JP3487698B2 - 電気化学的表面分析の方法 - Google Patents

電気化学的表面分析の方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的分析の
方法に関し、特に、金属または半導体の表面の特性の電
気化学的分析のためのゲル電解質の用途に関する。
【0002】
【発明の背景技術】電子工業における主要なコスト的な
問題として、エレクトロニクス部品の、特に保管してい
る間の、半田付け性のロスがある。半田付け性に乏しい
エレクトロニクス部品リードおよびプリント配線板が、
半田付け接合の欠陥の原因の大部分を占める。先の研究
においては、表面およびその下にある基板および/また
は半田付けができる部品の金属間層の酸化がこの欠陥の
原因であると判断されてきた。米国特許第5,262,
022号および5,104,494号において、半田付
け性ならびに半田付け性の回復および逐次電気化的学還
元分析の基本的な方法が記述されており、その内容は、
本明細書中に引用により援用される。
【0003】逐次電気化学的還元分析法においては、金
属の半田付け性を阻害する表面酸化物は、電気化学的還
元によって検出される。結果として得られるデータから
は、存在した酸化物の種類および量の両方ともがわか
る。プリント配線板(PWB)のスルーホールおよび表
面パッドの分析においては、電解質溶液が試験する領域
と接触させられており、また、電気的接触が、試験領域
と電気的に相互接続されたほかのPWB機構を介してな
される。抵抗ワイヤのような大きな部品リードについて
は、試験を行なう部分を電解質溶液に浸し、かつ、液面
より上でリードの一部分と電気的接点を作ることによ
り、都合よく評価を行なうことができる。しかし、細い
ピッチの部品リードについて試験を行なうことは困難で
ある。なぜなら、電解質溶液が、毛管作用によって、リ
ードを伝って部品本体まで広がる傾向があるからであ
る。部品リードにおいて、濡れていない部分がほとんど
または全くなくなることから、陰極を接続するリード
が、概して電解質溶液と接触するようになる。したがっ
て、陰極リードは、高い水素過電圧(つまり、試験する
部品と同等またはそれより高い水素過電圧)を有する必
要があり、かつ、電解質と反応することにより生じる測
定誤差を排除するため予め還元されている必要がある。
また、部品リードの上部は、毛管作用すなわちウィッキ
ング(wicking )が生じるところであるが、通常半田付
けがされるような部位ではなく、分析される部位の一部
として含まれた場合、誤った結果が生じ得る。その上、
電解質溶液がリードと部品本体の間の密封されていない
場所へと浸透することにより、装置に損傷を与え得、ま
た、電気化学的分析によるデータに大きな誤差を含むこ
とがあり得る。
【0004】逐次電気化学的還元分析を含む多くの電気
化学的分析法におけるほかの問題としては、電解質溶液
閉じ込め系において初めから存在するかまたは漏れによ
って導入される酸素による妨害がある。酸素の電気化学
的還元に伴う電流によって重要なプロセスが隠されてし
まい、分析データに誤差が生じてしまう傾向がある。し
たがって、さまざまな電子部品および耐食性部品の電気
化学的な試験に容易に適合できる、改良された、定量的
な、非破壊的な分析方法が必要とされる。
【0005】
【発明の概要】本発明には、脱酸素ゲル電解質を用いた
金属または半導体表面の電気化学的分析のための方法お
よび装置が含まれる。ゲル電解質の利用は、たとえば、
米国特許第5,262,022号に記載されているよう
な、電子部品の半田付け性の測定のための逐次電気化学
的還元分析および金属製耐食材料の電気化学的表面分析
のような既知のプロセスに適用できる。本発明の方法に
従ってなされる逐次電気化学的還元分析において、試験
される電子部品または回路基板の半田付けされ得る部位
は、ゲル化剤を含む脱酸素ホウ酸塩緩衝液のようなゲル
電解質に接触するように配置される。部品の半田付けさ
