JP3527301B2 - ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置 - Google Patents

ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置

Info

Publication number
JP3527301B2
JP3527301B2 JP31727394A JP31727394A JP3527301B2 JP 3527301 B2 JP3527301 B2 JP 3527301B2 JP 31727394 A JP31727394 A JP 31727394A JP 31727394 A JP31727394 A JP 31727394A JP 3527301 B2 JP3527301 B2 JP 3527301B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lco
gas exchange
curve
memory
fev
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31727394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08173403A (ja
Inventor
忠道 目黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinki University
Original Assignee
Kinki University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinki University filed Critical Kinki University
Priority to JP31727394A priority Critical patent/JP3527301B2/ja
Publication of JPH08173403A publication Critical patent/JPH08173403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3527301B2 publication Critical patent/JP3527301B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、換気、ガス交換機能の
総合的評価および立体的表示装置に関する。
【0002】特に本発明は、ライフスタイル管理のため
の換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装
置に関する。
【0003】
【従来の技術】本発明者らは、最大呼気流量気量曲線の
下行脚を定量的に表し、CO肺拡散能力と関連づけて3
次元表示し、評価できるような換気、ガス交換機能の総
合的方法およびそのための立体的表示装置を完成した。
特開平6−205761にその方法および装置が開示さ
れている。
【0004】前記方法では、たとえば肺気種の移行状
態、気管支喘発作状態等への病変の経過が経時的に把握
できるが、健康な被験者あるいは病変にいたらないまで
もその徴候が見られるもの、さらに診察が必要なものの
区別等、被験者のライフスタイルまで踏み込んで将来的
に疾病を予防管理するまでには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点に鑑みてなされたものであり、ライフスタイル管理に
利用できるような換気、ガス交換機能の総合的評価およ
び立体的表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被験者の呼気
データから、1秒率FEVと係数勾配指数RATを求め、
呼気データを得る検査体系と同一の検査体系データから
P′CO,P′CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′LCO
/V′A,D′LCO/V′A(22),およびSPO2を求め、
または演算して、これらの指標を3次元座標に立体表示
し、ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能を
総合的評価する装置を要旨とする。 本発明は、被験者
の呼気の流量を測定し、呼気の最大流量気流曲線を求め
る手段と、前記最大流量気流曲線の下行脚をストアする
第1メモリと、第1メモリに記憶されている下行脚を読
出し、該下行脚を2次式(y=a0+a1・x+a2・
2)にあてはめて、1次項の係数a1と2次項の係数
a2とを算出し、さらに係数勾配指数RATを算出する第
1演算手段と、前記下行脚から1秒率FEVを算出する
第2演算手段と、前記呼気流量を測定する手段と同一の
検査体系で、P′CO,P′CO(22)、D′LCO,D′
LCO(22),D′LCO/V′A,D′LCO/V′A(22)および
SPO2から成る群より選ばれるガス交換能力指標を求
め、または演算する第3演算手段と、第3演算手段で得
られたガス交換機能指標をストアする第2メモリと、X
軸に係数勾配指数RATを、Y軸に1秒率FEVを、そし
てZ軸にガス交換機能指標を3次元座標表示する手段と
を有することを特徴とするライフスタイル管理のための
換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置
である。また本発明は、被験者の呼気の流量を測定し、
呼気の最大流量気流曲線を求める手段と、前記最大流量
気流曲線の下行脚をストアする第1メモリと、第1メモ
リに記憶されている下行脚を読出し、該下行脚を2次式
(y=a0+a1・x+a2・x2)にあてはめて、1
次項の係数a1と2次項の係数a2とを算出し、さらに
係数勾配指数RATを算出する第1演算手段と、前記下行
脚から1秒率FEVを算出する第2演算手段と、前記呼
気流量を測定する手段と同一の検査体系で、P′CO
P′CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′LCO/V′A
D′LCO/V′A(22)およびSPO2から成る群より選ば
れるガス交換機能指標を求め、または演算する第3演算
手段と、第3演算手段で得られたガス交換機能指標をス
トアする第2メモリと、X軸に係数勾配指数RATを、Y
軸に1秒率FEVを2次元座標表示する第1表示手段
と、2次元座標面上に予め設定した健康管理ゾーンを前
記2次元座標と重ね合わせ表示する補助表示手段と、第
2メモリに記憶されているガス交換機能指標のうちの1
種のみをZ軸に表示する第2表示手段とを有することを
