JP3482216B2 - ファジィ推論装置 - Google Patents

ファジィ推論装置

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JP3482216B2 JP27743391A JP27743391A JP3482216B2 JP 3482216 B2 JP3482216 B2 JP 3482216B2 JP 27743391 A JP27743391 A JP 27743391A JP 27743391 A JP27743391 A JP 27743391A JP 3482216 B2 JP3482216 B2 JP 3482216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファジィ推論とその推
論規則の自動生成技術に関し、希望の仕様を満たす推論
規則を自動的に構築し、それを用いて推論を行うファジ
ィ推論装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ファジィ推論は、数学モデルが記述でき
ないような複雑な制御対象において、人間が従来の経験
から得ている知識を推論規則を用いて表現し計算機で実
行しようとするものである。
【0003】従来のファジィ推論は、図10に示すよう
に、制御観測値入力部101から得られる入力情報、例え
ば制御偏差e及び、その変化率△eと、制御操作量出力部
103から出力する操作量uの間の関係を IF〜 THEN…規則
として記述する。例えば、次のような推論規則をファジ
ィ推論規則記憶部104に複数個記述する。
【0004】
【数1】
【0005】ここでIF〜の部分を前件部、THEN…の部分
を後件部と呼ぶ。Zero,Positive Small 及び Negative
Small などは推論規則の記述に用いる入力や出力のメン
バーシップ関数を示している。これらのメンバーシップ
関数はメンバーシップ関数記憶部105に格納されてい
る。図11にメンバーシップ関数の一例を示す。メンバ
ーシップ関数は対称な三角形としている。よく用いられ
るメンバーシップ関数として、NB(負に大きい),NS
(負に小さい),ZO(だいたいゼロ),PS(正に小さ
い),PB(正に大きい)等がある。
【0006】次にファジィ推論演算部102で行われるフ
ァジィ推論過程を説明する。今、以下のようなn個の推
論規則がファジィ推論規則記憶部104に格納されている
とする。
【0007】
【数2】
【0008】ただし、Ri(i=1,2,・・・n)は推論規則を示
す。ここで、入力情報 e,△eに対する推論規則Riの前件
部の適合度μiを求める方法を、1番目の規則R1を例に
あげて説明する。今、図10の制御観測値入力部101
にeo,△eoが入力されたとすると、規則R1の適合度μ
1は、次式で計算できる。
【0009】
【数3】
【0010】ここで μzo(e),μps(△e)は前件命題のメ
ンバーシップ関数ZO、PSに対する入力情報 e,△eのメン
バーシップ値を表す。そして推論規則 R1 の後件部の結
論のメンバーシップ関数ω1は、後件命題のメンバーシ
ップ関数NS のメンバーシップ値μns(u)を用いて次のよ
うに求まる。
【0011】
【数4】
【0012】すべての推論規則Riの結論のメンバーシッ
プ関数を結合したメンバーシップ関数は、
【0013】
【数5】
【0014】となる。このメンバーシップ関数uTは制御
操作量を示す結論のメンバーシップ関数であるが、実際
の制御操作量uoは実数であるので、メンバーシップ関数
uTを実数値に変換する必要がある。このメンバーシップ
関数uTをひとつの実数値に変換する演算をデファジィフ
ィケーション演算と呼ぶ。デファジィフィケーション演
算として重心法を採用すると、制御操作量uoは次式のよ
うに表される。
【0015】
【数6】
【0016】この制御操作量uoは、制御操作量出力部1
03に出力される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記したファジィ推論
の推論規則やメンバーシップ関数は、目標とする制御仕
様や希望する入出力関係を満たすように決定されなけれ
ばならない。しかし、推論規則やメンバーシップ関数を
自動的に決定するための手法は確立されておらず、従来
は設計者による試行錯誤の実験や専門家へのインタビュ
ーにより推論規則の構築を行っていた。このため推論規
則の設計には、長い開発時間が必要であるという課題
と、最適な設計が困難であるという課題があった。
【0018】本発明は、かかる点に鑑み、専門家から得
られる入出力データから、遺伝アルゴリズムを用いて自
動的に最適な推論規則の構築を行うものである。これに
より、試行錯誤によらずに希望するファジィ推論規則を
短時間で作成できるファジィ推論装置を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】与えられた入出力データ
を記憶しておく入出力データ記憶部と、入出力データ記
憶部に格納されているデータに対しファジィ推論を行う
ファジィ推論演算部と、ファジィ推論に用いる推論規則
を記憶している推論規則記憶部と、前期推論規則の前件
部に用いるメンバーシップ関数を記憶している前件部記
憶部と、前期推論規則の後件部に用いる関数のパラメー
タを記憶している後件部記憶部と、ファジィ推論演算部
