JP3481716B2 - 有機高分子材料の表面改質方法 - Google Patents

有機高分子材料の表面改質方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機高分子材料の表面改
質方法に関する。より詳しくは、有機高分子材料の表面
に無機粉末を固定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメタクリル酸メチル(以下これをP
MMAと略称する)、ポリ乳酸、シリコーンなどの有機
高分子の多くは、生体との親和性が高いことから、義歯
床、骨セメント、コンタクトレンズ、骨接合材、補綴材
など、生体と接触する医療用材料の素材として用いられ
ている。しかしながら、有機高分子自体は生体組織と結
合せず、通常生体内で繊維被膜に覆われるのみであっ
て、これらの医療用材料が生体組織と一体化することは
ない。一方、生体活性ガラスやヒドロキシアパタイトな
どの無機物質のあるものは、骨組織の形成を誘導するな
ど、生体組織と一体化することが知られている。しかし
ながら、無機物質は、医療用材料に求められる柔軟性、
靱性などの物性が不十分であることが多い。これらの物
性は、むしろ上記の有機高分子が持つ物性である。従っ
て、医療用材料として有機高分子の物性と無機物質の生
体活性とを併わせ持つ材料の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機高分子の物性と無
機物質の生体活性を併せ持つ材料を得る方法として、有
機高分子からなる成形体の表面に無機物質を固定化する
方法が考えられるが、有機高分子と無機物質はそのまま
では一体化することはないので、無機物質を有機高分子
成形体の表面に固定化するに際しては、接着剤、結合剤
等の媒体が必要となる。しかしながら、これらの媒体を
使用しても、有機高分子成形体と無機物質の接着強度は
十分ではなく、固定化した無機物質が有機高分子成形体
の表面から容易に剥がれ落ちてしまう。また、これらの
媒体を多量に使用すると、無機物質が媒体中に埋没して
表面に露出せず、生体と接触しなくなるので、無機物質
の生体活性が発現されない結果となってしまう。
【0004】また、別法として、無機物質を有機高分子
成形体の表面に押圧し、該成形体にめり込ませる方法が
考えられるが、かかる方法であっても、無機物質と有機
高分子成形体とは一体化しておらず、無機物質は有機高
分子成形体の表面から容易に剥がれ落ちてしまう。ま
た、無機物質が剥がれ落ちないように有機高分子成形体
の内部にまで深くめり込ませると、有機高分子成形体の
表面がひび割れし、有機高分子成形体の機械的強度、柔
軟性、靱性などの物性が損なわれる結果となってしま
う。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであって、有機高分子成形体の物性を損な
うことなく、その表面に無機物質を固定化する方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、有機高分子材料を溶
剤で膨潤させた状態で無機粉末の懸濁液と接触させつつ
超音波を照射することにより該有機高分子材料の表面に
無機粉末を固定化できることを見出し、さらに検討した
結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、溶剤で膨潤させた状態の有機高分子材料を、ヒドロ
キシアパタイト、リン酸三カルシウム、石英ガラスおよ
び生体活性ガラスからなる群から選ばれる無機粉末の懸
濁液中に浸漬して超音波を照射することを特徴とする有
機高分子材料の表面改質方法である。
【0007】本発明でいう有機高分子材料とは、有機高
分子によって構成された成形体を意味する。有機高分子
材料の形状は板状、柱状、ブロック状、シ−ト状、繊維
状、ペレット状など任意の形状のものが使用できる。ま
た、骨補填材、人工椎体、人工椎間板、骨プレート、骨
スクリューなどの製品形態をしていてもよい。
【0008】有機高分子材料を構成する有機高分子とし
ては、特に制限はなく、例えばPMMA、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリ乳酸、シリコーンなど公知
のものを使用できる。医療用材料としての使用を前提と
する場合には、生体内での使用および安全性の観点か
ら、PMMA、ポリ乳酸、シリコーンなど、医療用材料
として使用実績のあるものを使用することが好ましい。
【0009】有機高分子材料を膨潤させる溶剤は、該有
機高分子材料を構成する有機高分子に応じて、水、メタ
ノール、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチル、ヘキサン、ベンゼン、
トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
エチレングリコールジメチルエーテルなどの公知の溶剤
