JP3488739B2 - 連結椅子 - Google Patents

連結椅子

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JP3488739B2
JP3488739B2 JP11109594A JP11109594A JP3488739B2 JP 3488739 B2 JP3488739 B2 JP 3488739B2 JP 11109594 A JP11109594 A JP 11109594A JP 11109594 A JP11109594 A JP 11109594A JP 3488739 B2 JP3488739 B2 JP 3488739B2
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Kotobuki and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、椅子本体を構成する座
部に設けた座起立装置によって、通常は座部が起立状態
に納まり、着席するとき同座部を倒して用いるようにし
た連結椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】劇場、屋内競技場などでは、特定の方向
に多くの観客を着席させるために、図12(a)〜
(d)に示されるような連結椅子aが用いられている。
この連結椅子aは、座部bと背部cとを組み合わせた椅
子本体dを複数個、横方向に同一の向きで、座部bの側
部に在るフレ−ム部e(脚部)を介して連結して構成さ
れるもので、劇場、屋内競技場などでは、この連結椅子
aが前後方向に所定の間隔で配置(図示しない)され
て、多くの人が着席できるようにしてある。
【0003】こうした連結椅子aには、連結椅子aと連
結椅子aとの前後間に形成されたスペ−ス(図示しな
い)を通路として活用させるために、通常、椅子本体a
を構成する座部bを着席位置f[図12(d)]と起立
位置g[図12(c)]とに回動可能とし、この座部b
を付勢力により付勢して起立位置gに配置させることが
行われている。
【0004】これにより、着席するときは、付勢力に抗
して、座部bを前方へ倒し、その倒れた座部dの上面に
座ればよく。また離席すれば、付勢力により、座部bが
元の起立位置gに戻って所定の状態に納まり、それに伴
い座部bが占有していた部分を通路として活用できるよ
うにしてある。
【0005】従来、このような座部bの起立には、図1
3に示されるように筒状のばねhを座部bに内蔵させ
て、座部bを起立するようにした座起立装置iが用いら
れている。
【0006】すなわち、筒状のばねhで、必要な付勢力
を得るためには、かなり全長の長いばねhを必要とす
る。またこのばねhを座部bとフレ−ム部eとの間に配
置すると、同間において無駄なスペ−スが発生し、限ら
れた一席分の間口寸法xにおいて座部間口寸法yを不要
に狭める。
【0007】そこで、ばねhを座部b内に内蔵させるこ
とによって、同座部間口寸法yを損なわないようにして
ある。具体的には、従来の座起立装置iは、座部bの後
部側に、座部bの幅方向を貫通するように長尺な支軸j
を回転自在に設け、この座部bに内蔵された支軸jの外
周部分にばねhを卷装してある。また座部bから突き出
た支軸jの端部は、座部bの両側のフレ−ム部eに取着
して在る支持ブラケットkに嵌挿されて固定してある。
【0008】そして、ばねgの一端部は、支軸jに支持
され、他端部は座部bに固定され、得られるばねgの弾
性力(ねじり)により座部bを起立方向に付勢させて、
常時は座部bを起立位置gへ導くようにしてある。
【0009】座部bの側部には、支軸jと並行に規制ピ
ンmが突設してあり、またフレ−ム部e側の着席位置f
と対応する支持ブラケットkの基部側の部位にはストッ
パ−部nが形成してある。
【0010】さらにフレ−ム部e側の起立位置gと対応
する部位にはプレ−ト状のストッパ−oが突出してあ
る。これにより、座部bは、ばねhで発生する弾性力