の出力と入出力データ記憶部に格納されている出力デー
タとの誤差を計算する誤差演算部と、誤差演算部の出力
から遺伝アルゴリズムによる演算を行なう遺伝アルゴリ
ズム演算部と、遺伝アルゴリズム演算部の出力にしたが
って推論規則記憶部に格納されている推論規則と前件部
記憶部に格納されているメンバーシップ関数の少なくと
も一方を調整する前件部調整部と、ファジィ推論演算部
の出力と入出力データ記憶部に記憶されている入出力デ
ータから降下法による演算を行う降下法演算部と、降下
法演算部の出力にしたがって後件部記憶部に記憶されて
いる後件部の関数のパラメータを調整する後件部調整部
を備えたことを特徴とするファジィ推論装置である。
【0020】
【作用】本発明は前記した構成により、遺伝アルゴリズ
ムと降下法を用いてファジィ推論の推論規則を自動的に
構築する。遺伝アルゴリズムや降下法はいずれも非線形
計画法の最適化手法であり、評価関数を最適にするよう
な解を探索できる。この最適解の探索機能により、専門
家から得られた入出力データから最適な前件部のメンバ
ーシップ関数や後件部のパラメータを決定する。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の第一の実施例におけるファ
ジィ推論装置の構成図を示すものである。図1の1は専
門家から得られた入出力データを記憶している入出力デ
ータ記憶部、2はファジィ推論に用いる推論規則を記憶
している推論規則記憶部、3は推論規則の前件部に用い
るメンバーシップ関数の形状データを記憶している前件
部記憶部、4は推論規則の後件部に用いる関数の数式及
びそのパラメータを記憶している後件部記憶部、5はフ
ァジィ推論の演算を行うファジィ推論演算部、6はファ
ジィ推論演算部5の出力と入出力データ記憶部1から出
力されるデータとの誤差を計算する誤差演算部、7は遺
伝アルゴリズムによる演算を行う遺伝アルゴリズム演算
部、8は遺伝アルゴリズム演算部7の出力にしたがって
推論規則記憶部2に記憶されている推論規則と前件部記
憶部3に記憶されているメンバーシップ関数を調整する
前件部調整部、9は降下法による演算を行う降下法演算
部、10は降下法演算部9の出力にしたがって後件部記
憶部4に格納された後件部の関数のパラメータを調整す
る後件部調整部である。以上のように構成された実施例
のファジィ推論装置について、その動作を説明する。
【0022】推論規則記憶部2に記憶されているファジ
ィ推論の推論規則は、入力をx1,x2,...,xm、出力をyと
すると、次のように表現できる。
【0023】
【数7】
【0024】ただし、i は推論規則番号、Ai1,
Ai2,...,Aim は前件部のメンバーシップ関数、fi(x1,
x2,...,xm)は後件部の関数を示す。また、nは推論規則
数、mは入力変数の数を示す。本実施例では、後件部の
関数を次式の線形関数とする。
【0025】
【数8】
【0026】前件部のメンバーシップ関数Aijの形状デ
ータは前件部記憶部3に、後件部の線形関数式の係数
ij,(i=1,...,n,j=0,...,m)は後件部記憶部4にそれぞれ
記憶されている。このとき、i番目の推論規則の適合度
μiと推論結果yiは次式で計算できる。
【0027】
【数9】
【0028】
【数10】
【0029】デファジィフィケーション演算として重心
演算を採用すると、総合推論結果yは次式で計算でき
る。
【0030】
【数11】
【0031】ファジィ推論演算部5は、この(数8)〜
(数11)を用いてファジィ推論の演算を行う。
【0032】ファジィ推論の推論規則に用いられている
メンバーシップ関数や後件部の関数は、目標とする制御
仕様や希望する入出力関係を満たすように決定されなけ
ればならない。しかし、推論規則やメンバーシップ関数
を自動的に決定するための手法は確立されておらず、従
来は設計者による試行錯誤の実験や専門家へのインタビ
ューにより、設計者が直接ファジィ推論規則の記述を行
っていた。このためファジィ推論は、その設計に長い時
間が必要であるという課題と、最適な設計が困難である
という課題を持っていた。これらの課題を解決するた
め、本発明では遺伝アルゴリズムと降下法を用いて、最
適な推論規則を自動的に生成するファジィ推論装置を提
供する。
【0033】遺伝アルゴリズムは、非線形計画法の中の
最適化手法のひとつであり、解候補の集団を考え、その
集団に生物の進化の法則を適用することにより最適解を
得ようとする手法である。このアルゴリズムの詳細は、
D.E. コ゛ールト゛ハ゛ーク゛(Goldberg)著の"シ゛ェネティック アルコ゛リス゛ムス゛
イン サーチ オフ゜ティマイセ゛ーション アント゛ マシーン ラーニンク゛ (GeneticAlg
orithms in Search, Optimization, and Machine Learn
ing)" ( アテ゛ィソン ウェスレイ ハ゜フ゛リッシンク゛ カンハ゜ニイ (Addison We
sley Publishing Company) 1989)等に記述されている。
遺伝アルゴリズムの特長としては、交叉や突然変異と呼
ばれる確率的な演算のため、局所解からの脱出が可能で
あることがあげられる。
【0034】遺伝アルゴリズムでは、適応度と呼ばれる
評価関数E(sr)を最大にするような解srを探索する。解
候補は個体と呼ばれる文字列で表現されている。
【0035】今、G個の長さを持つ個体srを次のように
表す。
