JP3534453B2 - 抵抗溶接方法および装置 - Google Patents

抵抗溶接方法および装置

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JP3534453B2 JP22711194A JP22711194A JP3534453B2 JP 3534453 B2 JP3534453 B2 JP 3534453B2 JP 22711194 A JP22711194 A JP 22711194A JP 22711194 A JP22711194 A JP 22711194A JP 3534453 B2 JP3534453 B2 JP 3534453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼や高合金
鉄などを含む金属板や帯のストリップ同士を重ね合わせ
て溶接するための抵抗溶接方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、たとえば特開平5ー1159
03号公報などで、金属の連続ストリップ処理ラインに
おいて、先行材と後行材との接合を抵抗溶接方法によっ
て行う構成が開示されている。この先行技術では、シー
ム溶接機による金属ストリップの重ね合わせ溶接を行い
ながら、ストリップ表面温度を検出し、単位時間におけ
る温度変化率を算出している。
【0003】図7は典型的なシーム溶接機の外観を示
し、図8は図7のシーム溶接機のキャリッジの内部構成
を示す。このようなシーム溶接機は、たとえば金属帯の
連続通板ラインの入側に設けられ、複数のペイオフリー
ルから金属帯コイルが巻戻されて順次供給される金属帯
を、先行材1の尾端と後行材2の先端とを順次的に、重
ね合わせて溶接するために用いられている。溶接時に
は、先行材1の尾端は出側クランプ3によって保持さ
れ、後行材2の先端は入側クランプ4によって保持され
る。先行材1および後行材2はキャリッジ5内に挿通さ
れ、キャリッジ5は先行材1および後行材2の板幅方向
に移動しながら重ね合わせ抵抗溶接を行う。キャリッジ
5に隣接して操作盤6が設けられており、シーム溶接機
を操作するための入力を行う。
【0004】キャリッジ5は、油圧シリンダなどの駆動
装置7によって、先行材1および後行材2の板幅方向に
移動可能である。キャリッジ5内には、ダブルカットシ
ャー8が設けられ、抵抗溶接を開始する前に先行材1の
尾端と、後行材2の先端とをカットする。出側クランプ
3および入側クランプ4を相互に近接するように変位さ
せたときに、先行材1の尾端と後行材2の先端との重ね
代が一定となるように、前もって切断しておくためであ
る。上下一対のローラ形の電極9は、先行材1および後
行材2を重ね合わせた上下から溶接電流を流し、発生す
るジュール熱によって先行材1および後行材2を部分的
に溶融させ、先行材1の尾端と後行材2の先端との接合
を行う。電極9には、二次導体10から大きな電流値の
溶接電流が供給される。ダブルカットシャー8、電極9
および二次導体10は、キャリッジフレーム11内に設
置されている。キャリッジフレーム11の外部には、二
次導体10に電流を供給するための溶接電源12が取付
けられており、キャリッジ5の移動とともに、移動可能
である。
【0005】電極間に流そうとする溶接電流は、先行材
1および後行材2のそれぞれの板厚、板幅、材質や、相
互の重ね代、電極9の送り速度や加圧力等のデータに基
づいて予め外部から初期設定される。電極9を上下で加
圧しながら、電極9間に一定の溶接電流を流すために
は、溶接電流を検出してフィードバック制御を行ってい
る。溶接電流制御のためには、たとえばサイリスタなど
のスイッチング素子が用いられ、そのゲートを溶接電流
に見合う点弧角で点弧し、一定値に制御する。
【0006】溶接に必要な溶接電流は、ジュールの法則
に従って次の第1式で与えられる。
【0007】 Q = 0.24 × I2 × R × t …(1) この第1式で、Qは入熱量(kcal)、Iは溶接電流
(A)、Rは電極間の抵抗値(Ω)、tは溶接時間(s
ec)を表す。tは、単位面積当りIの溶接電流が流れ
る時間であり、電極9の送り速度によって決まる。Rは
金属の材質、重ね代および電極加圧力によって決定され
る。溶接性は、入熱量Qを溶接電流Iと、溶接時間t
と、抵抗値Rでコントロールすれば、常に一定の条件で
溶接が可能となるはずである。従来のシーム溶接機で
は、これらの条件を一定になるように制御している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すようなシー
ム溶接機では、機械的なガタなどによる重ね代の変化で
