JP3490558B2 - ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生を防止する方法 - Google Patents

ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生を防止する方法

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JP3490558B2 JP28735095A JP28735095A JP3490558B2 JP 3490558 B2 JP3490558 B2 JP 3490558B2 JP 28735095 A JP28735095 A JP 28735095A JP 28735095 A JP28735095 A JP 28735095A JP 3490558 B2 JP3490558 B2 JP 3490558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアルキレンナフ
タレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生を防止
する方法に関する。さらに詳しくは、特定波長領域の光
を吸収する環状イミノエステルまたはキノキサリン類を
ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレー
トに含有せしめることにより蛍光発生を防止する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンナフタレートは近年その
優れた性能を生かして様々な用途に使用されてきてい
る。例えば、ポリエチレンナフタレートは高強度高弾性
率のフイルムとして、各種オーディオテープ、ビデオテ
ープに利用されている。ポリブチレンナフタレートも各
種樹脂用途への利用がなされている。ところが、ポリア
ルキレンナフタレートは紫外線の照射を受けると青白い
蛍光を発するという望ましからざる性質を有しているこ
とが従来から知られている。このために、食品包装や飲
料用ボトルといった用途へは外観上の難点が指摘されて
いる。このようなポリアルキレンナフタレートの蛍光に
ついては、例えば、Journal of Polymer Science:Poly
mer Letters Edition, Vol. 17,227−232(1
979)において、ポリ(1,2―エチレン―2,6―
ナフタレンジカルボキシレート)フイルムの蛍光につい
て研究がされており、その蛍光の発光種はナフタレート
のエキシマーに由来するという内容のことが記載されて
いる。
【0003】かかるポリアルキレンナフタレートの蛍光
は、米国特許第5310857号明細書において、芳香
族ケトンを比較的少量共重合することにより、効率的に
蛍光を抑制できることが報告されている。しかしなが
ら、この方法では共重合成分である芳香族ケトンをポリ
マーの他の構成成分と共に反応させるため、ポリマー製
造時にポリマーの銘柄の切り替えが必要になるという問
題、芳香族ケトンが特殊なものとなるためポリマーが高
価になるという問題、また芳香族ケトンの反応性が低い
ために高重合度のポリマーを得にくいという問題があ
る。
【0004】特開昭59―12952号公報には、環状
イミノエステルを分子中に有する化合物を各種の樹脂に
対して混合することにより、樹脂を紫外線から保護する
方法が記載されている。この方法は、各種の樹脂を紫外
線から保護するする方法としては優れている。しかしな
がら、同公報には、ポリアルキレンナフタレートのよう
な蛍光を発するポリマーの蛍光発生を抑制する方法につ
いて全く記載はない。
【0005】また、フェニルキノキサリン類について
は、例えば、ハロゲン原子を分子内に有する高分子重合
体への安定剤としての利用が、米国特許第332544
6号明細書に記載されているが、ポリマーの蛍光防止に
ついては何ら開示されていない。
【0006】他方、ポリエステルやポリカーボネート等
の樹脂成型品の表面上に保護被覆層を設けることによっ
て、成型品の硬度向上や耐光性の向上を計ろうとする技
術内容のものも数多く開示されている。例えば、特公昭
60―5370号公報においては、耐摩耗性シリコーン
被覆ポリカーボネート物品に関して、熱硬化アクリル重
合体を含有する接着促進プライマー層中に紫外線吸収性
化合物を含有させることにより、耐光性を向上させる技
術内容の記載がなされている。特開昭58―17923
号公報においてはポリカーボネート系樹脂成型品の表面
処理法に関して、ポリアクリレート系樹脂、紫外線吸収
剤、有機溶剤、及びコロイド状シリカからなる上塗り剤
を塗付した後熱硬化させる表面処理方法について開示さ
れている。特開平2―150431号公報においてはプ
ラスチック表面にメタクリレート系樹脂とベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤からなるプライマー層を設けた
後、シリカ系熱硬化性樹脂とベンゾフェノン系紫外線吸
収剤とからなる表面被覆層を設ける技術内容についての
記載がある。特開平2―38128号公報においてはポ
リエチレンテレフタレート成形品の表面保護法に関し
て、表面コート層に紫外線吸収剤を必要に応じて添加し
てもよい旨の記載がある。特公平5―86973号公報
においては、ポリエステル製透明基材の表面に設けた被
覆層中に紫外線吸収剤を添加するという技術内容のこと
が記載されている。さらに特公平6―37212号公報
においては、透明樹脂を紫外線から保護するためにシリ
コーン系の表面被覆層に紫外線吸収剤を混合する方法に
ついての記載がある。
【0007】しかし、こうした表面被覆層を設けること
により紫外光の透過を抑制する方法は、容器の内容物、
あるいは被覆された樹脂が紫外線によって劣化するのを
防止する方法であり、さらに、こうした方法をポリエチ
レンナフタレート成形体へ適用することの可否について
の記載はない。しかも、上述のような被覆層によって主
として遮断されるべき紫外光領域とポリエチレンナフタ
レートが最も蛍光を強く発する紫外光領域は異なってい
るのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はポリア
ルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍
光発生を抑制する方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的はポリアルキレンナフタ
レン―2,6―ジカルボキシレートが紫外線照射により
エキシマーに変換するのを抑制することによって、ポリ
アルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートが
蛍光を発生するのを抑制する方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明のさらに他の目的は、340〜40
0nmの紫外線波長域において吸収強度が200を超え
ることによって特徴づけられる環状イミノエステルまた
はキノキサリン類を含有せしめることによって、ポリア
ルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートが紫
外線照射により蛍光発生するのを防止する方法を提供す
ることにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、上記本発明方
法により得られる、蛍光発生が防止されたポリアルキレ
ンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの表面上
に、さらに、特定の紫外線吸収剤を含む被覆層を設ける
ことにより、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカ
ルボキシレートが蛍光発生するのを一層効果的に且つ有
利に防止する方法を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、紫外光が当た