(ねじり)により、ストッパ−oと当接するまで回動さ
れて起立状態が保たれ、また座部bをストッパ−部nと
当接するまで前方へ倒せば、着席可能な状態となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、連結椅子a
では、一席分の間口寸法xを変えて設置することがあ
る。すなわち、劇場などでは、配置される劇場によって
連結椅子aの間口寸法x(一席分)の大きさが変わった
り、収容空間の大きさによって同間口寸法x(一席分)
が変わることがある。
【0012】このような場合には、変更した間口寸法x
を有する連結椅子を特別に製作することになる。ところ
が、座起立装置aは座部b内に支軸jと共にばねhを設
けている。
【0013】このため、一席分の間口寸法xを変えた連
結椅子aを製作するためには、その間口寸法xに対応し
た長さの支軸j(特注品となるような部品)が組み込ま
れた座部bを、別途、用意しないと、これに対応できな
い不具合がある。
【0014】このため、特注品と呼ばれる連結椅子aを
製作するときは、コストがかかる難点があった。本発明
はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、間口寸法(一席分)の変更に容易に対応
することができる連結椅子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明は、座部を着席位置から起立位
置へ付勢する座起立装置を、向き合う座部とフレ−ム部
との間に配置され、先端部が座部側に向かって突き出る
ようにフレ−ム部にブラケットを介して取付けられた
軸と、この支軸の外周部に同支軸から径方向外側へ向か
って巻回されて取付けられ、径方向内側の端部が支軸
に支持されてなる渦巻ばねと、支軸の周辺に同支軸と並
行をなして各着席位置および起立位置に配置されて
ブラケットを介して、フレ−ム部に突設されてなる
一対のストッパ−と、向き合う座部とフレ−ム部との間
に渡り渦巻ばねの周囲を覆うように配設されてなり、座
部の側部に支持座を介して着脱可能に取付けられた筒形
のハウジングと、このハウジングの内周部に設けられて
なり、渦巻ばねの径方向外側の端部を支持し、座部に起
立位置へ向かう付勢力を発生させるばね止め部と、一対
のストッパ−間を横切るよう、ハウジングの内周面に同
ハウジングの径方向中央を通る二点間に取着されてな
、ストッパ−との当接によって座部をそれぞれ着席位
置、起立位置に規制する規制部材と、この規制部材の中
央部分に設けられ支軸の先端部が回動自在に嵌挿され
て、座部を回動自在に支持させる支持孔部とを有して構
成したことにある。
【0016】
【0017】請求項2に記載の発明は、上記目的に加
え、さらに広い面積で荷重を安定して受けるために、一
対のストッパ−は、断面が略円形な短柱状をなし、規制
部材は、側面がストッパ−の突出方向に向けて配置さ
れ、かつストッパ−と当接する側縁部分には当該ストッ
パ−の外形に対応した円弧状部が形成してなる帯状のプ
レ−トから構成したことにある。
【0018】請求項3に記載の発明は、上記目的に加
え、さらに規制部材がストッパ−に当接するときに生じ
る音、衝撃を低減するために、ストッパ−の規制部材と
当接する部分に緩衝層を設けたことにある。
【0019】請求項4に記載の発明は、上記目的に加
え、変位する渦巻ばねがぶれないようにするために、支
軸の先端部に渦巻ばねの側面に押し付けるプレ−トを設
けたことにある。
【0020】
【作用】請求項1に記載の発明によると、座部は、通常
は支軸から径方向に延びる渦巻ばねの弾性力により、
制部材の各部と一対のストッパ−当接するまで付勢さ
れて、同位置に位置決められる。
【0021】そして、着席するときは、渦巻ばねの付勢
力に抗して、座部を前方へ倒す。この倒れた座部の上面
に座れば、規制部材が着席位置側のストッパ−と当接し
て、そのときの荷重を受ける。
【0022】離席すれば、渦巻ばねに蓄えられた弾性力
で、座部が元の起立位置に戻って所定の状態に納まる。
また一席分の間口寸法を変えた連結椅子を製作するとき
