JP3523956B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
し、特に量子効果を利用した半導体装置に関する。
Programmable Read Only Memory)等の不揮発性半導体記
憶装置において、制御ゲートと浮遊ゲートとの2重ゲー
ト構造を有する1つのスタックゲート型メモリセルに2
ビット(4値)以上の情報を記憶させるようにした所謂
多値メモリが、例えば特開平6−177397号公報及
び特開平6−267285号公報に夫々開示されてい
る。この多値メモリによると、通常の2値メモリと同じ
メモリセル数でより大きな記憶容量を得ることが可能に
なる。以下、この従来の多値メモリについて、4値を記
憶させるEEPROMを例に図面を参照して説明する。
開平6−177397号公報に記載されている浮遊ゲー
ト型EEPROMメモリセルの概略断面図を示す。図9
において、P型シリコン基板101上には、膜厚10n
m程度のトンネル酸化膜106を介して多結晶シリコン
膜からなる浮遊ゲート104が形成されている。浮遊ゲ
ート104上には、ゲート間層間絶縁膜107を介して
多結晶シリコン膜からなる制御ゲート105が形成され
ている。シリコン基板101の表面には、浮遊ゲート1
04下のチャネル領域111(チャネル長:0.65μ
m程度)を挟んで互いに対向する一対のN型不純物拡散
層であるソース102及びドレイン103が夫々形成さ
れている。ドレイン103は、層間絶縁膜108に開孔
されたビットコンタクト109によってビット線110
と接続されている。
に4値の情報を書き込む場合、例えば、選択メモリセル
の制御ゲート105に一定の電圧を印加するとともに、
ビット線110を介してドレイン103に高さの異なる
4種類のパルス電圧を選択的に印加する。すると、その
選択メモリセルの浮遊ゲート104とドレイン103と
の間に大きさの異なる4種類の電界が選択的に印加さ
れ、それに応じた電荷量がドレイン103近傍のシリコ
ン基板101からトンネル酸化膜106を通じて浮遊ゲ
ート104に注入される。そして、その結果、選択メモ
リセルは、その浮遊ゲート104が蓄積する電荷量に応
じて4種類のしきい値電圧を選択的にもつことになり、
そのしきい値電圧に対応した4値(2ビット)の情報を
記憶することになる。
リセルの制御ゲート105に一定の参照電圧を印加す
る。すると、その選択メモリセルのしきい値電圧の違い
(記憶状態の違い)に応じて浮遊ゲート104に蓄積さ
れている電荷量が異なるため、制御ゲート105からシ
リコン基板101表面に印加される電界がそれに応じて
変化し、その結果、記憶状態に対応して大きさの異なる
ドレイン−ソース間電流(ドレイン電流)Idsが得られ
る。図10は、ドレイン電流Idsとこれに対応する浮遊
ゲート−基板間電圧(浮遊ゲート電圧)Vfgとの関係を
示したグラフであるが、この図10から明らかなよう
に、ドレイン電流Idsと浮遊ゲート電圧Vfgとは略比例
関係にある。そこで、選択メモリセルがオンしたときに
流れるドレイン電流Idsの大きさをセンスアンプにより
判別することで、浮遊ゲート104に蓄積された電荷量
の違い、即ち、メモリセルの4種類の記憶状態を識別す
ることができる。例えば、ドレイン電流Idsの大きさが
0〜I1 であれば“00”、I1 〜I2 であれば“0
1”、I2 〜I3 であれば“10”、I3 以上であれば
“11”である。
用して読み出しを行う場合、隣り合う記憶状態同士の誤
読み出しを防止するために、図示の如く、ドレイン電流
Idsの境界値I1 、I2、I3 の近傍に夫々無感領域
(±δI)(insensing level)を設ける必要がある。す
ると、浮遊ゲート電圧Vfgにも、その境界値V1 、V
2 、V3 の近傍に夫々δIに対応した無感領域ができ
る。即ち、浮遊ゲート104に蓄積される電荷量が浮遊
ゲート電圧Vfgの無感領域の範囲内にある場合には、そ
のメモリセルの読み出しができない。そこで、浮遊ゲー
ト104に蓄積する電荷量が浮遊ゲート電圧Vfgの無感