【0036】
【数12】
【0037】ただし、Lrg, g=1,...,G は、"1"か"0"か
のどちらかの値をとる変数であり、例えば、G=6の個体
の一例は次のようになる。
【0038】
【数13】
【0039】個体群と呼ばれるR個の個体の集合Sを以下
のように設定する。
【0040】
【数14】
【0041】このとき、次のようなアルゴリズムによ
り、最適解を探索する。 1) 第0世代(t=0)の個体群S(t)を構成する各個体srを乱
数により決定する。
【0042】2) 個体群S(t)の各個体srに対して適応度E
(sr)をもとめ、次の選択確率Psr(t)を計算する。
【0043】
【数15】
【0044】また、次に生成する個体の番号kを1に初期
化する。 3) 個体群S(t)の中から2個体si(t)とsj(t)をそれぞれ
選択確率Psi(t), Psj(t)にしたがい選択する。
【0045】4) 選択された2個体si(t)とsj(t)に対
し、交叉(Crossover)と呼ばれる演算を適用する。交叉
の演算を図2に示す。交叉とは、1/(G-1)の確率で文字
列の切れ目を選び、その切れ目を境界にして、2つの文
字列を入れ換える演算である。この演算により、生成さ
れる2つの個体の中から1つをランダムに選び、それを
新たな解候補 s'k(t) とする。図2では、右から2番目
のところの切れ目が選択され、文字列が入れ替わってい
る。
【0046】5) ある確率Pmで、突然変異(Mutation)と
呼ばれる演算を適用する。突然変異は解候補である個体
s'k(t)の各要素を確率Pmで反転させる演算である。図2
の例では、左から2番目の要素が突然変異により反転(1
→0)している。
【0047】6) 新しく生成した個体s'k(t)の数kを総個
体数Rと比較する。k<Rならば、kを1増やし3)〜6)の手続
きを繰り返す。そうでなければ、次の手順に進む。
【0048】7) 3)〜6)で新しく生成した個体群S'(t)=
{s'1(t),...,s'R(t)}をS(t+1)とする。
【0049】8) 終了条件が満たされるまで、世代tを1
増加させ、2)〜8)を繰り返す。 このアルゴリズムにより、適応度E(sr)を最大にするよ
うな解srを求めることができる。
【0050】本発明では、前件部のメンバーシップ関数
の形状を遺伝アルゴリズムの個体で表現し、最適な推論
規則の数とメンバーシップ関数の形状を探索する。
【0051】本手法での前件部のメンバーシップ関数を
図3に示す。メンバーシップ関数は三角形型であり、メ
ンバーシップ関数の幅は、隣あうメンバーシップ関数の
中心までの長さとしている。この三角形型のメンバーシ
ップ関数の配置を図3のように"0"と"1"の文字列で表現
する。文字列中の"1"はメンバーシップ関数の中心を表
しており、文字列中の"1"の総数が推論規則の数に対応
している。したがって、この文字列は前件部のメンバー
シップ関数の形状と推論規則の数を示していることにな
る。この文字列は各入力変数xjごとに設定されており、
次のように表すことができる。
【0052】
【数16】
【0053】Ljr ,r=1,...,G は、"0"か"1"のどちらか
の値をとる変数であり、Gは文字列の長さを表してい
る。図3の例では、G=14となっている。
【0054】本手法では各入力変数xjについての文字列
Ljrを結合した文字列 L11...L1G L2 1...L2G...Lm1...L
mG を遺伝アルゴリズムにおける個体とみなし、各入力
変数ごとの最適なメンバーシップ関数の個数やその中心
の位置を探索する。ただし、各入力変数xjの定義域の両
端には、メンバーシップ関数の中心が必ず存在するもの
とし、常に次式が成り立つように設定する。
【0055】
【数17】
【0056】前件部のメンバーシップ関数の探索のため
の遺伝アルゴリズムの適応度としては、赤池の情報量規
準AIC(Akaike's Information Criterion)を用いる。
今、専門家から得られた入出力データを(x1 p,...,xm p,y
rp) ,p=1,...,P とし、入力(x1 p,...,xm p)に対するファ
ジィ推論結果をypとすると、AICは以下の式で表され
る。
【0057】
【数18】
【0058】この規準は1971年に赤池によって提案され
たもので、生成されるシステムの善し悪しを判定する指
標である。この規準の第1項は得られた推論規則の精度
のわるさを表し、第2項はシステム規模の大きさを表し
ている。したがって、AICの値が小さいほど、小さなシ
ステム規模で精度の良い推論規則が得られていることに
なる。本実施例ではこのAICを推論規則の良さを表す評
価基準とする。本実施例におけるファジィ推論の場合、
各入力変数xjに割り当てられたメンバーシップ関数の総
数をNj、推論規則1個ごとの後件部の関数式のパラメー
タをNCとすると、(数18)のパラメータ数は次のよう
に表せる。
【0059】
【数19】
【0060】このとき、遺伝アルゴリズムの適応度E
(sr)を次式のように定める。
【0061】
【数20】
【0062】本発明では、遺伝アルゴリズムを用いて適
応度E(sr)を最大にする、つまりAIC規準を最も小さくす
るような推論規則の個数とメンバーシップ関数の中心の
位置を決定する。
【0063】具体的な本実施例の動作手順を図1の構成
図と図4・図5のフローチャートを用いて説明する。
【0064】[Step a1] 遺伝アルゴリズム演算部7で
