JP3523311B2 - ポンプ - Google Patents

ポンプ

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JP3523311B2
JP3523311B2 JP33503993A JP33503993A JP3523311B2 JP 3523311 B2 JP3523311 B2 JP 3523311B2 JP 33503993 A JP33503993 A JP 33503993A JP 33503993 A JP33503993 A JP 33503993A JP 3523311 B2 JP3523311 B2 JP 3523311B2
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健二 小川
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ノイベルク有限会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体を吐出するポンプ
に係り、銀ペースト、アルコール、熱硬化型エポキシ樹
脂、電池やコンデンサの電解液、グリース等の各種液体
の吐出ポンプに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、液体の吐出ポンプとして様々な
形式のものが知られているが、一般に、ポンプ部、駆動
部、吐出液が貯蔵されているタンクおよびタンクからポ
ンプ部に液体を移送するパイプ等の移送手段とを備えて
構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポンプでは、タンクがポンプから離れている場合や、グ
リス等の高粘度液体を供給する場合には、圧送用ポンプ
を用いて行う必要があり、機構が複雑になるとともに、
圧送用ポンプの維持管理も煩雑であり、費用もかかると
いう問題があった。
【0004】また、圧送用ポンプ等を用いて液を加圧す
る場合には、加圧によってポンプ部から駆動部側等に液
漏れが生じやすくなるため、ポンプ部のバルブ等の各部
材間にOリング等を介在させてシールする必要があっ
た。しかしながら、シール材を用いた場合には、ポンプ
の使用に伴いシール材が変形して吐出量が変動するた
め、特に微量の液体を高精度に吐出する必要がある場合
には、シール材の変形による吐出量の変動によって、吐
出量の精度が低下するという問題もあった。さらに、シ
ール材はポンプの使用に伴い磨耗等で消耗するため、一
定サイクルで交換しなければならず、維持作業が煩雑で
あるという問題もあった。
【0005】また、液体が入れられた容器に直接パルス
エアを供給し、その圧力によって液体を吐出すること
で、パイプ等の圧送手段を無くしたタイプのポンプもあ
ったが、このタイプのポンプでは、容器内の液体の粘度
が温度変化等によって変化すると、容器内に供給するエ
アの圧力を一定にしていても吐出量が変化してしまい、
特に極微量の液体を吐出する場合には高精度の吐出を維
持することが困難であるという問題もあった。
【0006】本発明の目的は、圧送用ポンプを使用する
場合であっても、シール材をなくすことができるととも
に、圧送用ポンプを用いなくても高粘度の液体を吐出す
ることができ、さらに液体が極微量であっても高精度に
吐出することができるポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のポンプは、液体
を吐出する吐出口を有する容器と、この容器内に配置さ
れて前記吐出口を開閉する吐出口開閉バルブと、前記容
器内に配置されかつ吐出口開閉バルブの外側に同心円状
に配置されて容器内の液体を吐出する吐出用部材と、前
記容器内に配置されかつ吐出用部材の外側に同心円状に
配置されて容器内部から吐出口に連通する液体供給部を
開閉する供給部開閉バルブと、これらの吐出口開閉バル
ブ、吐出用部材および供給部開閉バルブをそれぞれ所定
動作で駆動させる駆動機構とを備え、前記吐出用部材お
よび供給部開閉バルブの内側は容器内部に連通されてい
ことを特徴とするものである。