領域の範囲内に入らないように各メモリセルの書き込み
を制御する必要がある。
と浮遊ゲート電圧との関係を示す特性曲線に幅のある無
感領域を設けると、必然的にメモリセルの有効動作範囲
が狭くなる。このように狭い動作範囲に入るように浮遊
ゲート電圧Vfg、即ち浮遊ゲート104の蓄積電荷量を
正確に制御するためには、例えば書き換え(書き込み及
び消去)のときの書き込みデータをベリファイするベリ
ファイアルゴリズムループをより多く実行しなければな
らず、書き換え時間が長くなるという問題がある。この
問題は、各メモリセルに記憶されるべき異なるデータの
数が多くなるほど重大となる。
うな幅のある無感領域が存在すると、浮遊ゲートに蓄積
された電荷量が、その無感領域に相当する値のときは、
正確な記憶データの読み出しが不可能、または誤ったデ
ータを読み出すことになり、記憶装置の信頼性が低下す
ることになる。
レイン電流Idsに無感領域を設けた場合であっても、浮
遊ゲートの蓄積電荷量を狭い範囲に分布させる必要がな
く、短い書き換え時間で書き換え及び読み出しの信頼性
の高い不揮発性半導体記憶装置に使用することができる
半導体装置を提供することである。
に、本発明の半導体装置は、半導体基板の表面に形成さ
れたドレイン及びソースと、前記ドレインと前記ソース
の間を流れるドレイン電流を制御するため、前記ドレイ
ンと前記ソースの間の前記半導体基板表面上にゲート絶
縁膜を介して設けられたゲート構造をもったトランジス
タを具備する半導体装置において、前記半導体基板の前
記ドレインと前記ソースとの間に存在する部分であるチ
ャネルは、前記ドレイン及び前記ソースに直接接してお
り、前記チャネルの前記ドレインと前記ソースとの間の
長さであるチャネル長は、温度に依存して変化する前記
半導体基板内の伝導キャリアの平均自由行程以下であ
り、前記ゲート構造に印加するゲート電圧と、前記ドレ
インと前記ソースとの間を流れるドレイン電流との関係
を表す特性曲線は、前記チャネルにおける電界強度の前
記半導体基板の深さ方向成分に応じて前記ゲート電圧の
変化に対して前記ドレイン電流が階段状に変化する階段
状部分を少なくとも1つ含んでおり、前記チャネルにお
ける不純物濃度及び前記ゲート絶縁膜の厚さは、前記ゲ
ート構造に所定の電圧を印加した状態において、前記チ
ャネルにおける電界強度の前記半導体基板の深さ方向成
分が1MV/cm以下となるように設定されていること
を特徴とする。
長が0.09μmである。
縁膜の厚みが5nm以下である。
スタがMISトランジスタである。
伝導キャリアの平均自由行程(シリコン中の電子の場
合、常温で0.09μm)以下とすることにより、キャ
リアのチャネル方向エネルギーに量子効果(δ関数化)
を生じ、基板反転層中に発生するキャリアのエネルギー
は量子化され、離散的なエネルギー準位しかとれなくな
る。
度をさらに制御することにより、上記階段状部分の数を
増加することにより、4値、8値およびそれ以上の多値
記憶も比較的容易に実現できる。
面を参照して説明する。
モリとして用いるEEPROMメモリセルの概略断面図
を示す。図1において、表面の不純物濃度Na が1.4
5×1017cm-3程度のP型シリコン基板1上には、膜
厚5nm程度のトンネル酸化膜6を介して多結晶シリコ
ン膜からなる浮遊ゲート4が形成されている。さらに、
浮遊ゲート4上にはゲート間層間絶縁膜7を介して多結
晶シリコン膜からなる制御ゲート5が形成されている。
シリコン基板1の表面部分には、浮遊ゲート4下のチャ
ネル領域11を挟んで互いに対向する一対のN型不純物
拡散層であるソース2及びドレイン3が夫々形成されて
いる。ソース2、ドレイン3間の間隔(チャネル長)は
0.09μm程度であり、これはシリコン内の常温にお
ける伝導電子の平均自由行程に相当する距離である。ド
レイン3は層間絶縁膜8に開孔されたビットコンタクト
9によってビット線10と接続されている。尚、制御ゲ
ート−基板間電圧(制御ゲート電圧)Vcgと浮遊ゲート
−基板間電圧(浮遊ゲート電圧)Vfgとの容量比は0.