特徴とするライフスタイル管理のための換気、ガス交換
機能の総合的評価および立体的表示装置である。また本
発明は、第2表示手段において、ファンクションキーに
よりP′CO,P′CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′
LCO/V′A,D′LCO/V′A(22),SPO2から成る群
より選ばれる1つのガス交換能力指標を指定することを
特徴とする。
【0007】
【作用】本発明に従えば、先ず、被験者の呼気の最大流
量気量(FV)曲線を求める。この曲線の流量最大値か
ら最大呼気位の残量の範囲を下行脚と呼ぶが、この曲線
部分をメモリに記憶しておき、この記憶されている下行
脚を2次式に近似して、その1次項と2次項の係数a
1,a2を演算して求める。この1次項と2次項との係
数a1,a2は、FV曲線の下行脚の折れ曲がりの程度
に対応しており、気道過敏性あるいは肺の拘束性を評価
できる。これらの係数の比に基づいて、演算された係数
勾配指数でも、気道過敏性を評価できる。
【0008】係数勾配指数と従来から用いられている気
道閉塞性の指標である1秒率(FEV)とを2次元座標
上に表せば、その位置によって気道過敏性と、1秒率に
よる気道閉塞性の程度とを総合的に正確に評価できる。
【0009】本発明の装置によれば、1秒率として3種
類の1秒率、すなわち努力肺活量1秒率(FEV
(g))、吸気肺活量1秒率(FEV(t))および予
測肺活量1秒率(FEV(VCp))が同時に演算で
き、逐次的、選択的に表示できる。
【0010】3種類の1秒率を利用する場合、1種類の
1秒率(特願平6−16784では、FEV(g)を使
用)でのみ判定評価するより、より正確な評価が可能で
ある。たとえば、努力肺活量が小さくなったとき、見か
け上FEV(g)が高くなり、健康と判定されやすい
が、FEV(t),FEV(VCp)を指標とすれば、
健康度がより正確に判定できる。また、肺気腫、喘息の
とき、FEV(0g)は高くなるが、FEV(t),F
EV(VCp)は小さくなる。
【0011】さらに本発明に従えば、CO,He,O2
およびN2を含む混合ガス源と流量計と第1および第2
切換え弁とバッグとを備える装置によって、被験者の呼
気の流量気量曲線を求めると同時に、指標P′CO,P′
CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′LCO/V′A,D′
LCO/V′A(22)またはSPO2を直接求めまたは演算す
るに必要なデータを同時に求めることができるようにな
り、各測定時における時間のずれがなくなり、正確に同
一の検査体系での測定が可能となり、精度の向上を図る
ことができるようになる。
【0012】ここで、P′COは一酸化較差CO分圧を、
D′LCO,DLCOはCO肺拡散能力、V′Aは全肺気量相
当値、SPO2は経皮的酸素飽和度を表す。
P′CO(22),D′LCO(22),D′LCO(22),V′A(22)
それぞれを標準体重規準化した数値である。
【0013】本発明に従って、換気、ガス交換機能を総
合評価するには、前述のようにして得られた係数勾配指
数をX軸に、1秒率をY軸に2次元座標表示する。
【0014】この2次元座標表示上に、表1に示す健康
状態区分(ゾーン)を縦軸に沿って表示する。これは対
応するたとえば、図13のようになる。
【0015】
【表1】
【0016】健康状態ゾーン表示は、前記の2次元表示
の上に重ねて表示してもよいし、また予めゾーン表示を
行い、その上に前記の2次元表示を重ねてもよい。被験
者の2次元表示データが、たとえばゾーンAまたはBに
あれば、Z軸に表示するパラガス交換機能指標(パラメ
ータ)としてP′COまたはP′CO(22)を選ぶ。ゾーンC
にあれば、Z軸パラメータとしてD′LCO
D′LCO(22),D′LCO/V′AまたはD′LCO/V′
A(22)を選ぶ。ゾーンD1−3にあれば、Z軸パラメー
タとしてSPO2を選ぶ。かくして選ばれたガス交換機
能指標をZ軸パラメータとし、3次元座標表示を実行す
る。
【0017】各座標位置により、医者と被験者は、肺の
換気機能およびガス交換機能を把握して総合的に評価す
ることが可能となる。すなわち評価結果を素因、病態、
環境要因、生活習慣といった人間生態学的観点と関連づ
けた把握、評価をして保健指導することができる。換気
機能のみならずガス交換機能(特に酸素消費を反映する
指標)をも採用することにより、酸素消費を基本とする
生活習慣を関連づけて評価することが可能ともなる。た
とえばP′COまたはP′CO(22)は肥満度、飲酒習慣、運
動習慣といった酸素消費を前提とするライフスタイルと
の相関が認められる。すなわちライフスタイルの変化に
対応してP′CO,P′CO(22)値が変化する。そこで医者
は被験者のP′co,P′CO(22)値の変化から、ライフス
タイルの改善に対応した有効な指導を行いうる。
【0018】このように医者にとっては、被験者のため
の適確な診断および保健指導を行うことができ、たとえ
ば被験者がたばこを止めるべきであるとか、仮にたばこ
を吸っていても、野菜を多く摂取しているとき、換気機
能あるいはガス交換機能は低下しないので、そのような
患者の個別的な保健指導を細かく行うことができるよう
になる。
【0019】また被験者にとっては、医学的知識がなく
ても、被験者自身の肺の換気機能およびガス交換機能の
把握と理解ができ、主体的、積極的なライフスタイル改
善の一助にすることができる。
【0020】ここで言うライフスタイルとは、気道過敏
性あるいは気道閉塞性の素因ではなく、後天的な生活要
素を指し、たとえば栄養(食習慣、食事量、緑黄野菜摂
取)、肥満、飲酒、運動、筋力、喫煙、職業、ストレス
等が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下実施例でもって本発明をより具体的に説
明する。
【0022】1.FV波形の合成 図1は、被験者の呼気のFV曲線を求めるためのスパイ
ロメータなどの電気的構成を示すブロック図である。肺
機能が検査されるべき被験者は、たとえば立位で、でき
るだけ多く吸気し、鼻をおさえ口に管21をくわえて、
できるだけ早く呼気を流量計22に供給する。マイクロ
コンピュータなどによって実現される処理回路23は、
流量計22の出力に応答し、その流量と気量とを時間の
経過に伴って演算して記憶し、その結果を陰極線管また
は液晶表示素子などを用いた目視表示手段25に表示す
るとともに必要があれば記録紙27に記録する。
【0023】一方、処理回路23は、流量計22から送
られるデータの代わりに、予め記録紙27に描かれた流
量気量曲線を、デジタイザなどの読取装置28で読取り