【0008】この際、前記吐出口開閉バルブおよび供給
部開閉バルブは、凸状の球面とされた当接面と、凹状の
テーパ面とされた吐出口および液体供給部の各当接面と
を接離させることで吐出口および液体供給部を開閉する
ように構成されていることが好ましい。具体的には、本
発明のポンプは、前記駆動機構により上下動されるバル
ブロッドと、前記バルブロッドに対して軸方向に摺動可
能に嵌挿された前記吐出用部材と、前記吐出用部材に対
して軸方向に摺動可能に嵌挿された開閉部材とを備え、
前記吐出口開閉バルブは、バルブロッド下端の当接面
と、この当接面が接離する吐出口の当接面により構成さ
れ、前記供給部開閉バルブは、開閉部材の下端当接面
と、この当接面が接離する液体供給部の当接面により構
成され、前記バルブロッド、吐出用部材、開閉部材の各
摺接面から上方に漏れた液は再度容器内に戻されること
が好ましい。さらに、前記吐出口開閉バルブおよび吐出
用部材間と、吐出用部材および供給部開閉バルブ間と
は、互いに摺接されて液漏れを防止するシール材は設け
られておらず、かつ前記吐出用部材および供給部開閉バ
ルブの前記容器内に配置された中間部には孔が形成さ
れ、これらの孔を介して前記吐出用部材および供給部開
閉バルブの内側は容器内部に連通されていることが好ま
しい。
【0009】
【作用】このような本発明における作用は例えば次のよ
うになる。まず、吐出液を容器内に供給する。この液体
の供給は、容器にパイプ等を介して吐出液が貯蔵された
タンクから液体を供給したり、容器を着脱可能に構成
し、液を入れた容器をポンプに装着することなどで行
う。次に、圧縮空気等を用いた駆動機構により、供給部
開閉バルブを開いて容器内の液体を液体供給部を介して
供給部開閉バルブの内側に供給可能な状態にし、さら
に、吐出用部材を吐出口より離れる方向に移動させて、
この移動により形成される空間に液体を吸入する。
【0010】この吸入動作後に、供給部開閉バルブを閉
じて液体を供給部開閉バルブの内側に封入して、吐出液
の計量を行う。この計量動作後に、吐出口開閉バルブを
開いて液体を吐出可能な状態にし、吐出用部材を吐出口
の方向に移動させて吐出口より液体を吐出する。この吐
出動作後に、吐出口開閉バルブを閉めて吐出口を閉塞す
る。以上の動作を繰り返して、液体を所定量ごとに吐出
口より吐出する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本発明の一実施例のポンプ1を利用
したポンプシステムの概略構成図が示されている。ポン
プ1は、駆動機構を内蔵する駆動部2およびポンプ部3
を備えて構成されており、このポンプ1は、液の吐出時
には被吐出部材に近づくようにポンプ1を下降させ、吐
出時以外には搬送装置等に干渉しないようにポンプ1を
上昇させる上下装置4に保持されている。ポンプ1の駆
動部2には、駆動源としてのエア供給を行うとともに、
その供給タイミングを制御するコントローラ5がエア供
給配管6を介して接続されている。
【0012】駆動部2は、図2にも示すように、上下方
向に連結された4つのシリンダブロック10,11,1
2,13を備えている。この各シリンダブロック10〜
13の連結は、シリンダブロック10〜13の四隅に通
された図示しない連結部材によってなされている。
【0013】シリンダブロック10,11,12には、
第1、第2、第3の各シリンダ14、15、16と、各
シリンダ14〜16に連通された第1、第2、第3の各
シリンダポート17、18、19が形成されている。ま
た、各シリンダ14〜16には、それぞれ軸方向である
図2の上下方向に摺動可能なように、第1、第2、第3
の各ピストン20、21、22が挿入されている。
【0014】各シリンダ14〜16には、各ピストン2
0、21、22を図2の上方に付勢する第1、第2、第
3の各コイルばね23、24、25が配置されている。
そして、コントローラ5により各シリンダポート17〜
19にエアが供給されると、各ピストン20〜22はコ
イルばね23〜25の付勢力に抗して図2中下方に移動
され、エア供給を止めると、各ピストン20〜22はコ
イルばね23〜25の作用により図2中上方に移動され
