JP3505674B2 - ステッピングモータ用負荷トルク測定方法 - Google Patents

ステッピングモータ用負荷トルク測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ステッピングモータ用
負荷トルク測定方法に関し、特にモータ実装状態での実
負荷トルク測定を可能とするステッピングモータ用負荷
トルク測定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ステッピングモータはパルスによってデ
ジタル的に高精度に回転位置(角度)や回転速度を制御
でき、マイコンを使用することができるため、今日きわ
めて広範囲な分野において機構駆動源として使用されて
いる。例えば、近年急速に技術が発展し、市場が拡大し
ているFDD,HDD,プリンタ、電子タイプライタ、
ファクシミリ、PPC複写機、レコーダプロッター等の
OA機器や産業用ロボット等のFA機器においてその使
用が急拡大している。これらステッピングモータ搭載機
器の開発、製造、品質管理上、モータ軸での負荷トルク
の測定及び管理は重要であるにも拘らず、その測定を高
精度で行うことは従来非常に困難であった。これは、例
えばモータ以降の機構部に平ギア減速機構を用いる場
合、モータ出力軸に取り付けたピニオンギアと、このギ
アと噛合う初段ギアとの噛合い状態を浅くすると負荷ト
ルクは100(gーcm)に、また深く(強く押し付け
ると)300(gーcm)になるというようにトルクが
大きく変動してしまうからである。また、その他の減速
ギアの噛合いも初段から遠ざかるにつれて影響は小さく
なるものの変動要因となっている。その他、機構部部品
の真円度(偏心)や軸間距離精度、メカ組立上の平行度
等の組立精度、タイミングベルトやワイヤのテンション
等によっても負荷トルクが大きく変動してしまうという
問題があるからである。 【0003】従来かかるステッピングモータに発生する
トルクの大きさ(負荷がモータに要求するトルクの大き
さ)を測定する方法としては、実際に使用するモータと
形状が等しく、コイル、マグネット等をもたないダミー
・モータを被測定系(機構部)に装着し、モータピニオ
ンに設けられたモータ出力軸にコレットチャック等を介
してトルクゲージを接続し、手動等によりモータを回転
して測定する方法がある。また、実際に使用するステッ
ピングモータと同仕様のモータで反出力軸側にもトルク
測定軸を出した両軸仕様として特別に製作したモータを
機構部に実装してトルクゲージのコレットチャックをト
ルク測定軸に結合して測定する方法もある。更に、モー
タ出力軸にプーリーを取り付け、プーリーに巻かれた糸
を引いてプーリー半径r(cm)と、バネバカリの力F
(g)から負荷トルクT(gーcm)をT=F×rとし
て求める方法がある。また、直流モータの電流/トルク
特性等を利用したトルク計を用いたり、モータと負荷の
間にトルクゲージ等を介在させる方法もある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、モータ
のトルクを測定する方法としては種々方法が従来使われ
ているが、どれも満足できるような精度の測定が困難で
ある。すなわち、ダミー・モータを用いる方法やプーリ
ーとバネバカリを用いる方法では、負荷に任意の回転数
を与えることが困難であり、前者の方法ではトルクゲー
ジの傾きによるサイドロードの影響に起因する負荷トル
クの増加が避けられないし、後者の方法でもプーリーの
安定取り付けが難しく、同様にサイドロードの影響が避
けられない。また、実際に使用するステッピングモータ
と同仕様モータを用いる方法では、モータのロータには
マグネットがあるため、マグネットの保持トルク(ディ
テントトルク)を含めて測定せざるを得ず、ロータを回
すとマグネット回転によりステータコイルに発電が起こ
り、この発電電流で発電制動(ブレーキトルク)が生じ
たり、トルクゲージの傾きがモータ軸受のサイドロード
となって実際より負荷トルクが増加したりするため、正
確な測定は不可能である。更に、直流モータの電流/ト
ルク特性等を利用する方法では、測定を行う都度、モー
タを取り外す必要がある。また、モータを取り付ける際
のピニオンとギヤとの噛合わせ具合い等により、負荷ト
ルクは微妙に変化するため、現実には、組み上げられた
実機において、モータがどれほどのトルクを発生してい
るかを知ることはできない。 【0005】以上、従来のトルク測定方法では、モータ
