JP3486577B2 - 空間描画方法、仮想空間描画装置、および記憶媒体 - Google Patents

空間描画方法、仮想空間描画装置、および記憶媒体

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JP3486577B2 JP24929299A JP24929299A JP3486577B2 JP 3486577 B2 JP3486577 B2 JP 3486577B2 JP 24929299 A JP24929299 A JP 24929299A JP 24929299 A JP24929299 A JP 24929299A JP 3486577 B2 JP3486577 B2 JP 3486577B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光線空間理
論データのような大量の画像データをダウンロードしな
がらユーザに仮想空間を提示する空間描画方法、仮想空
間描画装置、および記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】仮想空間を、3次元幾何形状を基に記述
するのではなく、実写画像を基に記述表現する手法が数
多く提案されている。これらはImage Based Rendering
(以下、IBRと略す)と呼ばれており、実写画像を基に
するが故に、3次元幾何形状を基にする手法からは得ら
れない写実性の高い仮想空間を表現できる点に特徴があ
る。
【0003】IBRの一手法である光線空間理論に基づい
た仮想空間の記述に関する試みが提案されている。例え
ば、電子情報通信学会論文誌「CGモデルと光線空間デー
タとの融合による仮想環境の実現」(D-11, Vol. J80-D-
11 No. 11, pp3048-3057, 1997年11月)、または、「3
次元統合画像通信を目指したホログラムと光線空間の相
互変換」(3D Image Conference)などを参照。
【0004】光線空間理論について説明する。
【0005】第1図に示すように実空間に座標系O-X-Y-
Zを設置する。Z軸に垂直な基準面P(Z=z)を通過する
光線を、光線がPを横切る位置(x,y)と、光線の方
向を示す変数θ、φで表すことにする。すなわち、1本
の光線は(x, y, z,θ,φ)の5つの変数により一意に定
められる。この光線の光強度を表す関数をfと定義する
と、この空間中の光線群データはf(x, y, z,θ,φ)で表
現することが出来る。この5次元の空間を「光線空間」
と呼ぶ。より一般的には,時間変動分tを入れる場合も
あるがここでは省略する.
【0006】ここで、基準面Pをz=0に設定し、光線の
垂直方向の視差情報、すなわちφ方向の自由度を省略す
ると、光線の自由度を(x,θ)の2次元に縮退させること
ができる。このx-θ2次元空間は、光線空間の部分空間
となる。そして、実空間中の点(X,Z)を通る光線
(第2図)は、u = tanθとおくと、x−u空間上で
は、第3図に示すように、
【0007】[数1]X = x + u・Z
【0008】という直線上に写像される。カメラによる
撮影とは、カメラのレンズ焦点を通過する光線を撮像面
で受光し、その明るさや色を画像化する操作に相当す
る。言い換えると、焦点位置という実空間中の1点を通
る光線群を画像として画素数分獲得していることにな
る。ここでは、φ方向の自由度を省略し、X−Z平面内
のみでの光線の振舞いを考えているので、画像中のY軸
との直交面と交わる線分上の画素のみを考えることにな
る。このように、画像の撮影によって1点を通る光線を
集めることができ、1回の撮影でx−u空間の1本の線
分上のデータを獲得することができる。
【0009】この撮影を視点位置(本明細書では、特に
断らない限りは、視点位置は、視点の位置と視線方向の
双方を含むものとする)を変え多数行うと、多数の点を
通る光線群を獲得することができる。第4図のようにN
台のカメラを用いて実空間を撮影すると、n番目(n=
1,2,...,N)のカメラCnの焦点位置(Xn, Zn)に
対応して、第5図のごとく、
【0010】[数2]x + Znu = Xn の直線上のデータを入力することができる。このよう
に、十分に多数の視点からの撮影を行うことによって、
x−u空間を密にデータで埋めていくことができる。
【0011】逆に、x−u空間のデータ(第6図)か
ら、新しい任意の視点位置からの観察画像を生成するこ
とができる(第7図)。この図に示すように、目の形で
表した新しい視点位置E(X,Z)からの観察画像は、
x−u空間上の数式1の直線上のデータをx−u空間か
ら読み出すことによって生成できる。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】上記の光線空間デー
タの如き実写画像データは、通常、1単位毎(例えば、
物体毎)に、圧縮されて外部記憶装置などに記憶されて
いる。従って、このような空間データを仮想空間に描画
するためには、主記憶装置にダウンロードし、復号化
し、主記憶装置上で描画する必要がある。一方、ユーザ
にとっては、仮想空間に描画されるべき全ての仮想物体
の仮想画像が表示されて初めてその仮想空間の把握が可
能になる。従って、描画すべき物体が複数存在する場合
には、ユーザは、それら物体の空間データが全て、ダウ
ンロードされ、復号化され、描画された後でなければ、
それらの仮想物体を把握できないことになる。即ち、こ
のような仮想空間を例えばウオークスルー体験する場合
には、レスポンスの悪い描画装置となってしまう。
【0013】これが、光線空間データのような空間デー
タを取り扱うに際しての従来技術に関わる第1の問題点
である。
【0014】従来技術に関わる第2の問題は、光線空間
データなどの実写画像データが大量のデータを含むこと
に起因する。かかるデータは通常データベースの形で、
画像処理装置から離れたところに格納するのが普通であ
るが、そのために、画像処理装置が、仮想空間に仮想画
像を展開するためには、前提として、大量の空間データ
を画像処理装置にダウンロードしておかなくてはならな
い。実写画像データは、その膨大さ故に、通信速度が昨
今向上したとはいえ、空間データを要求してから、その
空間データを画像処理装置内で描画することができるよ
うになるまでのターンアラウンド時間の長さは看過でき
ないほどである。従って、発明者たちは、このような仮
想空間をユーザに提示するシステムにおいて、実写画像
データを利用できるようになるまでの待ち時間に、ユー
ザを退屈させないことの必要性を認識するに到った。即
ち、この待ち時間の間は、任意視点位置からのシーンを
得ることはできないものの、ダウンロード時間の短いビ
ルボード画像(一枚の画像)を代用させるのである。
【0015】従来技術に関わる第3の問題は、光線空間
データなどの実写画像データを用いて、仮想空間内を自
由に巡ることのできるウオークスルーシステムを提供す
る場合において、システムのメモリ容量に制限がある場
合に発生する。即ち、上述の第1の問題に対処するため
に、仮想空間を複数のサブ空間(例えば、仮想美術館で
あれば、各展示室が1つのサブ空間を構成する)に分割
する手法を提案することができる。
【0016】即ち、ユーザが、ある展示室に近づこうと
することが検知される場合には、その展示室だけの空間
データを先読みしておくことにより、描画処理に先立つ
転送処理に要する時間を短縮する。またさらに、ユーザ
がその展示室(サブ空間Aとすると)を出ようとすると
きは、次のサブ空間(例えば展示室B)のための空間デ
ータを、それまで展示室Aの空間データを記憶していた
記憶領域に上書きして記憶させる必要がある。こうする
