JP3519587B2 - 内空断面測定装置 - Google Patents

内空断面測定装置

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JP3519587B2 JP30048397A JP30048397A JP3519587B2 JP 3519587 B2 JP3519587 B2 JP 3519587B2 JP 30048397 A JP30048397 A JP 30048397A JP 30048397 A JP30048397 A JP 30048397A JP 3519587 B2 JP3519587 B2 JP 3519587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道および道路のト
ンネルの内空断面測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に従来のトンネルの内空断面測定法
(測量法)を示す。図7に示すように、中央通路上の任
意の位置に測点を挟んで2台のデジタルトランジット2
1、22を7〜8m離れて水平に設置する。
【0003】デジタルトランジット21、22の前面に
貼付した視準標23をお互いに視準させ視準線を一致さ
せる。基準尺24の両端に貼付した視準標23を望遠鏡
を正反の位置でそれぞれ視準の後、更にお互いを視準す
る。
【0004】これにより任意に設置した2台のデジタル
トランジットの位置座標が決定される。測点25を視準
する事によって測点25の座標が定まり、すべての測点
25の視準が終了すると、パソコン等26で座標計算を
行い各測点の間隔を算出する。
【0005】この作業を各断面で定期的に計測し、トン
ネルの内空断面の変化を調べる。また、インバール尺な
どによる直接トンネルの横断面変化を調べる方法もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術に
は、次のような問題がある。 (1)従来の方法は、列車の間合いを利用したり、車両
通行止めにするなどが必要であり、効率的とは言えな
い。 (2)従来の方法は、時間と、コストがかなり必要とな
る。本発明は、これらの問題を解決することができる装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(第1の手段) 本発明に係る内空断面測定装置は、 (A)光ファイバ歪センサ1と、トンネル内に敷設した
1本の光ファイバ2と、岩盤固定用ロッド3を具備し、 (B)前記光ファイバ2は、前記光ファイバ歪センサ
に接続する部分と、トンネル壁の周方向に貼付ける部分
と、前記岩盤固定用ロッド3の内部に挿入される部分か
らなり、 (C)前記岩盤固定用ロッド3は、トンネル壁の鉛直方
向に設置され、前記岩盤固定用ロッド3の1端6はトン
ネル壁面4に固定されるとともに、他端7は岩盤8に固
定され、 (D)前記岩盤固定用ロッド3の内部には、平板または
丸棒9を前記岩盤固定用ロッド3の変形に追従するよう
に取り付け、 (E)前記岩盤固定用ロッド3の内部に挿入される光フ
ァイバの部分は、前記岩盤固定用ロッド3の片端6から
挿入して前記平板または丸棒9に固定するとともに、他
端7から折り返して片端6から出し、前記トンネル壁の
周方向に貼付ける光ファイバ部分に接続し、 (F)トンネル壁の周方向、鉛直方向の変形量を1本の
光ファイバで計測し、トンネルの変形量を常にモニタリ
ングできることを特徴とする。 (第2の手段) 本発明に係る内空断面測定装置は、第1の手段におい
て、 (A)各断面毎に、トンネル壁の各断面の周方向、鉛直
方向の変形量を計測するトンネル壁に固定した光ファイ
バ2を敷設し、 (B)前記各光ファイバが連続的に1本の光ファイバ
なるように連結するとともに、 (C)トンネルの長手方向にも別の光ファイバ11を敷
設し、 (D)前記トンネルの長手方向に敷設した光ファイバ1
1には、温度計測用光ファイバセンサ10を結線すると
ともに、これらの光ファイバ歪センサ1及び温度計測用
光ファイバセンサ10のデータを整理するコンピュータ
12を接続し、 (E)前記トンネル壁に固定した光ファイバ2と、前記
トンネルの長手方向に敷設した光ファイバ11とを用い
ることにより、トンネル壁の各断面の異常変形と、温度
の異常(火災)を定期的に点検、察知でき、トンネルの
危険監視ができることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態) 本発明の第1の実施の形態を図1〜図2に示す。図1
は、第1の実施の形態に係る装置のトンネル内空断面測
定のための光ファイバの敷設図、図2は、岩盤固定用ロ