は、例えば変更した連結椅子のフレ−ム部に起立装置を
装着しておき、この座起立装置の支持座に、変更した間
口寸法に対応した幅長さを有する座部の側部を取付けれ
ば、特注品となるような部品を使用せずに、異なる間口
寸法(一席分)を有する連結椅子を製作することが可能
となる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】またこのとき、フレ−ム部と座部との間に
在る座起立装置の機構部は、ハウジングにて、周囲がカ
バ−されているから、外部から同部分へ異物が侵入する
ことはなく、同侵入を原因としたトラブルは回避され
る。
【0027】請求項2に記載の発明によると、座部が起
立位置,着席位置のいずれの位置に在るときにも、規制
部材とストッパ−とは、高い支持剛性が得られる側縁に
おいて広い面積で接する。
【0028】これにより、ストッパ−において安定して
荷重を受けられる。請求項3に記載の発明によると、座
部が起立位置,着席位置のいずれのときに移動するとき
にも、規制部材は緩衝層に当接して、そのときに生じる
音の発生、衝撃を低減する。
【0029】請求項4に記載の発明によると、渦巻ばね
はプレ−トにて矯正されているから、座部が起立位置,
着席位置のいずれのときに移動する際、渦巻ばねがぶれ
ることはない。
【0030】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図11に示す一実
施例にもとづいて説明する。図1(a)〜(d)は、本
発明を適用した例えば劇場、屋内競技場などで用いられ
る連結椅子の平面図、正面図、座起立状態、座着席状態
をそれぞれ示していて、図中1はフレ−ムである。
【0031】フレ−ム1は、例えば間口寸法X(一席
分)の間隔で、左右方向(横方向)に並設された複数本
の脚部2を有している。各脚部2は略逆L字状に形成さ
れていて、各上端部に在る後方に延びている短手部2a
の上部には肘掛部3が設けてある。
【0032】また短手部2aの後方端間には、背部固定
用のプレ−ト4が掛け渡されている。各背部固定用のプ
レ−トには、それぞれ背部5が固定してある。また脚部
2,2間には、それぞれ座部6が配置されている。
【0033】座部6の幅方向両側は、図2に示されるよ
うに座起立装置7を介して、両側の脚部側面に回動自在
に支持されている。これにより、横方向に並ぶ各肘掛部
3,3間に、背部5と回動式の座部6との組合わせより
なる、同一方向に向いた、複数の椅子本体8を構成して
いる。
【0034】要部となる座起立装置7は、一つのユニッ
トをなしている。すなわち、座起立装置7は、図2
(a),(b)、さらには図3(a),(b)に示され
るように脚部2に固定された固定側9と、座部6の側部
に固定された可動側10とを組合わせた構造が用いてあ
る。
【0035】詳しくは、固定側9は、図4、図6および
図7に示されるようにブラケットとなる有底の円筒状の
化粧カバ−11を有している。この化粧カバ−11の全
長は短く、同カバ−11の内底面の中央には、ユニット
化された支持系12が装着してある。
【0036】支持系12は、両側縁を折り曲げた帯状の
位置決めプレ−ト13を有している。このプレ−ト13
は、中央に支軸用貫通孔14を有し、これを挟む両側に
所定の間隔で一対のストッパ−用貫通孔15,15を有
している。
【0037】この位置決めプレ−ト13の裏面側から
は、円柱状の支軸16が、支軸用貫通孔14を貫通し
て、表面側に突出している。また位置決めプレ−ト13
の裏面側からは、断面が略円形な短円柱状の着席用のス
トッパ−17が、片側のストッパ−用貫通孔15を貫通
して、表側に突出している。
【0038】さらに位置決めプレ−ト13の裏面側から
は、このストッパ−15と対(一対)となる同じく断面
が略円形な短円柱状の起立用のストッパ−18が、残る
片側のストッパ−用貫通孔15を貫通して、表側に突出
している。
【0039】支軸16は、先端部外周にねじ部19を有
するとともに、軸端面にはばね端を係止するためのスリ