ことにより、比較的に少ないメモリ容量であっても、リ
アルタイムに近い速度で次々に展示室のサブ仮想空間を
再現することができる。
【0017】ところで、この先読みは、ユーザの視点位
置が目的のサブ空間に近づいたことをもって判断する。
しかしながら、ユーザの視点位置の移動は、マウスなど
を用いるために、高精度の経路誘導を行うというもので
はなく、そのために、誤った経路にユーザを招きかねな
い。即ち、先読み開始領域にないユーザの視点位置を、
誤って、その先読み開始領域にあると検出した場合に
は、システムは、先読みを開始してしまう。特に、ユー
ザの視点位置を先読み開始ゾーンの近傍において移動さ
せた場合には、この誤動作は起こりやすい。例えば、第
8図に示すように、視点位置が、展示室空間から先読み
開始ゾーンに入り、更に再び、展示室空間に戻るといっ
た操作が行われた場合において、上記の誤った先読み動
作が行われると、展示室空間のための大容量の空間デー
タはパージ(消去)されてしまい、再び、展示室空間に
「戻った」(視点位置が誤検出されたための起こった事
態であるので、ユーザにとっては、戻るという意識はな
い)には、システム側は、この展示室空間のデータを再
度転送する必要がある。これは時間の面でかなりの無駄
な操作となる。
【0018】本発明は上記第3の問題点に向けられたも
のである。
【0019】 本発明の目的は、上記空間データの無駄
な再転送の発生がない空間描画方法、装置を提案する。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の、請求項1に記載の、仮想空間を描画する空間描画方
法は、仮想空間を描画する空間描画方法において、複数
の仮想空間の空間データを第1のメモリに格納してお
き、第1の領域に属する任意指示位置における第1の仮
想空間を、前記第1のメモリと異なる第2のメモリに前
記第1のメモリからダウンロードしておいた第1の空間
データに基づいて描画し、指示位置が前記第1の領域の
外側の第2の領域内に移動したときに、前記第1の空間
データを前記第2のメモリ内に保持しておくと共に、前
記第2の領域の空間データを前記第1のメモリから前記
第2のメモリにダウンロードし、指示位置が、前記第1
の領域から前記第2の領域に移動した後、前記第2の領
域の外側の第3の領域内に移動したときに、前記第2の
メモリ内に保持されていた前記第1の空間データを解放
することを特徴とする。
【0021】 請求項1の方法によれば、指示位置が、
第1の領域の外側の第2の領域にあるということは、第
1の領域(第1の仮想空間)に戻る可能性があることを
意味するが、第1の空間データは第2のメモリに保持さ
れているので、第1の領域に戻ったとしても、第1の空
間データを再ダウンロードする必要性はない。そして、
請求項3のように、指示位置が前記第2の領域から前記
第1の領域に戻ったときに、前記第2のメモリに保持さ
れている前記第1の空間データを、仮想空間の描画の基
礎に用いる。
【0022】 第2のメモリを有効に利用するために
は、第1の空間データが不要であることが明白である場
合には、それを無効化することが好ましい。そこで、請
求項1の方法によれば、指示位置が、前記第1の領域か
ら前記第2の領域に移動した後、前記第2の領域の外側
の第3の領域内に移動したときに、前記第2のメモリ内
に保持されていた前記第1の空間データを解放する。
【0023】 空間データの解放は、ユーザの操作に起
因して行うだけではなく、自動的に行うことも、操作性
を向上させるためにも好ましい。そこで、請求項2のよ
うに、指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域
に移動した後、第2の領域に第1の時間幅だけ留まった
ときに、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第1
の空間データを解放する。
【0024】 自動解放の契機を、ユーザが任意時点で
設定できることも好ましい。そこで、請求項4によれ
ば、位置・姿勢に指示位置が、前記第1の領域から前記
第2の領域に移動した場合において、指示位置が第2の
領域に留まる間にユーザが所定の指示操作を行ったとき
に、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第1の空
間データを解放する。
【0025】 本発明の好適な一態様である請求項5に
拠れば、前記第3の領域は、前記第1の仮想空間の前記
第1の領域と、前記第2の領域の双方を囲う。複数の仮
想空間を渡り歩く例えばウオークスルー環境下では、ど
の仮想空間にも強く結びつかない領域が存在すること
が、無駄なダウンロードやメモリ解放を頻発させないた
めにも好ましい。
【0026】 実際の操作では、指示位置が前記第1の
領域と第2の領域との間での出入りを繰り返すことが考
えられる。そこで、この場合には、請求項6のように、
前記第2の領域の空間データのダウンロードの繰り返し
を規制することにより、第2の領域の空間データの無駄
なダウンロードを防止する。
【0027】 本発明の好適な一態様である請求項7に
拠れば、指示位置が前記第3の領域から前記第1の仮想
空間の前記第2の領域に入るときには、前記第1の空間
データが前記第2のメモリに既に保持されていることを
確認する。複数の仮想空間で指示位置が遷移する領域で
ある第2の領域としての位置的性質を有効に利用するこ
とが可能となる。
【0028】 本発明の目的は、請求項1乃至8のいず
れかに記載の空間描画方法を実現するコンピュータプロ
グラムを記憶するプログラム記憶媒体によっても達成さ
れる。
【0029】 本発明の目的は、請求項9,10に記載
の空間描画装置によっても達成できる。
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明を、仮想空間内のウオークスルー体験に適用した
実施形態に関わる画像描画装置及び画像描画方法を詳細
に説明する。これらの実施形態は、メモリに十分な余裕
があり、全ての光線空間理論により表現されたデータ(r
ay space data、以下、RSDと簡略化する場合がある)を
記憶するだけの主記憶を有するウオークスルーシステム
(第1実施形態)と、内部に小型の主記憶装置を有し、
全部の空間データを記憶する容量がないために、記憶領
域の確保→記憶領域の解放を繰り返す実施形態(第2実
施形態)とを説明する。
【0033】第9図は、実施形態の画像処理システムの
構成を示す。第9図に示したハード構成は通常のワーク
ステーションの構成である。即ち、ハード構成自身は通
常のワークステーションと異なるところはない。
【0034】このシステムは、ユーザに仮想空間をCR
T23上に提示するものである。ユーザはマウス28を
操作してその仮想空間を自由にウオークスルーしたり、
仮想空間中の物体を操作(移動や回転あるいは拡大な
ど)することができる。即ち、仮想空間内の物体は実写
画像に基づいて光線空間データに変換されてディスク2
5に前もって格納されているが、ウオークスルーするに
つれて視点位置が移動すると、移動した視点位置で観測
できる画像を第7図にて説明したように生成し、幾何モ
デルベースの従来のCGデータをレンダリングして生成し
た画像に合成してCRT23上に表示する。
【0035】RSDデータベース29は、大容量のメモリ
を有し、全空間の光線空間データを記憶している。ま
た、ビルボード画像データベース31は、複数枚のビル
ボード画像を記憶する。ここで、ビルボード画像データ
とは、例えば、ある視点位置から観測した物体の画像デ
ータであり,データ量は光線空間データに比べて極めて
少ない.