6(Vfg=0.6Vcg)である。
軸、チャネル長方向をY軸、チャネル幅方向をZ軸と
し、基板表面の反転層内のX軸方向の電界強度をEx 、
シリコン基板1の表面ポテンシャルをφs 、トンネル酸
化膜6の膜厚をtox=5〔nm〕、トンネル酸化膜6に
印加されるX軸方向の電界強度をEox〔MV/cm〕、
シリコンの比誘電率をκSi=11.8(室温での値)、
酸化膜の比誘電率をκox=3.8(室温での値)とする
と、各層に印加される電圧の釣り合いから、 Vfg=Eox・tox+φs (1) が成り立ち、X軸方向の電束密度の連続条件から、 κSiEx =κoxEox (2) が成り立つ。
を消去することにより、 Vfg=(κSi/κox)Ex ・tox+φs (3) が得られる。
深さ方向を正方向とすると、制御ゲート5に電圧を印加
した時に基板表面は反転状態でなければならないので、
φfを擬フェルミ準位(φf =(kT/q)ln(Na
/ni )、ここで、kはボルツマン定数、ni はシリコ
ンの真性キャリア濃度(室温においてni =1.45×
1010〔cm-3〕)、qは電気素量(q=1.6×10
-19 〔C〕)、Tは絶対温度を夫々示す。)とすると、 2φf ≦φs (4) が成り立つ。
圧Vfgとは、浮遊ゲート4に電子が蓄積されることを考
慮すると、次の関係を満たさなければならない。 0≦Vfg≦0.6Vcg (5) 従って、式(3)(4)(5)から、シリコンの表面ポ
テンシャルφs に対し、 2φf ≦φs ≦0.6Vcg−(κSi/κox)Ex ・tox≡φs (max) (6) が成り立つ。
セルのエネルギーバンドダイヤグラムを示す。図2の横
軸は基板深さ、縦軸は基板内のポテンシャルを示す。本
実施形態のEEPROMメモリセルにおいては、制御ゲ
ート5に電圧を印加したときに電界強度Ex によって形
成される反転層内のポテンシャルは、基板表面濃度(N
a )が一定であるために三角ポテンシャル(即ち、qE
x 型ポテンシャル)で近似できる。そして、そのポテン
シャル井戸内に閉じ込められる伝導電子は、電子のド・
ブロイ(de Broglie)波長のn/2倍(n:自然数)の
状態でしか存在することができない。即ち、伝導電子は
深さΔXn の反転層内に閉じ込められることになり、λ
x をシリコン中の伝導電子のド・ブロイ波長とすると、
ΔXn に対して、 ΔXn =n×(1/2)λx n=1,2,3……… (7) が成り立つ。
px もpx =h/λx (ここで、hはプランク定数(h
=6.63×10-34 〔J・s〕)を表す。)の関係並
びに式(7)から定まる離散的な値しかとることができ
なくなる。従って、X方向の運動量px で決まる伝導電
子のエネルギーも離散的な値をとることになり、そのn
番目のエネルギー準位εx,n は、深さΔXn 内に定常波
として存在する伝導電子のエネルギーがqEx ・ΔXn
なので、me を電子の有効質量(me =0.2×9.1
1×10-31 〔kg〕)としてεx,n =px 2 /2me
であると仮定すると、 εx,n =px 2 /2me =qEx ・ΔXn (8) と表すことができる。
と、伝導電子のエネルギー準位εx,n は電界強度Ex の
関数として、 εx,n (Ex )=(2me )-1/3(hqEx /2)2/3 n2/3 (9) と表すことができる。つまり、伝導帯内におけるエネル
ギー準位εx,n の密度は電界強度Ex によって規定され
る。また、図2に示すように、伝導帯内の伝導電子は、
表面ポテンシャルφs (max) よりεx,n 分だけ2φf に
近いエネルギー準位φs ′しかとることができないこと
になる。従って、 2φf ≦φs ′≡φs (max) −εx,n ≦φs (max) (10) が成り立つ。さらに、式(10)を式(6)(9)を用
いて書き換えると、 φs (max) =0.6Vcg−(κSi/κox)Ex ・tox ≧2φf +(2me )-1/3(hqEx /2)2/3 n2/3 (11) が成り立つ。よって、伝導帯内において伝導電子のとり
