JP3510385B2 - 水表面浮遊油膜の検出装置 - Google Patents

水表面浮遊油膜の検出装置

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JP3510385B2
JP3510385B2 JP16043295A JP16043295A JP3510385B2 JP 3510385 B2 JP3510385 B2 JP 3510385B2 JP 16043295 A JP16043295 A JP 16043295A JP 16043295 A JP16043295 A JP 16043295A JP 3510385 B2 JP3510385 B2 JP 3510385B2
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豊治 飯坂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水の表面に浮遊してい
る油膜を検出するための水表面浮遊油膜の検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】排水処理場や水を大量に使う各種の工場
等においては排水に所定の清浄化処理が施されたのち処
理水が場外に排出されるが、何らかの原因で処理水中に
油分が混入していることがある。処理水中に油分が混入
していると、たとえその量がわずかであっても、油分は
処理水の表面に油膜になって浮遊するため目立った状態
になるばかりか、それを取り除かないで放置すれば環境
を汚染することになる。
【0003】そのようなことから、排水処理場等におい
ては処理水を一旦監視槽に導き、ここで処理水の表面に
油膜が形成されているか否かが監視され、油膜が形成さ
れていると、油分の除去処理が施されてから場外に排出
される。
【0004】上記油膜の監視は、監視槽で処理水の流速
を遅くし、波立ちが起こらないようにして処理水の表面
を直接目視観察したり、あるいは処理水の表面をテレビ
カメラで撮影し、その映像を観察することによって行わ
れるのが一般的である。
【0005】また、通常の池やダム湖さらには閉水路な
ど、水の移動がないようなところにおいても、水面に浮
遊する油膜の存在が監視されることがあり、この場合も
上記と同様に水面の直接的な目視観察やテレビ映像の目
視観察が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の目視
観察による油膜の検出においては、そのための専任の要
員が必要になり、作業コストが嵩むという問題点を有し
ている。また、油膜の存否を常に注意深く観察しなけれ
ば確実に油膜の存在を検知することができないなど、油
膜の目視観察は非常に労働負荷の大きい業務であり、そ
の改善が嘱望されていた。
【0007】そこで、処理水の表面からの反射光を受光
器で受光し、この光をスペクトル分析することによって
油分の浮遊を検出するようにした光学系の油膜検出装置
を採用することが考えられる。このような油膜検出装置
を用いると、水面を常時監視する必要がなくなるため労
働負荷および作業コストの低減を図り得るが、光学系の
検出装置は非常に高価であり、設備コストが嵩むという
問題点を有している。
【0008】さらに、光学系の検出装置は、レンズの汚
れや外乱によって誤検出されることが多いという問題点
を有している。この誤検出をなくそうとすると、常にレ
ンズを磨く等のメンテナンス作業を行うとともに、外乱
が入るのを極力抑える方策をたてる必要があり、その結
果メンテナンスコストが嵩むという新たな問題点が発生
する。
【0009】そのようなことから、近年、静電容量式の
検出装置が提案され、実用化している。この検出装置
は、水面に油膜が存在するときの静電容量が、水のみの
場合の静電容量とは異なる値を示すという原理を利用し
たものであり、外周面に絶縁処理が施された一対の電極
を水中に浸漬し、これらの電極間の静電容量を測定する
ことによって油膜の存在を検出するようにしたものであ
る。
【0010】このような静電容量式の検出装置を用いる
と、上記光学系の検出装置が有しているような問題点は
解消されるが、水面に数mmオーダーの厚みの油膜が存
在していないと静電容量の差を検出することができず、
従って、水面に一様に薄層状態で拡散して浮遊している
油膜を検出し得ないという問題点を有していた。
【0011】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、設備コスト、およびメンテ
