JP3511860B2 - 割れ補修方法 - Google Patents

割れ補修方法

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JP3511860B2
JP3511860B2 JP24501697A JP24501697A JP3511860B2 JP 3511860 B2 JP3511860 B2 JP 3511860B2 JP 24501697 A JP24501697 A JP 24501697A JP 24501697 A JP24501697 A JP 24501697A JP 3511860 B2 JP3511860 B2 JP 3511860B2
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弘 和知
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン等を構
成する耐熱部材割れ補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ガスタービンは効率上、かなり高
い温度領域で運転されるため、動翼及び静翼には高い引
っ張り応力,曲げ応力が繰り返し付加される。すなわ
ち、高サイクル熱疲労により割れが発生する。したがっ
て、ある一定期間運転後、これらの翼を新品と交換する
必要がある。しかし、交換にはかなりの費用が必要であ
り、補修して翼を使用することが強く望まれている。補
修方法としては、1)溶接及び2)特開昭56−30073 号
公報,特開昭5−285675 号公報等に示されるろう付があ
る。1)の場合、動翼及び静翼には、それぞれNi基,
Co基合金が通常使われているが、これらはTi,A
l,W等の元素が添加されているため、溶接割れが発生
しやすい、また熱影響部が大きい、すなわち大きな残留
応力により、翼が大幅に変形しやすいという欠点があ
る。さらに、溶融により接合部周辺の組織が破壊され、
十分な疲労強度が得られなくなるという欠点もある。一
方、ろう付補修では、大幅な変形,割れ,組織の破壊の
程度は溶接に比べかなり少ないものの、ろう付部にボイ
ドが発生したり、融点を降下させるために添加したボロ
ンが例えばクロムボライド等の晶出相を形成し、強度が
低下するという欠点がある。そのため、溶接,ろう付と
もに翼の補修に対して無力の状況にあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一定
期間の運転により、割れの生じたガスタービンにおける
動翼,静翼等をろう付によりほぼもとの状態に修復する
ことにあり、ボイドがほとんど生じにくいろう付プロセ
スによる割れ補修方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体表面に発
生した割れ内にろう材を埋めて前記割れを補修する補修
方法において、前記ろう材を減圧下で該ろう材の融点以
上の温度に加熱して前記割れ内に前記ろう材を侵透させ
る加熱工程、前記溶融しているろう材を非酸化性ガス下
で大気圧下で冷却し凝固させる凝固工程及び前記溶融工
程及び凝固工程を繰返す繰返し工程を有することを特徴
とする。
【0005】本発明は、前述の割れ内部にろう材を埋め
る前に基材表面に発生した割れ内部の酸化物を除去する
除去工程を有することを特徴とする。
【0006】本発明は、基材表面に発生した割れ内部の
酸化物を除去する除去工程、前記基材に近似した成分の
合金にボロン及びシリコンの1種以上を添加したろう材
の粉末を前記割れ内部に充填、又は前記割れの周囲に配
置する配置工程、前記ろう材粉末を真空下で溶融点以上
の温度に加熱して、前記ろう材を溶融させる加熱工程、
溶融状態を有する前記ろう材を不活性ガス下及び大気圧
下で1000℃以下の温度まで急速冷却し、凝固させる
凝固工程、及び前記加熱工程及び凝固工程を繰返す繰返
し工程を有することを特徴とする。割れ表面内部の酸化
物は、機械的又は1100℃以上の高温水素雰囲気に保
持し除去することが好ましい。
【0007】前記基材はCo及びNiを主成分とする耐
熱合金からなり、前記ろう材は前記耐熱合金と同じ組成
の合金又はその合金組成に近似した合金粉末にボロン及
びシリコンの1種以上を0.1〜2wt% 添加した粉
末、又は前記耐熱合金又は該合金に近似した合金の粉末
を適当な割合に混合した混合粉末からなることが好まし
い。
【0008】混合ろう材を充填する場合及びろう材を割
れの周辺に配置する場合ともにろう材量は補修する割れ
体積の1.5 倍以上とすることが好ましい。
