JP3478745B2 - 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 - Google Patents
堆積膜形成方法および堆積膜形成装置Info
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- JP3478745B2 JP3478745B2 JP35568098A JP35568098A JP3478745B2 JP 3478745 B2 JP3478745 B2 JP 3478745B2 JP 35568098 A JP35568098 A JP 35568098A JP 35568098 A JP35568098 A JP 35568098A JP 3478745 B2 JP3478745 B2 JP 3478745B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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- Photovoltaic Devices (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により、長尺の基板上に連続的に堆積膜を形成する堆積
膜形成方法および堆積膜形成装置に関する。
により、長尺の基板上に連続的に堆積膜を形成する堆積
膜形成方法および堆積膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、全世界的に電力需要が急激に増大
し、電力生産が活発になっているが、それにしたがい、
火力発電や原子力発電に伴う環境汚染や地球温暖化の問
題が顕在化してきている。こうした中で、太陽光を利用
する太陽電池発電は、環境汚染や地球温暖化の問題を引
き起こすことがなく、太陽光という資源の偏在も少ない
ので、今後のさらなる電力需要を満たすものとして注目
を集めている。
し、電力生産が活発になっているが、それにしたがい、
火力発電や原子力発電に伴う環境汚染や地球温暖化の問
題が顕在化してきている。こうした中で、太陽光を利用
する太陽電池発電は、環境汚染や地球温暖化の問題を引
き起こすことがなく、太陽光という資源の偏在も少ない
ので、今後のさらなる電力需要を満たすものとして注目
を集めている。
【0003】ところで、太陽電池発電を実用化するため
には、使用する太陽電池が、光電変換効率が十分に高
く、特性や安定性に優れ、かつ大量生産に適したもので
あることが要求される。また、発電規模からして、大面
積の太陽電池が必要となる。こうしたことから、容易に
入手できるシランなどの原料ガスをグロー放電により分
解することによって、ガラスや金属シートなどの比較的
安価な基板上に、アモルファスシリコンなどの半導体薄
膜を堆積させて形成されるアモルファスシリコン系太陽
電池が提案されている。このアモルファスシリコン系太
陽電池は、単結晶シリコンなどから作製された太陽電池
と比較して、量産性に優れ、低コストであると注目さ
れ、その製造方法についても各種の提案がなされてい
る。
には、使用する太陽電池が、光電変換効率が十分に高
く、特性や安定性に優れ、かつ大量生産に適したもので
あることが要求される。また、発電規模からして、大面
積の太陽電池が必要となる。こうしたことから、容易に
入手できるシランなどの原料ガスをグロー放電により分
解することによって、ガラスや金属シートなどの比較的
安価な基板上に、アモルファスシリコンなどの半導体薄
膜を堆積させて形成されるアモルファスシリコン系太陽
電池が提案されている。このアモルファスシリコン系太
陽電池は、単結晶シリコンなどから作製された太陽電池
と比較して、量産性に優れ、低コストであると注目さ
れ、その製造方法についても各種の提案がなされてい
る。
【0004】太陽電池発電では、太陽電池の単位モジュ
ールを直列または並列に接続してユニット化し、所望の
電流、電圧を得るようにすることが多く、各単位モジュ
ールにおいては断線や短絡が生じないことが要求され、
さらに、単位モジュール間の出力電圧、出力電流のばら
つきが少ないことが要求される。そのため、少なくとも
単位モジュールを作製する段階で、その最大の特性決定
要因である半導体層そのものの特性の均一さが要求され
る。また、モジュールの設計を容易にし、モジュールの
組み立て工程を簡略なものとするため、大面積にわたっ
て特性の優れた半導体堆積膜が形成できるようにするこ