ナンスコストが安価で、かつ、確実に油膜の存在を検出
することが可能な水表面浮遊油膜の検出装置を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
水表面浮遊油膜の検出装置は、導電体からなる油膜検出
端子と、この油膜検出端子に対向して設けられた導電体
からなる対向端子と、これら油膜検出端子および対向端
子を水の表面部分に浸漬した状態で両端子間のインピー
ダンスを検出し、インピーダンス検出信号を出力するイ
ンピーダンス検出部とからなり、上記油膜検出端子が水
の表面部に浸漬するように垂下される支持板が設けら
れ、この支持板は水に浮上するフロートに搭載され、上
記対向端子として上記フロートが用いられていることを
特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項2記載の水表面浮遊油膜の
検出装置は、請求項1記載の水表面浮遊油膜の検出装置
において、上記インピーダンス検出部は、インピーダン
スの検出値が予め設定されたインピーダンスの閾値を越
えた状態で警報信号を出力する警報回路を有しているこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の水表面浮遊油膜の検出装置
によれば、油膜検出端子と、対向端子とを水の表面部分
に浸漬し、この状態で両端子に交流電圧を印加すると、
両端子間に水を介して交流電流が流れる。この交流電流
は、インピーダンス検出部において検出され、インピー
ダンス検出信号として出力されるため、この検出信号に
基づいてインピーダンス値を出力表示する出力装置を設
け、この出力装置に上記検出信号を入力することによっ
て、上記検出されたインピーダンス値が出力装置に表示
される。
【0015】そして、水面に油膜が存在するときには、
この油膜が油膜検出端子の表面を被覆した状態になるた
め、両端子間のインピーダンスの値は、水のインピーダ
ンスの値と油膜のインピーダンスの値との合計値になる
ため、水のみのインピーダンスの値よりも大きくなる。
従って、上記出力装置に出力されたインピーダンスの値
によって水面における油膜の存否を知ることができる。
【0016】また、水面にフロートを浮上させることに
よって、フロート上のケーシングから垂下した油膜検出
端子が水の水面部分に浸漬された状態になる。そして、
油膜検出端子は対向端子としてのフロートに対向した状
態になるため、交流電圧を上記油膜検出端子およびフロ
ートに印加することによって両者の間に水を介して交流
電流が流れる。この電流はインピーダンス検出部で検出
される。
【0017】上記請求項2記載の水表面浮遊油膜の検出
装置によれば、インピーダンス検出部は、インピーダン
スの検出値が予め設定されたインピーダンスの閾値を越
えた状態で警報信号を出力する警報回路を有しているた
め、水面に油膜が浮遊しているときには警報回路から警
報信号が出力される。従って、この警報信号に基づいて
警報を発する出力装置を設け、この出力装置に上記警報
信号を入力することによって油膜の存在が警報され、水
面を常時監視する必要がなくなる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明に係る水表面浮遊油膜の検出
装置の一例を示す一部切欠き斜視図であり、図2はその
部分断面図である。また図3は、図2の要部をさらに拡
大した部分拡大断面図である。図1および図2に示すよ
うに、油膜検出装置1は、一対のフロート(対向端子)
2と、これら一対のフロート2に取り付けられた支持部
材3と、この支持部材3の中央部に設けられた油膜検出
部材4とから構成されている。
【0019】上記各フロート2は、内部に空洞が形成さ
れるように金属製の円筒体の両端部が閉止されて形成さ
れている。これらのフロート2は、見掛け比重が水の比
重よりも小さくなるように比重設定され、水に浮くよう
にしている。本実施例においては、フロート2はステン
レススチール製にしている。
【0020】上記支持部材3は、一対のフロート2間に
差し渡された一対の支持腕31と、これら一対の支持腕
31の中央部間に架橋された支持板32とから構成され
ている。この支持板32の中央部には、図2および図3
に示すように、装着孔33が設けられ、この装着孔33
に上記油膜検出部材4の下部が嵌装されて固定され、こ
れによって油膜検出部材4が支持板32に取り付けられ
た状態になっている。
【0021】上記油膜検出部材4は、図2に示すよう
に、筒状のケーシング41と、このケーシング41に内
装された中継器42と、上記ケーシング41の底部から
