JP3519147B2 - 情報記録媒体および情報記録媒体に対するデータ伝送方法 - Google Patents

情報記録媒体および情報記録媒体に対するデータ伝送方法

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JP3519147B2
JP3519147B2 JP29789794A JP29789794A JP3519147B2 JP 3519147 B2 JP3519147 B2 JP 3519147B2 JP 29789794 A JP29789794 A JP 29789794A JP 29789794 A JP29789794 A JP 29789794A JP 3519147 B2 JP3519147 B2 JP 3519147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体に対するデ
ータ伝送方法に関し、特に、外部から電源やクロック信
号を供給する非接触型のICカードに対するFSK変調
方式を用いたデータ伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気カードに代わる新しい情報記録媒体
として、ICカードが急速に普及しつつある。現在、一
般に普及しているICカードでは、小形化を図るため
に、電源やクロックを外部から供給するタイプのものが
主流になっている。すなわち、ICカードをアクセスす
るときには、リーダライタ装置内にICカードを挿入
し、このリーダライタ装置側からICカード側へ電源お
よびクロックを供給した状態で、両者間におけるデータ
伝送が行われることになる。この電源やクロックの供給
およびデータ伝送は、リーダライタ装置側の電極とIC
カード側の電極とを物理的に接触させて行うことも可能
であるが、ICカードの表面には汚れが付着しやすいた
め、表面に露出電極を設けることは好ましくない。そこ
で、リーダライタ装置に対して物理的に非接触の状態を
保ちながら、電源やクロックの供給を受けるとともにデ
ータ伝送を行うことができる非接触型ICカードが脚光
を浴びている。
【0003】この非接触型ICカードに対する電源、ク
ロック、伝送データの供給は、リーダライタ装置からI
Cカードに向けて電磁波を送信することによって行われ
る。ICカードは、このリーダライタ装置から送信され
た電磁波を内蔵のコイルで受信し、受信した電磁波のエ
ネルギーを利用して電源電力を発生させ、受信した電磁
波の所定周波数成分を利用してクロック信号を発生さ
せ、受信した電磁波を復調することにより伝送データの
取り込みを行う。デジタル伝送データの変調方式として
は、ビット状態に応じて2種類の周波数を切り替えるF
SK(FrequencyShift Keying)変調方式が一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た非接触型ICカードなどの外部からの電磁波に基づい
て内部クロックを発生させる情報記録媒体では、FSK
変調方式によりデータ伝送を行うと、データ伝送の信頼
性が低下するという問題がある。通常、デジタルデータ
を受信する場合、復調した受信信号を一定の周期でサン
プリングして各ビット値を決定することになる。ところ
が、FSK変調方式によるデータ伝送を行うと、外部か
ら与えられる電磁波の周波数が、伝送すべきビット値に
応じて切り替わるため、この電磁波に基づいて発生させ
たクロックの周波数も切り替わることになる。別言すれ
ば、発生させたクロックの周波数は一定ではなく変動す
ることになる。このように、周波数が変動するクロック
を用いてサンプリングを行うため、サンプリング周期が
一定ではなくなり、サンプリング値が不安定になるので
ある。もちろん、FSK変調によって切り替える2種類
の周波数の差を小さく設定すれば、サンプリング周期の
変動幅を小さく抑えることが可能になる。しかし、2種
類の周波数の差を小さく設定すると、変調度が低下し
て、2つのビット状態を正しく識別することが困難にな
ってしまうため、この周波数差はある程度以上は確保し
ておく必要がある。
【0005】そこで本発明は、外部から与えられたFS
K変調信号により、データおよびクロック信号の供給を
受けることができるように構成された情報記録媒体にお
いて、信頼性の高いデータ伝送を実現することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、第1のビット状態を示す
第1の周波数f1と、第2のビット状態を示す第2の周
波数f2(f2>f1)と、を時間的に切り替えること
により、伝達されるべきデータを表現したFSK変調信
号を用い、このFSK変調信号により、データおよびク
ロック信号の供給を受けることができるように構成され
た情報記録媒体において、外部装置から与えられるFS
K変調信号を受信する受信手段と、FSK変調信号を復
調して、二値状態を示す受信信号を生成するFSK復調
手段と、FSK変調信号に基づいてクロック信号を生成