【0036】前述したように、光線空間データのデータ
ベース29からの転送が間に合わないときには、代わり
に、このビルボード画像がユーザに提供される。
【0037】32は、ジョイスティックであり、ユーザ
の視点位置の移動を指示する。
【0038】第10図は、第1実施形態及び第2実施形
態によって形成される仮想空間を示す。この仮想空間は
各々がサブ仮想空間である、
【0039】 ゾーンA、ゾーンB、ゾーンC、ゾーンD、ゾーンE
【0040】の5つゾーンを有する。第10図では、説
明の便宜上、ゾーンA、ゾーンBのみを詳細に示す。各
ゾーン(サブ仮想空間)の境界は一点鎖線でユーザに映
示される。ユーザの視点位置の移動経路(ウオークスル
ー路)を細い実線で示す。1つのゾーンには、仮想上の
展示室を表す矩形の「壁」を太い実線で示した。各展示
室には、夫々、4つの出入り口が設けられ、ここから、
ユーザは各展示室に仮想的に出入りすることができる。
【0041】〈第1実施形態〉第11図は、第1実施形
態に関わる画像処理装置の構成を示す。この第1実施形
態の特徴は、光線空間データの準備が間に合わないとき
には、例えば仮想空間中で光線空間データオブジェクト
が配置される位置にビルボードを設置し,それに画像
(ビルボード画像)を貼り付けてユーザに提示することに
より、データベース29からの光線空間データの転送遅
れ(ダウンロード遅れ)による違和感を防止するもので
ある。ビルボード画像は光線空間データに比して圧倒的
にデータ容量が少なく、そのために転送時間が光線空間
データの転送に比して少ないからである。
【0042】第11図において、光線空間データやビル
ボード画像データは外部のデータベース29,31に記
憶される。これらのデータベースは、通信インタフェー
ス(例えばイーサネット)などを介して主記憶27内の
所定の領域(27A,27B)に保存される。主記憶内
に記憶された光線空間データやビルボード画像データ
は、描画部40がCPU20の制御の下に仮想空間上に
描画する。
【0043】第1実施形態では、CPU20が、RSデー
タDB(データベース)29から光線空間データをメモリ
領域27Aに、ビルボード画像データをメモリ領域27
Bに保存する。メモリ上に保存できたか否かは、各ゾー
ン毎に、第12図のようなテーブルによって管理され
る。
【0044】第1実施形態は、光線空間データの主記憶
メモリ27への転送を、3つの転送順序に従って行うも
ので、その3つの例を第1実施例と第2実施例と第3実
施例として説明する。
【0045】第13図は第1実施例に係る制御手順のフ
ローチャートである。この第1実施例は、全てのビルボ
ード画像データを、ステップS10〜ステップS14
で、データベース31から主記憶27Bにダウンロード
して格納し、その画像データを復号化した後に、仮想空
間におけるウオークスルー体験を可能とするものであ
る。そして、この第1実施例の特徴は、ウオークスルー
体験を与えるためのユーザへの仮想画像の提示(ステッ
プS16〜ステップS24)と、光線空間データの主記
憶27Aへの転送(ステップS30〜ステップS38)
とを並列(但し、直列に行ってもよい)に行うものであ
る。
【0046】即ち、ステップS10〜ステップS14で
のビルボード画像の転送処理(復号化処理も含む)が終
了すると、第12図のテーブルにおいて、ビルボード画
像データは全てのゾーンについて、「存在する」とマー
クされるであろう。
【0047】ステップS14が終了すると、ウオークス
ルーが可能になる。即ち、ユーザがジョイスティックな
どで指定した視点位置はステップS18で検知され、ス
テップS20では、その視点位置に近い、光線空間デー
タが選択される。
【0048】ここで、視点位置に近い光線空間データと
は、現在の視点位置の3次元空間上の位置に対して、所
定の距離以内にある仮想物体(サブ仮想空間を含む)の
空間データを言う。距離のみを問題とし、ユーザの視線
方向は問わない。どの方向にある物体でも、ユーザが近
づく可能性のある物体だからである。距離は、第1実施
例の例では、展示室の大きさとの関係で前もって決定し
ておけばよい。
【0049】その視点位置に対応する光線空間データが
まだメモリ27上に存在しないときには、ビルボード画
像データが代用される。即ち、ビルボードと光線空間画
像とでは後者が優先される。なぜなら、光線空間データ
は、特定の視点位置からの画像データを基にして任意の
視点位置からの仮想画像を高精細に生成することができ
るからである。従って、光線空間データが主記憶27上
に存在するのであれば、ステップS22で現在の視点位
置に合わせて仮想画像が生成されて、ステップS24で
CRT上に提示される。
【0050】ウオークスルーによる仮想空間の描画・提
示に並行して、ステップS30〜ステップS38では光
線空間データの転送が行われる。即ち、ステップS30
では、光線空間データの1空間単位のデータ転送が行わ
れる。ここで、1空間単位の空間データとは、例えば、
第10図などの、1つのゾーン等に関連する空間データ
群をいう。1単位毎のデータ転送が終了すると、ステッ
プS34では、光線空間データから画像生成を行い、ス
テップS36では、当該光線空間データが主記憶上に存
在するとマークし、ステップS38では、次の1空間の
光線空間データをDB29に送るように要求する。
【0051】尚、ステップS36では、光線空間データ
が存在するとのマークのみを行い、対応するビルボード
画像は消去されないようにしていたが、メモリの有効利
用の観点から、光線空間データがある限りは使用されな
いビルボード画像データは主記憶27から除去してもよ
い。
【0052】このように、第1実施形態の第1実施例で
は、ビルボード画像を先にダウンロードして、仮想空間
におけるウオークスルー体験を可能としておき、その後
に、仮想空間での仮想画像の描画と、光線空間データの
データベースからの転送とを並列に行うようにし、リア
ルタイムでの視点位置における光線空間データが主記憶
装置上に存在しない場合には、ビルボード画像データに
よる仮想画像の描画を行い、必要とする光線空間データ
が主記憶装置上に存在する場合にはその光線空間データ
による仮想画像の描画を行うようにする。この結果、最
低限でもビルボード画像によるウオークスルー体験を、
早期に可能にする。
【0053】第14図に、第2実施例の制御手順を示
す。前記第1実施例が、前もって決められた順序で光線
空間データをDB29から主記憶27Aに転送するもので
あったが、この第2実施例は、ユーザの現在の視点位置
に近い空間の光線空間データをデータベース29から選
択的に転送するものである。ユーザの視点位置に近いデ
ータほど、その描画が要求されるはずであるからであ
る。
【0054】第13図の制御手順と第14図の制御手順
とは、後者がステップS26とステップS28とを有す
る点で異なるに過ぎない。即ち、ステップS26で、ユ
ーザの現在の視点位置を取得し、ステップS28では、
その位置に近い1空間分の光線空間データを転送する。
他の工程は第1実施例と同じである。
【0055】また,この例ではユーザの視点位置に近い
空間の光線空間データを選択して読みこむようにした
が,1個の空間内でも視点位置にもっとも近い物体の光
線空間データから読みこむようにすることも可能であ
る.
【0056】上記第2実施例では、光線空間データの復
号化は、その光線空間データのデータベースからの転送
の直後に併せて行われていた。即ち、1空間単位の光線
空間データは、転送と併せて復号化されて、主記憶上に
格納された。処理に時間のかかるものは、仮想画像の描
画を除けば、圧縮された光線空間データの転送と、その
圧縮データの復号化である。そこで、第3実施例は、光
線空間データの主記憶へのダウンロードをビルボード画
像のダウンロードと同時に行い、光線空間データは符号
化されたまま、主記憶上におく。リアルタイム上の任意
の視点位置における描画に必要な光線空間データの復号
化は、その要求の発生した時点で行うというものであ
る。
【0057】第35図は、第3実施例の制御手順を示す
フローチャートである。この第35図のフローチャート
と、第2実施例のフローチャート(第14図)とを比較
して、同じステップ番号は同じ処理を示すものとする
と、第2実施例のステップS12は第3実施例ではステ
ップS13に、第2実施例のステップS20は第3実施
例ではステップS21に、第2実施例のステップS28
は第3実施例ではステップS29に、夫々変更されてい
る。即ち、ステップS13では、全空間単位での、ビル
ボード画像データのダウンロードと復号化とを行い、同
ステップにて、併せて、全空間単位での光線空間データ
のダウンロードとを行っている。そして、復号化は、ス
テップS29において、現在のユーザ視点位置に最も近
い空間の光線空間データのみが行われ、そのデータはス
テップS34で仮想画像生成に用いられ、ステップS3
6→ステップS38を介してステップS16→…→ステ
ップS24において表示される。
【0058】かくして、この第3実施例に拠れば、符号
化された光線空間データのダウンロードを待たねばなら
ないと言う短所はあるものの、ビルボード画像による仮
想空間でのウオークスルー体験を早期に味わうことがで
きると言う第1,第2実施例による効果と同じ効果を得
ることができる。また、光線空間データの復号化は、現
在の視点位置に近いもののみが行われるので、リアルタ
イムでの視点位置での仮想空間をレスポンスよく体験す
ることができるという効果も得られる。また、たとえ、
復号化が間に合わなくとも、最低限、ビルボード画像で
の提示が成されるので、リアルタイム性が確保される。
【0059】上記第3実施例では,あらかじめ符号化さ
れた光線空間データをメインメモリに読みこみ終わるま
でウォークスルーができないように記しているが,ビル
ボード画像を読みこみ終えたら,ウォークスルーと符号
化された光線空間データの読みこみを並行して行っても
よい.