とが、太陽電池の量産性を高め、生産コストの大幅な低
減をもたらすこととなる。
ールを直列または並列に接続してユニット化し、所望の
電流、電圧を得るようにすることが多く、各単位モジュ
ールにおいては断線や短絡が生じないことが要求され、
さらに、単位モジュール間の出力電圧、出力電流のばら
つきが少ないことが要求される。そのため、少なくとも
単位モジュールを作製する段階で、その最大の特性決定
要因である半導体層そのものの特性の均一さが要求され
る。また、モジュールの設計を容易にし、モジュールの
組み立て工程を簡略なものとするため、大面積にわたっ
て特性の優れた半導体堆積膜が形成できるようにするこ
とが、太陽電池の量産性を高め、生産コストの大幅な低
減をもたらすこととなる。
【0005】太陽電池の重要な構成要素である半導体層
は、pn接合あるいはpin接合などの半導体接合を含
んでいるが、これら半導体接合は、導電型の異なる半導
体層を順次積層したり、ある導電型の半導体層に異なる
導電型のドーパントをイオン打ち込みあるいは熱拡散さ
せることにより形成される。上述のアモルファスシリコ
ン系太陽電池の作製においては、ホスフィン(PH3)
やジボラン(B2H6)などの、ドーパントとなる元素を
含む原料ガスを、主たる原料ガスであるシランガスなど
に混合し、混合された原料ガスをグロー放電によって分
解することによって所望の導電型を有する半導体膜が得
られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順次積層させ
て形成することにより、容易に半導体接合が得られるこ
とが知られている。そこで、アモルファスシリコン系太
陽電池を作製するにあたっては、各々の半導体層に対応
して独立した成膜室を設け、この成膜室でそれぞれの半
導体層を形成することが一般的である。
は、pn接合あるいはpin接合などの半導体接合を含
んでいるが、これら半導体接合は、導電型の異なる半導
体層を順次積層したり、ある導電型の半導体層に異なる
導電型のドーパントをイオン打ち込みあるいは熱拡散さ
せることにより形成される。上述のアモルファスシリコ
ン系太陽電池の作製においては、ホスフィン(PH3)
やジボラン(B2H6)などの、ドーパントとなる元素を
含む原料ガスを、主たる原料ガスであるシランガスなど
に混合し、混合された原料ガスをグロー放電によって分
解することによって所望の導電型を有する半導体膜が得
られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順次積層させ
て形成することにより、容易に半導体接合が得られるこ
とが知られている。そこで、アモルファスシリコン系太
陽電池を作製するにあたっては、各々の半導体層に対応
して独立した成膜室を設け、この成膜室でそれぞれの半
導体層を形成することが一般的である。
【0006】また、一つのグロー放電領域内において、
複数の周波数の電磁波を導入してアモルフス半導体を作
成する方法が、特開平08−097161号公報におい
て開示されている。この堆積法は、第一の電磁波により
放電初期のプラズマの安定性および均一性を図るととも
に、第二の電磁波の重畳による堆積膜形成速度の適正化
によって、特性の優れた堆積膜を形成するようにしたも
のである。一方、アモルファスシリコン系太陽電池の光
電変換効率を向上させるための試みとして、a−SiG
e:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,a
−SiC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:Fな
どのIV族合金半導体をi型(真性)半導体層と使用する
場合に、光の入射側から、このi型半導体層の禁制帯幅
(バンドギャップ:E gopt)を膜厚方向に連続的に適
宜変化させることにより、太陽電池としての開放電圧
(Voc)や曲線因子(fill factor:FF)
が大幅に改善されることが見出されている。
複数の周波数の電磁波を導入してアモルフス半導体を作
成する方法が、特開平08−097161号公報におい
て開示されている。この堆積法は、第一の電磁波により
放電初期のプラズマの安定性および均一性を図るととも
に、第二の電磁波の重畳による堆積膜形成速度の適正化
によって、特性の優れた堆積膜を形成するようにしたも
のである。一方、アモルファスシリコン系太陽電池の光