うるエネルギー準位φs′の数は、トンネル酸化膜6の
膜厚tox、擬フェルミ準位φf 、電界強度Ex 及び制御
ゲート電圧Vcgによって規定することができる。尚、電
界強度Ex は、制御ゲート電圧Vcg、シリコン基板1の
不純物濃度Na 、トンネル酸化膜6の膜厚tox等によっ
て制御することができる。
セルにおいて、式(11)に基づき、伝導電子が4つの
エネルギー準位φs ′をとりうる場合のドレイン電流I
dsと浮遊ゲート電圧Vfgとの関係を示すグラフである。
図3において、浮遊ゲート電圧VfgがV1 以下のときに
は式(10)を満たすエネルギー準位φs ′の数は1つ
(n=1)しかない。また、V1 〜V2 のときには式
(10)を満たすエネルギー準位φs ′の数は2つ(n
=1,2)となり、V2 〜V3 のときには3つ(n=
1,2,3)となり、V3 以上のときには4つ(n=
1,2,3,4)となる。つまり、電圧V1 、V2 、V
3 において伝導電子がとり得るエネルギー準位φs ′の
数が夫々増加するので、これらの電圧V1 、V2 、V3
を境にしてドレイン電流Idsが不連続的に(即ち、直線
Vfg=0に平行な部分を経て)増加する。よって、ドレ
イン電流Ids−浮遊ゲート電圧Vfgの特性曲線として、
図3に示すようにエネルギー準位数の増加点に対応する
電圧V1 、V2 、V3 において階段状部分を有するIds
−Vfg特性曲線が得られる。
ルのチャネル長は、0.09μmであって、これは伝導
電子の平均自由行程程度の距離である。従って、伝導電
子がシリコン格子による格子散乱を受けなくなり(即
ち、伝導電子とフォノンとの相互作用がなくなり)、伝
導電子のチャネル長方向のエネルギーが均一化して、上
述した伝導電子のエネルギー準位の離散化が阻害される
ことがない。
ート電圧V1 、V2 、V3 を夫々記憶状態間の境界値と
することにより、メモリセルがオンしたときに流れるド
レイン電流Idsの大きさによって、浮遊ゲート4に蓄積
された電荷量、即ち、メモリセルに書き込まれた4種類
の記憶状態をセンスアンプにより判別することが可能で
ある。また、ドレイン電流Idsの境界値I1 、I2 、I
3 近傍の不連続部分に無感領域(±δI)を夫々設定す
ることにより、浮遊ゲート電圧Vfgには無感領域が必要
なくなる。
1 −δIのとき“00”、I1 +δI〜I2 −δIのと
き“01”、I2 +δI〜I3 −δIのとき“10”、
I3+δI以上のとき“11”と夫々判別することによ
り、4値即ち2ビット分の情報が確実に読み出される。
そして、各記憶状態における浮遊ゲート4内の蓄積電荷
量を従来よりも広い範囲内に分布させることができるの
で、書き換え時のベリファイアルゴリズムループを通常
の2値メモリの場合と略同程度に簡略化して行うことが
できる。この結果、書き換え時間を通常の2値メモリの
場合と略同程度に短くでき、また、浮遊ゲート4からの
電荷消失に対しても余裕を増やすことができるので、記
憶状態の信頼性を高めることができる。さらに、浮遊ゲ
ート4内の蓄積電荷量の分布域を有効に利用することが
できるので、1つのメモリセルで8値(3ビット)以上
のさらなる多値記憶が比較的容易に実現できる。
たときに4値記憶が可能となるかを式(11)に基づい
て検討する。まず、物性値等の具体的な数値及び制御ゲ
ート電圧Vcg=5〔V〕、擬フェルミ準位φf の係数k
T/q=0.0259〔V〕を式(11)に夫々代入
し、電界強度Ex とエネルギー準位εx,n との関係を求
めると、電界強度Ex の単位を〔MV/cm〕として、 0.82+0.26(Ex n)2/3 ≦3.0−1.55Ex (12) が得られる。
小関係を示したグラフである。図4から明らかなよう
に、n=4を得る場合に式(12)の左辺が右辺よりも
大きくなる電界強度Ex の範囲はEx ≦1〔MV/c
m〕である。つまり、本実施形態のEEPROMでは、
