JP3530380B2 - 溶融金属容器の内面形状の計測装置及び計測方法 - Google Patents
溶融金属容器の内面形状の計測装置及び計測方法Info
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Description
面に施工された耐火物の形状を測定するための測定装置
及び測定方法に関し、特に、取鍋等のように移動して使
用される溶融金属容器の内面に施工された耐火物の形状
測定に適するものである。
の溶融金属から容器の外郭である鉄皮を保護するために
耐火物が施工されている。この耐火物は、高温の溶融金
属との摩擦等や化学的変化により損耗するため、定期的
に補修する必要がある。このような耐火物の補修を効率
的に行うためには、予め耐火物の損耗状態を把握しなけ
ればならない。そこで、従来より、溶融金属容器の内面
に施工された耐火物の形状を計測するための装置や方法
が種々提案されている。
開平6−160074号公報に記載された高温溶融物体
容器プロフィル測定装置がある。この測定装置では、測
距儀、トランシット、位置指示器、データ処理装置を用
いて溶融金属容器の内面に施工された耐火物の形状を測
定しようとしている。
られている従来の技術では、溶融金属容器が移動する
と、この溶融金属容器に対する基準点がなくなってしま
うため、大規模な位置決め装置が必要であった。
設けられるが、計測対象は溶融金属容器の内面であるた
め、1個の計測装置により、溶融金属容器の外側と内側
とを同時に計測することができない。このため、計測装
置に移動機構を組み込む必要があり、装置が大がかりに
なってしまうという問題点があった。また、溶融金属容
器の開口部付近に基準点を設けることにより、溶融金属
容器の外側と内側とを同時に計測することが可能となる
が、開口部付近に基準点を設けると、溶融金属および、
その飛沫により基準点が汚損したり、計測装置の設置位
置に制約ができる等の新たな問題が発生する。また、特
に、上述した特開平6−160074号公報に記載され
た従来の技術では、位置指示器により溶融金属容器の内
面測定を可能とするためには、位置指示器の腕を伸ばす
必要がある。このため、位置指示器の脱着が必要となっ
て、手間がかかるという問題点があった。
高所作業となり危険が伴うという問題点もあった。本発
明は、上述した従来の技術の有する問題点を解決するた
めに提案されたもので、移動可能な大型の溶融金属容器
であっても、その内面に施工された耐火物の形状を簡易
かつ正確に計測することができる溶融金属容器の内面形
状の計測装置及び計測方法を提供することを目的とす
る。
を達成するために、以下の特徴点を備えている。請求項
1記載の発明は、溶融金属容器の内面に施工された耐火
物の形状を計測するための計測装置であって、前記溶融
金属容器の外面に設定した3カ所以上の容器基準点と、
前記溶融金属容器の内面の計測点に対向して設置され、
計測点までの角度と距離とを計測するための子機と、前
記子機上に設定した子機位置代表点と、前記容器基準点
と前記子機位置代表点とに対向して設置され、前記容器
基準点と前記子機位置代表点までの角度と距離とを計測
するための親機と、前記子機と前記親機から計測可能な
位置に設定された共通基準点と、前記子機と前記親機に
よる計測データに基づいて、前記溶融金属容器の内面に
施工された耐火物の形状を測定するための演算手段とを
備えたことを特徴とするものである。
器の外面に対向する親機と、前記溶融金属容器の内面に
対向する子機とを備えた計測装置を用いて、前記溶融金
属容器の内面に施工された耐火物の形状を計測するため
の計測方法であって、溶融金属容器の外面に3カ所以上
の容器基準点を設定し、前記親機及び前記子機が対向可
能な位置に共通基準点を設定し、前記親機を溶融金属容
器の外面に設けた容器基準点と前記共通基準点とに対向
して設置し、前記子機を溶融金属容器の内面の計測点と
前記共通基準点とに対向して設置し、前記親機からの前
記容器基準点に対する角度及び距離を計測し、前記親機
から共通基準点に対する角度と距離、前記子機からの共
通基準点に対する角度と距離、前記親機と前記子機との
距離に基づいて、前記親機と前記子機との位置関係を計
測し、前記子機からの前記溶融金属容器の計測点に対す
る角度と距離とを計測し、前記各計測結果に基づいて、
溶融金属容器の内面に施工された耐火物の形状を計測す
ることを特徴とするものである。上記した構成を備える
ことにより、移動可能な大型の溶融金属容器の内面に施
工された耐火物の形状を、簡易かつ正確に計測すること
ができる。
一実施形態を説明する。図1は、本発明に係る溶融金属
容器の内面形状の計測装置の概略構成図である。この計
測装置1は、図1に示すように、溶融金属容器2の外面
に設定した3カ所以上の容器基準点3と、溶融金属容器
2の内面の計測点に対向して設置され、計測点までの角
度と距離とを計測するための子機4と、子機4上に設定
した子機位置代表点5と、容器基準点3と子機位置代表
点5とに対向して設置され、容器基準点3と子機位置代