【0060】〈第1実施形態の効果〉以上説明した第1
実施形態によると、
【0061】I: 先にビルボード画像データを主記憶
に存在させることにより、光線空間がDBに存在しない場
合でも、少なくとも一部の画像をユーザに提示すること
により、違和感をなくすことができる。ビルボード画像
であっても、ユーザは、その画像により当該仮想空間の
特性などを想定することができるので、不要であるとユ
ーザ自身が判断できれば次の空間に進むことができる。 II: 光線空間データの転送は種々の形態で可能であ
る。第1実施例の手法によれば、光線空間データの転送
は、仮想画像の提示と並行して、予め決められた順序で
行うために、ウオークスルーと光線空間データの同時処
理が可能となっている。 III: 第1実施例の手法は、必ずしも、ユーザが現時
点で欲する光線空間空間のデータを提供するものではな
い。しかし、第2実施例の手法は、ユーザが現に欲しい
空間内の画像データによる仮想画像の提示となる。 IV: 第3実施例に拠れば、仮想空間におけるウオーク
スルー体験を早期に行いたいという課題と、リアルタイ
ム性に優れたウオークスルー体験とを両立することがで
きる。
【0062】〈第2実施形態〉第1実施形態は主記憶容
量が膨大である場合に有効であった。しかし、光線空間
データはその容量が膨大であり、多くの場合、システム
メモリ(主記憶)にゆとりが無くなる。第2実施形態
は、少ないメモリ容量でも、光線空間データによる仮想
空間の描画を可能にするものである。即ち、第2実施形
態のシステムは、ユーザが欲する部分仮想空間を察知
し、その部分(サブ)仮想空間のデータを、当該サブ空
間に入る前に、先読みで入手しておくものである。この
第2実施形態では、メモリ容量が限られているために、
一度入った1つのサブ空間から他のサブ空間に出ると、
前の空間の光線空間データは消去される。一方、推定に
よる先読みは、推定した空間の同定を誤ると、折角、メ
モリに確保した光線空間データを誤って消去してしま
い、かえって非効率の原因となる。この点について、こ
の第2実施形態は特別な工夫(後述)をしている。
【0063】第15図は、第2実施形態に係る画像処理
装置のハード構成を示す。第1実施形態と異なるところ
は、主記憶27が低容量化されたために、光線空間デー
タを記憶するためのメモリ領域が、2単位分の容量(バ
ンクB1とバンクB2と呼ぶ)に分割されていることで
ある。
【0064】この第2実施形態に特徴的なことは、仮想
空間の各ゾーンに対しては、前もて、種々の情報が埋め
込まれている。即ち、仮想空間は、平面方向で、
【0065】中間ゾーン、
【0066】遷移ゾーン、
【0067】表示対象ゾーン
【0068】という3種類のゾーンに分割されている。
表示対象ゾーンは、光線空間データによる仮想画像の表
示を第1の目的に設定された仮想ゾーンであり、第16
図の例でも分かるように、主目的である展示室の大きさ
に合わせて設定されている。第16図の例では、ゾーン
AとゾーンBとは共に「表示対象ゾーン」である。ユー
ザは、この表示対象ゾーンの内側を自由に移動できるも
のであり、本システムは、ユーザの移動された視点位置
に合わせた仮想画像を生成し表示する。表示対象ゾーン
の外側には、この表示対象ゾーンと他の表示対象ゾーン
への移動経路を表す「遷移ゾーン」と「中間ゾーン」と
が設けられている。「遷移ゾーン」は、現時点で滞在し
ている表示対象ゾーンの周辺部に略同一の幅で形成され
た帯状のゾーンである。また、中間ゾーンは、複数の表
示対象ゾーン間に亘って形成された、「通路」としての
移動領域である。
【0069】第16図の例では、遷移ゾーンとして、表
示対象ゾーンAの外側には、TAC、T AB、TAD、TAEが設け
られ、表示対象ゾーンの外側には、TBC、TBA、TBDが設
けられている。例えば、遷移ゾーンTACは表示対象ゾー
ンAと表示対象ゾーンCとの間での遷移を制御するため
の情報が埋め込まれている。当然ことながら、遷移は2
方向で存在する。即ち、表示対象ゾーンへ進入する遷移
と、表示対象ゾーンから進出する(外に出る)遷移であ
る。
【0070】各ゾーンは、第17図に示す如く、そのゾ
ーンの属性を示す属性値を有する。またさらに、属性値
に加えて、そのゾーンが表示対象ゾーン(属性値=0)
である場合において、当該ゾーン自身で描画表示のため
に必要とする画像を示す「必要画像ID」(以下、RQD-ID
と略す)フィールドを有する。
【0071】遷移ゾーンは前述したように2つの表示対
象ゾーン間での遷移を取り扱う。このために、遷移ゾー
ン内にユーザの視点位置があるときは、その視点位置の
変化の方向は2つの方向のいずれかを有する。当該遷移
ゾーンが、内側の表示対象ゾーンから他の表示対象ゾー
ンに遷移する場合を示すために、その外側にある表示対
象ゾーンの画像を要求する(即ち、その外側にある表示
対象ゾーンへ移動することを予想しての先読みの要求)
ことを示すべく、「外側要求画像データID」(以下、EX
T-DMND-IDと略す)フィールドには、その移動しようと
する表示対象ゾーンでの光線空間データのIDを記憶す
る。また、当該遷移ゾーンが、他の外側の表示対象ゾー
ンから内側の表示対象ゾーンに遷移する場合を示すため
に、その内側の表示対象ゾーンの画像を要求する(即
ち、その内側の表示対象ゾーンへ移動することを予想し
ての先読みの要求)ことを示すべく、「内側要求画像デ
ータID」(以下、INT-DMND-IDと略す)フィールドに
は、その移動しようとする表示対象ゾーンでの光線空間
データのIDを記憶する。ここで、「ID」とは、第1実施
形態と同じように、1単位の光線空間データの集合を指
定する識別子である。
【0072】具体的には、第16図の例で、遷移ゾーン
TACは、表示対象ゾーンAと表示対象ゾーンCの間に存
在するから、この遷移ゾーンTACは、内側の表示対象ゾ
ーンAに進入する目的で、この遷移ゾーンTACに進入し
てきた場合と、外側の表示対象ゾーンCに進出すること
を目的として、この遷移ゾーンTACに進入してきた場合
とがあり、前者の場合には、INT-DMND-IDとして光線空
間画像データAを先読みで要求し、後者の場合には、EX
T-DMND-IDとして光線空間画像データCを先読みで要求す
る。
【0073】遷移ゾーンの外側には、第16図の例で、
Xとして示された「中間ゾーン」が設けられている。中
間ゾーンは、表示対象ゾーンから表示対象ゾーンに移動
するに際して先読みを行わずに移動することを可能とす
る。
【0074】遷移ゾーンの最大の目的は、メモリ27を
小容量化したことに伴って必要とされる、光線空間デー
タの先読みを実現することである。また、メモリを小容
量化すると、不要となった光線空間データを記憶するバ
ッファを、より早く解放(「先解放」)しなくてはなら
ないが、中間ゾーンの目的は、誤って先解放した場合
に、再度、消失した光線空間データをDB29からダウン
ロードするという無用な手間の発生を未然に防止するも
のである。即ち、後述するように、ジョイスティックな
どの操作を誤ったがために、表示対象ゾーンから進出す
ると誤判断されたような場合でも、この第2実施形態で
は、直ちにバッファ(メモリバンクにおける記憶領域)
を解放しないで、他方の空いているメモリバンクに、EX
T-DMND-IDに示された光線空間データを格納するように
する。このようにすると、第8図の例で、再度、表示対
象ゾーンに戻ってきても、その表示対象ゾーンの光線空
間データはメモリバンクに保存されているので、ダウン
ロードを行う必要が無くなる。
【0075】第18図に、表示対象ゾーンAの周囲の各
種ゾーンに埋め込まれたゾーン属性情報の例を図示す
る。
【0076】第19図により、ユーザの視点位置が中間
ゾーン→遷移ゾーン→表示対象ゾーンに移動して行く過
程での、第2実施形態の特徴的な制御について説明す
る。この例の遷移ゾーンに埋め込まれた画像IDは、中間
ゾーンから遷移ゾーンに移ってきたときに先読み開始の
対象とする空間データのID(=INT-DMND-ID)はAであり、
表示対象ゾーンから遷移ゾーンに移行してきたときの先
読み開始対象とする空間データのID(=EXT-DMND-ID)はB
である。即ち、中間ゾーンから遷移ゾーンに移行してき
たときは、ゾーン属性情報中のINT-DMND-IDを読み出
し、続く表示対象ゾーンでの空間データがAであること
を知って、その空間データの、DB29から(例えば)バ
ンクB1へのダウンロードを開始する。空間データAは、
表示対象ゾーンAの全体の光線空間データを含むもので
あるから、先読みは表示対象ゾーンAに実際に到達した
時点で直ちに光線空間を使用することが可能となるの
で、効果的である。次ぎに、遷移ゾーンから表示対象ゾ
ーンに移動してきたときは、この表示対象ゾーンのRQD-
IDがAであることから、上述のダウンロードにより空間
データAが主記憶27のメモリ領域内(例えば、バンク
B1)に格納されていることを確認する。ダウンロードが