っても蛍光を発して外観の低下を引き起こすことのな
い、各種包装材、飲料ボトル、各種容器、チューブ、フ
イルム、カバー、ケースといった用途に適するポリアル
キレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレート樹脂組
成物を工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
【0013】本発明のさらに他の目的および利点は以下
の説明から明らかになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的は、第1に、(1)下記式(I)
【0015】
【化9】
【0016】(ここで、Rは炭素数2〜6のアルキレン
基である。)で表わされる繰返し単位が全繰返し単位の
少くとも80モル%を占めるポリアルキレンナフタレン
―2,6―ジカルボキシレート100重量部、および
(2)下記式(II)
【0017】
【化10】
【0018】(ここで、X1 は上記式に表われている2
本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香
族基であり、nは1、2又は3であり、そしてR1 はヘ
テロ原子を含有していてもよいn価の芳香族炭化水素基
であるか、あるいはn=2のとき直接結合であってもよ
い。)で表される環状イミノエステル、および下記式
(III )
【0019】
【化11】
【0020】(ここで、R2 は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニ
ル基、または炭素数2〜20のアシル基であり、R3
炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子であり、
そしてmは0、1、2、3または4である。)で表わさ
れるキノキサリン類であって、且つ340〜400nm
の紫外線波長域において下記式(IV)
【0021】
【数3】
【0022】(ここで、Aは1,1,2,2―テトラク
ロロエタン中、濃度c(g/100ml)、光路長l
(cm)で測定したときの吸光度である。)で定義され
る吸収強度が200を超える化合物群から選ばれる少く
とも1種0.01〜5重量部、を混合して、ポリアルキ
レンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの基底状
態にある分子が紫外線の照射によりエキシマーに変化す
るのを抑制する、ことを特徴とするポリアルキレンナフ
タレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生を防止
する方法によって達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるポリア
ルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートは、
下記式(I)
【0024】
【化12】
【0025】(ここで、Rは炭素数2〜6のアルキレン
基である。)で表わされる繰返し単位が全繰返し単位の
少くとも80モル%を占めるものである。
【0026】上記(I)において、Rは炭素数2〜6の
アルキレン基である。かかるアルキレン基としては、例
えばエチレン基、1,4―ブチレン基、1,3―(2,
2―ジメチル)プロピレン基、1,6―ヘキシレン基等
を挙げることができる。
【0027】ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカ
ルボキシレートとしては、例えばポリ(1,2―エチレ
ンナフタレン―2,6―ジカルボキシレート)、ポリ
(1,4―ブチレンナフタレン―2,6―ジカルボキシ
レート)、ポリ(1,3―(2,2―ジメチル)プロピ
レンナフタレン―2,6―ジカルボキシレート)、ポリ
(1,6―ヘキシレンナフタレン―2,6―ジカルボキ
シレート)等を挙げることができる。
【0028】かかるポリアルキレンナフタレン―2,6
―ジカルボキシレートのうち、(1,2―エチレンナフ
タレン―2,6―ジカルボキシレート)を好ましいもの
として挙げることができる。
【0029】このようなポリアルキレンナフタレン―
2,6―ジカルボキシレートは、上記式(I)で表わさ
れる繰返し単位を少くとも80モル%含有するならば、
その他の繰返し単位を含有していてもよい。20モル%
以下、好ましくは10モル%以下で含有され得る他の繰
返し単位を構成するジカルボン酸成分およびジオール成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,
7―ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3―プロピレングリコ
ール、1,4―ブチレングリコール、ネオペンチレング
リコール、1,6―ヘキサメチレングリコール、1,4
―シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール等の
ジオールがあげられる。
【0030】また、本発明で対象とするポリアルキレン
ナフタレン―2,6―ジカルボキシレートは、ポリアル
キレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートを少な
くとも50重量%以下、好ましくは少なくとも40重量
%で含有するかぎり、ポリアルキレンナフタレン―2,
6―ジカルボキシレート以外の他のポリマー、例えばポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルとの組成物
の形態にあってもよい。
【0031】ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカ
ルボキシレートは、フェノール1,1,2,2―テトラ
クロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中35℃で
測定した固有粘度が、好ましくは少くとも0.3dl/
g、より好ましくは少くとも0.4g/dl、さらに好
ましくは少くとも0.5de/gである。固有粘度が
0.3de/gより小さい場合には、成型品によっては
強度が不充分な場合がある。
【0032】本発明のおいて、ポリアルキレンナフタレ
ン―2,6―ジカルボキシレートに混合するために用い
られる化合物は、環状イミノエステルおよびキノキサリ
ン類である。
【0033】用いられる環状イミノエステルは、下記式
(II)
【0034】
【化13】 (ここで、X1 は上記式に表われている2本の結合手が
1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族基であり、
nは1、2又は3であり、そしてR1 はヘテロ原子を含
有していてもよいn価の芳香族炭化水素基であるか、あ
るいはn=2のとき直接結合であってもよい。)で表さ
れる。
【0035】上記式(II)において、X1 を表わす2価
の芳香族としては、例えば1,2―フェニレン、1,2
―ナフチレン、2,3―ナフチレン、下記式(a)
【0036】
【化14】
【0037】(ここで、Yは―O―,―CO―,―S
―,―SO2 ―,―CH2 ―,―(CH 2 2 ―又は―
C(CH3 2 ―である。]で表わされる基および下記
式(b)
【0038】
【化15】
【0039】(ここで、Yの定義は上記に同じである)
で表わされる基を挙げることができる。これらのうち、
特に1,2―フェニレンが好ましい。
【0040】上記例示の2価の芳香族基は、例えば炭素
数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例
えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12のシクロア
ルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素