表点5までの角度と距離とを計測するための親機6と、
子機4と親機6から計測可能な地面上に設定された共通
基準点7と、子機4と親機6による計測データに基づい
て、溶融金属容器2の内面に施工された耐火物の形状を
測定するための演算手段8とを備えている。なお、前記
親機6及び子機4は、例えば、レーザ測距計からなる。
また、演算手段8は、例えば、コンピュータ及びその付
属機器からなる。
装置を用いて溶融金属容器の内面に施工された耐火物の
形状を測定する方法の概略手順を説明する。なお、以下
の説明では、溶融金属容器を鍋として説明する。図2
は、親機座標系からの鍋基準系の観測を説明した説明
図、図3は、子機座標系から鍋の中心軸系の観測を説明
した説明図、図4は、親機座標系から子機座標系の観測
を説明した説明図である。
火物の形状を測定するための前提として、以下の条件を
満足している必要がある。 <前提条件> (1)親機、子機ともに水準が出ている(鉛直方向に計
測機本体のz軸が一致している)。 (2)鍋の施工厚は、既知とする。なお、施工厚は、単
一でなくとも、ゾーン毎に既知とする。 (3)鍋上基準の位置は、使用前後でも鍋鉄皮に対して
不変とする(熱変形の影響を無視する)。 (4)耐火物残厚は、鍋使用前後の測定点の半径方向座
標の差と考える。 これは、鍋中心を軸とする円筒形座標で考えた場合、鍋
使用前後の測定点は、それぞれ円筒状の円周方向位置、
円筒軸方向位置について、若干のずれを持つからであ
る。測定点の直線距離は、非半径方向の位置ずれを含む
が、耐火物の残厚は、半径方向成分のみが有効と考えら
れるので、円筒座標系表示に変換した上で比較すると、
その差が用意に求められる。
う。以下に説明する各座標系間の関係を以下に示す。
基準点(3点)[親機基準]獲得
にX軸を一致させ、距離を計測する。
(3点)を計測する。
点) 子機により測定する。
基準点(3点)[親機基準]獲得
にX軸を一致させ、距離を計測する。
点)
定位置は中心軸方向、円周方向でもずれているが、測定
したいのは半径方向(P軸)の変化量のみ。そこで、
さらに具体的に説明する。図5は、計測装置と鍋の座標
系K,Nを説明する説明図、図6は、鍋系(鍋上の座標
系)Nを説明する説明図、図7は、計測装置系と鍋の仮
想中心軸の座標系K,Mを説明する説明図、図8は、計
測装置間座標(平面)、O系(親機)、K系(子機)を
説明する説明図である。
ジ式となる。ベクトル積は右手系なので、負号を付けて
表す。MT は行列Mの転置行列である。
進成分とに分解でき、
めに、
を鍋座標系Nとする。左手系。 Aを原点、AからBへの方向をX軸、ABCを含む平面
内に、X軸を線分CAに向かって重なる方向に回転させ
たとき進む逆ネジの方向の、平面ABCの法線をZ軸、
Z軸をX軸に重ねるように回転させたときに進む逆ネジ
の方向をY軸とする。
列表現 子機から測ったA,B,Cの座標点の配列のデータを下
記のように表す。
K座標系で表現されるN座標系の原点が
形した、
上で、
の座標変換が記述できるから、回転行列はK座標系で表
現されたN座標系の単位ベクトルによる行列で表され、
以下のようになる。
ルで構成すると、(以下”X”はベクトル外積を表す)
下、計測機での測定値で、
以下のように定義する。
7)式より、
換 (1)M座標系 規約3:鍋の炉口部の(できるだけ)同一平面内にある
観測点S,T,Uの外心円の中心を仮想中心Vとし、底
部の中心W、そして鍋のカラス口の逆側(up..)Uによ
って定まる座標系を仮想中心座標系Mとする。左手系。
Wを原点、WからVへの方向をZ軸、UVWを含む平面
内に、Z軸を線分WUに向かって重なる方向に回転させ
たとき進む逆ネジの方向の、平面UVWの法線をY軸、
Z軸をY軸に重ねるように回転させたときに進む逆ネジ
の方向をX軸とする。
示については別途説明する。以下、2−2.と同様の手
順で同時変換行列
トルによる行列で表され、以下のように定義する。
ルで構成すると、
である)
の機能を若干分化して考える。測定器の固定されている
フレーム(つまり地面)上の固定点をE(バック点、ea
rth...)とする。角度は各測定器のX軸から時計回りに
測る。親機OのX軸はE点に向かっているものとする。 (2)両計測機がZ軸を鉛直軸としている場合 (i)親機、子機とも鉛直示準点を持ち、相互に計測可能
な場合 α:Oから測ったKの水平角 γ:Kから測ったOの水平角 求めたいのは、座標系Oと座標系Kの水平角の差ω。図
7より、
明)、子機の示準点まで、およびバック点Eまでの距離
合(不平行の場合) 2−2.2−3.と同じ構造になるので、子機に3示準
点を設けることが必要になる。
となる。 規約4:底部の中心Wを原点とし、M座標系のZ軸をz
軸(変数z)とし、X軸(カラス口の反対側)を起点と
して半径軸P(変数ρ)、時計回りに角度軸Φ(変数
ψ)できまる座標系をCとする。M座標系で(x y
z)と表される点は、C座標系では以下のように表され
るので、
1 は計算機上では、atan2(x,y) であるべき) この変換を関数表現として