垂下された保護管43と、この保護管43の下端開孔か
ら下部に垂下された導電体からなる油膜検出端子5とを
備えている。上記ケーシング41は、ケーシング本体4
1aと、このケーシング本体41aの上面開口を閉止す
る蓋体41bとから構成されている。上記ケーシング本
体41aの一側部には配線を引き出すための開孔を有す
る配線引出部41cが設けられている。
【0022】上記保護管43は、支持締結構造6を介し
て上記装着孔33内に嵌装され、支持締結構造6の締結
操作によって油膜検出部材4が支持板32に固定される
ようになっている。上記保護管43の外周面には雄ネジ
の螺設された雄ネジ部43aが形成されている。
【0023】上記支持締結構造6は、図3に示すよう
に、下部が上記装着孔33に嵌入される支持管61と、
この支持管61の胴部中央に設けられたフランジ部62
と、上記支持管61の上部に螺着されるロックナット6
3とから構成されている。上記フランジ部62の適所に
は貫通孔62aが穿設されているとともに、支持板32
には上記貫通孔62aに対応した貫通孔32aが穿設さ
れており、これらの貫通孔62a,32aにボルトBを
挿通し、ナットで締結することによって支持管61が支
持板32に固定されている。また、支持管61のフラン
ジ部62より上部の外周面には雄ネジの螺設された雄ネ
ジ部61bが形成されている。
【0024】上記支持管61の内周面には上記保護管4
3の雄ネジ部43aに対応した雌ネジ部61aが形成さ
れており、上記雄ネジ部43aをこの雌ネジ部61aに
螺着することによって保護管43が支持管61を介して
支持板32に取り付けられている。そして、保護管43
の支持管61に対する捩じ込み量を調節することによっ
て、保護管43の支持管61下部からの突出量を変更す
ることができるようにしている。
【0025】上記ロックナット63は、その内周面に上
記支持管61の雄ネジ部61bに対応した雌ネジ部63
aを有しているとともに、頂部に保護管43を挿通し得
る挿通孔63bが穿設されている。この挿通孔63bの
内径は上記雌ネジ部63aの内径よりも小さく寸法設定
され、これによってロックナット63の頂部に係止リン
グ63cが形成されている。
【0026】一方、上記保護管43の雄ネジ部43aの
上部には、ロックナット63の雌ネジ部63aの内径よ
りも若干小さい外径を有する鍔部43bが設けられてい
る。そして、ロックナット63を締め付けることによ
り、ロックナット63の係止リング63cが鍔部43b
を下方に押圧し、これによって、保護管43の緩み止め
が行われるようにしている。
【0027】上記保護管43の内部にはリード線Lを挿
通する内管44が設けられ、この内管44の下端部に合
成樹脂製の絶縁管7が取り付けられ、さらにこの絶縁管
7の下端部に円柱状の油膜検出端子5が取り付けられて
いる。具体的には、上記内管44の下端部には、上部よ
りも外径が小さい雄ネジ部44aが形成され、一方、絶
縁管7の上端部内周面には上記雄ネジ部44aに対応し
た雌ネジ部7aが形成され、この雌ネジ部7aをポリテ
トラフルオロエチレン製のブッシュ71およびゴム製の
環状パッキン72を介して内管44の雄ネジ部44aに
螺着することによって絶縁管7が内管44に固定される
ようになっている。本実施例においては、上記絶縁管7
はポリテトラフルオロエチレン製とされている。
【0028】本実施例においては、上記油膜検出端子5
はステンレススチール製とされている。そして、その表
面は研磨処理を施して滑らかにしている。また、油膜検
出端子5の上部には外周面に雄ネジの螺設された雄ネジ
部51が形成されている一方、絶縁管7の下端部の内周
面には上記雄ネジ部51に対応した雌ネジ部7bが形成
され、この雌ネジ部7bに上記雄ネジ部51を螺着する
ことによって油膜検出端子5が絶縁管7の下端部に固定
されるようにしている。上記雄ネジ部51の上面部には
リード線Lの先端部が溶接その他で接続されている。そ
して、上記絶縁管7によって油膜検出端子5が内管44
や保護管43との間で短絡するのを確実に防ぐようにし
ている。なお、上記油膜検出端子5はステンレススチー
ル製にする代わりに、その他の金属製にしてもよく、ま
た炭素や導電性を有するセラミックス製にしてもよい。
【0029】上記中継器42は、図2に示すように、交
流電源Xから供給された電力を所定の電圧および周波数
に変換して油膜検出端子5および対向端子としてのフロ
ート2に供給する電力変換回路42aと、上記油膜検出
端子5およびフロート2間のインピーダンス値を検出す
るインピーダンス検出部42bとを有している。