制御ゲート電圧Vcgを5〔V〕に固定した場合、シリコ
ン基板1の濃度やトンネル酸化膜6の膜厚を制御、具体
的には、シリコン基板1の不純物濃度を濃く(例えば1
019/cm3 以上)、トンネル酸化膜6の膜厚を薄く
(例えば5nm以下)してEx ≦1〔MV/cm〕の条
件を実現することにより、n=4を得ることが可能とな
り、4値の多値記憶を行うことができる。
ネル酸化膜6の膜厚が決まっている場合には、読み出し
時に制御ゲート電圧Vcgに印加する参照電圧を高くする
ことによりEx ≦1〔MV/cm〕の条件を実現する。
いては、チャネル長を0.09μm、ゲート絶縁膜の厚
みを5nm、基板不純物(リン)濃度を1019/cm3
として、制御ゲートに5.0Vを印加した場合、図3に
示すような不連続点をもったドレイン電流−浮遊ゲート
電圧の関係を示す特性曲線が得られ、各不連続点におけ
るドレイン電流と浮遊ゲート電圧の関係は次の通りであ
った。 浮遊ゲート電圧の範囲 ドレイン電流の値 0V〜0.9V 0〜2μA 0.9V〜1.8V 3〜15μA 1.8V〜2.6V 17.5〜50.4μA 2.6V〜3.0V 60〜600μA
憶に用いる場合の書き込み方法について説明する。
場合、まず、ホットキャリア注入により浮遊ゲート4に
電子を注入しメモリセルを予め消去状態(“00”)に
する。そして、図5に示すように、書き込まれる4つの
情報(“00”、“01”、“10”、“11”)に対
応する高さのパルス電圧Vd (3.0V、4V、5V、
6V)を選択メモリセルのドレイン3に印加するととも
に、制御ゲート電圧Vcgとして電圧VPP(例えば8.3
〔V〕)を所定のプログラム時間TPWだけ印加する。こ
のとき、シリコン基板1は接地状態とする。この結果、
トンネル酸化膜6にそれぞれ6〔MV/cm〕、8〔M
V/cm〕、10〔MV/cm〕、12〔MV/cm〕
の電界強度Eoxが生じ、ファウラー・ノルドハイム(F
N)トンネリングによって電子が浮遊ゲート4からドレ
イン3に引き抜かれる。
が進行するに伴って、浮遊ゲート4内の蓄積電荷量に対
応する浮遊ゲート電圧Vfgが、書き込まれる4つの情報
に対応した電圧に変化して行く。最終的に、浮遊ゲート
電圧Vfgは、“00”に対応するV1 以下の電圧、“0
1”に対応するV1 〜V2 の電圧、“10”に対応する
V2 〜V3 の電圧、“11”に対応するV3 以上の電圧
の4つの状態のうちの1つに落ちつく。以上のようにし
て、EEPROMメモリセルに2ビット分の情報を記憶
させることができる。
し方法について説明する。
す場合、読み出し参照電圧として制御ゲート5に例えば
5〔V〕を印加する。このとき、浮遊ゲート4に蓄積さ
れた電荷量に応じて浮遊ゲート電圧VfgがV1 以下、V
1 〜V2 、V2 〜V3 、V3以上の4つに区分される。
従って、ドレイン電流Idsもこれに対応して図3に示す
ような階段状の特性のものが得られる。このドレイン電
流Idsをセンスアンプにおいて検出することにより、ド
レイン電流Idsの大きさが0〜I1 −δIのとき“0
0”、I1 +δI〜I2 −δIのとき“01”、I2 +
δI〜I3 −δIのとき“10”、I3 +δI以上のと
き“11”と夫々判別し、メモリセルに記憶された4値
の情報を読み出す。
子の場合を説明したが、伝導キャリアが正孔の場合で
も、本発明は略同様にして適用が可能である。
いては、チャネル長を0.09μm、ゲート絶縁膜の厚
みを5nm、基板不純物(リン)濃度を1019/cm3
として、制御ゲートに5.0Vを印加した場合、図7に
示すような階段状部分をもったドレイン電流−浮遊ゲー
ト電圧の関係を示す特性曲線が得られ、この特性曲線の
階段状部分は、メモリセルを低温(−40℃)で駆動し
たとき顕著に現れる。常温で駆動したときは、量子効果
が低下する。図3は低温で駆動した場合に得られる特性
曲線を示し、図7は常温で駆動した場合の特性曲線を示