抵抗値Rが変化し、電極9の送り速度の変動で溶接時間
tが変化し、油圧系の変動によって電極加圧力が変化し
て抵抗値Rが変化し、さらに先行材1または後行材2の
接触部の形状や表面状態などで抵抗値Rが変化する。金
属の接触部の形状や表面状態の変化に対しては、圧延油
の付着の程度や、板厚の公差ずれ、酸化皮膜であるスケ
ールの有無、表面の凹凸など、様々な変動要因が考えら
れる。これらの要因の変動によって、溶接不良による通
板中の溶接部の板切れ、溶接部圧延時の溶接割れなどを
発生し、通板ラインや製品の品質に悪影響を与える。
【0009】特開平5−115903号公報の先行技術
では、溶接部の表面温度を検出して、溶接部の良否を判
断するようにしているけれども、溶接部の表面温度が一
定の範囲内になるように制御する点については開示され
ておらず、良好な溶接を行うことはできない。
【0010】本発明の目的は、溶接部の温度を一定の目
標範囲内に制御して安定な抵抗溶接を行うことができる
抵抗溶接方法および装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属ストリッ
プを重ねて抵抗溶接する方法において、溶接電流を検出
し、溶接時の表面温度を測定し、測定された表面温度が
目標範囲内になるように、溶接条件と表面温度の測定値
との関係を学習しておき、比率αを0≦α≦1の範囲で
設定し、溶接条件に対応する補正量に比率αを乗算し
学習結果に基づく補正量に比率(1−α)を乗算し、こ
れらの乗算結果の和で溶接電流を補正することを特徴と
する抵抗溶接方法である。 また本発明は、溶接中の溶
接条件に異常があるか否かを判断し、異常があると判断
されるときは、前記学習を行わないことを特徴とする。
また本発明は、金属ストリップの溶接結果に異常があ
るか否かを判断し、溶接結果が異常と判断されるときの
溶接条件と表面温度の測定値との関係は、学習結果から
除くことを特徴とする。 さらに本発明は、金属ストリ
ップを重ねて抵抗溶接する装置において、溶接条件を検
出する条件検出手段と、溶接時の表面温度を測定する温
度測定手段と、条件検出手段および温度測定手段からの
出力に応答し、溶接条件と表面温度との関係を記憶する
学習手段と、比率αを0≦α≦1の範囲で設定可能なα
設定手段と、条件検出手段および学習手段からの出力に
応答し、溶接条件に対応する補正量に比率αを乗算し、
前記学習結果に基づく補正量に比率(1−α)を乗算
し、これらの乗算結果の和で溶接電流を補正する電流補
正手段とを含むことを特徴とする抵抗溶接装置である。
【0012】
【作用】本発明に従えば、溶接電流を検出して、溶接機
の表面温度の測定値が目標範囲内になるように溶接電流
を補正する。溶接電流の補正は、溶接条件と表面温度の
測定値との関係を予め学習しておき、さらに比率αを0
≦α≦1の範囲で設定し、溶接条件に対応する補正量に
比率αを乗算し、学習結果に基づく補正量に比率(1−
α)を乗算して、これらの乗算結果の和で溶接電流の補
正を行うので、溶接条件と学習結果とを適度に反映させ
て溶接電流の補正を行うことが可能となり、溶接温度を
最適値に制御することができる。溶接が良好に行われる
か否かは、溶接電流によるジュール熱によって溶接部の
温度がどの程度まで上昇するか否かによって決定され
る。温度が高すぎると溶接部の破断や割れの原因とな
り、温度が低すぎると溶接強度が不足しやすい。溶接電
流による発熱量は、抵抗や溶接時間によって変化するけ
れども、溶接電流はその2乗の値として温度に大きな影
響を与える。溶接部の温度上昇に関して、溶接電流を制
御すれば、他の要因による変動を容易に打ち消して、迅
速に温度の補正を行うことができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】また本発明に従えば、溶接中の溶接条件に
異常があると判断されるときには、溶接条件と、表面温
度の測定値との間の関係の学習は行わない。学習結果に
は、溶接条件に異常がない場合の表面電流の測定値との
関係が得られるので、精度よく溶接電流の補正を行うこ
とができる。
【0020】また本発明に従えば、溶接結果が異常と判
断されるときの溶接条件と、表面温度の測定値との関係
は学習結果から除かれるので、溶接電流の補正は、良好
な溶接結果が得られている実績のある条件のみを使用す
る。これによって、補正した溶接電流による溶接結果が
良好である可能性を高めることができる。
【0021】さらに本発明に従えば、条件検出手段によ
って検出される溶接条件と、温度測定手段によって測定
される溶接時の表面温度との関係を学習手段が記憶す
。学習手段によって、溶接条件と、表面温度との測定