と負荷が組み上げられた状態でモータから発生するトル
クを高精度で測定することは不可能であった。つまり、
量産に用いるモータ個々のモータピニオンと初段ギヤ噛
合いバラツキやモータタイミングプーリーとタイミング
ベルトのテンションで負荷トルクがどうなっているかを
知りたいのに、代替手段で実機実装と乖離した手段で負
荷トルクを類推するしか手段がなかった。したがって、
モータ発生トルクと負荷トルクとの差、トルクマージン
を知ることができず、量産においては電圧変動試験、温
度試験、エージング試験、印字試験等、市場への出荷ま
でに多大な費用と時間をかけて信頼性を確認して出荷し
ているのが実情である。例えば、機構部が動かないと
き、その原因は設計者のトルクマージン不足なのか、製
造現場の組立調整不良なのか等、トラブルが絶えず、原
因究明においてもモータが不良でトルクが低過ぎるか、
メカの不良部分等を時間をかけて調査しなければならな
かった。 【0006】そこで、本発明の目的は、モータと負荷が
結合された、実機機構部に量産で用いるモータそのもの
を実装した状態であっても負荷トルクの測定を可能とす
るステッピングモータ用負荷トルク測定方法を提供する
ことにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明によるステッピングモータ用負荷トルク測定
方法は、予め第1のステッピングモータを用い、該第1
のステッピングモータに加わる負荷トルクと駆動電流情
報との関係を測定してメモリに記憶しておき、実機機構
部に実装した前記第1のステッピングモータと同一仕様
の第2のステッピングモータに実負荷が加わったときの
実駆動電流情報を測定し、得られた実駆動電流情報に基
づいて、前記メモリに記憶されている負荷トルクと駆動
電流情報との関係と照合することにより前記負荷を定め
て出力するように構成されている。 【0008】 【作用】本発明では、先ず、第1のステッピングモータ
を用い、該第1のステッピングモータに加わる負荷トル
クと駆動電流情報との関係を測定して基準データとして
メモリに記憶しておき、次に実測の際、実機機構部に実
装した上記第1のステッピングモータと同一仕様の第2
のステッピングモータに実負荷が加わったときの実駆動
電流情報を測定する。こうして得られた実駆動電流情報
を、上記メモリに記憶されている負荷トルクと駆動電流
情報との関係と照合して実負荷を求めている。 【0009】 【実施形態】次に、本発明について図面を参照しながら
説明する。本発明は、ステッピングモータのコイルに流
れる電流(駆動電流)が負荷トルクに対応した固有の波
形、ピーク値等、特有の特徴をもっており、この特徴に
基づいて実負荷を測定するものである。したがって、上
述の如く、予め基準負荷トルク発生機から発生される負
荷トルクをステッピングモータに与えたとき得られるコ
イル電流についての特徴を測定により得て記憶してお
き、ステッピングモータを一体的に組み上げた実機機構
部を結合したときの任意の負荷状態での駆動電流波形を
測定、得られたコイル電流特徴と上記記憶された特徴と
を比較することによって実負荷の測定を可能としてい
る。 【0010】ところで、ステッピングモータのコイル構
造には、モノファイラ巻(単巻)とバイファイラ巻(2
重巻)の2種があり、前者はバイボーラ駆動回路で、後
者はユニポーラ駆動回路で駆動される。また、駆動回路
のコイルに電流を流す部分のみを抜出した励磁回路の種
類としては、一定電圧でコイル励磁を行う定電圧方式
と、2種類の電圧でコイル励磁を行う2電圧方式と、一
定の励磁電流がコイルに流れるように制御する定電流チ
ョッピング方式とがあるが、いずれの方式においてもト
ルクの大きさにより電流波形の変化(特徴情報の変化)
を実験により確認できた。特に、定電圧励磁のユニポー
ラ、バイポーラ駆動は電流波形の変化が顕著であること
を確認した。 【0011】電流波形を測定する周波数としては、10
(PPS)等の低周波数から負荷時最高自起動周波数、
場合によっては周波数をスローアップさせた負荷時最高
連続応答周波数まで可能である。特に、共振、乱調周波
数領域を避けた安定な電流波形が得られる周波数領域が
望ましいことも判明した。量産しているモータ個体のト
ルク特性にはバラツキがあるが、そのバラツキは、PM
型ステッピングモータで±10%以下、HB型ステッピ
ングモータで±5%以下であるので本発明による測定方
法は充分に実用に供する。一実験によれば、量産品のフ
ァクシミリの受信部機構の平歯車減速部において、モー
