JP3528305B2 - イオン源 - Google Patents
イオン源Info
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Description
ームを引用すイオン源に係り、特に、電極への付着物の
発生を防止し、しかも熱膨張による電極の歪みを防止す
るイオン源に関するものである。
のイオン源は、プラズマ室内でアーク放電によりプラズ
マガスをプラズマ化させ、このプラズマを磁場によりプ
ラズマ室内に閉じ込め、このプラズマを引出し用の電場
で加速してイオンビームとしてプラズマ室外に引き出す
ようになっている。プラズマガスには、水素ガスを混合
することにより希釈したPH3 /H2 ,B2 H6 /H2
などが用いられる。引出し用の電場を得るために、多数
のビーム孔を有する電極でプラズマ室の開口部を覆う。
この電極は、プラズマ室の開口部に直接或いはフランジ
を介してネジ止め等により固定される。また、電極は、
一種類とは限らず、複数の電極を重ねて用いるのが通例
である。
のイオン源が望まれており、従って電極も大面積にする
必要が生じている。また、イオン源が円筒状であるのに
対し、電極の形状としては、円形のものや方形のものが
ある。
電極にはイオンが衝突することによる熱が発生する。発
熱による直接の問題点は、電極が熱膨脹して歪んでしま
うことである。電極が歪むと、イオンビームのプロファ
イル(分布)が偏り、基板へのイオン注入が不均一にな
る。
脹率の小さい材料を使用することは勿論であるが、近年
のように700mm角以上の大面積電極となると、熱膨
脹率の小さい材料といえども大きく膨脹するので歪みが
問題となる。また、強制冷却によって熱膨脹をなくすこ
とも考えられているが、直接、冷却水を導入するとその
冷却水がイオン源の汚染原因となったり、冷却水を通し
た冷却用フランジに電極を取り付けるとその位置決めに
困難したりする。
付着して膜となり、この付着物が2kV未満での高電圧
における異常放電の原因となることが知られている。付
着物が発生した電極はクリーニングする必要があるが、
クリーニングは煩わしく、付着物の発生しにくい電極が
望まれている。ところが、電極を冷却した場合に付着物
が顕著に発生することが発見された。このため、前述の
熱膨脹による歪み防止のための冷却と付着物の発生と
が、矛盾しあうことになる。
し、電極への付着物の発生を防止し、しかも熱包丁によ
る電極の歪みを防止するイオン源を提供することにあ
る。
に本発明は、プラズマを閉じ込めたプラズマ室の開口部
を、イオンビームを引出すための多数のビーム孔を有し
た電極で覆ったイオン源において、上記電極の内周部
に、この電極の中心を通る複数の切り込みを設けたもの
である。
い。
に絶縁されているので、発熱が逃げることなく高温に維
持される。付着物は高温のため蒸発する。このとき電極
は熱膨脹するが、熱膨脹を許容して支持されているので
歪みを生じない。
が小さくなり熱的な絶縁が得られる。また、この4支持
点が縦横の中心線上でそれぞれ中心線方向に自由なの
で、熱膨脹が均等に許容される。
点で熱的に絶縁されかつ熱膨脹を許容して支持される。
周部で熱膨脹が大きいとき、電極の周縁のU溝が開いて
内周部に生じる歪みを緩和する。
方向に分断されているので、温度の偏りのため電極の周
方向に熱膨脹の偏りがあるときでも歪みを生じない。
切り込みでの応力集中がない。
設けても、熱膨脹を許容することができる。この場合、
電極支持板を支持する支持リングは円弧部分が熱膨脹に
より径方向に変形するが、その変形方向がU溝の方向と
同じであるため、電極には影響しない。
詳述する。
が開放された有底円筒状のプラズマ発生室1内に、図示
されないプラズマガス注入部より注入されたプラズマガ
スが満たされている。アーク放電のために、カソード電
極であるフィラメント2がプラズマ発生室底部1aに配
置され、これに対するアノード電極(図示せず)がプラ
ズマ発生室の側壁1bに沿って環状に設けられている。
プラズマ発生室の側壁1bにはプラズマを閉じ込めるた
めのカスプ磁場3を形成する環状の磁石4が多段に設け
られている。イオンを引き出すための電極5は、イオン
ビームを通過させる多数のビーム孔を有する電極であ
り、プラズマ発生室1の開放された一側を覆うように設
けられている。電極5は、モリブデンからなる。本実施
例では、引出し電極は四重に設けられており、プラズマ
発生室1内側から順に、プラズマグリッド5a、引出し
電極5b、減速電極5c、加速電極5dとなっている。
出し電極5bは、図2に示されるように、約700mm
角の角型の電極であり、約5000個のビーム孔21を
有している。これらのビーム孔21は縦横に互い違い並
べて配置されている。ここで一点鎖線で囲んだ内側を電
極の内周部22と呼び、外側を外周部23と呼ぶことに
する。外周部23には、周縁より内周部22に向いた複
数のU溝24が設けられている。これらのU溝24のう
ち電極5の縦横の中心線上の4つは、支持用U溝24a
であり、この電極5の中心に向けて凹んでいる。内周部
22には、この電極5の中心を通り縦横・斜め方向に4
つの切り込み25が設けられている。切り込み25は、
両端ともA部を拡大した図3に示されるように、ビーム
孔21で終端している。
付ける際には、支持用U溝24aを通しプラズマ室1の
開口部周囲のフランジ1cに支持ピンを立てるようにな
っている。図4(a)及び図4(b)に示されるよう
に、支持ピン41は支持用U溝24aの幅より径が小さ
い。この支持ピン41の頂部には支持用U溝24aの幅
より径の大きい頭ネジ42が挿入される。このようにし
て、電極5は、その面に垂直な方向には頭ネジ42と支
持用U溝24aとによって掛合され、水平な方向には支
持ピン41と支持用U溝24aとによって掛合される。
支持用U溝24aの凹み方向、即ち電極5の中心線に沿
っては自由であり、電極5は、プラズマ室1に対し縦横
各方向に熱膨脹を許容して支持されていることになる。