るように構成されている。なお、各ピストン20〜22
と、シリンダ14〜16との間には、駆動用のエアが漏
れないようにUシール等の適宜なシール材が介在されて
いる。
【0015】第1ピストン20には、ポンプ1の中心軸
部分に配置されたピストンロッド26が圧入され、第1
ピストン20とともに上下方向に移動されるように構成
されている。第2ピストン21は、シリンダ15に摺接
する大径部を有するピストン部材21Aと、ピストンロ
ッド26が中心軸を摺動可能に貫通しているピストン部
材21Bとで構成されている。第3ピストン22は、シ
リンダ16に摺接する大径部を有するピストン部材22
Aと、第2ピストン21が中心軸を摺動可能に設けられ
ているピストン部材22Bとで構成されている。
【0016】また、駆動部2の最下端のシリンダブロッ
ク13には、駆動部2側に液漏れしないように、吐出液
7をポンプ1の外に排出するためのドレンポート27が
形成されている。
【0017】一方、ポンプ1のポンプ部3は、図3に示
すように、ほぼ円筒状に形成され、下端部30Aが下方
に向かって円錐状となるように形成されたステンレス製
の容器30と、この容器30を駆動部2に取付けるため
の容器取付部材31とを備えている。容器取付部材31
は、前記駆動部2の下端のシリンダブロック13にボル
ト止めされており、その下端部には一部が切欠かれた取
付用のフランジ31Aが形成されている。このフランジ
31Aには、その切欠き部分から差し込まれた前記容器
30の係止部30Bが係止され、この係止部30Bをコ
イルばね32で下方に付勢されている固定リング33で
押さえることで、つまりいわゆるバヨネット構造を用い
ることで、容器30は容器取付部材31に着脱可能に取
付けられている。
【0018】容器30の下端部30Aには、下方に向か
って徐々に狭くなるテーパ状の孔30Cが形成され、こ
の孔30Cには吐出口35を有するバルブシート36が
上方から圧入されて孔30Cのテーパ面を利用して下方
に抜けないように固定されている。吐出口35の容器3
0内部側の開口は、下方に向かって径が小さくなる凹状
のテーパ面とされた当接面35Aが形成され、また、バ
ルブシート36の外側まで延長された吐出用の針37が
圧入されている。
【0019】容器30の最下端部には、バルブシート3
6を容器30の外側から取付けるための保持部材や、液
吐出を検知するセンサや吐出口35用のキャップを取付
ける際等に利用されるねじ30Dが形成されている。ま
た、容器取付部材31には、容器30内の液面を検出す
る光学式液面計を必要に応じて取付けるための貫通孔3
1Bが形成されている。
【0020】容器30の中心軸部分には、吐出口35を
開閉するステンレス製のバルブロッド40が配置され、
このバルブロッド40の上端は、図2に示すように、シ
リンダブロック12部分まで延長され、連結キャップ4
1を介して前記ピストンロッド26の下端に当接されて
いる。また、バルブロッド40の下端の吐出口35に当
接する当接面40Aは、図3に示すように、凸状の球面
とされ、吐出口35のテーパ状の当接面35Aに接離す
ることで吐出口35を開閉するように構成されている。
従って、バルブロッド40の下端の当接面40A、吐出
口35の当接面35Aにより吐出口開閉バルブ42が構
成される。
【0021】バルブロッド40の同心円状外側には、ス
テンレス製の吐出用パイプ43が配置されている。この
吐出用パイプ43の下端には、バルブロッド40に対し
て軸方向に摺動可能に嵌挿されたステンレス製の吐出用
部材44が取付けられている。また、吐出用パイプ43
の上端側は、図2に示すように、シリンダブロック13
まで延長され、その上端は連結部材45を介して第2ピ
ストン21に当接されている。
【0022】吐出用パイプ43の同心円状外側には、図
3に示すように、容器30内と吐出口35とを連通する
液体供給部46を開閉するためのステンレス製のバルブ
パイプ47が配置されている。このバルブパイプ47の
下端には、吐出用部材44に対して軸方向に摺動可能に
嵌挿されたステンレス製の開閉部材48が取付けられて
いる。この開閉部材48の下端の当接面48Aは凸状の