するクロック生成手段と、クロック生成手段において生
成されたクロック信号のサイクル数に基づく所定のサン
プリング間隔で、受信信号をサンプリングし、伝達され
るべきデータを1ビットずつ取り込むデータ取込手段
と、を設け、データ取込手段が、直前に取り込んだビッ
トが第1のビット状態である場合には第1のサイクル数
n1のサンプリング間隔で次のビットの取り込みを行
い、直前に取り込んだビットが第2のビット状態である
場合には第2のサイクル数n2(n2>n1)のサンプ
リング間隔で次のビットの取り込みを行うようにしたも
のである。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、第1のビッ
ト状態を示す第1の周波数f1と、第2のビット状態を
示す第2の周波数f2(f2>f1)と、を時間的に切
り替えることにより、伝達すべきデータを表現したFS
K変調信号を用い、このFSK変調信号により、情報記
録媒体に対してクロック信号の供給とデータ伝送とを行
うデータ伝送方法において、外部装置から情報記録媒体
に対して、FSK変調信号を送信し、情報記録媒体内で
は、受信したFSK変調信号を復調して二値状態を示す
受信信号を生成するとともに、FSK変調信号に基づい
てクロック信号を生成し、このクロック信号のサイクル
数に基づく所定のサンプリング間隔で、受信信号をサン
プリングし、伝達されるべきデータを1ビットずつ取り
込むようにし、この取り込みの際に、直前に取り込んだ
ビットが第1のビット状態である場合には第1のサイク
ル数n1のサンプリング間隔で次のビットの取り込みを
行い、直前に取り込んだビットが第2のビット状態であ
る場合には第2のサイクル数n2(n2>n1)のサン
プリング間隔で次のビットの取り込みを行うようにした
ものである。
【0008】
【作 用】本発明に係るデータ伝送では、情報記録媒体
側での受信信号に対するサンプリング間隔は、従来と同
様に、内部で発生させたクロックのサイクル数に基づい
て決定される。しかし、このサイクル数は、直前に取り
込んだビットの状態によって2とおりに切り替えられ
る。すなわち、直前に取り込んだビットが、低周波f1
によって表現されるビットであった場合には、サイクル
数n1で次のビットのサンプリングが行われるのに対
し、直前に取り込んだビットが、高周波f2によって表
現されるビットであった場合には、サイクル数n2(n
2>n1)で次のビットのサンプリングが行われる。結
局、低周波f1でビットデータが伝送されたときには、
発生するクロック周波数も低くなるが、サンプリング間
隔はn2よりも少ないサイクル数n1になる。逆に、高
周波f2でビットデータが伝送されたときには、発生す
るクロック周波数も高くなるが、サンプリング間隔はn
1よりも多いサイクル数n2になる。こうして、どちら
のビットデータが伝送された場合でも、サンプリングの
時間間隔はほぼ一定に保たれ、安定したデータ受信が可
能になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。図1は、FSK変調方式を採る一般的なICカ
ードをリーダライタ装置に結合した状態を示すブロック
図である。ICカード10をリーダライタ装置20内に
挿入すると、両者は、コイル11とコイル21とによっ
て磁気的に結合される。ICカード10は、入力バッフ
ァ12、FSK復調回路13、クロック生成回路14、
CPU15、メモリ16を備えている(実際のICカー
ドには、他の構成要素も含まれるが、ここでは本発明の
実施に関連した構成要素のみをブロックで示してあ
る)。
【0010】ICカード10の各構成要素は、すべてカ
ード状の薄い筐体内に収容されており、小形化が図られ
ている。このため、電源やクロック源はICカード10
には内蔵されておらず、リーダライタ装置20側から供
給を受けるようになっている。すなわち、リーダライタ
装置20からICカード10に対して、コイル11とコ
イル21との磁気的結合により変調波Mが送信され、I
Cカード10は、この変調波Mに基づいて電力およびク
ロック信号を得るとともに、送信データを得ることにな
る。
【0011】続いて、この図1に示すICカード10の
データ受信動作を、図2に示す波形図を参照しながら説
明する。いま、図2に示すような送信信号Tをリーダラ
イタ装置20側からICカード10側へと送信する場合
を考える。この送信信号Tは、2ビットのデータからな
り、1ビット目はデータ“H”、2ビット目はデータ
“L”である。FSK変調方式は、送信すべきビット値
に応じて周波数変調を行う方式であり、データ“H”を
送信する場合と、データ“L”を送信する場合とで、搬
送波周波数を変えることにより情報伝達が行われる。こ
の実施例では、データ“H”のときの搬送波周波数を1
53.6kHz、データ“L”のときの搬送波周波数を
163.2kHzに定めている。また、データ伝送速度
は、9600bpsとしている。このデータ伝送速度で
は、1ビットの伝送時間は、1/9600=約104.
