JP3528296B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3528296B2
JP3528296B2 JP00350695A JP350695A JP3528296B2 JP 3528296 B2 JP3528296 B2 JP 3528296B2 JP 00350695 A JP00350695 A JP 00350695A JP 350695 A JP350695 A JP 350695A JP 3528296 B2 JP3528296 B2 JP 3528296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関用点火装置
に係り、詳しくは点火コイルの1次電流の遮断により、
所望のエンジン側の要求2次電圧を得て点火動作を行う
ようにした誘導放電型無接点式の内燃機関用点火装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内燃機関用点火装置として、例
えば、米国特許第5、193、514号や特開昭50−
112630号公報が開示されている。図9は、従来の
点火装置を概略的に示す回路図であり、上記公報にもこ
れに類似した回路が記載されている。図9において、
グナイタ20は点火コイル22の1次電流を電気的に断
続するためのダーリントントランジスタ21を有してい
る。同ダーリントントランジスタ21は2つのnpnバ
イポーラトランジスタにより構成されている。
【0003】点火コイル22の1次巻線23にはダーリ
ントントランジスタ21のコレクタ端子が接続され、同
2次巻線24には点火プラグ(図示せず)が接続されて
いる。ダーリントントランジスタ21には、同トランジ
スタ21の過電圧防止のためのツェナーダイオード25
が接続されており、素子のブレークダウン電圧VD はツ
ェナダイオードのツェナー電圧VZ で決定される。そし
て、ダーリントントランジスタ21の実効動作耐圧の特
性から、ツェナーダイオード25のツェナー電圧V
Z (カット電圧)は約350Vに設定されていた。
【0004】近年、ディストリビュータを介さず点火コ
イルのエネルギーを直接点火プラグに供給するシステム
(以下DLIシステムと呼ぶ)が普及しており、DLI
システムでは図10に示すように点火コイルの1次側と
2次側の間に高耐圧ダイオードDが挿入される。これ
は、点火コイルの1次電流通電開始時に2次側に発生す
る2次オン電圧により点火プラグの誤点火を防止するた
めである。2次オン電圧は点火コイル巻数比に大きく影
響される。
【0005】巻数比を低減して高圧ダイオードD1の廃
止を計ろうとしても、現状のVZ (350V)では2次
発生電圧が要求値を満たさず実現できない。一方、上記
特開昭50−112630号公報の点火装置では、点火
プラグによるアーク電流を多くして点火性能を向上させ
るべく、点火コイル22の巻数比(=2次巻数/1次巻
数)を40〜60に設定していた。又、米国特許第5、
193、514号の点火装置では、点火プラグの電極間
に少なくとも6kVの電圧を誘させるべく、点火コイル
22の巻数比を70以下に設定していた。つまり、点火
コイル22の巻数比は、一般的に約90のものが使用さ
れるのに対し、上記公報にて使用される点火コイルでは
巻数比の低減が図られていた。しかしこれらの例では点
火コイル2次発生電圧の低下についてなんら言及されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】巻数比の低減は種々の
メリットを生み出すが、同要求2次電圧が高くなると巻
数比の低減が困難になるという問題が生じる。即ち、1
次巻線23での1次電圧Vは、2次電圧Vと巻数比
aとから求められる(V=V/a)。従って、所定
の2次電圧Vを得たい場合、巻数比aを下げることは
1次電圧Vの増加を招き、このとき、1次電圧V
ツェナー電圧V(=350V)以上となれば、その1
次電圧Vがツェナー電圧Vにて制限されてしまい、
次のコイルの2次電圧Vが要求2次電圧Vに達しな
いという事態が生じる。
【0007】巻数比a=70として、より具体的に説明
すると、要求2次電圧Vr が比較的低い場合(例えばV
r =15kV)、1次電圧V1 =15kV/70=21
4Vとなる。このとき、V1 <VZ (=350V)であ
るから1次電圧V1 はツェナー電圧VZ による制限を受
けず、所望の要求2次電圧Vr を得ることができる。こ
れに対して、要求2次電圧Vr が高い場合(例えばVr
=30kV)、1次電圧V1 =30kV/70=428
Vとなり、V1 >VZ (=350V)になることで、1
次電圧V1 Wツェナー電圧VZ (=350V)で制限
を受け350Vまでしか上がらない。その結果、2次電
圧V2 が約24.5kV(=350V 2 の大幅な低下に
