JP3512093B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP3512093B2
JP3512093B2 JP24558294A JP24558294A JP3512093B2 JP 3512093 B2 JP3512093 B2 JP 3512093B2 JP 24558294 A JP24558294 A JP 24558294A JP 24558294 A JP24558294 A JP 24558294A JP 3512093 B2 JP3512093 B2 JP 3512093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルフルカラー画
像を、例えば複写、あるいはプリントアウトしたりする
カラーハードコピーの分野における画像処理装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機・プリンタなどの分野でデ
ジタルカラー機器の普及が目覚ましい。特にデジタル画
像のハードコピー分野においては、BGR(青・緑・レ
ッド)やYMCK(イエロー・マゼンタ・シアン・黒)
等で表現される画像を各原色についてそれぞれ256階
調程度で表現するいわゆるフルカラー画像入出力装置及
びその処理装置の発達が顕著である。
【0003】本出願人も、特開平2−119466号公
報において、カラー原稿を良好に再現するデジタルカラ
ー画像処理装置を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような画像処理装
置を利用するハードコピー分野においては、人物・風景
等の自然画のみではなく、例えばグラフや見出し等に色
を使用するビジネス文書もその主たる対象画像である。
【0005】このような画像の特徴として、画像内に存
在する色の数が少ない事が挙げられる。例えば強調した
いポイントを赤や青で表現するもの、棒グラフ・表など
をその内容に合わせて色分けしたもの等、2,3〜十数
色である事が多い。
【0006】しかしながら、イメージスキャナなどの画
像入力装置を用いて画像を取り込む場合には、その画像
入力装置の性能により、読み取り値のバラツキやムラが
発生する。
【0007】又、この様な画像の別の特徴として、原画
像品質があまり良好でない事がある。例えば、パソコン
に接続されているプリンターから出力したもの、出力し
た画像を原画像とする孫コピー・ひ孫コピーなどのいわ
ゆるジェネレーションコピーが行われる場合も多い。
【0008】比較的少ない色数のこの様な原画像を自然
画の微妙なディテールを再現するのと同様の処理を行う
と、原画像における色のムラやバラツキ等の低品質まで
も忠実に再現してしまう。例えば「赤」,「青」,
「黒」といったおおまかな色情報を伝えようとするビジ
ネス文書等においては、この様な微妙なディテールの再
現は必要なく、むしろ出力画像においては欠陥となる。
そのような画像よりも「赤」なり「青」なり「黒」なり
の色がそれぞれムラなく表現される方が好ましい。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、原画像自体の品質や画像入力時の条件により生じる
画像の劣化を補正し、良好な出力画像を得るものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、3原色信号の大小関係を比較する手段と、前記3原
色信号のうち最も大きい値を持つ1つの信号と残る2つ
信号との比率を生成する手段と、得られた大小関係及
び比率から色判定を行う手段と、色判定結果に従って前
記比率を予め決められた複数の代表色のうち最も近い代
表色の値に変換する手段とを有することを特徴とする。
【0011】また、本発明の画像処理装置は、3原色信
号からグレイ成分を抽出する手段と、前記グレイ成分を
抽出された残余3原色信号の大小関係を比較する手段
と、前記残余3原色信号のうち最も大きい値を持つ信号
と続いて大きい値を持つ信号の比率を生成する手段と、
得られた大小関係及び比率から色判定を行う手段と、色
判定結果に従って前記比率を予め決められた複数の代表
色のうち最も近い代表色の値に変換する手段とを有する