終了していない場合には、この表示対象ゾーン内で待つ
ことになろう。
【0077】第20図により、ユーザの視点位置が表示
対象ゾーン→遷移ゾーン→中間ゾーンに移動して行く、
即ち、別の表示対象ゾーンに移動する過程での、第2実
施形態の特徴的な制御について説明する。
【0078】表示対象ゾーンから遷移ゾーンに移行して
きたときは、ゾーン属性情報中のEXT-DMND-IDを読み出
し、それまで滞在していた表示対象ゾーンAに隣り合う
表示対象ゾーンの空間データがBであることを知る。そ
こで、その空間データの、DB29からのダウンロードを
開始する。ここで、空間データAはバンクB1に既に記憶
されているので、空間データBのダウンロード先はバン
クB2とする。即ち、バンクB1内の空間データAはそのま
ま保存する。
【0079】この第2実施形態では同じ遷移ゾーンにと
どまる間は、その遷移ゾーンの下位の表示対象ゾーンの
ための空間データを保持しておく。この保持により、ユ
ーザが再度表示対象ゾーンに戻ったときでも、バンクB1
内の空間データAをそのまま使うことができるので、光
線空間データAの再ダウンロードが防止される。また、
次の表示対象ゾーンのための光線空間データBの先読み
込みは既に開始されているので、表示対象ゾーンBに到
着したときはその光線空間Bを直ちに描画できることが
期待される。
【0080】この第2実施形態では、遷移ゾーンにとど
まったまま、前の表示対象ゾーンの光線空間データを保
持できるのは、所定時間の遷移ゾーンでの留まりに制限
されている。この時間は、1単位の光線空間の容量、ユ
ーザの好み、仮想空間の大きさに応じて可変とされ、若
しくは前もって設定されているべきであるが、説明の便
宜上、この第2実施形態では、例えば5秒に設定されて
いる。即ち、第21図の例では、表示対象ゾーンAから
遷移ゾーンに移行した後に、表示対象ゾーンに戻り、再
度遷移ゾーンに移行し、また、表示対象ゾーンに戻り、
さらに遷移ゾーンに移行するという動作を行っている
が、この動作では、遷移ゾーンにとどまっていた各々の
時間は全て5秒未満であったがために、光線空間データ
Aは保持されていたものである。
【0081】一方、第22図の例では、遷移ゾーンに5
秒間とどまっていたので、遷移ゾーンに滞在しているに
も関わらず、バンクB1のデータAはパージ(無効)さ
れ、そのバッファは解放されたことになる。
【0082】第21図に示したような、ユーザの視点位
置が遷移ゾーンにとどまる間は、マウス若しくはジョイ
スティックの操作によって、ユーザが表示対象ゾーンの
内部ではあるが、その周辺部を移動する操作を行った場
合には、誤って遷移ゾーンに進入してしまい、ユーザに
とっては誤認識となってしまうことがあるからである。
但し、5秒以上、遷移ゾーンにとどまるということは、
ユーザが下の表示対象ゾーンを離れる意図を有している
ものと推認できるために、バッファに保存していたその
ゾーンの光線空間データを破棄してもよいのである。
【0083】次に、フローチャートなどを参照しながら
第2実施形態の制御手順について説明する。尚、第23
図乃至第26図は、この制御手順に用いられる各種レジ
スタを説明するものであり、実際の制御手順は第27図
以降に示される。
【0084】第27図は第2実施形態の制御手順のメイ
ンルーチンを示す。
【0085】即ち、ステップS100でビルボード画像
をビルボード画像DB31からダウンロードする。第2実
施形態では、展示室のような表示対象ゾーンでは、光線
空間データに基づいた仮想画像を表示するのが原則であ
るが、前述したように、主記憶の光線空間格納用のバン
ク容量が少ないので、表示対象ゾーンに近づく毎に光線
空間データを先読みするようにしている。このために、
場合によっては、ユーザが表示対象ゾーンに進入した時
点で光線空間データが揃っていない場合がある。ビルボ
ード画像は、かかる場合に、代替画像として表示され
る。
【0086】ステップS100でビルボード画像の全て
がメモリ27のバンクB領域にダウンロードされたな
らば、ステップS102以下で、ユーザにウオークスル
ーが許される。
【0087】ステップS102では、ユーザがジョイス
ティックなどを操作して、仮想視点位置を移動したか否
かを判定する。視点位置の移動があった場合には、ステ
ップS104で、その移動がゾーンを超えた移動である
かを判定する。ゾーンを跨った移動でない場合には、ス
テップS116に進み、その視点位置における、仮想画
像を生成して表示する。この場合には、光線空間データ
が存在しない場合には、ビルボード画像を表示し、光線
空間データが存在する場合には、その光線空間データを
仮想画像に変換して表示する。第28図は、視点位置に
対応させて、光線空間データによる仮想画像が表示され
る場合と、ビルボード画像が表示される場合とを示す。
尚、ビルボード画像は、前述の第1実施形態とこの第2
実施形態とでは、VRML(Virtual Reality Modeling Lang
uage)で記述されている。ビルボード画像を表示するこ
との利点は、ユーザが仮想空間をウオークスルーする場
合には、目的のサブ空間を所謂ブラウジングすることが
多く、かかるブラウジングの場合には、光線空間データ
による高精細な画像よりも、ビルボード画像で十分に目
的が達成されるからである。
【0088】ユーザの視点位置移動により、ゾーンが変
更された場合には、ステップS104に進み、ステップ
S106では、レジスタCR-Z(第21図参照)に記憶さ
れていた表示対象ゾーンの属性値を、レジスタPR-Zに待
避する。ステップS108では、当該ゾーンのゾーン属
性情報(第17図)を読み出し、その属性値をレジスタ
CR-Zに保持する。ステップS112では、レジスタPR-Z
の前ゾーンの属性値と、レジスタCR-Z内の現ゾーンの属
性値とを比較することにより、ゾーン変化を検出する。
ここで、ゾーン変化は、属性値の変化として認識でき、
第2実施形態では、
【0089】2→1(中間ゾーン→遷移ゾーン)、
【0090】1→0(遷移ゾーン→表示対象ゾーン)
【0091】0→1(表示対象ゾーン→遷移ゾーン)
【0092】1→2(遷移ゾーン→中間ゾーン)
【0093】の4通りの変化があり得る。そこで、ステ
ップS114で、これらの変化に応じた処理を行う。
【0094】〈中間ゾーン→遷移ゾーン〉中間ゾーンか
ら遷移ゾーンに移動してきた場合とは、ユーザがこの遷
移ゾーンからさらに表示対象ゾーンに移動することが予
想される場合が多い。一方、第2実施形態では、後述す
るように、ユーザの体験希望の対象である表示対象ゾー
ンの光線空間データは、その前の表示対象ゾーンに続く
遷移ゾーンへの遷移(第31図の0→1移動)において
先読みしている筈である。そこで、ステップS200で
は、この遷移ゾーンの属性情報であるINT-DMND-IDを有
する光線空間データが、メモリバンクB1またはB2の、ど
ちら側に格納されているかを確認する。この確認は、レ
ジスタFB1,FB2のうちで、値1(バンク内データは有
効)を有するものを選択し、その値が1であるバンクBX
に対応するレジスタIDBXの値により、どのメモリバンク
に光線空間データが記憶されているかを調べることがで
きる。光線空間が既にバンク中にダウンロードされてい
るならば、第29図の制御手順からRETURNして、メイン
ルーチンに戻る。
【0095】光線空間データがダウンロードされていな
い場合には、ステップS202で、現在、ダウンロード
している最中かを判定する。この判定は、通信インタフ
ェース24(第15図)の状態を管理するレジスタCOM
の値(第26図参照)を調べることにより為される。CO
M=1であれば、現在、光線空間データがどちらかのバン
クにダウンロードされている最中であると判断して、メ
インルーチンにRETURNする。ステップS202では、ダ
ウンロードの終了を待つことはしない。この遷移ゾーン
から次の表示対象ゾーンに移動するまでの間にダウンロ
ードが終了しているかもしれないからである。尚、この
ダウンロードの最中であるか否かの確認は、フラグFB1
またはFB2の値が3であるか否かを判断することによっ
て確認すると、さらによい。
【0096】ダウンロードされていない場合には、ステ
ップS204以下で、データベースDB29からダウンロ
ード(先読み)を行う。即ち、ステップS204では、
空のメモリバンクを探す。空のメモリバンクは、レジス
タFBの値 (第23図)が0であるメモリバンクである。
このようなバンクが見つかったならば、そのバンク番号
をワークレジスタWK(=0または1)に格納する。ステッ
プS206で、そのバンクBWKのフラグFWKの値を、ダウ
ンロード中であることを示す値3にセットする。そし
て、ステップS208で、光線空間DB29に対してダウ
ンロードのための転送要求を出す。そして、通信インタ
フェース24のレジスタの値を、ダウンロードであるこ
とを示すように、COM=1とする。