より、失火が生じ易くなりドライバビリティの低下等の
問題を招く。すなわちスイッチング素子の過電圧防止用
のツェナーダイオードの存在により巻数比を低減させる
ことは、2次電圧がそれ以上に上がらず所望の要求2次
電圧Vr を得ることができなくなる。
【0008】又、上記要求2次電圧Vr は経時変化に伴
い上昇傾向にあり、上記問題を誘発する可能性が高くな
る。さらに、近年では、校出力を得るために内燃機関の
圧縮比が高められたり、燃費向上のために空燃比がリー
ン側で制御されたりするため、要求2次電圧Vr の上昇
を招き、2次電圧の不足という上記問題が顕著になる。
【0009】この発明は、上記問題に着目してなられた
ものであって、その目的とするところは、2次巻線にて
発生する2次電圧を所望の要求2次電圧以上に保持しつ
つ、点火コイルの巻数比を低減させること或いは同一巻
数比の場合には、点火コイルの2次電圧を向上させるこ
とができる内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した発明の内燃機関用点火装置は、
点火コイルと、その点火コイルの1次電流を電気的に断
続するスイッチング素子を備え、前記点火コイルからの
点火エネルギーを各気筒の点火プラグに直接供給するシ
ステムに用いられた内燃機関用点火装置において、前記
点火コイルの2次巻線における要求2次電圧をV、前
記スイッチング素子のブレークダウン電圧をVD、前記
点火コイルの1次巻線の巻数N1と2次巻線の巻数N2
の比(N/N1)を巻数比aとしたとき、VD・a>V
の関係を満たしかつ、VDを450V以上としたこと
を要旨とするものである。
【0011】
【作用】450V以上のブレークダウン電圧を有するス
イッチング素子を用いることで耐圧の向上した分、2次
電圧発生時に1次コイル側に発生する電圧によるスイッ
チング素子のブレイクダウンを防止する効果がある。
又、VD ・a>Vr の関係を満たすようにブレークダウ
ン電圧VD 及び巻数比aを設定することで、2次巻線に
おける2次電圧を所望の要求2次電圧Vr 以上に保持し
つつ、巻数比aの低減或いは同一巻数比の場合には、点
火コイルの2次電圧が向上した点火システムが得られ
る。この場合、スペック(圧縮比や空燃比の仕様)等に
よる要求2次電圧Vr の上昇や経時変化により同要求2
次電圧Vr の上昇に際しても、要求2次電圧Vr 以上の
2次電圧の確保が可能となる。
【0012】なお、この発明によれば、要求2次電圧V
が高められV=30kVに設定される場合であって
も、要求2次電圧V以上の2次電圧が確保できるとと
もに、巻数比aの低減が可能となる。即ち、図2に示す
ように、従来のようにV=350Vであれば、巻数比
a=70では要求2次電圧V=30kVを得ることが
できず、2次側で30kVを得るには少なくとも巻数比
a=90以上が必要となる。これに対して、本構成によ
れば、ブレークダウン電圧Vが450V以上のスイッ
キング素子を用いることにより、巻数比a=70の場合
にも要求2次電圧V=30kV以上の2次電圧V
得られる(例えば、図2のV=467Vの特性線を参
照のこと)。さらに、巻数比aが小さくなることにより
DLIシステム特有の以下の作用が得られる。即ち、D
LIシステムでは、1次巻線への通電が開始された際
に、2次巻線において、所謂、2次側オン電圧が発生
し、この2次側オン電圧が所定レベル以上であれば、放
電が発生し過早着火が生じる。しかし、本構成によれ
ば、点火コイルの巻数比aの低減により2次側オン電圧
が低くなり、過早着火が防止される。
【0013】また、請求項2の発明によれば、良好な点
火性能を得られ、かつ適正な2次電圧が確保できる適正
な巻数比をもつ内燃機関用点火装置で得られる。また、
請求項3の発明によれば、エンジンのプラグホール内に
搭載可能な内燃機関用点火装置を得ることができる。ま
た、請求項4の発明によれば、簡単な構成で小型の内燃
機関用点火装置を得ることができる。
【0014】
【0015】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に従って説明する。図1は、火花点火式4気筒内燃機関
(以下、エンジンという)の点火制御装置を示す回路図
である。図1において、電子制御装置(以下、ECUと
いう)1はマイクロコンピュータを中心に構成され、A
/D変換器や波形成形回路等を含むものである。ECU
1には回転角センサ2が接続され、同センサ2からの回
転検出信号が入力される。回転角センサ2は、エンジン
の回転に応じて回転するロータ2aと、同ロータ2aに
設けられた歯の通過を検出するピックアップコイル2b
とから構成されている。
【0016】イグナイタ3は、IGBT(絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタ)4、互いに逆向きに直列接続さ