電変換効率を向上させるための試みとして、a−SiG
e:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,a
−SiC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:Fな
どのIV族合金半導体をi型(真性)半導体層と使用する
場合に、光の入射側から、このi型半導体層の禁制帯幅
(バンドギャップ:E gopt)を膜厚方向に連続的に適
宜変化させることにより、太陽電池としての開放電圧
(Voc)や曲線因子(fill factor:FF)
が大幅に改善されることが見出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の堆積膜形成方法では、バンドギャップを連続的
に変化させるなどのために膜厚方向に連続的に組成を変
化させつつ、大面積の堆積膜を均一に形成することがで
きないという欠点がある。この欠点とは具体的には、つ
ぎのようなことである。すなわち、帯状の基板を連続的
に移動させながら堆積膜を形成する方法では、基板上へ
の堆積膜形成は、基板がグロー放電領域を通過する間に
行なわれる。したがって、堆積膜の膜厚は、堆積速度と
グロー放電領域の通過速度とによって比較的容易に制御
することができる。一方、膜厚方向に組成分布をもたせ
るためには、基板が連続的に移動しているので、グロー
放電領域内の膜形成雰囲気について、基板の移動方向に
分布を持たせることが必要である。しかしながら、原料
ガスの組成、圧力あるいはグロー放電のエネルギー密度
といった膜形成雰囲気について、このような分布を持た
せることを再現性よく実施することは困難である。ま
た、従来の、基体を固定させておく方式の堆積膜形成方
法においても、堆積膜の均一性が損なわれるという理由
により、膜形成雰囲気に分布を持たせることは行なわれ
ていなかった。
た従来の堆積膜形成方法では、バンドギャップを連続的
に変化させるなどのために膜厚方向に連続的に組成を変
化させつつ、大面積の堆積膜を均一に形成することがで
きないという欠点がある。この欠点とは具体的には、つ
ぎのようなことである。すなわち、帯状の基板を連続的
に移動させながら堆積膜を形成する方法では、基板上へ
の堆積膜形成は、基板がグロー放電領域を通過する間に
行なわれる。したがって、堆積膜の膜厚は、堆積速度と
グロー放電領域の通過速度とによって比較的容易に制御
することができる。一方、膜厚方向に組成分布をもたせ
るためには、基板が連続的に移動しているので、グロー
放電領域内の膜形成雰囲気について、基板の移動方向に
分布を持たせることが必要である。しかしながら、原料
ガスの組成、圧力あるいはグロー放電のエネルギー密度
といった膜形成雰囲気について、このような分布を持た
せることを再現性よく実施することは困難である。ま
た、従来の、基体を固定させておく方式の堆積膜形成方
法においても、堆積膜の均一性が損なわれるという理由
により、膜形成雰囲気に分布を持たせることは行なわれ
ていなかった。
【0008】そこで、本発明は、上記した課題を解決
し、膜厚方向に組成の分布のある堆積膜を、大面積の基
板上に、特性にばらつきなく、連続的に形成することの
できる堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を提供する
こと、特に、良好な特性を持つ光起電力素子を形成する
ことのできる堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を提
供することを目的とするものである。
し、膜厚方向に組成の分布のある堆積膜を、大面積の基
板上に、特性にばらつきなく、連続的に形成することの
できる堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を提供する
こと、特に、良好な特性を持つ光起電力素子を形成する
ことのできる堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を、
つぎのように構成したことを特徴とするものである。す
なわち、本発明の堆積膜形成方法は、放電空間を有する
反応容器に長尺の基体を連続的に移動させ、該反応容器
の放電空間に導入された原料ガスに電力を印加してプラ
ズマを生起させて、該移動する長尺の基体上にn型半導
体層、i型半導体層、p型半導体層をこの順にもしくは
逆の順に形成させる堆積膜形成方法において、前記i型
