JP3477515B2 - クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子 - Google Patents

クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子

Info

Publication number
JP3477515B2
JP3477515B2 JP2000202729A JP2000202729A JP3477515B2 JP 3477515 B2 JP3477515 B2 JP 3477515B2 JP 2000202729 A JP2000202729 A JP 2000202729A JP 2000202729 A JP2000202729 A JP 2000202729A JP 3477515 B2 JP3477515 B2 JP 3477515B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pce
dehalogenase
enzyme
sequence
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000202729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002017358A (ja
Inventor
一裕 高見澤
正浩 発
Original Assignee
岐阜大学長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 岐阜大学長 filed Critical 岐阜大学長
Priority to JP2000202729A priority Critical patent/JP3477515B2/ja
Publication of JP2002017358A publication Critical patent/JP2002017358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3477515B2 publication Critical patent/JP3477515B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クロストリジウム
・ビフェルメンタンスDPH−1由来パークロロエチレ
ン脱ハロゲン化酵素、及び当該酵素のポリペプチドとそ
れをコードする遺伝子に関する。 【0002】 【従来の技術】テトラクロロエチレン等のパークロロエ
チエレン(perchloroethylene:PC
E)、トリクロロエチレン(trichloroeth
ylene:TCE)、ジクロロエチレン(dichl
oroethylene:DCE)のアイソマー類(c
is−1,2−DCE、trans−1,2−DCE、
1,1−DCE)及び塩化ビニルの様なクロロエチレン
類や他の塩素化脂肪族化合物は、産業上使用する事に伴
い、環境中にかなりの濃度で発生する。PCEやTCE
は優れた溶剤であるために、特にドライクリーニングや
織物産業において、機械を洗浄したり、脂肪を抽出した
り、塗料を剥がしたりする目的に使用される。これらの
化学物質は公衆衛生に重大な問題を引き起し、汚染され
た場所や水路を改善する事は地球レベルにおける緊急の
問題である。この汚染を改善することは、物理化学研究
と生物学研究を刺激している。生物学的な方法は、比較
的コストが安くて環境適合性が良いために、しばしば魅
力的な選択となり得る。 【0003】PCEは、ハロゲン含量が高くて毒性が強
いために、塩素化した脂肪族化合物の生物分解の研究対
象として、重要なモデルとなる。PCEは酸化され易い
性質を有しているために好気的条件下では分解されにく
いが、嫌気的な条件下ではいくつかの微生物によって還
元的に脱塩素化される。そこで、PCEを除染するため
に、嫌気的な生物学的システムに関心が向けられてい
る。嫌気的な混合培養物が、PCEを還元的に脱塩素化
する効果を有することが、しばしば報告されてきた。し
かし、脱ハロゲン化の特性が詳細に解析された単一培養
物はほんの少数であり、その例としてDehalosp
irillum multivorans、Desuf
omonile tiedjei、Dehalobac
ter restrictus、Dehalococc
oides ethenogenes株195、Des
ulfitobacterium種PCE−Sがある。 【0004】シアノコバラミン(ビタミンB12)は、
PCEの非生物的な脱塩素化に有効であると、報告され
てきた。D.multivorans、D.ethen
ogenes株195、Desulfitobacte
rium種PCE−Sの様なPCE分解性嫌気性微生物
は、コリノイド(蛋白質が結合したシアノコバラミン)
補因子を含んでいることが示されており、それらはPC
Eの異化に重要な役割を果たす可能性がある。 【0005】嫌気的なPCEデハロゲナーゼの精製と特
性解析に注目した研究は少ないが、嫌気的な還元的PC
Eデハロゲナーゼの遺伝子に関しての情報は僅かにあ
る。近年、D.multivoransのPCEデハロ
ゲナーゼの遺伝的な決定因子であるpceAとpceB
がクローン化され、特性解析された。これら、pceA
とpceBの2つの遺伝子は、オペロン構造中に構成さ
れ、それぞれ501アミノ酸と74アミノ酸の蛋白質を
コードしている。しかし、pceAを機能を有して大腸
菌中に発現させることは成功しなかった。 【0006】多くの嫌気的なデハロゲナーゼは、PCE
を分解して主としてcis−DCEを生成するが、D.