ット20を有している。また支軸16の後端部には、フ
ランジ部21が形成してある。
【0040】そして、このフランジ部21が位置決めプ
レ−ト13の裏面に取着(溶接など)され、支軸全体を
位置決めプレ−ト13に固定している。なお、この固定
の際、スリット20の向きを所望の向きに配置するもの
としている。
【0041】着席用ストッパ−17は、先端部外周に緩
衝層としての弾性力の有る部材、例えばゴム材より断面
が平板形のリング状に成形されてなる緩衝リング22が
嵌め込まれている。詳しくは、着席用ストッパ−17の
先端外周面には、リング嵌込用の溝部23が形成され、
これに緩衝リング22は外周面全体がストッパ−外周面
から突き出るように嵌込んである。
【0042】また着席用ストッパ−17の後端部には、
フランジ部24が形成してある。そして、このフランジ
部24が位置決めプレ−ト13の裏面に取着(溶接な
ど)され、着席用ストッパ−全体を支軸16と並行に位
置決めプレ−ト13に固定している。
【0043】起立用ストッパ−18は、先端部外周の所
定位置、本実施例では下部分に緩衝層としての弾性力の
有る部材、例えばゴム材より短柱状に成形されてなる緩
衝ピン25が植えられている。詳しくは、起立用ストッ
パ−18の下部分には、同ストッパ−18の軸心と直角
方向に延びる嵌込用の溝部26が形成され、これに緩衝
ピン25は先端部がストッパ−外周面から突き出るよう
に嵌込んである。
【0044】また起立用ストッパ−18の後端部には、
フランジ部27が形成してある。そして、このフランジ
部27が、着席用ストッパ−18のときと同様、位置決
めプレ−ト13の裏面に取着(溶接など)され、起立用
ストッパ−全体を支軸16と並行に位置決めプレ−ト1
3に固定している。
【0045】こうした支軸16,着席用ストッパ−1
7,起立用ストッパ−18を所期の位置に組付けた位置
決めプレ−ト13は、各支軸16、ストッパ−17,1
8の並びが水平方向になるように配置されて、化粧カバ
−11の内底面に取着(溶接など)してある。
【0046】これによって、着席用ストッパ−17およ
び起立用ストッパ−18を、座部6の着席位置,起立位
置と対応する、例えば180°位相した二つの地点に配
置させてある。
【0047】可動側10は、図4、図5および図7に示
されるように本体部30を有している。本体部30は、
化粧カバ−11の内周面に遊嵌されて化粧カバ−11と
組合う円筒状のハウジング31を有している。このハウ
ジング31によって、座部6と化粧カバ−11の周壁と
の間から露出する化粧カバ−11の各種部品を周囲から
覆っている。
【0048】またこのハウジング31には、支持座32
が設けてある。支持座32は、図5に示されるようにハ
ウジング31の一方の開口端に取着されてハウジング3
1の径方向に延びる略三角形状の支持壁33と、この支
持壁33の延出端をハウジング31とは反対側に略直角
に曲げてなる座部分34とを有してなる。なお、34a
は座部分34に形成された取付孔を示す。
【0049】本体部30は、この座部分34aを座部6
の側部下段の角部の形状にならって嵌込み、取付孔34
aからねじ36を挿入することによって、座部6の両側
部の所定位置(固定側9と対応する位置)に着脱可能に
固定してある。
【0050】また支持壁33のハウジング31と取着さ
れる端縁には、例えば同端縁の一部分をハウジング31
の内側へ延出させるとともに、同延出端をハウジング3
1の内周面に添うように配置させてなるばね止め部35
が形成してある。
【0051】またハウジング31の内周面の先端寄りの
部分には、規制部材37が設けられている。規制部材3
7は、各ストッパ−17,18の突出方向に側面を向け
て配置した帯状のプレ−ト37aからなる。
【0052】このプレ−ト37の両端部がハウジング3
1の内周面の例えば180°位相した内周面の二点間の
内周面部分に取着され、規制部材全体をハウジング31
の径方向中央を横切るように設置させている。
【0053】そして、各ストッパ−17,18の先端部