第0世代(t=0)の個体群S(t)を構成している各個体s
r(t),r=1,...,R を乱数により決定する。具体的には
(数17)の条件のため、各個体sr(t)におけるLj2...L
jG-1を、乱数により"0"か"1"の値に設定する。
【0065】[Step a2] 各個体sr(t)の内容から前件部
のメンバーシップ関数の形状を求め、降下法による学習
を行い後件部を学習させ、選択確率Psr(t)を求める。こ
の部分のアルゴリズムの詳細を図5のフローチャートで
説明する。
【0066】[Step b1] 遺伝アルゴリズム演算部7で
個体番号rを1に初期化する。 [Step b2] 前件部調整部8は遺伝アルゴリズム演算部
7内の個体sr(t)の内容から、推論規則の個数と前件部
のメンバーシップ関数の形状を求め、推論規則記憶部2
に格納されている推論規則と前件部記憶部に格納されて
いるメンバーシップ関数Aijを変更する。また、このと
き後件部調整部10は後件部記憶部4に格納されている
後件部の各パラメータ ijを0に初期化する。
【0067】[Step b3] 遺伝アルゴリズム演算部7内
の変数である入出力データ番号pを1に初期化する。
【0068】[Step b4] 遺伝アルゴリズム演算部7は
入出力データ番号pを入出力データ記憶部1に出力す
る。入出力データ記憶部1は、遺伝アルゴリズム演算部
7から出力された番号の入出力データを検索し出力す
る。ファジィ推論演算部5では、入出力データ記憶部1
から出力されたp番目の入力データ(x1 p,...,xm p)に対し
て、(数8)〜(数11)を用いてファジィ推論を行
い、各推論規則の適合度μi pと推論結果ypを計算する。
【0069】[Step b5] 降下法演算部9で、ファジィ
推論演算部3で計算された推論結果yp、適合度μi pと、
入出力データ記憶部1から出力された出力データyrp
ら、降下法を用いて後件部のパラメータの調整方向を求
める。計算された調整方向から後件部調整部10は後件
部記憶部4に記憶されている後件部の関数の各パラメー
タを変更する。以下、この降下法による後件部の調整ア
ルゴリズムを詳細に説明する。降下法演算部9はファジ
ィ推論の推論結果y p と入出力データのy pr から、降下法
にしたがって、チューニングパラメータ ij の調整方向
を計算する。降下法も遺伝アルゴリズムと同じく非線形
計画法のひとつであり、目的関数を最小とする解を求め
ることができる。
【0070】今、後件部の関数の学習の目標として、次
式の目的関数を最小化することを考える。
【0071】
【数21】
【0072】この式は推論結果ypと専門家から得られた
入出力データの出力データyprの差、すなわち推論誤差
を表している。この手続きでは、目的関数Fが最小とな
るような後件部の関数を降下法により自動的に求める。
【0073】目的関数Fを最小化するために、本実施例
では降下法の中の一手法である最急降下法を用いる。最
急降下法では、目的関数の微分値に基づきチューニング
パラメータを更新する。
【0074】今、目的関数Fのチューニングパラメータq
i0に関する微分値∂F/∂q i0を考える。図6は横軸をq i0
として、目的関数Fを図示したものである。q i0= q i0'の
ときの微分値∂F(q i0')/∂q i0は、図6に示すように
q i0'点における目的関数の傾きを意味する。図6(a)は
∂F(q i0')/∂q i0が正の時、図6(b)は∂F(q i0')/∂q i0
が負の時である。ここで、図6(a)の矢印のように、チ
ューニングパラメータq i0を∂F(q i0')/∂q i0の符号と反
対方向に微小量だけ動かすと目的関数Fは減少する。同
様にして、図6(b)の∂F(q i0')/∂q i0が負の時でも、チ
ューニングパラメータq i0を∂F(q i0')/∂q i0の符号と反
対方向に微小量調整すると関数Fは減少する。つまり、
チューニングパラメータq i0を、微分量∂F/∂q i0の符号
と反対方向に調整すると目的関数Fは減少し、これを繰
り返し行うことにより目的関数Fは極小値に収束する。
この性質を用いて各パラメータの調整を行う。
【0075】(数21)より、∂F/∂q i0は次式のよう
に求められる。
【0076】
【数22】
【0077】この(数22)より数値演算を行い∂F/∂
q i0の値を求める。同様にして、∂F/∂q ijを計算するこ
とにより、目的関数を減少させるためのパラメータの調
整方向が計算されることになる。これらの ∂F/∂q ij
計算を降下法演算部9で行う。
【0078】後件部調整部10は降下法演算部9で計算
された∂F/∂q ijを用いて、後件部記憶部4に格納され
ているチューニングパラメータq ijを更新する。
【0079】更新は、以下の式によって行う。
【0080】
【数23】
【0081】ただし、Kp は定数である。 [Step b6] 遺伝アルゴリズム演算部7で、入出力デー
タ番号pと入出力データの総数Pを比較し、p<P ならば、
[Step b7]でpに1を加えて[Step b4]にもどる。そうでな
ければ、次の[Step b8]に進む。
【0082】[Step b8] 誤差演算部6で、以下の式に
したがって推論誤差ETRD(t)と推論誤差の変化 | E
TRD(t)-ETRD(t-1) | を計算する。
【0083】
【数24】
【0084】計算した ETRD(t)の値は、遺伝アルゴリズ