ethenogenes195由来の新規なデハロゲナ
ーゼは、還元的にPCEを脱塩素化してエチレンを生成
して、毒性を分解する(図1)。Rhodococcu
s rhodochrousとNitrosomona
s europaeaによる、cis−DCEの好気的
な分解が報告されてきた。そこで、嫌気的なシステムで
蓄積したcis−DCEを、その様な好気的なデハロゲ
ナーゼを用いて更に分解する事により、除くことができ
る。これらの菌株に由来する嫌気的なデハロゲナーゼを
用いた反応は、DCEで停止してしまう。よって、DC
E以降の分解は、好気性微生物に頼らなければならず、
TCEの完全分解には嫌気的微生物と好気的微生物の両
者が必要である。 【0007】ところで、D.ethenogenes1
95株由来の新規なデハロゲナーゼは、還元的にPCE
を脱塩素化してエチレンを生成する事が知られている
(図1)。即ち、この菌株はPCEを完全分解して、毒
性を分解するという特質を有する。この様に種々のデハ
ロゲナーゼが存在しており、それぞれによって利用する
基質や酵素としての特性は異なっている。塩素化脂肪族
化合物で汚染される状況を考えると、多くの場合PC
E、TCEやDCE異性体の混合物が存在している。よ
って、基質とする塩素化脂肪族化合物のスペクトル範囲
が広いデハロゲナーゼが得られたら、塩素化脂肪族化合
物による汚染に対する有効なツールとなると思われる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、環境
中に存在する有害な塩素化脂肪族化合物を分解して解毒
することが可能な、新規な嫌気性の還元的PCEデハロ
ゲナーゼを得ることである。より特異的には、これまで
の嫌気性菌株由来のデハロゲナーゼでは分解が困難であ
ったDCEを含めて、広い範囲の塩素化脂肪族化合物を
分解できるPCEデハロゲナーゼを得ることである。更
に本発明の課題は、得られた酵素のアミノ酸配列とそれ
をコードする遺伝子の塩基配列を提供する事である。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、水路の汚
泥より単離されたクロストリジウム・ビフェルメンタン
スDPH−1(Clostridium biferm
entans)DPH−1がPCEを脱ハロゲン化する
ことを見出し、当該菌株から新規なPCEデハロゲナー
ゼを得る事を試みた。即ち、クロストリジウム・ビフェ
ルメンタンスDPH−1DPH−1由来のデハロゲナー
ゼを単離精製し、その特性解析を行った。この酵素は基
質として、PCEとTCEのみならず、cis−1,2
−DCE、1,1−DCEを含む、広範囲の塩素化脂肪
族化合物を分解した。これまで、これほど広範囲の塩素
化された脂肪族化合物を基質として分解する、嫌気性の
還元的PCEデハロゲナーゼが得られた例はない。 【0010】更に精製した酵素のアミノ末端のアミノ酸
配列を決定し、その配列より遺伝子クローニングのため
のプローブを構築した。ゲノミックDNAライブラリー
からクローニングを行うことにより、遺伝子配列を決定
し、更に推定アミノ酸配列を決定した。得られた配列は
既知のPCEデハロゲナーゼと相同性を有さず、これま
でにない型のPCEデハロゲナーゼであると考えられ
る。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明は、クロストリジウム・ビ
フェルメンタンスDPH−1に由来する、新規なパーク
ロロエチレン脱ハロゲン化酵素(PCEデハロゲナー
ゼ)である。当該酵素は、以下の性質を有する。 (1)テトラクロロエチレンからトリクロロエチレンを
生成する脱ハロゲン化反応を触媒する。 (2)分子量が35kDaである2つのサブユニットか
ら成る二量体である。 (3)至適温度は35℃である。 (4)至適pHは7.5である。 (5)金属イオン、EDTA、NADH又はシアノコバ
ラミンの添加により酵素活性は影響されない。 (6)酸素の存在により酵素活性が抑制される。 【0012】更に、本発明の酵素により、塩素化脂肪族
化合物を分解する方法もまた、本発明の範囲内である。
上述した様に、本発明の酵素は基質スペクトルの範囲が
広いために、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレ
ン、ジクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエタ
ン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロ
ロエタン等の、種々の塩素化脂肪族化合物を分解する事
が可能である。 【0013】更に本発明は、クロストリジウム・ビフェ
ルメンタンスDPH−1由来のPCEデハロゲナーゼの
ポリペプチドである。このポリペプチドは、配列表の配
列番号1の下段に示す、アミノ酸番号1−366で示さ
れるアミノ酸配列により特定される。このアミノ酸配列
は、配列表の配列番号1の上段に記載されている塩基配
列の、オープンリーディングフレーム(読み枠)部分に
よりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号1の下段に示すポリペプチドの一部が欠失、置
換若しくは付加されたポリペプチドとは、配列番号1の
下段に示すアミノ酸配列において、20個以下、好まし
くは10個以下、更に好ましくは5個以下のアミノ酸が
置換されたポリペプチドである。また、その様なポリペ
プチドと配列番号1の下段に示すアミノ酸配列とは、7
0%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90