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明の画像処理装置は、3原色信
号からグレイ成分を抽出する手段と、前記グレイ成分を
抽出された残余3原色信号の大小関係を比較する手段
と、前記残余3原色信号のうち最も大きい値を持つ信号
と続いて大きい値を持つ信号の比率を生成する手段と、
前記比率の出現頻度を計測する手段と、計測された結果
に基づき色判定係数を設定する手段と、得られた大小関
係及び比率及び前記設定された色判定係数により色判定
を行う手段と、色判定結果に従って前記比率を予め決め
られた複数の代表色のうち最も近い代表色の値に変換す
る手段とを有することを特徴とする。
【0013】
【作用】入力画像を構成する3原色に対応する3原色信
号について大小関係が求められると共に、最大値をとる
信号とこの最大値をとる信号以外の信号の比率が求めら
れる。この3原色信号の大小関係と比率から入力画像の
色が判定される。そして、この色判定結果に従って前記
比率が予め決められた複数の代表色のうち最も近い代表
色の値に変換される。これにより、入力画像中の似たよ
うな色は同じ色に統一される。
【0014】また、3原色信号からグレイ成分を抽出
し、グレイ成分を抽出された残余3原色信号の大小関係
を比較することにより、階調性を保存しつつ残余色成分
を限定することができる。これにより、色相の保存され
た減色処理を行なうことができる。
【0015】また、残余3原色信号の最も大きい値を持
つ信号と続いて大きい値を持つ信号の比率の出現頻度を
計測し、この出現頻度に応じて色判定を行なうための係
数を設定することにより、原画像に対して適切な色判定
が可能となる。
【0016】このように、画像内の類似した色を統一す
る様な減色処理を行うことにより、画像の色ムラやバラ
ツキの少ない原色画像が得られ、特に少ない色数で表現
されるビジネス文書のハードコピーやそのジェネレーシ
ヨンコピーなどにおいて、良好な出力画像を提供でき
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の詳細な説明を
行う。この実施例では、デジタルカラー複写機に本発明
を適用した例を述べるが、本発明は特にこの応用に限る
ものではない。
【0018】〔実施例1〕図1は、本発明の実施例1の
全体構成を示す図である。図において、10はCCDな
どのセンサにより原稿を読み取り、A/D変換後、デジ
タルカラー画像を生成する画像入力部である。又、11
は入力される青(B)・緑(G)・レッド(R)信号を
受け、後述する画像処理を行い、印字の為のイエロー
(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・黒(K)信号
を生成する画像処理部である。12は、例えば電子写真
方式等で実現されるカラー画像出力部である。
【0019】画像処理部11の詳細な説明を以下に示
す。
【0020】画像処理部11は、色変換処理部111と
色処理部112と補正処理部113とを備えている。
【0021】図2は、色変換処理部111を示した図で
ある。ここでは、画像入力・出力のデバイスの色捕正を
行う。入力されるBGR信号は、先ずルック・アップ・
テーブル(LUT)111a〜111cに入力され、L
OG変換により濃度値BGRへの変換及びグレイバラン
スの補正が行われる。次に補正されたBGR信号はマト
リクス演算部111dにおいて、
【数1】 の演算が行われ、YMC濃度信号が生成される。
【0022】次に、図3を用いて減色処理部112の説
明を行う。ここでは、入力されるYMC信号に対して色
の識別処理を行い、青・緑・赤・イエロー・マゼンタ・
シアン・黒の7原色のうち最も近い色への置換を行う。
先ず、Max信号生成部31では、入力されてくるYM
C信号の大小比較を行い、大きい方から順に、Max,
Mid,Min信号を出力する。又、認識した大小関係
を表すコード(図における順序信号)も合わせて出力す
る。特性値信号生成部32,33では、Max信号に対
するMid,Min信号の比率を表す信号が生成され
る。例えば、4ビットの特性値信号を生成する場合に
は、15×(Mid/Max)及び15×(Min/M
ax)の演算を行う。
【0023】色判定部34では、2つの特性値信号及び
YMC信号の大小関係を表す順序信号より、色判定を行