ム演算部7に出力する。 [Step b9] 遺伝アルゴリズム演算部7では、誤差演算
部6で求めた推論誤差E TRDの変化が次式を満足する場
合、推論誤差ETRDは収束したものとして、降下法演算部
9の動作を停止させ、r番目の個体sr(t)に対する後件部
の学習を終了させる。
【0085】
【数25】
【0086】ただし、δは推論誤差ETRD(t)が収束した
かどうかを判定するためのしきい値であり、事前に設定
する。(数25)が満足されない場合は[Step b3]〜[St
ep b9]を繰り返す。
【0087】[Step b10] 遺伝アルゴリズム演算部7
で、収束後の推論誤差ETRD(t)の値から(数18)〜
(数20)を用いて適合度E(sr)を求め、(数15)か
ら選択確率Psr(t)を計算する。
【0088】[Step b11] 個体番号rと個体総数Rを比較
し、r<Rならば、[Step b12]でrを1だけ増やし、[Step b
2]へもどる。r=Rならば、世代tにおける降下法による後
件部の学習を終了する。
【0089】遺伝アルゴリズム演算部7により、遺伝ア
ルゴリズムの交叉や突然変異といった演算を次に行う。
したがって、次の[Step a3]〜[Step a10]はすべて、遺
伝アルゴリズム演算部7で行われる。
【0090】[Step a3] 次に生成する個体の番号kを1
に初期化する。 [Step a4] S(t)の中から2個体si(t)とsj(t)をそれぞ
れ選択確率Psi(t), Psj(t)に従って選択する。
【0091】[Step a5] 選択された2個体に対し交叉
演算を適用し、新たな解候補s'k(t)を求める。ただし、
ここでの交叉演算は入力変数がm個あるので、m個の切れ
目を1/(mG-1)の確率に従って選択し、文字列の入れ替え
を行う。
【0092】[Step a6] 確率Pmで個体s'k(t)の各要素
に突然変異演算を適用する。 [Step a7] 個体番号kと総個体数Rを比較する。k<Rなら
ば[Step a8]によりkの値を1増加させ[Step a4]に進み、
個体s'k(t)がR個になるまで、[Step a4]から[Step a8]
を繰り返す。k=Rならば次の[Step a9]に進む。
【0093】[Step a9] [Step a4]〜[Stepa8]で新しく
生成した個体群S'(t)をS(t+1)とする。
【0094】[Step a10] 個体群Sが収束するまで、[St
ep a11]で世代tを1増加させ、[Step a2]〜[Step a10]
を繰り返す。ただし、最終的な解は個体群の中で最も適
応度の高い個体とする。
【0095】このアルゴリズムを行うことにより、推論
規則の良さを表す規準(AIC)を最適にするような推論規
則をもとめることができる。したがって、このアルゴリ
ズムにより推論規則が学習された後は、ファジィ推論演
算部5に入出力データ記憶部1に格納されているデータ
以外の入力データが入ったときでも、最適な推論結果を
出力することができる。
【0096】以上のように、本実施例によれば、専門家
から得られた入出力データから自動的に最適な推論規則
の数と前件部のメンバーシップ関数の形状を遺伝アルゴ
リズムによりもとめることができる。したがって、設計
者は、試行錯誤による推論規則の記述をする事なく、入
出力データを用意するだけで最適なファジィ推論を行う
ことができる。
【0097】なお、本実施例では、遺伝アルゴリズムと
して、最も簡単な構成のものを用いたが、交叉や突然変
異以外の遺伝作用素を用いた手法や、突然変異の発生確
率を世代とともに変化させる方式などを用いても良い。
また、遺伝アルゴリズムの適応度としてAICを用いた
が、不遍性規範等の他の評価関数を用いてもよい。ま
た、前件部のメンバーシップ関数として、本実施例では
三角形型のメンバーシップ関数を用いたが、他の形状で
あってもよい。
【0098】図7は、本発明の第二の実施例におけるフ
ァジィ推論装置の構成図を示すものである。図7の1は
専門家から得られた入出力データを記憶している入出力
データ記憶部、2はファジィ推論に用いる推論規則を記
憶している推論規則記憶部、3は推論規則の前件部に用
いるメンバーシップ関数の形状データを記憶している前
件部記憶部、6は推論結果と入出力データ記憶部1から
出力されるデータとの誤差を計算する誤差演算部、7は
遺伝アルゴリズムによる演算を行う遺伝アルゴリズム演
算部、8は遺伝アルゴリズム演算部7の出力にしたがっ
て推論規則記憶部2に記憶されている推論規則と前件部
記憶部3に記憶されているメンバーシップ関数を調整す
る前件部調整部、9は降下法による演算を行う降下法演
算部、以上は第1の実施例の構成と同様である。図1の
構成と異なるのは、推論規則の後件部の実数値を記憶し
ている後件部実数値記憶部21、後件部を実数値で表現
した推論規則からファジィ推論演算を行う簡略ファジィ
推論演算部22、降下法演算部9の出力にしたがって後
件部実数値記憶部4に格納された後件部の実数値を調整
する後件部実数値調整部23である。以上のように構成
された実施例のファジィ推論装置について、その動作を
説明する。
【0099】本実施例では、推論規則の後件部を実数値
で表現した簡略ファジィ推論を用いる。簡略ファジィ推
論は、第1の実施例のような後件部が関数の場合と比較
して後件部が簡略化されているため、推論演算のための
機器構成が小さくてすみ、かつ推論速度が早いという利