%以上の相同性を有する。その様なポリペプチドも、テ
トラクロロエチレンの脱塩素反応を触媒するというPC
Eデハロゲナーゼの特徴を有する限り、本発明の範囲内
である。 【0014】更に本発明は、配列表の配列番号1の上段
に示す、塩基番号1−2117で示される塩基配列から
なることを特徴とする、クロストリジウム・ビフェルメ
ンタンスDPH−1DPH−1由来のPCEデハロゲナ
ーゼ遺伝子である。配列表の配列番号1の上段に示す塩
基配列のうち塩基番号514−1614で示される部分
が読み枠であり、上述したPCEデハロゲナーゼのポリ
ペプチドをコードしている。 【0015】遺伝子組み換え技術によれば、基本となる
DNAの特定の部位に、当該DNAの基本的な特性を変
化させることなく、あるいはその特性を改善する様に、
人為的に変異を起こすことができる。本発明により提供
される天然の塩基配列を有する遺伝子、あるいは天然の
ものとは異なる塩基配列を有する遺伝子に関しても、同
様に人為的に挿入、欠失、置換を行う事により、天然の
遺伝子と同等のあるいは改善された特性を有するものと
することが可能であり、本発明はそのような変異遺伝子
を含むものである。即ち、配列表の配列番号1の上段に
示す遺伝子の一部が欠失、置換若しくは付加された遺伝
子とは、配列番号1の上段に示す塩基配列において、2
0個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個
以下の塩基が置換された遺伝子である。また、その様な
遺伝子と配列番号1の下段に示す塩基配列とは、70%
以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以
上の相同性を有する。その様な遺伝子も、テトラクロロ
エチレンの脱塩素反応を触媒するというPCEデハロゲ
ナーゼの特徴を有するポリペプチドをコードしている限
り、本発明の範囲内である。 【0016】 【実施例】(微生物と培養条件)クロストリジウム・ビ
フェルメンタンス(Clostridium bife
rmentans)DPH−1は、岐阜の電気会社の、
屑が混ざった水路の汚泥より単離した。MY培地上で、
一週間毎に継代培養することにより、培養を維持した。
そのMY培地の組成は、K2 HPO4 が7.0g/l、
KH2 PO4 が2.0g/l、MgSO4 ・7H2 Oが
0.1g/l、(NH42 SO4 が1.0g/l、ク
エン酸ナトリウムが0.5g/l、酵母抽出液が2.0
g/lであり、pHが7.2であった。26mlの血清
ボトル中で10mlの培地をオートクレーブした後に、
0.1mlのフィルター滅菌したビタミン溶液(1リッ
トルあたり、p−アミノ安息香酸が1g、ビオチンが1
mg)と0.1mlのFeSO4 7H2 O(2g/l)
を添加した。ヘッドスペースを純粋窒素で置き換え、テ
フロン(登録商標)で裏打ちしたゴムセプタムとアルミ
ニウムのクリンプキャップで密封した。その後PCEを
添加して、最終濃度を12μMとした。酵素を調製する
ために、100mlのMY培地を含むボトル中で、PC
Eのピークが分解するまで(46から56時間)30℃
で細胞を生育した。C.bifermentans細胞
を、ジチオスレイトール(DTT)を最終濃度が2mM
になるまで添加した後、遠心(12000g、15分)
により回収した。クローニングと形質転換に用いた宿主
株は、大腸菌DH5αであり、Luria−Berta
ni培地中において37℃で培養を行った。必要に応じ
て、アンピシリン(100μg/ml)を添加した。プ
ラスミド類と、その関連した特性を表1に要約する。 【0017】 【表1】 【0018】(酵素の調製)C.bifermenta
ns細胞(およそ1.6g)を、2mMのDTTと5%
のグリセロールを添加した20mMのトリス塩酸バッフ
ァー(pH8.2)6ml中に再懸濁し、TOMYウル
トラソニック破砕機UD−201を用いて、30秒間の
フラッシュで5分間、氷冷バス中で溶菌した。非破砕細
胞と破片を遠心分離(17000xg、20分、4℃)
で分離し、非破砕細胞と破片について抽出過程を繰り返
した。2つの上清画分を混合し、0.22μmのミリポ
アフィルターを通した。得られた濾液を、無細胞酵素抽
出に用いた。 【0019】(酵素アッセイ)デハロゲナーゼのアッセ
イは、Neumanの方法(Neuman,A.eta
l.(1996)Biol.Chem.271:165
15−16519)とMagnuson(Magnus
on,J.K.et al.(1998)Appl.E
nviron.Microbiol.64:1270−
1275)の方法を用いた。酵素アッセイ(この後、標
準アッセイ方法と言う)を、テフロンのゴムストッパー
とアルミニウムのクリンプキャップで密封した、血清ボ
トル中で行った。4mlのアッセイ溶液には、100m
Mのトリス塩酸緩衝液(pH7.5)、1.5mMのメ
チルビオロゲン、1.5mMのクエン酸チタニウム、5
00μlの酵素と12μMのPCEが含まれていた。コ
ントロールのアッセイ溶液では、酵素溶液をトリス塩酸
バッファーに置きかえた。全ての溶液のヘッドスペース
を、5分間窒素で置き換えた。30℃で30分間、イン
キュベーションを行った。5MのMgSO4 を0.4m
l添加して反応を停止した。クエン酸チタニウム溶液
を、ZehnderとWuhrmannの方法(Zeh
nder,A.J.B and Wuhrmann
K.(1976)Science 194:1165−
1166)により調製した。反応生成物と残存したPC
Eを、ガスクロマトグラフィーにより定量した。酵素活
性の1ユニットを、そのアッセイ条件下で生成したトリ