タ出力軸のピニオンギアと初段ギヤの噛合いを適正にし
た場合に負荷トルクは100〜130(gーcm)あ
り、モータピニオンギヤを初段ギヤに寄せて組付けたと
きは250〜300(gーcm)となった。このよう
に、モータ個体間のトルク特性のバラツキ±5〜±10
%に比べ、機構部の組付け、調整によるバラツキは±1
00%もあるのが実情である。すなわち、上記既知トル
クと特徴情報との関係を求める際に使われるステッピン
グモータと、実際にファクシミリ等の装置に組み上げら
れた実機のステッピングモータ間のモータ個体間のトル
ク特性のバラツキは、機構部の組み付け、調整によるバ
ラツキと比較して小さく、別個体のモータで測定しても
実質的な測定精度の問題は生じない。 【0012】図1は本発明によるステッピングモータ用
負荷トルク測定方法を実現する一実施形態例を示す全体
構成図である。ステッピングモータ1(本例では4相ユ
ニポーラモータ)の各巻線(バイファイルコイル)ΦA
,ΦA-,ΦB ,ΦB-の一端は、コネクタ5を介して印
加されている外部電源VMと接続され、他端はコネクタ
6を介して各巻線対応のスイッチングトランジスタQ
1,Q3,Q2,Q4が接続されている。スイッチング
トランジスタQ1〜Q4を所定のタイミングで動作させ
ることによって各巻線へのパルス供給を制御し、励磁を
切り換えている。スイッチングトランジスタQ1〜Q4
はステッピングモータを駆動する駆動回路7を構成して
いる。 【0013】コントローラ9は、上記巻線へのパルス供
給タイミングの基準となるクロック(図2に示すCLO
CK)を発生する発振回路やステッピングモータの回転
角度(位置)を定める位置決め回路等を含み、時計方向
回転用クロックCW、反時計方向回転用クロックCC
W、励磁モード信号を発生する。分配回路8は、クロッ
クCLKと励磁モード信号を受け、図2に示す如く、各
巻線に2ー2相励磁におけるパルスSΦA ,SΦB ,S
ΦA-,SΦB-を供給すべくスイッチングトランジスタQ
1〜Q4を制御する。こうして供給されたパルスによっ
て各巻線ΦA ,ΦB ,ΦA-,及びΦB-に流れる一般的な
電流iA,iB,iA−及びiB−が図2に示されてい
る。 【0014】さて、先ず、基準負荷トルク発生機3をカ
ップリング4を介してモータ仕様の確定している良品モ
ータであるマスターモータとしてのステッピングモータ
1の出力軸に結合して、トルクを変化させる。このと
き、モータ駆動電圧、モータ駆動周波数、励磁モード、
コイル励磁切換用スイッチングトランジスタ及び付帯す
るコイル逆起電力吸収回路(図示せず)を特定する。ト
ルク変化と対応してコイル電流も変化するのであるが、
コイル電流の測定は、各巻線のうち任意の巻線に挿入し
た電流検出部10(本例では、巻線ΦB-に挿入されてい
る)を設け、コイル電流iB-を検出する。このコイル
電流iB-は、アンプ11で増幅され、スイッチ12の
端子S1を介して特徴抽出部13に供給される。特徴抽
出部13における特徴抽出は、トルク対電流波形の特徴
を抽出するもので、特徴としては種々の情報(パラメー
タ)がある。例えば、図3には、負荷トルクTLをパラ
メータとして、0,100,200,300(gーc
m)と変化させたときのコイル電流(駆動電流)の変化
が示されている。この変化(電流波形)から、ステッピ
ングモータの駆動電流は、一般に知られているようにイ
ンダクタンスと抵抗の直列回路から成る等価回路で表す
ことは適切ではなく、インダクタンスと抵抗の他に、投
入電力を2次側(ロータ)に渡すために等価的に生ずる
逆起電力を考慮すべきことが明らかである。 【0015】今、注目している相に適切な電圧が印加さ
れると(自相電流投入点)、該当相の電流は急速に立上
がり始める。やがて、電流の上昇は緩慢になり、極大値
iPに達した後、減少に転ずる。モータは2相励磁され
ているので、該当相に電圧が印加されている期間の半ば
で、他の相にも電圧が印加され始める(他相電流投入
点)。この時点において、該当相の電流波形には、図中
明示されていないが、わずかのくびれが生ずる。その後
は、負荷トルクの大きさにも依存するが、コイル電流は
しばらく減少を続け、極小値に至る。それ以後、電流は
急速に上昇し、最大(極大)値を示した時点で該当相へ
の電流は、駆動回路によって遮断される(自相電流遮断
点)。図からも明らかなように、駆動電流の平均値は、
負荷トルクを変動させても、それほど変わらないが、該
当相に電流が流れ始めてから他相電流投入点までの間の
電流変化は顕著である。例えば、同図における負荷トル