点を持つ。推論規則記憶部2に記憶されている簡略ファ
ジィ推論の推論規則は、入力をx1,x2,...,xm、出力をy
とすると、次のように表現できる。
【0100】
【数26】
【0101】ただし、i は推論規則番号、Ai1,
Ai2,...,Aim は前件部のメンバーシップ関数、wiは後件
部の実数値を示す。また、nは推論規則数、mは入力変数
の数を示す。前件部のメンバーシップ関数Aijの形状デ
ータは前件部記憶部3に、後件部の実数値wi,(i=1,...,
n)は後件部実数値記憶部21にそれぞれ記憶されてい
る。このとき、i番目の推論規則の適合度μiと推論結果
yiは次式で計算できる。
【0102】
【数27】
【0103】
【数28】
【0104】デファジィフィケーション演算として重心
演算を採用すると、総合推論結果yは次式で計算でき
る。
【0105】
【数29】
【0106】簡略ファジィ推論演算部5は、(数27)
〜(数29)を用いて簡略ファジィ推論の演算を行う。
【0107】簡略ファジィ推論の推論規則やメンバーシ
ップ関数は、目標とする制御仕様や希望する入出力関係
を満たすように決定されなければならない。しかし、推
論規則やメンバーシップ関数を自動的に決定するための
手法は確立されておらず、従来は設計者による試行錯誤
の実験や専門家へのインタビューにより推論規則の設計
をを行っていた。このためファジィ推論は、その設計に
長い時間が必要であるという課題と、最適な設計が困難
であるという課題を持っていた。これらの課題を解決す
るため本発明では推論規則の数とメンバーシップ関数を
遺伝アルゴリズムにより決定する。この、簡略ファジィ
推論の学習アルゴリズムは、第1の実施例で fi=wi
おいたときの図4・図5のフローチャートと同じであ
る。この実施例では、簡略ファジィ推論を用いているた
め、後件部の決定すべきパラメータ数が少なくてすむ。
したがって、降下法による後件部の学習が短時間ですむ
という利点がある。
【0108】以上のように、本実施例によれば、推論規
則の良さを表す規準(AIC)を最適にするような推論規則
数と前件部のメンバーシップ関数の形状を遺伝アルゴリ
ズムと降下法によりもとめることができる。本実施例で
は後件部を実数値に簡略化しているため、第1の実施例
と比較して学習の速度や推論の速度が早くなるという利
点がある。したがって、設計者は、入出力データを用意
するだけで、高速に実行できるファジィ推論の推論規則
の作成を行うことができる。
【0109】なお、本実施例では、遺伝アルゴリズムと
して、最も簡単な構成のものを用いたが、交叉や突然変
異以外の遺伝作用素を用いた手法や、突然変異の発生確
率を世代とともに変化させる方式などを用いても良い、
また、遺伝アルゴリズムの適応度としてAICを用いた
が、不遍性規範等の他の評価関数を用いてもよい。ま
た、前件部のメンバーシップ関数として、本実施例では
三角形型のメンバーシップ関数を用いたが、他の形状で
あってもよい。
【0110】図8は、本発明の第三の実施例におけるフ
ァジィ推論装置の構成図を示すものである。図8の1は
専門家から得られた入出力データを記憶している入出力
データ記憶部、2はファジィ推論に用いる推論規則を記
憶している推論規則記憶部、3は推論規則の前件部に用
いるメンバーシップ関数の形状データを記憶している前
件部記憶部、4は推論規則の後件部に用いる関数の数式
及びそのパラメータを記憶している後件部記憶部、5は
ファジィ推論の演算を行うファジィ推論演算部、6はフ
ァジィ推論演算部5の出力と入出力データ記憶部1から
出力されるデータとの誤差を計算する誤差演算部であ
り、以上は第1の実施例の構成と同様である。図1の構
成と異なるのは、後件部のパラメータに関して遺伝アル
ゴリズムによる演算を行う後件部遺伝アルゴリズム演算
部31と、後件部遺伝アルゴリズム演算部31の出力に
したがって後件部記憶部4に格納された後件部のパラメ
ータを調整する後件部調整部10’である。以上のよう
に構成された実施例のファジィ推論装置について、その
動作を説明する。
【0111】推論規則記憶部2に記憶されているファジ
ィ推論の推論規則は、入力をx1,x2,...,xm、出力をyと
すると、第1の実施例と同様に次のように表現できる。
【0112】
【数30】
【0113】ただし、i は推論規則番号、Ai1,
Ai2,...,Aim は前件部のメンバーシップ関数、fi(x1,
x2,...,xm)は後件部の関数を示す。また、nは推論規則
数、mは入力変数の数を示す。本実施例では、後件部の
関数を次式の線形関数とする。
【0114】
【数31】
【0115】前件部のメンバーシップ関数Aijの形状デ
ータは前件部記憶部3に、後件部の関数式のパラメータ
q ij,(i=1,...,n,j=0,...,m)は後件部記憶部4にそれぞ
れ記憶されている。ファジィ推論演算部5のファジィ推
論の演算方法は第1の実施例の(数9)〜(数11)と
同様である。
【0116】本発明では、前件部のメンバーシップ関数
は固定とし、後件部の関数の各パラメータを遺伝アルゴ
リズムの個体で表現し、最適な後件部を探索する。前件
部のメンバーシップ関数は事前に設計者が設定する。前
件部のメンバーシップ関数の形状は第1の実施例のよう
に三角形であってもよいし、台形型や釣り鐘型などの形
状であってもかまわない。
【0117】後件部の関数のパラメータを遺伝アルゴリ
ズムの個体として"0"と"1"の文字列で表現するため、パ