クロロエチレン(TCE)とcis−ジクロロエチレン
(DCE)の全nmolである、と定義した。比活性を
計算するために、バイオラッドのプロテインアッセイ試
薬(バイオラッド)を用いて、標準的なBradfor
d法により、蛋白質濃度を定量した。 【0020】(塩素化した脂肪族化合物のガスクロマト
グラフィー解析)塩素化した脂肪族化合物を、ヘッドス
ペース法(Gossett J.M.(1987)En
viron.Sci.Technol.21:202−
208)で定量した。ヘッドスペースサンプル(10μ
l)を、電子捕獲検出器(ECD)とガラスカラム(シ
リコンDC−550 20%クロモゾーブW[AWDM
CS]80/100)を備えた、GC−14B型ガスク
ロマトグラフ(シマズ)を用いて解析した。担体ガスに
は、流速50ml/分の純粋窒素を用いた。炎イオン化
検出器(FID)とガラスカラム(シリコンDC−55
0 20%クロモゾーブW[AWDMCS]80/10
0)を備えた、GC−9A型ガスクロマトグラフ(シマ
ズ)を用いて、高濃度のパークロロエチレン(PCE)
のクロマトグラフィー解析を行った。 【0021】(酵素の精製)無細胞酵素抽出液を、限外
濾過膜セントリプレップYM−50(アミコン:50k
Daの限界分子量)を通して、およそ1.5mlまで濃
縮した。濃縮物をDEAE−Toyopearlアニオ
ン交換カラム(12x1.5cm)にかけた。予め2m
MのDTTを添加した20mMのトリス塩酸緩衝液(p
H8.2)で、そのカラムを平衡化しておいた。同じ緩
衝液に、0から0.5MのNaClを溶解したリニアー
グラジエントを用いて、1ml/分の流速で蛋白質を溶
出した。45の画分を5mlづつ、4℃で収集してハロ
ゲナーゼ活性を評価した。 【0022】活性画分を貯蔵し、下記に述べるサイズ排
除クロマトグラフィーにかけた。貯蔵した画分を、YM
−50超濾過膜を用いて約1.5mlまで濃縮した。予
め溶出緩衝液(20mMのリン酸カリウムバッファー
(pH7.5)に溶解した150mMのKCl)で平衡
化しておいたSuperdex pg−75カラム(7
0x1.5cm)に、濃縮物をかけた。0.36ml/
分の流速で、同じ緩衝液により蛋白質を溶出した。画分
(2.7ml)を4℃で収集し、デハロゲナーゼアッセ
イにかけた。 【0023】シマズSPD−7AV紫外/可視分光検出
器、シマズSCL−6Bシステムコントローラー、シマ
ズCR4Aコンピューターデータ解析機と1mlのイン
ジェクションループを備えた、シマズLC−7Aバイオ
液体クロマトグラフを用いて、多孔性HQアニオン交換
カラム(4.6x100mm)上で、イオン交換高速液
体クロマトグラフィー(IEX−HPLC)により、更
なる精製を行った。20mMのトリス−塩酸緩衝液(p
H7.5)を用いた、アイソクラティック(10分)な
溶出(1ml/分)をまず行った。その後に、20mM
のトリス−塩酸緩衝液(pH8.2)に、0−1MのN
aClを添加した濃度リニアーグラジエント(20分)
により溶出を行った。20mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.2)に添加した1MのNaCl(10分)と、20
mMトリス塩酸緩衝液(pH8.2)(10分)で、順
次にカラムを洗浄した。 【0024】500mlのインジェクションループを備
えた同じHPLCシステムを用いて、Superdex
R 200HR10/30(1x30cm)により、サイ
ズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)
を行った。20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)に150mMのNaClを添加して、0.5ml/
分の流速でアイソクラティックな溶出を行った。 【0025】(分子量の測定)天然型酵素の分子量は、
Superdex200HR10/30上におけるSE
−HPLCにより測定した。分子量キット(MW−GF
−200−KIT:シグマ)を用いて、製造業者が指示
した方法によりカラムを校正した。蛋白質サンプルの純
度と分子量は、10%のアクリルアミドを用いて、ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(PAGE)により試験した。17201から
200000ダルトンの範囲の分子量マーカー(第一化
学)を用いた。ゲルをクマシーブリリアントブルーG2
50により染色した。 【0026】(MALDI−TOF/MS解析)Mat
rix−Assisted Lazer Desorp
tion Ionization−Time of F
light/Mass spectrometry(M
ALDI−TOF/MS)を用いて、精製された蛋白質
の正確な分子量を測定した。限界分子量10kDaであ
るポリスルフォン膜(ミリポア)を用いた限外濾過によ
り、精製された蛋白質サンプルを脱塩し、滅菌したミリ
Q水(滅菌脱イオン水、ミリポア)に懸濁した。簡単に
いうと、そのマトリックスはミリQ水に溶解した0.1
%のトリフルオロ酢酸と30%のアセトニトリルから構
成され、シナピン酸で飽和されている(1%)。正確に
1μlのマトリックスと1μlの蛋白質サンプルをサン
プルプレート上で混合し、5分間風乾し、ボイジャーR
Pワークステーション(パースペクティブバイオシステ
ムズ、アプライドバイオシステム)を用いて、製造業者
に指示に従い解析した。 【0027】(酵素の性質の測定)標準的なアッセイ方
法を用いて、アッセイを行った。20、25、30、3
5、40と45℃でインキュベートすることにより、温