れ得る部位は、直流電源の陰極に接続される。第2の電
極つまり対極は、通常、たとえば白金またはステンレス
鋼のような不活性な材料よりなり、また、第3の電極つ
まり参照電極は、たとえば飽和カロメル電極(SCE)
であるが、これらの電極もゲル電解質と接触するように
配置される。ゲル電解質に接触している対極と部品の半
田付けされ得る部位との間に小さな電流が流れ、その
間、部品の半田付けされ得る部位を表面の酸化物につい
て分析するために、陰極と参照電極の間の電位が時間の
関数として記録される。低い電流値を用いた場合に対極
が安定した電圧を有するような系においては、対極は参
照電極の機能をも果たし、それにより参照電極を別途設
ける必要がなくなる。
【0006】脱酸素ゲル電解質を利用することにより、
逐次電気化学的還元分析のようなプロセスにおいて従来
の液体の電解質と比較していくつかの利点が生じる。液
体である電解質溶液と比較して、ゲル電解質では電気部
品リード上へのおよび/またはそれに沿った毛管作用す
なわちウィッキング(水分の移動)が生じなくなる。ウ
ィッキングが生じなくなることにより、リードの半田付
けされるべき部位のような重要な領域に対して局部的な
電気化学的分析を行なうことができるようになり、ま
た、電解質が電源部位から出ている陰極リードと接触す
ることを防ぐ効果もある。脱酸素された(または脱気さ
れた)ゲル電解質を用いると大気中の酸素による妨害効
果は最小化される。なぜなら、ゲルにおいては、大気中
の酸素の対流による混合は実際的にはなく、かつ、拡散
のプロセスは非常に速度の低いものだからである。たと
えば、不活性ガスで飽和させたゲル電解質を、テスト試
料が変わるときに短時間酸素にさらしても電気化学的分
析に対する十分な影響はなかった。したがって、場合に
よっては、電気化学的分析を、従来技術において一般的
に必要とされてきた不活性ガス雰囲気下でなく、大気雰
囲気下で行なうことも可能である。
【0007】本発明の、主要な目的は、金属または半導
体表面についての、改良された電気化学的分析法を提供
することである。本発明の特徴は、電子部品の半田付け
性を決定するための逐次電気化学的還元分析のような電
気分析法において、脱酸素ゲル電解質を利用することで
ある。本発明は、酸素が存在することにより分析におい
て誤差を生じるような、また、液体電解質の毛管作用が
望ましくないような、金属または半導体表面の電気化学
的分析に対して有利である。
【0008】本発明およびその利点についてのより完全
な理解のために、これから、図面を用い、好ましい実施
例についての詳細な説明を行なう。
【0009】
【好ましい実施例についての詳細な説明】本発明は、脱
酸素ゲル電解質を利用した電気化学的分析の方法および
それに用いる装置よりなる。ゲル電解質の利用は、たと
えば電子部品の半田付け性を測定するための逐次電気化
学的還元分析ならびに金属コーティングおよびバルク材
料の耐食性についての非破壊評価のための電気化学的A
Cインピーダンス測定のような、周知のプロセスに応用
することができる。以下、逐次電気化学的還元分析にお
いての本発明の模範的な(しかし、限定的なものではな
い)実施例について記述を行なう。
【0010】図1は、たとえばデュアルインラインパッ
ケージ(DIP)を備えるような電子部品15のコネク
タリード14に対しての逐次電気化学的還元分析のため
の、脱酸素ゲル電解質12を用いた基本的な装置10の
模式図である。一般的な場合においては、リード14の
場所には、分析されるべきいかなる金属または半導体の
表面を配置してもかまわない。リード14の電気化学的
分析は、電源20によって駆動されるが、その電源20
は、電圧および電流を測定するためのメータならびに電
圧、電流および体積電荷密度のデータを分析し、表示し
さらに印刷するためのプロセッサを含んでいてもよい。
電源20は、行なわれる電気化学的分析の形式によっ
て、AC電源またはDC電源を備えることができる。試