数値化されたデータを取込むことも可能である。流量
は、たとえば気量10ml毎に、それに要する時間が計
測され、流量の計算が行われる。
【0024】図2は、図1に示される処理回路23の動
作を説明するためのフローチャートである。ステップm
1からステップm2に移り、流量計22によって測定さ
れた流量の時間経過を測定し、次のステップm3におい
て気量と流量とを対応付けてメモリ24にストアする。
ステップm4で流量、気量をグラフ化し、ステップm5
でこれらを記録紙27上に記録する。ステップm6で前
記一連の操作を終了する。
【0025】図3は、上記のようにして求められたFV
曲線の模式的な例であり、流量F(l/秒)を縦軸に、
気量V(l)を横軸にとる。流量は、初期の短時間に急
速に増大し、流量最大値PEFRに達し、その後は比較
的緩やかに最大呼気位の残気量点B(RV)まで低下す
る。この流量最大値PEFRから点Bまでの範囲が下行
脚と呼ばれ、被験者の気道の状態によって曲線1〜曲線
4のように変化する。たとえば、曲線4を描く被験者
は、鼻アレルギー患者であることが多い。
【0026】本発明に係るFV波形解析のためのFV波
形の合成方法について、図4の別な模式的FV曲線を用
いて詳しく説明する。
【0027】曲線1は、図3と同様、最大吸気から最大
呼出するときのFV曲線(ここでFVとも略す)を表
す。曲線5は安静吸気(通常の状態)から最大呼出する
ときのFV曲線(ここでGVとも略す)を表す。曲線1
と曲線5の交差点6,7間では、流量はGV>FVであ
り、交差点6,7において、FVとGVが流量におい
て、ほぼ等しい。曲線1上の点8は、呼気が中断され、
流量が急速に低下する点を示す。被験者が息切れを起こ
したり、咳込むときなどに該当する。終点9は最大呼気
位の残気量を表し、点10は安静呼気位の残気量を表す
GVの終点で、横軸上FVの終点9より後方にある。
【0028】したがって、何らかの理由でFVが図4に
示すように中断され、滑らかな曲線を描かないとき、G
Vがあれば、被験者に再度の呼気を強いることなく、F
V波形を合成できる。すなわち、曲線1のPEFR位1
1より点7までの間はFVをトレースし、点7から点8
の間はFV,GVのいずれかをトレースし、そして点8
から点10の間はGVをトレースする。
【0029】これら一連の作業は、図4のようなチャー
ト上、FVおよびGVを各々表示し、マニアルでトレー
スし、理想的な合成FV曲線を描き出すこともできる
が、個別に測定したFVおよびGVのためのデータをメ
モリ24に記憶し、それらを処理回路23で再度演算し
た後、合成したFV曲線を画面または記録紙等の目視表
示手段25に表示することが都合がよい。また既に記録
紙に描かれた一方の曲線を読取装置28で読取り、メモ
リ24にある他方の曲線のデータと合成し、同様に合成
FV曲線を得ることも考えられる。
【0030】本発明に従うFV波形合成方法の利点は、
安静呼吸からのGV曲線が得られておれば、最大呼吸か
らFV曲線を得るための流量、気量、測定中、測定が中
断失敗しても、合成FV曲線が描けるところにある。F
V曲線を得るために、測定をわざわざ繰返すことなく、
FVより被験者が容易に得られるGVからFV曲線が合
成できる。従って、最大呼出測定の回数を少なくするこ
とができ、老人、病人の負担を軽減する。また必ずしも
呼出を、最後まで行う必要がなく、測定時間の短縮も望
める。
【0031】実測したFV,GV曲線の一例を図5に示
す。図中、XはFVの急速減衰領域でのGVとの交差点
で、図4の点8に対応する。YはGVの終点、最大呼気
位を表し、図4の点10に対応する。この例では、図4
の場合と全く同様にFVに、XにおいてGVを繋げば、
合成FV曲線を得ることができる。
【0032】さらに、合成したFV曲線を基にしてdV
(気量)/dF(流量)指標を演算、プロットすると、
たとえば図6に示すように、dV/dF分布曲線12を
得る。図6は、dV/dF曲線12、実測FV曲線1、
近似した2次曲線13(後述)を表す。図5,6に表示
されている曲線例は、それぞれ表2、表3に示す実測デ
ータに由来する。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】前記のように、FV波形の合成、さらに解
析を行い、各種パラメータ(たとえばdV/dF)を算
出し、肺機能を評価、機能不全の要因の同定を通して、
究極的には、ライフスタイルを含めた健康管理が可能と
なる。以下に2,3の実施態様を挙げてこの概念に基づ
く本発明の実施について説明する。
【0036】2.FV波形の2次曲線への近似 図3において、FV曲線の下行脚を示す曲線1〜4は次
式1を用いて2次曲線に近似することができる。
【0037】 y = a0 + a1・X + a2・x2 …(1) 式1において、yは流量であり、xは相対気量Rであ
り、a0は定数である。式中の定数項a0、1次項の係
数a1,2次項の係数a2をそれぞれ計算し、a1を縦
軸、a2を横軸としてプロットすれば、図7のようにな
る。図中、ライン14,15は下記のデータ(表4)に
基づくものである。ライン16は気管支喘息発作時の直
線を示す。
【0038】
【表4】
【0039】a1,a2を求める演算を図8に従い、以
下に略述する。図8は図1に示される処理回路23を係
数決定に応用する場合の動作を説明するためのフローチ
ャートである。ステップn1からステップn2に移り、
流量計22によって測定された流量の時間経過を測定
し、次のステップn3において気量と流量とを対応付け
てメモリ24にストアする。処理回路23はメモリ24
にストアされている流量気量曲線の下行脚のピーク位置
を検出し、そのときの最大流量PEFRおよびそのとき
の気量V1(図3参照)を求める。ステップn5では、
流量気量曲線の気量に関して、相対気量または絶対気量
のいずれかの選択をする。相対気量Rは、式2で示され
る。
【0040】 R=VCX/VC1 …(2) ここでVC1は、図3において下行脚のピーク時の気量
V1から最大呼気位(RV位)までの気量であり、 VC1=VC−V1 …(3) VCXは、それらの点A(PEFR位),B(RV位)
間におけるRV位からさかのぼる気量を示す。したがっ
て前述の相対気量は、下行脚のピーク時の気量VC1を
1.0とし、RV位を零としたときの気量の度合いを表
している。このような相対気量を採用することによっ
て、多数の被験者相互間の下行脚の評価を相対的に行う
ことができる。絶対気量というのは、各被験者固有の気
量であって、絶対気量に基づく演算をすることによっ
て、各被験者毎の評価を行うことができる。
【0041】このようにして相対気量Rと、それに対応
する流量との組合わせを求めた後、ステップn6におい