ラメータq ijを2進数で表現する。例えば、q ij=100の場
合、パラメータを8bitで表現すると、これに対応する文
字列Lijは次のようになる。
【0118】
【数32】
【0119】本実施例のファジィ推論では、推論規則の
数がn個、入力変数の数がm個であるので、後件部の関数
式はn・(m+1)個あり、すべての推論規則の後件部は次の
文字列で表現できる。
【0120】
【数33】
【0121】この文字列を遺伝アルゴリズムにおける個
体とみなし、最適な後件部のパラメータを探索する。
【0122】遺伝アルゴリズムの適応度としては、次式
の入出力データと推論結果の誤差を用いて計算する。
【0123】
【数34】
【0124】この式の誤差ETRD(sr)から、適応度E(sr)
を次式のように計算する。
【0125】
【数35】
【0126】本発明では、遺伝アルゴリズムを用いて適
応度E(sr)を最大にする、つまり、ファジィ推論におけ
る誤差を最小とするように後件部の関数のパラメータを
決定する。
【0127】本実施例の動作手順を図8の構成図と図9
のフローチャートを用いて説明する。
【0128】[Step c1] 遺伝アルゴリズム演算部7は
第0世代(t=0)の個体群S(t)を構成する各個体sr(t),r=
1,...,R を乱数により決定する。具体的には各個体s
r(t)におけるL10...Lnmを、乱数により"0"か"1"の値に
設定する。
【0129】[Step c2] 各個体sr(t)の内容から後件部
のパラメータを求め、p個の入力データ(x1 p,...,xm p)に
対して(数8)〜(数11)を用いてファジィ推論を行
い、(数34)(数35)を用いて、R個の個体それぞ
れに対する適応度E(sr)を計算する。この適応度E(sr)か
ら(数15)により選択確率Psr(t)を計算する。次のス
テップから、遺伝アルゴリズム演算部7により、遺伝ア
ルゴリズムの交叉や突然変異といった演算を行う。した
がって、次の[Step a3]〜[Step a10]はすべて、遺伝ア
ルゴリズム演算部7で行われる。
【0130】[Step c3] 次に生成する個体の番号k1に
初期化する。 [Step c4] S(t)の中から2個体si(t)とsj(t)をそれぞ
れ選択確率Psi(t), Psj(t)に従って選択する。
【0131】[Step c5] 選択された2個体に対し、交
叉演算を適用し、新たな解候補s'k(t)を求める。ただ
し、ここでの交叉演算は入力変数がm個あるので、m個の
切れ目を1/(mG-1)の確率に従って選択し、文字列の入れ
替えを行う。
【0132】[Step c6] 確率Pmで個体s'k(t)の各要素
に突然変異演算を適用する。 [Step c7] 個体番号kと総個体数Rを比較する。k<Rなら
ば[Step c8]によりkの値を1増加させ[Step c4]に進み、
個体s'k(t)がR個になるまで、[Step c4]から[Step c8]
を繰り返す。k=Rならば、次の[Step c9]に進む。
【0133】[Step c9] [Step c4]〜[Stepc8]で新しく
生成した個体群S'(t)をS(t+1)とする。
【0134】[Step c10] 個体群Sが収束するまで、[St
ep c11]で世代tを1増加させ、[Step c2]〜[Step c10]
を繰り返す。ただし、最終的な解は個体群の中で最も適
応度の高い個体とする。
【0135】このアルゴリズムにより、入出力データか
ら自動的に、誤差ETRDを最小にする後件部の関数を求め
ることができる。
【0136】以上のように、本実施例によれば、入出力
データに対する推論の誤差を最適にするような後件部の
関数のパラメータを遺伝アルゴリズムによりもとめるこ
とができる。したがって、設計者は入出力データを用意
するだけで、最適なファジィ推論の推論規則の作成を行
うことができる。また、本実施例では前件部を固定にし
ているため、第1の実施例と比較して学習能力は劣る。
しかし、構成が簡単になるため、小さな規模のハードウ
ェアで推論規則の自動生成を行うことができるというメ
リットがある。
【0137】なお、本実施例では、遺伝アルゴリズムと
して、最も簡単な構成のものを用いたが、交叉や突然変
異以外の遺伝作用素を用いた手法や、突然変異の発生確
率を世代とともに変化させる方式などを用いても良い、
また、後件部の関数を簡略化して、第二の実施例のよう
に実数値としてもよい。また、本実施例では、遺伝アル
ゴリズムの適応度としてファジィ推論の誤差ETRD(sr)を
用いたが、第一の実施例のようなAICや他の評価関数を
用いてもよい。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
推論規則の良さを表す規準を最適にするようなファジィ
推論の推論規則を遺伝アルゴリズムや降下法によりもと
めることができる。したがって、設計者は、入出力デー
タを用意するだけで、最適なファジィ推論を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例におけるファジィ推論装置の構成
を示すブロック図
【図2】遺伝アルゴリズムの説明図
【図3】第1の実施例における前件部のメンバーシップ
関数の構成を示す図
【図4】第1の実施例の動作手順を示すフローチャート
【図5】第1の実施例の降下法による学習の動作手順を
示すフローチャート
【図6】降下法の説明図