曲面とされ、バルブシート36上端のテーパ状の当接面
36Aに接離可能に形成されており、液体供給部46を
開閉可能とされている。従って、開閉部材48の下端当
接面48Aおよびバルブシート36の当接面36Aによ
り供給部開閉バルブ49が構成されている。また、バル
ブパイプ47の上端側は、図2にも示すように、容器取
付部材31まで延長され、その上端は連結部材50を介
して第3ピストン22に当接されている。
【0023】なお、連結キャップ41および連結部材4
5間、連結部材45、50間、連結部材50および容器
取付部材31間には、それぞれコイルばね51、52、
53が介在され、各連結キャップ41、連結部材45、
50を第1ピストン20のピストンロッド26、第2ピ
ストン21、第3ピストン22にそれぞれ付勢してい
る。これにより、各連結キャップ41、連結部材45、
50つまりバルブロッド40、吐出用パイプ43、バル
ブパイプ47は、各ピストン20〜22の動作に応じて
上下動させられて吐出口開閉バルブ42、吐出用部材4
4、供給部開閉バルブ49を作動させるように構成され
ている。
【0024】また、吐出用パイプ43およびバルブパイ
プ47の容器30内の中間部分には、各パイプ43、4
7の内外を連通する溝孔43A、47Aが形成されてお
り、バルブロッド40、吐出用部材44、開閉部材48
の各摺接面から上方に漏れた液7を再度容器30内に戻
すことができるように構成されている。
【0025】図2に示すように、駆動部2のシリンダブ
ロック10には、マイクロメータ55が取付けられてお
り、このマイクロメータ55のスピンドルには3本のロ
ッド56が突設された吐出量調整部材57が取付けられ
ている。ロッド56は、第1ピストン20を貫通して第
2ピストン21に当接されており、この当接位置により
第2ピストン21のストローク量つまり吐出用部材44
の軸方向上方への移動量が決定され、吐出液7の吐出量
が設定されるようになっている。
【0026】ここにおいて、前記コントローラ5、エア
供給配管6、各シリンダ14〜16、シリンダポート1
7〜19、ピストン20〜22、コイルばね23〜2
5、ピストンロッド26、バルブロッド40、吐出用パ
イプ43、連結部材45、50、バルブパイプ47、開
閉部材48、コイルばね51〜53により、吐出口開閉
バルブ42、吐出用部材44、供給部開閉バルブ49の
駆動機構58が構成されている。
【0027】次に、本実施例の作用について、図4およ
び図5の動作説明図をも参照して説明する。運転開始前
即ちポンプ1の停止状態においては、図4(A)に示す
ように、バルブロッド40の下端の当接面40Aは、下
方に移動されて吐出口35の当接面35Aに当接してお
り、吐出口開閉バルブ42は閉じられた状態にある。こ
の吐出口開閉バルブ42の閉塞は、コントローラ5によ
り第1シリンダ14内に圧縮空気が供給されることでな
されている。一方、吐出用部材44および開閉部材48
は、上方ストロークエンドの位置にあり、よって供給部
開閉バルブ49は開いた状態にある。従って、開閉部材
48およびバルブシート36の内側部分には、容器30
から液体供給部46を通して液7が供給された状態とな
っている。
【0028】次いで、コントローラ5により第3シリン
ダ16内に圧縮空気を供給すると、第3ピストン22が
下方に移動し、この移動に伴って、図4(B)に示すよ
うに、開閉部材48が下方に移動されてバルブシート3
6の当接面36Aに当接し、供給部開閉バルブ49が閉
じられた状態になる。これにより、開閉部材48および
バルブシート36の内側に液7が封入され、液7が所定
量に計量されることとなる。
【0029】この後、コントローラ5により第1シリン
ダ17へのエア供給を停止して大気開放状態とすると、
第1ピストン20はコイルばね23の作用により上方に
移動し、この移動に伴いバルブロッド40は吐出口35
より離れる方向に移動される。従って、図4(C)に示
すように、吐出口開閉バルブ42が開いて吐出口35が
開放され、液7は吐出口35に取付けられた針37から
吐出可能な状態となる。
【0030】この後、コントローラ5により第2シリン