て、求められた相対気量と流量とから、式1の2次式の
あてはめを行う。
【0042】ステップn7では、下行脚にあてはめられ
た2次式の1次項の係数a1と2次項の係数a2とを演
算した結果の値を採用して、次のステップn8では、図
7に示される表示面上の座標位置+(a2,a1)を表
示する。こうしてステップn9では一連の動作を終了す
る。なお、ステップn5で絶対気量が選択されたときに
は、式1のxは、絶対気量となる。
【0043】このようにして求めた被験者の2次式曲線
を実測のFV曲線と図6中で対比してある。図中、ライ
ン13が計算された2次式曲線を示し、曲線1が実測曲
線である。
【0044】なお、10次式まで高次の回帰式を求めて
下行脚にあてはめることが可能であるが、2次回帰式で
あてはめても、たとえば6次回帰式であてはめても、近
似度にほとんど差がないので、実務上、簡便な2次式で
近似することが好ましい。
【0045】3.R ATの算出 次に、係数勾配指数(RAT)を算出する。前記のように
式1の1次項係数a1と2次項係数a2を計算し、2次
元座標軸にa1を縦軸、a2を横軸として表せば図9の
ようになる。原点O点P(a2,a1)を結ぶ直線OP
が横軸(a2軸)となす角をθとすれば θ=tan-1(a1/a2) …(4) となる。θを度で表し、a1とa2の正負によって異な
る次の式で表されたものを係数勾配指数(RAT)とす
る。
【0046】 RAT=θ°/180° (a1>0,a2>0:第I象限) …(5) RAT=1+(θ°/180°) (a1>0,a2<0:第II象限) …(6) RAT=−(1−θ°/180°) (a1<0,a2<0:第III象限) …(7) RAT=θ°/180° (a1<0,a2>0:第IV象限) …(8) 1秒率FEV1.0%(FEVとも略する)は、できるだ
け多くを呼気し、これをできるだけ速やかに呼気として
排出したときの最初の1秒間の呼気量と全呼気量(努力
肺活量)との比(百分率)で表示されるので、図1で説
明したスパイロメータによって求めることができる。パ
イロメーターからのデータに基づいて、FEV,RAT
求める演算を図10に従い、以下に略述する。
【0047】図10は、図1に示されるFEV,RAT
関する処理回路23の動作を説明するためのフローチャ
ートである。ステップp1でスタートすると、処理回路
23内の時計がスタートし、同時に流量計22から呼気
10ml毎に信号が送られてくる。ステップp2で気量
と時間とから10ml毎の流量を計算し、ステップp3
で気量と流量とをメモリ24に記憶する。ステップp4
で1秒経過したかどうかを判断し、1秒が経過しておれ
ば、ステップp5でその時までの気量を1秒量として計
算し、ステップp6でメモリ24に記憶する。ステップ
p9で流量が0になったかどうかを判断し、流量が0に
なっておれば気量が最大呼気位の残量となったと判断
し、ステップp10で全呼気量(努力肺活量)を計算
し、ステップp11でメモリ24に記憶する。ステップ
p9で流量が0にならなければ流量が0になるまでステ
ップp7とステップp8とを繰返す。ステップp12で
メモリ24に記憶されている流量と気量とからFV曲線
を求め、ステップp13でこれを記録紙27上に記録す
る。ステップp14でFV曲線を2次曲線で近似させ、
第1次項と第2次項との係数を求め、さらにRATを求
め、ステップp15でこれをメモリ24に記憶する。ス
テップp16で記憶されている1秒量と努力肺活量とか
らFEVを求める。ステップp17でこのFEVとRAT
とをグラフ化し、ステップp18でこれを記録紙27上
に記録する。ステップp19で一連の操作を終了する。
なお、目視表示手段25には、画面を2分して、一方に
FV曲線が、他方にはFEVとRATとの関係を示すグラ
フが表示され、切換スイッチにより、いずれか一方を拡
大表示もできる。
【0048】4.FEVとR ATとの相関関係 こうして求められたFEVとRATとを縦軸、横軸として
表示したものが、図11である。この図では、FEVと
して努力肺活量の代わりに予測肺活量VCPを用いてあ
るので、FEV(VCP)として表す。ここで予測肺活
量とは実測肺活量とは異なり、被験者の年令、身長から
予測した肺活量である。図11中、ライン17は非喫煙
者で健康な被験者のものを示し、ライン18,19は非
喫煙者で気導閉塞を起こしやすい被験者のものを示す。
特に、ライン18は、上気道を主体に閉塞を起こしやす
いタイプのものである。一般に、各ラインは左下がりで
左下に行くに従って、気道閉塞性の病変が悪化する傾向
を示す。さらに、曲線SAは健康人(すなわち、気道変
化を起こしにくい人)が喫煙をした場合に該当し、曲線
SBは、気道閉塞を起こしやすい人が喫煙をした場合に
該当する。
【0049】第2象眼下方(図11左下)の領域は病変
が進行しており、入院して治療が必要な状態である。
【0050】図11に表されるRATとFEV(VCp
の関係をプロットするのに使用したデータの一例を表5
に示す。
【0051】
【表5】
【0052】縦軸としてFEV(VCp)の代わりにF
EV(g)(努力肺活量)を採用し、またはFEV
(t)(吸気肺活量)を採用すると、両者ともに図12
のようになる。図中、ライン20,21および22は図
11においてライン17,18,19にそれぞれ対応す
る。したがってライン20は非喫煙者で健康な被験者の
ものを表す。図12に表されるRATとFEV(g)また
はFEV(t)との関係をプロットするのに使用したデ
ータの例を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】図10において、1秒量としてFEV
(g),FEV(t),FEV(VCp)とすべて計算
し、ステップl6でメモリに記憶しておけば、随意に各
々のFEV,RATグラフを得られる。これはたとえばフ
ァンクションキーを押すことにより、FEV(g)→F
EV(t)→FEV(VCp)とサイクルするように設
定できる。したがって、所望の1秒率(FEV)とRAT
の関係がグラフ表示でき、詳細な評価、解析が可能であ
る。
【0055】5.換気能力の評価 本発明に従うライフスタイル管理のためのFEV,RAT
の相関関係の利用について、さらに説明する。
【0056】前述のように、本発明の構成に従って、F
EV(たとえばFEV(g))とRATとの関係を再度グ
ラフ表示する。図13参照。これ自身は、前述のように
気導閉塞性、気道過敏性の評価に有用であり、被験者の
病変管理を可能にする。
【0057】さらに、FEVおよびRATを基準にして、
ゾーン化する。ライン20の右上方領域とRAT≧0.2
以上から成るゾーンをゾーンAと定義する。このゾーン