(突出端部)がこのプレ−ト37aの両側に形成された
ハウジング31の内腔部分に挿入され、ストッパ−1
7,18間を横切るように規制部材37を配置させてい
る。
【0054】プレ−ト37aの中央部には支持孔部39
が穿設してある。そして、この支持孔部39内には、上
記支軸16の先端部が、ブッシュ38を介して、回動自
在に嵌挿され、座部6の両側部を支軸16を支点として
回動自在に支持している。
【0055】つまり、座部6を上下方向に回動自在に支
持させている。またプレ−ト37aの各ストッパ−1
7,18と対応する両側の側縁部分には、座部6を着席
位置Aと起立位置Bとに位置決めるための当接部40,
40がそれぞれ形成されている。
【0056】そして、この二つの当接部40と各ストッ
パ−17,18との当接にしたがって、座部6を、当該
座部6が略水平状態(図9に図示)となる着席位置A、
同じく起立した状態(図8に図示)となる起立位置Bに
それぞれ規制するようにしてある。
【0057】各当接部40は、当接する各ストッパ−1
7,18の外形に対応した円弧状部となっていて、広い
面積で当接部40を受けるようにしてある。またこの
際、衝撃、荷重を有効に受けるように、図7に示される
ように当接部40は緩衝リング22とこれと隣接するス
トッパ−17の外周部分との双方に当接するように設定
してある。
【0058】プレ−ト37aから突き出た支軸16の先
端部外周には、同支軸16から径方向外側へ向かって巻
回されてなる渦巻ばね42が取付けられている。詳しく
は、渦巻ばね42は、最内周側に在る素線端部(径方向
内側の端部)42aが支軸16の軸端のスリット部20
に嵌挿されてねじ部19に螺挿されるナット43にて支
持され、最外周側に在る素線端部(径方向外側の端部)
42bがハウジング31の内周部に在るばね止め部35
に係止されて支持される。これにより、座部6と脚部2
との間の狭いスペ−スを有効に用いて、ばねを設置させ
ている。
【0059】この渦巻ばね42の支持を利用して、同渦
巻ばね42にねじり方向の弾性力を発生させ、座部6に
起立方向に向かう付勢力を発生させている。これによ
り、座部6は、通常、ストッパ−17,18で起立位置
Bに位置決められた起立状態に保たれ、前方へ倒して、
着席すれば、ストッパ−17,18で着席位置Aに位置
決められつつ、着座で加わる荷重を受けるようにしてあ
る。
【0060】またナット43と渦巻ばね42との間に
は、ナット43を締付ける力を受けて、渦巻ばね42の
側面に押し付けられる帯状のプレ−ト44が介在されて
いて、渦巻ばね42をぶれないように側方から矯正して
いる。
【0061】そして、このように座部6と脚部2との間
の隙間を利用して設置した機構部の周囲全体をハウジン
グ31で覆っている。すなわち、ハウジング31の全長
は化粧カバ−11と支持壁33との間の離間距離に対応
した寸法に設定されていて、内部の機構部が外部に露出
しないようにしてある。
【0062】こうして構成される座起立装置7の組立手
順が図10よび図11に示してある。すなわち、図10
(a)に示されるように、まず、支軸16,着席用スト
ッパ−17,起立用ストッパ−18、ブッシュ38が組
付けられた化粧カバ−11を用意する。むろん、スリッ
ト部20の向きは、支軸16を取付ける際において、所
定の付勢力を発生し得るように調節してある。
【0063】ついで、本体部30を化粧カバ−11に組
付ける。これには、まず、図10(b)に示されるよう
にプレ−ト37aの支持孔部41を支軸16に挿通さ
せ、さらに各ストッパ−17,18がプレ−ト37aの
両側の内腔部分に挿入されるようにして、ハウジング3
1を化粧カバ−11に遊嵌する。
【0064】プレ−ト37aが、ブッシュ38の後部端
に形成されているフランジ部38aと当接するまで挿通
させたならば、図10(c)に示されるように渦巻ばね
42を取付ける。
【0065】これには、まず、最外周側に在る素線端部
42bをハウジング31の内周部に在るばね止め部35
に係止させ、ついで最内周側に在る素線端部42aをプ
