JP3486302B2 - 操舵/推力制御装置 - Google Patents

操舵/推力制御装置

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JP3486302B2 JP19200996A JP19200996A JP3486302B2 JP 3486302 B2 JP3486302 B2 JP 3486302B2 JP 19200996 A JP19200996 A JP 19200996A JP 19200996 A JP19200996 A JP 19200996A JP 3486302 B2 JP3486302 B2 JP 3486302B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、飛しょう体の飛し
ょう中の制御を行う空力翼と推力偏向用ベーンとをそれ
ぞれ軸着した出力軸を、単一の駆動モータで回動制御す
るようにしたものに係り、特に空力翼に発生する空力負
荷と推力偏向用ベーンに発生する空力負荷とにより生じ
るトルクが、相互に相殺されるようにすることによっ
て、駆動モータに負荷されるトルクを低減できるように
した操舵/推力制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】飛しょう体の姿勢制御および飛行方向制
御を行うために、舵面(空力翼)に外部流(空気流)を
作用させ、また推力偏向用ベーンにより推進エンジンの
燃焼ガス流の方向を変えて推力方向を変え、機体制御に
必要とする運動を飛しょう体に発生させることが行われ
ている。 【0003】図4は、このような空力翼と推力偏向用ベ
ーンとを設け、機体制御を行うようにした飛しょう体の
操舵/推力制御装置を示す斜視図である。図示省略した
飛しょう体の後端部には、出力軸06に軸着され、出力
軸06の回動により、外部を流れる空気流010に対す
る迎角を変えて、翼面に発生する空気力の大きさを制御
して、飛しょう体に所望の運動を発生させる空力翼05
が設けられるとともに、飛しょう体の推進を行うロケッ
トモータの燃焼ガス09が噴出するロケットモータノズ
ル08の出口部には、出力軸06′に軸着され、出力軸
06′の回動により、燃焼ガス09の噴出方向を変え
て、推進力の方向を制御して、飛しょう体に所望の運動
を発生させる推力偏向用ベーン07が設けられている。 【0004】また、空力翼05と推力偏向用ベーン07
とを、それぞれ回動させる出力軸06,06′は、空力
翼05側、推力偏向用ベーン07側ともに、同一方向の
ねじ溝が刻設され、駆動モータ01の発生トルクで回動
する1体のモータ軸02、ねじ方向が同一にされてモー
タ軸02に刻設されたねじ溝にそれぞれ螺合し、モータ
軸02の回動により、モータ軸02の配設方向である機
体軸の前後方向に、同一の位相で移動する2個のボール
スクリュウ03,03、およびボールスクリュウ03,
03にそれぞれ連結されたトルクアーム04,04を介
して、駆動モータ01のトルクが伝達されることにより
作動する。 【0005】すなわち、1台の駆動モータ01の作動に
より、空力翼05および推力偏向用ベーン07の空気流
および燃焼ガス流09の流れ方向に対する傾き角を変え
て、飛しょう体に所望の運動を発生させる場合には、空
力翼05の傾き角で飛しょう体に発生する運動と、空力
翼05の傾き角と同方向の傾き角にした、推力偏向用ベ
ーン07の傾き角で飛しょう体に発生する運動とが、同
一方向の運動を発生させるようにしているため、上述し
たように、出力軸06を回動させる、ボールスクリュウ
03、モータ軸02に刻設されるねじ溝と、出力軸0
6′を回動させる、ボールスクリュウ03、モータ軸0
2に刻設されるねじ溝とは、同一方向にねじ溝にされ
て、ボールスクリュウ03,03が同一位相で移動し
て、出力軸06,06′を同一方向に回動させ、飛しょ
う体に同一方向の運動を発生させるようにしている。 【0006】このように、2つの出力軸6,6′を回動
させる駆動モータ01の必要トルクは、空力翼05、推
力偏向用ベーン07にそれぞれ作用する空気流010お
よび燃焼ガス09流によって、空力翼05、推力偏向用
ベーン07のそれぞれに発生する空力負荷により生じる