167μsとなる。
【0012】この送信信号Tに基づいて、図2に示すよ
うな変調波Mが生成される。この変調波Mは、データ
“H”の送信時には153.6kHz、データ“L”の
送信時には163.2kHzの周波数をもつ。上述した
ように、1ビットの伝送時間は約104.167μsで
あるから、1ビットのデータ“H”の伝送期間内には1
6サイクル分の搬送波成分が含まれ、1ビットのデータ
“L”の伝送期間内には17サイクル分の搬送波成分が
含まれることになる。
【0013】こうしてリーダライタ装置20内に生成さ
れた変調波Mは、コイル21から送信され、ICカード
10側のコイル11によって受信される。受信された変
調波Mは、入力バッファ12を経てデジタル化され、図
2に示す変調信号Sとなる。この変調信号Sは、FSK
復調回路13に与えられるとともに、クロック生成回路
14にも与えられる。FSK復調回路13は、このFS
K変調されている変調信号Sを復調し、図2に示すよう
な受信信号Rを生成する(FSK復調回路13は一般に
知られた回路であるため、ここではこの回路の内部構成
については説明を省略する)。この受信信号Rは、送信
信号Tに対応したものである。
【0014】続いて、CPU15は、この受信信号Rを
所定周期でサンプリングして、データビットの取り込み
を行う。図2の例では、矢印で示す位置にサンプリング
ポイントを設定し、データDを得ている。図示する最初
のサンプリングポイントではデータ“H”が取り込ま
れ、次のサンプリングポイントではデータ“L”が取り
込まれることになる。CPU15は、こうして取り込ん
だデータDを、メモリ16に格納する。以上がこのIC
カード10によるデータ受信動作である。
【0015】図3は、CPU15によって行われるデー
タ取込処理の従来の一般的な手順を示す流れ図である。
まず、ステップS1において、入力ビットカウンタKを
セットする。このカウンタKは、連続して取り込むデー
タのビット数を設定するものである。たとえば、K=8
に設定すれば、8ビットのデータが連続して取り込まれ
ることになる。Kの値は、リーダライタ装置20側で生
成した送信信号Tに応じて設定することになる。続くス
テップS2では、スタートビットチェックが行われる。
たとえば、スタートビットを“L”と定めておけば、受
信信号Rが“H”から“L”へと変わったことによりス
タートビットの検出が可能になる。スタートビットが検
出されるまで、ステップS3を経てステップS2のチェ
ック動作が繰り返される。
【0016】スタートビットが検出されると、ステップ
S4において、nサイクル分の待機処理が行われる。こ
こで、nはサンプリング周期として予め設定された値で
あり、たとえば、図2に示す例ではn=16に設定され
ている。待機が完了すると、ステップS5において、デ
ータビットの取り込みが行われる。たとえば、図2の例
では、最初のサンプリングポイント位置において、デー
タビット“H”が取り込まれることになる。1ビット分
の取り込みが完了すると、再びステップS6において、
nサイクル分の待機処理が実行される。そして、ステッ
プS7において、入力ビットカウンタKが1だけ減らさ
れ、ステップS8を経て、再びステップS5からの処理
が繰り返される。図2の例では、今度は、2番目のサン
プリングポイント位置において、データビット“L”が
取り込まれることになる。こうして、ステップS8にお
いてK=0と判断されるまで、別言すれば、予め設定し
ておいた連続して取り込みべきビット数のデータ取り込
みが完了するまで、同様の取り込み処理が繰り返し実行
される。
【0017】ステップS8において、K=0と判断され
ると、最後のステップS9において、取り込んだデータ
をメモリ16にストアする処理が実行される。以上でK
ビット分のデータ取り込みが完了することになる。
【0018】以上、従来の一般的なデータ取り込み処理
を述べたが、このような方法では、正確にデータが取り
込まれないおそれがある。その理由は、次のとおりであ
る。図2に示すように、送信信号Tのビット周期は、1
04.167μsと固定である。したがって、サンプリ
ングポイントを同じ104.167μsの周期で設定し
てゆけば、常に安定した位置(各ビット周期の中央付近
の位置)で各ビットデータの取り込みが可能になる。図
2に示す例では、各サンプリングポイントは16サイク
ル周期で設定されているため、常に安定したデータ取り