【0009】冷却速度を150℃/分以上とすること、
ろう付補修部の全体積に対するボイド率が2%以下とす
ることが好ましい。
【0010】ろう材は塗付のしやすさを考慮して、その
粉末を有機バインダを固め、ペースト状にしたものが好
ましい。尚、ろう材を真空中で加熱しても発生ガスを完
全に除去するのは難しい。
【0011】しかも、溶融ろう材中に一度混入すると、
真空中では大気圧との圧力差に応じて膨張する。
【0012】D2/D1∝√P2/P2 ここに、D2 及びD1 はそれぞれ真空中及び大気中のボ
イドの大きさ、P1 及びP2 は大気圧及び真空中の圧力
である。この式から、溶融状態においてアルゴン等の不
活性ガスの導入により、大気圧に戻せば、ボイドは潰れ
るかもしくは小さくなるし、また溶湯中で割れの表面に
向かって移動することを見い出した。したがって、溶融
状態での真空圧力→大気圧力のプロセスを繰り返すこと
により、ボイドをろう付部から除去できる。また、アル
ゴン等の不活性ガスの導入により、大気圧に戻すことは
ろう付部を急冷でき、このことは他方、ボライド,カー
バイド等の晶出相の粗大化を防止できる効果もある、す
なわち、加熱冷却の繰り返しによりボライド,カーバイ
ド等の微細分散が起りやすくなる。したがって、次の拡
散処理によりボライドの消失速度が大きくなり、機械的
性質を低下させるボライド相が少ないか、あっても小さ
く分散した状態を有し、しかもボイドの無い接合部が得
られるため、ろう付部の信頼性は飛躍的に高まる。
【0013】ろう材が完全に溶融した状態においてアル
ゴン等の不活性ガスを導入し、大気圧に戻す操作を一度
することにより、厚さ0.2mm までの割れのボイドを除
去できる。0.5mm 以上の厚さの割れでは、前記操作を
3回以上を繰り返し行うことにより、ボイドを潰した
り、あるいはこれを割れ表面上へ移動させ除去できる。
すなわち、混合ろう材の量が増加するにしたがってボイ
ドの絶対量も多くなり、しかも単位体積当たりの圧力が
小さくなるため、ボイドが潰れにくくなったり、割れ表
面への移動速度が小さくなるためである。ボイド除去効
果は、さらに混合ろう材の量が割れ体積の1.5 倍以上
あると顕著になる。すなわち、ろう材が割れ体積よりも
多いことにより、割れ表面よりも盛り上がったろうの部
分にボイドを移動させることの効果の方がろう材からボ
イドを完全に抜くことよりも容易であることによる。
【0014】加熱冷却を繰り返すことの利点は上記ボイ
ドの除去効果の他に、ボライド,カーバイド等、機械的
性質を大幅に劣化させる化合物の粗大化を防止でき、し
かもろう付部の中央部付近に微細に分散させることがで
きる点にある。すなわち、ろう付部が厚くとも微細ボラ
イド相は中央部に分散しているため、1)拡散処理によ
りボライド相の消失時間を短くできる、2)中央部のみ
にボライド相が集まっている(もちろん拡散処理により
その絶対量は少なく、小さい)ため、ろう付部の外の拘
束力により接合部が劣化しにくい。これらの効果は混合
ろう材中のボロンが少ない程有効である。さらに、割れ
が貫通している場合には、割れの上下からガス状のボイ
ドを除去しやすい。混合ろう材粉末は割れの中に充填し
ても良いが、割れの周囲に配置すると、さらにボイドを
除去しやすい。すなわち、溶融した混合ろう材のうち、
不純物,酸化物のないものが、割れに入って行くため、
ボイド発生が抑制されるためである。
【0015】カーバイド相は冷却速度が150℃/分以
上であれば、粗大することはなく、機械的性質を劣化さ
せることはない。カーバイド,ボライド相は混合ろう材
の完全溶融状態から除冷し、拡散温度に長時間保持する
と粗大化し、機械的強度を著しく低める。なお、これら
の作用が有効に働くのはCo基耐熱合金の補修の場合、
混合ろう材はCr,Ni,W,Fe,Cを主とするCo
合金粉末とCr,Ni,W主成分とするCo合金にB,
Siをそれぞれ数%程度添加したろう材粉末を混合した
ものであり、Ni基耐熱合金の場合、Cr,Co,F
e,W,Ti,Alを主成分とするNi合金粉末にN
i,Cr,Coを主成分とするNi合金にB,Siをそ
れぞれ数%添加したろう材粉末を混合したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のタービン用耐熱合金の補
修ろう付プロセスを図1に示す。まず、目視,超音波探
傷あるいはX線透過法等により、割れの形状,開先寸法
及び深さ等を調べ、混合ろう材の量,塗付方法を決定す
る。次に、割れ表面の酸化物はCo基耐熱合金の場合、
1150℃以上,露点30℃以上の高温水素雰囲気中に