外部負荷トルクが、共に出力軸6,6′の回転角の増加
に対向する向きに作用することから、それぞれで生じる
外部負荷トルクの和以上のトルクを必要とすることにな
る。 【0007】すなわち、図4において示した、従来の操
舵/推力制御装置においては、空力翼05に作用する空
気流010による空力負荷によって生じる外部負荷トル
クTefは、空気力の作用力中心CPが空力翼05を軸
着している出力軸06より流れの下流側にあるため、出
力軸06の回転角を空力負荷をさらに増加させる回転方
向Rに対抗する方向に働き、さらに、推力偏向用ベーン
07に作用する燃焼ガス流09によって発生する空力負
荷による外部負荷トルクTevも、燃焼ガス流09の作
用力中心CP′が推力偏向用ベーン07を軸着している
出力軸06′より流れの下流側にあり、同様に推力の方
向をさらに偏向させる、回転角を増加させる回転方向
R′に対抗する方向に作用する。 【0008】前述したように、駆動モータ01のトルク
を空力翼05の出力軸06、および推力偏向用ベーン0
7の出力軸06′に、それぞれ伝達するモータ軸02、
およびモータ軸02に螺合するボールスクリュウ03,
03のねじ方向も同じであるため、空力翼05、推力偏
向用ベーン07で発生する外部負荷トルクTef,Te
vは、同位相のモータ軸換算時負荷T′ef,T′ev
となって、駆動モータ01に負荷されることになる。従
って、従来の操舵/推力制御装置では、駆動モータ01
に必要となるトルクは、空力翼05、および推力偏向用
ベーン07に作用する空力負荷によって発生する外部負
荷トルクの和、Tef+Tev以上となり、駆動モータ
01の高出力化、寸法増大をまねく不具合があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の操舵/推力制御装置の不具合を解消するため、空力
翼で発生する外部負荷トルクと、推力偏向用ベーンで発
生する外部負荷トルクとが、互に逆方向のトルクとなっ
て駆動モータに負荷されるようにして、駆動モータを低
出力化できるとともに、寸法も縮小でき、小容量化でき
る操舵/推力制御装置を提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】このため、本発明の操舵
/推力制御装置は、次の手段とした。胴体から外部流内
に突出された空力翼に作用する外部流によって、空力翼
に発生する空力負荷によって、空力翼を軸着し、回動す
る第1の出力軸に生じ、第1の出力軸を回動制御するた
めに設けられている、トルクアーム,ボールスクリュウ
およびモータ軸を介して、駆動モータに負荷されるトル
クの方向と、推進エンジンから外部に噴出する燃焼ガス
流中に設置された、推力偏向用ベーンに作用する燃焼ガ
ス流によって、推力偏向用ベーンに発生する流体(空
力)負荷によって、推力偏向用ベーンを軸着し、回動す
る第2の出力軸に生じ、第2の出力軸を回動制御するた
めに設けられている、上述した装置を介して、駆動モー
タに負荷されるトルクの方向とが、互いに逆方向になる
ように、空力翼および推力偏向用ベーンのそれぞれに発
生する空力負荷の作用力中心を設定するようにした。 【0011】すなわち、空力翼を軸着した第1の出力軸
および推力偏向用ベーンを軸着した第2の出力軸を、単
一の駆動モータのモータ軸にそれぞれ螺合させたボール
スクリュの前後移動により回動させて、前記空力翼で発
生する空気力および前記推力偏向用ベーンの推力方向を
それぞれ制御して飛しょうを行う、飛しょう体の操舵/
推力制御装置において、前記空力翼の空力負荷の作用力
中心を前記第1の出力軸よりも流れの上流側に配置する
と共に前記推力偏向用ベーンの作用力中心を前記第2の
出力軸よりも流れの下流側に配置するか、或いは、前記
空力翼の空力負荷の作用力中心を前記第1の出力軸より
も流れの下流側に配置すると共に前記推力偏向用ベーン
の作用力中心を前記第2の出力軸よりも流れの上流側に
配置することにより、双方の空力負荷で生じる2つの外
部負荷トルクを相殺させ、駆動モータに作用する外部負
荷トルクを低減するようにした。 【0012】なお、本発明の推力偏向用ベーンには、推
力偏向用ベーンと同様に、燃焼ガス流の方向を変えて推