【0030】上記電力変換回路42aの出力側の一方の
端子は、リード線Lの基端側に接続されているととも
に、同他方の端子は図略のリード線、保護管43、支持
管61、支持板32および支持腕31を介してフロート
2に接続されている。従って、交流電源Xからの交流電
圧を電力変換回路42aを介して油膜検出端子5および
フロート2に印加することにより、図2中に波線で示す
ように、油膜検出端子5およびフロート2の間に介在し
た水Wに交流電流が流れることになる。
【0031】上記インピーダンス検出部42bは、上記
水Wに流れた交流電流の電流値を計測することによって
インピーダンスの値を求める検出回路42cと、インピ
ーダンスの検出値が予め設定されたインピーダンスの閾
値を越えた場合に警報信号を出力する警報回路42dと
を有している。そして、上記検出回路42cが検出した
インピーダンスの値は、検出信号としてリード線を介し
て外部の出力装置8に入力され、出力装置8で表示出力
されるようにしている。また、上記警報回路42dで生
じた警報信号もリード線を介して出力装置8に入力さ
れ、表示出力または音声出力されるようにしている。
【0032】以下本発明の作用について説明する。水W
の表面に油膜が浮遊しているか否かを検出するに際して
は、まず、図1に示すように監視槽等の内部を流れる水
Wに油膜検出装置1を浮かべ、フロート2の端部を白
き矢印で示す水Wの流れの方向に向け、一対のフロート
2間を水Wが流れるようにする。そして、油膜検出端子
5の略下半分を水没させるようにする。油膜検出端子5
の水没量は、保護管43の支持管61に対する捩じ込み
量を変更することによって調節することができる(図3
参照)。
【0033】この状態で交流電源Xからの交流電力を変
換器42に供給し、電力変換回路42aを介して油膜検
出端子5およびフロート2に交流電圧を印加する。そう
すると、油膜検出端子5とフロート2との間に水Wのイ
ンピーダンス値に対応した交流電流が流れる。この交流
電流のインピーダンス値は、インピーダンス検出部42
bの検出回路42cによって検出され、検出信号が出力
装置8に向けて出力されるため、出力装置8においてそ
の値が表示出力される。
【0034】そして、水Wの表面に油が浮遊している場
合には、油膜検出端子5の表面は油膜によって被覆され
た状態になるため、油膜検出端子5とフロート2との間
のインピーダンスの値は、水Wのインピーダンスの値に
油膜のインピーダンスの値を加えたものになり、その値
は水Wのみの場合に比較して大きくなるため、出力装置
8におけるインピーダンスの表示出力値は油膜がないと
きよりも大きくなる。また、検出されたインピーダンス
の値が予め設定された閾値を越えると、警報回路42d
から警報信号が出力装置8に入力され、これによって出
力装置8は警報を出力するため、水Wに油膜が浮遊して
いることが判る。
【0035】水Wの表面に油が浮遊している場合に、油
膜検出端子5の表面が油膜によって被覆されるのは以下
の理由による。すなわち、表面が滑らかな金属に対する
水の表面張力は略60dyn/cmであるのに対して、
同金属に対する油の表面張力は20〜30dyn/cm
と小さく、従って油の方が水よりも金属の表面に付着し
易い性質を有しているからである。そして、水と油との
接触角は116°と大きく、相互に混ざり合わない性質
を有しているため、表面が滑らかな金属を油膜が浮遊し
ている水に漬けると、金属に付着しやすい油が金属の表
面を覆い、一旦金属の表面が油で覆われるとこの油が水
を排斥し、これによって油による金属の被覆状態が安定
するのである。
【0036】上記油膜の検出について図4〜図7を基に
さらに詳細に説明する。まず図4は、水に油膜が浮遊し
ていない状態を示す説明図であり、図5は、その時の油
膜検出装置の等価回路を示す回路図である。すなわち、
図4に示すように、水Wの表面に油膜が浮遊していない
とき、交流電源Xから供給された交流電流が油膜検出端
子5およびフロート2間に流れる。この閉回路は、図5
に示すように、交流電源Xの一方の出力端子を起点と
し、油膜検出端子5とフロート2との間に設けられたイ
ンピーダンス値が「Z0(Ω)」の抵抗R0(水Wの抵抗
に相当)と、電流計I(検出回路42cに相当)とを直
列に接続した等価回路で表現することができる。従っ
て、交流電源Xの電圧実効値を「e(V)」とすれば、
等価回路を流れる電流実効値「i0(A)」は、 i0=e/Z0・・・・・・・(1) になり、電流計Iにはこのi0の値が表示される。そし
て、Z0の値は(e/i0)であり、この値が検出回路4