値との関係についての実績を利用することができる
らに比率αを0≦α≦1の範囲で設定可能なα設定手段
を備え、条件検出手段および学習手段からの出力に応答
し、溶接条件に対応する補正量に比率αを乗算し、学習
結果に基づく補正量に比率(1−α)を乗算し、これら
の乗算結果の和で溶接電流を補正する電流補正手段とを
含むため、溶接条件と学習結果とを適度に反映させて溶
接電流の補正を行い、溶接温度を容易に最適値に制御す
ることができる。
【0022】
【実施例】図1は本発明の一実施例の概略的な電気的構
成を示し、図2は図1の処理装置に関連する電気的構成
を示し、図3は図1の実施例の動作を示し、図4はシー
ム溶接のための機械的構成を示し、図5は本発明の他の
実施例の電気的構成を示し、図6は本発明のさらに他の
実施例の電気的構成を示す。
【0023】図1に示すように、二次導体20から供給
される溶接電流が、先行材21および後行材22に流
れ、その際のジュール熱によってシーム溶接が行われ
る。二次導体20へは、溶接トランス23によって商用
交流電源から降圧されて大電流化された溶接電流が供給
され、電極24に導かれる。電極24は、先行材21お
よび後行材22を上下から押圧する上電極24aと、下
電極24bとから構成される。上電極24aと下電極2
4bとによって挟持される部分の表面温度は、放射温度
計25によって計測される。放射温度計25の出力は、
変換器26によって4〜20mAの範囲の電流値に変換
される。溶接トランス23の一次側には、商用交流電源
からサイリスタスタック27を介して電力が供給され
る。一次側の電流は、電流検出器28によって検出され
る。一次側の電流は、溶接トランス23の降圧比に反比
例して増大され、二次側で溶接電流となる。
【0024】溶接電流は、上位のプロセスコンピュータ
などによる外部の溶接電流設定装置29によって設定さ
れる溶接電流設定値に、マイクロコンピュータなどによ
って実現される処理装置30から与えられる溶接電流補
正量を加え、さらにフィードバック制御が行われて決定
される。処理装置30には、先行材データ設定装置3
1、後行材データ設定装置32および設備異常検知装置
33からの信号が与えられ、予め定められるプログラム
に従って溶接電流補正量を算出する演算を行う。溶接電
流設定装置29からの溶接電流の設定値と、処理装置3
0からの溶接電流の補正量とは、補正装置34で加え合
わされ、その出力はフィードバック装置35に与えられ
る。フィードバック装置35の出力は、出力増幅器36
を介してサイリスタスタック27へゲート信号として与
えられる。サイリスタスタック27は、スイッチング素
子として複数のサイリスタを含み、ゲート信号に従って
溶接トランス23の一次電流を位相制御し、二次導体2
0に流れる溶接電流を調整する。溶接トランス23の一
次側には、溶接電流に対応する一次電流が流れ、その電
流は電流検出器28から入力増幅器37を介してフィー
ドバック装置35に戻される。
【0025】処理装置30は、先行材データ設定装置3
1および後行材データ設定装置32に設定される先行材
および後行材の鋼種などの材質、板厚および板幅などの
条件に従って予め設定されている目標溶接温度をデータ
として有している。このデータを変換器26からの出力
によって与えられる検出温度と比較し、その上限または
下限のチェック値より大きな偏差が発生した場合は、偏
差大信号を出力して、偏差大警報器38から警報を発生
させる。さらに、先行材21と後行材22とを溶接した
結果が異常であれば、爾後的に、溶接異常入力装置39
から処理装置30にその旨を入力する。
【0026】図2には、図1の処理装置30に関連する
構成をより詳細に示す。先行材データ設定装置31およ
び後行材データ設定装置32は、材質31a,32a、
板厚31b,32b、板幅31c,32cなどのデータ
を処理装置30にそれぞれ与える。処理装置30内に
は、ROMやRAMなどのメモリと、CPUなどとに基
づきソフトウエア処理によって実現される学習制御手段
40、学習メモリ41、データメモリ42、平均温度演
算手段43、演算手段44,45、不感帯設定手段4
6、上下限チェック手段47およびリミッタ手段48な
どが含まれる。設備異常検知装置33は、次の表1に示
すような項目について、溶接機の動作状態を常時監視
し、溶接異常と判定されるときには、その判定結果を学
習制御手段40に入力する。また、金属帯の溶接部分が
後工程において異常であると判断されるときには、溶接
異常入力装置39を介して、学習制御手段40に関連す
るデータが入力される。
【0027】
【表1】
【0028】図3は、図1および図2の実施例の動作を