い、画像出力装置の印字動作に合わせて乗算部35へ乗
算係数を出力する。ここでの色判定処理を、図5及び図
6を用いて説明する。
【0024】実施例1では、Max信号がYMCいずれ
の信号であるか、及びMid,Min信号のMax信号
に対する比率がどの様な値になっているかで色判定を行
う。
【0025】図5は、実施例1の色判定方式の概念を説
明する図である。図5においては、Max信号に対する
比率をそれぞれYr,Mr,Crと記述している。以
下、簡単の為、図5(1)を用いてMax信号がY信号
であった場合の色判定処理を説明する。この時、図5
(1)に示すように、Mr,Crがいずれも小さければ
小さい程、その色味はイエローに近い。又、Mrが大き
くなるに従って赤に近づき、Crが大きくなるにつれ緑
に近づく。さらに、Mr,Crが共に大きくなるに従
い、色味に濁りが発生しグレイになっていく。この様
に、Mr,Cr平面内における位置(座標情報)によ
り、色味の判別が可能である。Max信号がM信号(図
5(2))、C信号(図5(3))であった場合も同様
に、それぞれCr−Yr平面、Yr−Mr平面の座標情
報により色判定が可能である。以上の様な判定方式でイ
エロー・マゼンタ・シアン・赤・青・緑・グレイの判定
を行う。
【0026】実施例1において、色判定は予め設定され
たテーブルを検索する事により行われ、特性値信号生成
部32,33から出力される2つの特性値信号(図5に
おけるYr,Mr,Cr)とMax信号生成部31から
出力される順序信号より検索用アドレスを生成する。検
索用アドレスは図6に示す様に10ビットであり、最上
位の2ビットはMax信号がYMCのいずれであるかを
示し、Max信号がYの場合には「00」、Mの場合に
は「01」、Cの場合には「10」となる。残り8ビッ
トは、2つの特性値信号4ビットを並べる事により生成
されるが、順序信号の大小関係を参照しMid及びMi
n信号がYMCいずれの色であるか識別し色の順序を整
える。
【0027】ここでは、Max信号がYの場合には「Y
→M→C」、Mの場合には「M→C→Y」、Cの場合に
は「C→Y→M」となる様にする。つまり,Max信号
がYの場合には、Mr(=15×(M/Max))の演
算結果が上位4ビットでCr(=15×(C/Ma
x))の演算結果が下位4ビットとしてアドレス生成す
る。テーブルには色判定結果に対応するYMCKそれぞ
れに対する乗算係数が記憶されており、アドレスに応じ
て出力される。例えば色判定の結果、イエローにはY=
1.0,M=0.0,C=0.0,K=0.0、青色に
はY=0.0,M=1.0,C=1.0,K=0.0、
グレイY=0.0,M=0.0,C=0.0,K=1.
0の様な乗算係数が予め設定されており、色判定の結果
を受け、また画像出力装置の印字動作に合わせて必要な
係数を出力する。ここで、乗算係数の設定を変更するこ
とにより、例えば赤と判定された色をY=1.0,M=
0.5,C=0.0,K=0.0の橙色で再現しイエロ
ーと判定された色をY=0.0,M=1.0,C=0.
5,K=0.0の紫で再現する、といった様に原画像内
の色と再現する色の対応を変える事ができる事はいうま
でもない。
【0028】乗算器35には、Max信号と乗算係数が
入力され乗算が行われた後、補正処理部113へと送ら
れる。Max信号は色味の違いによらず、その色の濃さ
を表す信号であるから、色判定部34から出力される乗
算係数をMax信号に掛け合わせることにより、原画像
における階調性を保存することができる。ここで、生成
されるYMCK画像は、イエロー・マゼンタ・シアン・
赤・青・緑・グレイのいずれかの色味と判定されてお
り、例えばグレイならK単色、緑ならY:M:C:K=
1:0:1:0、といった様に、それぞれ純色で表現さ
れる画像へと変換されている。
【0029】図4は、補正処理部113を説明する図で
ある。補正処理部113には画像出力装置12の印字動
作に対応して、YMCK画像が順次単色で入力されてく
る。先ず、空間補正部113aにおいて、画像入力部1
0のMTFの補正や画像のシャープさが調整される。こ
れは、公知の近傍5×5画素の畳み込み演算で実現され
る。次に階調補正部113bにおいて、ルック・アップ
・テーブルにより画像出力部12の階調特性に合わせた
補正が行われる。
【0030】以上、実施例1によれば、原画像をその階