ダ15にエアを供給すると、図5(A)に示すように、
吐出用部材44が下方に移動され、計量された液7が吐
出口35から針37を通して吐出される。次いで、コン
トローラ5により第1シリンダ14にエアを供給し、吐
出口開閉バルブ42を閉めると、図5(B)に示すよう
に、吐出口35が閉塞される。
【0031】この後、コントローラ5により第3シリン
ダ16内を大気に開放すると、図5(C)に示すよう
に、コイルばね25の作用により第3ピストン22およ
び開閉部材48が上方に移動されて、供給部開閉バルブ
49が開かれる。次いで、コントローラ5により第2シ
リンダ15を大気に開放すると、図5(D)に示すよう
に、コイルばね24の作用により第2ピストン21が上
方に移動されて、吐出用部材44も吐出口35より離れ
る方向に移動され、この移動に伴って形成される空間
に、液体供給部46を通して容器30から液7が流入し
て供給される。この図5(D)は、図4(A)と同じ状
態であり、この後前記各動作が繰り返されることによっ
て、順次吐出口35から液7が所定量づつ吐出される。
【0032】また、本実施例においては、図4(B)に
示す開閉部材48、バルブシート36の内側に形成され
る空間に吸入された液7の量から、図5(B)に示す吐
出口35が閉塞された時にバルブシート36の内側に残
った空間、いわゆるデッドスペースに残った液7の量を
除いた量が吐出量となる。従って、吐出量の調整は、吐
出用部材44の移動量、つまり第2ピストン21の移動
量を調整することで行われ、この第2ピストン21の移
動量は、マイクロメータ55を操作して吐出量調整部材
57を移動させることで調整される。
【0033】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、吐出する液7を供給部開閉バ
ルブ49を閉めることで開閉部材48およびバルブシー
ト36内に閉じ込めて容積計量をしているので、たとえ
吐出量が微量であっても吐出量を高精度に制御すること
ができる。また、吐出量の調整は、マイクロメータ55
により吐出用部材44の移動量を調整するだけでよいた
め、簡単にかつ高精度に行うことができる。
【0034】ポンプ部3に容器30を設け、この容器3
0に液7を入れてあるため、液7の移送距離を短くで
き、高粘度の液7であっても加圧手段を設けることな
く、確実に供給することができる。極微量の液7を吐出
する場合等のように容器30の容積に対して吐出量が少
ない場合には、容器30に液7を満たせば、半日あるい
は1日分の吐出量を確保できるため、容器30を着脱し
て液7を補充する場合であっても、作業性や生産性が低
下することもない。なお、液7の補充時期は、液面計を
設けたり、一定時間当たりの吐出量から補充サイクルを
設定することなどで容易に管理することができる。ま
た、容器30を着脱して液7を補充する場合には、圧送
ポンプのような移送手段が不要なため、構造が簡易とな
り、ポンプ1を安価に提供できる。
【0035】液7が入れられる容器30内にバルブロッ
ド40、吐出用部材44、開閉部材48等を配置すると
ともに、吐出用パイプ43、バルブパイプ47にそれら
の内外を連通する溝孔43A,47Aを形成したので、
仮に各バルブロッド40、吐出用部材44および開閉部
材48の摺接面から液7が漏れても、それらの液7を溝
孔43A,47Aを通して容器30内に戻すことができ
る。このため、前記各摺接面から漏れた液7が駆動部2
側まで達して液漏れすることを確実に防止することがで
きるとともに、摺接面からの液漏れを防止するためのO
リング等のシール材を設ける必要がない。
【0036】バルブロッド40、吐出用部材44および
開閉部材48は、共にステンレス製であって互いに摺接
することだけでシールされており、Oリング等のシール
材は不要であるため、シール材の変形による吐出量の変
動を無くすことができ、極微量の液7であっても高精度
の吐出が行える。また、シール材を設けた場合には、磨
耗したシール材を一定期間毎に交換するなどのメンテナ
ンス作業が必要であったが、本実施例ではシール材が不
要なため、メンテナンス作業も容易に行うことができ
る。また、シール材を設けていないため、各バルブロッ