2cで演算され、出力装置8(図2)に向けて出力され
ることになる。
【0037】これに対して、水Wの表面に油膜Fが存在
している場合には、図6に示すように、油膜検出端子5
の表面が油膜Fで被覆された状態になるため、その等価
回路は、図7に示すように、油膜検出端子5とフロート
2との間に設けられたインピーダンス値が「Z
1(Ω)」の抵抗R1(油膜Fの抵抗に相当)と、インピ
ーダンス値が「Z0(Ω)」の上記抵抗R0(水Wの抵抗
に相当)とが直列に接続されたものになり、等価回路を
流れる電流実効値「i1(A)」は、 i1=e/(Z0+Z1)・・・(2) になる。従って、(2)式によって計算されたi1の値
は、上記(1)式で計算されたi0の値よりも小さくな
り、この値が電流計Iに表示されることになるため、こ
の表示によって水Wの表面に油膜Fが存在することを知
ることができる。
【0038】実際には、検出回路42c(図2)で(e
/i1)が演算され、これによって油膜Fと水Wとの合
計のインピーダンス値(Z0+Z1)が算出され、この値
が検出信号として出力装置8に入力され、出力装置8に
おいてこのインピーダンス値が出力表示されたり、イン
ピーダンス値が閾値を越えているときには警報出力され
るようにしている。
【0039】本発明の油膜検出装置1の検出精度を調べ
るために、所定の容器に水面の面積が1m2になるよう
に1m3の水を満たし、これに数滴の油を垂らした状態
で油膜検出端子を水の表面部分に浸漬し、インピーダン
スを測定する試験を行った。試験の結果、2mlの油を
垂らした状態で油膜の存在を検出し得ることが確認され
た。
【0040】以上の実施例においては、ケーシング41
内に電力変換回路42aおよびインピーダンス検出部4
2bが内装されているが、本発明は、ケーシング41内
に電力変換回路42aおよびインピーダンス検出部42
bが内装されることに限定されるものではなく、双方を
地上側に配置したり、あるいは一方(例えば電力変換回
路42a)を地上側に配置するようにし、シールド線を
介して各電極(フロート2および油膜検出端子5)に接
続するようにしてもよい。
【0041】また、上記の実施例においては、上記イン
ピーダンス検出部42bは検出回路42cと警報回路4
2dとから構成されているが、インピーダンス検出部4
2b内に、検出されたインピーダンスの値の所定時間ご
との平均値(単純平均あるいは移動平均)を求める平均
値処理回路を設け、これによって経時的に平均されたイ
ンピーダンスの値を出力するようにしてもよい。こうす
ることによって、水面の波立ち等によるインピーダンス
値の極部的な変動が平準化された出力を得ることができ
るようになり、誤検出を確実に抑止する上で有効であ
る。
【0042】また、上記の実施例においては、油膜検出
装置1は水流の存在する監視槽等に配置するようにして
いるが、本発明は、油膜検出装置1を水流の存在すると
ころに配置することに限定されるものではなく、通常の
池やダム湖あるいは閉水路等、水の移動のないところで
使用してもよい。
【0043】本発明は、以上詳述したように、水Wの表
面部分に油膜検出端子5の先端部を浸漬し、この油膜検
出端子5とフロート2との間のインピーダンス値を計測
することによって油膜Fの存在を検出するようにしたも
のであるため、従来の光学系の装置を用いて水面の反射
光をスペクトル分析するようにしたものに比べて構造が
極めて簡単であり、ほとんどメンテナンスフリーで使用
することができるとともに外乱に対して強く、設備コス
トおよびメンテナンスコストの低減を図った上で信頼性
のある油膜存在の有無を検出を行うことができ、油膜の
検出を安価にかつ的確に行う上で極めて有用である。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の水表面浮遊油膜
の検出装置は、導電体からなる油膜検出端子と、この油
膜検出端子に対向した導電体からなる対向端子と、これ
ら油膜検出端子および対向端子を水の表面部分に浸漬し
た状態で両端子間のインピーダンスを検出し、検出結果
をインピーダンス検出信号として出力するインピーダン
ス検出部とからなるものであるため、油膜検出端子と、
対向端子とを水の表面部分に浸漬し、この状態で両端子
に交流電圧を印加することによって、両端子間に水を介
して交流電流が流れる。この交流電流は、インピーダン
ス検出部において検出され、インピーダンス検出信号と
して出力されるため、この検出信号に基づいてインピー
ダンス値を出力表示する出力装置を設け、この出力装置