調性を保存しつつ7原色のいずれかに変換する減色処理
を行う事によって、色ムラが少なくジェネレーション画
質に優れる画像を生成できる。
【0031】〔実施例2〕次に本発明の実施例2を示
す。この実施例2でも、デジタルカラー複写機に本発明
を適用した例を述べるが、本発明は特にこの応用に限る
ものではない。
【0032】図7に実施例2の全体構成図を示す。図に
おいて、70はCCDなどのセンサにより原稿を読み取
り、A/D変換後デジタルカラー画像を生成する画像入
力部である。又、71は入力される青(B)・緑(G)
・赤(R)信号を受け、後述する画像処理を行い、印字
の為のイエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)
・黒(K)信号を生成する画像処理部である。72は、
例えば電子写真方式等で実現されるカラー画像出力部で
ある。
【0033】画像処理部71の詳細な説明を以下に示
す。
【0034】画像処理部71は、色変換処理部711
と、墨版生成部712と、減色処理部713と、セレク
タ714と、補正処理部715とを備えている。
【0035】色変換処理部711では、画像入力・出力
のデバイスの色補正を行う。入力されるBGR信号は、
図2に示される色変換処理部111と同様に、先ずルッ
ク・アップ・テーブル(LUT)に入力され、LOG変
換により濃度値BGRへの変換及びグレイバランスの補
正が行われる。次に補正されたBGR信号に対して、
【数2】 のマトリクス演算が行われ、YMC濃度信号が生成され
る。
【0036】墨版生成部712では、YMC濃度信号か
らグレイ成分を分離してK信号に置き換える処理が行わ
れる。この処理に関しては多くの公知の方式が知られて
いるが、実施例2では、YMCの最小値を単純にK成分
に置換する100%UCR(下色除去)処理を行う。処
理後のYMC信号をY’M’C’とすると、以下の処理
が行われる。
【0037】K =Min(Y,M,C) Y’=Y−Min(Y,M,C) M’=M−Min(Y,M,C) C’=C−Min(Y,M,C) 次に、図8を用いて減色処理部713の説明を行う。こ
こでは、入力されるYMC信号に対して色の識別処理を
行い、青・緑・赤・イエロー・マゼンタ・シアンの6原
色のうち最も近い色への置換を行う。実施例2では、グ
レイ成分が除去されたYMC信号に関する色判定処理を
行うので、黒であるか否かの判定は不要である。先ず、
Max信号生成部81では、入力されてくるYMC信号
の大小関係を認識し、最も大きい信号をMax、次に大
きい信号をMid信号として出力する。又、認識した大
小関係を表すコード(順序信号)も合わせて出力する。
特性値信号生成部82では、Max信号に対するMid
信号の比率を表す信号が生成される。例えば、4ビット
の特性値信号を生成する場合には、15×(Mid/M
ax)の演算を行う。
【0038】色判定部83では、特性値信号及びYMC
信号の大小関係を表す順序信号より、色判定を行い、画
像出力装置の印字動作に合わせて乗算部84へ乗算係数
を出力する。ここでの色判定処理を図9及び図10を用
いて説明する。
【0039】実施例2では、Max信号がYMCいずれ
の信号であるか、及びMid信号のMax信号に対する
比率がどの様な値になっているかで色判定を行う。図9
は、実施例2の色判定方式の概念を説明する図である。
なお実施例1と同様に図9においては、YMC信号のM
ax信号に対する比率をそれぞれYr,Mr,Crと記
述している。以下簡単の為、図9(1)を用いてMax
信号がY信号であった場合の色判定処理を説明する。
【0040】実施例2では、実施例1とは異なり色判定
に先立って100%UCR処理によってグレイ成分を分
離しており、Max=Y,Mid=Mの時Cr=0とな
り、同様にMax=Y,Mid=Cの時Mr=0とな
る。従って、図9(a)及び図9(b)に示す様に、M
ax=Y,Mid=Mの時はMr(=15×(M/Ma
x)),Max=Y,Mid=Cの時はCr(=15×
(C/Max))の大きさによって色判定できる。図9
(c)〜図9(f)の場合もYMCの大小関係及びMi
d信号とMax信号の比率を表す特性値信号の大きさに
より色判定が可能となる。この様に、グレイ成分を分離
することにより、特性値信号の大きさ(1次元情報)か