にある被験者は健康状態にある。FEV80以上、RAT
≧0のゾーンの内ゾーンAを除外した部分をゾーンBと
定義する。このゾーンにある被験者は、ライフスタイル
の変更をした方がよい。FEV70以上80以下、かつ
AT≧0のゾーンとFEV70以上、RAT≦0のゾーン
を併せ部分をゾーンCと定義する。このゾーンにある被
験者は、疾病のスクリーニングが必要である。FEV5
5以上70以下のゾーンをゾーンD1と定義する。この
ゾーンにある被験者は疾病の管理を要する。FEV40
以上55以下のゾーン,FEV40以下のゾーンを夫々
をゾーンD2,D3と定義する。このゾーンにある被験者
は入院、通院を要するし、救急処置が必要な場合もあ
る。このようにライフスタイル管理を含めた換気能力評
価ができる。
【0058】6.換気能力・ガス交換機能の総合的評価 次いで、本発明に従うライフスタイル管理による健康管
理のための換気能力、ガス交換機能(能力とも呼ぶ)の
総合評価について説明する。
【0059】前記の実施態様はRATとFEV(換気能
力)との関係からライフスタイル管理を目指したもので
あるが、それにガス交換能力(P′co,D′LCO,D′
LCO/V′A,P′co(22),D′Lco(22),D′LCO/V′
A(22),SPO2)をパラメータとして加え3次元的に評
価すると、呼吸機能検査指標と健康管理がより論理的に
関連づけられる。
【0060】図14は、肺のガス交換機能の指標として
のCO肺拡散能力D′LCOまたはDLCOと、そのときの肺
胞気量VAまたはHeの稀釈からVA′とを求めて、値
D′LCO/VA′またはDLCO/VAを演算して求めるため
の手法を説明するための図である。
【0061】CO肺拡散能力D′LCOまたはDLCOの測定
方法は、1回呼吸(single breath)法が採用され、こ
れは、息こらえ(breath holding)法ともいわれてい
る。被験者は、最大呼気位RVから最大吸気位TLCま
で一挙に混合ガスを吸入し、この位置で吸気の始めから
正確に10秒間の呼吸停止をさせる。その後、急速に最
大呼出させ、最初の750mLを捨てて、残りの呼気ガ
スをサンプルバッグ39(次の図15参照)に集めてガ
ス分析を行う。前記混合ガスは、0.3%CO、10%
He、20%O2および70%N2の4者混合ガスであ
る。
【0062】COは肺でとられるのでFACOは時間とと
もに減少するが、Heは肺でとられないので時間によっ
て変わらない。呼出He濃度をFAHeとすると、t=0
におけるFACO(0)は FACO(0)=FICO・FAHe/FIHe …(9) として求められる。定義より DLCO=V″CO/PACO …(10) である。V″COはVCOの1階微分である。この式に V″CO=−dVCO(t)/dt PACO=PACO(t) …(11) を代入すると dVCO(t)/dt=−DLCO・PACO(t) …(12) となる。ここで、 VCO(t)=FACO(t)・VA(t) …(13) であるから、 dVCO(t)/dt=FACO(t)・dVA(t)/dt +VA(t)・dFACO(t)/dt …(14) であり、 VA(t)=一定 …(15) なら、 dVA(t)/dt=0 …(16) であるから dVCO(t)/dt=VA・dFACO(t)/dt …(17) また PACO(t)=(PB−47)FACO(t) …(18) この2つを上式に代入すると
【0063】
【数1】
【0064】これがKroghの式である。tを秒にす
ると、
【0065】
【数2】
【0066】FACO(0)に上式9を代入すると、
【0067】
【数3】
【0068】VAの単位はmlSTPDで、t=10秒
として、DLCO(ml・min-1・torr-1)を計算
で求めることができる。
【0069】DLCOは式21で計算されるが、VAの求め
方に2通りある。第1の求め方は、DLCO測定時の吸入
気量(VI)に予め測定しておいた残気量(RV)を加
えて、肺胞気量(VA)を求める。通常RV位からTL
C位までの吸入なのでVIは吸気肺活量に、VAは全肺気
量(TLC)にほぼ等しい値となる。第2の求め方は、
LCOの測定時のHeの稀釈から次式でVAを測定する方
法がある。この場合には通常のVAと区別するために、
A′で表すのが一般的である。
【0070】 FIHe(VI−VD)=FAHe・VA′ …(22) の関係が成立する。これより、 VA′=FIHe(VI−VD)/FAHe …(23) となる。この場合VIに比べるとVDはきわめて小さいの
で、 VI−VD≒VI …(24) とすることができる。
【0071】 VA′=VI・FIHe/FAHe …(25) でVA′を求める。VA′を式21のVAに代入した場合
D′LCOとして、通常のDLCOと区別する。
【0072】一酸化炭素較差CO分圧P′COおよびP′
co(22)が次式26,27で示される。
【0073】
【数4】
【0074】 P′CO(22)=(P′co/BMI)×22 …(27) 前式中、BMIはBody Mass Indexの略
で肥満度を表し、体重(kg)/身長(m)2で算出さ
れる指標である。
【0075】したがってP′co(22)は標準体重基準化
P′coとも呼ばれる。
【0076】同様にD′LCO,D′LCO/VAも次式2
8,29に従い、標準体重基準化することができる。
【0077】 D′LCO(22)=(D′LCO/BMI)×22 …(28) D′LCO/V′A(22)=(D′LCO/V′A/BMI)×22 …(29) D′LCO(22),D′LCO/V′A(22)は夫々標準体重基準
化D′LCO(22),D′LCO/V′A(22)とも呼ばれる。
【0078】式26、肺胞におけるガス交換状態の推移
を表し、単位時間当りの一酸化炭素の分圧差で、単位は
mTorr/secである。式26の第1項(0.30
/FICO)は、吸気ガス中の一酸化炭素濃度を0.30
(%)に補正する項である。第2項(PB−47)は、
肺中における全乾ガスの圧力である。第3項の前半{F
ICO×FAHe/FIHe}は、初期(t=0)における肺中
の一酸化炭素の濃度であり、FACOは、終期における肺
中の一酸化炭素の濃度である。これらに(PB−47)
を掛けたものが肺中の初期と終期との一酸化炭素の分圧
である。第4項の分子10は、圧力をTorrからmT
orr(ミリトール)にするために1000倍し、ガス
濃度が%表示であるので100で割ったもの、すなわち
1000/100=10である。
【0079】前述のように、式27は標準体重に基準化
した単位時間当たりの一酸化炭素の分圧差で単位はmT
ORR/secである。
【0080】式27の第1項は単位BMI当たりのP′
coで身長(m)と体重(kg)で補正して、他と比較