込みが可能なように見える。しかし、それは「16サイ
クル周期」を計数する基準となるクロック周期が一定で
あるという前提での話である。図1に示すように、CP
U15に対して供給されるクロック信号CLKは、クロ
ック生成回路14で発生させたものである。そして、ク
ロック生成回路14は、自分自身ではクロック発生源を
有さず、外部から与えられる変調波Mに基づいてクロッ
ク信号を発生している。したがって、CPU15に供給
されるクロック信号CLKの周期は常に変動しているこ
とになる。このように、クロック周期が変動すると、サ
ンプリングポイントを「16サイクルごと」と設定して
も、実際には、サンプリング間隔は一定周期にはならな
い。このため、常に安定した位置でのデータ取り込みが
保証されず、不安定な位置(各ビット周期の両端付近の
位置)でデータ取り込みが行われる可能性がある。
【0019】本発明は、このような従来の問題点を解決
するための技術である。本発明に係るICカード10に
おいて、CPU15は、図3に示すデータ取込処理の代
わりに、図4に示すデータ取込処理を実行する。すなわ
ち、まず、ステップS1において、入力ビットカウンタ
Kをセットし、続くステップS2で、スタートビットチ
ェックを行う。スタートビットが検出されると、ステッ
プS3からステップS4へと進み、nサイクル分(たと
えば、n=16)の待機処理が行われる。待機が完了す
ると、ステップS5において、1ビット目のデータの取
り込みが行われる。ここまでは、図3に示す従来の手順
と全く同様である。
【0020】本発明の特徴は、2ビット目以降の取込み
を行うときの待機時間を2とおり用意し、直前に取り込
んだビットの値に応じて、いずれか一方の待機時間を選
択する点にある。すなわち、ステップS61において、
ステップS5で取り込んだデータが“H”か“L”かを
判断する。取り込んだデータが“H”の場合にはステッ
プS62において、n1サイクル分の待機処理が実行さ
れ、取り込んだデータが“L”の場合にはステップS6
3において、n2サイクル分の待機処理が実行される。
いずれの場合にも、待機処理が実行されることに違いは
ないが、待機する時間に差を設けてある。この実施例の
場合、具体的には、n1=16,n2=17に設定して
あり、直前に取り込んだデータが“H”の場合には16
サイクル分の待機処理が実行され、“L”の場合には1
7サイクル分の待機処理が実行されることになる。この
待機処理サイクルの設定は、図2に示す変調信号Sの1
ビット周期中のサイクル数に対応した設定になってい
る。要するに、その時点におけるクロック周期を考慮し
て、常に一定の待機時間が維持されるように、サイクル
数を切り替えるのである。
【0021】待機処理が完了すると、ステップS7にお
いて、入力ビットカウンタKが1だけ減らされ、ステッ
プS8を経て、再びステップS5からの処理が繰り返さ
れ、ステップS8において、K=0と判断されると、最
後のステップS9において、取り込んだデータをメモリ
16にストアする処理が実行される点は、従来の処理と
同様である。
【0022】結局、この実施例のデータ取込処理では、
1ビットデータ“H”を取り込んだ後は、16サイクル
分の待機処理を行った後に次の1ビットのデータ取り込
みを行い、1ビットデータ“L”を取り込んだ後は、1
7サイクル分の待機処理を行った後に次の1ビットのデ
ータ取り込みを行うことになる。したがって、サンプリ
ングポイントの間隔は、クロック信号の16サイクル分
の場合と、17サイクル分の場合とが混在することにな
り、伝送されるべきデータの内容にかかわらず、ほぼ一
定の時間間隔でサンプリングを行うことが可能になる。
【0023】図4に示す本発明のデータ取り込み処理の
メリットは、特に、同一のビット状態が多数連続するよ
うなデータを伝送する場合に顕著である。図5は、16
進データ“FF”をFSK変調方式で伝送した場合に、
図3に示す従来の方法でのサンプリング(データ取込
み)と、図4に示す本発明の方法でのサンプリングとを
比較したものである。この場合、伝送すべきデータは
“11111111”なる8ビットであり、各ビットの
状態はいずれも“H”となる。この例では、本来のデー
タの先頭に付加するスタートビットSTRを状態
“L”、本来のデータの後尾に付加するストップビット
STPを状態“H”としており、受信信号Rは、図5の
「受信信号R」の欄に示すようなものになる。データ伝