ら色味の判別が可能となる。実施例2では、100%U
CRを行っているため、最も顕著にこの効果があるが、
UCR量が少なくとも同様の傾向が得られることには変
わりなく、例えば50%や70%など100%UCR以
外の場合でも、若干の精度低下は発生するものの、この
判定が可能である事はいうまでもない。
【0041】以上の色判定は予め設定されたテーブルを
検索する事により行われ、特性値信号生成部82から出
力される特性値信号(図9におけるYr,Mr,Cr)
とMax信号生成部81から出力される順序信号より検
索用アドレスを生成する。検索用アドレスは図10に示
す様に7ビットであり、上位の3ビットはYMCの大小
関係(Max及びMid信号はYMCのいずれか)を示
し、残り4ビットは特性値信号4ビットが用いて、アド
レス生成する。テーブルには色判定結果に対応するYM
Cそれぞれに対する乗算係数が記憶されており、アドレ
スに応じて出力される。例えば色判定の結果、イエロー
にはY=1.0,M=0.0,C=0.0、青色にはY
=0.0,M=1.0,C=1.0の様な乗算係数が予
め設定されおり、色判定の結果を受け、また画像出力装
置の印字動作に合わせて必要な係数を出力する。無論、
実施例1と同様に乗算係数の設定を変更することによ
り、原画像内の色と再現する色の対応を変える事ができ
る事はいうまでもない。
【0042】乗算器84には、Max信号と乗算係数が
入力され乗算が行われる。Max信号は色味の違いによ
らず、その色の濃さを表す信号であるから、色判定部8
3から出力される乗算係数をMax信号に掛け合わせる
ことにより、原画像における階調性を保存することがで
きる。ここで、生成されるYMC画像は、イエロー・マ
ゼンタ・シアン・赤・青・緑のいずれかの色味と判定さ
れており、例えば、イエローならY:M:C=1:0:
0、緑ならY:M:C=1:0:1といった様に、それ
ぞれ純色で表現される画像へと変換されている。
【0043】図7において、714はセレクタであり画
像出力部72の印字動作に従って、黒を印字する際に
は、墨版生成部712から出力されるK信号を、Y,
M,Cを印字する際には減色処理部713から出力され
るY,M,C信号を選択し出力する。
【0044】補正処理部715には画像出力装置12の
印字動作に対応して、セレクタ714からYMCK画像
が順次単色で入力されてくる。ここでは、図3に示す実
施例1と同様に、画像入力部70のMTFの捕正や画像
のシャープさを調整する空間補正及び画像出力装置72
の階調特性に合わせた階調補正が行われる。
【0045】実施例2において減色処理に先立ってK信
号を抽出することの効果を説明する。まず、画像品質の
面からいえば、K版+色比率を固定された残余色成分で
表現される画像が生成される。これは例えば赤色ならば
Y:M:C=1:1:0の様に色味は固定され、かつK
がこれに付加されることにより明るい赤から暗い赤まで
が表現される。つまり、明度は保存されかつ色味は統一
されている画像、色相が限定された画像が生成されるこ
とになる。これによりビジネス文書で多用される要素で
ある、例えば陰影の付いたイラストや3次元表現された
グラフなどを良好に再現することが可能となる。さら
に、処理構成の観点から見れば、図9及び図10を用い
て説明した様に、色判定処理を簡素化する効果がある。
【0046】以上、実施例2によれば、カラー画像中の
グレイ成分を先ず分離し、階調性を保存しつつ残余色成
分を限定することにより、色相の保存された減色処理を
行うことができ、色ムラが少なくジェネレーション画質
に優れる画像を生成できる。
【0047】〔実施例3〕次に本発明の実施例3を示
す。この実施例3でも、デジタルカラー複写機に本発明
を適用した例を述べるが、本発明は特にこの応用に限る
ものではない。
【0048】実施例3の全体構成は図7と同様であり、
ここでは実施例3の特徴である減色処理部713の動作
についてのみ説明を行う。図11は、減色処理部713
を説明する図である。
【0049】入力されるYMC信号は実施例2と同様
に、色補正及び墨版生成後のYMC濃度信号であり、こ
こでは、入力されるYMC信号に対して色の識別処理を
行い、青・緑・赤・イエロー・マゼンタ・シアンの6原
色の中の近い色への置換を行う。
【0050】実施例3では、実際の減色処理に先立って