数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル;炭素数
1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシ
ルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭
素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロピオニル、
ベンゾイル、デカノイル等;炭素数2〜20のアシルオ
キシ、例えばアセトキシ、プロピルカルボニルオキシ、
オクチルカルボニルオキシ等などの置換基で置換されて
いてもよい。
【0041】また、nは1、2又は3である。nのこの
値に応じて、R1 は1価、2価又は3価の芳香族炭化水
素基である。または直接結合である(n=2のとき)。
【0042】1価の炭化水素基(n=1の場合)として
は、第一に、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等
の炭素数6〜12の未置換芳香族基を挙げることができ
る。
【0043】又、上記1価の炭化水素残基としては、第
二に、例えば下記式(c)
【0044】
【化16】
【0045】(ここで、R4 はフェニレン又はナフチレ
ンである。)で表わされる基、下記式(d)
【0046】
【化17】
【0047】(ここで、R5 は炭素数1〜10のアルキ
ル基、フェニル基又はナフチル基である。)で表わされ
る基、下記式(e)
【0048】
【化18】
【0049】(ここで、R4 およびR5 の定義は上記に
同じであり、R6 は水素原子又はR5に定義された基の
いずれかである。)で表わされる基、下記式(f)
【0050】
【化19】
【0051】(ここで、R4 およびR6 の定義は上記に
同じであり、R7 は水素原子又はR5に定義された基の
いずれかである。)で表わされる置換された脂肪族基又
は芳香族基を挙げることができる。
【0052】また、上記1価の炭化水素基としては、第
三に、上記未置換の芳香族基が例えば上記X1 を表わす
芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基で置換さ
れているものを挙げることができる。それ故、かかる置
換基で置換された場合の例としては、例えばトリル、メ
チルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチル、クロ
ロフェニル、ベンゾイルフェニル、アセチルフェニル又
はアセチルナフチル等を挙げることができる。
【0053】1価の炭化水素基としては、上記式
(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、す
なわち置換された芳香族基、特にそのうち置換された芳
香族基が好ましい。
【0054】2価の炭化水素基(n=2の場合)として
は、第1に、例えばフェニレン、ナフチレン、p,p′
―ビフェニレン等を炭素数6〜12の未置換の芳香族基
をあげることができる。
【0055】又、上記2価の炭化水素基としては、第2
に、例えば下記式(g)
【0056】
【化20】
【0057】(ここで、R8 はR4 に定義された基のい
ずれかである。)で表わされる基、又は下記式(h)
【0058】
【化21】
【0059】(ここで、R8 の定義は上記に同じであ
り、R9 はR4 に定義された基のいずれであり、そして
10はR6 に定義された基のいずれかである。)で表わ
される置換された脂肪族基又は芳香族基を挙げることが
できる。
【0060】また、上記2価の炭化水素基としては、第
3に、上記未置換の2価の芳香族基が、例えば上記X1
を表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基
で置換されているものを挙げることができる。
【0061】nが2の場合には、R1 としては、これら
のうち直接結合又は上記第1〜第3の群の未置換又は置
換された2価の芳香族炭化水素基が好ましい。就中、2
本の結合手が最も離れた位置から出ている第1又は第3
の群の未置換の又は置換された芳香族炭化水素基が好ま
しく、とりわけp―フェニレン、p,p′―ビフェニレ
ン又は2,6―ナフチレンが好ましい。
【0062】3価の炭化水素基(n=3の場合)として
は、例えば炭素数6〜12の芳香族基を挙げることがで
きる。
【0063】かかる芳香族基としては、例えば
【0064】
【化22】
【0065】等を挙げることができる。
【0066】かかる芳香族基は、上記1価の芳香族基の
置換基として例示したと同じ置換基で置換されていても
よい。
【0067】本発明において用いられる上記式(II)で
表わされる環状イミノエステルの具体例としては、例え
ば下記の化合物を挙げることができる。
【0068】n=1の場合の化合物 (101) 2―(1―又は2―ナフチル)―3,1―
ベンゾオキサジン―4―オン、(103) 2―(4―
ビフェニル)―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、
(105) 2―p―ニトロフェニル―3,1―ベンゾ
オキサジン―4―オン、(107) 2―m―ニトロフ
ェニル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、(10
9) 2―p―ベンゾイルフェニル―3,1―ベンゾオ
キサジン―4―オン、(111) 2―p―メトキシフ
ェニル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、(11
3) 2―o―メトキシフェニル―3,1―ベンゾオキ
サジン―4―オン、(115) 2―p―(又はm―)
フタルイミドフェニル―3,1―ベンゾオキサジン―4
―オン、(117) N―(3,1―ベンゾオキサジン
―4―オン―2―イル)フェニルフタルイミド、(11
9) N―ベンゾイル―4―(3,1―ベンゾオキサジ
ン―4―オン―2―イル)アニリン、(121) N―
ベンゾイル―N―メチル―4―(3,1―ベンゾオキサ
ジン―4―オン―2―イル)アニリン、(123) 2
―[p―(N―フェニル―N―メチルカルバモイル)フ
ェニル]―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、
【0069】n=2の場合の化合物 (201) 2,2′―ビス(3,1―ベンゾオキサジ
ン―4―オン)、(203) 2,2′―p―フェニレ
ンビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(2
05) 2,2′―p―フェニレンビス(6―アセトキ
シ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、
【0070】
【化23】
【0071】(207) 2,2′―p―フェニレンビ
ス(6―オクチルカルボニルオキシ―3,1―ベンゾオ
キサジン―4―オン)、(209) 2,2′―p―フ
ェニレンビス(7―クロロ―3,1―ベンゾオキサジン
―4―オン)、(211) 2,2′―p―フェニレン
ビス(6―クロロ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン)、(213) 2,2′―p―フェニレンビス(6
―メチル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、
(215) 2,2′―p―フェニレンビス(5―メチ
ル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(21
7) 2,2′―(4,4′―ジフェニレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(219)
2,2′―(2,6又は1,5―ナフタレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(221)
2,2′―(2―メチル―p―フェニレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(223)
