JP3521427B2 - 光ファイバ放電加熱方法 - Google Patents

光ファイバ放電加熱方法

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JP3521427B2 JP2001287472A JP2001287472A JP3521427B2 JP 3521427 B2 JP3521427 B2 JP 3521427B2 JP 2001287472 A JP2001287472 A JP 2001287472A JP 2001287472 A JP2001287472 A JP 2001287472A JP 3521427 B2 JP3521427 B2 JP 3521427B2
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/255Splicing of light guides, e.g. by fusion or bonding
    • G02B6/2551Splicing of light guides, e.g. by fusion or bonding using thermal methods, e.g. fusion welding by arc discharge, laser beam, plasma torch

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、第1の
光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面を互
いに融着接続する光ファイバ融着接続方法、及び、融着
接続部を放電加熱する放電加熱装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】第1の光ファイバおよび第2の光ファイ
バそれぞれの端面を光学的に接続する方法として、光コ
ネクタによる接続の他、融着による接続がある。融着接
続は、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞ
れの端面を予加熱して互いに押し込み、さらに加熱して
融着することで、両光ファイバを互いに接続するもので
ある。この融着接続は接続損失が小さい点で好適である
とされている。
【0003】しかし、融着接続される第1の光ファイバ
および第2の光ファイバそれぞれのモードフィールド径
が異なっていると、融着接続部においてモードフィール
ド径が不連続となり、これに因り接続損失が大きくな
る。そこで、このような問題点を解決すべく、融着接続
後に融着接続部の近傍をTEC(Thermally-diffused E
xpanded Core)処理する、すなわち融着接続部の近傍を
加熱処理することで、第1の光ファイバおよび第2の光
ファイバそれぞれの融着接続部の近傍の添加元素を拡散
させ、融着接続部においてモードフィールド径が連続的
に変化するようにして、モードフィールド径を整合さ
せ、接続損失を低減させることが行われている。
【0004】TEC処理には、プロパンおよび酸素を供
給したマイクロトーチを用いた方法、電気ヒータを用い
た方法、放電を用いた方法が存在するが、加熱幅が小さ
く、制御(電流制御)し易いという点から、一般には、
放電が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等の調査研究
の結果、以下の事実を新たに見出した。放電加熱ではマ
イクロトーチや電気ヒータ等と比較して温度分布が急峻
であり、また、温度調節の自由度が低く加熱領域内での
放電温度が高くなりすぎることから、融着接続部が必要
以上に加熱されてしまう。このため、融着接続部におい
てモードフィールド径が整合しなくなり、放射損失が増
大して、接続損失低減効果が低くなってしまう。また、
融着接続部付近での熱歪みが生じ易く、融着接続部にお
ける強度が低下してしまう。
【0006】放電温度を下げる方法としては、I.W.C.S.
(International Wire & Cable Symposium Proceeding
s) 1999 P.644〜P.649「Development of New Optical
Fiber Fusion Splicer for Factory Use」にも開示され
ているように、放電を間欠的に行うことが考えられる。
通常、昇圧トランスを用いて放電開始に必要な数10k
Vの高電圧を得ているが、放電を間欠的に行う場合、こ
のトランスを再度昇圧させる必要があることから、放電
電流が安定せず、放電温度を調節し難い。このため、放
電を安定させることは難しく、接続損失低減効果は低く