【0097】かくして、中間ゾーンから遷移ゾーンに進
入してきたときは、これから更に進入するであろう表示
対象ゾーンの光線空間データの格納状態を確認し、格納
されていない場合には、ダウンロードを行って光線空間
データの先読みを開始する。
【0098】尚、ステップS200でNOと判断(その
必要な光線空間データがメモリバンク内に存在していな
い)された場合には、そのデータがダウンロード中か否
かをステップS202で判断し、その判断結果に拘わら
ず、第29図の制御手順から、第27図のステップS1
16にRETURNしていたが、ステップS116では、その
移動した視点位置における空間データにより仮想画像を
描画しているので、光線空間データが存在すれば、光線
空間データによる描画が、ダウンロードが終了していな
い場合には、ビルボード画像による代替表示が行われる
ことになる。
【0099】〈遷移ゾーン→表示対象ゾーン〉遷移ゾー
ンから表示対象ゾーンに移行してきた場合の制御手順を
第30図に示す。遷移ゾーン→表示対象ゾーンという移
動は、中間ゾーン→遷移ゾーン→表示対象ゾーンという
通常の移動の他に、第21図に示したような、表示対象
ゾーン→遷移ゾーンに移動し、その遷移ゾーンから表示
対象ゾーンに戻るような場合も含む。いずれにしても、
既にメモリバンクに必要な空間データが存在するか、或
いは、そのメモリバンク中にダウンロードされつつある
かの、いずれかでなくてはならない。ステップS250
での判断がNOであった場合には、制御は誤りがあった
のであるから、終了する。この判断は、当該表示対象ゾ
ーンの属性情報(第17図)の必要画像ID(RQD-ID)に対
応する値を参照して、第24図のテーブルをサーチする
ことにより、なされる。即ち、表示対象ゾーンAに進入
した場合には、BA=1であれば、光線空間データAはバ
ンクB1に、BA=2であれば、光線空間データAはバンク
B2に格納されている。
【0100】一方、ステップS250でYES、即ち、
メモリバンク中に必要な光線空間データが既に、存在す
るか、或いは、そのデータをダウンロード中である場合
には、ステップS252でタイマTMRの値がゼロである
か否かを調べる。即ち、表示対象ゾーン→遷移ゾーンへ
の移動では、前述したように、5秒間タイマTMRを起動
しているので、再び、表示対象ゾーンに戻った場合に
は、このタイマTMRをリセットする必要がある。そこ
で、ステップS252で、5秒間の監視タイマTMRが起
動されているかを調べ、起動されていれば、ステップS
254でリセットする。
【0101】ステップS256,ステップS258で
は、一旦「グレイ」とマークされた光線空間データを
「有効」データであると復活させるものである。ステッ
プS256,ステップS258の処理に関しては、第3
1図のステップS290以下の説明で関連して行う。
【0102】かくして、表示対象ゾーンではユーザは光
線空間データに基づいた仮想空間を体験することができ
る。
【0103】〈ダウンロードの終了〉ダウンロードの終
了は、オペレーティングシステムにより、本制御手順に
割り込みがかけられる。この割り込みが検知されると、
第34図の制御手順が起動される。
【0104】第34図のステップS400で、通信イン
タフェース24の状態をアイドル状態(COM=0)に設
定する。ステップS402では、当該ダウンロードによ
りデータ格納が行われていたメモリバンクを調べる。即
ち、FB=3であるバンクを探し、そのバンク番号をワーク
レジスタWKに待避する。ステップS404では、当該バ
ンクのレジスタFWKの値を、データ有効であることを示
すために、“1”にセットする。更に、ステップS40
6では、バンクBWKに格納されているデータの識別を行
うために、IDWKの値を光線空間データの識別子(A, B, C
…)に設定する。更にステップS408では、空間デー
タの記憶先を示すレジスタB(第24図)に、ダウンロ
ードされた光線空間データの識別子を示す値をセットす
る。
【0105】かくして、レジスタFB1、FB2、IDB1、I
DB2、BA…などにより、光線空間データが有効に格納さ
れているバンクの所在を任意にチェックすることが可能
になった。
【0106】〈表示対象ゾーン→遷移ゾーン〉表示対象
ゾーンから遷移ゾーンに移動した場合の制御手順を第3
1図に示す。
【0107】即ち、ステップS280では、タイマTMR
を起動する。タイマTMRのタイムアウト(TMRの値が所定
値に達する)するか否かは、第33図の制御手順で監視
される。
【0108】ステップS282以下では、次の表示対象
ゾーン(隣の表示対象ゾーン)のための光線空間データ
のダウンロードの準備を行う。即ち、ステップS282
で、空のメモリバンクを探すために、レジスタFBの値が
0であるバンクを探し、そのバンク番号をワークレジス
タWKに格納する。ステップS284で、このメモリバン
クBWKをダウンロード中とマーク(FWK=3)する。そし
て、ステップS282でダウンロードの開始をインタフ
ェース24に指令する。ステップS288では、インタ
フェース24の状態をダウンロード中とマーク(COM=
3)する。
【0109】更にステップS290以下で、前の表示対
象ゾーン(それまでユーザが滞在していた表示対象ゾー
ン)で描画目的で使用されていた光線空間データを「グ
レイ」とマークする。前述したように、表示対象ゾーン
から遷移ゾーンに移動してきたときは、他の表示対象ゾ
ーンに移動する可能性が高いので、それまでの表示対象
ゾーンで使用してきた光線空間データは不要となる可能
性が高い。しかしながら、この第2実施形態では、ジョ
イスティックの誤操作を考慮して、その光線空間データ
を保持するようにしていることは、第21図、第22図
で説明した通りである。メモリバンク内に保持される光
線空間データは、消去される可能性もあるので、本実施
形態では、「グレイ」状態にあると呼ぶ。尚、「グレ
イ」状態にある光線空間データの消去は、1→2移動の
制御手順である第32図のステップS302で行う。
【0110】ステップS290では、当該遷移ゾーンの
INT-DMND-IDの値から、前の表示対象ゾーンに用いられ
ていた光線空間データの識別子を知り、この値をワーク
レジスタWKに格納し、ステップS292では、画像の記
憶先を保持するレジスタB(第24図)を参照して、当
該光線空間データが記憶されていたメモリバンクの番号
を知り、その値をワークレジスタWKに格納する。そし
て、ステップS294では、このメモリバンクの状態を
「グレイ」とマークするために、FWK=2とする。
【0111】かくして、第31図の制御手順では、次の
表示対象ゾーンのための光線空間データが先読み開始さ
れると共に、それまで使用していた光線空間データを
「グレイ」状態とすることにより、何時でも復活可能と
した。
【0112】もし、ユーザが、再度,元の表示対象ゾー
ンに戻るような操作を行ったとすると、その操作は、遷
移ゾーン→表示対象ゾーンへの移行と検知されて、第3
0図のステップS256によって処理される。即ち、ス
テップS256で、グレイ状態にあるバンクがサーチさ
れて、ステップS258では、その状態値を、FB=1と
する。
【0113】尚、ステップS286で、開始したダウン
ロードにより、次の表示対象ゾーンのための光線空間デ
ータがやがてバンク上で有効(FB=1)とマークされるよ
うになる、即ち、有効な画像データが2つのメモリバン
ク(B1とB2)の双方に格納された状態が発生する
が、この第2実施形態では、画像描画は、第24図のレ
ジスタBの値に従って行うために、2つの有効光線空間
データを混同することはない。
【0114】〈遷移ゾーン→中間ゾーン〉遷移ゾーンか
ら中間ゾーンへと移動してきた場合には、第32図の制
御手順が実行される。
【0115】即ち、ステップS300では、グレイ状態
になっている光線空間データをパージするために、当該
光線空間データを格納しているバンクを探す。即ち、ス
テップS300では、FB=2であるバンクを調べ、そのバ
ンク番号をワークレジスタWKに格納し、更に、そのバン
クのレジスタFWKの状態値をデータ無効であることを示
す0とする。更に、ステップS304では、対応するレ
ジスタIDB(第23図)とレジスタB(第24図)の値
を、上記データの無効化が反映されるように設定し直
す。
【0116】〈タイムアウトの発生〉5秒タイマTMRが
タイムアウトした場合の制御手順を第33図に従って説
明する。このタイマTMRは、ユーザ視点位置が遷移ゾー
ン内にある場合にのみ有効である。
【0117】ステップS500では、タイマTMRをリセ
ットする。ステップS502では、「グレイ」状態とさ
れている光線空間データを記憶するバンクを探し、その
バンク番号をワークレジスタWKに記憶する。ステップS
504では、その番号のバンクの状態レジスタFWKの値
を0(データ無効)にセットする。ステップS506で