度活性のプロファイルを測定した。それぞれの温度で1
時間インキュベートして、その後に残った活性を測定す
る事により、温度安定性を検討した。pH活性プロファ
イルについては、トリス−塩酸(pH7.5、8.0、
8.5、9.0)およびリン酸緩衝液(pH6.0、
6.5、7.0)のいずれかを用いることにより検討し
た。酵素をそれぞれのpH値で1時間、室温で同じ緩衝
液を用いてインキュベートして、残った活性を測定する
ことにより、pH安定性を検討した。金属イオン(Co
2+、Fe 3+、Mg2+、Na2+、Mn2+、Hg2+)、ED
TA−Na、NADHとシアノコバラミンの影響は、最
終濃度5mMにおいて検討した。基質濃度の影響は、異
なった濃度のPCE(5−30μM)を用いて測定し
た。酸素感受性の測定は、Millerらの方法(Mi
ller,E.et al.(1998)Arch.M
icrobiol.169:497−502)を用い
た。 【0028】(PCEと他の塩素化した脂肪族化合物の
比較分解性)標準アッセイプロトコールを用いた。全て
の塩素化脂肪族化合物のストック溶液をメタノール溶液
として調製し、アッセイ混合液中でのそれらの最終濃度
は12μMであった。30℃で30分間インキュベート
した後、塩素化した脂肪族化合物の残存量を、ガスクロ
マトグラフィーで測定した。 【0029】(PCE分解と生成物産生の経時変化)P
CEの開始濃度を12μMとして、標準アッセイ方法に
より検討した。PCEの生物的分解と分解生成物(TC
Eとcis−DCE)を、ガスクロマトグラフィーで連
続的に検出した。 【0030】(アミノ末端配列決定)蛋白質サンプルの
SDS−PAGEを行った後、蛋白質をポリビニリデン
ジフルオライド(PVDF)膜(イモビロンPSQ、ミリ
ポア)へ、電気ブロッティング装置(バイオラッド)を
用いて電気的に転写した。PROCISETM1.1aデ
ータ解析ソフトウェアを備えた、アプライドバイオシス
テムズ491プロテインシークエンサーを用いて、自動
エドマン分解によりアミノ末端配列を解析した。 【0031】(組み換えDNA技術)C.biferm
entansを一晩培養した物から、ゲノミックDNA
を調製した。ハイピュアプラスミドアイソレーションキ
ット(ベーリンガーマンハイム)を用いて、製造業者の
指示に従って、プラスミドDNAを細胞から単離した。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物と制限酵素分解
断片を、QIAEXIIゲル抽出キット(キアゲン)に
より、アガロースゲルから精製した。DNAライゲーシ
ョンキットver.2(タカラ)を用いて、製造業者の
指示に従ってライゲーションを行った。プラスミドDN
Aによる大腸菌DH5αの形質転換を、製造業者の指示
に従って標準方法により行った。100μg/mlのア
ンピシリンと5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル
−β−D−ガラクトピラノース(X−Gal)を含むプ
レート上での生育により、コロニーの選抜とスクリーニ
ングを行った。制限酵素はタカラから購入し、製造業者
に推奨された方法で使用した。 【0032】(DNA配列決定)DNAの配列決定は、
ABIプリズムビッグダイターミネーターキット(パー
キンエルマー)とアプライドバイオシステムABI31
0ジェネティックアナライザーを用いて、サイクルシー
クエンシングにより行った。両鎖の配列決定された領域
を、プライマーウォーキングにより伸長した。 【0033】(遺伝子クローニングのためのプローブの
構築)デハロゲナーゼのアミノ末端配列に基づき、2つ
のプライマーを設計し、コードされる遺伝子の、先に決
定されたアミノ末端領域のPCR増幅に用いた。用いた
プライマーは、5'-GCI-GAR-GTI-TAY-AAY-AAR-GA-3'と3'
-GTR-ATR-AAR-ISI-TTR-CTR-TG-5'である(I はイノシン
R はアデニン又はグアニン、Y はシトシン又はチミン、
S はグアニン又はチミン)。Ready.To.GoP
CRビーズ(アマシャムファルマシアバイオテック)を
用いて、PCRを行った。およそ100ngのC.bi
fermentansゲノミックDNAを、鋳型として
用いた。DNA増幅は、以下の様にして35PCRサイ
クル行われた。即ち、最初の変性(95℃、5分)、引
き続いての変性(95℃、1分)、アニーリング(43
℃、1.5分)、そして伸長(72℃、2分)というサ
イクルである。1.5%アガロースゲル上で可視化した
後、予期したバンド(81bp)を精製し、pT7Bl
ue(ノバゲン)のT−クローニング部位へクローン化
し、pATS81プラスミドを作製した。挿入物をDN
A配列解析にかけて、その配列を翻訳し、精製蛋白質の
既知のアミノ末端と比較した。 【0034】(サザンハイブリダイゼーションとDNA
ラベル化)ゲノミックDNAを、BglII、Cla
I、EcoRI、HindIIIとPstIにより分解
した。DNA断片をアガロースゲル上で分離し、ゼータ
プローブナイロン膜(バイオラッド)上に、0.4Nの
NaOHを用いた毛細管ブロッティングにより転写し
た。アガロースゲルより精製したプローブ(PCR産
物)を、マルチプライムDNAラベリングシステム(ア
マシャムファルマシアバイオテック)を用いて、α−P
32dATPによりラベル化した。ブロットしたフィルタ
ーをプレハイブリダイズして、55℃でハイブリダイズ
し、その後に洗浄して展開した。 【0035】(関連断片のクローニング)サザンハイブ
リダイゼーションにより得られた、およそ5kbのCb