クと電流の極大値iPに着目し、データ補間処理を行う
と、図4に示すような関係が得られる。負荷トルクTL
=0(gーcm)のときはiP=25(mA)、TL=
300(gーcm)のときはiP=60(mA)程度で
あり、この間は負荷トルクの増大に従って電流が滑らか
に増大することが判明する。この極大値の発生するタイ
ミングは略一定することから、例えば電流立上がりから
周期の30%の時間経過時の電流値を特徴情報として用
いることができる。 【0016】図1の特徴抽出部13は、上述のように、
アンプ11から出力される駆動電流の電流立上がり変化
区分内における上記極大値と負荷トルク間の対応関係を
トルク対電流データとして抽出する。尚、特徴抽出部1
3において抽出される特徴としては上記極大値に限ら
ず、負荷トルクとの関係で特徴的な情報を任意に選定し
て用いることができる。基準負荷トルク発生機3から発
生する負荷トルクは、例えば、モータの脱調するトルク
を100%とすると、無負荷トルクを0%とし、20
%,40%,60%,80%の5ポイントとすることが
できる。こうして抽出された特徴情報(本例ではトルク
対電流極大値情報)は基準値としてROMやフロッピー
ディスク等の基準値メモリ14に記憶される。 【0017】一方、実機機構部2をカップリング4によ
りステッピングモータ1に結合して実負荷を測定する場
合には、スイッチ12を切り替えて端子S2側に接続す
るとともに、マスターモータのモータ駆動条件と同一条
件に設定する。電流検出部10で検出される駆動電流
は、アンプ11で増幅された後、スイッチ12の端子S
2を介して特徴抽出部15に送出される。特徴抽出部1
5は、アンプ11からのコイル電流を受け、上記特徴情
報として当該電流の極大値iPを抽出して測定値メモリ
16に一時記憶せしめる。照合判断部17は、コントロ
ーラ9からの同期信号に応答して測定値メモリ16から
読み出した極大値iP情報と、基準値メモリ14に記憶
されている図4に示すようなトルク対電流関係データと
を照合し、実負荷トルクを判断して出力する。例えば、
特徴抽出部15で得られる極大値iPが43mAであれ
ば、図4の関係から実負荷は150(gーcm)である
と判断する。このようにして得られた負荷トルクデータ
はディスプレイ18に表示され、またプリンタ19によ
って印字される。尚、特徴抽出部13と15は共通化す
ることができる。また、較正に用いるモータと、実機に
用いるモータとは同型ではあるが、別個体であることは
勿論である。すなわち、基準トルク発生機3がカップリ
ング4を介して結合されている較正に用いるステッピン
グモータ1と、被測定対象となる実機機構部2が結合さ
れているステッピングモータ1とは、同じ仕様ではある
が、別のステッピングモータであり、前述の如く、上記
既知トルクと特徴情報との関係を求める際に使われるス
テッピングモータと、実際にファクシミリ等の装置に組
み上げられた実機のステッピングモータとが互いに同仕
様のものであればモータ個体間のセンサ特性のバラツキ
は、機構部の組み付け、調整によるバラツキと比較して
小さく、別個体のモータで測定しても実質的な測定精度
の問題は生じない。 【0018】以上の実施形態は、電流波形の特徴抽出に
ついての構成であるが、電源インピーダンスが比較的高
い装置の場合には、電流の変化により電源電圧が変化す
るので、電流波形の代わりに電圧波形を用いることもで
きる。 【0019】図5は、図1の実施形態における特徴抽出
部13と15の一構成例を示すブロック図である。本実
施形態においては、「自相電流投入点」から一定時間後
(本例では、約3ms)に一瞬閉じられるスイッチS1
の動作に応答したバッファアンプ51を通ったアンプ1
1からの電流によりダイオードDを経てコンデンサCが
充電され、極大値iPの近似値を保持する。次の期間で
の測定に備え、コンデンサCはスイッチS2によって周
期的に(自相電流投入時点で)放電される。コンデンサ
Cの電位は、バッファアンプ52でバッファされ、駆動
電流保持値(最大値情報)として出力される。これらの
信号波形とタイミング関係が図6に示されている。図5
において、スイッチS2を自相電流投入点で一瞬閉じ、
コンデンサCを放電しておき、スイッチS1を自相電流
投入点から他相電流投入点までの間、閉じることによ
り、この区間内では、コンデンサCはダイオードDによ
り駆動電流の最大値に充電され極大値iPを保持でき
る。この関係が図7に示されている。 【0020】図8は、本発明によるステッピングモータ