半導体層が、主にプラズマを生起させている主電力と補
助電力により形成され、該補助電力の印加手段が、主電
力印加手段より前記p型半導体層を形成する反応容器側
にある補助電力印加手段によって行なわれることを特徴
としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記主
電力が、VHF電力であることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成方法は、前記補助電力が、RF
電力もしくはDC電力であることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成装置は、n型半導体層、i型半
導体属、p型半導体層を形成する各反応容器をこの順に
もしくは逆の順に配し、長尺の基体をこれらの各反応容
器の放電空間を連続的に通過させ、これらの放電空間に
導入された原料ガスに電力を印加してプラズマを生起さ
せて、該移動する長尺の基体上にpin型半導体をもし
くはnip型半導体を形成する堆積膜形成装置におい
て、前記i型半導体層を形成する反応容器内に、主にプ
ラズマを生起させている主電力の印加手段と補助電力の
印加手段とを備え、前記補助電力の印加手段が、前記主
電力の印加手段より前記p型半導体層側を形成する反応
容器側に設けられていることを特徴としている。また、
本発明の堆積膜形成装置は、前記主電力が、VHF電力
であることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成装置は、前記補助電力が、RF電力もしくはDC電力
であることを特徴としている。また、本発明のこれらの
堆積膜形成方法および堆積膜形成装置における、主電力
および補助電力の印加手段は、電極であることが好まし
い。例えば、電極には板状や棒状のものが使用できる。
電極形状を変えることによって、カソードとアノードの
面積比に応じて変化する自己バイアスを制御することが
できるなどの利点がある。なお、本発明でVHF電力と
は、周波数30MHz以上500MHz以下の高周波電
力をいう。
成するため、堆積膜形成方法および堆積膜形成装置を、
つぎのように構成したことを特徴とするものである。す
なわち、本発明の堆積膜形成方法は、放電空間を有する
反応容器に長尺の基体を連続的に移動させ、該反応容器
の放電空間に導入された原料ガスに電力を印加してプラ
ズマを生起させて、該移動する長尺の基体上にn型半導
体層、i型半導体層、p型半導体層をこの順にもしくは
逆の順に形成させる堆積膜形成方法において、前記i型
半導体層が、主にプラズマを生起させている主電力と補
助電力により形成され、該補助電力の印加手段が、主電
力印加手段より前記p型半導体層を形成する反応容器側
にある補助電力印加手段によって行なわれることを特徴
としている。また、本発明の堆積膜形成方法は、前記主
電力が、VHF電力であることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成方法は、前記補助電力が、RF
電力もしくはDC電力であることを特徴としている。ま
た、本発明の堆積膜形成装置は、n型半導体層、i型半
導体属、p型半導体層を形成する各反応容器をこの順に
もしくは逆の順に配し、長尺の基体をこれらの各反応容
器の放電空間を連続的に通過させ、これらの放電空間に
導入された原料ガスに電力を印加してプラズマを生起さ
せて、該移動する長尺の基体上にpin型半導体をもし
くはnip型半導体を形成する堆積膜形成装置におい
て、前記i型半導体層を形成する反応容器内に、主にプ
ラズマを生起させている主電力の印加手段と補助電力の
印加手段とを備え、前記補助電力の印加手段が、前記主
電力の印加手段より前記p型半導体層側を形成する反応
容器側に設けられていることを特徴としている。また、
本発明の堆積膜形成装置は、前記主電力が、VHF電力
であることを特徴としている。また、本発明の堆積膜形
成装置は、前記補助電力が、RF電力もしくはDC電力
であることを特徴としている。また、本発明のこれらの
堆積膜形成方法および堆積膜形成装置における、主電力
および補助電力の印加手段は、電極であることが好まし
い。例えば、電極には板状や棒状のものが使用できる。
電極形状を変えることによって、カソードとアノードの
面積比に応じて変化する自己バイアスを制御することが
できるなどの利点がある。なお、本発明でVHF電力と
は、周波数30MHz以上500MHz以下の高周波電
力をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、上記のような特徴を備
えた構成により、膜厚方向に組成の分布のある堆積膜
を、移動する大面積の基板上に、特性にばらつきなく形
成するようにしたものであるが、それは、本発明者らの
つぎのような知見に基づくものである。すなわち、主に
VHF電力によってプラズマが生成されている放電空間
に、直接プラズマ生成には関わらない補助の電力(バイ
アス)を導入すると、前記補助の電力を導入している電
極近傍には他の場所と異なる成膜雰囲気が生じる。例え
ば、図2は、図1のようにバイアスを印加しないでa−
SiGeを静止した基板上に堆積したときの、膜中Ge
組成比の基板搬送方向の場所に対する変化を示したもの
であり、図4は、図3のようにVHF電極棒(主電極)
より基板搬送方向下流にずらした位置にバイアス電極
(補助電極)を配置してバイアスを印加し、a−SiG
eを静止した基板上に堆積したときの膜中Ge組成比の
基板搬送方向の場所に対する変化を示したものである。
えた構成により、膜厚方向に組成の分布のある堆積膜
を、移動する大面積の基板上に、特性にばらつきなく形
成するようにしたものであるが、それは、本発明者らの
つぎのような知見に基づくものである。すなわち、主に
VHF電力によってプラズマが生成されている放電空間
に、直接プラズマ生成には関わらない補助の電力(バイ
アス)を導入すると、前記補助の電力を導入している電
極近傍には他の場所と異なる成膜雰囲気が生じる。例え
ば、図2は、図1のようにバイアスを印加しないでa−
SiGeを静止した基板上に堆積したときの、膜中Ge
組成比の基板搬送方向の場所に対する変化を示したもの
であり、図4は、図3のようにVHF電極棒(主電極)
より基板搬送方向下流にずらした位置にバイアス電極
(補助電極)を配置してバイアスを印加し、a−SiG
eを静止した基板上に堆積したときの膜中Ge組成比の
基板搬送方向の場所に対する変化を示したものである。
【0011】図1〜図4に示すようにa−SiGeの場
合、バイアス電極近傍において形成される堆積膜は、他
の場所で形成される堆積膜と比べてGe組成比が大きく
なっている。また、同様の事をa−SiCの場合につい
て述べると、図5は、図3の配置において、原料ガスを
変えてa−SiCを静止した基板上に堆積したときの膜
中C組成比の基板搬送方向の場所に対する変化を示した
ものである。a−SiCについては、バイアス電極近傍
において形成される堆積膜は、他の場所で形成された堆
積膜に比べてC組成比が小さくなる。従って、上記によ
り半導体層の禁制帯幅の制御を行い、光起電力素子にお
けるi型半導体層の禁制帯幅に傾斜を持たせると、i型
半導体層中の正孔の移動度が向上し光起電力素子の特性
が改善されることとなる。本発明はこのような知見に基
づき完成されたものである。
合、バイアス電極近傍において形成される堆積膜は、他
の場所で形成される堆積膜と比べてGe組成比が大きく
なっている。また、同様の事をa−SiCの場合につい
て述べると、図5は、図3の配置において、原料ガスを
変えてa−SiCを静止した基板上に堆積したときの膜
中C組成比の基板搬送方向の場所に対する変化を示した
ものである。a−SiCについては、バイアス電極近傍
において形成される堆積膜は、他の場所で形成された堆
積膜に比べてC組成比が小さくなる。従って、上記によ
り半導体層の禁制帯幅の制御を行い、光起電力素子にお
けるi型半導体層の禁制帯幅に傾斜を持たせると、i型
半導体層中の正孔の移動度が向上し光起電力素子の特性
が改善されることとなる。本発明はこのような知見に基
づき完成されたものである。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるも
のではない。 [実施例1]実施例1においては、本発明による機能性
堆積膜形成方法を用いて、太陽電池シングルセルを作製
した。図6は作製に用いたロール・ツー・ロール方式の
CVD装置である。図6において、送り出し用真空容器
601、n層成膜用真空容器602、i層成膜用真空容
器603、p層成膜用真空容器604、巻き取り用真空
容器605はガスゲート606、607、608、60
9で接続されている。裏面反射膜が積層された帯状基板
615は送り出し用ボビン616に巻かれており、アイ
ドリングローラー617により搬送方向が変更されてn