1h以上保持し、クロムの酸化物を除去する。Ni基耐
熱合金の場合、Ti,Alを多量に含むため、水素では
酸化物を還元できない。したがって、機械的手段による
酸化膜の除去、あるいは、HFガスによる酸化物の除去
が必要である。次に混合ろう材を割れ表面に設置あるい
は割れの中に充填した後、ろう材の液相点以上の温度、
例えば融点よりも10〜30℃高い温度に真空中で加熱
する。加熱により、混合ろう材が溶融した状態におい
て、炉中にアルゴンガスを導入して、圧力を大気圧に戻
しながらろう付部を急冷凝固させる。このプロセスによ
り、溶融混合ろう材中に発生したボイドを、小さいもの
は押潰したり、あるいは大きいものは小さくしたりして
少なくできる。アルゴン導入による急冷凝固法は、ボイ
ドを上部に押し上げる効果もある。この加熱冷却プロセ
スをボイド検査と組み合わせて繰り返すことにより、接
合部に発生するボイドをほぼ完全に除去できる。さら
に、急冷することにより、カーバイド,ボライド等の接
合部の機械的性質を劣化させる晶出相の粗大化を防止で
きる。
【0017】次に、接合部に晶出したボライド相を拡散
により、基地中に溶解させるため、基地の共晶点と融点
の間の固溶度の最も大きい温度付近に長時間加熱保持し
て、ボロンを基地中に拡散させる。長時間保持しても、
一度冷却することにより、ボライド,カーバイドの粗大
化はほとんど起らないことを確認してある。さらに、過
剰ろう材の除去,最終ボイド検査を行い補修を完了す
る。
【0018】図2は混合ろう材の置き方を示す。この図
において補修すべき割れ2−1,ストッパ2−2,混合
ろう材2−3を示している。(a)では混合ろう材をス
トッパ内部と割れの周囲に配置している場合、(b)で
は混合ろう材を割れに充填するとともに、ストッパの内
部にも配置した場合を示している。(a)では溶融した
混合ろう材の不純物の少ない清浄化されたものが割れの
内部に流れて行き、割れを充填する。この場合にはボイ
ドが発生しにくいという利点があるが、補修のためのス
トッパの設置位置を大きく取る必要があり、翼に割れが
多数に発生した時には不適である。一方、(b)では
(a)のようにストッパの設置位置を広くとる必要はな
いが、混合ろう材中の不純物がろう材中に残存するた
め、ボイドが発生しやすい。割れの状況に応じて混合ろ
う材の配置を検討すれば良い。
【0019】図3はろう付温度に所定の時間保持(3−
1)後、冷却する従来のプロセス(3−2冷却速度:1
00℃/分未満)及び加熱冷却(加熱は真空中、冷却は
アルゴンまたは窒素中)を、図4に示すろう付温度と共
晶点以下の温度(ここでは800℃程度)間で繰り返す
(3−3,3−4,3−5)、本発明のろう付プロセス
を示してある。ここで加熱冷却の繰り返し数は補修幅、
すなわち割れ幅により変化させる必要があり、0.2mm
以下であれば、繰り返し数は1回(3−3)でよいが
0.5mm 以上になると3回以上(3−4,3−5)の繰
り返し数が必要である。また、冷却速度は100℃/分
以上にする必要がある。
【0020】図5(1)は従来方法による割れ補修ろう
付部の断面を図示したものである。図中、1150℃以
上,露点30%以上の高温水素雰囲気中保持により酸化
物を除去した後の酸化物のない割れの表面4−1,Co
基の混合ろう材4−2(Cr,Wの他にBを約2wt%
含む),ろう付部に発生したボイド4−3,混合ろう材
が流れ出ないようにするためのストッパ4−4を有す
る。
【0021】このストッパはまた、混合ろう材粉末を割
れ体積よりも多くするため、ボイドを割れの外部、すな
わちストッパで囲まれた場所に追い出すためにも必要で
ある。従来法(図3参照)の場合、ろう付部には多数の
大小さまざまなボイドが生じている。一方、本発明の加
熱冷却を繰り返すことによりろう付部に発生した大きな
ボイドは小さくなり((2),(3))、また小さなボイ
ドは消滅し、さらに中心部に存在したボイドが割れ表面
に向かって上昇し、最後には(4)に示すように割れ内
部にはボイドはほとんど無くなり、小さなボイドがスト
ッパで囲まれた割れの外部にまで達するようになる。こ
の囲まれた部分はろう付後に機械加工により除去できる
ため、ろう付部の信頼性を低下させない。
【0022】図6はろう材の設置状況を示す図、図7は
重量でNi10%,Cr26%,W8%,Fe2%を含
むCo基合金粉末とB2%を含むCo基合金ろう材粉末
との混合粉を用い、ろう付補修した割れ内部(体積V
1)に生じたボイド率に及ぼす加熱保持後の冷却速度
(図4の3−3に対応)を示したものである。ここで、
全混合ろう材体積V2の割れ体積V1に対する比は1.