なってしまう。上述したI.W.C.S. 1999 「Development
of New Optical FiberFusion Splicer for Factory Us
e」では、P.645〜P.646「Prevention of Refractive In
dex Profile Distortion by Low Temperature Heatin
g」にも示されているように、接続損失低減効果は30
%程度に止まっている。また、放電電流を安定させるた
めには、P.646「Discharge Power Compensation」にも
示されるように、放電加熱量の小さな変化を見極めて放
電パワーを自動的に補正する必要があり、TEC処理が
複雑なものとなってしまう。
【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、簡易な構成にて、低電流で放電させても安定して放
電を行うことができ、接続損失低減効果を著しく高める
ことが可能な光ファイバ放電加熱方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
放電加熱方法は、第1の光ファイバおよび第2の光ファ
イバそれぞれの端面が互いに融着接続された融着接続部
を、当該融着接続部を挟んで対向して設けられた1対の
電極棒により融着接続部を放電加熱する放電加熱方法で
あって、最大値が放電開始電流以上の値であり、最小値
が放電開始電流未満のゼロでない値であると共に、周波
数が10Hz〜20MHzの範囲内に設定された矩形波
により放電電流を変調することを特徴としている。
【0009】本発明に係る光ファイバ融着接続方法で
は、最大値が放電開始電流以上の値であり、最小値が放
電開始電流未満のゼロでない値であると共に、周波数が
10Hz〜20MHzの範囲内に設定された矩形波によ
り放電電流を変調するので、低電流で放電させても安定
して放電を行うことができる。この結果、放電温度を低
下させることが可能となり、融着接続部が必要以上に加
熱されることはなく、融着接続部におけるモードフィー
ルド径が整合することになり、接続損失を大幅に低減さ
せることができる。また、融着接続部付近での熱歪みを
除去することができ、融着接続部における強度の低下を
防ぐことができる。ここで、本発明における放電開始電
流とは、1対の電極棒間にて絶縁破壊が生じるときに流
れる放電電流の最小値のことである。
【0010】また、本発明では、放電パワーを補正する
機構を設ける必要がなく、簡易な構成にて放電電流の安
定化を図ることができる。
【0011】また、本発明に係る光ファイバ放電加熱方
法は、矩形波のデューティ比を1%〜90%の範囲に設
定することが好ましい。矩形波のデューティ比を1%よ
り小さく設定すると放電電流が小さいままになり、不安
定な放電となり放電しない場合もある。矩形波のデュー
ティ比を90%より大きく設定すると放電温度が高くな
りすぎる。これらのことから、矩形波のデューティ比を
1%〜90%の範囲に設定することにより、放電をより
一層安定して生じさせるとともに、適切な放電温度を確
実に得ることができる。
【0012】また、本発明に係る光ファイバ放電加熱方
法は、1対の電極棒を少なくともファイバ長手方向に移
動させながら、1対の電極棒により融着接続部を放電加
熱することが好ましい。このように1対の電極棒を少な
くともファイバ長手方向に移動させながら融着接続部を
放電加熱することで、モードフィールド径の整合のみな
らず、ファイバ長手方向におけるモードフィールド径分
布を平坦化することができる。これにより、ファイバ長
手方向におけるモードフィールド径分布をより一層平坦
化することが可能となり、接続損失を極めて低くするこ
とができる。
【0013】また、本発明に係る光ファイバ放電加熱方
法は、1対の電極棒による融着接続部の放電加熱を分子
量が空気の平均分子量よりも大きいガス雰囲気中で行う
ことが好ましい。このように1対の電極棒による放電加
熱を分子量が空気の平均分子量よりも大きいガス雰囲気
中で行うことで、放電による温度が低減し、融着接続す
べき部位の近傍でのファイバ長手方向における光ファイ
バの温度分布を平坦化することができる。これは、空気
中にて放電を行うよりも、分子量が空気の平均分子量よ
りも大きいガス雰囲気中にて放電を行うほうが、放電に
より発生するプラズマ内での分子の運動速度が低下する
ことによるものと考えられる。この結果、ファイバ長手
方向におけるモードフィールド径分布をより一層平坦化