送速度は9600bpsと一定であるため、図に破線で
示したビット境界線で区切られた各区間の幅、すなわち
1ビットの伝送期間はすべて同一の104.167μs
である。ここで、CPU15に与えられるクロック信号
CLKの周波数が、受信信号Rのビット状態で変化する
ことを考えると、受信信号Rが“L”の区間には17サ
イクル、“H”の区間には16サイクルのクロック信号
がそれぞれ含まれることになる。図5に示した「クロッ
クサイクル数」は、スタートビットSTRの先頭位置か
らのクロックサイクルの累積値である。スタートビット
のSTRの区間(状態“L”)には、17サイクルのク
ロックが含まれるが、第1ビット〜ストップビットST
Pの区間(状態“H”)には、いずれも16サイクルの
クロックが含まれている(累積値は、17以後はすべて
16ずつ増加している)。
【0024】さて、図3に示す従来のデータ取込処理で
は、ステップS4およびS6における待機時間は、いず
れもnサイクル(この実施例ではn=16)に固定され
ており、サンプリング間隔は、いずれも16サイクルに
なる。そこで、スタートビットSTRに対するサンプリ
ングポイントを、9サイクル目に設定したとすると、1
ビット目〜ストップビットSTPに至るまで、16サイ
クルごとにサンプリングが行われることになる。図5に
おける「従来のサンプリングポイント」の欄の矢印位置
および数字は、各ビットごとのサンプリングポイントを
示している。
【0025】一方、同じ受信信号Rに対するデータ取込
みを、図4に示す本発明のデータ取込処理で行うと、各
ビットごとのサンプリングポイントは、図5における
「本発明のサンプリングポイント」の欄に示すようにな
る。やはり、スタートビットSTRに対するサンプリン
グポイントを、9サイクル目に設定しているが、1ビッ
ト目のサンプリングを行うまでには、ステップS4にお
いてnサイクル分(この実施例ではn=16)の待機が
行われるので、クロックサイクル数の累積値が「9+1
6=25」の位置が1ビット目についてのサンプリング
ポイントになる。続いて、2ビット目のサンプリングを
行うまでには、ステップS61において、1ビット目の
データが“H”と判断されてステップS62に進み、n
1サイクル分(この実施例ではn1=16)の待機が行
われるので、クロックサイクル数の累積値が「25+1
6=41」の位置が2ビット目についてのサンプリング
ポイントとなる。以下、同様である。
【0026】さて、図5における「従来のサンプリング
ポイント」と「本発明のサンプリングポイント」とを比
較してみると、両者は全く同じになり、いずれも安定し
た位置(各ビット区間の中央位置)でサンプリングが行
われている。このように、16進データ“FF”を伝送
する場合には、両者ともに信頼性の高いデータ伝送が可
能になる。
【0027】ところが、16進データ“00”を伝送す
る場合には、両者間に顕著な差が現れる。この16進デ
ータ“00”をFSK変調方式で伝送する場合のサンプ
リングポイントの比較を図6に示す。伝送すべきデータ
は“00000000”なる8ビットであり、各ビット
の状態はいずれも“L”となる。やはり、スタートビッ
トSTRを状態“L”、ストップビットSTPを状態
“H”とすれば、受信信号Rは、図6の「受信信号R」
の欄に示すようなものになる。一方、クロックサイクル
の累積値は、図6の「クロックサイクル数」の欄に示し
たようになる。スタートビットSTRから8ビット目ま
でのビット状態がいずれも“L”であるため、累積値は
すべて17ずつ増加している。
【0028】さて、図3に示す従来のデータ取込処理で
は、ステップS4およびS6における待機時間は、いず
れもnサイクル(この実施例ではn=16)に固定され
ており、サンプリング間隔は、いずれも16サイクルに
なる。そこで、スタートビットSTRに対するサンプリ
ングポイントを、9サイクル目に設定したとすると、1
ビット目〜ストップビットSTPに至るまで、16サイ
クルごとにサンプリングが行われることになる。図6に
おける「従来のサンプリングポイント」の欄の矢印位置
および数字は、各ビットごとのサンプリングポイントを
示している。これは、図5の「従来のサンプリングポイ
ント」の欄に示す数値と全く同じである。ところが、
「クロックサイクル数」の欄に示す累積値は、図5と図
6とで異なるため、図6のように、16進データ“0