0 とし、混合ろう材は図1(b)に示すように割れの
中に充填した。冷却速度が50℃/分の場合にはボイド
は10%程度ろう付部に発生しているのに対し、100
℃/分以上になると3.5% 程度に減少する。
【0023】図8は前述と同様にろう材の設置及び混合
粉末を用いて、加熱保持後の冷却速度を100℃/分一
定として、割れ体積V1中に発生したボイド率と加熱冷
却の繰り返し数(図4参照)との関係をV2/V1の関
数としてプロットした結果である。繰り返し数とV2/
V1がV1中のボイド率に大きな影響を及ぼすことがわ
かる。これは図5でも述べたように、真空中加熱,アル
ゴン中冷却凝固を繰り返すことにより、小さなボイドが
押潰されたり、大きなボイドは小さくなったり、また、
割れの外部に押し出されるためである。いずれにせよ、
ボイド率は接合部の強度,疲労寿命に大きく影響する
が、2%以下であれば強度上は問題ない。図に示したよ
うな割れ寸法の場合、補修用の混合ろう材は割れ体積の
1.5 倍、加熱保持後の冷却速度波100℃/分,繰り
返し数波3回以上で健全なろう付補修が可能である。
【0024】以上ろう付方法について述べたが、混合ろ
う材はB,C等を含んでいるため、加熱保持後の冷却中
にろう付部にボライド,カーバイドが発生する。これら
の、晶出相は粗大化した場合、接合部の機械的性質を悪
化させるため、ろう付部から消すか、または基地中に微
細に分散させることが望ましい。このうち、カーバイド
については100℃/分以上の速度で冷却することによ
り、かなり微細に分散させることができるため、あまり
問題でない。方、ボライドは前記急冷により微細に分散
するが、その量はカーバイドに比べ多いためできるだけ
基地中に拡散させ、絶対量をできるだけ少なくしたほう
が良い。
【0025】図9はろう付及びボライド拡散プロセスを
示した図である。ボライドはCo基耐熱合金の補修ろう
付において2種類発生する。1つはコバルトリッチなボ
ライドであり、いま一つはクロムリッチボライドであ
る。混合ろう材の溶融状態から急冷を繰り返した状態で
は、コバルトリッチボライド、すなわち共晶ボライドが
ろう付部のほぼ中央に生じる。この後、共晶温度(約1
138℃前後)と融点の間の温度に加熱保持してボライ
ドを拡散により除去するのが良い。図10(a)は拡散
処理前の断面組織の摸式図である。8−1はコバルトリ
ッチボライド、8−2はクロムリッチボライド、8−3
は基地、8−4は粒界である。粒界に沿って多くのコバ
ルトリッチボライド及び冷却中に生成したわずかなクロ
ムリッチボライドが分散していることがわかる。拡散処
理後には、(b)に示すようにコバルトリッチボライド
はほぼ消失し、クロムリッチボライドが微細に分散した
組織となる。粒界に粗大化したクロムリッチボライドが
生成すると靱性が著しく低下するが、微細分散ではほと
んど影響はない。
【0026】図11は前述のろう材の設置及び混合粉末
を用い、従来のプロセス(図3、3−2参照)でろう付
後、拡散処理を施した場合、ろう付後、1回急冷を行い
(図4、3−3参照)拡散処理を施した場合、ろう付
後、加熱冷却を3回行い(3−3,3−4,3−5参
照)、拡散処理をしてCo基合金同士をCo用の混合ろ
う材を用いてろう付した後、高温(800℃)にて引っ
張り試験を行い、強度、絞りを評価した結果を示してい
る。従来ろう付法に比べ本発明によるろう付では強度,
絞りともに高い値を示すことがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、Co基耐熱部材,Ni
基耐熱部材をその信頼性を低下させることなくろう付補
修が可能である。したがって、産業用ガスタービンの低
コスト補修が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろう付補修プロセスを示す図。
【図2】本発明の混合ろう材の配置を示す図。
【図3】従来ろう付熱サイクルを示す図。
【図4】本発明のろう付熱サイクルを示す図。
【図5】ろう付部におけるボイドフリー化のプロセスを
示す図。
【図6】ろう材の設置状況を示す図。
【図7】ボイド率に及ぼす冷却速度の影響を示す図。
【図8】ボイド率に及ぼす加熱冷却の繰り返し数の影響
を示す図。
【図9】本発明のろう付及び拡散プロセスを示す図。
【図10】ろう付部の断面組織の模式図。
【図11】接合部の引っ張り強度,絞りを示す図。
【符号の説明】
2−1…割れ、2−2,4−4…ストッパ、2−3,4
−2…混合ろう材、4−1…酸化物のない割れの表面、