することが可能となり、接続損失を極めて低くすること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による光ファイバ放電加熱方法の好適な実施形態につい
て詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は
同一機能を有する要素には、同一符号を用いることと
し、重複する説明は省略する。
【0015】まず、本実施形態に係る光ファイバ融着接
続方法を好適に適用することができる光ファイバ融着接
続装置について説明する。図1は、光ファイバ融着接続
装置1の説明図である。なお、光ファイバ融着接続装置
1は、本発明の実施形態に係る光ファイバ融着接続部の
放電加熱装置を含んでいる。
【0016】光ファイバ融着接続装置1は、筐体10内
に、一方の光ファイバA(第1の光ファイバ)を把持す
る把持部11、他方の光ファイバB(第2の光ファイ
バ)を把持する把持部12、1対の電極棒13および1
4、電極棒13を移動させる電極棒移動ステージ15、
ならびに、電極棒14を移動させる電極棒移動ステージ
16を備える。また、筐体10は、分子量が空気の平均
分子量(29.0)よりも大きいガスとしてアルゴン
(Ar)ガス(分子量39.95)を内部へ供給するた
めのガス供給口10a、および、内部のガスを外へ排気
するためのガス排気口10bを有する。ここで、図中に
示したような直交座標系(xyz)を考え、光ファイバ
AおよびBそれぞれの光軸に平行な方向をz軸とする。
【0017】続いて、図2を参照して、放電加熱装置に
含まれる放電電流制御回路の構成について説明する。放
電電流制御回路は、直流電源20、スイッチング部2
1、トランス22、発振部23、電流検出部30、抵抗
部33、制御部35を有している。
【0018】スイッチング部21は、発振部23からの
駆動パルスの周波数で、直流電源20を断続的にオンオ
フして交流電圧に変換し、トランス22を介し昇圧し、
コンデンサ28および電極棒13および14の直列回路
に交流電圧を供給する。なお、キャパシタンス要素29
はトランス22の浮遊容量で実現される。
【0019】発振部23は、パルス信号を発生する。こ
のパルス信号の駆動周波数は、制御部35によって制御
される。スイッチングトランジスタ24,25のベース
端子は、発振部23から交互にパルス信号を入力され、
スイッチングトランジスタ24,25は、入力されたパ
ルス信号に応じて駆動される。このパルス信号に応じ
て、スイッチングトランジスタ24がセンタータップで
2分割された1次側の巻線の1方に電流をターンオンす
るときには、スイッチングトランジスタ25は、発振部
23により2分割された1次側巻線の他方への電流をタ
ーンオフし、この動作が交互に繰り返される。
【0020】オン,オフ動作は、発振部23から出力さ
れたパルス信号に応じて繰り返され、その結果、交流電
圧がトランス22の1次側に供給されることになる。こ
の交流電圧はトランス22により昇圧される。トランス
22の2次側巻線は、コンデンサ28を介して電極棒1
3に接続され、電極棒14にも接続されているから、昇
圧された交流電圧がコンデンサ28を介して電極棒13
および14に供給される。
【0021】電流検出部30は、トランス22の2次側
端子のうち、接地されコンデンサ28が接続されていな
い側の端子と、電極棒14(コンデンサ28が接続され
ていない側の電極)との間に挿入され、電極棒13およ
び14を流れる電流を検出する。抵抗部33は、電流検
出部30が接地側に接続されているので、この電流検出
部30と電極棒14(低電位側の電極)との間に挿入さ
れている。
【0022】制御部35(放電電流制御手段)は、変調
電圧を発生させるためのシグナルジェネレータ36を有
している。シグナルジェネレータ36にて発生した変調
電圧は、発振部23及び抵抗部33に出力される。シグ
ナルジェネレータ36は、電流検出部30にて検出され
た放電電流に基づいてインピーダンスの調整により放電
電流(高周波電流)を制御する過程で、電流調整VRと
して発振部に対して変調電圧を加える。これにより、制
御部35(シグナルジェネレータ36)は、放電電流の
値が所望の設定値、すなわち、放電開始電流以上の値の
放電電流と放電開始電流未満のゼロでない値の放電電流
との2段階の放電電流(変調された放電電流)が生じる
ように、発振部23から出力されるパルス幅変調(PW
M)型の駆動パルスの周波数またはパルス幅、及び抵抗
部33の抵抗値を制御する。
【0023】次に、図3に基づいて、上述した光ファイ
バ融着接続装置1を用いた光ファイバ融着接続方法につ
いて説明する。図3は、本実施形態に係る光ファイバ融
着接続方法を説明するフローチャートである。