示す。ステップa1から、1組の先行材と後行材との間
について溶接の準備が開始される。ステップa2では、
板厚、板幅、鋼種、送り速度、重ね代、電極加圧力等の
溶接条件が入力される。ステップa3では、ステップa
2で入力された溶接条件に従って、技術標準などによっ
て予め設定されている電流値を、溶接電流として設定す
る。ステップa4では、図2の先行材データ設定装置3
1から、先行材についての材質31a、板厚31bおよ
び板幅31cなどのデータが処理装置30に与えられ
る。ステップa5では、図1の後行材データ設定装置3
2から、後行材についての材質32a、板厚32b、お
よび板幅32cなどのデータが、処理装置30に与えら
れる。ステップa6では、与えられたデータに従ってデ
ータメモリ42から目標温度と上限および下限の範囲と
が読出される。ステップa7では、図2の学習メモリ4
1から、データメモリ42からの目標温度と、平均温度
演算手段43からの平均温度とに基づき、目標温度を修
正すべき温度修正量が読出される。図1の演算手段44
では、データメモリ42からの目標温度を、学習メモリ
41からの温度修正量で修正し、修正結果を演算手段4
5に与える。演算手段45では、溶接温度26aと、演
算手段44からの出力とに応答し、図3のステップa8
の温度比較を行う。
【0029】ステップa9では、演算手段45における
温度比較の結果が図2の不感帯設定手段46に与えら
れ、温度の偏差が予め定められる不感帯の範囲を超える
と、偏差に対応した出力が上下限チェック手段47に与
えられる。上下限チェック手段47は、図3のステップ
a10の上下限チェック処理を行い、偏差が上下限を超
えるときには、ステップa11からステップa12に移
り、偏差大警報器38から警報を発生する。ただし、溶
接電流の通電を開始してから予め設定される時間の範囲
内では、溶接部の温度が充分に上昇していないので、上
下限チェック手段47の処理のうち、少なくとも上限の
チェック機能は停止状態とする。次に、ステップa13
で、図2のリミッタ手段48によって、データメモリ4
2から読出した上限および下限に基づいて補正量を制限
し、溶接電流補正量30aとして導出する。
【0030】ステップa14では、図2のリミッタ手段
48から導出された溶接電流補正量30aを図1の補正
装置34に与え、溶接電流設定装置29からの溶接電流
設定値を補正する。図3のステップa15では、補正さ
れた溶接電流に基づき、サイリスタスタック27の位相
角制御が行われ、上電極24aと、下電極24bとの間
で溶接電流の通電が行われる。ステップa16では、図
1の放射温度計25によって、溶接部付近の表面温度が
測定される。ステップa17では、シーム溶接が終了し
たか否かが判断される。終了していないと判断されると
きには、ステップa8に戻る。溶接が終了したと判断さ
れるときには、ステップa18で、設備異常検知装置3
3が表1に示すような設備異常を検知したか否かが判断
される。設備異常が検知されていないときには、ステッ
プa19で、図2の学習制御手段40によって、学習メ
モリ41に、平均温度演算手段43からの平均温度と、
データメモリ42からの目標温度との差の1/2を温度
修正量として記憶するという学習機能を能動化する。こ
のようにして、次々と金属帯の溶接を繰り返して行う。
【0031】ステップa20では、後工程で溶接異常が
発生しているか否かを判断する。溶接異常が発生してい
るときには、図2の溶接異常入力装置39から学習制御
手段40にデータを与え、ステップa21で、学習メモ
リ41から関連する学習結果を除去する。ステップa2
2で、最終的に1つの溶接箇所についての処理を終了す
る。
【0032】図4は、図1および図2の実施例に好適に
使用されるシーム溶接機の機械的な構成を示す。図4
(a)は正面断面図、図4(b)は簡略化した斜視図を
それぞれ示す。先行材21および後行材22の通板方向
に対して、垂直な板幅方向に移動可能なキャリッジ50
には、ローラ状の上電極24aおよび下電極24bが取
付けられている。先行材21および後行材22の通板方
向に垂直に移動可能なように、キャリッジ50の底面に
は車輪51が設けられている。キャリッジ50が移動す
るときには、上電極24aおよび下電極24bが、先行
材21および後行材22の重ね代52の部分を上下から
押圧し、シーム溶接を行う。溶接の際には、図4(a)
に示すように、先行材21および後行材22は、出側ク
ランプ53および入側クランプ54によってそれぞれ保
持される。溶接部分の表面温度は、放射温度計25を用
いて監視される。
【0033】図5には、本発明の他の実施例による処理
装置60に関連する構成を示す。本実施例は図2に示す