一度原画像を走査して色の分布を調べ、その結果に基づ
いた色の判定用パラメータを設定する。続いて、設定さ
れたパラメータに従って、色の置換すなわち減色処理を
行う。図12は色の分布に従った色判定を示した図であ
る。例えば、ある画像の色分布が図12左の様になって
いるものとする。ここで、色分布とは後述する特性値の
分布である。この時、図12右に破線で示した様に色判
定の閾値を色分布に応じて動かすことによって、より対
象画像に適した減色処理が可能となる。
【0051】次に図11によって実施例3の処理の流れ
を説明する。Max信号生成部1101では、入力され
るYMC信号の大小比較を行い、最も大きい信号をMa
x、次に大さいものをMidとして出力する。
【0052】又、認識した大小関係を表すコード(順序
信号)も合わせて出力する。特性値信号生成部1102
では、Max信号に対するMid信号の比率を表す信号
が生成される。例えば、4ビットの特性値信号を生成す
る場合には、15×(Mid/Max)の演算を行う。
【0053】閾値設定部1103は、最初の画像走査で
色判定用パラメータの決定を行う。ここでは、入力され
てくる特性値信号のヒストグラムを生成する。ヒストグ
ラムは図12に示される様に、4ビットのアドレス×6
パターンで生成される。ここで、カウンターのオーバー
フローを防止するために、特性値の出現頻度は所定のレ
ベルに達するとカウントを中止する。図13は、色判定
パラメータ決定の処理を説明する図である。実施例3で
は、色判定は閾値との比較によって行う。図に示す様
に、閾値は予め3種類の候補が用意されており、上述の
ヒストグラムに従って最も適した閾値を選択する。生成
されたヒストグラムより閾値候補の±αの頻度数を合計
し、最も合計値の小さい閾値候補を色判定パラメータに
設定する。図13では、閾値−1〜閾値−3のそれぞれ
±2の範囲の出現頻度を合計し、結果的に閾値−2を色
判定パラメータに選択している。この選択を6種類のヒ
ストグラム全てに対して実施し、6つの閾値パラメータ
を決定する。
【0054】次に、実際に画像処理を行う走査時の閾値
設定部1103の動作を説明する。この時、閾値設定部
1103にはYMC信号の大小関係を表す順序信号が入
力され、先に設定した6つの閾値の内、対応する閾値を
色判定部1104へ出力する。
【0055】色判定部1104では、入力されてくる特
性値信号と閾値の比較により色判定を行い、画像出力部
の印字サイクルに従って1ビットの判定結果を出力す
る。ここで行う色判定では、入力画素は、イエロー・マ
ゼンタ・シアン・赤・青・緑のいずれかに判別される。
次に画像出力部がYMCKいずれの色を印字しているか
によって、判別した画素に印字が発生するか否かを判定
し、1ビットのON/OFF信号を出力する。例えば、
ある画素が緑と判定された時、画像出力部の印字サイク
ルがY→M→C→Kであった時、それぞれON→OFF
→ON→OFFの信号を出力する。
【0056】続いて、色再判定部1105の動作の説明
を図14を用いて行う。ここでは、図に示す様に注目画
素の周辺5×5画素のON/OFFの数により色判定部
1104で決定されたON/OFF信号の再判定を行
う。周辺画索のON/OFF数は、注目画素以外の24
画素と注目画素に隣接する8画素それぞれについて数え
られ、予め設定された閾値と比較され、注目画素周辺の
3×3及び5×5の領域が、ONであるかOFFである
かを判定する。この時、注目画素周辺の3×3または5
×5の領域の判定結果と注目画素のON/OFF信号が
異なる場合に、ON/OFF論理の反転を行う。以上の
処理により、色判定部1104で誤って判定された孤立
画素の除去が行われる。ここで孤立画素の除去は、例え
ば5×5画素のON/OFF所定パターンとの比較によ
るパターンマッチング等で行っても同様の効果があるこ
とはいうまでもない。
【0057】1106はセレクタであり、色再判定部1
105の出力を受け、ONの場合にはMax信号を、O
FFの場合には画素値として「0」を出力する。
【0058】実施例3によれば、カラー画像中のグレイ
成分を先ず分離し、残余色成分をその階調性を保存しつ
つ色相を保存する様な減色処理を行うことによって、色
ムラが少なくジェネレーション画質に優れる画像を生成
できる。また、再現色相をイエロー・マゼンタ・シアン
