JP3524543B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3524543B2
JP3524543B2 JP2002255229A JP2002255229A JP3524543B2 JP 3524543 B2 JP3524543 B2 JP 3524543B2 JP 2002255229 A JP2002255229 A JP 2002255229A JP 2002255229 A JP2002255229 A JP 2002255229A JP 3524543 B2 JP3524543 B2 JP 3524543B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を送受信し
て超音波画像を得る超音波診断装置に関し、特にスペッ
クルパターンの軽減に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置における超音波の送受信
方式には、超音波振動子アレイを用いたものとしてリニ
ア電子走査や電子フォーカス法によるセクタ走査があ
り、振動子の機械的な移動によるものとしてメカニカル
セクタ走査などの方式がある。これらのいずれにおいて
も各走査線の方向に所定時間幅の超音波パルスを送信
し、その走査線上の音響インピーダンスに応じて生ずる
反射波を受信する。従来は、超音波画像のフレーム或い
は走査線の向きに係わりなく、同一周波数の超音波パル
スを用いていた。図7は、このことを模式的に示した図
であり、コンベックス型探触子による電子走査における
偶奇各フレームとそれを構成する走査線の周波数を示
す。セクタ型走査面150は奇数フレーム、セクタ型走
査面152は偶数フレームを表し、それらを構成する各
走査線154の形成に当たっては、全て周波数fの超音
波パルスが利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超音波パルスは送信時
間幅に応じた空間長を有する。異なる深度の2点からの
反射波は、超音波の往復経路長差がこの空間長以下であ
る場合に互いに重畳する。すなわち上記2点間の距離が
この空間長の半分以下である場合、これらの点からの反
射波は干渉し合う。隣接走査線間、連続フレーム間では
音響インピーダンスの分布はそれほど変わらないであろ
うから、干渉による明暗は走査線の並び方向に連続し、
結果として実際の各点の反射強度とは異なる強度を有す
る干渉縞を生じうる。この干渉縞をスペックルパターン
と呼んでいる。例えば最も簡単な例では、超音波の1/
4波長ずれた2点において同程度の強度の反射が生じた
場合は、互いに強度を弱め合い、逆に1/2波長ずれれ
ば強め合う。
【0004】この干渉縞は視覚的に目立つし、画像デー
タ処理を行う際も有為なパターンかスペックルパターン
かの判断が難しい。よって超音波画像上、音響インピー
ダンスが空間的に変化する臓器など診断対象の近傍にこ
のスペックルパターンによる縞状のノイズが表示される
と、正確な診断の支障となるという問題があった。
【0005】本発明は、スペックルパターンが軽減され
画質の向上した良好な超音波画像が得られる超音波診断
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波診断装置
は、隣接する走査線間又は連続する超音波画像のフレー
ム間の少なくとも一方において受信信号の周波数を異な
らせ超音波画像を形成することを特徴とする。これによ
り同一のスペックルパターンが空間的又は時間的に連続
しない超音波画像を形成することができる。受信信号の
周波数を異ならせるために本発明は、受信フィルタの通
過帯域を異ならせる方法による。
【0007】すなわち、本発明に係る超音波診断装置で
は、各走査面の形成に当たって各走査線方向に対し広帯
域周波数の超音波を送信し、隣接する走査線間で通過帯
域の異なる受信フィルタを用いて、受信信号について濾
波を行う。
【0008】本発明では、隣接する走査線間で受信信号
から異なる周波数帯域の信号を取り出す。これにより、
超音波画像の形成に用いられる反射波の干渉の条件が、
隣接走査線間で変わり、スペックルパターンが走査線の
並び方向に連続しない超音波画像が得られる。よってス