2,2′―(2―ニトロ―p―フェニレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(225)
2,2′―(2―クロロ―p―フェニレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、(227)
N―p―(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン―2
―イル)フェニル―4―(3,1―ベンゾオキサジン―
4―オン―2―イル)フタルイミド、(229) N―
p―(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン―2―イ
ル)ベンゾイル―4―(3,1―ベンゾオキサジン―4
―オン―2―イル)アニリン、
【0072】n=3の場合の化合物 (301) 1,3,5―トリ(3,1―ベンゾオキサ
ジン―4―オン―2―イル)ナフタレン、(302)
2,4,6―トリ(3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
ン―2―イル)ナフタレン、上記例示化合物のうち、好
ましくはn=2の場合の化合物、より好ましくは下記式
(II)−1
【0073】
【化24】
【0074】(ここで、X11は2価の芳香族炭化水素残
基でありそしてR11およびR12は互いに独立に水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のア
リール基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数
8〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜20のアシ
ルオキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である)で表わ
される化合物が有利に用いられる。
【0075】上記(II)−1中のX11の2価の芳香族炭
化水素基としては、フェニレン、ジフェニレン、ナフチ
レン等を例示できる。
【0076】また、R11およびR12を定義する上記各基
や原子としては、式(II)のX1 の2価の芳香族基を置
換する置換基として例示したものと同じものを挙げるこ
とができる。
【0077】式(II)−1の化合物としては、就中2,
2′―p―フェニレンビス(3,1―ベンゾオキサジン
―4―オン)、2,2′―(4,4′―ジフェニレン)
ビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)および
2,2′―(2,6―ナフタレン)ビス(3,1―ベン
ゾオキサジン―4―オン)が好ましい。
【0078】また、本発明において用いることができる
キノキサリン類は、下記式(III )
【0079】
【化25】
【0080】(ここで、R2 は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニ
ル基、または炭素数2〜20のアシル基であり、R3
炭素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子であ
り、そしてmは0、1、2、3または4である。)で表
わされる。
【0081】上記式(III )において、R2 が表わすハ
ロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基および炭素数
1〜20のアルコキシ基としては、上記式(II)につい
て2価の芳香族基の置換基として例示したものと同じも
のを例示することができる。炭素数2〜20のアルキル
オキシカルボニル基としては例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルの如き炭素数1〜19のアルコ
キシ基を持つアルコキシカルボニル基を挙げることがで
きる。また炭素数2〜20のアシル基としては例えばア
セチル、プロピオニルの如き炭素数1〜19のアルキル
基を持つアシル基を挙げることができる。
【0082】またR3 が表わす炭素数1〜6のアルキル
基およびハロゲン原子としても前述したものと同じもの
を例示することができる。
【0083】上記式(III )の具体的化合物としては例
えば、(401) 2,3―ジフェニルキノキサリン、
(403) 2,3―ビス(4―メトキシカルボニルフ
ェニル)キノキサリン、(405) 2,3―ビス(4
―エトキシカルボニルフェニル)キノキサリン、(40
7) 2,3―ビス(4―メトキシフェニル)キノキサ
リン、(409) 2,3―ビス(4―アセトキシフェ
ニル)キノキサリン、(411) 2,3―ビス(4―
クロロフェニル)キノキサリン等のフェニルキノキサリ
ン類を例示できる。これらのうち、2,3―ジフェニル
キノキサリン、2,3―ビス(4―メトキシカルボニ
ル)キノキサリンが好ましい。
【0084】本発明において用いられる上記環状イミノ
エステルおよびキノキサリン類は340〜400nmの
紫外線波長域において、下記式(IV)で表される吸収強
度Eが200を超える該波長域部分を有する化合物であ
る必要がある。ここで吸収強度Eは、下記式(IV)
【0085】
【数4】
【0086】(ここで、Aは1,1,2,2―テトラク
ロロエタン中、濃度c(g/100ml)、光路長lc
mで測定した際の吸光度である。)で定義される。ここ
で、吸収強度Eが200を超えるとは、上記環状イミノ
エステルやキノキサリン類の吸収強度が、340〜40
0nmの波長領域の一部または全部において200を超
えることをいう。かかる吸収強度が200を超えない場
合には、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボ
キシレートへの添加による蛍光抑制効果が十分でない。
ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレー
トに添加する上記化合物の吸収強度はより好ましくは3
00以上である。
【0087】本発明において、環状イミノエステルおよ
び/またはキノキサリン類は、ポリアルキレンナフタレ
ン―2,6―ジカルボキシレートが100重量部に対
し、0.01〜5重量部混合される。環状イミノエステ
ルおよび/またはキノキサリン類がこの割合で混合され
ると、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキ
シレートの基底状態にある分子(ナフタレン環)が紫外
線の照射を受けたとき、励起状態(エキシマー)に変化
するのを有効に防止することができる。そして、かかる
化合物の添加量が0.01重量部より少ないとポリアル
キレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートからの
蛍光の防止効果が十分でなく、5重量部を超える場合に
は、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシ
レートの本来の物性低下や添加剤の昇華等を招き好まし
くない。かかる添加量は好ましくは0.1〜4重量部で
あり、更に好ましくは0.5〜3重量部である。
【0088】環状イミノエステルおよびキノキサリン類
は、それぞれ単独であるいは2種以上任意の組合せで使
用することができる。
【0089】これらの化合物とポリアルキレンナフタレ
ン―2,6―ジカルボキシレートの混合方法としては、
2軸エクストルーダーにより混合方法が好ましく用いら
れる。混合温度は、ポリアルキレンナフタレン―2,6
―ジカルボキシレートの融点以上であることが必要であ
り、300℃以下が好ましい。かかるポリマーの融点以
下では実質的に混合は不可能であり、300℃を越える
とかかるポリマーの分解を引き起こしやすいからであ
る。例えばポリ(1,2―エチレンナフタレン―2,6
―ジカルボキシレート)では280〜290℃が好まし
い。
【0090】本発明によれば、かくして、ポリアルキレ
ンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生
を有利に防止することができる。
【0091】本発明者のさらなる研究によれば、本発明
の上記方法で得られたポリアルキレンナフタレン―2,
6―ジカルボキシレート組成物をさらにある種の紫外線
吸収剤により処理することにより、ポリアルキレンナフ
タレン―2,6―ジカルボキシレートの蛍光発生をより
効率的に且つ効果的に防止できることが明らかにされ
た。
【0092】それ故、本発明によれば、さらに、(1)
前記式(I)で表わされる繰返し単位が全繰返し単位の
少くとも80モル%を占めるポリアルキレンナフタレン
―2,6―ジカルボキシレート100重量部、および
(2)前記式(II)で表される環状イミノエステル、お
よび下記式(III )で表わされるキノキサリン類であっ
て、且つ340〜400nmの紫外線波長域において下
記式(IV)で定義される吸光光度が200を超える化合
物群から選ばれる少くとも1種0.01〜5重量部を混
合して、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボ
キシレートの基底状態にある分子が紫外線の照射により
エキシマーに変化するのを抑制し、次いで得られた組成
物を成形体としたのち、あるいは成形体に成形しつつ、
その表面にベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物およびベンゾオキサジノン系化合物よりなる
群から選ばれた少くとも1種の紫外線吸収剤を含有する
被覆層を形成する、ことを特徴とする、ポリアルキレン
ナフタレン―2,6―ジカルボキシレート成形体の蛍光
発生を防止する方法が同様に提供される。
【0093】この方法において、上記ポリアルキレンナ
フタレン―2,6―ジカルボキシレート100重量部
に、吸収強度が200以上の上記化合物0.01〜5重
量部を混合して組成物を得る工程は前述した本発明方法
の説明から充分に理解されよう。
【0094】この方法は、かくしてして得られた組成物
を成形体としたのちあるいは成形体に成形しつつ、その
表面上に特定の紫外線吸収剤を含有する被覆層を形成す
るものである。
【0095】上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリア
ゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾ
オキサジノン系化合物が用いられる。
【0096】ベンゾトリアゾール系の化合物としては、
例えば2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―
4,6―ビス(1―メチル―1―フェニルエチル)フェ
ノール、2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)
―4―(1,1,3,3―テトラメチルブチル)フェノ
ール、2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―
4―メチルフェノール、2―(2H―ベンゾトリアゾー
ル―2―イル)―4,6―ジ―t―ブチルフェノール、
2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―4,6
―ジ―t―アミルフェノール、2―(2H―ベンゾトリ
アゾール―2―イル)―4―t―ブチルフェノール、2
―(2′―ヒドロキシ―3′―t―ブチル―5′―メチ
ルフェニル)―5―クロロベンゾトリアゾール、2―
(2′―ヒドロキシ―3′,5′―ジ―t―ブチルフェ
ニル)―5―クロロベンゾトリアゾール等を挙げること
ができる。
【0097】ベンゾフェノン系化合物としては、例えば
2―ヒドロキシ―4―オクトキシベンゾフェノン、2―
ヒドロキシ―4―メトキシベンゾフェノン、2,2′―
ジヒドロキシ―4,4′―ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′―テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4―ジヒドロキシベンゾフェノン、2―ヒドロ
キシ―4―メトキシベンゾフェノン―5―スルホン酸等
を挙げることができる。
【0098】ベンゾオキサジノン系化合物としては、例
えば2―p―ニトロフェニル―3,1―ベンゾオキサジ
ン―4―オン、2―(p―ベンゾイルフェニル)―3,
1―ベンゾオキサジン―4―オン、2―(2―ナフチ
ル)―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン、2,2′
―p―フェニレンビス(3,1―ベンゾオキサジン―4
―オン)、2,2′―(2,6―ナフチレン)ビス
(3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)等を挙げるこ
とができる。
【0099】これらの内、375nmで大きな吸収強度
を有すること、各種溶媒への溶解性が良好であることか
ら、2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―
4,6―ビス(1―メチル―1―フェニルエチル)フェ
ノールといったベンゾトリアゾール系化合物が好まし
い。
【0100】これらの紫外線吸収剤は1種単独であるい
は2種以上一緒に併用することができる。
【0101】紫外線吸収剤を含有する被覆層は、先の工
程で得られた組成物を成形体としたのち、その表面上に
形成されるかあるいは成形体としてその表面上に形成さ
れる。
【0102】成形体としたのち、その表面に被覆層を形
成するには例えば、前記の如き紫外線吸収剤の少くとも
1種と被覆用樹脂とを溶媒に溶解した溶液を準備し、こ
れを成形体に塗布し、乾燥し、次いで好ましくは熱処理
する方法が有利に採用される。
【0103】こうした樹脂溶媒の塗布の方法としては、
例えば、浸漬法、流し塗り法、スプレー法、スピンコー
ト法、はけ塗り法、ロール法、カーテンフロー法などが
挙げられる。これらの内、浸漬法、流し塗り法、スプレ
ー法が好ましく採用される。
【0104】上記被覆用組成物としては、溶媒に可溶の
熱可塑性樹脂、または原料のモノマーが溶媒に可溶であ
る熱あるいは紫外線硬化性樹脂が、被覆層を形成する際
成形性の点で好ましい。これらとしては例えばポリエス
テル系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂等を挙げ
ることができる。この中で、ポリエステル系樹脂等の熱
可塑性樹脂、およびシリコン系樹脂等の熱硬化性樹脂
が、成形性の面から好ましい。
【0105】該ポリエステル系樹脂としては、好ましい
ものとして、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、アジ
ピン酸を酸成分とし、エチレングリコール、ネオペンチ
レングリコール等のグリコールをジオール成分とした非
晶性のポリエステルをあげることができる。
【0106】上記被覆層がプライマー層とその上層のハ
ードコート層とからなる二層である場合には、プライマ
ー層として上記ポリエステル系樹脂を用い、ハードコー
ト層として熱硬化性のシリコン系樹脂を用いることが好
ましい。また、アクリル系樹脂を用いる場合は、上記熱
可塑性のアクリル系樹脂をプライマー層に用い、熱また
は紫外線硬化性のアクリル系樹脂をハードコート層に用
いることが好ましい。
【0107】被覆層の厚みは0.5〜30μmが好まし
い。
【0108】一般にこうした被覆層の厚みはその被覆層
の使用目的によってより好ましい厚みが異なる。例えば
2層以上の被覆層を有する場合で下層(プライマー層)
が紫外線吸収剤を含有する場合には、膜厚は0.5〜1
0μmがより好ましい。0.5μmより薄い場合には接
着性が低下し易く、また、十分な蛍光抑制硬化を発現す
ることが困難となる。10μmより厚い場合には皮膜が
白濁したりクラックが生じたりすることがあるため好ま
しくない。この場合、膜厚は特に好ましくは1〜5μm