ド40、吐出用部材44および開閉部材48の摺接面か
ら液7が漏れるが、本実施例では吐出量が微量で吐出サ
イクルが短いため、その時間で漏れる液7の量は非常に
わずかであり、吐出量の精度には殆ど影響することがな
く、高精度の吐出を行うことができる。
【0037】仮に容器30に、液7を貯蔵するタンクか
ら圧送ポンプ等を用いて液7を移送する手段を設けたと
しても、容器30に液7が一旦貯められるため加圧され
た液7の圧力を大気圧まで低減することができる。この
ため、圧送ポンプを用いていてもポンプ部3における液
漏れを防止するシール材は設ける必要がなく、構造を簡
易にできて高精度の吐出を行うことができる。
【0038】さらに、吐出口開閉バルブ42および供給
部開閉バルブ49を構成するバルブロッド40、開閉部
材48の各当接面40A,48Aを凸状の球面に形成
し、一方、吐出口35およびバルブシート36の各当接
面35A,36Aを凹状のテーパ面としたため、各部材
を共にステンレス製としても当接による各バルブ42、
49の開閉を確実なものにできる。このため、一方の部
材をテフロン(商品名)等で構成する必要がなく、バル
ブ42、49の開閉に伴ってバルブ42、49を構成す
る各部材が磨耗等で損傷することがないため、バルブ4
2、49を長期間安定して確実に動作させることができ
る。
【0039】ペーストのように高粘度の液7は、ポンプ
部3と吐出口35とが離れていると液7の吐出に遅れが
生じるが、本実施例によれば、液7を吐出する吐出用部
材44等を有するポンプ部3と吐出口35とが極めて近
いので、液7の吐出の遅れがない。
【0040】沸点が低く気化しやすいアルコール等の溶
剤は、ポンプ内への吸入時あるいはチェック弁通過時
等、流れが複雑になる時に泡が発生しやすく、この泡が
溜まってしまい液7が吐出されない場合があるが、本実
施例によればポンプ部3と吐出口35とが極めて近く、
液体供給部48が供給部開閉バルブ49の部分に同心円
状に設けられており、液7の吸入面積も広くできるた
め、液7を円滑に流入することができて流れも複雑とな
らないので、泡が発生することもなく、液7を正常に吐
出することができる。また、仮に泡が発生しても、泡は
液7に比べて比重が軽いから容器30内の上方に移動す
る。このため、容器30の最下端部に設けられた吐出口
35や開閉部材48の内側部分には泡が残らず、常に泡
の含まれない液7を吐出することができる。
【0041】ポンプ部3の液7に接する各部材をステン
レス製としたため、腐食性の液7であっても取り扱うこ
とができる。また、前記実施例では、ポンプ部3と駆動
部2とが分かれているため、ポンプ部3のみに単価の高
いステンレスを用いることもでき、耐薬品性のポンプ1
であっても低価格で提供することができる。また、駆動
部2とポンプ部3とは容器取付部材31のボルトを外す
ことで容易に分離することができ、ポンプ部3のみを洗
浄するなどのメンテナンスも容易に行うことができる。
従って、吐出液7の種類を変更する場合などでも、簡単
に行うことができる。
【0042】高粘度の液7を高速で吐出するには、液7
を高圧で押し出す必要があるが、各ピストン20〜2
2、ピストンロッド26、吐出用部材44、開閉部材4
8等を同心円状に配置したので、耐圧性が高くなり、液
7を高速で吐出できる。駆動部2は、いわゆるエアシリ
ンダ式としたので、ポンプ1を小型化でき、特に微量の
液7を吐出するのに好適である。また、この駆動機構5
8は、コントローラ5で各シリンダポート17〜19へ
のエア供給の有無のみを制御すればよいので、制御が容
易であり、確実に動作させることができる。
【0043】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲の変
形は本発明に含まれるものである。例えば、前記実施例
では、ステンレス製の容器30を用いていたが、図6、
7に示すように、テフロン(商品名)などによって容器
70を構成してもよい。この容器70は、内部を視認で
きるようにテフロン製のパイプ71を用いており、この
パイプ71の上下両端にステンレス製の保持板72、7
3を取付け、保持板72、73間を複数本のステイ74