験される部品リードまたはリード14は、第1の電極2
2で電源20と接続している(リード14は分析におい
て別々にまたは一緒に接続されていてもかまわない)。
第2の電極24は、ゲル電解質12と接触するように配
置されている。リード14がゲル電解質12と接するよ
うに配置されていると、電源20からの電流は、ゲル電
解質を介してリード14と電極24との間を流れる。電
気化学的分析は、このようなプロセスの間中電圧および
電流を測定することにより行なう。必要であれば、電圧
を正確に測定するために、第3の、参照電極26(たと
えばSCE)をゲル電解質12と接するように配置して
もかまわない。ゲルではなく電解質溶液を用いた基本的
なプロセスについては、本明細書にその内容を参考とし
て取入れた、米国特許第5,262,022号に記載さ
れている。
【0011】模範的な装置10においては、リード14
の表面上の酸化物を少なくするために、電源20は陽極
24と陰極22との間に直流電流を与える。電流は、陽
極24とゲル電解質12に接しているリード14の一部
分との間を流れ、陽極24は、代表的には、たとえばス
テンレス鋼または白金のような不活性な物質よりなる。
この例において、陰極22の電圧は、たとえば飽和カロ
メル電極よりなり、ゲル電解質12と電気的に接続され
ている参照電極26に対して測定される。
【0012】電気化学的分析においてゲル電解質12を
用いると、従来の液体の電解質を用いた場合と比較して
いくつかの利点がある。液体の電解質溶液と比較して、
ゲル電解質12では電解質が電気部品リード14の上部
にくるおよび/または電気部品リードを伝うような、毛
管作用すなわちウィッキング(wicking )を防ぐことが
できる。その結果として、電気化学的分析は、部品リー
ド14の半田付けされるべき部分のような、重要な領域
において局部的に行なうことができる。従来技術におい
ては、毛管作用により、電解質が電源20と接続する陰
極リード22と接触してしまうことがあり、それによっ
て、電圧/電流の測定に誤りを生じ、データに誤差を含
むこととなった。部品15が、密封されるようなまたは
電解質の化学作用に対して抵抗力を有するような処理を
施されていなければ、電解質がリード14を上がってく
るような毛管作用によって、部品15も電解質によって
損傷を受けることがあった。
【0013】また、液体と異なって、ゲル電解質12
は、脱酸素された状態を効果的に維持すると考えられ
る。脱酸素された(脱気された)ゲル電解質12は、大
気中の酸素の妨害効果を減少させる。なぜなら、大気中
の酸素の対流による混合はゲルにおいては実際的にはな
く、また、ゲルにおいては酸素の拡散は非常に速度の低
いプロセスだからである。酸素による有害な効果は、ゲ
ル電解質12中にアスコルビン酸またはアスコルビン酸
イオン(たとえば、約0.2−1.0M)のような酸素
のスカベンジャーまたはゲッターを含むことによりさら
に減少させることができる。たとえば、不活性ガスで飽
和され、さらに、できるだけ酸素のスカベンジャーを含
んだゲル電解質12については、少しの間実験的に試験
品15を酸素にさらしても、電気化学的分析に影響を及
ぼすような十分な変化はみられなかった。したがって、
ゲル電解質12を用いた電気化学的分析は、従来技術に
おいて通常必要とされてきた不活性ガス雰囲気下でなく
とも大気雰囲気下で行える場合があることになる。
【0014】図2は、電源20に直接接続することが容
易ではない、たとえば、非常に短い部品リードまたは電
子部品35上に球形の格子配列(ball grid array:BGA
)で配列された球形の半田のリード34のような他の
表面に対しての電気化学的分析のために改良された装置
30の模式図である。装置30においては、導電性の、
予め還元された接触リードのメッシュ、ウール、粒子の
ベッドまたは織布からなるブラシ32が、脱酸素ゲル電
解質12の中に埋め込まれている。ブラシ32の接触リ