ペックルパターンが分散し視覚的に目立たなくなるとと
もに、画像処理上も実像との識別が容易となる。
【0009】他の本発明に係る超音波診断装置において
は、同一の走査線方向について、同一の画面に表示され
る超音波画像の連続するフレーム間でも通過帯域の異な
る受信フィルタを用いて、受信信号について濾波を行
う。
【0010】本発明では、受信フィルタの通過周波数を
隣接する走査線間で変えるとともに、各走査線について
フレーム間でも変える。これにより同一画面に表示され
る超音波画像において反射波の干渉の条件が時間的にも
変わり、上記スペックルパターンの分散作用が一層向上
する。
【0011】これら本発明の好適な態様の超音波診断装
置においては、隣接する2つの走査線での前記受信フィ
ルタの通過帯域の周波数が倍数関係になく、また同一の
走査線方向について、超音波画像の連続する2つのフレ
ーム間での前記受信フィルタの通過帯域の周波数が倍数
関係にないように設定される。2つの受信フィルタの通
過帯域の周波数が倍数関係にないとは、2つの通過帯域
それぞれの代表周波数、例えば中心周波数のうち小さい
方の値が、大きい方の値の約数ではないことをいう。こ
れにより、干渉による明暗の位置が、隣接走査線間やフ
レーム間で一致しにくくなる。よって、スペックルパタ
ーンが顕著に軽減する。
【0012】別の本発明に係る超音波診断装置は、各走
査面の形成に当たって広帯域周波数の超音波を送信し、
同一の画面に表示される超音波画像の連続するフレーム
間で通過帯域の異なる受信フィルタを用いて、受信信号
について濾波を行う。
【0013】本発明では、受信フィルタの通過周波数を
同一画面に表示される超音波画像の連続するフレーム間
で変える。これにより、同一フレーム内の隣接する走査
線間の受信フィルタの通過周波数の差異に係わりなく、
たとえフレーム内の通過周波数が均一であっても、スペ
ックルパターンの時間的な分散作用によって、スペック
ルパターンの軽減が図られる。
【0014】本発明の好適な態様の超音波診断装置にお
いては、超音波画像の連続する2つのフレーム間での前
記受信フィルタの通過帯域の周波数が倍数関係にないよ
うに設定される。これにより、干渉による明暗の位置
が、連続フレーム間で一致しにくくなる。よって、スペ
ックルパターンが顕著に軽減する。
【0015】以上の本発明が適用される超音波画像には
Bモード画像が含まれる。なおMモード画像では、空間
的には1つの走査線についての連続する時刻における反
射波が並べられて表示される。しかし、フレームを複数
の線を並べて構成し、フレームが順次表示されるという
点でBモードと違わないので、Mモード画像にも本発明
を適用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の前提となる基本的
構成例を説明した後、本発明の好適な実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】[基本的構成例]図1は、本発明の説明の
前提となる基本的構成例の超音波診断装置のブロック図
である。フレーム/ラインカウンタ2はこれから送受信
される走査線のフレーム内での順番とその属するフレー
ムの順番とをカウントする。周波数切替信号発生器4
は、フレーム/ラインカウンタ2からこれら2つの順番
を得て、これらの偶奇に応じて走査線に対して送受信さ
れる超音波の周波数を切り換える。この周波数切替動作
については後で述べる。
【0018】送信機6は周波数切替信号発生器4から出
力された送信周波数設定信号8を受け、これにより指定
される時間幅を有する矩形電気パルスで探触子10のコ
ンベックス型振動子アレイを駆動する。矩形電気パルス
の時間幅が広い程、振動子から発せられる超音波の中心
周波数は低くなる。
【0019】探触子10からは電子走査法により、所定
の方向に超音波パルスが送波される。この超音波パルス
の反射波は広帯域探触子10によって受波され振動子ご
との電気信号に変換され、この電気信号はプリアンプ1
2で増幅される。続いてフォーカス加算器14は、振動
子ごとの電気信号を受信ダイナミックフォーカス法によ
って加算合成し、指定された走査線上の各点からの受信
信号が得られる。
【0020】可変バンドパスフィルタ16は、周波数切