aIバンドを、ミニDNAライブラリーを調製する目的
で選抜した。この領域中の断片をアガロースゲルから精
製し、pBluescriptSK(−)のポリリンカ
ー中の同様の部位へライゲーションした。ライゲーショ
ン反応液により、コンピーテントな大腸菌DH5αを形
質転換した。全部で1728個の形質転換体を、上記に
プローブを用いて、コロニーハイブリダイゼーションに
よりスクリーニングした。およそ5kbのCbaI断片
を含む陽性クローンが同定された。pDEHAL5プラ
スミドが、このクローンから単離された。 【0036】デハロゲナーゼ遺伝子の位置を決定するた
めに、pDEHAL5をXhoIとBglIIで分解し
た。およそ1.5kbのXhoI−BglII断片とお
よそ1kbのBglII−BglII断片を単離し、p
BluescriptSK(−)のポリリンカー中の、
XhoI−BamHIとBamHI−BamHI適合部
位上にサブクローン化し、pDEHAF1プラスミドと
pDEHAF2プラスミドを作製した。両プラスミドの
挿入物を、完全に配列決定した。データベース検索は、
BLASTにより行った。Clustal Wプログラ
ムを用いて、相同性解析を行った。DNAスティーダー
プログラムを用いて、カイトドーライト法により、ハイ
ドロパシープロットを行った。 【0037】(ヌクレオチド配列アクセッション番号)
デハロゲナーゼ遺伝子のヌクレオチド配列とそのフラン
キング領域を、EMBLヌクレオチド配列データベース
に、AJ277528のアクセッション番号で登録し
た。 【0038】(PCEデハロゲナーゼの抽出と精製)D
TTとグリセロールを含むトリス塩酸緩衝液中で細胞を
超音波破砕することにより、この酵素を容易に抽出でき
る。抽出緩衝液に0.1%トライトン−Xを添加して
も、酵素の抽出は改善されなかった。残った細胞破片
を、0.1%のトライトンX−100を含む同じ緩衝液
又は抽出緩衝液に懸濁しても、PCE分解活性を示さな
かった。これは、その酵素が膜貫通蛋白質ではなく、膜
表層の蛋白質であることを示している。 【0039】C.bifermentansDHP−1
の還元的PCEデハロゲナーゼは、クルードな細胞抽出
液より、TCEを経由してPCEからcis−DCEへ
変換することを検出することにより、精製された。出発
の精製スキームは、Superdex pg−75ゲル
濾過の後に、PCEデハロゲナーゼが13.2倍精製さ
れるという結果となり(表2)、酵素活性はおよそ42
%回収された。比活性は、6.5から86.1U/mg
蛋白質へ増加した。この段階では、酵素サンプルは明ら
かな不純物を2つ含んでいた(図2A:Superde
x pg−75ゲル濾過後のSDS−PAGEの写
真)。プールして透析したサンプルから、イオン交換H
PLCとサイズ排除HPLCにより、酵素を更に完全に
精製した(図2B:分子排除クロマトグラフィー後のS
DS−PAGEの写真)。しかしながら、HPLCの精
製条件下では不安定であるために、これにより比活性の
顕著な低下が生じた。 【0040】 【表2】 【0041】(分子量)天然型PCEデハロゲナーゼの
分子量を、分子サイズ排除高速液体クロマトグラフィー
により測定すると、およそ70kDaであった(図
3)。SDS−PAGE解析により、モノマーの分子量
はおよそ35kDaであることが判り(図2B)、その
結果より、二量体蛋白質構造を有していることが示され
る。MALDI−TOF/MSより決定されたモノマー
の正確な分子量は、35.7kDaであった(図4)。 【0042】(酵素活性の性質及び反応速度論的パラメ
ーター)デハロゲナーゼはPCEの脱塩素化を触媒する
至適温度は35℃であった。20から35℃の温度範囲
内で、酵素は安定であった。最大活性はpH7.5で記
録され、pH7.5から8.0で酵素は最も安定であっ
た。酵素活性は、金属イオンに依存せず、EDTA−N
a、NADHやシアノコバラミンを添加することは、P
CEの分解に大きな影響を及ぼさなかった。空気の存在
下でインキュベーションしている間、酵素は酸素感受性
を有していた。アルキル化試薬(プロピルイオダイド)
と還元試薬(クエン酸チタニウム)の混合液と、暗所で
インキュベーションにより、酵素活性は抑制された。引
き続いて光に露光することにより、活性は回復した。プ
ロピルイオダイドが存在しない場合にはクエン酸チタニ
ウムは阻害活性を有しておらず、プロピルイオダイドを
単独で添加した場合には阻害活性は全く記録されなかっ
た。 【0043】PCEの脱塩素化と産物生成の反応速度論
を、経時変化の実験で検討した。デハロゲナーゼによ
り、TCEを経由して、PCEはDCEへと迅速に変化
した。反応速度論のパラメーターであるVmaxとKm
を、Lineweaver−Burk二重逆数プロット
からコンピューターで求めたところ、それぞれ73nm
ol/mg蛋白質と12μMであった。 【0044】(分解された塩素化脂肪族化合物のスペク
トル)PCEデハロゲナーゼによる他のハロゲン化塩素
化脂肪族化合物の分解を、検討した。C.biferm
entansのデハロゲナーゼは、種々の塩素化脂肪族
化合物を顕著に分解した。PCEとTCEにおいて観察
された分解速度は、他の環境上重要な塩素化脂肪族化合
物における分解速度より、全般的に高かった。PCE、
TCE、cis−1,2−DCE、1,1−DCE、
1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパンと
1,1,2−トリクロロエタンによりそれぞれ、一時間
あたりおよそ25±4.9%、16±4%、6±1%、
8±0.8%、8±1.6%、9±0.4%、8±0.
