、カムシャ
フトとして要求される機能耐久性をより一層安定して満
足するカムシャフトを製造することが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0026】そしてまた、請求項5に記載のように、合
金粉末は、必須元素として、重量%で、C:1〜2%、
Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf,
Bのうちから選ばれる炭化物,炭窒化物,窒化物,硼化
物形成元素の少なくとも1種:合計で10%以上、を含
むFe,Co,Ni基合金からなるものとすることによ
って別製造のジャーナルピース部材を用いることなく、
ジャーナル部の耐摩耗性がより一層向上したカムシャフ
トを製造することが可能であるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【0027】そしてまた、請求項6に記載しているよう
に、合金粉末は球形状をなしその粒径が#−200であ
るものとすることによって、ジャーナル部に平均径が1
00μm以下の微細な凹部を分散して形成することがで
き、このような凹部に潤滑油が保持できることとなっ
て、潤滑性能にさらに優れたジャーナル部とすることが
でき、ジャーナル部の耐摩耗性をより一層向上すること
が可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0028】そしてまた、請求項7に記載しているよう
に、合金粉末はその硬さがHv500以上であるものと
することによって、ジャーナル部に微細な凹部を良好に
形成させることが可能であり、このような凹部に潤滑油
が保持できることとなって潤滑性能にさらに優れたジャ
ーナル部とすることができ、ジャーナル部の耐摩耗性を
より一層向上することが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細な説明を
するが、本発明はこのような実施例のみに限定されない
ことはいうまでもない。
【0030】JIS G 3445 で制定する機械構
造用炭素鋼鋼管11種(STKM11A)よりなる直径
30mmの鋼管を切断して中空カムシャフト素材とし
た。
【0031】一方、カムシャフト素材形状をもつバルジ
成形用金型に、JIS G 4404で制定する合金工
具鋼鋼材(SKD11)よりなる別製造のカムピース部
材を前記バルジ成形用金型のカム形状凹部にセットし、
各カムピース部材の中空部に前記鋼管を通した後、成形
金型の上下を油圧プレスによりクランプした状態とし、
前記鋼管の一方を栓にて閉塞すると共に鋼管の他方側よ
り鋼管内部に1200気圧の液圧を付加することによっ
て鋼管を拡管し、鋼管よりなる中空シャフト素材とカム
ピース部材とを締結すると同時にジャーナル部において
は鋼管が金型に沿って塑性変形することによりジャーナ
ル部として必要な所定形状を形成し、その後、ジャーナ
ル部を所定形状に研削加工した。
【0032】次いで、図1に示すように、中空カムシャ
フト部1Aの途中にカム部1Bを設けて締結していると
共に、ジャーナル部1Cを形成しているカムシャフト素
材1の前記ジャーナル部1Cに向けて、矢印A方向に球
形状(アスペクト比1.0〜1.2)の合金粉末を表1
に示す噴射条件で噴射し、このとき、カムシャフト素材
1を一定速度で回転させながら合金粉末の投射方向に対
しジャーナル部1Cの表面が直交するよう保持して噴射
した。
【0033】
【表1】
【0034】この結果、ジャーナル部1Cは、図2に概
略的に示すように微細な凹部1Dが分散形成されたもの
となっており、このジャーナル部1Cの表面における硬
さ,粗さ,凹部径,凹部面積は同じく表2に示すものと
なっていた。
【0035】なお、比較例6は研削加工のままとし合金
粉末による噴射硬化処理を行っていないものとした。
【0036】また、比較例10においては、表2中に示
す組成を有する鉄基焼結合金からなる別製造のジャーナ
ルピース部材をHv300以上の硬さとなるように焼入
れ焼もどし処理を施し、所定のジャーナルピース形状と
なる加工を施したリングを用いた。そして、これらのリ
ングをカムピース部材と同じようにバルジ成形型にセッ
トした後、上記と同じ条件で液圧を加えることによって
カムシャフトに形成した。
【0037】
【表2】
【0038】続いて、上記カムシャフトをエンジンに組
み込んでモータリングによる表3に示す条件での耐久試
験を実施した。
【0039】
【表3】
【0040】そして、この耐久試験の終了後、各カムシ
ャフトのジャーナル部における軸方向表面粗さおよびス
カッフィング損傷(カムシャフトの回転方向に沿った摺
損傷)の有無を調査した。この結果を同じく表2に示
す。
【0041】表2に示すように、実施例1〜5のカムシ
ャフトでは、耐久試験後の表面粗さに多少の違いが認め
られるものの、表面粗さの増大はなく、凝着を伴うスカ
ッフィング損傷は肉眼では認められなかった。
【0042】これに対して、合金粉末による噴射処理を