替信号発生器4からの通過帯域設定信号18によって、
受信された超音波パルスの送信時の中心周波数を含む通
過帯域を設定する。フォーカス加算器14から出力され
た受信信号は可変バンドパスフィルタ16により帯域を
選別された後、検波器20及びアナログ画像処理器22
により、音響インピーダンスの分布に対応するアナログ
受信信号に変換される。
【0021】このアナログ画像処理器22の出力を用い
て画像表示を行えば、人間の視覚や表示機器の、残像効
果や空間分解能の限界によって、スペックルパターンは
平滑化される。しかし、本超音波診断装置ではスペック
ルパターンのより確実な平滑化効果を得るために、アナ
ログ画像処理器22の出力をデジタルスキャンコンバー
タ(DSC)24で画像処理して、表示モニタ26に超
音波画像の表示を行っている。
【0022】DSC24内での画像処理を説明する。ア
ナログ−デジタル(A/D)変換器28によってアナロ
グ受信信号は一旦、デジタルの受信データに変換され
る。ライン相関器33はA/D変換器28から送られた
最新の1走査線分のデータ32と、ラインメモリ30か
ら読み出された1ライン前の走査線データ31とを加算
平均して1本の新たな走査線データを生成するような処
理を行いながら、デジタル映像信号を生成し順次出力し
た後、ラインメモリ30のデータを更新する。これがラ
イン相関である。上記ライン相関処理により、スペック
ルパターンの空間的な平滑化が電子回路で実現され、画
像上のざらつきが抑制され高品位の度合いが向上する。
このライン相関処理は、以下のフレーム相関処理と合わ
せて用いずに、それ単独で実施してもスペックルパター
ンの平滑化効果を得ることができる。しかし、本超音波
診断装置では、フレーム相関処理を併用して更なる画像
の高品位化を図っている。
【0023】以下にフレーム相関処理を説明する。まず
メインメモリ36が2フレーム分の記憶領域を有する場
合を説明する。受信データはフレーム相関器34におい
て、メインメモリ36の1フレーム分の記憶領域に記憶
されている前フレームの受信データと加算平均される。
これをフレーム相関と呼ぶ。この加算平均されたフレー
ム相関データはメインメモリ36の残りの1フレーム分
の記憶領域に格納される。
【0024】1フレーム分の記憶容量を有するメインメ
モリ36を用いて、上記フレーム相関処理を行うことも
できる。この場合、フレーム相関データがメインメモリ
36に格納されており、新しいフレーム相関データは、
受信データとメインメモリ36中の古いフレーム相関デ
ータとを適当な重み付けで加算平均して得られる。この
新フレーム相関データでメインメモリ36の内容が更新
される。この方法では、フレーム相関データは連続する
2フレームの受信データのみでなく、それ以前の古い受
信データも累積加算されている。しかし、古い受信デー
タの成分は、古い程低減するので、上記2フレーム分の
メモリを用いる場合と類似の効果を得ることができる。
【0025】以上のフレーム相関処理後、このデジタル
映像信号はデジタル−アナログ(D/A)変換器38に
おいてアナログ映像信号に変換されて、表示モニタ26
に表示される。
【0026】なお、上述のフレーム相関処理を単独で実
施して表示モニタ26に表示してもよい。この場合には
スペックルパターンの時間的な平滑化が電子回路で実現
されているので、画像上のちらつきが抑制され高品位な
画像が得られる。
【0027】図2は、周波数切替動作を示す説明図であ
る。セクタ型走査面40は奇数フレームであり、セクタ
型走査面42は偶数フレームである。セクタ型走査面4
0は、奇数番目の走査線44と偶数番目の走査線46と
が交互に配置されて構成される。同様にセクタ型走査面
42は、奇数番目の走査線48と偶数番目の走査線50
とが交互に配置される。これら各走査面40、42は図
において左側の走査線から順に走査される。図1に示し
た周波数切替信号発生器4は、上述したようにフレーム
/ラインカウンタ2から、フレーム順と走査線順とを得
る。送信周波数設定信号8と通過帯域設定信号18は、
フレーム順が奇数のとき、奇数番目の走査線44に対し
ては周波数f1 を指定し、偶数番目の走査線46に対し
ては周波数f2 を指定し、またフレーム順が偶数のと
き、奇数番目の走査線48に対しては周波数f2 を指定