2%の分解を達成することができた。ビニルクロライド
は分解を受けにくかった。無細胞系酵素抽出液を用いた
とき、分解速度は顕著に高くなった。 【0045】(アミノ末端解析、プライマーとプローブ
構築物の設計)精製したPCEデハロゲナーゼのアミノ
末端配列解析により、下記の配列が明らかになった。即
ち、AEVYNKDGNKLDLYGKVDGLHYF
SNDTという配列である。BLAST解析を行ったと
ころ、既知のPCEデハロゲナーゼとは相同性を示さな
かった。しかし、配列決定したアミノ末端領域中の3つ
のアミノ酸残基(KVD)は、Desulfitoba
cterium種のPCE−Sと同一であった(図
5)。図5に、3種のPCEデハロゲナーゼのアミノ末
端配列のアラインメントを示す。アミノ末端配列の両端
より設計した2つの宿重プライマーにより、C.bif
ermentansのPCEデハロゲナーゼの81bp
推定領域を増幅することに成功した。翻訳されたプロー
ブのDNA配列は、先に決定されたアミノ末端蛋白配列
と一致した。 【0046】(PCEデハロゲナーゼのクローニングと
遺伝子配列決定)PCRの生成物を、DNA塩基配列の
決定により確認し、遺伝子クローニングのためのプロー
ブとして使用した。C.bifermentansのゲ
ノミックDNAを種々の制限酵素で開裂し、[α−
32P]dATPラベル化したプローブを用いて、サザン
ハイブリダイゼーション解析を行ったところ、BglI
I、ClaI、EcoRI、HindIIIとPstI
制限酵素断片による異なったバンドが検出された(図
6)。図6(A)に、C.bifermentansの
ゲノミックDNAの、制限酵素断片のアガロースゲル電
気泳動の写真を、図6(B)にサザンブロット/ハイブ
リダイゼーション解析の写真を示す。図6において、
(B)はBglII断片を、(C)はClaI断片を、
(E)はEcoRI断片を、(H)はHindIII断
片を、(P)はPstI断片を示す。また、図6の矢印
は、サブライブラリーの構築に用いた5kbのClaI
断片を示す。 【0047】1720個の大腸菌DH5αのコロニー
を、ゲノミックサブライブラリー(およそ4.5から
5.5kbのClaI断片により構築されている)から
スクリーニングした後、5kbの、ClaI挿入部位を
含んでいると思われるクローン(pDEHAL5)が単
離された。サザンハイブリダイゼーションの解析データ
(図6)に基づき、1.4kb以下のBglII制限断
片は、デハロゲナーゼ遺伝子を有していることが予測さ
れる。pDEHAF1とpDEHAF2(表1)の、2
つのサブクローンの挿入物の完全な塩基配列を決定し、
先に決定したアミノ末端配列を用いてその遺伝子を同定
した。その遺伝子は、内在性のBglII部位を有して
いることが見出された(図7)。図7に、制限酵素部位
をを示す、pDEHAL5の制限酵素地図を示す。PC
Eデハロゲナーゼをコードしている部位を、陰影で示
す。ATG開始コドンから、その遺伝子の97bpがp
DEHAF1中に同定され、1004bpがpDEHA
F2中に同定された。 【0048】ここで得られたPCEデハロゲナーゼ遺伝
子(以下pceCと称する)の完全な核酸配列を、図8
に示す。図8において、転写プロモーター部位を四角で
囲み、リボソーム結合部位を下線で示し、転写終結部位
の反転繰り返しを両方向の矢印で示す。pceCの読み
枠は514番の塩基から1614までである(終止コド
ンを含めて367アミノ酸、成熟蛋白質で39.67k
Da)。ハイドロパシープロットにより、認識可能なシ
グナルペプチドの存在が示され(図9)、また先に決定
されたアミノ末端配列からメチオニンが欠けており、こ
れは翻訳後にプロセッシングを受けることを示してい
る。コード領域は21アミノ酸のシグナルペプチドから
始まり、先に決定されたアミノ酸配列がそれに続く(図
5)。そこで、プロセスされた蛋白質(346アミノ
酸)の分子量を計算すると、およそ37.40kDaで
あり、これはマススペクトル解析により決定された分子
量と一致している(図4)。リボソームに結合するであ
ろうと思われる部位(AAAGGA)が、ATG開始コ
ドンの8塩基上流に見出された。典型的な−10から−
35のプロモーター配列が、コード領域の上流に見出さ
れた。TGA終止コドンの39bp下流に、ρ非依存的
な終結部位を示す反転繰り返しが存在していた(図
8)。 【0049】BLASTの検索によると、pceCの塩
基配列及び推定アミノ酸配列は、serratia m
arcescensと大腸菌ポリンの配列と相同性を示
した。Clustal Wプログラムを用いたところ、
pceCの塩基配列は、大腸菌のポリンとserrat
ia marcescensのポリンの塩基配列と、そ
れぞれ63.7%と60%の相同性を示した。推定アミ
ノ酸配列のハイドロパシープロファイルを検討したとこ
ろ(図9:ハイドロパシープロット)、これまで知られ
たリーダーペプチドに典型的なことに、アミノ末端領域
において大きな疎水性領域が示された。 【0050】毒性の生体異物分子の嫌気性還元脱ハロゲ
ン化は、近年ますます注意をひいている。本発明におい
て、新たに単離されたC.bifermentans菌
株DPH1に由来する、PCEデハロゲナーゼを精製
し、特性解析し、遺伝子配列を解析した。pceCは、
細胞に結合した細胞外酵素(膜表層蛋白質)であると考
えられ、細胞膜に緩く結合しており、水性緩衝液で容易
に抽出される。更に、先に決定されたアミノ末端アミノ
酸配列はアラニンより始まり、pceCの推定アミノ酸
配列には、認識し得るシグナル配列が含まれており、こ
れはプロセスされた膜表層蛋白質である事を示してい
る。 【0051】C.bifermentansデハロゲナ
ーゼの至適温度(35℃)は、D.multivora
nsにおいて報告された温度である42℃に近い温度で
あり、Desulfitobacterium種菌株P
CE−Sにおいて報告された50℃とは完全に異なって
いる。C.bifermentansデハロゲナーゼの
至適pHは、D.multivoransとDesul
fitobacteriumのPCE−Sの至適pHと
似通っており、それらはpH8.0とpH7.2におい
て最大活性を示す。PCEデハロゲナーゼ活性は、試験
した金属イオンによって刺激されず、抑制される事も無
かった。良く知られた二価金属イオンのキレーターであ
るEDTAもまた、効果を奏しなかった。この現象は、
コリノイドデハロゲナーゼの置換基であるコバラミン
(CO2+)が遊離型でないために、EDTAによるキレ
ーション受けない事で説明される。この状態において、
EDTAの様な二価金属イオンキレーターは、コバルト
を固定化しないであろう。 【0052】pceCはホモダイマーであり、他の報告
されたデハロゲナーゼと分子サイズが異なっている。D
ehalospirillium multivora
ns、Desulfitobacterium菌株Y−
51、Dehalococcoides etheno
genes菌株195のPCEデハロゲナーゼは、モノ
マーの蛋白質であり、見かけの分子サイズが57kD
a、60kDa、と51kDaであると報告されてい
る。しかし、PCE−S株由来のPCEデハロゲナーゼ
はおそらくホモトリマーであり、モノマーと天然型にお
ける見かけの分子量は、およそ65kDaと200kD
aである。 【0053】12μMというKm値は、D.multi
voransデハロゲナーゼにおいて観察された200
μMと比較して低い値であるが、Desulfitob
acterium PCE−Sのデハロゲナーゼで記録
された10μMと類似している。そこで、PCEの親和
性が高いという点において、Desulfitobac
terium PCE−SとC.bifermenta
nsのデハロゲナーゼは似通っている様であるが、D.