用負荷トルク測定方法をコンピュータ制御に基づいて構
成した例を示す。CPU111からの制御信号及びデー
タ信号がバスBUSを介して送出され、逆にバスを介し
て信号がCPU111に送出される。ROM110に
は、本測定処理手順を制御するプログラムが格納され、
このプログラムに基づいてCPU111が各部に制御信
号を供給する。CPU111で制御される電圧可変電源
103からの電源が駆動回路102に供給され、駆動パ
ルスがモータ101に供給される。駆動回路102に
は、CPU111により駆動タイミングが制御されたパ
ルス発生部104からの駆動パルスが供給されている。
駆動回路102に流れる駆動電流は、電流検出部105
(図1の電流検出部10に相当)で検出された後、A/
D変換器106でデジタル信号に変換され、DMA制御
部108の制御を受けて、バスを介してRAM109に
順次記憶される。A/D変換器106の動作タイミング
は、パルス発生部104からの同期信号に応答してトリ
ガ発生部107から発生されるトリガ信号によって制御
される。すなわち、トリガ発生部107から発生される
サンプリングのタイミングをモータ駆動パルスのタイミ
ングと同期させている。外部からの指示情報は、キーボ
ード116から入力され、インタフェース(I/F)1
15を介してマンマシンインタフェースを構成する。ま
た、同様にインタフェース113を介してCRT114
が接続され、GPーIBインタフェース112を介して
外部コンピュータとのデータ授受が行われる。 【0021】図9には、図1の実施形態における特徴抽
出部13と15を神経回路網により実現した例が示され
ている。図9において、適切な素子数からなる入力層に
前記駆動電流のサンプル値と温度条件を与える。入力層
の各出力は、適切な素子数からなる中間層に結合され
る。中間層の出力は、さらに、適切な素子数からなる出
力層に結合される。前記中間層及び出力層にはそれぞれ
バイアス素子からのバイアスが供給される。周知のよう
に、神経回路網においては、適切な教師信号を与えて学
習を繰り返すことによって、以後、類似のパターンが入
力層に与えられると、学習した結果に従って、適切な出
力をするようになる。学習に用いるアルゴリズムとして
は、バックプロパゲーション法などを用いることが出来
る。本実施形態では、学習段階では、入力層に被測定モ
ータに既知のトルクを与えたときの駆動電流のサンプル
値を複数点与えると共に、被測定モータの温度を与え
る。出力層からの出力は教師信号として与えられる前記
既知のトルクと比較され、複数のトルクについて上記学
習を繰り返せば、該神経回路網は、駆動電流波形から被
測定モータの出力トルク、即ち負荷トルクを測定できる
ようになる。同様に、入力層に電源電圧等を追加して加
えることにより(図示せず)、被測定モータまたは、駆
動回路を含めた装置の効率等についても学習と測定を行
うことが出来る。本実施形態によれば、神経回路網の特
徴から、例えばモータを1ー2相駆動またはファインス
テップ駆動した場合にみられるような、電流波形の特徴
があまり顕著には現れないような場合にも効果的であ
る。 【0022】以上、本発明によれば、例えば、プリンタ
のキャリッジ機構ではキャリッジの全行程が一様の負荷
トルクという訳ではなく、ドット印字中のような重い箇
所、軽い箇所がある。したがって、モータ駆動パルス列
と同様な同期信号を用いれば、全行程の内どの箇所がど
の様な負荷トルク状態であるかの全行程に対する負荷ト
ルクの変化カーブもサンプリング処理により測定可能で
ある。また、前述負荷電流波形ピークホールド機能を設
けることによってキャリッジ全行程で最も重い箇所の負
荷トルクを知ることができる。更に、本発明による方法
を、生産上の検査、品質管理機として用いる場合には、
生産中の実機のシリアルナンバー毎に、各機がどのよう
な負荷トルク水準で生産されたかのロット管理記録機と
して活用することもできる。また、照合判断部17に、
GO/NG機能を設ければ、モータを含む機器組上がり
調整状態の判定機として活用することもできる。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によるステ
ッピングモータ用負荷トルク測定方法は、予めトルクと
ステッピングモータ駆動電流または電圧の特徴パラメー
タを測定してトルク対駆動電流/電圧特徴情報との関係
を示すトルク対特徴情報関係データを求めておき、実機
機構部に実装したステッピングモータに実負荷が加わっ