の中から適宜選択され、1種または2種以上の混合物が
使用される。
【0010】本発明では、有機高分子材料を膨潤させる
溶剤として、該有機高分子材料を構成する有機高分子に
対する良溶媒と貧溶媒の混合物を使用することが好まし
い。この理由は、両者の混合比率を変化させることによ
って、有機高分子材料の膨潤の度合いを容易に制御する
ことができるからである。両者の混合比率は、有機高分
子の種類に応じて適宜調節されるが、良溶媒の割合が多
くなると有機高分子材料が一部溶解されるので好ましく
ない。また貧溶媒の割合が多くなると、有機高分子材料
の膨潤の程度が十分ではなく、該有機高分子材料の表面
に無機粉末を十分に固定化することができなくなる。
【0011】使用される溶剤について具体的に例示する
と、前述のPMMAに対してはテトラヒドロフランとエ
タノールの混合物などが挙げられる。なかでもテトラヒ
ドロフランとエタノールを体積比で40/60〜50/
50の割合で混合してなる混合物が望ましい。また、ポ
リ乳酸に対してはジクロロメタンとテトラヒドロフラン
の混合物などが使用される。さらに、シリコーンに対し
てはテトラヒドロフランが単独で使用される。
【0012】有機高分子材料を膨潤させる方法は、特に
限定されるものではないが、通常有機高分子材料を上記
の溶剤中に浸漬することにより行われる。この際、適宜
加熱処理、超音波照射等を施すことにより、膨潤に要す
る時間を短縮することもできる。
【0013】本発明にあっては、有機高分子材料を適度
に膨潤させることが望ましく、膨潤後の寸法が膨潤前の
寸法の1.2〜1.5倍程度となるように調節すること
が好ましい。有機高分子材料の膨潤の度合いは、使用す
る溶剤の種類、処理時間などにより適宜調節することが
できる。
【0014】 本発明で使用する無機粉末は、ヒドロキ
シアパタイト、リン酸三カルシウム、石英ガラス、生体
活性ガラスであり、公知のものを特に制限なく使用する
ことができる。これらの中でも、Bioglass(登
録商標、NaO−CaO−SiO−P系ガラ
ス)、Ceravital(登録商標、NaO−K
O−MgO−CaO−P−SiO系結晶化ガラ
ス)、快削性生体活性結晶化ガラス(NaO−K
−MgO−CaO−P−Al−SiO
F系ガラス)、結晶化A−Wガラス(MgO−CaO−
SiO−P−CaF系ガラス)、CSガラス
(CaO−SiO系ガラス)、A−W−Mガラス(M
gO−CaO−SiO−P系ガラス)などの生
体活性ガラスは、カルシウムイオンおよびリン酸イオン
を含む擬似体液中や生体内でその表面にアパタイト層を
形成する性質を有しており、かかるアパタイト層を介し
て骨と直接結合することにより生体組織と一体化するの
で、生体組織との結合性が必要とされる医療用材料に好
適である。なお、無機粉末は2種以上の混合物を使用し
てもよい。
【0015】無機粉末の形状は、破砕状、球状、棒状、
繊維状など特に制限はない。また、無機粉末の粒径につ
いても特に限定されるものではないが、懸濁液として使
用される関係上、あまり大きな粒径のものを使用するこ
とは困難である。通常、粒径が50μm以下のものが使
用される。
【0016】無機粉末を分散させる液体は、該無機粉体
を溶解せず、かつ有機高分子材料の膨潤状態に悪影響を
及ぼさないものである限り特に限定されるものではな
く、例えば、水、エタノール、アセトン、テトラヒドロ
フラン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロ
ホルム等の溶剤を使用することができる。
【0017】本発明にあっては、無機粉末を分散させる
液体として有機高分子材料を膨潤させる溶剤を使用する
と、無機粉末の懸濁液中で有機高分子材料の膨潤を行う
ことができる。この場合には、有機高分子材料をそのま
ま無機粉末の懸濁液中に浸漬すればよく、有機高分子材
料を予め溶剤で膨潤させておく必要がなくなるので、操
作が簡素化され、実用上好適である。
【0018】本発明では、溶剤で膨潤させた有機高分子
材料を無機粉体の懸濁液に浸漬した状態で超音波を照射
する。本発明で照射する超音波とは、周波数が20kH
zを超える弾性波のことをいう。本発明の目的を達成す
るには、周波数が20〜100kHz程度の超音波を照
射すれば十分である。また、照射する超音波の出力は特
に限定されないが、0.1〜1W/cm2程度あれば十
分である。上記の超音波照射は、市販の超音波洗浄機を
使用することによって行うことができる。
【0019】超音波の照射時間は、使用する有機高分子
材料の種類、その溶剤による膨潤の度合い、使用する無
機粉末の種類等に応じて異なるが、通常1分〜1時間の
範囲内である。超音波の照射時間が短時間であれば、有
機高分子材料の表面への無機粉末の固定化が不十分であ
り、また超音波の照射時間が長時間になると、無機粉末
の懸濁液の液温が上昇し、有機高分子材料を膨潤させて
いる溶剤が有機高分子材料から蒸発したり、有機高分子
材料自体が劣化したりするので好ましくない。