レ−ト37aの中央部から突き出している軸端のスリッ
ト部20内に挿入して、渦巻ばね42を位置決める。
【0066】この後、図11(a)に示されるようにプ
レ−ト44を支軸16の先端部に挿入する。ついで、図
11(b)に示されるように先端のねじ部19にナット
43を螺挿して、プレ−ト44を渦巻ばね42の側面に
押し付けつつ、素線端部42aを外れないように固定す
ることにより、渦巻ばね42が所期に取付けられる。
【0067】これにより、座起立装置7が組立てられ
る。そして、あらかじめ所定の各間口寸法X(一席分)
にしてある各脚部2の内面の所定位置に、組立てた座起
立装置7の化粧カバ−11の外面を取着(溶接など)し
て、固定側9を固定する。
【0068】ついで、脚部2から突き出た支持座32,
32間に座部6を嵌めて、同支持座32,32の取付孔
34aからねじ36を螺挿することにより、座部6と脚
部2との間に座起立装置7が装着されて、連結椅子が組
立てられる。
【0069】このようにして組立てられた連結椅子によ
ると、通常時、座部6は、渦巻ばね42の起立方向に向
かう付勢力により起立方向に回動されている。そして、
このときの付勢力によって、図8に示されるようにプレ
−ト37aの両側に在る各当接部40,40が一対のス
トッパ−17,18(着席用ストッパ−,起立用ストッ
パ−)に当接し、座部8を起立した状態に位置決めてあ
る(起立Sした状態)。
【0070】着席するときは、渦巻ばね42の付勢力に
抗して、この起立状態となっている座部6を前方へ倒
し、この倒れた座部6の上面に座れば、図9に示される
ようにプレ−ト37aの両側に在る各当接部40,40
が一対のストッパ−17,18と当接して着席位置Aに
位置決め、そのときの荷重を受けることとなる。
【0071】離席すれば、渦巻ばね42に蓄えられた弾
性力で、座部6が元の起立位置Bに戻って、所定の状態
に納まり、それに伴い座部6が占有していた部分が通路
として活用されることとなる。
【0072】また間口寸法X(一席分)を変えた連結椅
子を製作するときは、変更した連結椅子のフレ−ム1の
各脚部2に、上記した要領で座起立装置7を装着してお
く。そして、これら各座起立装置7の支持座32に、上
記した要領で、変更した間口寸法X(一席分)に対応し
た幅長さを有する座部6の側部をねじ止めすれば、従来
のように特注品となるような部品を使用せずに、異なる
間口寸法(一席分)を有する連結椅子を製作することが
できる。
【0073】したがって、座部6と脚部2との間の隙間
を設置場所に活用した渦巻ばね42を用いて構成される
座起立装置7の採用により、安価なコストで、かつ容易
に特注品と呼ばれる連結椅子を製作することができる。
また座起立装置7は幅を小さく設けることができるの
で、座部6に内蔵しなくとも座部間口寸法Yを狭めるこ
とがない。
【0074】しかも、本体部を兼ねる円筒状のハウジン
グ31で、座部6と脚部2との間の隙間から露出する座
起立装置7の機構部の周囲を覆う構造を採用したことに
より、剛性を低下させずに、外部から同部分への異物の
侵入を阻止することができ、同侵入を原因としたトラブ
ルを回避することができる。
【0075】そのうえ、ストッパ−17,18を断面が
略円形な短柱状とし、また規制部材37には当接側に端
面を定めたプレ−ト37aを採用し、さらに同プレ−ト
37aの側縁部にストッパ−17,18の外形に対応し
た円弧状の当接部42(円弧状部)に形成した構造を採
用したことにより、座部6が起立位置B,着席位置Aの
いずれの位置に在るときでも、起立時、着席時における
荷重を、高い支持剛性が得られるプレ−ト37aの側
縁、かつ広い面積で受けられる。
【0076】つまり、起立時、着席時における荷重を安
定して受けることができる。さらにストッパ−17,1
8の規制部材37と当接する部位に、緩衝リング22,
緩衝ピン25を設けたので、座部6が起立位置B,着席
位置Aのいずれの位置へ移動するときにも、規制部材3
7と緩衝部材とが当接することになり、そのときに生じ
る音の発生、衝撃を低減することができる。