し、偶数番目の走査線50に対しては周波数f1 を指定
する。つまり隣接する走査線間で送信周波数の異なる超
音波が送受波されるとともに、同一の走査線方向につい
て連続するフレーム間で送信周波数の異なる超音波が送
受波される。
【0028】送信機6は送信周波数設定信号8により周
波数f1 、f2 のいずれかが指定され、f1 に対しては
パルス時間幅τ1 、f2 に対してはパルス時間幅τ2
矩形電気パルスを発生する。探触子10はこれらパルス
時間幅τ1 、τ2 の矩形電気パルスによりそれぞれ
1 、f2 を中心周波数とする帯域を有した超音波パル
スを発生する。両矩形パルスの振幅レベルは、送信され
る超音波の両中心周波数における強度が等しくなるよう
にそれぞれ定められている。
【0029】ここで、例えばf1 =3.5MHz、f2
=5.0MHzであり、これらは倍数関係にない。すな
わち、これらf1 、f2 の最小公倍数は35MHzであ
り、周波数f1 の超音波と周波数f2 の超音波は、それ
ぞれ7周期、10周期ごとにしか互いの位相は一致しな
い。これに対し、上記周波数の組み合わせに近い周波数
の組み合わせでf1 とf2 が倍数関係になる場合として
1 =2.5MHz、f2 =5.0MHzがある。この
場合、周波数f1 の超音波は1周期ごとに周波数f2
超音波と位相が一致する。つまりf1 =3.5MHz、
2 =5.0MHzを採用する本超音波診断装置は上記
倍数関係の場合に比べて、スペックルパターンの位置が
隣接走査線又は連続フレーム間で一致する頻度はおよそ
1/7と評価され、その分、画質の向上が期待できる。
【0030】図3はライン相関処理を説明するための概
念図である。図1において、ライン相関器33はライン
メモリ30に記憶されている1本前の走査線データであ
る1ライン遅れデータ31とメモリを経由せずに得られ
る最新の走査線データ32に対してライン相関処理を行
う。図3は、ライン相関器33が、1ライン遅れデータ
31であるk番目の走査線データek (n) と、最新の走
査線データ32である(k+1)番目の走査線データe
k+1 (n) とを加算平均し、(k+1)番目の走査線に相
当するライン相関データdk+1 (n) を出力する様子を示
している。すなわち、 dk+1 (n) =〔ek (n) +ek+1 (n) 〕/2 (但しd1 (n) =e1 (n) ) ………(1) である。これら隣接する2つの走査線間で音響インピー
ダンスの分布の差は小さく無視でき、また走査線データ
k (n) 、ek+1 (n) は一方がf1 、他方がf2で走査
されたデータであるので、この加算平均によりスペック
ルパターンが平滑化され画質が向上する。
【0031】図4は上述したメインメモリ36が2フレ
ーム分の記憶容量を有するフレーム相関処理を説明する
ための概念図である。ライン相関器33から第nフレー
ムのデジタルデータ60(セクタ型走査面で表してい
る。)が出力され始めるタイミングにおいて、メインメ
モリ36の1フレーム分の記憶領域62には、第(n−
1)フレームのデジタルデータ64、残りの1フレーム
分の記憶領域66には、第(n−2)フレームと第(n
−1)フレームとのフレーム相関データ68が格納され
ている。データ60、64、68のそれぞれのk番目の
走査線データをd k (n) 、dk (n-1) 、gk (n-1) で表
している。フレーム相関データ68の各走査線データg
k (n-1) が格納された領域は、データ60の各走査線デ
ータdk (n) によって更新され、データ64の各走査線
データdk (n-1) が格納された領域は、dk (n-1) とd
k (n) とが加算平均された新たなフレーム相関データで
あるgk (n) によって更新される。ここで、 gk (n) =〔dk (n-1) +dk (n) 〕/2 (但しgk (1) =dk (1) ) ………(2) である。
【0032】データ60とデータ64との同一走査線方
向のデータdk (n) 、dk (n-1) は、ライン相関された
データであり、それぞれ互いに異なる周波数f1 、f2
の超音波により得られた成分を含んでいる。これらの成
分のスペックルパターンは異なるので、これらを加算平
均して得られたフレーム相関データgk (n) では、上記
ライン相関同様、スペックルパターンが平滑化され画質