ードは、部品35を分析する際に電圧/電流の測定に誤
りを生じさせるような酸化物を除去するために、予め還
元されている。また、ブラシ32は、ゲル電解質12か
ら生じる水素ガスを最小限にし、さらに、より負の大き
な電位まで分析が行なえるように、高い水素過電圧(つ
まり、試験を行なう部品リード34の水素過電圧と同等
またはそれよりも高い水素過電圧)を有する物質よりな
る。図2に示すように、ブラシ32は、典型的には、分
析されるべき表面34との電気的な接触を確実にするた
めに、十分に多くの微細なワイヤまたは微粒子よりな
る。したがって、埋め込まれたワイヤブラシ32は、さ
まざまなジオメトリを有する部品表面についての分析を
容易にするために利用することができる。
【0015】上述の例に加えて、軟質ゲルまたは非常に
粘度の高い液体の電解質を用いることにより、プリント
配線板上の表面パッドについての逐次電気化学的還元分
析において、重要な利点が得られると考えられる。従来
の電解質を用いた表面パッドの試験において、凹凸を有
する表面に液体シールをうまく形成することが困難であ
ったため、空気漏れがしばしば問題となった。粘度の高
い液体または軟質ゲルの電解質は、より容易にシールを
形成すると考えられる。試験に用いる表面パッドに対し
ては、半田のペーストを分配するのに用いるのと類似す
るプランジャ−シリンダの配列から軟質ゲル電解質を分
配することができ、したがって、パッドの周りのO−リ
ングシールが必要なくなった。電圧/電流の測定の間、
ゲルが分配された部分と、ゲル電解質に接触している対
極および参照電極を含むゲルの容器との接続を維持する
ことができる。
【0016】
【ゲル電解質の調製】ゲル電解質は、たとえば、ゼラチ
ンまたは寒天のようなゲル化剤を熱した電解水溶液に添
加し、冷却してゲルを生成することにより、得ることが
できる。脱酸素ゲルは、電解質溶液に不活性ガスをバブ
ルし、さらに、電解質のゲル化の過程を不活性環境下で
行なうことにより得ることができる。脱酸素ゲルを得る
他の方法としては、電解質溶液を沸騰させたりまたは酸
素を除去するために減圧したり、さらに、ゲル化を素早
くまたは不活性雰囲気下で行なうことがある。ゆるやか
なプロセスにおいては、ゲル化した電解質は、簡単に不
活性ガスの雰囲気下で平衡に達することができる。ゲル
の硬度、剛性率および粘度は、電解質に加えるゲル化剤
の量を調節することによって簡単に調節することができ
る。ゲル形成の過程は、ゲルを加熱すると水溶液状へと
戻り、かつ、さらに冷却するとゲルを形成することか
ら、可逆過程でもある。
【0017】ゲル電解質の硬さは、個々の適用に対して
最適化されることができる。たとえば、比較的硬いゲル
は、細いピッチの表面装着リードを有する電子部品に対
して好ましい。なぜならば、分析される領域は、半田付
けされる領域であるリードの底の部分に限定することが
できるからである。比較的軟質であるゲルは、穴の円周
の周辺に電解質を首尾よく接触させられるため、プリン
ト配線板スルーホールについての測定に対して好まし
い。適当な軟度を有する軟質ゲルを用いると、試験をす
る箇所をゲルから取り去るときに、その箇所に電解質が
付着することがない。十分に軟質であるゲルは、試験を
行なう部品リードによって穴をあけられた後回復する
(元の外形、形状、コンシステンシー等へ戻る)ことか
ら、同じゲルを引続いて多くの部品の分析に用いること
ができる。
【0018】なお、本発明において、前述の電子部品等
の表面の分析の後に、脱酸素ゲル電解質を加熱し、その
後冷却することにより、脱酸素ゲル電解質の形を回復さ
せることもできる。
【0019】
【実験結果の要約】電気化学的表面分析に対してのゲル
電解質の効果を、溶融共晶すず−鉛を被覆した同一の銅
ワイヤ(直径0.65mm)を用いて試験した。試験品
についての逐次電気化学的還元分析を、さまざまなゲル
を用いて行なった。脱酸素ゲル電解質は、窒素雰囲気の
グローブボックス内で60−70℃に加熱したpH8.