構成に類似し、処理装置60は図2の処理装置30に置
き換えられ、図2の構成に対応する部分には同一の参照
符を付す。本実施例において注目すべきは、α設定装置
61によって設定される比率α(0≦α≦1)を外部設
定可能であり、設定されたαの値を用いて、α演算手段
62が学習メモリ41およびデータメモリ42にストア
されているデータを用いて溶接電流の補正量の演算を行
うことである。また、学習制御手段63は、データメモ
リ42からの目標温度と、溶接温度26aとを比較し、
この差が予め設定される基準値よりも大きいときには、
溶接異常と判断し、学習メモリ41における学習の対象
から除外する。α演算手段62は、次の第2式に示すよ
うな演算を行う。
【0034】 ここで、AおよびBは、データメモリ42および学習メ
モリ41から読出される補正量のデータをそれぞれ示
し、Cは演算結果を示す。本実施例によれば、比率αの
値に従って、学習結果を利用する割合を調整することが
できる。たとえば、同じような条件で溶接を繰返して行
うときには、比率αの値を小さく、すなわち比率(1−
α)の値を大きくして、学習機能を充分に活用し、溶接
条件の変動が大きいときには比率αの値を大きく設定し
て、学習機能を殆ど停止した状態で溶接を行う。さら
に、溶接温度26aと、データメモリ42からの目標温
度の偏差が大きいときには、学習を停止するので、学習
メモリ41に学習されるデータの信頼性を高めることが
できる。
【0035】図6は、本発明のさらに他の実施例による
処理装置70に関連する構成を示す。本実施例も図2の
構成に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。
本実施例の処理装置70は、図2の構成の処理装置30
に置き換えられる。注目すべきは、第1の学習メモリ7
1、第2の学習メモリ72およびデータ解析手段73を
含んで学習手段74が構成され、データ解析手段73を
学習制御手段75によって制御することである。先ず、
第1の学習メモリ71には、図1および図2に示す実施
例などと同様に、目標温度と、平均温度との差に基づく
修正量が学習される。データ解析手段73は、過去のデ
ータの平均値など、統計解析を行い、第2の学習メモリ
72に解析結果をストアする。データ解析手段73によ
ってデータ解析を行ってから、第2の学習メモリ72に
温度修正量に対するデータを学習するので、瞬時的な雑
音などの影響を受けずに、信頼性の高い学習を行うこと
ができる。
【0036】以上の各実施例では、連続的に通板される
金属帯をシーム溶接する場合について説明しているけれ
ども、溶接部の重ね代を押し潰すマッシュシーム溶接で
あっても同様に本発明を適用することができる。むし
ろ、溶接条件がより厳しいマッシュシーム溶接におい
て、本発明は好適に実施され、信頼性の高い溶接を行う
ことができる。また、連続的なシーム溶接ばかりでな
く、スポット溶接を複数箇所行うようにしてもよく、ま
たコイル状の金属帯同士の溶接ばかりでなく、金属板同
士の溶接においても同様に適用することができる。
【0037】さらに、各実施例では、放射温度計を用い
て溶接部付近の表面温度を検出しているけれども、熱電
対などの測温センサを溶接部表面に直接接触させて温度
を測定するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶接性に
及ぼす溶接温度に着目し、様々な変動要因が存在しても
溶接性が安定するように、溶接部の表面温度を常時測定
することによって監視し、溶接電流を制御して溶接性を
一定にすることができる。これによって、金属の通板ラ
インなどでは、種々の変動要因が生じても、製品の品質
には悪影響がなく、信頼性のよい安定な抵抗溶接を行う
ことができる。また溶接電流の補正は、溶接条件と表面
温度の測定値との関係を予め学習しておき、さらに比率
αを0≦α≦1の範囲で設定し、溶接条件に対応する補
正量に比率αを乗算し、学習結果に基づく補正量に比率
(1−α)を乗算して、これらの乗算結果の和で溶接電
流の補正を行うので、溶接条件と学習結果とを適度に反
映させて溶接電流の補正を行うことが可能となり、溶接
温度を最適値に制御することができる。
【0039】
【0040】
【0041】また本発明によれば、溶接条件に異常があ
るときの表面温度の測定値との関係は学習を行わないの
で、溶接電流を補正する学習結果は、溶接条件が良好な
場合に対応するもののみであり、精度の高い溶接電流の
補正を行うことができる。
【0042】また本発明によれば、溶接結果が異常と判
断されるときの溶接条件と表面温度の測定値との関係は
学習結果から除かれるので、溶接電流の補正の結果から