れた一対のツェナーダイオード5、6及び定電流制御回
路13を備えている。なお、IGBT4は等価回路で示
している。IGBT4のゲート端子に基づいて電気的に
断続(オン・オフ)される。尚、ツェナーダイオードは
IGBT内に内蔵されておりこれにより回路が小型化さ
れている。
【0017】IGBT4のゲート、コレクタ間におい
て、一方のツェナーダイオード5は、ゲート端子が高電
圧、コレクタ、エミック間が低電圧となった際の電圧を
規制するために設けられている。又、他方のツェナーダ
イオード6は、後述する点火コイル7の1次電圧の過電
圧を防止するために設けられている。定電流制御回路1
3はIGBT4のエミッタ端子に接続されており、点火
コイル7の1次電流を一定値(本実施例では、6、5
A)に制御する。
【0018】点火コイル7は、1次巻線8と2次巻線9
と鉄心10とから構成されている。1次巻線8の一方に
は前記IGBT4のコレクタ端子が接続され、他方には
バッテリ電源VB が接続されている。2次巻線9には、
ディステリビュータ11を介して角気筒毎の点火プラグ
12が接続されている。点火コイル7は、1次巻線の巻
線N1 と2次巻線の巻線N2 との比(N2 /N1 )とか
らなる所定の巻線比aを有している。
【0019】そして、上記のように構成された点火装置
では、ECU1からの電気信号(点火信号)によってI
GBT4のゲート端子に電圧が加えられると、ゲート電
圧の印加に伴いIGBT4がオンし、点火コイル7の1
次巻線8に1次電流が流れる。この1次電流は定電流制
御回路13により所定の電流値(6、5A)に保持され
る。そして、所定のタイミングでIGBT4をオフする
ことにより1次電流が遮断されて点火コイル7の2次巻
線9に高電圧が誘起される。このとき、ディストリビュ
ータ11を介して点火プラグ12に電圧が加わり、2次
巻線9における2次電圧が予め設定されている要求2次
電圧以上であれば点火プラグ12が放電する。
【0020】なお、本実施例では、ツェナーダイオード
6のツェナー電圧によりIGBT4のブレークダウン電
圧VD を決定しており、VD =VZ となる(以下VZ
示す)がこのVZ を従来のダーリントントランジスタに
比べて高く設定しており、具体的には、VZ =467V
としている。ここで、従来のバイポーラトランジスタで
は実効動作耐圧と電流増幅率hFEが相反する特性を有す
る。そのため、所定の電流増幅率hFEを必要とする場合
には、実効動作耐圧を高めることは困難をともなうが本
実施例のようにIGBT4を用いれば、電流増幅率hFE
特性がなく、実効動作耐圧の向上が容易で、ツェナー電
圧VZ を高く設定できる。
【0021】又、2次巻線9に誘起する2次電圧V
2 は、設計上の1次エネルギW1 と2次静電容量C2と
変換効率ηとから決定される(V2 =√(2・W1 /C
2)・η)。このとき、1次エネルギW1 は、1次イン
ダクタンスL1 、1次電流I1 にて決定される(W1
1 ・I1 2 /2)。又、1次巻線8に反射する1次電
圧V1 は、2次電圧V2 と巻線比aとから求められる
(V1 =V2 /a)。
【0022】このとき2次巻線9に誘起された高電圧V
2 により、1次巻線8にも逆起電力V1 が発生する。2
次巻線9に誘起される電圧V2 が高いほど一次巻線8側
にも巻線比aに反比例した逆起電力 V1 =V2 /a が発生する。
【0023】V1 が小のとき、ツェナーダイオード6に
流れる電流は0であるが、 になるとツェナーダイオード6に電流が流れるので1次
巻線8に電流が流れ、これによりV2 が小さくなってし
まう。
【0024】本実施例では、VZ ・a>Vr の関係があるようにツェナー電圧を高く設定しているの
で2次巻線に要求電圧Vr が発生しても1次巻線8に電
流が流れることなく、2次電圧を高く維持することがで
きる。また、本実施例では、ツェナー電圧V2 を高く設
定したことで、より低い巻線比aで上記の条件(Vr
Z ・a)が満たされ、この理由から,巻線比a=70
とした。
【0025】又、点火コイルの搭載制約を回避する為、
エンジン本体の上部から点火プラグの装着孔に向けて設
けられたプラグホール内に装着可能な円筒状の外形を有
した点火コイルに於いては、その体格が重要視される。
例えば、図11に示すようなエンジンのプラグホール径
が31mmであるとすれば、点火コイル本体の筒状部外
径は30mm以下とする必要が来る。
【0026】その為に、点火コイルの必要な1次エネル
ギを一定値に確保し、かつ、1次電流I1 を所定値に保
った仕様に於いて、巻線比a=90の場合、その外径は
30.5mmとなり又、a=80の外径は29.6mm
となり、体格上巻数比をa=80以下とする必要があ
る。すなわち必要な1次エネルギーW1 =L1 ・I1 2