【0024】初めに、光ファイバAおよびBそれぞれの
被覆を一部除去し(ステップS11)、その被覆除去部
で切断する(ステップS12)。そして、光ファイバA
を把持部11で把持し、光ファイバBを把持部12で把
持する(ステップS13)。このとき、光ファイバAお
よびBそれぞれは、被覆除去された各々の端面が対向す
るよう配置され、各々の光軸が一致するよう位置調整さ
れる。
【0025】続いて光ファイバAおよびBを融着接続す
る(ステップS14:融着接続工程)。このとき、光フ
ァイバAおよびBそれぞれの端面近傍は、1対の電極棒
13および14による放電加熱により溶融され、光ファ
イバAおよびBそれぞれの端面は、把持部11,12に
より互いに押し込まれて融着される。このようにして、
光ファイバA,Bは融着接続される。
【0026】続いて融着接続部を放電加熱する(ステッ
プS15:放電加熱工程)。このとき、放電電流に、そ
の最大値が放電開始電流以上の値であり、その最小値が
放電開始電流未満のゼロでない値となるような変調を加
える。また、放電加熱工程(ステップS15)において
は、ガス供給口10aより筐体10内にアルゴンガスが
供給されて、筐体10内はアルゴンガス雰囲気とされ
る。そして、1対の電極棒13,14は、電極棒移動ス
テージ15,16により少なくともファイバ長手方向
(z軸に平行な方向)に移動しながら、融着接続部を放
電加熱する。また、1対の電極棒13,14は、電極棒
移動ステージ15,16によりx軸またはy軸に平行な
方向にも移動してもよい。このときの1対の電極棒1
3,14の移動パターン(すなわち各位置での加熱時
間)、および、1対の電極棒13および14に供給され
る電流(すなわち加熱量)それぞれは、予め求められた
光ファイバAおよびBそれぞれの添加元素の拡散係数に
基づいて決定することができる。
【0027】なお、上述した放電加熱工程における変調
を矩形波による変調にて行い、矩形波の周波数を10H
z〜20MHzの範囲に設定することが好ましい。この
ように構成した場合、最大値が放電開始電流以上の値で
あり、最小値が放電開始電流未満のゼロでない値となる
適切な放電電流を容易に得ることができる。ここで、周
波数とは、放電開始電流以上の値の放電電流と放電開始
電流未満のゼロでない値の放電電流との1サイクルでの
時間の逆数として規定される。
【0028】また、上述した放電加熱工程における変調
を矩形波による変調にて行い、矩形波のデューティ比を
1%〜90%の範囲に設定することが好ましい。矩形波
のデューティ比を1%より小さく設定すると放電電流が
小さいままになり、不安定な放電となり放電しない場合
もある。矩形波のデューティ比を90%より大きく設定
すると放電温度が高くなりすぎる。これらのことから、
矩形波のデューティ比を1%〜90%の範囲に設定する
ことにより、放電をより一層安定して生じさせるととも
に、適切な放電温度を確実に得ることができる。ここ
で、デューティ比とは、放電電流を変調させるときの時
間比であって、放電開始電流以上の値の放電電流での時
間をHとし、放電開始電流未満のゼロでない値の放電電
流での時間をLとすると、H/(L+H)*100
(%)で表される。
【0029】なお、光ファイバ融着接続装置1におい
て、1対の電極棒13および14を融着接続工程と放電
加熱工程とも兼用してもよく、融着接続工程と放電加熱
工程とで異なる電極棒を用いるようにしてもよい。ま
た、分子量が空気の平均分子量よりも大きいガスであ
り、光ファイバガラスに悪影響を及ぼすものでなけれ
ば、アルゴンガス以外のガス、たとえばCO2(分子量
44.01)又はO2(分子量32.0)等を用いるよ
うにしてもよい。
【0030】以上のように、本実施形態では、放電加熱
工程(ステップS15)において、放電電流に、その最
大値が放電開始電流以上の値であり、その最小値が放電
開始電流未満のゼロでない値となるような変調を加える
ので、放電温度が低下することになる。これにより、融
着接続部が必要以上に加熱されることはなく、融着接続
部におけるモードフィールド径が整合することになり、
接続損失を大幅に低減させることができる。また、融着
接続部付近での熱歪みを除去することができ、融着接続
部における強度の低下を防ぐことができる。
【0031】また、放電電流の最小値が放電開始電流未
満のゼロでない値となるので、放電電流が安定すること
になり、放電温度を適切に調節することができる。この
結果、接続損失低減効果が低下するのを抑制することが
できる。また、放電パワーを補正する機構を設ける必要
がなく、簡易な構成にて放電電流の安定化を図ることが
できる。
【0032】また、放電加熱工程(ステップS15)に