【0077】しかも、規制部材37が緩衝リング22と
その周囲のストッパ−部分との双方に当接するように位
置決めたことにより、着席時の際、最終的には剛性の高
いストッパ−17およびプレ−ト37a同志の当接で荷
重を受けることができ、観客等、利用者を高い信頼性で
着席させることができる。
【0078】加えて、プレ−ト44を用いて、渦巻ばね
42を矯正したので、座部6が起立位置B,着席位置A
のいずれのときに移動する際にも、変位する渦巻ばね4
2がぶれることはなく、安定した座起立能力を発揮させ
ることができる。
【0079】なお、座起立装置は、支軸を中心として所
定の相対的回動位置関係を保つ限りにおいて、脚体およ
び座体への取付けの回転角度方向を自在に設けられるこ
とはいうまでもなく、例えば一実施例の前後および上下
方向とは異なる方向に設けてもよい。
【0080】また、一実施例では、脚部側に支軸,スト
ッパ−を設け、座部側に規制部材を設けたが、逆に座部
側に支軸,ストッパ−を設け、脚部側に規制部材を設け
てもよい。
【0081】また、一実施例では、比較的細い脚体への
適用を可能とすべく、化粧カバ−を設けたが、ハウジン
グと同等またはそれより広い取付面を有する脚体に対し
ては化粧カバ−を不要とし、位置決めプレ−トを基部と
して、すなわち同プレ−トをブラケットとして他構成部
品(支持系)を直接、脚体に取着(溶接など)してもよ
い。
【0082】加えて、一実施例では座体への取付けを支
持座の座部分にて底部から行ったが、これに限らず、支
持座を支持壁のみの構成にして、側方から座体に取付け
るようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、間口寸法(一席分)の変更に容易に対応す
ることができる。それ故、安価なコストで、容易に特注
品と呼ばれる連結椅子を製作することができる。しか
も、座起立装置は幅を小さく設けることができるので、
座部に内蔵しなくとも座部間口寸法を狭めることがな
い。
【0084】しかも、外部から機構部へ異物が侵入する
のをハウジングで阻止することができ、同侵入を原因と
したトラブルの発生を回避することができる。
【0085】請求項2に記載の発明によれば、上記請求
項1の効果加えて、規制部材とストッパ−とを、高い
支持剛性が得られる側縁でかつ広い面積で当接させるこ
とができ、安定した荷重の受けを約束することができ
る。
【0086】請求項3に記載の発明によれば、上記請求
1に記載の効果に加えて、規制部材がストッパ−に当
接するときに生じる音、衝撃を低減することができる。
【0087】請求項4に記載の発明によれば、上記請求
項1の効果の加えて、変位する渦巻ばねがぶれないよう
にすることができ、安定した座起立能力を発揮させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例の連結椅子の一部
を示す平面図。(b)は、同じく正面図。(c)は、同
じく起立状態となっている座部を示す側面図。(d)
は、同じく着席位置に在る座部を示す側面図。
【図2】(a)は、座部と脚部との間に装着されている
座起立装置を示す斜視図。(b)は、同座起立装置を固
定側と可動側とに分解したときの斜視図。
【図3】(a)は、図2(a)の要部を拡大して示す斜
視図。(b)は、図2(b)の要部を拡大して示す斜視
図。
【図4】座起立装置の構造を説明するための分解斜視
図。
【図5】同座起立装置の可動側を構成する本体部の構成
を説明するための分解斜視図。
【図6】同座起立装置の固定側の構成を説明するための
分解斜視図。
【図7】図3(a)中のT−T線に沿う座起立装置の平
断面図。
【図8】起立時における規制部材とストッパ−との位置
関係を説明するための図。
【図9】着席時における規制部材とストッパ−との位置
関係を説明するための図。
【図10】座起立装置の組立て手順を説明するための
図。
【図11】同図10の手順の後に続く、座起立装置の組
立て手順を説明するための図。
【図12】(a)は、従来の連結椅子の一部を示す平面