以下に示すような効果を奏する。請求項1及び請求項2
記載の発明によれば、親機及び子機を簡単に移動して設
置することができるので、大規模な位置決め装置等が必
要でない。また、計測装置に移動機構を組み込む必要が
なく、装置を小型化することができる。したがって、移
動可能な大型の溶融金属容器であっても、その内面に施
工された耐火物の形状を簡易かつ正確に計測することが
できる。
置の概略構成図である。
明図である。
説明図である。
明図である。
である。
る。
説明する説明図である。
(子機)を説明する説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融金属容器の内面に施工された耐火物
の形状を計測するための計測装置であって、 前記溶融金属容器の外面に設定した3カ所以上の容器基
準点と、 前記溶融金属容器の内面の計測点に対向して設置され、
計測点までの角度と距離とを計測するための子機と、 前記子機上に設定した子機位置代表点と、 前記容器基準点と前記子機位置代表点とに対向して設置
され、前記容器基準点と前記子機位置代表点までの角度
と距離とを計測するための親機と、 前記子機と前記親機から計測可能な位置に設定された共
通基準点と、 前記子機と前記親機による計測データに基づいて、前記
溶融金属容器の内面に施工された耐火物の形状を測定す
るための演算手段と、を備えたことを特徴とする溶融金
属容器の内面形状の計測装置。 - 【請求項2】 溶融金属容器の外面に対向する親機と、
前記溶融金属容器の内面に対向する子機とを備えた計測
装置を用いて、前記溶融金属容器の内面に施工された耐
火物の形状を計測するための計測方法であって、 溶融金属容器の外面に3カ所以上の容器基準点を設定
し、 前記親機及び前記子機が対向可能な位置に共通基準点を
設定し、 前記親機を溶融金属容器の外面に設定した容器基準点と
前記共通基準点とに対向して設置し、 前記子機を溶融金属容器の内面の計測点と前記共通基準
点とに対向して設置し、前記親機からの前記容器基準点
に対する角度及び距離を計測し、 前記親機から共通基準点に対する角度と距離、前記子機
からの共通基準点に対する角度と距離、前記親機と前記
子機との距離に基づいて、前記親機と前記子機との位置
関係を計測し、 前記子機からの前記溶融金属容器の計測点に対する角度
と距離とを計測し、 前記各計測結果に基づいて、溶融金属容器の内面に施工
された耐火物の形状を測定することを特徴とする計測方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12268898A JP3530380B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 溶融金属容器の内面形状の計測装置及び計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12268898A JP3530380B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 溶融金属容器の内面形状の計測装置及び計測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11304442A JPH11304442A (ja) | 1999-11-05 |
JP3530380B2 true JP3530380B2 (ja) | 2004-05-24 |
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ID=14842171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12268898A Expired - Fee Related JP3530380B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 溶融金属容器の内面形状の計測装置及び計測方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3530380B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5069167B2 (ja) * | 2008-04-16 | 2012-11-07 | 日本電産トーソク株式会社 | 変形検査方法 |
JP6066785B2 (ja) * | 2013-03-12 | 2017-01-25 | 株式会社神戸製鋼所 | 混銑車炉体の鉄皮外面形状の測定方法 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP12268898A patent/JP3530380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11304442A (ja) | 1999-11-05 |
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