が向上する。なお、メインメモリ36が1フレーム分の
記憶容量を有するフレーム相関処理の場合は、図示しな
いが、メインメモリ36中の第(n−1)フレームのフ
レーム相関データとライン相関器33からの第nフレー
ムのデジタルデータとが加算平均されて、第nフレーム
のフレーム相関データgk (n) が生成され、メインメモ
リ36の内容が更新される。ここで、 gk (n) =〔gk (n-1) +dk (n) 〕/2 (但しgk (1) =dk (1) ) ………(3) である。ライン相関や上記2フレーム分のメインメモリ
36を用いたフレーム相関における(2)式が、単純加
算平均と言えるものであったのに対し、(3)式は累積
加算又は逐次加算平均であるが、古いフレームの成分が
漸次低減するので、スペックルパターン平滑化に関し、
(2)式による場合と類似の効果を得ることができる。
【0033】なお、上記超音波診断装置において、同一
フレーム内の各走査線に対する超音波周波数は同一とし
フレーム間でのみ交互に周波数を切り換え、受信信号に
対し上記フレーム相関処理を行うこととしても、スペッ
クルパターンの時間的平滑化が行われ画質が向上する。
【0034】なお、探触子10を構成する振動子アレイ
はリニア型振動子アレイやその他の構造であってもよ
い。走査の方式も、電子走査、機械走査等のどの走査手
段であってもよく、また走査形状もリニア、セクタ、コ
ンベックス、アーク等の方式であってもよい。1つの走
査面内における走査の順番も、右から走査してもよい
し、左右交互に次第に中心に向かうなどの順番であって
もよい。
【0035】[実施形態]図5は、本発明を実施した超
音波診断装置のブロック図である。上記基本的構成例の
超音波診断装置と同様の機能を有する構成要素は、図1
の符号に100を加えて示し、以下、基本的構成例と異
なる点を中心に説明する。
【0036】周波数切替信号発生器104は、次の走査
線のフレーム内での順番とその属するフレームの順番と
をフレーム/ラインカウンタ102から得て、これらの
偶奇に応じて可変バンドパスフィルタ116に対して通
過帯域設定信号118を送る。
【0037】可変バンドパスフィルタ116は、その内
部にスイッチングにより切り換えられる2つのフィルタ
を有するなどの構成を有し、周波数切替信号発生器10
4からの通過帯域設定信号118によって、異なる中心
周波数f1 、f2 を有する2つの通過帯域のいずれかに
設定される。
【0038】送信機106は、実施形態1の送信機6と
異なり、フレーム、ラインの順番に係わりなく一定の超
音波を広帯域探触子110から送波させる。広帯域探触
子110は基本的構成例の探触子10よりも広帯域の超
音波を送波できる。
【0039】図6は可変バンドパスフィルタ116によ
る広帯域超音波の受信信号の濾波を説明する概念図であ
る。図6(a)は可変バンドパスフィルタ116の、中
心周波数f1 の通過帯域140、中心周波数f2 の通過
帯域142、及び広帯域超音波によって生じる受信信号
144のそれぞれの周波数特性を示す。図6(b)は可
変バンドパスフィルタ116から出力される受信信号の
周波数特性146、148を示す。この出力周波数特性
146、148はそれぞれ可変バンドパスフィルタ11
6の通過帯域140、142に対応し、1時点ではいず
れか一方のみ得られる。両出力周波数特性146、14
8の強度が、画像表示時に異なる帯域の受信信号を用い
て表示される隣接走査線間、フレーム間の走査線にて異
なると、画質が劣化する。そのため、本超音波診断装置
では、上記出力周波数特性146、148をそろえてお
り、通過帯域140、142の透過率と受信信号144
のスペクトルとの関係は上記両周波数特性の均一を実現
するように定められている。図では、通過帯域140、
142の特性としてその中心周波数を除き相等しい場合
が例示されている。このとき受信信号144は、両通過
帯域140、142の中心周波数f1 、f2 で受信信号
強度が等しくなるように調整される。振動子を矩形パル
スで駆動して送信超音波を得るなどの理由で、受信信号
144のスペクトル形状がピーク位置fS に対し非対称
である場合には、左記の矩形パルスの時間幅を調整し受
信信号144のピーク位置fS をf1 とf2 との間で調