ッド3の概念図、図3は、光ファイバに沿った歪の分布
を示す図、図4は、光ファイバの長手方向に沿って歪を
測定するための、トンネル壁、岩盤固定用ロッドの内部
における光ファイバの敷設の方法を示す図、図5は、平
板または丸棒9及び光ファイバの固定の方法を示す図で
ある。
【0009】図1において、1は光ファイバ歪センサ
2はトンネル壁に敷設した光ファイバ、3は岩盤固定用
ロッド、4はトンネル壁面、5は座標計測点である。
【0010】光ファイバ歪センサの原理は、パルス光を
被測定光ファイバの片端から入射し、光ファイバ内で生
じるブリルアン散乱光をコーヒレント検波方法により高
感度に検出し、ブリルアン散乱光の周波数シフト分布か
ら、光ファイバの歪分布を検知するというものである。
【0011】光ファイバ歪センサ1は、1本の光ファイ
バで多点計測が行えるものを使用する。多点計測とは、
光ファイバに沿って歪の分布が計測出来るという意味で
ある。
【0012】図3において、x軸は光ファイバに沿った
方向、y軸は歪の大きさを示す。光ファイバ歪センサ
(歪ゲージ)1本で1つの測定点の歪を計測することが
出来る。
【0013】また、岩盤固定用ロッド3は、ロッドの長
さやロッド間(トンネル壁面4に沿った)の距離が歪セ
ンサの必要長さ(ゲージ長さ)を満たすものとする。本
発明装置は光ファイバの長手方向に沿って歪を測定する
ので、光ファイバはトンネル壁、岩盤固定用ロッドの内
部を図4のように敷設する。そのため、光ファイバ歪セ
ンサ1つでトンネル壁、岩盤固定用ロッドの歪を同時に
測定することが出来る。
【0014】座標計測点の位置ずれは、トンネルの円周
方向の歪みと、その垂直方向の歪みから算出することが
出来る。そして、岩盤固定用ロッド3は、図2に示すよ
うに円筒形状をしており、岩盤固定用ロッドの両端6、
7はそれぞれトンネル壁面4と岩盤8に固定されるもの
とする。
【0015】岩盤固定用ロッド3の内部には、平板また
は丸棒9を、岩盤固定用ロッド3の変形に追従するよう
に取り付ける。平板または丸棒9及び光ファイバの固定
は、 (1)接着によるか (2)図5に示すような方法がある。
【0016】トンネル壁の周方向に貼り付けている光フ
ァイバの部分と、岩盤固定用ロッド3の内部に挿入され
る部分との接続は、次のようにして行う。トンネル壁の
周方向に貼り付けている光ファイバの1端を、岩盤固定
用ロッドの壁面固定端6から挿入し、岩盤固定用ロッド
内の平板または丸棒9に固定し、岩盤固定用ロッドの岩
盤固定端7から折り返して壁面固定端6から出し、また
トンネル壁の周方向に貼り付ける。
【0017】このようにして、図1の座標計測点5A、
5B、5C、5D、5Eにおいて、岩盤固定用ロッド3
A、3B、3C、3D、3E内部に挿入されている光フ
ァイバ部分と、トンネル壁の周方向に貼り付けている光
ファイバ部分を接続する。
【0018】したがって、次のように作用する。敷設し
光ファイバが伸びて歪を受けると、その位置と歪量が
計測できる。そのため、図1に示すように岩盤固定用ロ
ッドを具備する光ファイバを敷設すると、トンネル壁4
の周方向の歪(周方向変形量)と岩盤固定用ロッド3の
歪(鉛直方向変形量)を測定することが出来る。
【0019】これらの歪(変形量)のデータから、座標
計測点5の座標をパソコン等で計算することにより、リ
アルタイム、かつ短時間にトンネル断面の変形量を知る
ことができる。 (第2の実施の形態) 本発明の第2の実施の形態を図6に示す。
【0020】図6は第2の実施の形態に係る装置のトン
ネル危険予知システムの例を示す図である。第1の実施
の形態に係る装置の敷設例に加え、図6に示すように連
続的に1本の光ファイバで、他断面も同様に連結して敷
設する。
【0021】更に、トンネルの長手方向にも光ファイバ
11を敷設する。トンネルの長手方向に敷設した光ファ
イバ11には、温度計測用光ファイバセンサ10を結線
する。
【0022】そして、これらの光ファイバ歪センサ1及
温度計測用光ファイバセンサ10のデータを整理する
コンピュータ12を接続する。したがって、次のように
作用する。
【0023】図6の光ファイバ11と、第1の実施の形
態に係る装置を用いることにより、変位の異常と、温度
の異常(火災)を数分〜数時間レベルの定期点検にて察
知することが出来る。
【0024】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)請求項1の発明の効果 請求項1の発明の利点は、光ファイバのセンサ部は常に
トンネルに設置されていることであり、列車および車両
が通過中にも計測できることである。
【0025】そして、1度設置してしまえば、操作はト
ンネルから離れたところでできるため、リアルタイム、