0”を伝送する場合には、「従来のサンプリングポイン
ト」は、徐々に安定した位置からはずれ、不安定な位置
(この例では、各ビット区間の左端の位置)へと寄って
きている。
【0029】一方、同じ受信信号Rに対するデータ取込
みを、図4に示す本発明のデータ取込処理で行うと、各
ビットごとのサンプリングポイントは、図6における
「本発明のサンプリングポイント」の欄に示すようにな
る。やはり、スタートビットSTRに対するサンプリン
グポイントを、9サイクル目に設定しているが、1ビッ
ト目のサンプリングを行うまでには、ステップS4にお
いてnサイクル分(この実施例ではn=16)の待機が
行われるので、クロックサイクル数の累積値が「9+1
6=25」の位置が1ビット目についてのサンプリング
ポイントになる。続いて、2ビット目のサンプリングを
行うまでには、ステップS61において、1ビット目の
データが“L”と判断されてステップS63に進み、n
2サイクル分(この実施例ではn2=17)の待機が行
われるので、クロックサイクル数の累積値が「25+1
7=42」の位置が2ビット目についてのサンプリング
ポイントとなる。以下、2ビット目〜8ビット目まで、
すべてデータは“L”であるから、17サイクル周期で
サンプリングポイントが設定されることになる。
【0030】さて、図6における「従来のサンプリング
ポイント」と「本発明のサンプリングポイント」とを比
較してみると、両者の差は歴然である。「従来のサンプ
リングポイント」は徐々に不安定な位置(各ビット区間
の左端位置)にずれていっているのに対し、「本発明の
サンプリングポイント」は常に安定した位置(各ビット
区間の中央位置)に設定されている。
【0031】CPU15に図4に示すデータ取込処理を
実行させるには、メモリ16内にそのような処理プログ
ラムを格納しておけばよい。メモリ16は、実際には、
処理プログラムを格納するROM、ワークエリアとして
用いられるRAM、データ格納のためのEEPROMに
よって構成されており、ROMにこの処理プログラムを
格納しておけばよい。
【0032】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、
上述の実施例で示した実際の数値は、説明の便宜上、具
体的な値を示したものであり、これらの数値によって本
発明は何ら限定されるものではない。一般に、FSK変
調を行うにあたって、第1のビット状態を周波数f1、
第2のビット状態を周波数f2(f2>f1)に割り当
てて変調波を生成し、データ伝送速度をB(bps)と
し、CPU15に与えるクロック信号CLKの周波数を
変調波の周波数と同じにした場合、データ“H”を示す
ビット区間とデータ“L”を示すビット区間とでは、C
PU15への入力クロックサイクル数が(f2−f1)
/Bだけ差が生じることになる。そこで、第1のビット
状態を取り込んだ後の待機時間n1よりも、第2のビッ
ト状態を取り込んだ後の待機時間n2の方が、(f2−
f1)/Bサイクル分だけ長くなるような設定を行えば
よい。上述の実施例では、f1=153.6kHz、f
2=163.2kHZ、B=9600であるから、(1
53600−163200)/9600=1となるの
で、n1=16に設定した場合、n2=n1+1=17
としたものである。
【0033】このように2とおりの待機時間を設定して
切り替えるようにすれば、伝送データのビット状態にか
かわらず、サンプリング間隔をほぼ一定の時間に維持す
ることができる。したがって、周波数f1とf2との差
を大きくとって変調度を高く設定した場合でも、常に安
定した位置でのサンプリングが実現できるようになる。
【0034】なお、上述の実施例では、クロック生成回
路14が変調波Mと同一周波数のクロック信号CLKを
生成しているが、てい倍もしくは分周を行って、変調波
Mの整数倍もしくは整数分の1の周波数をもったクロッ
ク信号CLKを生成する場合にも、本発明は同様に適用
可能である。この場合は、てい倍率もしくは分周率を考
慮して、待機時間のサイクル数差を設定すればよい。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、FSK変
調方式により情報記録媒体にデータ伝送を行う際に、情
報記録媒体内における受信信号のサンプリング間隔を、
内部で発生させたクロックのサイクル数に基づいて決定
し、しかも、このサイクル数を、直前に取り込んだビッ