に上記検出信号を入力することによって、上記検出され
たインピーダンス値が出力装置に表示される。
【0045】そして、水面に油膜が存在するときには、
この油膜が油膜検出端子の表面を被覆した状態になるた
め、両端子間のインピーダンスの値は、水のインピーダ
ンスの値と油膜のインピーダンスの値との合計値になる
ため、水のみのインピーダンスの値よりも大きくなり、
上記出力装置に出力されたインピーダンスの値によって
水面における油膜の存否を知ることができる。
【0046】このように、油膜検出端子と対向端子とを
水の水面部分に浸漬し、これらに交流電圧を印加するだ
けで容易に水面に浮遊している油膜の存在を検出するこ
とが可能になり、従来の水面を監視する方法に比べて労
働負荷が軽減されるとともに人件費の削減を図ることが
可能になる。また、従来の光学的な検出装置を採用する
場合に比べて、設備コストおよびメンテナンスコストが
安価であり、しかも外乱に強く信頼性のある検出結果を
得る上で優れている。さらに、静電容量式の検出装置で
は到底検出し得なかった、水面に薄層を形成するように
拡散した油膜をも確実に検出することが可能であり、検
出精度の面で優れている。
【0047】また、ケーシングがフロートに搭載され、
このケーシングから水の表面部に浸漬するように油膜検
出端子が垂下され、上記対向端子として上記フロートが
用いられているため、油膜検出対象の水面にフロートを
浮かべるだけで油膜の検出を容易に行うことが可能にな
り、検出装置を対応性に富んだものにする上で極めて有
効である。
【0048】本発明の請求項2記載の水表面浮遊油膜の
検出装置によれば、インピーダンス検出部は、インピー
ダンスの検出値が予め設定されたインピーダンスの閾値
を越えた状態で警報信号を出力する警報回路を有してい
るため、水面に油膜が存在するときには警報回路から警
報信号が出力される。従って、この警報信号に基づいて
警報を発する出力装置を設け、この出力装置に上記警報
信号を入力することによって、上記油膜の存在が警報さ
れるため、常時監視することなく水面に浮遊している油
膜の存在を容易にかつ確実に知ることができ、油膜検出
作業を合理化する上で好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油膜検出装置の一例を示す斜視図
である。
【図2】図1の油膜検出装置の部分拡大断面図である。
【図3】図2の要部を拡大した部分拡大断面図である。
【図4】水に油膜が浮遊していない状態を示す説明図で
ある。
【図5】図4の水に油膜が浮遊していない状態における
インピーダンス検出の等価回路を示す回路図である。
【図6】水に油膜が浮遊している状態を示す説明図であ
る。
【図7】図6の水に油膜が浮遊している状態におけるイ
ンピーダンス検出の等価回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 油膜検出装置 2 フロート 3 支持部材 31 支持腕 32 支持板 33 装着孔 4 油膜検出部材 41 ケーシング 42 変換器 42a 電力変換回路 42b インピーダンス検出部 42c 検出回路 42d 警報回路 43 保護管 43b 鍔部 44 内管 5 油膜検出端子 51 雄ネジ部 6 支持締結構造 61 支持管 62 フランジ部 63 ロックナット 7 絶縁管 8 出力装置 W 水 F 油膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体からなる油膜検出端子と、この油
    膜検出端子に対向して設けられた導電体からなる対向端
    子と、これら油膜検出端子および対向端子を水の表面部
    分に浸漬した状態で両端子間のインピーダンスを検出
    し、インピーダンス検出信号を出力するインピーダンス
    検出部とからなり、上記油膜検出端子が水の表面部に浸
    漬するように垂下される支持板が設けられ、この支持板
    は水に浮上するフロートに搭載され、上記対向端子とし
    て上記フロートが用いられていることを特徴とする水表
    面浮遊油膜の検出装置。
  2. 【請求項2】 上記インピーダンス検出部は、インピー
    ダンスの検出値が予め設定されたインピーダンスの閾値
    を越えた状態で警報信号を出力する警報回路を有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の水表面浮遊油膜の検
    出装置。
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