行っていない比較例6の場合には、ジャーナル部の表面
硬さがHv220と低いため、耐久試験5時間で顕著な
トルク増加を生じたことから耐久試験を中断した。そし
て、ジャーナル部の摺動面には激しいスカッフィング損
傷を生じており、耐久試験の継続はできない状態であっ
た。
【0043】また、噴射用合金粉末として低炭素低合金
鋼からなるものを用いた比較例7では、粉末の硬さが低
いため噴射処理されたジャーナル部表面の硬化が小さ
く、耐久試験後の摺動面にスカッフィング損傷が認めら
れた。
【0044】さらにまた、噴射用合金粉末の粒径が#2
00メッシュ以上と粗いものを用いた比較例8において
は、ジャーナル部の表面がRa1.0μm以上と荒れた
ものとなって大きな凹部が形成されてしまったために、
耐久試験後の摺動面にスカッフィング損傷が認められ
た。
【0045】さらにまた、噴射時間を30時間と短くし
た比較例9では、硬化代が小さいうえに表面に形成され
た凹部の面積率が20%と少ないため、耐久試験後の摺
動面に軽いスカッフィング損傷が発生していることが認
められた。
【0046】他方、鉄基焼結材料からなる別体のジャー
ナルピース部材を用いた比較例10の場合には、耐久試
験後の摺動面にスカッフィング損傷は全く観察されなか
ったが、別体のジャーナルピース部材を用いた分だけ重
量が増加すると共に、別体のジャーナルピース部材の製
造と鋼管への締結工程が必要となるため製造性が低下す
るものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カム部を設けたカムシャフト素材のジャーナル
部に合金粉末を矢印A方向に噴射して表面を硬化する状
況を示す断面説明図である。
【図2】合金粉末を噴射して表面を硬化した際に形成さ
れた微細な凹部を有するジャーナル部表面の模型的説明
図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト素材 1A 中空カムシャフト部 1B カム部 1C ジャーナル部 1D 微細な凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴 木 健 司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (56)参考文献 特開 平11−107711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 51/00 - 55/30 F16C 3/00 - 9/06 F01L 1/00 - 1/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管を素材とした中空カムシャフト部に
    カム部が設けられていると共にジャ−ナル部が形成され
    ているカムシャフトにおいて、前記ジャーナル部はその
    表面硬さが鋼管素材の硬さよりもHv50以上高くHv
    300以上でありかつ平均径が100μm以下の微細な
    凹部が分散した表面性状をなしていることを特徴とする
    カムシャフト。
  2. 【請求項2】 ジャ−ナル部はその表面粗さがRa0.
    5μm以下でかつ平均径が100μm以下の微細な凹部
    が面積率で30%以上分散している請求項1に記載のカ
    ムシャフト。
  3. 【請求項3】 鋼管を素材とした中空カムシャフト部に
    カム部が設けられていると共にジャーナル部が形成され
    ているカムシャフトを製造するに際し、前記ジャーナル
    部に高硬度の合金粉末を噴射して前記ジャーナル部はそ
    の表面硬さが鋼管素材の硬さよりもHv50以上高くH
    v300以上でありかつ平均径が100μm以下の微細
    な凹部が分散した表面性状をなしているものとすること
    を特徴とするカムシャフトの製造方法。
  4. 【請求項4】 ジャーナル部はその表面粗さがRa0.
    5μm以下でかつ平均径が100μm以下の微細な凹部
    が面積率で30%以上分散しているものとする請求項3
    に記載のカムシャフトの製造方法。
  5. 【請求項5】 合金粉末は、必須元素として、重量%
    で、C:1〜2%、Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,
    Ti,Zr,Hf,Bのうちから選ばれる炭化物,炭窒
    化物.窒化物,硼化物形成元素の少なくとも1種:合計
    で10%以上、を含むFe,Co,Ni基合金からなる
    請求項3または4に記載のカムシャフトの製造方法。
  6. 【請求項6】 合金粉末は球形状をなしその粒径が#−
    200である請求項3ないし5のいずれかに記載のカム
    シャフトの製造方法。
  7. 【請求項7】 合金粉末はその硬さがHv500以上で
    ある請求項3ないし6のいずれかに記載のカムシャフト
    の製造方法。
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