・赤・青・緑+グレイと限定する事によって、より簡単
な減色処理構成となり、しかも注目画素周辺のON/O
FF情報を考慮した色再判定処理により誤判定を減らす
ことが可能となった。さらに、実際の処理に先立つ走査
により原画像内の色情報を計測しその結果に従った色判
定を行う事により、原画像に対して適切な色判定が行え
る。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、画像の色ムラやバラッ
キの少ない減色画像が得られ、特に少ない色数で表現さ
れるビジネス文書のハードコピーやそのジェネレーショ
ンコピーなどにおいて、良好な出力画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の全体構成を示す図であ
る。
【図2】 色変換処理部を示した図である。
【図3】 減色処理部を説明する図である。
【図4】 補正処理部を説明する図である。
【図5】 実施例1の色判定方式の概念を説明する図で
ある。
【図6】 検索アドレスを示す説明図である。
【図7】 実施例2の全体構成図を示す。
【図8】 実施例2における減色処理部を説明する図で
ある。
【図9】 実施例2の色判定方式の概念を説明する図で
ある。
【図10】 実施例2における検索用アドレスを示す説
明図である。
【図11】 実施例2における減色処理部を説明する図
である。
【図12】 色の分布に従った色判定を示した図であ
る。
【図13】 色判定パラメータ決定の処理を説明する図
である。
【図14】 色再判定部の動作を説明する図である。
【符号の説明】
10…画像入力部、11…画像処理部、12…画像出力
部、31…Max信号生成部、32,33…特性値信号
生成部、34…色判定部、35…乗算部、70…画像入
力部、71…画像処理部、72…画像出力部、111…
色変換処理部、111a〜111c…ルックアップテー
ブル、112…減色処理部、113…補正処理部、11
3a…空間補正部、113b…階調補正部、711…色
変換処理部、712…墨版生成部、713…減色処理
部、714…セレクタ、715…補正処理部、81…M
ax信号生成部、82…特性値信号生成部、83…色判
定部、84…乗算部、1101…Max信号生成部、1
102…特性値信号生成部、1103…閾値設定部、1
104…色判定部、1105…色再判定部、1106…
セレクタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3原色信号の大小関係を比較する手段
    と、前記3原色信号のうち最も大きい値を持つ1つの 信号と
    残る2つの信号との比率を生成する手段と、 得られた大小関係及び比率から色判定を行う手段と、 色判定結果に従って前記比率を予め決められた複数の代
    表色のうち最も近い代表色の値に変換する手段とを有す
    ることを特徴とする減色処理を行う画像処理装置。
  2. 【請求項2】 3原色信号からグレイ成分を抽出する手
    段と、 前記グレイ成分を抽出された残余3原色信号の大小関係
    を比較する手段と、 前記残余3原色信号のうち最も大きい値を持つ信号と続
    いて大きい値を持つ信号の比率を生成する手段と、 得られた大小関係及び比率から色判定を行う手段と、 色判定結果に従って前記比率を予め決められた複数の代
    表色のうち最も近い代表色の値に変換する手段とを有す
    ることを特徴とする減色処理を行う画像処理装置。
  3. 【請求項3】 3原色信号からグレイ成分を抽出する手
    段と、 前記グレイ成分を抽出された残余3原色信号の大小関係
    を比較する手段と、 前記残余3原色信号のうち最も大きい値を持つ信号と続
    いて大きい値を持つ信号の比率を生成する手段と、 前記比率の出現頻度を計測する手段と、 計測された結果に基づき色判定係数を設定する手段と、 得られた大小関係及び比率及び前記設定された色判定係
    数により色判定を行う手段と、 色判定結果に従って前記比率を予め決められた複数の代
    表色のうち最も近い代表色の値に変換する手段とを有す
    ることを特徴とする減色処理を行う画像処理装置。
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