力の方向を変えるようにした、推力偏向用ベータをも含
むものである。 【0013】本発明の操舵/推力制御装置は、上述の手
段により、空力翼に作用する空力負荷により、空力翼を
軸着した出力軸に生じる外部負荷トルクTefは、
(1)式で示すようになり、推力偏向用ベーンに作用す
る空力負荷により、推力偏向用ベーンを軸着した出力軸
に生じる外部負荷トルクTevは、(2)式で示すよう
になり、しかも、双方の空力負荷の作用により生じる外
部負荷トルクTef,Tevの方向は逆向きとなる。こ
れより、駆動モータに外部負荷トルクとして負荷される
トルクTmは、ボールスクリュウ、トルクアームによる
減速を省略すれば(3)式で示すようになる。 【0014】すなわち、外部負荷トルクTef,Tev
が同じ向きの場合に比べ、駆動モータに必要とするトル
クを減少させることができ、この必要トルクの低減によ
って、駆動モータの小型化、低出力化、つまり操舵/推
力制御装置の小型化が達成できる。 【0015】 【数1】 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の操舵/推力制御装
置の実施の一形態を、図面にもとづき説明する。図1
は、本発明の操舵/推力制御装置の実施の第1形態を示
す斜視図である。なお、図において、図4に示す従来の
操舵/推力制御装置に符したものと同一の符番のもの
は、同一の部材につき説明は省略する。 【0017】本実施の形態の空力翼5は、飛しょう体の
外側を流れる空気流010の作用により生じる空力負荷
の作用力中心CPが、空力翼5を軸着して、空気流01
0に対する迎角を変えるようにした、第1の出力軸とし
ての出力軸06よりも流れの上流側に配置される空力翼
形状のものを選定した。この空力翼5に発生する空力負
荷は、空力翼5の空力負荷を増大させる方向に、出力軸
06を回転させるときの方向Rと同方向の外部負荷トル
クTefを発生させる。すなわち、この外部負荷トルク
Tefは、ボールスクリュウ03、トルクアーム04に
よって決まる減速比に比例した、空力負荷トルクTef
モータ軸換算トルクT′efとなってモータ軸02に作
用する。 【0018】また、推力偏向用ベーン07に作用する燃
焼ガス流09により生じる空力負荷の作用力中心は、図
4に示した従来の操舵/推力制御装置と同様に、推力偏
向用ベーン07を軸着して、燃焼ガス流09に対する迎
角を変えて、燃焼ガス流09の吹出し方向、すなわち、
推力方向を変える、第2の出力軸としての出力軸06′
に対し、流れの後方になるように配置されている。これ
により、推力の方向を大きく偏向させる、出力軸06′
の回転方向R′と逆方向の回転をさせる外部負荷トルク
Tevが生じる空力負荷が、燃焼ガス流09の作用によ
り推力偏向用ベーン07に発生する。 【0019】この推力偏向用ベーン07に発生する空力
負荷によって、出力軸06′に生じる外部負荷トルクT
evは、空力翼5によって生じる外部負荷トルクTef
と同様に、ボールスクリュウ03、4トルクアーム04
によって決まる減速比に比例した、空力負荷トルクTe
vモータ軸換算トルクT′evとなって、モータ軸02
に作用する。 【0020】これらの2つのモータ軸換算トルクT′e
f,T′evは、互に逆向きのトルクであることから、
駆動モータ1の必要出力トルクは、(3)式と同様にそ
の差分のみで良く、駆動モータ1の出力を小さくでき、
駆動モータ01の小型化、ひいては本実施の形態の操舵
/推力制御装置の小型化が可能となる。 【0021】次に、図2は本発明の操舵/推力制御装置
の実施の第2形態を示す斜視図である。本実施の形態で
は、推力偏向用ベーン7の空力負荷の作用力中心を、出
力軸06′より流れの上流側に位置するベーン形状にし
た、推力偏向用ベーン7にしたものである。また、空力
翼05に発生する空力負荷の作用中心は、図4に示した
従来の操舵/推力制御装置と同様に、出力軸06より流
れの下流側に配置されるようにした。これにより、駆動
モータ01に必要な出力トルクは、実施の第1形態と同
様に、空力翼05の空力負荷による空力負荷トルクTe
fモータ軸換算トルクT′efと、推力偏向用ベーンの
空力負荷による空力負荷トルクTevモータ軸換算トル
クT′evとの差となり、駆動モータの低出力化、小型