層成膜用真空容器602、i層成膜用真空容器603、
p層成膜用真空容器604へ搬送される(矢印Bの方
向)。そして各真空容器内で成膜等の処理が行われた帯
状基板615は、アイドリングローラー618により搬
送方向が変更されて、巻き取り用ボビン619により巻
き取られる。
が、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるも
のではない。 [実施例1]実施例1においては、本発明による機能性
堆積膜形成方法を用いて、太陽電池シングルセルを作製
した。図6は作製に用いたロール・ツー・ロール方式の
CVD装置である。図6において、送り出し用真空容器
601、n層成膜用真空容器602、i層成膜用真空容
器603、p層成膜用真空容器604、巻き取り用真空
容器605はガスゲート606、607、608、60
9で接続されている。裏面反射膜が積層された帯状基板
615は送り出し用ボビン616に巻かれており、アイ
ドリングローラー617により搬送方向が変更されてn
層成膜用真空容器602、i層成膜用真空容器603、
p層成膜用真空容器604へ搬送される(矢印Bの方
向)。そして各真空容器内で成膜等の処理が行われた帯
状基板615は、アイドリングローラー618により搬
送方向が変更されて、巻き取り用ボビン619により巻
き取られる。
【0013】そして、各真空容器601、602、60
3、604、605の排気口610、611、612、
613、614より排気ポンプ(不図示)で排気しなが
ら、各成膜用真空容器内において、帯状基板615はラ
ンプヒーター624、625、626により所定の温度
まで加熱され、成膜用原料ガスは各成膜用ガス導入口
(不図示)より、グロー放電が生じる各反応空間63
1、632、633内へ導入されている。各反応空間6
31、632、633は、反応空間外壁634、63
5、636と帯状基板615に囲まれている。また掃気
用ガス供給620、621、622、623より掃気用
ガスとしてH2ガスがそれぞれ導入されており各真空容
器間でガスが混入するのを防いでいる。
3、604、605の排気口610、611、612、
613、614より排気ポンプ(不図示)で排気しなが
ら、各成膜用真空容器内において、帯状基板615はラ
ンプヒーター624、625、626により所定の温度
まで加熱され、成膜用原料ガスは各成膜用ガス導入口
(不図示)より、グロー放電が生じる各反応空間63
1、632、633内へ導入されている。各反応空間6
31、632、633は、反応空間外壁634、63
5、636と帯状基板615に囲まれている。また掃気
用ガス供給620、621、622、623より掃気用
ガスとしてH2ガスがそれぞれ導入されており各真空容
器間でガスが混入するのを防いでいる。
【0014】n層、p層の成膜には、放電電力としてR
F電力をRF放電電極627、628に印加している。
また、i層成膜用真空容器603内において、主にプラ
ズマを生成させる電力としてVHF電力をVHF電極棒
629より導入し、また補助電力としてDC電力を補助
電極630に印加した。またVHF電極棒は、i層成膜
用真空容器603内において基板搬送方向に対して中央
に配置し、補助電極630は基板搬送方向に対してp層
成膜用真空容器604よりに配置した。この時の各層の
成膜条件を表1に示す。
F電力をRF放電電極627、628に印加している。
また、i層成膜用真空容器603内において、主にプラ
ズマを生成させる電力としてVHF電力をVHF電極棒
629より導入し、また補助電力としてDC電力を補助
電極630に印加した。またVHF電極棒は、i層成膜
用真空容器603内において基板搬送方向に対して中央
に配置し、補助電極630は基板搬送方向に対してp層
成膜用真空容器604よりに配置した。この時の各層の
成膜条件を表1に示す。
【0015】上記方法で得られた堆積膜を形成した帯状
基板615をロール・ツー・ロール装置から取り出し5
cm×5cmの大きさに切り離し、ITO透明導電膜を
堆積膜上に成膜して光起電力素子を作製したところ、従
来i層成膜にVHF電力のみを導入して作製していたも
のに比べて、太陽電池の変換効率において平均6.5%
程度の向上が図られた。これは、i型半導体層内におけ
る禁制帯幅の傾斜が、禁制帯幅の極小位置が膜厚方向に
対してp型半導体層よりにあるためであると思われる。
基板615をロール・ツー・ロール装置から取り出し5
cm×5cmの大きさに切り離し、ITO透明導電膜を