かつ短時間にトンネル断面の変形量を知ることができ
る。従って、計測コストも少なくてすむ。 (2)請求項2の発明の効果 地震後などトンネル内で異常を確認するのは危険である
が、請求項2の発明により、常に異常を監視でき、も
し、変位・温度に異常があれば警報を発し、トンネルの
通行を止めることで、災害を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る装置のトンネ
ル内空断面測定のための光ファイバセンサ敷設図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る装置の岩盤固
定用ロッド3の概念図。
【図3】光ファイバに沿った歪の分布を示す図。
【図4】光ファイバの長手方向に沿って歪を測定するた
めの、トンネル壁、岩盤固定用ロッドの内部における光
ファイバの敷設の方法を示す図。
【図5】平板または丸棒9及び光ファイバの固定の方法
を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る装置のトンネ
ル危険予知システムを示す図。
【図7】従来のトンネルの内空断面測定法(測量法)を
示す図。
【符号の説明】
1 …光ファイバ歪センサ 2 …光ファイバ(トンネル壁に固定した光ファイバ) 3 …岩盤固定用ロッド 3A、3B、3C、3D、3E…岩盤固定用ロッド 4 …トンネル壁面 5 …座標計測点 5A、5B、5C、5D、5E…座標計測点 6 …岩盤固定用ロッドの端 7 …岩盤固定用ロッドの端 8 …岩盤 9 …平板または丸棒 10…温度計測用光ファイバセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山浦 剛俊 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 塚野 正純 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (56)参考文献 特開 平7−92333(JP,A) 特開 平2−242119(JP,A) 特開 平8−14905(JP,A) 特公 平5−15210(JP,B2) 登録実用新案3018542(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G01C 7/06 G01C 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)光ファイバ歪センサと、トンネル内
    に敷設した1本の光ファイバと、岩盤固定用ロッドを具
    備し、 (B)前記光ファイバは前記光ファイバ歪センサに接続
    する部分と、トンネル壁の周方向に貼付ける部分と、
    岩盤固定用ロッドの内部に挿入される部分からなり、 (C)前記岩盤固定用ロッドは、トンネル壁の鉛直方向
    に設置され、前記岩盤固定用ロッドの1端はトンネル壁
    面に固定されるとともに、他端は岩盤に固定され、 (D)前記岩盤固定用ロッドの内部には、平板または丸
    棒を前記岩盤固定用ロッドの変形に追従するように取り
    付け、 (E)前記岩盤固定用ロッドの内部に挿入される光ファ
    イバの部分は、前記岩盤固定用ロッドの壁面固定端から
    挿入して前記平板または丸棒に固定するとともに、岩盤
    固定端から折り返して壁面固定端から出し、前記トンネ
    ル壁の周方向に貼付ける光ファイバの部分に接続し、 (F)トンネル壁の周方向、鉛直方向の変形量を1本の
    光ファイバで計測し、トンネルの変形量を常にモニタリ
    ングできることを特徴とする内空断面測定装置。
  2. 【請求項2】(A)各断面毎に、トンネル壁の各断面の
    周方向、鉛直方向の変形量を計測するトンネル壁に固定
    した光ファイバを敷設し、 (B)前記各光ファイバが連続的に1本の光ファイバ
    なるように連結するとともに、 (C)トンネルの長手方向にも別の光ファイバを敷設
    し、 (D)前記トンネルの長手方向に敷設した光ファイバ
    は、温度計測用光ファイバセンサを結線するとともに、
    これらの光ファイバ歪センサ及び温度計測用光ファイバ
    センサのデータを整理するコンピュータを接続し、 (E)前記トンネル壁に固定した光ファイバと、前記
    ンネルの長手方向に敷設した光ファイバとを用いること
    により、トンネル壁の各断面の異常変形と、温度の異常
    を定期的に点検、察知でき、トンネルの危険監視ができ
    ることを特徴とする請求項1に記載の内空断面測定装
    置。
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