4ホウ酸塩緩衝液電解質に窒素バブルし、その溶液にゲ
ル化剤を溶解させ、さらに室温までゆっくりと冷却させ
ることにより用意した。ゲル化剤としてゼラチンを用い
ると良い結果が得られた。予備的な研究においては、た
とえば、寒天、細菌培養用寒天、セチルトリアンモニウ
ムトシラート、ポリアクリルアミドおよびカルボキシル
メチルセルロースのような他のゲルも、ゲル電解質を用
意するのに用いることができることがわかった。
【0020】脱酸素ゲル電解質を用い、不活性雰囲気の
グローブボックス内で得られた逐次電気化学的還元測定
のデータは、ゲル化剤を添加しなかった脱気ホウ酸塩緩
衝液を用いて得られた結果と同様であった。酸化すずの
安定状態に達した電圧は、重要なパラメータであるが、
2つの電解質についてはほぼ同一であった。
【0021】大気中の酸素に対する脱酸素ゲル電解質の
感度についての試験も行なった。別の例においては、酸
素のスカベンジャーまたはゲッターとして脱酸素ゲルに
アスコルビン酸を加えた。図3に、脱気pH8.4ホウ
酸塩緩衝液ゲル電解質(7.5%ゼラチン)に0.2M
アスコルビン酸を添加したものおよび添加していないも
のと接触して配置させた、すず−鉛被覆ワイヤの逐次電
気化学還元分析から得れたデータ曲線を示す。窒素雰囲
気下、アスコルビン酸を添加したおよび添加していない
脱酸素ゲル電解質を用いてえられたデータを曲線36お
よび37にそれぞれ示すが、これらはほぼ同一であり、
さらに、非常に再現性がよかった。大気中、ゲル電解質
にアスコルビン酸を添加しない状態で測定を行なった結
果を曲線39に示すが、データは再現性に乏しく、曲線
の全体的な外形および安定状態に達した電圧は同様であ
るが、酸素の影響は明らかであった(たとえば、安定状
態に達するまでの長さ)。この結果は、非常に不明確な
安定状態、正の方向への電位のシフト、およびデータが
使えなくなるような時間に対する揺らぎを示す先行技術
における大気雰囲気下での電解水溶液を用いて得られ
る、逐次電気化学的還元分析でのデータとははっきりと
対照的である。ゲル電解質にアスコルビン酸を加えた場
合の、大気中で得られた逐次電気化学的還元分析のデー
タを曲線38に示すが、これは、窒素雰囲気下で得られ
たデータと非常に近い。したがって、脱酸素ゲル電解
質、特にアスコルビン酸またはアスコルビン酸イオンの
ような酸素のゲッターを加えたものは、逐次電気化学的
還元分析の酸素の影響に対する感受性をかなり下げる。
したがって、このより感受性の低いアプリケーションに
おいては、脱酸素ゲル電解質、特に酸素のスカベンジャ
ーまたはゲッターを添加されたものは、電気化学的表面
分析を大気中で行なう場合効果的に用いることができ
る。
【0022】本発明はその特定の実施例について記載さ
れてきたが、当業者によって本発明の範囲を超えない程
度にさまざまな変更および修飾がなされ得る。したがっ
て、本発明の範囲は、このような変更および修飾を含む
前掲の特許請求の範囲によって示されることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル電解質を用いた、電子部品のリードを接続
した電気化学的分析のための装置の模式図である。
【図2】予め還元された陰極リードのメッシュが埋め込
まれたゲル電解質を用いる、電子部品の球形の半田のコ
ネクタの電気化学的分析のための装置の概略図である。
【図3】本発明に従い大気雰囲気下および窒素雰囲気下
での測定法を用いて得られた、すず−鉛コーティングワ
イヤの逐次電気化学的還元分析についての、電荷密度に
対する電極電位の比較プロット図である。
【符号の説明】
10,30 装置 12 ゲル電解質 14 リード 15 電子部品 20 電源 22 陰極 24 陽極 26 参照電極 34 球形の半田のリード 35 部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディ・モーガン・テンク アメリカ合衆国、93001 カリフォルニ ア州、ベンチュラ、ナビゲーター・ドラ イブ、1198、ナンバー・85 (56)参考文献 特開 平5−157731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/42 G01N 27/416

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面上の酸化物を同定しかつ定量するた