トの状態によって2とおりに切り替えるようにしたた
め、サンプリングポイントを常に安定した位置に設定す
ることが可能になり、信頼性の高いデータ伝送が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FSK変調方式を採る一般的なICカードをリ
ーダライタ装置に結合した状態を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示すICカード10のデータ受信動作を
説明する波形図である。
【図3】図1に示すICカード10のCPU15によっ
て行われるデータ取込処理の従来の一般的な手順を示す
流れ図である。
【図4】図1に示すICカード10のCPU15によっ
て行われるデータ取込処理の本発明に係る手順を示す流
れ図である。
【図5】16進データ“FF”をFSK変調方式で伝送
した場合のサンプリングポイントの位置を示すダイヤグ
ラムである。
【図6】16進データ“00”をFSK変調方式で伝送
した場合のサンプリングポイントの位置を示すダイヤグ
ラムである。
【符号の説明】
10…ICカード 11…コイル 12…入力バッファ 13…FSK復調回路 14…クロック生成回路 15…CPU 16…メモリ 20…リーダライタ装置 21…コイル CLK…クロック信号 D…データ M…変調波 R…受信信号 S…変調信号 T…送信信号

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のビット状態を示す第1の周波数f
    1と、第2のビット状態を示す第2の周波数f2(f2
    >f1)と、を時間的に切り替えることにより、伝達さ
    れるべきデータを表現したFSK変調信号を用い、この
    FSK変調信号により、データおよびクロック信号の供
    給を受けることができるように構成された情報記録媒体
    であって、 外部装置から与えられるFSK変調信号を受信する受信
    手段と、 前記FSK変調信号を復調して、二値状態を示す受信信
    号を生成するFSK復調手段と、 前記FSK変調信号に基づいてクロック信号を生成する
    クロック生成手段と、 前記クロック生成手段において生成されたクロック信号
    のサイクル数に基づく所定のサンプリング間隔で、前記
    受信信号をサンプリングし、伝達されるべきデータを1
    ビットずつ取り込むデータ取込手段と、 を備え、前記データ取込手段が、直前に取り込んだビッ
    トが前記第1のビット状態である場合には第1のサイク
    ル数n1のサンプリング間隔で次のビットの取り込みを
    行い、直前に取り込んだビットが前記第2のビット状態
    である場合には第2のサイクル数n2(n2>n1)の
    サンプリング間隔で次のビットの取り込みを行うことを
    特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 第1のビット状態を示す第1の周波数f
    1と、第2のビット状態を示す第2の周波数f2(f2
    >f1)と、を時間的に切り替えることにより、伝達す
    べきデータを表現したFSK変調信号を用い、このFS
    K変調信号により、情報記録媒体に対してクロック信号
    の供給とデータ伝送とを行うデータ伝送方法であって、 外部装置から情報記録媒体に対して、前記FSK変調信
    号を送信し、 前記情報記録媒体内では、受信したFSK変調信号を復
    調して二値状態を示す受信信号を生成するとともに、前
    記FSK変調信号に基づいてクロック信号を生成し、こ
    のクロック信号のサイクル数に基づく所定のサンプリン
    グ間隔で、前記受信信号をサンプリングし、伝達される
    べきデータを1ビットずつ取り込むようにし、 この取り込みの際に、直前に取り込んだビットが前記第
    1のビット状態である場合には第1のサイクル数n1の
    サンプリング間隔で次のビットの取り込みを行い、直前
    に取り込んだビットが前記第2のビット状態である場合
    には第2のサイクル数n2(n2>n1)のサンプリン
    グ間隔で次のビットの取り込みを行うことを特徴とする
    情報記録媒体に対するデータ伝送方法。
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