おいて、1対の電極棒13,14を少なくともファイバ
長手方向(z軸に平行な方向)に移動させながら融着接
続部を放電加熱することで、モードフィールド径の整合
のみならず、ファイバ長手方向におけるモードフィール
ド径分布を平坦化することができる。また、放電加熱工
程(ステップS15)では、1対の電極棒13,14に
よる放電加熱をアルゴンガス雰囲気中で行っており、放
電による温度が低減し、融着接続部の近傍でのファイバ
長手方向における光ファイバの温度分布を平坦化するこ
とができる。これらの結果、ファイバ長手方向における
モードフィールド径分布をより一層平坦化することが可
能となり、接続損失を極めて低くすることができる。
【0033】本実施形態においては、制御部35(シグ
ナルジェネレータ36)により、放電加熱工程におい
て、放電電流に、その最大値が放電開始電流以上の値で
あり、その最小値が放電開始電流未満のゼロでない値と
なるような変調が加えられるので、放電温度が低下する
ことになる。これにより、融着接続部が必要以上に加熱
されることはなく、融着接続部におけるモードフィール
ド径が整合することになり、接続損失を大幅に低減させ
ることができる。また、融着接続部付近での熱歪みの発
生が抑制され、融着接続部における強度の低下を防ぐこ
とができる。
【0034】なお、これまでの説明では放電加熱工程を
融着接続工程の後に設けたが、放電加熱工程を融着接続
工程の前に設けてもよい。
【0035】本発明の光ファイバ融着接続方法及び光フ
ァイバ融着接続部の放電加熱装置において、放電電流
に、その最大値が放電開始電流以上の値であり、その最
小値が放電開始電流未満のゼロでない値となるような変
調を加えることによって得られる接続損失低減効果を確
認する各種実験を行った。これらの実験は、上述した構
成の光ファイバ融着接続装置1を用い(ただし、雰囲気
ガスを空気とし、1対の電極棒13,14のファイバ長
手方向(z軸に平行な方向)での位置を固定とした)、
1対の電極棒13,14を3mmに設定した。また、光
ファイバAとして、通常のものよりモードフィールド径
が拡大された(12μm)純シリカコア光ファイバを用
い、光ファイバBとして、モードフィールド径が5μm
以下の波長分散補償光ファイバ(Dispersion Compensat
ion optical-Fiber)を用いた。
【0036】放電電流の制御は抵抗デバイスを用いて行
い、放電電流を13〜35mAの範囲に調節して実験を
行った。放電電流は、低圧側の電極棒に電流プローブ
(ソニーテクトロニクス社製P6021型)を用いて測
定した。予備実験として放電電流の安定性について評価
した。この予備実験では、絶縁体表面を流れる漏れ電流
は完全に抑えることは不可能であるが、漏れ電流を低く
抑えることができ、放電電流の値は最小電流で13.0
±0.024mA、最大電流で33.3±0.041m
Aと安定していることが確認できた。
【0037】損失(接続損失)は、モードフィールド径
が大きい端部から波長1.5μmの光を入射して、他端
に接続したパワーメータにより測定した。
【0038】なお、添加元素の拡散が生じているか否か
は、それぞれの光ファイバAおよびBを放電加熱した後
で切断し、その切断端面でのモードフィールド径を測定
することで、確認することができる。そこで、非測定部
を含む光ファイバにコネクタを取り付け、端部を0.1
mmずつ研磨してモードフィールド径の測定を繰り返す
ことで、モードフィールド径の変化を調べることができ
る。また、それぞれの光ファイバAおよびBの切断端面
をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線
マイクロアナライザ)等の分析装置を用いて、放電加熱
前後の元素分布を直接確認することで、添加元素の拡散
が生じているか否かを確認することができる。
【0039】次に、本発明による実施例1と、本発明に
よる実施例との対比のために行った比較例1における実
験結果について説明する。
【0040】(実施例1) 光ファイバAおよびBを融着接続して、空気中にて加熱
放電を行った。放電電流は13mAと6mAとで交互に
変化させて、放電加熱した。
【0041】融着接続後の接続損失を測定したところ、
1.35±0.02dBであった。これに対し、放電加
熱後の接続損失を測定したところ、0.2dBであっ
た。引張破断強度をn=20にて測定したところ、平均
で4.3kgであった。
【0042】(比較例1) 光ファイバAおよびBを融着接続して、空気中にて加熱
放電を行った。放電電流は13〜33mAの範囲で振っ
て設定し、放電加熱した。