す。図7の特性曲線では、浮遊ゲート電圧V1 =1.6
Vで第1の階段状部分が現れ、そのときのドレイン電流
は9.8〜18.0μmである。さらに、浮遊ゲート電
圧V2 =2.5Vで第2の階段状部分が現れ、そのとき
のドレイン電流は88〜135μmである。
メモリセルに適用した場合について説明したが、本発明
はさらに通常のMISトランジスタに適用することがで
きる。即ち、基板と、基板の表面に形成されたドレイン
及びソースとなる一対の離隔した不純物拡散領域、ドレ
インとソースの間の基板表面上にゲート絶縁膜を介して
設けられたゲート電極をもったMISトランジスタにお
いて、チャネル長さを基板の温度に依存して変化する基
板内の伝導キャリアの平均自由行程(シリコン基板の場
合、常温で0.09μm)以下とし、ゲート絶縁膜の膜
厚と基板の不純物濃度を制御して、ゲートに所定の電位
を与えた場合、チャネル領域における電界強度の基板の
深さ方向成分が1MV/cm以下となるようにすること
により、ゲート電圧の変化に対するドレイン電流の変化
が離散的となり、MISトランジスタのオンオフするゲ
ート電圧の動作点を従来のものより安定にすることがで
きる。
半導体装置は、通常の工程と実質的に同じ工程により製
造することができる。ただし、本実施形態のMISトラ
ンジスタはチャネル長が従来よりも非常に小さいので、
パターン形成のためのリソグラフィにおける露光エネル
ギーとしては例えば特開平3−220773号に開示さ
れているように電子ビームを用いることが好ましい。
造工程を図8を参照して簡単に説明する。
板31上に膜厚5nm程度の絶縁膜32、多結晶シリコ
ン膜33、シリコン酸化膜34を順次形成する。そし
て、シリコン酸化膜34上に電子ビーム露光用レジスト
35を1μm程度塗布する。しかる後、図示しないマス
クを用いてレジスト35に電子ビーム露光を施し、トラ
ンジスタのゲートを形成する部分36以外のレジスト3
5を除去する。残ったレジスト36はトランジスタのチ
ャネル長さに相当する長さ0.09μmをもつ。
エッチングにより、絶縁膜(シリコン酸化膜)32、多
結晶シリコン膜33、シリコン酸化膜34を選択的に除
去し、図8(b)に示すように、ゲート酸化膜32、ゲ
ート電極33、上壁酸化膜34をもったゲート構造が基
板1上に形成される。次に、上壁酸化膜34をマスクと
して基板表面にP型の不純物をイオン注入して一対の低
濃度の不純物拡散層38を形成する。
膜34とゲート電極33をカバーするように半導体基板
31の全面上に酸化膜40をCVD法により形成する。
0に異方性エッチングを施して上壁酸化膜34とゲート
電極33の側壁酸化膜40のみを残すように、酸化膜4
0を選択的に除去する。ついで、上壁酸化膜34、側壁
酸化膜40をマスクとして基板31にP型不純物をイオ
ン注入して、高濃度の不純物拡散層42を形成し、MI
Sトランジスタが完成する。
ジスタのゲート電極33に代えて、浮遊ゲート、層間絶
縁膜、制御ゲートの2重ゲート構造とする以外はMIS
トランジスタとほぼ同様である。なお、層間絶縁膜とし
ては、シリコン酸化膜の他、シリコン窒化膜やONO膜
を用いることもできる。
本発明は4値のデータを記憶する不揮発性半導体記憶装
置に限らず、MISトランジスタや一般の2値記憶不揮
発性半導体記憶装置に適用できることはいうまでもな
い。
するドレイン電流の変化が離散的となり、トランジスタ
のオンオフするゲート電圧の動作点を従来のものより安
定にすることができる。また、本発明を不揮発性半導体
記憶装置に適用した場合には、多値メモリにおいて、ド
レイン電流Idsに無感領域を設けて誤読み出しを確実に
防止するようにした場合でも、浮遊ゲート電圧Vfgには
無感領域を設ける必要がなくなり、各記憶状態における
浮遊ゲートの蓄積電荷量の分布範囲を従来の多値メモリ
よりも広く利用することができる。よって、書き換え時
に記憶状態を確認するためのベリファイアルゴリズムル
ープを従来の多値メモリよりも簡略化して行うことがで