/2を一定値に確保し、かつ1次電圧Iを所定値に保っ
た仕様においては、1次インダクタンスL1 、が一定す
なわち、一次巻数N1 が一定であるから巻数比aを低減
させることは2次巻数N2 を低減させることになり、点
火コイルの体格を小型化させることができる。この実施
例では外径を小さくすることができる。
【0027】この点火コイルでは巻線数の低減とともに
図示されるような開磁路タイプとすることでより小型化
し、プラグホール内への搭載を容易としている。以下に
は、要求2次電圧Vr =30kVとした場合の作用及び
効果を図2〜図4を用いて説明する。図2は、点火コイ
ル7の巻数比aに帯する2次電圧V2 の大きさをツェナ
ー電圧VZ 毎(VZ =350、412、467、63
7、875V)に示している。図2において、ツェナー
電圧VZ 、巻数比aが大きい程、2次電圧V2 が大きく
なる。つまり、ダーリントントランジスタにて構成され
た従来の点火装置では、ツェナー電圧VZ =350Vで
あるため、所望の要求2次電圧Vr (=30kV)を得
るには巻数比a>約90が必要であった。これに対し
て、IGET4を用いツェナー電圧VZ =467Vとし
た場合には、巻数比a=70で2次電圧V2=約32k
Vが発生し、良好なる放電を得ることができる。
【0028】尚、要求2次電圧が上記より低いVr =2
8kVとした場合の作用及び効果は、IGBT4を用い
ツェナー電圧VZ =467Vとした場合、上記巻数比a
=70がa=65に低減できる。言い換えれば、要求2
次電圧Vr =28kVの場合、巻数比a=70でツェナ
ー電圧VZ =647として設定してやることにより,従
来のVZ =350Vでの2次電圧V2 =24.5kVで
あったものがVZ =32kVまで向上させることが可能
となる。
【0029】また図2における2次電圧V2 の測定方法
を図12に示す。この測定方法はSAE法と呼ばれVB
=14V、C=50pF、i=6.5AのときのV2
値を測定するものである。一方、図3は、1次電流遮断
時におけるアーク電流I2 とアータ持続時間Tとの関係
を巻数比a毎に示している。ここで、アーク電流I2
アーク持続時間Tとは図4に示すように定義されるもの
であり、動ずは点火プラグ12の放電時における2次電
流波形及び2次電圧波形を示している。図3では、巻数
比aが大きくなる程、アーク持続時間Tが長くなること
を示し、本実施例の場合(巻数比a=70)、アーク持
続時間=約1.2msecとなる。
【0030】そして、図3では、良好なる点火性能を保
証するために、通常、アーク持続時間T≧0.8mse
cが必要とされる。従って、本実施例ではその条件を満
たし、良好なる点火が得られることになる。又、図3に
よれば、アータ持続時間T≧0.8Amsecを満たす
ためには少なくとも約40の巻数比aが必要となり、巻
数比a=40で要求2次電圧Vr =30kVを得る為に
は、ツェナー電圧VZの上限が750V(=30kV/
40)に設定される。
【0031】なお、2次側での実際の2次電圧V2 とし
ては、要求2次電圧Vr =30kVに対して多少の余裕
分が必要となる。そのため、より現実的に余裕分として
3kVを想定すると、要求2次電圧Vr =30kVの時
の目標値は2次電圧V2 =33kVとなる。又、2次電
圧V2 =33kVを得る際、図3のアーク特性から巻数
比a=40が不可欠とすれば、ツェナー電圧VZ の上限
が825V(=33kV/40)に設定される。
【0032】以上、本実施例の構成によれば、IGBT
4を用いて点火コイル7の1次電流の電気的な断続を行
うようにしたことにより、実効動作耐圧が向上できる。
そのため、ツェナー電圧VZ を高く設定することがで
き、このとき、VZ ・a>Vrを満たすことにより、点
火コイル7の2次電圧V2 を低下させることなく巻数比
aを下げることができる。そして、点火コイル7は設計
上の1次エネルギによって1次巻数が決定されるため、
巻数比aの低下は2次巻数の低減となり、点火コイル7
の小型化が可能となる。又、巻数比aの低下により点火
プラグ12のくすぶりが防止でき、良好なるドライバビ
リィを得ることができる。
【0033】又、スペック変更(圧縮比の上昇や空燃比
のリーン化)や経時変化により要求2次電圧Vr が上昇
する場合であっても、2次電圧V2 を所望の要求2次電
圧V r 以上に保持しつつ、点火コイル7の巻数比aを低
減させることができる。つまり、要求2次電圧Vr を3
0kV、実際に目標とする2次電圧V2 を33kVとし
た場合には、ツェナー電圧値VZ は450〜825Vの
範囲内で設定されればよく、この場合、常に点火コイル
7の小型化が可能になるばかりか、良好なる点火性能を
発揮することができる。
【0034】なお、上述した実施例では、IGBT4を