は、関連するレジスタIDB(第23図)とレジスタB(第
24図)の値を、上記データの無効化が反映されるよう
に設定し直す。
【0118】かくして、遷移ゾーンに所定時間以上とど
まっていた場合には、ユーザが元の表示対象ゾーンを離
れる意向がハッキリしていると推定して、グレイ状態に
ある光線空間データを無効化する。即ち、ユーザに替わ
ってバッファの解放が自動的に行われる。
【0119】第2実施形態は種々に変形可能である。
【0120】I: 例えば、第2実施形態では、1つの
表示対象ゾーンを囲むゾーンには、二重のゾーン、即
ち、遷移ゾーンと中間ゾーンの2つのみを設けていた
が、その数は2つに限定されない。例えば、上層の遷移
ゾーンと下層の遷移ゾーンを2つ設けることを提案す
る。即ち、上記第2実施形態では、光線空間データの先
読みは、次の表示対象ゾーンに進む場合(表示対象ゾー
ン→遷移ゾーンという移動)に行われていた。但し、中
間ゾーンから表示対象ゾーンに進む場合にも先読みは成
されていたが、これは表示対象ゾーンの次の層の遷移ゾ
ーンで開始される先読みであるために、遷移ゾーンから
すぐに表示対象ゾーンに移行することとなり、実効性に
乏しい。そこで、上記のように、2層の遷移ゾーンを設
け、上層の遷移ゾーンでは、当該表示対象ゾーンに進入
するときの先読みを行い、下層の遷移ゾーンでは、当該
表示対象ゾーンから他の表示対象ゾーンへ進むときの先
読みを行うようにする。この場合は、中間ゾーンは不要
となる。 II: 上記第2実施形態では、例えば、表示対象ゾーン
(A)→AからBへの遷移ゾーン→中間ゾーン→Cの遷移ゾ
ーン→表示対象ゾーンCと移動した場合には、AからBへ
の遷移ゾーンにおいて、表示対象ゾーンBのための光線
空間データの先読みは行われるけれども、結局、表示対
象ゾーンCに移動したのであるから、先の先読みは効率
的な先読みとはならない。かかる場合に備えて、中間ゾ
ーンも全て、表示対象ゾーンに対応させて細分化するこ
とにより、上記先読みの非効率かを防止することができ
る。
【0121】III: 上記実施形態では、光線空間デー
タを例にして説明したが、本発明はこれに限定されず、
データ転送にある程度の時間を要する空間データ、即
ち、リアルタイム処理に足かせとなるようなデータ転送
時間を必要とするあらゆる空間データに対しても、適用
可能である。従って、本発明は、主記憶とDBとの間が、
通信回線によって接続されているシステムにのみ適用さ
れるものではなく、そのアプリケーションのリアルタイ
ム性に対する要求度によって、本発明の処理が必要とな
るか否かを判断すべきである。従って、場合によって
は、本発明は、主記憶とデータベースDBとが並列バスに
よって接続されているようなシステムにも適用可能であ
る。
【0122】IV: 上記第2実施形態では、グレイ領域
とされた光線空間データは遷移ゾーンに所定時間留まっ
ていた場合には消去するようになっていたが、更に、ユ
ーザが、所定のキーボード操作(或いは、例えば第36
図に示されたような所定のアイコンに対する操作)によ
って、その消去動作が開始されるように変形してもよ
い。 V: この第2実施形態では、光線空間データはデータ
ベース29では符号化されており、そのデータベースか
らダウンロードされてくる都度に復号化されていた。し
かしながら、第1実施形態の第3実施例に関連して説明
したように、符号化空間データの復号化処理が時間を要
する反面、符号化されている空間データはメモリ容量を
大きく占有しない。即ち、システムに装備されている主
記憶のメモリ容量によっては、符号化されている光線空
間データの全てを格納する余裕が生まれる可能性があ
る。そこで、主記憶27に余裕がある場合には、第2実
施形態に対して上記第3実施例と同じような変形例を施
し、即ち、光線空間データの全てをメモリ27にダウン
ロードしておき、リアルタイムに移動してきたユーザ視
点位置における光線空間データのみを復号化するような
変形例を提案する。この変形例では、第2実施形態に対
して、復号化処理専用のプロセッサ或いはタスクを別途
に設け、更に、第2実施形態のダウンロード動作が、復
号化処理に相当するように変形例する。即ち、ダウンロ
ード中か否かのフラグ(COM)は、復号化処理中か否かの
フラグに変更し、バンク内のデータは有効か否かのフラ
グ(第23図のFB)は復号化されているか否かを示すフ
ラグとする。そして、全ての表示対象ゾーンの光線空間
データは、ステップS100(第27図)において、ビ
ルボード画像データと共にダウンロードされるように変
形例する。その上で、新たな表示対象ゾーンにはいると
きの光線空間データのデータベースからの先読みは、符
号化データを復号化させる処理を先行化させる動作に変
更する。
【0123】このような変形例により、第2実施形態に
対して、リアルタイム処理が更に改善される。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、仮
想空間を渡り歩く場合に、ある仮想空間の描画のために
一旦ダウンロードしたデータを、再度ダウンロードする
という無駄を防止することができる。
【0125】更に、所定の条件を満たせば、メモリを解
放するので、そのメモリを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光線空間データを生成する原理を説明する
図。
【図2】 実空間でのデータを説明する図。
【図3】 図2の空間が光線空間データによって表され
たときの図。
【図4】 カメラが複数ある時の実空間データを生成す
る原理を説明する図。
【図5】 カメラが複数ある時の光線空間データを生成
する原理を説明する図。
【図6】 カメラが複数ある時の光線空間データから、
任意の視点位置における光線空間データ(x+Zu=X)を生成
する原理を説明する図。
【図7】 図6の任意視点からの実空間を再構成する原
理を説明する図。
【図8】 発明者が提案しようとするウオークスルー環
境下で発生し得る不都合を説明する図。
【図9】 第1実施形態と第2実施形態に関わる仮想空
間提示装置(仮想画像描画装置)の構成を説明する図。
【図10】 第1実施形態と第2実施形態における仮想
空間の構成を説明する図。
【図11】 第1実施形態の装置における主要部分の構
成を説明する図。
【図12】 第1実施形態のシステムにおいて、光線空
間理論データとビルボード画像データとのダウンロード
状態を管理するテーブルの構成を説明する図。
【図13】 第1実施形態の第1実施例の制御手順を示
すフローチャート。
【図14】 第1実施形態の第2実施例の制御手順を示
すフローチャート。
【図15】 本発明の第2実施形態の構成を説明するブ
ロック図。
【図16】 第2実施形態において用いられる仮想空間
の一構成例を説明する図。
【図17】 第2実施形態において、仮想空間内の各ゾ
ーンに与えられた属性情報を示す図。
【図18】 図17の属性に従って、図16のゾーンA
に与えられた属性値を説明する図。
【図19】 第2実施形態において、ユーザの視点位置
が、中間ゾーンから遷移ゾーン、更に表示対象ゾーンへ
と移動する過程で行われる主な制御動作を概略的に説明
する図。
【図20】 第2実施形態において、ユーザの視点位置
が、表示対象ゾーンから遷移ゾーン、更に、中間ゾーン
へと移動する過程で行われる主な制御動作を概略的に説
明する図。
【図21】 第2実施形態において、ユーザの視点位置
が表示対象ゾーンと遷移ゾーンの間を往復する場合の制
御動作を概略的に説明する図。
【図22】 第2実施形態において、ユーザの視点位置
が遷移ゾーンに留まる場合の制御動作を概略的に説明す
る図。
【図23】 第2実施形態の制御手順で用いられる各種
レジスタ、特に、メモリバンクの状態を管理するレジス
タと、バンク内に記憶された画像の識別を記憶するレジ
スタとを説明する図。
【図24】 第2実施形態の制御手順で用いられる各種
レジスタ、特に、各表示対象ゾーンで描画されるべき光
線空間理論データと、そのデータの格納先との関係を管
理するレジスタを説明する図。
【図25】 第2実施形態の制御手順で用いられる各種
レジスタ、特に、ユーザが直前にいた表示対象ゾーンの
識別を記憶するレジスタPR-Zと、現在の表示対象ゾーン
の識別を記憶するレジスタCR-Zとを説明する図。
【図26】 第2実施形態の制御手順で用いられるレジ
スタCOMとタイマTMRとを説明する図。
【図27】 第2実施形態の制御手順のメインルーチン
に係るフローチャート。
【図28】 第2実施形態(第1実施形態でも同様)に
おいて、光線空間理論データによる仮想画像とビルボー
ド画像データによる仮想画像との関係を説明する図。