堆積膜上に成膜して光起電力素子を作製したところ、従
来i層成膜にVHF電力のみを導入して作製していたも
のに比べて、太陽電池の変換効率において平均6.5%
程度の向上が図られた。これは、i型半導体層内におけ
る禁制帯幅の傾斜が、禁制帯幅の極小位置が膜厚方向に
対してp型半導体層よりにあるためであると思われる。
【0016】
【表1】
[実施例2]実施例2においては、実施例1のi層成膜
用真空容器内に導入した補助電力をDC電力からRF電
力に置き換えて、太陽電池シングルセルを作製した。作
製に用いた装置について、その他の部分は実施例1と同
様である。本実施例における各層の成膜条件を表2に示
す。実施例1と同様にして、ITO透明導電膜を堆積膜
上に成膜して光起電力素子を作製したところ、従来i層
成膜にVHF電力のみを導入して作製していたものに比
べて、太陽電池の変換効率において平均5.5%程度の
向上が図られた。
用真空容器内に導入した補助電力をDC電力からRF電
力に置き換えて、太陽電池シングルセルを作製した。作
製に用いた装置について、その他の部分は実施例1と同
様である。本実施例における各層の成膜条件を表2に示
す。実施例1と同様にして、ITO透明導電膜を堆積膜
上に成膜して光起電力素子を作製したところ、従来i層
成膜にVHF電力のみを導入して作製していたものに比
べて、太陽電池の変換効率において平均5.5%程度の
向上が図られた。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
i型半導体層の形成を、主にプラズマを生起させている
主電力と補助電力により行うように構成し、この補助電
力を印加するにあたり、主電力印加手段より前記p型半
導体層を形成する反応容器側にある補助電力印加手段に
よって行なうように構成したことによって、膜厚方向に
組成の分布のある堆積膜を、大面積の基板上に、特性に
ばらつきなく、連続的に形成することができ、これによ
って、より良好な特性を持つ光起電力素子等の機能性堆
積膜の形成が可能となる。
i型半導体層の形成を、主にプラズマを生起させている
主電力と補助電力により行うように構成し、この補助電
力を印加するにあたり、主電力印加手段より前記p型半
導体層を形成する反応容器側にある補助電力印加手段に
よって行なうように構成したことによって、膜厚方向に
組成の分布のある堆積膜を、大面積の基板上に、特性に
ばらつきなく、連続的に形成することができ、これによ
って、より良好な特性を持つ光起電力素子等の機能性堆
積膜の形成が可能となる。
【図1】バイアスを導入しないで静止基板上に堆積膜を
形成する際の真空容器内の概略断面図である。
形成する際の真空容器内の概略断面図である。
【図2】図1において静止基板上に形成した堆積膜中の
Ge組成比の場所に対する変化を示した図である。
Ge組成比の場所に対する変化を示した図である。
【図3】バイアスを導入して静止基板上に堆積膜を形成
する際の真空容器内の概略断面図である。
する際の真空容器内の概略断面図である。
【図4】図3において静止基板上に形成した堆積膜中の
Ge組成比の場所に対する変化を示した図である。
Ge組成比の場所に対する変化を示した図である。
【図5】バイアスを導入して静止基板上にa−SiCを
形成したときのC組成比の場所に対する変化を示した図
である。
形成したときのC組成比の場所に対する変化を示した図
である。
【図6】ロール・ツー・ロール方式のCVD装置を示し
た図である。
た図である。
101、301:VHF電極棒(主電極)
102、302:真空容器
103、303:ガス導入管
104、304:基板
105、305:メッシュ状側壁
306:バイアス電極棒(補助電極)
A:反応空間
601:送り出し用真空容器
602:n層成膜用真空容器
603:i層成膜用真空容器
604:p層成膜用真空容器
605:巻き取り用真空容器
606、607、608、609:ガスゲート
610、611、612、613、614:排気口
615:帯状基板
616:送り出し用ボビン
617、618:アイドリングローラー
619:巻き取り用ボビン
620、621、622、623:掃気用ガス供給
624、625、626:ランプヒーター
627、628:RF放電電極
629:VHF放電電極
630:バイアス電極棒
631、632、633:反応空間
634、635、636:反応空間外壁
B:基板搬送の向き
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 岡部 正太郎