用いてイグナイタ3を構成していたが、MOSFETを
用いてイグナイタ3を構成することもできる。図5にM
OSFET15を用いた回路図を示す。この場合におい
ても、MOSFET15の耐圧がバイポーラトランジス
タの耐圧よりも容易に高くできることによりツェナーダ
イオード6のツェナー電圧VZ を450V以上(好まし
くは、450〜825V)に設定でき、本発明の目的を
達成することができる。またこの例においてもツェナー
ダイオード6をMOSFETに内蔵されておりこれによ
り回路が小型化されている。
【0035】さらに、本発明においては、ディストリビ
ュータ11を介さずに点火コイル7からの点火エネルギ
を各気筒の点火プラグ12に直接供給するシステム、所
謂、KLI(Distributer Less Ignition )システムに
適用することで、以下の作用・効果を得ることができ
る。図6は、1次巻数8における1次側端子電圧(バッ
テリ電源VB )と、その時々の2次巻線9に発生する電
圧(書謂、2次側オン電圧)との関係を巻数比a毎に示
している。この2次側オン電圧は、図7に示すように、
ECU1からの点火信号に基づく1次側通電時に発生す
る電圧であって、この電圧レベルが所定レベルを越える
と、点火プラグ12による不用意な放電が発生し過早着
火を招く原因となっている。図7は1次側端子電圧V10
及び2次側ON電圧V20を示す回路図であり1次巻線2
7、2次巻線28で構成される点火コイル26を示して
いる。
【0036】図6においては、例えば点火プラグギャッ
プ=0.7mmの際、2次側オン電圧が1.85kVを
越えると放電が発生し過早着火のおそれがあることが知
られている。従って、2次側オン電圧を1.85kV未
満に抑えれば過早着火が防止されることになり、本実施
例のように巻数比a=70の場合には、通常使用される
車載用のバッテリでの最大値(1次側端子電圧=14.
5V)でも常に1次側、点火プラグギャップ=1.0m
mの際には、2次側オン電圧が2.20kVを越えると
過早着火のおそれが生じるが、巻数比a=70であれば
常に2次側オン電圧が2.20kV未満となり、この場
合にも過早着火を招くことはない。
【0037】一方で、DLIシステムに使用される点火
コイルでは、通常、この2次側オン電圧による過早着火
を防止するために2次巻線に直列に高圧ダイオードが接
続される(図10)。しかし、この高圧ダイオードを廃
止することができ、省コスト化をも実現することができ
る。以上スイッチング素子としてIGBTを用いた例で
説明したが、MOSFETやパイポーラトランジスタ等
の他の素子を用いても良い。
【0038】しかしながら、MOSFETやバイポーラ
トランジスタは単位面積当たりの電流能力はIGBTに
比べ劣るため、素サイズを拡大する必要があり、装置の
小型化が必要な場合には不利となる。また、バイポーラ
トランジスタでは、実効動作耐圧と電流増幅率はトレー
ドオフの関係であり、ブレークダウン電圧を450V以
上にするためにはさらに素子サイズの拡大を行ない電流
能力を確保する必要がある。その際の素子サイズはIG
BTの素子サイズの2.6倍(面積比)となる。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、上記のような構成と
することにより、以下に示す優れた効果を奏する。請求
項1の発明によれば、2次巻線にて発生する2次電圧を
所望の要求2次電圧以上に保持しつつ、点火コイルの巻
数比を低減させることができる。この場合、要求2次電
圧の上昇時にも対応することができる。
【0040】また、請求項2の発明によれば良好な点火
性能を得ることができる。また、請求項3の発明によれ
ば、エンジンに搭載容易な小型の内燃機関用点火装置を
得ることができる。また、請求項4の発明によれば簡単
な構成の内燃機関用点火装置を得られる。又、請求項5
の発明によれば、上記の効果を得るばかりか、DLIシ
ステムにおける2次側オン電圧を小さくし、放電により
過早着火を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における内燃機関用点火装置を示す回路
図である。
【図2】点火コイルの巻数比に対する2次電圧の大きさ
をツェナー電圧毎に示す線図である。
【図3】1次電流遮断時におけるアーク電流とアーク持
続時間との関係を巻数比毎に示す線図である。
【図4】点火プラグの放電時における2次電流及び2次
電圧を示す波形図である。
【図5】別の実施例における点火装置の回路図である。
【図6】1次側端子電圧と2次側オン電圧との関係を巻
数比毎に示す線図である。
【図7】点火コイルを示す回路図である。
【図8】2次側オン電圧を説明するための波形図であ
る。
【図9】従来技術における点火装置の回路図である。
【図10】DLIシステムに使用される点火コイルの回