【図29】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図30】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図31】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図32】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図33】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図34】 第2実施形態の制御手順の一部を説明する
フローチャート。
【図35】 第1実施形態の第3実施例の制御手順の一
部を説明するフローチャート。
【図36】 第2実施形態の変形例に関わるアイコンの
形状を説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小竹 大輔 横浜市西区花咲町6丁目145番地 横浜 花咲ビル 株式会社エム・アール・シス テム研究所内 (56)参考文献 特開 平10−312471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 15/00 - 17/50 G06F 13/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮想空間を描画する空間描画方法におい
    て、 複数の仮想空間の空間データを第1のメモリに格納して
    おき、 第1の領域に属する任意指示位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリと異なる第2のメモリに前記第
    1のメモリからダウンロードしておいた第1の空間デー
    タに基づいて描画し、 指示位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    し、 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した後、前記第2の領域の外側の第3の領域内に移動し
    たときに、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第
    1の空間データを解放 することを特徴とする空間描画方
    法。
  2. 【請求項2】 仮想空間を描画する空間描画方法におい
    て、 複数の仮想空間の空間データを第1のメモリに格納して
    おき、 第1の領域に属する任意指示位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリと異なる第2のメモリに前記第
    1のメモリからダウンロードしておいた第1の空間デー
    タに基づいて描画し、 指示位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    ドし、 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した後、前記第2の領域に第1の時間幅だけ留まったと
    きに、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第1の
    空間データを解放することを特徴とする空間描画方法。
  3. 【請求項3】 指示位置が前記第2の領域から前記第1
    の領域に戻ったときに、前記第2のメモリに保持されて
    いる前記第1の空間データを、仮想空間の描画の基礎に
    用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の空間描
    画方法。
  4. 【請求項4】 仮想空間を描画する空間描画方法におい
    て、 複数の仮想空間の空間データを第1のメモリに格納して
    おき、 第1の領域に属する任意指示位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリと異なる第2のメモリに前記第
    1のメモリからダウンロードしておいた第1の空間デー
    タに基づいて描画し、 指示位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    ドし、 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した場合において、指示位置が前記第2の領域に留まる
    間にユーザが所定の指示操作を行ったときに、前記第2
    のメモリ内に保持されていた前記第1の空間データを解
    放することを特徴とする空間描画方法。
  5. 【請求項5】 前記第3の領域は、前記第1の仮想空間
    の前記第1の領域と、前記第2の領域の双方を囲うこと
    を特徴とする請求項に記載の空間描画方法。
  6. 【請求項6】 指示位置が前記第1の領域と第2の領域
    との間での出入りを繰り返すときには、前記第2の領域
    の空間データのダウンロードの繰り返しを規制すること
    を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の空間描
    画方法。
  7. 【請求項7】 指示位置が前記第3の領域から前記第1
    の仮想空間の前記第2の領域に入るときには、前記第1
    の空間データが前記第2のメモリに既に保持されている
    ことを確認することを特徴とする請求項に記載の空間
    描画方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至のいずれかに記載の空間
    描画方法を実現するコンピュータプログラムを記憶する
    プログラム記憶媒体。
  9. 【請求項9】 任意の視点位置から見た仮想空間を描画
    する仮想空間描画装置において、 複数の仮想空間の空間データを格納する第1のメモリ
    と、 前記第1のメモリと異なる第2のメモリと、 第1の領域に属する任意視点位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウン
    ロードしておいた第1の空間データに基づいて描画する
    手段と、 視点位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    ドする手段と 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した後、前記第2の領域の外側の第3の領域内に移動し
    たときに、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第
    1の空間データを解放する手段と を具備することを特徴
    とする仮想空間描画装置。
  10. 【請求項10】 任意の視点位置から見た仮想空間を描
    画する仮想空間描画装置において、 複数の仮想空間の空間データを格納する第1のメモリ
    と、 前記第1のメモリと異なる第2のメモリと、 第1の領域に属する任意視点位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウン
    ロードしておいた第1の空間データに基づいて描画する
    手段と、 視点位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    ドする手段と、 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した後、前記第2の領域に第1の時間幅だけ留まったと
    きに、前記第2のメモリ内に保持されていた前記第1の
    空間データを解放する手段とを具備することを特徴とす
    る仮想空間描画装置。
  11. 【請求項11】 仮想空間を描画する仮想空間描画装置
    において、 複数の仮想空間の空間データを格納する第1のメモリ
    と、 前記第1のメモリとは異なる第2のメモリと、 第1の領域に属する任意指示位置における第1の仮想空
    間を、前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウン
    ロードしておいた第1の空間データに基づいて描画する
    手段と、 指示位置が前記第1の領域の外側の第2の領域内に移動
    したときに、前記第1の空間データを前記第2のメモリ
    内に保持しておくと共に、前記第2の領域の空間データ
    を前記第1のメモリから前記第2のメモリにダウンロー
    ドする手段と、 指示位置が、前記第1の領域から前記第2の領域に移動
    した場合において、指示位置が前記第2の領域に留まる
    間にユーザが所定の指示操作を行ったときに、前記第2
    のメモリ内に保持されていた前記第1の空間データを解
    放する手段とを具備することを特徴とする仮想空間描画
    装置。
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