【図7】第2の実施例におけるファジィ推論装置の構成
を示すブロック図
【図8】第3の実施例におけるファジィ推論装置の構成
を示すブロック図
【図9】第3の実施例の動作手順を示すフローチャート
【図10】従来のファジィ推論装置の構成図
【図11】従来のファジィ推論装置に用いられているメ
ンバーシップ関数の説明図
【符号の説明】
1 入出力データ記憶部 2 推論規則記憶部 3 前件部記憶部 4 後件部記憶部 5 ファジィ推論演算部 6 誤差演算部 7 遺伝アルゴリズム演算部 8 前件部調整部 9 降下法演算部 10 後件部調整部 21 後件部実数値記憶部 22 簡略ファジィ推論演算部 23 後件部実数値調整部 31 後件部遺伝アルゴリズム演算部 101 制御観測値入力部 102 ファジィ推論演算部 103 制御操作量出力部 104 ファジィ推論規則記憶部 105 メンバーシップ関数記憶部
フロントページの続き (72)発明者 若見 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−90957(JP,A) 国際公開89/11684(WO,A1) Fogaty,T.C.,“Lear ning New Rules and Adapting Old Ones with the Genetic Algorithm”,Artific ial Intelligence i n Manufacturing,p. 275−290 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06N 7/02 G05B 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】与えられた入出力データを記憶しておく入
    出力データ記憶部と、前記入出力データ記憶部に格納さ
    れているデータに対しファジィ推論を行うファジィ推論
    演算部と、前記ファジィ推論に用いる推論規則の構成を、遺伝アル
    ゴリズムにおける個体として用いるために、“0”と
    “1”からなる文字列の形式で記憶している推論規則記
    憶部と、推論規則の前件部に用いるメンバーシップ関数を記
    憶している前件部記憶部と、 前推論規則の後件部に用いる関数のパラメータを記憶
    している後件部記憶部と、前記ファジィ推論演算部の出
    力と前記入出力データ記憶部に格納されている出力デー
    タとの誤差を計算する誤差演算部と、前記誤差演算部の出力結果から適応度や選択確率を計算
    することにより、誤差の小さい推論規則をより高い確率
    で選択するように設定し、選択された複数の推論規則か
    ら交叉演算や突然変異演算等を用いて新しい推論規則を
    生成する遺伝アルゴリズム演算部と、 前記遺伝アルゴリズム演算部により生成された新しい推
    論規則を前記推論規則記憶部に格納し、新しい推論規則
    に対応する個体の文字列中の文字“1”の位置と個数か
    ら前件部のメンバーシップ関数の形状と個数を求め前件
    部記憶部に格納する前件部調整部と、 前記ファジィ推論演算部の出力と前記入出力データ記憶
    部に記憶されている入出力データから降下法による演算
    を行う降下法演算部と、 前記降下法演算部の出力にしたがって前記後件部記憶部
    に記憶されている後件部の関数のパラメータを調整する
    後件部調整部を備えたことを特徴とするファジィ推論装
    置。
  2. 【請求項2】与えられた入出力データを記憶しておく入
    出力データ記憶部と、前記入出力データ記憶部に格納さ
    れているデータに対し後件部を実数値に簡略化したファ
    ジィ推論を行う簡略ファジィ推論演算部と、前記簡略ファジィ推論に用いる推論規則の構成を遺伝ア
    ルゴリズムにおける個 体として用いるために、“0”と
    “1”からなる文字列の形式で記憶している推論規則記
    憶部と、推論規則の前件部に用いるメンバーシップ関数を記
    憶している前件部記憶部と、前推論規則の後件部の実
    数値を記憶している後件部実数値記憶部と、前記簡略フ
    ァジィ推論演算部の出力と前記入出力データ記憶部に格
    納されている出力データとの誤差を計算する誤差演算部
    と、前記誤差演算部の出力結果から適応度や選択確率を計算
    することにより、誤差の小さい推論規則をより高い確率
    で選択するように設定し、選択された複数の推論規則か
    ら交叉演算や突然変異演算等を用いて新しい推論規則を
    生成する遺伝アルゴリズム演算部と、 前記遺伝アルゴリズム演算部により生成された新しい推
    論規則を前記推論規則記憶部に格納し、新しい推論規則
    に対応する個体の文字列中の文字“1”の位置と個数か
    ら前件部のメンバーシップ関数の形状と個数を求め前件
    部記憶部に格納する前件部調整部と、 前記簡略ファジィ推論演算部の出力と前記入出力データ
    記憶部に記憶されている入出力データから降下法による
    演算を行う降下法演算部と、前記降下法演算部の出力に
    したがって前記後件部実数値記憶部に記憶されている後
    件部の実数値を調整する後件部調整部を備えたことを特
    徴とするファジィ推論装置。
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