である。
【0109】また、同様に2層以上の被覆層を有する場
合で、上層(ハードコート層)が紫外線吸収剤を含有す
る場合、あるいは被覆層が単層(ハードコート層)から
なる場合には、膜厚はより好ましくは、1〜30μmで
ある。1μmより薄いとハードコート層としての機能が
不十分となりやすく、30μmより厚いとクラックが発
生しやすくなるためである。この場合、膜厚は特に好ま
しくは3〜15μmである。
【0110】成形体をしたのち、その表面に被覆層を形
成する別法は、紫外線吸収剤を含有するフイルムを別に
準備し、これを成形体に積層する方法である。かかるフ
イルムのためのポリマーとしては、例えばポリエステル
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、アクリルポリマー等の熱可塑性樹脂が好
ましく用いられる。これらのうち、ポリエチレンテフレ
タレートのホモポリマーおよびイソフタル酸成分共重合
ポリマーが耐熱性に優れるため好ましい。
【0111】紫外線吸収剤を含有するフイルムは紫外線
吸収剤を含有する上記の如きポリマーを溶融成形するこ
とにより製造されることが多く、そのため使用する紫外
線吸収剤としては耐熱性の優れたベンゾオキサジノン系
化合物が好ましい。
【0112】上記の如きフイルムの膜厚は10μm以下
が好ましく、5μm以下がより好ましい。膜厚が大きす
ぎると、成形体上に積層することが困難となる。
【0113】さらに、成形体を成形しつつ、その表面上
に被覆層を形成する方法としては、成形体を成形しつ
つ、その表面上に共押出出しにより紫外線吸収剤を含有
する被覆層を形成する方法を好ましい方法として挙げる
ことができる。この場合の好ましい紫外線吸収剤および
被覆層を形成するための好ましいポリマーとしては、積
層法にて前記したものと同じものを挙げることができ
る。この場合の被覆層の好ましい厚みも10μm以下、
より好ましい厚みは5μm以下である。
【0114】被覆層は、前記したその形成方法の如何に
かかわらず、これを形成するポリマー100重量部当
り、好ましくは紫外線吸収剤を0.1〜10重量部、よ
り好ましくは0.5〜8重量部が含有する。10重量部
を越えると紫外線吸収剤が被覆層からブリードアウトし
易く、また0.1重量%より少ないと紫外線吸収剤を使
用したことによる効果の発現が小さい。
【0115】上述の如き紫外線吸収剤を含有する被覆層
は紫外光波長375nmにおいて、下記式(V)
【0116】
【数5】透過率(%)=(I/I0 )×100 (ここでI:透過光強度、I0 :入射光強度)で定義さ
れる透過率が80(%)以下を示すことが好ましい。
【0117】ポリエチレンナフタレン―2,6―カルボ
キシレートの繰返し単位は、350nm近傍において紫
外光の吸収極大を有するので、このことから350nm
での吸収を抑制すると蛍光強度を抑制するのに効果があ
ると思われがちである。ところが実際は、驚くべきこと
にポリエチレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレー
トの繰り返し単位がほとんど吸収を持たない375mm
近傍の紫外光での蛍光の発光強度がもっとも高くなって
いる。理由についての詳細はわからないが、紫外光の吸
収強度があまりに大きな領域ではほとんどの紫外光がポ
リエチレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートの
極めて表層の部分で吸収されて内部まで紫外光が届かな
いのに対し、吸収強度が弱い領域はかえってポリエチレ
ンナフタレン―2,6―カルボキシレートの内部にまで
紫外光が到達することが原因の一つとして考えられる。
【0118】以上の理由から、本発明では375nmの
紫外光の透過率において少なくとも80%以下となるよ
うな紫外線吸収剤を含有する被覆層を設けることが好ま
しい。こうした場合に、375nmで紫外光を照射した
場合の蛍光強度は、こうした被覆層を設けていない場合
の80%以下となり、樹脂組成物中に混合されていた環
状イミノエステル及び/またはキノキサリン類の蛍光抑
制効果と相まって、非常に優れた蛍光抑制効果を発揮す
る。375nmにおける紫外光の透過率は当然、低いほ
どその蛍光の抑制効果は顕著であり、透過率は好ましく
は60%以下、さらに好ましくは40%以下である。
【0119】以上に述べた表面被覆層は、成形体表面に
おいて紫外光を抑制することにより蛍光抑制するのに対
し、樹脂組成物中に混合されている環状イミノエステル
及び/またはキノキサリン類は、ポリアルキレンナフタ
レン―2,6―ジカルボキシレートが紫外光を吸収した
後に生ずる励起種を失活させることにより、蛍光の抑制
を行う。このように、樹脂中に含有された化合物と表面
被覆層とは、蛍光の抑制に対して、違った機構で作用す
るため、相乗的に蛍光抑制効果を発揮する。
【0120】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明は実施例にのみ限定されるものではない。実施例中
「部」は「重量部」を表すものとする。実施例において
ポリマーの固有粘度はフェノール/1,1,2,2―テ
トラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中35
℃での値である。また、環状イミノエステル、キノキサ
リン類の吸収強度
【0121】
【数6】
【0122】は、溶媒としてテトラクロロエタンを用
い、濃度5×10-4g/100ml、光路長1cmと
し、日立製作所(株)製 F―2000日立蛍光分光光
度計を用いて吸光度を測定し、前記式(VI)により算出
した。
【0123】[実施例1]固有粘度0.71のポリ
(1,2―エチレン―ナフタレン―2,6―ジカルボキ
シレート)(以下PENと略記する。)100部に対
し、化合物(203)1重量部を、30mmφ同方向回
転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM3
0)を用いて、ポリマー温度290℃、平均滞留時間約
20分の条件下で溶融混練したのち、平均膜厚0.2m
mのフイルムを得た。このフイルムの発光強度(I)か
ら下記式により算出した蛍光相対強度(%)を表1に示
した。
【0124】また、固有粘度0.71のPENから上記
と同じ条件で平均膜厚0.2mmのPENフイルムを得
た。
【0125】得られたPENフイルムの蛍光の発光強度
(I0 )を基準に、実施例1および以下の各実施例にお
ける蛍光相対強度を下記式に算出した。
【0126】蛍光の相対強度は、日立製作所(株)製F
―2000日立蛍光分光光度計を用いて、励起波長35
0nm(バンドパス10nm)、蛍光の発光領域400
〜600nm(バンドパス10nm)における蛍光発光
量の相対比較により決定した。
【0127】
【数7】蛍光相対強度(%)=(I/I0 )×100
【0128】[実施例2〜13及び比較例1]実施例1
において、表1に記載のポリマー組成、化合物およびそ
の含有量を適宜変えて用いた他は実施例1と同様に行っ
た。その結果も表1に含めて示した。
【0129】なお、実施例2〜6および比較例1では蛍
光の相対強度は実施例1と全く同様にして求めた。
【0130】一方、実施例7〜13では蛍光の発光領域
を400〜550nmに変え、その他は実施例1と同様
にして求めた。
【0131】
【表1】
【0132】注)PEN:ポリエチレンナフタレン―
2,6―ジカルボキシレート PEN+5モル%TA:5モル%のテレフタル酸共重合
PEN PEN+5モル%CH:5モル%の1,4―シクロヘキ
サンジメタノール共重合PEN Z:2―メチル―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン
【0133】[実施例14]固有粘度0.71のPEN
100部に対し、化合物(203)1重量部の割合で、
30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工
(株)製、PCM30)を用いて、ポリマー温度290