できる利点を有する。
【0081】図15は、本発明の一実施態様の全体の系
統図である。被験者の換気能力およびガス交換機能の同
時的な、したがって同一検査体系での測定を行うため
に、被験者は口に管21をくわえる。混合ガス源40か
らは第1切換え弁41に前記混合ガスを供給する。第1
切換え弁41には呼気の流量を計測する流量計22が接
続され、その流量計22の出力は処理回路23に与えら
れ、流量と気量とが時間経過に伴ってサンプリングされ
て読取られる。流量計22からの呼気は、管路42から
第2切換え弁43に導かれ、この第2切換え弁43は、
管路42からの呼気を管路44から大気放散し、または
管路45を経て可撓性のあるサンプリングバッグ39に
導く。バッグ39内の呼気のCO濃度は、CO濃度検出
手段46によって検出され、またHeの濃度はHe濃度
検出手段47によって検出され、それらの各濃度検出手
段46,47の出力は処理回路23に与えられる。
【0082】図16は、図15に示される処理回路23
の動作を説明するためのフローチャートである。ステッ
プo1からステップo2に移り、第1切換え弁41を第
1位置41aから第2位置41bに切換え、被験者は管
21を口にくわえた状態で混合ガス源40からの混合ガ
スを最大呼気位RVから最大吸気位TLCまで一挙に吸
入し、この位置で吸気の始めから正確に10秒間の呼吸
停止をさせる。次に、ステップo3において第1切換え
弁41を第1位置41aに切換え、このとき第2切換え
弁43は第1位置43aとしておき、急速に最大呼出さ
せる。このときステップo4では、流量計22による呼
気の流量の時間経過を測定し、メモリ24にストアす
る。ステップo5において呼気の最初から750mLを
測定し、その750mL分の呼気は、第2切換え弁43
の第1位置43aから管路44を経て大気放散される。
次のステップo6では、第2切換え弁43を第2位置4
3bに切換え、ステップo7では、残りの呼気ガスをバ
ッグ39に管路45を経て1000mLを貯留し、その
ときにおいてもまたステップo8では、流量計22の計
測値を時間経過に伴って測定してメモリ24にストアし
ておく。ステップo9では、ステップo7において10
00mLの計測後に、第1位置43aに切換えて、残り
の呼気を大気放散させ、このときにおいてもまた流量計
22の計測値は処理回路23からメモリ24にストアさ
れる。こうして気量と流量とが対応づけてメモリ24に
ストアされることになる。
【0083】処理回路23には陰極線管または液晶表示
素子などを用いた目視表示手段25が備えられ、その表
示面26には、前述の表示図面などを表示することがで
きる。また記録紙27に、既に測定してある流量気量曲
線が描かれているときには、その記録紙27を、光学的
に読取る読取手段28に供給してその記録紙27に記録
されている流量気量曲線を読取り、メモリ24にストア
することもまた可能である。
【0084】処理回路23は、ステップo10でメモリ
24にストアされている流量気量曲線の下行脚のピーク
位置を検出し、そのときの最大流量PEFRおよびその
ときの気量V1を求める。ステップo11では、流量気
量曲線の気量に関して、相対気量または絶対気量のいず
れかの選択をする。
【0085】このようにして相対気量Rと、それに対応
する流量との組合わせを求めた後、ステップo12にお
いて、求められた相対気量と流量とから、2次式のあて
はめを行う。
【0086】ステップo13では、下行脚にあてはめら
れた2次式の1次項の係数a1と2次項の係数a2とを
演算した結果の値を採用して、係数勾配指数RATを求め
る。次のステップo14に従って、1秒率FEVを計算
する。ステップo11で絶対気量が選択されたときに
は、2次式変数xは、絶対気量となる。
【0087】ステップo15では、D′LCO,D′LCO
V′A,D′LCO(22),D′LCO/V′A(22),P′CO
P′CO(22)等パラメータの演算を行い、ステップo
16では、図17に示されるような3次元表示を行う。
このようにして、図16のステップを用いて時系列的な
換気能力とガス交換機能とを測定することによって、図
17に示されるように、3次元の表示を行うことができ
る。このような図17に示される3次元表示は、表示手
段25によって達成される。
【0088】測定されたSPO2をステップo15で入
力し、この値もステップo16で3次元表示することが
できる。
【0089】FEV−RATの表示と同様にP′CO,P′
co(22),SPO2,D′LCO,D′LCO(22),D′LCO
V′A,D′LCO/V′A(22)をステップo15でメモリ
に記憶しておけば、随意にそれぞれをZ軸とする3次元
表示グラフが得られる。これは、たとえばファンクショ
ンキーを押すことにより、P′CO→P′CO(22)→D′
LCO→D′LCO(22)→D′LCO/VA→D′LCO/V′A(22)
→SPO2とサイクルするように設定する。
【0090】本発明の好ましい実施態様によれば、図1
6のステップo16で各種パラメータを3次元表示する
前にFEVとRATをまず2次元表示して、前記のように
被験者の属するゾーンを同定する。ゾーンにより、3次
元表示の際のZ軸パラメータとして P′CO,P′
CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′LCO/V′A,D′
LCO/V′A(22),SPO2の群の中から最も最適なガス
交換能力指標を選び、ステップo16で3次元表示を実
施する。
【0091】したがって、ステップo15で2次元表示
の結果から特定のパラメータのみを演算するような構成
とすることができるし、またすべてのパラメータを計算
後、メモリ24にストアし、所望のZ軸パラメータのみ
を取出し、3次元表示を完成するような構成とすること
ができる。いずれにしろ被験者の所属する健康グループ
により、所望のZ軸パラメータ(ガス交換能力)を選択
できる。こうして総合的なライフスタイル管理が可能と
なる。
【0092】以上、本発明の装置を実施例を用いて説明
したが、本発明の範囲は開示した具体例に限定されな
い。
【0093】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被験者の
呼気データに基づくFV波形を解析し、換気能力、係数
勾配指数を求めるとともに、呼気データを得るのと同一
の検査体系でガス交換機能指標(P′CO,P′CO(22)
D′LCO(22),D′LCO,D′LCO/V′A,D′LCO
V′A(22))を演算しさらにSPO2を実測後入力し、3
次元座標表示を行うようにしたので、医師による適確な
診断および保健指導が可能となる。さらに、換気能力、