き、この結果、書き換え時間を従来の多値メモリよりも
短くできる。また、浮遊ゲートからの電荷消失に対して
も余裕を増やすことができるので、記憶状態の信頼性を
高めることができる。さらに、浮遊ゲートの蓄積電荷量
の分布範囲を広く有効に利用できるので、1つのメモリ
セルで8値(3ビット)以上のさらなる多値記憶が比較
的容易に実現可能となる。
ROMメモリセルの概略的な断面図である。
ROMメモリセルのエネルギーバンドダイヤグラムであ
る。
ROMメモリセルのドレイン電流Idsと浮遊ゲート電圧
Vfgとの関係を示すグラフである。
ROMメモリセルにおいて、n=4を得る場合に必要な
電界強度Ex の範囲を求めるためのグラフである。
ROMメモリセルの書き込み動作を説明するための図で
ある。
ROMメモリセルの書き込み動作を説明するための図で
ある。
OMメモリセルのドレイン電流Idsと浮遊ゲート電圧V
fgとの関係を示すグラフである。
ンジスタの製造方法を工程順に示す断面図である。
的な断面図である。
レイン電流Idsと浮遊ゲート電圧Vfgとの関係を示すグ
ラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体基板の表面に形成されたドレイン
及びソースと、前記ドレインと前記ソースの間を流れる
ドレイン電流を制御するため、前記ドレインと前記ソー
スの間の前記半導体基板表面上にゲート絶縁膜を介して
設けられたゲート構造をもったトランジスタを具備する
半導体装置において、 前記半導体基板の前記ドレインと前記ソースとの間に存
在する部分であるチャネルは、前記ドレイン及び前記ソ
ースに直接接しており、 前記チャネルの前記ドレインと前記ソースとの間の長さ
であるチャネル長は、温度に依存して変化する前記半導
体基板内の伝導キャリアの平均自由行程以下であり、 前記ゲート構造に印加するゲート電圧と、前記ドレイン
と前記ソースとの間を流れるドレイン電流との関係を表
す特性曲線は、前記チャネルにおける電界強度の前記半
導体基板の深さ方向成分に応じて前記ゲート電圧の変化
に対して前記ドレイン電流が階段状に変化する階段状部
分を少なくとも1つ含んでおり、 前記チャネルにおける不純物濃度及び前記ゲート絶縁膜
の厚さは、前記ゲート構造に所定の電圧を印加した状態
において、前記チャネルにおける電界強度の前記半導体
基板の深さ方向成分が1MV/cm以下となるように設
定されていることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 前記チャネル長が0.09μmであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項3】 前記ゲート絶縁膜の厚みが5nm以下で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装
置。 - 【請求項4】 前記トランジスタがMISトランジスタ
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
記載の半導体装置。
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JP7-46187 | 1995-02-10 | ||
JP04050396A JP3523956B2 (ja) | 1995-02-10 | 1996-02-02 | 半導体装置 |
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-
1996
- 1996-02-02 JP JP04050396A patent/JP3523956B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08279567A (ja) | 1996-10-22 |
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