【0020】超音波照射の終了後、有機高分子材料は無
機粉末の懸濁液から取り出され、必要に応じて洗浄が施
される。この際、有機高分子材料を構成する有機高分子
の貧溶媒が好適に使用される。かかる操作により、有機
高分子材料の表面に付着している余分の無機粉末および
有機高分子材料を膨潤させている溶剤が除去される。そ
の後、有機高分子材料は室温または加温下で乾燥され
る。
【0021】本発明では、有機高分子材料は、無機粉末
の懸濁液中にすべてを浸漬する必要はなく、表面改質を
行う部分のみを浸漬すれば十分である。また、本発明に
よる表面改質を繰り返し行って、有機高分子材料の表面
に複数種の無機粉末を固定化することもできる。
【0022】本発明によれば、膨潤した有機高分子材料
の表面に無機粉末が打ち込まれる。無機粉末は、その一
部が有機高分子材料の表面に露出した状態で該有機高分
子材料と一体化しており、有機高分子材料の表面から脱
落することはない。
【0023】本発明によれば、有機高分子材料の表面
に、無機粉末に基づく特異な性質を発現させることがで
きる。また、無機粉末を適宜選択することにより、有機
高分子材料の表面に種々の性質を発現させることができ
る。一例を挙げれば、生体活性ガラスや、リン酸カルシ
ウム等の無機粉末を使用した場合、有機高分子材料に生
体活性を付与することができ、特に骨との接合性が向上
するので、硬組織の補綴材料の製造に好適である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】参考例1(CSガラス粉末の調製) 酸化カルシウム(CaO)および二酸化ケイ素(SiO
2)の混合物(モル比=1:1)30gを白金るつぼに
入れ、1600℃で2時間溶融し、得られた溶融物を室
温下でステンレス板上に流し出して急冷、固化し、CS
ガラスを得た。得られたCSガラスをボールミルで粉砕
して、粒径が45μm以下の粉末とした。
【0026】参考例2(A−Wガラス粉末の調製) 酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(Ca
O)、二酸化ケイ素(SiO2)、五酸化リン(P
25)およびフッ化カルシウム(CaF2)の混合物
(重量比:4.6/44.7/34.0/16.2/
0.5)を参考例1と同様の操作により、溶融−固化
し、A−Wガラスを得た。得られたA−Wガラスをボー
ルミルで粉砕して、粒径が45μm以下の粉末とした。
【0027】参考例3(結晶化A−Wガラス粉末の調
製) 参考例2で得られたA−Wガラス粉末を、400kg/
cm2以上の圧力で直径2cm、厚さ2mmの円板状に
成形した。得られた円板をマッフル炉に入れ、5℃/分
の速度で1050℃まで昇温し、同温度で2時間保持し
た後、自然放冷することにより、結晶化A−Wガラスを
得た。得られた結晶化A−Wガラスをボールミルで粉砕
して、粒径が45μm以下の粉末とした。
【0028】参考例4(バイオガラス45S5粉末の調
製) 酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(Ca
O)、五酸化リン(P2 5)および二酸化ケイ素(Si
2)の混合物(重量比:24.5/24.5/6.0
/45.0)を参考例1と同様の操作により溶融(溶融
温度:1450℃)−固化し、バイオガラス45S5を
得た。得られたバイオガラス45S5をボールミルで粉
砕して、粒径が45μm以下の粉末とした。
【0029】実施例1 ガラス製サンプル瓶中で、テトラヒドロフラン−エタノ
−ルの混合液(体積比=40/60)40mlに、参考
例1で得たCSガラス粉末1gを分散させて懸濁液とし
た。この懸濁液の中に、PMMAプレート〔15×10
×1mm、住友化学(株)社製〕を浸漬し、超音波洗浄
機(井内盛栄堂社製、Pasolina:Ultras
onic Cleaner; YF−65 100V)
を使用して超音波を20分間照射した。PMMAプレー
トを懸濁液から取り出し、エタノールにて洗浄した後、
室温で乾燥させた。走査型電子顕微鏡観察を行ったとこ
ろ、PMMAプレートの表面の50%以上(対表面積)
にガラス粒子が固定化されている様子が観察された。ま
た、X線微量分析により、カルシウム(Ca)とケイ素
(Si)の存在が検出され、固定化されたガラス粒子が
CSガラスであることが確認された。
【0030】表1に示す各種のイオンを表1に示す濃度
で含有する水溶液を文献〔大槻ら、ジャーナル・オブ・
ノン−クリスタリン・ソリッヅ(Journal of Non-Cryst
aline Solids)、第143巻、第84〜92頁(199
2年)参照〕に記載の方法に従って調製し、トリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタンの水溶液と塩酸を用いて
pHを7.25に調整した(以下、これを擬似体液と略
称する)。
【0031】
【表1】
【0032】上記で得たCSガラスを固定化したPMM