化が可能となり、本実施の形態の操舵/推力制御装置を
小型にできる。 【0022】次に、図3は本発明の操舵/推力制御装置
の実施の第3形態を示す斜視図である。本実施の形態で
は、燃焼ガス流09の流れの方向を変える推力偏向体と
して、本発明の推力偏向用ベーンとしての推力偏向用ベ
ータ1を用いるようにしたものである。この推力偏向
用ベータ1に作用する燃焼ガス09によって生じる
空力負荷の作用力中心は、推力偏向用ベータ1を軸着
して、推力偏向用ベータ1の中心線の方向を、燃焼ガ
ス流09の方向に対して傾ける出力軸06´よりも、下
流側に必ず位置することから、空力翼5の形状を図1に
示す実施の第1形態における空力翼5と同様にして、空
力翼5の空力負荷の作用力中心CPが、出力軸06より
上流側となるようにした。これにより、上述した実施の
第1形態、実施の第2形態と同様に、駆動モータ01に
負荷される外部負荷の低減が可能となり、駆動モータ0
1の低出力化、小型化ができ、ひいては、本実施の形態
の操舵/推力制御装置を小型化することができる。 【0023】以上、本発明の操舵/推力制御装置の実施
の形態について説明したが、本発明は、産業用多関節ロ
ボットアームにも適用できるものである。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の操舵/推
力制御装置によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、操舵/推力制御装置を形成する空力翼、および推力
偏向用ベーンに発生する空力負荷によって生じ、駆動モ
ータに負荷される、外部負荷トルクを低減させることが
でき、駆動モータを低出力のものにできるとともに、小
型にして小容量化することができ、操舵/推力制御装置
自身の小型化ができ、飛しょう性能に秀れた飛しょう体
が実現できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の操舵/推力制御装置の実施の第1形態
を示す斜視図, 【図2】本発明の操舵/推力制御装置の実施の第2形態
を示す斜視図, 【図3】本発明の操舵/推力制御装置の実施の第3形態
を示す斜視図, 【図4】従来の操舵/推力制御装置の実施の1例を示す
斜視図である。 【符号の説明】 01 駆動モータ 02 モータ軸 03 ボールスクリュウ 04 トルクアーム 5,05 空力翼 06,06′ 出力軸 7,07 推力偏向用ベーン 08 ロケットモータノズル 09 燃焼ガス流 010 空気流 11 推力偏向用ベータ CP 空力翼作用力中心 CP′ 推力偏向用ベーン(ベータ)作用の中心 R,R′ 出力軸回転方向 Tef 空力翼外部負荷トルク Tev 推力偏向用ベーン(ベータ)外部負荷ト
ルク T′ef 空力翼外部負荷トルクモータ軸換算時ト
ルク T′ef 推力偏向用ベーン(ベータ)外部負荷ト
ルク モータ軸換算時トルク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F42B 10/64

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 空力翼を軸着した第1の出力軸および推
    力偏向用ベーンを軸着した第2の出力軸を、単一の駆動
    モータのモータ軸にそれぞれ螺合させたボールスクリュ
    の前後移動により回動させて、前記空力翼で発生する空
    気力および前記推力偏向用ベーンの推力方向をそれぞれ
    制御して飛しょうを行う、飛しょう体の操舵/推力制御
    装置において、前記空力翼の空力負荷の作用力中心を前
    記第1の出力軸よりも流れの上流側に配置すると共に前
    記推力偏向用ベーンの作用力中心を前記第2の出力軸よ
    りも流れの下流側に配置するか、或いは、前記空力翼の
    空力負荷の作用力中心を前記第1の出力軸よりも流れの
    下流側に配置すると共に前記推力偏向用ベーンの作用力
    中心を前記第2の出力軸よりも流れの上流側に配置した
    ことを特徴とする操舵/推力制御装置。
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