【0043】融着接続後の接続損失を測定したところ、
1.35±0.02dBであった。これに対し、放電加
熱後の接続損失を測定したところ、放電電流が20mA
で2.2dBであった。また、放電電流が小さい程、接
続損失は低減する傾向にあり、アーク柱の幅は小さくな
る傾向にある。なお、13mA未満では、放電が安定し
なかった。引張破断強度をn=20にて測定したとこ
ろ、平均で0.8kgであった。
【0044】以上のように、実施例1においては、放電
加熱後の接続損失が0.2dBとなり、比較例1におけ
る放電加熱後の接続損失の2.2dBと比べて、接続損
失を大幅に低減できることが確認された。また、実施例
1において、加熱放電前の接続損失1.35dBに比し
て85%程度も損失を低減できることが確認された。そ
して、実施例1においては、放電加熱後の引張破断強度
が平均4.3kgとなり、比較例1における放電加熱後
の引張破断強度の平均0.8kgと比べて、融着接続部
の強度が高くなることが確認された。
【0045】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではない。たとえば、本実施形態においては、1対
の電極棒13,14を少なくともファイバ長手方向(z
軸に平行な方向)に移動させながら融着接続部を放電加
熱しているが、移動させることなく固定の位置にて放電
加熱するようにしてもよい。また、本実施形態において
は、分子量が空気の平均分子量よりも大きいガス(たと
えば、アルゴンガス)の雰囲気内で放電加熱している
が、空気中にて放電加熱するようにしてもよい。
【0046】また、本実施形態においては、光ファイバ
融着接続装置1が、本発明の実施形態に係る光ファイバ
融着接続部の放電加熱装置を含んでいるが、これに限ら
れることなく、光ファイバ融着接続装置とは別体に光フ
ァイバ融着接続部の放電加熱装置を設けるようにしても
よい。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、簡易な構成にて、低電流で放電させても安定し
て放電を行うことができ、必要以上に融着接続部を加熱
することがなく接続損失低減効果を著しく高めることが
可能な光ファイバ放電加熱方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ融着接続装置の説明図である。
【図2】放電電流制御回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本実施形態に係る光ファイバ融着接続方法の一
例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…光ファイバ融着接続装置、10…筐体、10a…ガ
ス供給口、10b…ガス排気口、11,12…把持部、
13,14…電極棒、15,16…電極棒移動ステー
ジ、20…直流電源、21…スイッチング部、22…ト
ランス、23…発振部、30…電流検出部、33…抵抗
部、35…制御部、36…シグナルジェネレータ、A,
B…光ファイバ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光ファイバおよび第2の光ファイ
    バそれぞれの端面が互いに融着接続された融着接続部
    を、当該融着接続部を挟んで対向して設けられた1対の
    電極棒により前記融着接続部を放電加熱する放電加熱方
    法であって、最大値が放電開始電流以上の値であり、最小値が放電開
    始電流未満のゼロでない値であると共に、 周波数が10
    Hz〜20MHzの範囲内に設定された矩形波により放
    電電流を変調することを特徴とする光ファイバ放電加熱
    方法。
  2. 【請求項2】 前記矩形波のデューティ比を1%〜90
    %の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバ放電加熱方法。
  3. 【請求項3】 前記1対の電極棒を少なくともファイバ
    長手方向に移動させながら、前記1対の電極棒により前
    記融着接続部を放電加熱することを特徴とする請求項1
    に記載の光ファイバ放電加熱方法。
  4. 【請求項4】 前記1対の電極棒による前記融着接続部
    の放電加熱を分子量が空気の平均分子量よりも大きいガ
    ス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1に記載の光
    ファイバ放電加熱方法。
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