たときの上記特徴パラメータを測定し、得られた特徴パ
ラメータを上記トルク対特徴情報関係データと照合する
ことにより実負荷を測定しているので、ステッピングモ
ータを装着した機構部が必要とする負荷トルクを、機構
部を分解することなく測定可能となる。その結果、ステ
ッピングモータ応用装置の開発段階から大量生産に至る
までの各段階において、該モータの負荷機構部の特性及
び負荷機構部とモータの結合状態の良否等を客観的に把
握することができる。 【0024】すなわち、本発明によれば、特別に製作し
たモータを必要とせず、また特別な治具を追加すること
なく、開発中の実機、量産中の実機その物で、実装する
モータその物のモータ出力軸における負荷トルクを定量
化して数値で測定することができる。その結果、次のよ
うな効果を奏する。 (1)モータ発生トルクは定量化されていたが、これに
加えて負荷トルクを定量化できるので、その差であるト
ルクマージンを明確にでき、トルクトラブルのないステ
ッピングモータ応用機器の安定量産が可能となる。 (2)最小にして最適なトルクマージンの規定により、
モータのオーバスペックを排し、モータの小形化、機器
の小形化、コストダウンが可能となる。 (3)機器各部の負荷トルクに及ぼす要因(部品精度、
バックラッシ、タイミングベルトやワイヤのテンショ
ン、ローラ押圧等の要因)分析が可能となり合理的設
計、製作、調整が可能となる。 (4)ステッピングモータの駆動する機構部と、これと
同期して動作する部分の負荷トルクに及ぼす影響、負荷
トルク分布を分析できるので合理的設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明によるステッピングモータ用負荷トルク
測定方法を実現する実施形態例を示す構成ブロック図で
ある。 【図2】図1の実施形態におけるステッピングモータの
各巻線に印加されるパルスと各巻線に流れる駆動電流を
示す図である。 【図3】ステッピングモータに加わる負荷をパラメータ
とした巻線に流れる駆動電流の時間変化を示す図であ
る。 【図4】図3に基づいて得られる巻線に流れる駆動電流
の極大値iPと負荷トルクとの関係を示す図である。 【図5】図1の実施形態における特徴抽出部13と15
の構成例を示す回路図である。 【図6】図5の構成例回路図の動作を説明するための図
である。 【図7】図5の構成例回路図の他の動作を説明するため
の図である。 【図8】本発明によるステッピングモータ用負荷トルク
測定方法をコンピュータ制御する例の構成図である。 【図9】図1の実施形態における特徴抽出部13と15
を神経回路網により実現した構成図である。 【符号の説明】 1,101 ステッピングモータ 2 実機機構部 3 基準負荷トルク発生機 4 カップリング 5,6 コネクタ 7,102 駆動回路 8 分配回路 9 コントローラ 10,105 電流検出部 11 アンプ 12 スイッチ 13,15 特徴抽出部 14 基準値メモリ 16 測定値メモリ 17 照合判断部 18 ディスプレイ 19 プリンタ 103 電圧可変電源 104 パルス発生部 106 A/D変換器 107 トリガ発生部 108 DMA制御部 109 RAM 110 ROM 111 CPU 112 GPーIBインタフェース 113,115 インタフェース 114 CRT 116 キーボード
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−60496(JP,A) 特開 昭61−256218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 H02P 8/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】予め第1のステッピングモータを用い、該
    第1のステッピングモータに加わる負荷トルクと駆動電
    流情報との関係を測定してメモリに記憶しておき、 実機機構部に実装した前記第1のステッピングモータと
    同一仕様の第2のステッピングモータに実負荷が加わっ
    たときの実駆動電流情報を測定し、 得られた実駆動電流情報に基づいて、前記メモリに記憶
    されている負荷トルクと駆動電流情報との関係と照合す
    ることにより前記負荷を定めて出力することを特徴とす
    るステッピングモータ用負荷トルク測定方法。
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