℃、平均滞留時間約15分の条件下で溶融混練したの
ち、ブロー成形によりボトル型に成形した。次に、飽和
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)社製 バイロン―1
03)50部、2―(2H―ベンゾトリアゾール―2―
イル)―4,6―ビス(1―メチル―1―フェニルエチ
ル)フェノール(チバガイギー社製 チヌビン234)
3部をメチルエチルケトン200部に溶解した溶液を作
製し、これを、ボトル型成型品に対してスプレー法によ
り表面に塗布し、90℃で2時間熱処理したものを作製
した。下記標準サンプルと同じ位置でサンプルを切り出
し被覆層の厚みを測定したところ平均膜厚3μmの被覆
層が形成されていることがわかった。このサンプルの蛍
光強度(I)を測定した。結果を表2に示す。
【0134】標準サンプルは固有粘度0.71のPEN
のボトル型成形品の側面の比較的平らな部分を切り出
し、蛍光強度(I0 )を測定した。
【0135】蛍光の発光相対強度は、日立製作所(株)
製F―2000日立蛍光分光光度計を用いて、励起波長
375nm(バンドパス10nm)、蛍光の発光領域4
00〜550nm(バンドパス10nm)における発光
量の相対比較により実施した。
【0136】
【数8】 蛍光発光相対強度(%)=(I/I0 )×100
【0137】[実施例15〜18]実施例14におい
て、PEN層に含有する化合物およびその含有量、並び
にコーティング層に含有する紫外線吸収剤およびその含
有量を表2に記載されているように適宜変えて、その他
は同様に行った。
【0138】なお、実施例16および17はコーティン
グ層の上にさらに被覆層(ハードコート層)を設けたも
のである。結果を表2に示した。蛍光相対強度は実施例
14と全く同様にして求めた。
【0139】
【表2】
【0140】注)ポリエステル:飽和ポリエステル樹脂
(東洋紡績(株)「バイロン103」) シリコーンワニス:東芝シリコーン(株)「トスガード
510」 J:チヌビン234 K:2,2′,4,4′―テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン
【0141】[実施例19〜21および比較例2]実施
例14において、PEN層に含有する化合物およびその
含有量、並びにコーティング層に含有する紫外線吸収剤
およびその含有量を表3に記載されているように適宜変
えて、その他は同様に行った。結果を表3に示した。
【0142】蛍光相対強度は日立製作所(株)製 F―
2000日立蛍光分光光度計を用いて、励起波長300
〜400nm(バンドパス10nm)、蛍光の発光領域
430nm(バンドパス10nm)における発光量の相
対比較により実施した。
【0143】
【数9】蛍光相対強度(%)=(I/I0 )×100
【0144】
【表3】
【0145】注)ポリエステル:「バイロン103」 J:チヌビン234
【0146】[実施例22および比較例3] (1)固有粘度0.71のPENおよび固有粘度0.6
4のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称す
る)をそれぞれ2層共押し出しラミネートフイルム製膜
用の2つのエクストルーダーにそれぞれ供給し、PEN
は290℃、PETは280℃として共押し出し用のス
リットより溶融押し出しした。共押し出しによるフイル
ムを、PEN側を内側として、キャスティングドラムに
より引き取り、積層フイルムを製造した。この際、ポリ
マーのフィード量及びフイルムの引き取り速度を変える
ことにより、PEN層の厚みが200μm、PET層の
厚みが30μmとなるようにした。そうして得られたフ
イルムを120℃で3.2×3.2倍の同時延伸を行
い、PET側から蛍光強度の測定を行った。その強度を
0 とした。
【0147】(2)固有粘度0.71のPEN、及び固
有粘度の0.64のポリエチレンテレフタレート(以下
PETと省略する)それぞれ100部に対して、化合物
(203)1重量部の割合で、30mmφ同方向回転2
軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)
により、PENは290℃で、PETは280℃でそれ
ぞれ平均滞留時間約15分の条件下で溶融混合した。こ
うして得られたそれぞれの混合物を2層共押し出しラミ
ネートフイルム製膜用の2つのエクストルーダーにそれ
ぞれ供給し、PENは290℃、PETは280℃とし
て共押し出し用のスリットより溶融押出しした。上記
(1)と同様にして、PENとPETの積層フイルムを
作成し、上記(1)と同様に蛍光強度の測定を行った。
このサンプルによる蛍光強度Iを上記(1)の蛍光強度
を用いて蛍光相対強度を求めた。結果を表4に示した。
【0148】また、比較のため、実施例22において、
PENには化合物(203)を練り込まない以外は、実
施例22と同様にして積層フイルムを作成し、蛍光相対
強度を測定した。結果を表4に併記する。
【0149】なお蛍光の相対強度は実施例7〜13と同
様にして求めた。
【0150】
【表4】
【0151】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンナフタ
レン―2,6―ジカルボキシレートに、環状イミノエス
テルおよびキノキサリン類であって、かつ特定の波長領
域における吸収強度の大きい特定の化合物を少量混合す
ることにより、物性の低下を引き起こすことなく、ポリ
アルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキシレートが
紫外照射により蛍光発生するのを大幅に抑制することが
できる。
【0152】さらに、該化合物を含有するポリアルキレ
ンナフタレン―2,6―ジカルボキシレート成形体の表
面上に特定の紫外線吸収剤を含む被覆層を設けることに
より、かかる蛍光発生を一層効率的かつ効果的に防止す
ることかができる。したがって外観上の問題を解消する
ことができ、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカ
ルボキシレートの優れた性能を生かした樹脂材料を提供
することができる。かかる材料は、各種包装材、飲料ボ
トル、各種容器、チューブ、フイルム、カバー、ケース
等の成型品として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記式(I) 【化1】 (ここで、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である。)
    で表わされる繰返し単位が全繰返し単位の少くとも80
    モル%を占めるポリアルキレンナフタレン―2,6―ジ
    カルボキシレート100重量部および、(2)下記式
    (II) 【化2】 (ここで、X1 は上記式に表われている2本の結合手が
    1位、2位の位置関係にある2価の芳香族基であり、n
    は1、2又は3であり、そしてR1 はヘテロ原子を含有
    していてもよいn価の芳香族炭化水素基であるか、ある
    いはn=2のとき直接結合であってもよい。)で表され
    る環状イミノエステル、および下記式(III ) 【化3】 (ここで、R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭
    素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、または炭
    素数2〜20のアシル基であり、R3 は炭素数1〜6の
    アルキル基またはハロゲン原子であり、そしてmは0、
    1、2、3または4である。)で表わされるキノキサリ
    ン類であって、且つ340〜400nmの紫外線波長域
    において下記式(IV) 【数1】 (ここで、Aは1,1,2,2―テトラクロロエタン
    中、濃度c(g/100ml)、光路長l(cm)で測
    定したときの吸光度である。)で定義される吸収強度が
    200を超える化合物群から選ばれる少くとも1種0.