4−3…ボイド。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 31/02 B23K 31/02 310H 35/30 310 35/30 310D 35/32 310 35/32 310C F01D 5/12 F01D 5/12 // C22C 19/00 C22C 19/00 L (72)発明者 和知 弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 小林 計 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 横場 範夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭56−30073(JP,A) 特開 平6−69387(JP,A) 特開 昭63−226031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/00 B23K 1/14 B23K 1/20 B23K 31/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体表面に発生した割れ内にろう材を埋め
    て前記割れを補修する補修方法において、前記ろう材を
    減圧下で該ろう材の融点以上の温度に加熱して前記割れ
    内に前記ろう材を侵透させる加熱工程、前記溶融してい
    るろう材を非酸化性ガス下で大気圧下で冷却しろう材を
    凝固させる凝固工程及び前記溶融工程及び凝固工程を繰
    返す繰返し工程を有することを特徴とする割れ補修方
    法。
  2. 【請求項2】基材表面に発生した割れ内部の酸化物を除
    去する除去工程、 ろう材粉末を前記割れ内部に充填又は前記割れの周囲に
    配置する配置工程、 前記ろう材粉末を減圧下で溶融点以上の温度に加熱する
    加熱工程、 溶融状態を有する前記ろう材を非酸化性ガス下及び大気
    圧下で急速冷却し凝固させる凝固工程、及び前記加熱工
    程及び凝固工程を繰返す繰返し工程を有することを特徴
    とする割れ補修方法。
  3. 【請求項3】基材表面に発生した割れ内部の酸化物を除
    去する除去工程、 前記基材に近似した成分の合金にボロン及びシリコンの
    1種以上を添加したろう材の粉末を前記割れ内部に充
    填、又は前記割れの周囲に配置する配置工程、 前記ろう材粉末を真空下で溶融点以上の温度に加熱し
    て、前記ろう材を溶融させる加熱工程、 溶融状態を有する前記ろう材を不活性ガス下及び大気圧
    下で1000℃以下の温度まで急速冷却し、凝固させる
    凝固工程、及び前記加熱工程及び凝固工程を繰返す繰返
    し工程を有することを特徴とする割れ補修方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、割れ表
    面内部の酸化物を機械的又は1100℃以上 の高温水素雰囲気に保持し除去することを特徴とする割
    れ補修方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記基
    材はCo及びNiを主成分とする耐熱合金からなり、前
    記ろう材は前記耐熱合金と同じ組成の合金又はその合金
    組成に近似した合金粉末にボロン及びシリコンの1種以
    上を0.1〜2wt% 添加した粉末、又は前記耐熱合金
    又は該合金に近似した合金の粉末を適当な割合に混合し
    た混合粉末からなることを特徴とする割れ補修方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、混合ろ
    う材を充填する場合及びろう材を割れの周辺に配置する
    場合ともにろう材量は補修する割れ体積の1.5 倍以上
    とすることを特徴とする割れ補修方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかにおいて、冷却速
    度を150℃/分以上とすることを特徴とする割れ補修
    方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、前記繰
    返し工程後に割れの外部のろう材を除去する工程を有す
    ことを特徴とする割れ補修方法。
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