図。(b)は、同じく正面図。(c)は、同じく起立状
態となっている座部を示す側面図。(d)は、同じく着
席位置に在る座部を示す側面図。
【図13】同連結椅子に用いられている座起立装置の構
成を説明するための斜視図。
【符号の説明】
1…フレ−ム 2…脚部(フレ−ム部)
6…座部 7…座起立装置 8…椅子本体
9…固定側 10…可動側 11…化粧カバ−(ブラケ
ット) 13…位置決めプレ−ト 16…支軸 17,
18…ストッパ− 20…スリット部 22…緩衝リング(緩衝
層) 25…緩衝ピン(緩衝層) 31…ハウジング
32…支持座 35…ばね止め部 37…規制部材
39…支持孔部 40…当接部(円弧状部) 42…渦巻ばね
44…プレ−ト A…着席位置 B…起立位置
X…間口寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 7/56 A47C 1/121

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着席位置と起立位置との間に回動可能な
    座部を有して構成される椅子本体を、これら座部の側部
    に在るフレ−ム部を介して、複数個、横方向に連結して
    なり、かつ前記座部には当該座部を着席位置から起立位
    置へ付勢する座起立装置が設けられてなる連結椅子にお
    いて、 前記座起立装置は、 前記向き合う座部とフレ−ム部との間に配置され、先端
    部が座部側に向かって突き出るように前記フレ−ム部に
    ブラケットを介して取付けられた支軸と、 この支軸の外周部に同支軸から径方向外側へ向かって巻
    回されて取付けられた、径方向内側の端部が支軸に支持
    されてなる渦巻ばねと、 前記支軸の周辺に同支軸と並行をなして各着席位置およ
    び起立位置に配置されてなり、前記ブラケットを介し
    て、前記フレ−ム部に突設されてなる一対のストッパ−
    と、 前記向き合う座部とフレ−ム部との間に渡り前記渦巻ば
    ねの周囲を覆うように配設されてなり、前記座部の側部
    に支持座を介して着脱可能に取付けられた筒形のハウジ
    ングと、 このハウジングの内周部に設けられてなり、前記渦巻ば
    ねの径方向外側の端部を支持し、前記座部に起立位置へ
    向かう付勢力を発生させるばね止め部と、 前記一対のストッパ−間を横切るよう、前記ハウジング
    の内周面に同ハウジングの径方向中央を通る二点間に取
    着されてなり、前記ストッパ−との当接によって前記座
    部をそれぞれ着席位置、起立位置に規制する規制部材
    と、 この規制部材の中央部分に設けられ、前記支軸の先端部
    が回動自在に嵌挿されて、前記座部を回動自在に支持さ
    せる支持孔部と、 を有して構成されていることを特徴とする連結椅子。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の連結椅子におい
    て、前記一対のストッパ−は、断面が略円形な短柱状を
    なし、前記規制部材は、側面が前記ストッパ−の突出方
    向に向けて配置され、かつ前記ストッパ−と当接する側
    縁部分には当該ストッパ−の外形に対応した円弧状部が
    形成されてなる帯状のプレ−トから構成されることを特
    徴とする連結椅子。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の連結椅子におい
    て、一対のストッパ−の前記規制部材と当接する部分に
    は、緩衝層を有していることを特徴とする連結椅子。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載の連結椅子におい
    て、前記支軸の先端部は、渦巻ばねの側面を押し付ける
    プレ−トが設けられていることを特徴とする連結椅子。
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