で連結して、パイプ71が変形することなく、常時一定
容積を維持できるように構成されたものである。
【0044】容器70の上部保持板72は、容器取付部
材75に前記実施例と同様のバヨネット取付構造で着脱
可能に取付けられている。容器取付部材75は、ボルト
76で駆動部2のシリンダブロック13にボルト止めさ
れている。また、容器取付部材75には、液7を貯蔵す
るタンク80から液7を補給するための液供給孔77が
形成されている。
【0045】また、前記ステイ74には、テフロンパイ
プ71の外部から内部の液面を検出する光学式のセンサ
78が取付けられているとともに、ポンプ1を上下装置
4に取り付ける取付孔79が形成されている。そして、
図6に示すように、液面センサ78には液面コントロー
ラ81が接続され、このコントローラ81で液面変化に
応じてタンク80から液7を補充するための補充ポンプ
82を制御することで、液7の補充を自動化している。
【0046】このような変形例においても、前記実施例
と同様の効果が得られるほか、容器70をテフロン製の
パイプ71を用いて構成したため、容器70の内部を外
部から視認でき、液面センサ78も容器70の外側に配
置することができる。このため、作業者が直接液面を視
認することで、液7の補充タイミング等を管理すること
もでき、かつセンサ78を液7の中に入れる必要がない
ため、センサの種類が制限されることがない。また、セ
ンサ78や液面コントローラ81を用いることで、容器
70内の液面変化に応じて液7を自動的に補給すること
もでき、ポンプ1の自動運転を行うこともできるという
利点がある。
【0047】また、前記実施例では、容器30だけでな
く、バルブロッド40、吐出用パイプ43、吐出用部材
44、バルブパイプ47、開閉部材48等のポンプ部3
を構成する各部材もステンレス製としていたが、これら
の部材としてチタン等の金属やセラミック等の他の材質
のものを用いてもよい。特に、比較的固く、かつ耐薬品
性を有する材質のものが好ましい。
【0048】前記実施例では、ピストン20〜22をエ
アおよびコイルばね23〜25により上下に移動させて
いたが、エアのみで移動させてもよい。また、モータ等
で駆動されるカムやステップモータ等で、吐出口開閉バ
ルブ42、吐出用部材44、供給部開閉バルブ49を直
接駆動してもよい。要するに、本発明の駆動機構58
は、吐出口開閉バルブ42、吐出用部材44および供給
部開閉バルブ49をそれぞれ独立に駆動でき、かつ、前
記動作を行えるものであればよい。さらに、吐出用部材
44による液7の吐出終了と同時に、吐出口開閉バルブ
42が閉塞されるように動作タイミングを設定してもよ
く、この場合には吐出用部材44による液7の吐出後
に、吐出口開閉バルブ42を閉塞することによる液7の
吐出、つまり液7の2段吐出を防止できるという利点が
ある。
【0049】また、吐出口開閉バルブ42、吐出用部材
44および供給部開閉バルブ49の形状等は、前記実施
例のように凸状の球面からなる当接面40A,48A
と、凹状のテーパ面からなる当接面35A,36Aとを
当接させるものに限定されず、その形状や機構は実施に
あたって適宜設定すればよい。要するに、本発明は、吐
出口開閉バルブ42、吐出用部材44、供給部開閉バル
ブ49が内側から外側に順次同心円状に配置されていれ
ばよく、その具体的構造、材質、機構等は適宜設定すれ
ばよい。
【0050】さらに、前記実施例では、図4(A)に示
す状態をポンプ1の停止状態、つまり基準状態としてい
たが、吐出する液7の種類等によっては、図4(C)に
示す状態をポンプ1の停止状態、つまり基準状態として
もよい。この場合、バルブロッド40の移動により負圧
が発生し、液7がポンプ1内に吸引されるので、吐出口
35より液7が漏れることがなく、さらに、ポンプ1の
駆動と同時に液7を吐出できるという効果がある。この
基準状態の選択は、コントローラ5で容易に制御でき、
本発明のポンプ1は様々な液7の吐出に広範に利用する
ことができる。また、ピストン21、22は、加工や組
立が容易となるように複数のピストン部材21A,21
B,24A,24Bで構成されているが、各々を1つの