整することによって、両中心周波数での受信信号強度の
バランスを達成することができる。
【0040】このように、同一の走査線に対してフレー
ムごとに異なる周波数で、また同一フレーム内では走査
線間で交互に周波数を切り換え、受信信号の帯域の一部
を切り出して処理することによって、基本的構成例と同
様にスペックルパターンが平滑化され画質の向上が図ら
れる。
【0041】なお、異なる帯域の受信信号を用いて表示
される走査線間のバランスを達成する他の方法として
は、周波数切替信号発生器104から増幅率切替信号を
得てプリアンプ112の増幅率を切り換え、上記2つの
通過帯域における強度差を調整する方法や、フレーム相
関器134での加算平均処理を重み付け加算平均処理と
し、周波数切替信号発生器104からの切替信号によっ
てその重み付け係数を切り換えるような処理による方法
などがある。
【0042】なお、上記超音波診断装置において、可変
バンドパスフィルタ116の通過帯域を、同一フレーム
内の各走査線に対しては同一とし、フレーム間でのみ交
互に周波数を切り換え、その受信信号に対し上記フレー
ム相関処理を行うこととしても、スペックルパターンの
時間的平滑化が行われ画質が向上する。
【0043】
【発明の効果】本発明の超音波診断装置によれば、異な
る周波数の超音波を送波又は受波することにより、時間
的又は空間的に近接する走査線に対してスペックルパタ
ーンを異ならせ、超音波画像上のスペックルパターンを
平滑化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本的構成例の超音波診断装置のブロック図
である。
【図2】 周波数切替動作を示す説明図である。
【図3】 ライン相関処理を説明するための概念図であ
る。
【図4】 フレーム相関処理を説明するための概念図で
ある。
【図5】 本発明の実施形態の超音波診断装置のブロッ
ク図である。
【図6】 可変バンドパスフィルタによる受信信号の濾
波を説明する概念図である。
【図7】 従来の超音波診断装置における超音波画像形
成方法を示す概念図である。
【符号の説明】
40,42 セクタ型走査面、44,48 奇数番目の
走査線、46,50偶数番目の走査線、60 第nフレ
ームのデジタルデータ、62,66 記憶領域、64
第(n−1)フレームのデジタルデータ、68 フレー
ム相関データ、102 フレーム/ラインカウンタ、1
04 周波数切替信号発生器、106送信機、110
広帯域探触子、114 フォーカス加算器、116 可
変バンドパスフィルタ、118 通過帯域設定信号、1
24 デジタルスキャンコンバータ、126 表示モニ
タ、128 アナログ−デジタル変換器、130 ライ
ンメモリ、131 1ライン遅れデータ、132 最新
走査線データ、133ライン相関器、134 フレーム
相関器、136 メインメモリ、138 デジタル−ア
ナログ変換器、150 奇数フレームのセクタ型走査
面、152 偶数フレームのセクタ型走査面、154
走査線。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査面を構成する複数の走査線の各方
    向で超音波を送受信して超音波画像を得る超音波診断装
    置において、 前記各走査面の形成に当たって各走査線方向に対し広帯
    域周波数の超音波を送信し、 隣接する走査線間で通過帯域の異なる受信フィルタを用
    いて、受信信号について濾波を行い、かつ、同一の走査
    線方向について、同一の画面に表示される超音波画像の
    連続するフレーム間でも通過帯域の異なる受信フィルタ
    を用いて、受信信号について濾波を行うこと、 を特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波診断装置におい
    て、 隣接する2つの走査線での前記受信フィルタの通過帯域
    の周波数は倍数関係になく、かつ同一の走査線方向につ
    いて、超音波画像の連続する2つのフレーム間での前記
    受信フィルタの通過帯域の周波数も倍数関係にないよう
    に設定されたことを特徴とする超音波診断装置。
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