は電極5によって引き出される。このとき、電極5はイ
オンビームが当たるため加熱される。電極5は、4点で
支持されているので接触面積が小さくプラズマ室1から
熱的に絶縁されている。このため、電極5は高温に維持
される。例えば、プラズマグリッド5aは800℃を越
えない程度に維持される。このような高温では、付着物
はいったん発生しても再び蒸発し、電極5表面は清浄に
維持される。電極5表面が清浄であるため、異常放電が
発生せず、イオン源は安定動作する。
線上でそれぞれ中心線方向に自由なので、熱膨脹が均等
に許容され、電極5に歪みが生じない。
ムがよく当たるので、温度が高くなり膨脹する。外周部
23は内周部22に比べ温度は上がらず膨脹が小さい。
この内外の膨脹の大きさの違いにより、従来であれば電
極5がその面の方向に波打つなどの歪みを生じ、イオン
ビームのプロファイルに影響が及ぶが、外周部23に設
けられたU溝24が開く方向に変形するので、こうした
歪みは回避され、プロファイルは良好になる。
を有するなどの原因により、イオンビームが均一でなく
なると、内周部22内で温度差が生じ、膨脹の大きさが
偏る。このとき電極5の中心を通る切り込み25により
電極5が周方向に分断されているので、歪みを生じな
い。また、切り込み25がビーム孔21で終端している
ので、切り込み25端部での応力集中がなく、電極5が
膨脹収縮を繰り返しても割れが進まない。
持方法によれば、電極への付着物の発生が防止されるの
で、異常放電を発生させずにイオン源が安定動作する時
間が、従来の100時間程度から500時間まで延ばす
ことができた。しかも電極が高温になっても熱膨脹によ
る歪みがないので、良好なプロファイルが保たれる。
ち、プラズマ室1に近く熱負荷の大きいプラズマグリッ
ド5a、引出し電極5bのみを図2の構造としたが、他
の電極についても図2の構造を取り得る。また、3つの
電極を用いるイオン源において、プラズマ室1に近い電
極のみを図2の構造としてもよい。
絶縁を図ったが、電極5をセラミックからなる支持部材
を介してプラズマ室1に取り付けてもよい。
持構造は、図5に示されるように、プラズマ室の開口部
に支持リング51を取り付け、支持リング51に電極支
持板52を介して電極5を取り付けている。支持リング
51は、プラズマ室の開口部を囲む環状の部材であり、
その縦横の中心線(電極5の中心線とは45°の傾きに
なる)の上に取付け穴53があり、この取付け穴53に
固定ボルトを通してプラズマ室1に固定される。この固
定ボルト間に形成される円弧部分54の中央に電極支持
板52が固定されている。電極支持板52は、支持リン
グ51の中心に向けて所定の長さ突き出している。電極
支持板52の先端部には径方向外方に凹んだU溝55が
設けられている。このU溝55を通し電極5の外周部の
縦横の中心線上に支持ピン56が立てられている。支持
ピン56とU溝55との掛合の仕方は図4において電極
5を電極支持板52に置き換えたものである。なお、電
極5が角型であるため、支持リング51の円弧部分54
との間に隙間が生じるが、この隙間には遮蔽部材を設け
てある。このため引き出されたイオンビームは角型に分
布する。
る支持リング51は円弧部分54が熱膨脹により径方向
に変形する。その変形方向がU溝55の方向と同じであ
るため、各電極支持板52は電極5の中心線に沿って移
動する。また、電極支持板52も熱膨脹する。一方、電
極5の熱膨脹により支持ピン56が電極5の中心線に沿
って移動する。熱膨脹の大きさに差があっても電極5に
歪みは生じない。
板52に紙面方向に高低の異なる段差を設け、各段に電
極5を支持させる。
る。
オン源が安定動作する。
で、良好なプロファイルが得られる。
ン源の構成が簡素になる。
る。
る。
る。
平面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラズマを閉じ込めたプラズマ室の開口
部を、イオンビームを引出すための多数のビーム孔を有
した電極で覆ったイオン源において、上記電極の内周部
に、この電極の中心を通る複数の切り込みを設けたこと
を特徴とするイオン源。 - 【請求項2】 上記切り込みが、ビーム孔で終端してい
ることを特徴とする請求項1記載のイオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04843795A JP3528305B2 (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | イオン源 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04843795A JP3528305B2 (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08250055A JPH08250055A (ja) | 1996-09-27 |
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Family
ID=12803336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04843795A Expired - Fee Related JP3528305B2 (ja) | 1995-03-08 | 1995-03-08 | イオン源 |
Country Status (1)
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---|---|
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-
1995
- 1995-03-08 JP JP04843795A patent/JP3528305B2/ja not_active Expired - Fee Related
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