係数勾配指数の2次元表示とライフスタイル管理上の健
康状態区分をマッチングさせることにより各被験者の属
するグループを同定し、それに応じて適宜選択したガス
交換機能指標をZ軸上に取り、3次元座標表示を行うよ
うにしたので、医師は、呼吸気系疾患の素因、病態、環
境要因を分析し、疾患の早期把握と早期指導ができるよ
うになるのみならず、検査結果に基づき、ライフスタイ
ルのうち、特定の管理項目(たとえば、喫煙)を把握し
て適切なライフスタイル管理指導を行える。したがっ
て、被験者の総合的なライフスタイル管理から見た一般
大衆の健康指導を推進し得る。
【0094】また、被験者にとっても、医学知識がなく
ても、被験者自身の状態を把握してライフスタイル管理
が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】FV曲線を得るための装置の電気的な構成を示
すブロック図である。
【図2】図1に示す処理回路23を作動させFV曲線を
表示するときのフローチャートである。
【図3】被験者の呼気のFV曲線を模式的に示す図であ
る。
【図4】本発明に従い、FV曲線を合成する模式図であ
る。
【図5】FV,GV両曲線の一例を示す図である。
【図6】本発明に従いFV波形の解析、合成を行った一
例を表示した図である。
【図7】本発明に従う2次回帰式の係数相関図(a1,
a2)を示す図である。
【図8】本発明に従って、処理回路23を作動させa
1,a2を演算、表示するときのフローチャートであ
る。
【図9】本発明に従う2次曲線の1次項の係数a1と2
次項の係数a2と係数勾配指数RATの関係を表す図であ
る。
【図10】本発明に従って、処理回路23を作動させa
1,a2,RATを演算、表示するときのフローチャート
である。
【図11】本発明に従つて、FEV(VCp)とRAT
の関係を示す一例を表示した図である。
【図12】本発明に従ってFEV(g)またはFEV
(t)とRATの関係を表す一例を表示した図である。
【図13】本発明に従って、FEV/(g)とRATの相
関関係図をゾーン化して表示した図である。
【図14】本発明に従って、1回呼吸法を説明するため
の模式図である。
【図15】本発明の一実施態様の装置の全体の構成を示
す系統図である。
【図16】本発明に従って、処理回路23を作動させ、
AT,FEV,D′LCO/V′A,P′CO,P′CO(22)
D′LCO,D′LCO(22),D′LCO/V′A(22),を演算、
SPO2を入力してさらに3次元表示するときのフロー
チャートである。
【図17】本発明に従って、換気能力とガス交換機能を
3次元表示した図である。
【符号の説明】
21 管 22 流量系統 23 処理回路 24 メモリ 25 表示手段 26 表示面 27 記録紙 28 読取装置 40 混合ガス源 41 第1切換手段 43 第2切換手段 46 CO濃度検出手段 47 He濃度検出手段
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭51−33675(JP,B2) 特公 昭53−42999(JP,B2) 特公 昭58−25453(JP,B2) 特公 平1−13371(JP,B2) 特表 平5−505969(JP,A) 特許2786807(JP,B2) 特許3264536(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/08 G06F 17/60 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の呼気の流量を測定し、呼気の最
    大流量気流曲線を求める手段と、 前記最大流量気流曲線の下行脚をストアする第1メモリ
    と、 第1メモリに記憶されている下行脚を読出し、該下行脚
    を2次式(y=a0+a1・x+a2・x2)にあては
    めて、1次項の係数a1と2次項の係数a2とを算出
    し、さらに係数勾配指数RATを算出する第1演算手段
    と、 前記下行脚から1秒率FEVを算出する第2演算手段
    と、 前記呼気流量を測定する手段と同一の検査体系で、P′
    CO,P′CO(22)、D′LCO,D′LCO(22),D′LCO
    V′A,D′LCO/V′A(22)およびSPO2から成る群よ
    り選ばれるガス交換能力指標を求め、または演算する第
    3演算手段と、 第3演算手段で得られたガス交換機能指標をストアする
    第2メモリと、 X軸に係数勾配指数RATを、Y軸に1秒率FEVを、そ
    してZ軸にガス交換機能指標を3次元座標表示する手段
    とを有することを特徴とするライフスタイル管理のため
    の換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装
    置。
  2. 【請求項2】 被験者の呼気の流量を測定し、呼気の最
    大流量気流曲線を求める手段と、 前記最大流量気流曲線の下行脚をストアする第1メモリ
    と、 第1メモリに記憶されている下行脚を読出し、該下行脚
    を2次式(y=a0+a1・x+a2・x2)にあては
    めて、1次項の係数a1と2次項の係数a2とを算出
    し、さらに係数勾配指数RATを算出する第1演算手段
    と、 前記下行脚から1秒率FEVを算出する第2演算手段
    と、 前記呼気流量を測定する手段と同一の検査体系で、P′
    CO,P′CO(22),D′LCO,D′LCO(22),D′LCO
    V′A,D′LCO/V′A(22)およびSPO2から成る群よ
    り選ばれるガス交換機能指標を求め、または演算する第
    3演算手段と、 第3演算手段で得られたガス交換機能指標をストアする
    第2メモリと、 X軸に係数勾配指数RATを、Y軸に1秒率FEVを2次
    元座標表示する第1表示手段と、 2次元座標面上に予め設定した健康管理ゾーンを前記2
    次元座標と重ね合わせ表示する補助表示手段と、 第2メモリに記憶されているガス交換機能指標のうちの
    1種のみをZ軸に表示する第2表示手段とを有すること
    を特徴とするライフスタイル管理のための換気、ガス交
    換機能の総合的評価および立体的表示装置。
  3. 【請求項3】 第2表示手段において、ファンクション
    キーによりP′CO,P′CO(22),D′LCO
    D′LCO(22),D′LCO/V′A,D′LCO/V′A(22)
    SPO2から成る群より選ばれる1つのガス交換能力指
    標を指定することを特徴とする請求項2記載の装置。