溶接結果が異常になる可能性は減少され、信頼性の高い
溶接を行うことができる。
【0043】さらに本発明に従えば、条件検出手段によ
って検出される溶接条件と、温度測定手段によって測定
される溶接時の表面温度との関係を学習手段が記憶す
る。さらに比率αを0≦α≦1の範囲で設定可能なα設
定手段を備え、条件検出手段および学習手段からの出力
に応答し、溶接条件に対応する補正量に比率αを乗算
し、学習結果に基づく補正量に比率(1−α)を乗算
し、これらの乗算結果の和で溶接電流を補正する電流補
正手段とを含む。これにより溶接条件と学習結果とを適
度に反映させて溶接電流の補正を行うことが可能とな
り、溶接温度を容易に最適値に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略的な電気的構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の実施例の処理装置30に関連する電気的
構成を示すブロック図である。
【図3】図1および図2の実施例の動作を示すフローチ
ャートである。
【図4】図1の実施例に用いる溶接機の概略的な構成を
示す正面断面図および斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例の処理装置に関連する電気
的構成を示すブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例の処理装置に関連す
る電気的構成を示すブロック図である。
【図7】従来からのシーム溶接機の全体的な構成を示す
簡略化した斜視図である。
【図8】図7のシーム溶接機のキャリッジに関連する構
成を示す簡略化した斜視図である。
【符号の説明】
21 先行材 22 後行材 23 溶接トランス 24 電極 24a 上電極 24b 下電極 25 放射温度計 26a 溶接温度 27 サイリスタスタック 28 電流検出器 29 溶接電流設定装置 30,60,70 処理装置 30a 溶接電流補正量 31 先行材データ設定装置 32 後行材データ設定装置 33 設備異常検知装置 34 補正装置 35 フィードバック装置 38 偏差大警報器 39 溶接異常入力装置 40,63,75 学習制御手段 41,71,72 学習メモリ 42 データメモリ 43 平均温度演算手段 44,45 演算手段 47 上下限チェック手段 50 キャリッジ 52 重ね代 61 α設定装置 62 α演算装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B23K 11/06 320 B23K 11/06 320 B23K 101:16 101:16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ストリップを重ねて抵抗溶接する方
    法において、 溶接電流を検出し、 溶接時の表面温度を測定し、 測定された表面温度が目標範囲内になるように、溶接条
    件と表面温度の測定値との関係を学習しておき、 比率αを0≦α≦1の範囲で設定し、 溶接条件に対応する補正量に比率αを乗算し学習結果に基づく補正量に比率(1−α)を乗算し、 これらの乗算結果の和で 溶接電流を補正することを特徴
    とする抵抗溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接中の溶接条件に異常があるか否かを
    判断し、 異常があると判断されるときは、前記学習を行わないこ
    とを特徴とする請求項1に記載の抵抗溶接方法。
  3. 【請求項3】 金属ストリップの溶接結果に異常がある
    か否かを判断し、 溶接結果が異常と判断されるときの溶接条件と表面温度
    の測定値との関係は、学習結果から除くことを特徴とす
    請求項1または2に記載の抵抗溶接方法。
  4. 【請求項4】 金属ストリップを重ねて抵抗溶接する装
    置において、 溶接条件を検出する条件検出手段と、 溶接時の表面温度を測定する温度測定手段と、 条件検出手段および温度測定手段からの出力に応答し、
    溶接条件と表面温度との関係を記憶する学習手段と、比率αを0≦α≦1の範囲で設定可能なα設定手段と、 条件検出手段および学習手段からの出力に応答し、溶接
    条件に対応する補正量に比率αを乗算し、前記学習結果
    に基づく補正量に比率(1−α)を乗算し、これらの乗
    算結果の和で 溶接電流を補正する電流補正手段とを含む
    ことを特徴とする抵抗溶接装置。
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