    01〜5重量部、を混合して、ポリアルキレンナフタレ
    ン―2,6―ジカルボキシレートの基底状態にある分子
    が紫外線の照射によりエキシマーに変化するのを抑制す
    る、ことを特徴とするポリアルキレンナフタレン―2,
    6―ジカルボキシレートの蛍光発生を防止する方法。
  2. 【請求項2】 環状イミノエステルが下記式(II)−1 【化4】 (ここで、X11は2価の芳香族炭化水素基であり、そし
    てR11およびR12は互いに独立に水素原子、炭素数1〜
    10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
    数5〜12のシクロアルキル基、炭素数8〜20のアラ
    ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜
    10のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、ニ
    トロ基又はハロゲン原子である。)で表わされる請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 環状イミノエステルが、2,2′―ビス
    (3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′―
    p―フェニレンビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―
    オン)、2,2′―p―フェニレンビス(6―アセトキ
    シ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′
    ―p―フェニレンビス(6―オクチルカルボニルオキシ
    ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′―
    p―フェニレンビス(7―クロロ―3,1―ベンゾオキ
    サジン―4―オン)、2,2′―p―フェニレンビス
    (6―クロロ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
    ン)、2,2′―p―フェニレンビス(6―メチル―
    3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)および2,2′
    ―p―フェニレンビス(5―メチル―3,1―ベンゾオ
    キサジン―4―オン)よりなる群から選ばれる請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 キノキサリン類が2,3―ジフェニルキ
    ノキサリン、2,3―ビス(4―メトキシカルボニルフ
    ェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―エトキシカ
    ルボニルフェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―
    メトキシフェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―
    アセトキシフェニル)キノキサリンおよび2,3―ビス
    (4―クロロフェニル)キノキサリンよりなる群から選
    ばれる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 環状イミノエステルおよび/またはキノ
    キサリン類を、ポリアルキレンナフタレン―2,6―ジ
    カルボキシレート100重量部当り0.1〜4重量部混
    合する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 (1)下記式(I) 【化5】 (ここで、Rは炭素数2〜6のアルキレン基である)で
    表わされる繰返し単位が全繰返し単位の少くとも80モ
    ル%を占めるポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカ
    ルボキシレート100重量部、および(2)下記式(I
    I) 【化6】 (ここで、X1 は上記式に表われている2本の結合手が
    1位、2位の位置関係にある2価の芳香族基であり、n
    は1、2又は3であり、そしてR1 はヘテロ原子を含有
    していてもよいn価の芳香族炭化水素基であるか、ある
    いはn=2のとき直接結合であってもよい。)で表され
    る環状イミノエステル、および下記式(III ) 【化7】 (ここで、R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜
    20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭
    素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基、または炭
    素数2〜20のアルキルカルボニル基であり、R3 は炭
    素数1〜6のアルキル基、またはハロゲン原子であり、
    そしてmは0、1、2、3または4である。)で表わさ
    れるキノキサリン類であって、且つ340〜400nm
    の紫外線波長域において下記式(IV) 【数2】 (ここで、Aは1,1,2,2―テトラクロロエタン
    中、濃度c(g/100ml)、光路長l(cm)で測
    定したときの吸光度である。)で定義される吸収強度が
    200を超える化合物群から選ばれる少くとも1種0.
    01〜5重量部、を混合して、ポリアルキレンナフタレ
    ン―2,6―ジカルボキシレートの基底状態にある分子
    が紫外線の照射によりエキシマーに変化するのを抑制
    し、次いで得られた組成物を成形体としたのちあるいは
    成形体に成形しつつ、その表面上にベンゾトリアゾール
    系化合物、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾオキサ
    ジノン系化合物よりなる群から選ばれた少くとも1種の
    紫外線吸収剤を含有する被覆層を形成する、ことを特徴
    とするポリアルキレンナフタレン―2,6―ジカルボキ
    シレート成形体の蛍光発生を防止する方法。
  7. 【請求項7】 環状イミノエステルが下記式(II)−1 【化8】 (ここで、X11は2価の芳香族炭化水素基であり、そし
    てR11およびR12は互いに独立に水素原子、炭素数1〜
    10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
    数5〜12のシクロアルキル基、炭素数8〜20のアラ
    ルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜
    10のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、ニ
    トロ基又はハロゲン原子である。)で表わされる請求項
    6記載の方法。
  8. 【請求項8】 環状イミノエステルが、2,2′―ビス
    (3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′―
    p―フェニレンビス(3,1―ベンゾオキサジン―4―
    オン)、2,2′―p―フェニレンビス(6―アセトキ
    シ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′
    ―p―フェニレンビス(6―オクチルカルボニルオキシ
    ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)、2,2′―
    p―フェニレンビス(7―クロロ―3,1―ベンゾオキ
    サジン―4―オン)、2,2′―p―フェニレンビス
    (6―クロロ―3,1―ベンゾオキサジン―4―オ
    ン)、2,2′―p―フェニレンビス(6―メチル―
    3,1―ベンゾオキサジン―4―オン)および2,2′
    ―p―フェニレンビス(5―メチル―3,1―ベンゾオ
    キサジン―4―オン)よりなる群から選ばれる請求項6
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 キノキサリン類が2,3―ジフェニルキ
    ノキサリン、2,3―ビス(4―メトキシカルボニルフ
    ェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―エトキシカ
    ルボニルフェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―
    メトキシフェニル)キノキサリン、2,3―ビス(4―
    アセトキシフェニル)キノキサリンおよび2,3―ビス
    (4―クロロフェニル)キノキサリンよりなる群から選
    ばれる請求項9記載の方法。
  10. 【請求項10】 環状イミノエステルおよび/またはキ
    ノキサリン類を、ポリアルキレンナフタレン―2,6―
    ジカルボキシレート100重量部当り0.1〜4重量部
    混合する請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 被覆層が紫外線吸収剤を、被覆層を形
    成するポリマー100重量部当り0.1〜10重量部で
    含有する請求項6〜10のいずれかに記載の方法。
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