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 幸田 勇蔵
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(72)発明者 金井 正博
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ
ヤノン株式会社内
(56)参考文献 特開 平5−247655(JP,A)
特開 平9−27459(JP,A)
特開 平6−204515(JP,A)
特開 平10−8259(JP,A)
特開 平8−22960(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/50
C23C 16/54
H01L 31/04
Claims (6)
- 【請求項1】放電空間を有する反応容器に長尺の基体を
連続的に移動させ、該反応容器の放電空間に導入された
原料ガスに電力を印加してプラズマを生起させて、該移
動する長尺の基体上にn型半導体層、i型半導体層、p
型半導体層をこの順にもしくは逆の順に形成させる堆積
膜形成方法において、 前記i型半導体層が、主にプラズマを生起させている主
電力と補助電力により形成され、 該補助電力の印加手段が、主電力印加手段より前記p型
半導体層を形成する反応容器側にある補助電力印加手段
によって行なわれることを特徴とする堆積膜形成方法。 - 【請求項2】前記主電力が、VHF電力であることを特
徴とする請求項1に記載の堆積膜形成方法。 - 【請求項3】前記補助電力が、RF電力もしくはDC電
力であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
載の堆積膜形成方法。 - 【請求項4】n型半導体層、i型半導体属、p型半導体
層を形成する各反応容器をこの順にもしくは逆の順に配
し、長尺の基体をこれらの各反応容器の放電空間を連続
的に通過させ、これらの放電空間に導入された原料ガス
に電力を印加してプラズマを生起させて、該移動する長
尺の基体上にpin型半導体をもしくはnip型半導体
を形成する堆積膜形成装置において、 前記i型半導体層を形成する反応容器内に、主にプラズ
マを生起させている主電力の印加手段と補助電力の印加
手段とを備え、 前記補助電力の印加手段が、前記主電力の印加手段より
前記p型半導体層側を形成する反応容器側に設けられて
いることを特徴とする堆積膜形成装置。 - 【請求項5】前記主電力が、VHF電力であることを特
徴とする請求項4に記載の堆積膜形成装置。 - 【請求項6】前記補助電力が、RF電力もしくはDC電
力であることを特徴とする請求項4または請求項5に記
載の堆積膜形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35568098A JP3478745B2 (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35568098A JP3478745B2 (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000182961A JP2000182961A (ja) | 2000-06-30 |
JP3478745B2 true JP3478745B2 (ja) | 2003-12-15 |
Family
ID=18445225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35568098A Expired - Fee Related JP3478745B2 (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | 堆積膜形成方法および堆積膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3478745B2 (ja) |
-
1998
- 1998-12-15 JP JP35568098A patent/JP3478745B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000182961A (ja) | 2000-06-30 |
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