路図である。
【図11】プラグホール内に搭載された点火コイルの断
面図である。
【図12】2次電圧V2 の測定方法を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
3 イグナイタ 4 IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ) 6 ツェナーダイオード 7 点火コイル 8 1次巻線 12 点火プラグ 15 MOSFET
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−170763(JP,A) 特開 平5−180134(JP,A) 特開 平5−166827(JP,A) 特開 平2−79622(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/04 F02P 3/055 H01F 38/12

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火コイルと、その点火コイルの1次電
    流を電気的に断続するスイッチング素子を備え、前記点
    火コイルからの点火エネルギーを各気筒の点火プラグに
    直接供給するシステムに用いられた内燃機関用点火装置
    において、 前記点火コイルの2次巻線における要求電圧をV、前
    記スイッチング素子のブレークダウン電圧をVD、前記
    点火コイルの1次巻線の巻数N1と2次巻線の巻数N2
    比(N2/N1)を巻数比aとしたとき、 VD・a>V の関係を満たし、かつVDを450V以上とすることを
    特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記巻数比aが40以上80以下である
    請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 エンジンのプラグホール内に搭載される
    内燃機関用点火装置であって点火コイル本体の筒状部外
    径が30mm以下である請求項2に記載の内燃機関用点
    火装置。
  4. 【請求項4】 前記点火コイルは開磁路タイプの点火コ
    イルである請求項3に記載の内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】 2次電圧が28kV以上であることを特
    徴とする請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  6. 【請求項6】 前記スイッチング素子にIGBTを用い
    たことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装
    置。
  7. 【請求項7】 前記IGBTに過電圧防止のためのツェ
    ナダイオードを接続し前記IGBTのブレークダウン電
    圧VDをツェナダイオードのブレークダウン電圧VZで決
    定したことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関用点
    火装置。
  8. 【請求項8】 前記ツェナダイオードはIGBTに内蔵
    されている請求項7に記載の内燃機関用点火装置。
  9. 【請求項9】 前記スイッチング素子にMOSFETを
    用いたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点
    火装置。
  10. 【請求項10】 前記MOSFETに過電圧防止のため
    のツェナダイオードを接続し、前記MOSFETのブレ
    ークダウン電圧VDをツェナダイオードのブレークダウ
    ン電圧VZで決定したことを特徴とする請求項9に記載
    の内燃機関用点火装置。
  11. 【請求項11】 前記ツェナダイオードはMOSFET
    に内蔵されている請求項10に記載の内燃機関用点火装
    置。
  12. 【請求項12】 前記スイッチング素子にバイポーラト
    ランジスタを用いることを特徴とする請求項1に記載の
    内燃機関用点火装置。
  13. 【請求項13】 前記バイボーラトランジスタに過電圧
    防止のためのツェナダイオードを接続し前記バイポーラ
    トランジスタのブレークダウン電圧VDをツェナダイオ
    ードのブレークダウン電圧VZで決定したことを特徴と
    する請求項12に記載の内燃機関用点火装置。
  14. 【請求項14】 前記ツェナダイオードはバイポーラト
    ランジスタに内蔵されている請求項13に記載の内燃機
    関用点火装置。
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