部材で構成してもよい。要するに、シリンダブロック1
0〜13、ピストン20〜22等の形状や材質等は前記
実施例の形状等に限定されるものではなく、他の形状等
でもよい。
【0051】
【発明の効果】このような本発明のポンプによれば、圧
送用ポンプを使用する場合であっても、シール材をなく
すことができるとともに、圧送用ポンプを用いなくても
高粘度の液体を吐出することができ、さらに液体が極微
量であっても高精度に吐出することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のポンプを用いたシステムを
示す概略構成図である。
【図2】前記実施例のポンプの駆動部を示す縦断面図で
ある。
【図3】前記実施例のポンプのポンプ部を示す縦断面図
である。
【図4】前記実施例のポンプ部の動作を示す説明図であ
る。
【図5】図4の動作の続きを示す説明図である。
【図6】本発明の変形例のポンプを用いたシステムを示
す概略構成図である。
【図7】前記変形例のポンプのポンプ部を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 駆動部 3 ポンプ部 5 コントローラ 7 液 14 第1シリンダ 15 第2シリンダ 16 第3シリンダ 20 第1ピストン 21 第2ピストン 22 第3ピストン 23 第1コイルばね 24 第2コイルばね 25 第3コイルばね 30 容器 35 吐出口 35A 当接面 36 バルブシート 36A 当接面 40 バルブロッド 40A 当接面 42 吐出口開閉バルブ 43 吐出用パイプ 43A 溝孔 44 吐出用部材 46 液体供給部 47 バルブパイプ 47A 溝孔 48 開閉部材 48A 当接面 49 供給部開閉バルブ 58 駆動機構 70 容器 71 パイプ 72 保持板 73 保持板 74 ステイ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口を有する容器と、
    この容器内に配置されて前記吐出口を開閉する吐出口開
    閉バルブと、前記容器内に配置されかつ吐出口開閉バル
    ブの外側に同心円状に配置されて容器内の液体を吐出す
    る吐出用部材と、前記容器内に配置されかつ吐出用部材
    の外側に同心円状に配置されて容器内部から吐出口に連
    通する液体供給部を開閉する供給部開閉バルブと、これ
    らの吐出口開閉バルブ、吐出用部材および供給部開閉バ
    ルブをそれぞれ所定動作で駆動させる駆動機構とを備
    、前記吐出用部材および供給部開閉バルブの内側は容
    器内部に連通されていることを特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポンプにおいて、前記駆動機構により上下動されるバルブロッドと、 前記バルブロッドに対して軸方向に摺動可能に嵌挿され
    た前記吐出用部材と、 前記吐出用部材に対して軸方向に摺動可能に嵌挿された
    開閉部材とを備え、 前記吐出口開閉バルブは、バルブロッド下端の当接面
    と、この当接面が接離する吐出口の当接面により構成さ
    れ、 前記供給部開閉バルブは、開閉部材の下端当接面と、こ
    の当接面が接離する液体供給部の当接面により構成さ
    れ、 前記バルブロッド、吐出用部材、開閉部材の各摺接面か
    ら上方に漏れた液は再度容器内に戻される ことを特徴と
    するポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポンプにおいて、
    前記吐出口開閉バルブおよび吐出用部材間と、吐出用部
    材および供給部開閉バルブ間とは、互いに摺接され、か
    つ前記吐出用部材および供給部開閉バルブの前記容器内
    に配置された中間部分には孔が形成され、これらの孔を
    介して前記吐出用部材および供給部開閉バルブの内側は
    容器内部に連通されていることを特徴とするポンプ。
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