JP31727394A 1994-12-20 1994-12-20 ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置 Expired - Fee Related JP3527301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31727394A JP3527301B2 (ja) 1994-12-20 1994-12-20 ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31727394A JP3527301B2 (ja) 1994-12-20 1994-12-20 ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08173403A JPH08173403A (ja) 1996-07-09
JP3527301B2 true JP3527301B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=18086399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31727394A Expired - Fee Related JP3527301B2 (ja) 1994-12-20 1994-12-20 ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3527301B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005115240A1 (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Fukuda Sangyo Co., Ltd. 呼吸機能検査装置
JP4901309B2 (ja) 2006-05-31 2012-03-21 株式会社デンソー 生体状態検出装置、制御装置、及び脈波センサ装着装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2786807B2 (ja) 1994-02-10 1998-08-13 忠道 目黒 気道過敏性と気道閉塞性の総合的な評価装置
JP3264536B2 (ja) 1993-01-11 2002-03-11 忠道 目黒 換気・ガス交換機能の総合的評価および立体的表示方法ならびに装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3264536B2 (ja) 1993-01-11 2002-03-11 忠道 目黒 換気・ガス交換機能の総合的評価および立体的表示方法ならびに装置
JP2786807B2 (ja) 1994-02-10 1998-08-13 忠道 目黒 気道過敏性と気道閉塞性の総合的な評価装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08173403A (ja) 1996-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6540689B1 (en) Methods for accurately, substantially noninvasively determining pulmonary capillary blood flow, cardiac output, and mixed venous carbon dioxide content
US6575918B2 (en) Non-invasive device and method for the diagnosis of pulmonary vascular occlusions
US20160106341A1 (en) Determining respiratory parameters
JP5866335B2 (ja) 患者により排せつされる総二酸化炭素の要素の測定
KR20070009577A (ko) 공기 유량 결정 방법 및 시스템
Liou et al. Spirometry
Schlegelmilch et al. Pulmonary function testing
JP3527301B2 (ja) ライフスタイル管理のための換気、ガス交換機能の総合的評価および立体的表示装置
JP3577059B2 (ja) 呼吸機能からみた総合的健康管理装置のための気相系呼吸機能検査システム
JP3527302B2 (ja) Fv波形解析のためのfv波形の合成方法
JP3068460B2 (ja) 呼吸機能からみた総合的健康管理のための気相系呼吸機能検査システムおよびそれを用いる健康管理の方法
CN115775629A (zh) 一种术前基于亚极量运动试验评估PPCs风险的方法
WO2005115240A1 (ja) 呼吸機能検査装置
JP3527300B2 (ja) 気道閉塞に関わるライフスタイル管理のための換気能力評価装置
JP3325867B2 (ja) 代謝機能からみた健康管理装置
Kukwa et al. Anatomical and functional assessment of patency of the upper respiratory tract in selected respiratory disorders–Part 1
JP3665313B2 (ja) 健康維持管理のための総合的呼吸機能検査装置
Cotes Carbon monoxide transfer coefficient KCO (TL/VA): a flawed index
Fitzgerald et al. Office Evaluation of Pulmonary Function: Beyond the Numbers.
JP3264536B2 (ja) 換気・ガス交換機能の総合的評価および立体的表示方法ならびに装置
Azzahra et al. Implementation of a Microcontroller Arduino for Portable Peak Expiratory Flow Rate to Examine the Lung Health
Laszlo Standardised lung function testing.
Bunn et al. A comprehensive on-line computerised lung function screening test
Irvin Lung volumes
Altalag et al. Lung Volumes

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees