JP3533999B2 - 吸着材料 - Google Patents
吸着材料Info
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Description
捕捉することのできる吸着材料に関する。
料から発生する芳香族炭化水素、あるいは燃料を取り扱
う施設、倉庫、車両中にこもる燃料ガス等の炭化水素類
は、人に不快感を与えるのみならず、なかには人に有害
なものも存在するため、これらを除去することが望まし
い。
ィルタとして、放射線グラフト重合反応によりイオン交
換基を導入した高分子繊維の不織布もしくは織布のハニ
カム構造体が知られている(特開平9−173733号
公報)。このイオン交換基としてはスルホン基、カルボ
キシル基、アミノ基等が用いられ、大気中のアンモニア
等のイオンを親和力により吸着させ、除去することがで
きる。
有機物を除去するため、多孔質膜にイオン交換基をグラ
フト共重合により結合させたアニオン吸着膜も知られて
いる(特開平7−41574号公報)。この吸着膜も、
上記のエアーフィルタと同様に、4級アミン等のアニオ
ン交換基を基材に結合させており、このアニオン交換基
との親和力によって水中の不純物を吸着させ、除去する
ものである。
内装樹脂や住居の建築材料から発生する芳香族炭化水
素、あるいは燃料を取り扱う施設、倉庫、車両中にこも
る燃料ガス等の炭化水素類のうち、例えばアルデヒドの
ような極性の高い分子は上記の従来のイオン親和力を利
用する吸着材によって吸着除去することができるが、極
性の低い分子は吸着材との親和力を持たないため、吸着
することができなかった。
去するため、従来活性炭が使用されているが、例えば室
内の内装に用いる場合、内装材とは別個に場所をとり、
また吸着される分子の選択は細孔径できまるため、設計
制御が困難であった。
めに本発明によれば、基材樹脂と、この基材樹脂にグラ
フト化によって結合した有機分子を含む吸着材料におい
て、前記有機分子の端部に嵩高い基が配置される。さら
に、好ましくは、前記有機分子は枝分かれ構造を有して
おり、各枝のそれぞれ端部に嵩高い基が設けられてい
る。
を配置することにより、有機分子、特にイオン親和力に
よっては吸着されない低極性有機分子をこの嵩高い基に
からませる、いわゆるアンカー効果によって捕捉し、吸
着除去することができる。
嵩高い基を端部に有する有機分子をグラフト化させたも
のであり、基材樹脂としてはグラフト反応可能なあらゆ
る樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロ
トリフルオロエチレン共重合体等のオレフィン−ハロゲ
ン化オレフィン共重合体、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエ
チレン等のハロゲン化ポリオレフィン等を用いることが
できる。
結合させる有機分子としては、グラフト化反応可能な化
合物を用いることができる。このグラフト化反応可能な
化合物としては、ビニル系化合物、すなわちビニル基H
2 C=CH−を有する化合物が例示される。
ては下式で示されるように、3級もしくは4級炭素を有
するものが好ましい。
シ、エトキシ等のアルコキシ基、又は含ベンゼン環構造
を表す。
いる場合、基材樹脂にグラフトさせる有機化合物として
は下式のものを用いることができる。
の有機分子が枝分かれ構造を有しており、各枝のそれぞ
れ端部に嵩高い基が設けられているものが好ましい。
されるように、嵩高い基は互いにシス位置の関係にある
ことが好ましい。また、この嵩高い基とビニルとの間の
炭素長は長いほど、具体的には3以上であることが、ア
ンカー効果を発揮する効果の点において好ましい。
機分子を基材樹脂にグラフト化させるには、当該分野に
おいて周知のグラフト共重合法を用いる。すなわち、基
材樹脂上に均一にラジカルを生成させ、このラジカルを
開始点として有機分子をグラフト共重合させる。このラ
ジカルを生成させる方法としては、プラズマ照射、光照
射、放射線照射等により行うことができるが、基材樹脂
上に均一にラジカルを生成させるためには放射線照射に
よる方法が好ましい。また、放射線としては、γ線、電
子線、中性子線等を用いることができるが、ラジカルを
均一に生成させるため、透過性の高いγ線を用いること
が好ましい。
るように、基材樹脂(下式ではポリエチレン)に、端部
に嵩高い基を有する有機分子が結合され、本発明の吸着
材料を与える。
結合した嵩高い基が、吸着除去しようとする有機分子と
絡み合うことにより捕捉し、吸着するのである。この吸
着除去する有機分子としては、車室、住居内装からの揮
発成分として下式の化合物が挙げられる。
る。
分かれ構造を有し、各端部に嵩高い基を有する場合、直
鎖化合物である上記の燃料関連成分を、いわゆるくさび
効果によって捕捉し、より効果的に吸着することができ
る。また、加熱等の分子鎖振動を与えることにより、捕
捉効果を促進することもできる。
有する吸着材料及び吸着のイメージを図1に示す。図1
中、aは嵩高い基3を端部に有する有機分子2を基材樹
脂1にグラフトさせたものであり、芳香族分子のような
嵩高い分子4を捕捉するのに有効である。また、図1
中、bは基材樹脂1にグラフトした有機分子2が枝分か
れ構造を有し、この枝の各々に嵩高い基3がシス位置に
結合しているものであり、燃料関連成分のような直鎖構
造の分子5を捕捉するのに有効である。この図に示すよ
うに、各有機分子4又は5は、嵩高い基3に絡み合うこ
とによって吸着される。
有する吸着材料によっては吸着除去することのできない
低極性有機分子を、嵩高い基により構造的に捕捉するこ
とができる。さらに、基材樹脂自体に直接有機分子吸着
性能を付与することができる。また、吸着させようとす
る分子に応じて、基材樹脂に結合させる有機分子及び嵩
高い基を選択することによって、より効率的な吸着を達
成することができる。
吸着のイメージを示す略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基材樹脂と、この基材樹脂にグラフト化
によって結合した有機分子を含み、前記有機分子が下式 【化1】 (上式中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又は含ベン
ゼン環構造を表す)で表される3級もしくは4級炭素を
有する嵩高い基をその端部に有することを特徴とする吸
着材料。 - 【請求項2】 前記有機分子が枝分かれ構造を有し、各
枝がそれぞれ下式 【化2】 (上式中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又は含ベン
ゼン環構造を表す)で表される3級もしくは4級炭素を
有する嵩高い基をその端部に有することを特徴とする、
請求項1記載の吸着材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20649299A JP3533999B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 吸着材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20649299A JP3533999B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 吸着材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001029782A JP2001029782A (ja) | 2001-02-06 |
JP3533999B2 true JP3533999B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=16524278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20649299A Expired - Fee Related JP3533999B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 吸着材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3533999B2 (ja) |
-
1999
- 1999-07-21 JP JP20649299A patent/JP3533999B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP2001029782A (ja) | 2001-02-06 |
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