Aプレートを擬似体液40ml中に36.5℃にて浸漬
した。一定時間おきにPMMAプレートを取り出し、F
T−IR反射スペクトルおよび薄膜X線回折パターンを
測定した。浸漬後12時間で、FT−IR反射スペクト
ル上に、ヒドロキシアパタイトに対応するピーク(11
30cm-1、1040cm-1、610cm-1、570c
-1)が認められた。また、X線回折パターンにおける
2θ=26°および32°のピークから、ヒドロキシア
パタイトの結晶構造が確認された。以上のことから、P
MMAプレートの表面にヒドロキシアパタイト層が形成
されていることが確認された。なお、ヒドロキシアパタ
イト層の厚さは約20μmであった。
【0033】実施例2 実施例1において、CSガラス粉末に代えて参考例2で
得られたA−Wガラス粉末を使用したこと以外は、実施
例1と同様の操作により、A−Wガラス粉末を固定化し
たPMMAプレートを得た。得られたPMMAプレート
を擬似体液40ml中に室温で7日間浸漬した。FT−
IR反射スペクトルおよび薄膜X線回折パターンの測定
により、PMMAプレートの表面にヒドロキシアパタイ
ト層が形成されていることが確認された。
【0034】実施例3 実施例1において、CSガラス粉末に代えて参考例3で
得られた結晶化A−Wガラス粉末を使用したこと以外
は、実施例1と同様の操作により、結晶化A−Wガラス
粉末を固定化したPMMAプレートを得た。得られたP
MMAプレートを擬似体液40ml中に室温で7日間浸
漬した。FT−IR反射スペクトルおよび薄膜X線回折
パターンの測定により、PMMAプレートの表面にヒド
ロキシアパタイト層が形成されていることが確認され
た。
【0035】実施例4 実施例1において、CSガラス粉末に代えて参考例4で
得られたバイオガラス45S5粉末を使用したこと以外
は、実施例1と同様の操作により、バイオガラス45S
5粉末を固定化したPMMAプレートを得た。得られた
PMMAプレートを擬似体液40ml中に室温で7日間
浸漬した。FT−IR反射スペクトルおよび薄膜X線回
折パターンの測定により、PMMAプレートの表面にヒ
ドロキシアパタイト層が形成されていることが確認され
た。
【0036】実施例5 実施例1において、PMMAプレートに代えて所定の形
状(15×10×1mm)に調製した骨固定用ポリ乳酸
プレート〔島津製作所(株)社製〕を使用し、かつCS
ガラス粉末を分散させる液体としてジクロロメタン−テ
トラヒドロフランの混合液(体積比=40/60)を使
用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、CS
ガラス粉末を固定化したポリ乳酸プレートを得た。得ら
れたポリ乳酸プレートを擬似体液40ml中に室温で7
日間浸漬した。FT−IR反射スペクトルおよび薄膜X
線回折パターンの測定により、PMMAプレートの表面
にヒドロキシアパタイト層が形成されていることが確認
された。
【0037】実施例6 実施例1において、PMMAプレートに代えて所定の形
状(15×10×1mm)に調製したシリコーンシート
〔サカセ化学工業(株)社製〕を使用し、かつCSガラ
ス粉末を分散させる液体としてテトラヒドロフランを使
用したこと以外は、実施例1と同様の操作により、CS
ガラス粉末を固定化したシリコーンシートを得た。得ら
れたシリコーンシートを擬似体液40ml中に室温で7
日間浸漬した。FT−IR反射スペクトルおよび薄膜X
線回折パターンの測定により、シリコーンシートの表面
にヒドロキシアパタイト層が形成されていることが確認
された。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、有機高分子の物性と無
機物質の物性を併せ持つ有機高分子材料を得ることがで
きる。また、無機粉末を適宜選択することにより、有機
高分子材料の表面に種々の性質を発現させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭47−40864(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤で膨潤させた状態の有機高分子材料
    、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、石英
    ガラスおよび生体活性ガラスからなる群から選ばれる
    機粉末の懸濁液中に浸漬して超音波を照射することを特
    徴とする有機高分子材料の表面改質方法。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料が、ポリメタクリル酸メ
    チル、ポリ乳酸およびシリコーンからなる群から選ばれ
    る有機高分子から構成された成形体である請求項1記載
    の有機高分子材料の表面改質方法。
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