    めの電気化学的表面分析の方法であって、 第1の電極および第2の電極を電源に接続するステップ
    と、 前記第1の電極を前記表面に接続するステップと、 脱酸素ゲルの形態で電解質を設けるステップと、 前記表面を前記脱酸素ゲル電解質と接するように配置す
    るステップと、 前記第2の電極を前記脱酸素ゲル電解質と接するように
    配置するステップと、 前記脱酸素ゲル電解質と接する前記表面上の酸化物を逐
    次的に還元するために、前記第1の電極と前記第2の電
    極との間に電流を流すステップと、 前記脱酸素ゲル電解質と接する前記表面上の酸化物を同
    定しかつ定量するために、時間の関数として前記電極に
    おける電圧および電流を測定するステップとを含む、電
    気化学的表面分析の方法。
  2. 【請求項2】 酸化物を同定しかつ定量するための前記
    電圧および電流を測定するステップが、さらに、前記表
    面の半田付け性を測定するステップを含むことを特徴と
    する、請求項1に記載の電気化学的表面分析の方法。
  3. 【請求項3】 前記脱酸素ゲル電解質を設けるステップ
    が、脱酸素電解質溶液にゲル化剤を添加するステップを
    含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気化学的表
    面分析の方法。
  4. 【請求項4】 前記脱酸素電解質溶液にゲル化剤を添加
    するステップが、ゼラチン、寒天、細菌培養用寒天、セ
    チルトリアンモニウムトシラート、ポリアクリルアミド
    およびカルボキシルメチルセルロースからなる群からゲ
    ル化剤を選択するステップを含むことを特徴とする、請
    求項3に記載の電気化学的表面分析の方法。
  5. 【請求項5】 第3の電極である参照電極を前記脱酸素
    ゲル電解質と接するように配置し、かつ、前記脱酸素ゲ
    ル電解質と接する前記表面上の酸化物を同定しかつ定量
    するために前記第1の電極と前記第3の電極の間の電圧
    および前記第1の電極と前記第2の電極の間の電流を時
    間の関数として測定するステップをさらに含むことを特
    徴とする、請求項1に記載の電気化学的表面分析の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1の電極を前記表面に接続するス
    テップが、さらに、前記脱酸素ゲル電解質内に導電性の
    物質よりなるブラシを埋込み、前記第1の電極を前記ブ
    ラシに接続し、かつ、前記表面を前記ゲル電解質におい
    て前記ブラシと接するように配置することを含むことを
    特徴とする、請求項1に記載の電気化学的表面分析の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記脱酸素ゲル電解質内に前記ブラシを
    埋込むステップが、さらに、予め還元された接触リード
    のメッシュ、ウール、粒子のベッドおよび織布からなる
    群から前記ブラシの形態を選択することを含むことを特
    徴とする、請求項6に記載の電気化学的表面分析の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記脱酸素ゲル電解質を設けるステップ
    が、前記脱酸素ゲル電解質に酸素のゲッターを含ませる
    ステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電
    気化学的表面分析の方法。
  9. 【請求項9】 前記脱酸素ゲル電解質に酸素のゲッター
    を含ませるステップが、前記脱酸素ゲル電解質へのアス
    コルビン酸またはアスコルビン酸イオンの添加を含むこ
    とを特徴とする、請求項8に記載の電気化学的表面分析
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記表面の分析の後に、前記脱酸素ゲ
    ル電解質を加熱後冷却することにより、前記脱酸素ゲル
    電解質の形を回復させるステップをさらに含むことを特
    徴とする、請求項1に記載の電気化学的表面分析の方
    法。
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