multivoransの精製した酵素のPCE親和性
は低かった。低い濃度のPCEや、他の塩素化した脂肪
族化合物は、汚染された場所における微生物分解の基質
として分解されにくく、利用することができない。その
ために、低いKm値の微生物デハロゲナーゼは、その様
な場所において非常に重要であると思われる。しかし、
C.bifermentansデハロゲナーゼのVma
x(73nmol/mg蛋白質)は、D.multiv
oransとDesulfitobacterium
PCE−Sで報告された、2650nkat/mg蛋白
質と2650nkat/mg蛋白質という値と比較し
て、低い値であった。 【0054】アルキル化試薬(プロピルイオダイド)と
還元試薬(クエン酸チタニウム)の混合物により活性抑
制が引き起こされ、この抑制は光により回復した。この
観察は、この酵素はコリノイド補因子を含んでいるかも
しれない可能性を示唆している。多くの嫌気性生物より
得られるこの様な蛋白質は、同じようにPCEを分解す
る。コリノイド蛋白質によるPCE脱ハロゲン化につい
て、正確な機構は殆ど知られていないが、過還元された
状態のコリノイド(Co+ )は、ハロゲン化した炭化水
素又はプロピルイオダイドの様なアルキル化試薬のアル
キル残基に結合可能であり、脱塩素化又は酵素活性の抑
制を達成する。MarshとHollowayにより、
コバラミン結合蛋白質においてDXHXXGの残基が保
存されていることが報告された(Marsh,E.N.
G,and D.E.Holloway(1992)F
EBS Lett.310:167−170)。コバラ
ミン結合部位であろうと思われるアミノ酸残基(GKD
LGVNGSD)が、preCのカルボキシ末端におい
て見出された。この配列は、Clostridium
tetanomorphumとマウスのムターゼのコバ
ラミン結合領域中に見られる、GSDCHAVGNKと
GKDKHDRGAKという配列と類似していた。そこ
で、3つの蛋白質中で不変である、GXDXXXXGは
コリノイドモチーフであると考えられるが、この推定を
実験で評価する必要がある。 【0055】ハロゲン−炭素結合の酵素的開裂(脱ハロ
ゲン化)は、微生物による変換及びハロゲン化した脂肪
族化合物の無機化における重要なステップである。脱ハ
ロゲン化により普通は毒性が低下し、ハロゲン化した分
子の感受性が増加して、更に分解される。PCEとTC
Eによる汚染を生物処理の方法として、2つの戦略が提
案されている。それは、還元的脱塩素化による完全な分
解と、好気的システムと嫌気的システムを組み合わせる
事による完全な分解である。後者のシステムにおいて、
PCEとTCEは嫌気的な還元的脱塩素化によりcis
−DCEに変換され、ひき続いてcis−DCEは好気
的に完全に代謝される。PCEデハロゲナーゼ(Pce
C)がPCEを素早く脱塩素化することは、嫌気的な生
物処理および好気的な生物処理から成る2段階処理方法
において、非常に重要である。 【0056】塩素化された脂肪族化合物基質の混合液
は、汚染された環境中でしばしば見られる。しかし、塩
素化された炭化水素の嫌気的変換は殆ど知られていなか
った。C.bifermentansのデハロゲナーゼ
は、多くの塩素化された脂肪族化合物分子において作用
する嫌気的な還元的デハロゲナーゼである、という点で
特異であり、本発明はその様な酵素を初めて特性解析し
たものである。驚くべき事に、cis−DCEを出発物
質として添加しても分解が行われた。cis−DCEを
分解した際の生成物が何であるか、また中間生成物であ
るcis−DCEがなぜ分解され難いのか、について解
明されていない。cis−DCE分解の、機構と生成物
を理解するために、この観点からの更なる検討が必要で
ある。 【0057】PCEデハロゲナーゼ遺伝子(pceC)
のDNA配列とフランキング領域の配列を決定した。両
鎖の配列は全体的が一致していたので、正確であった。
シャインダルガノ(AAAGGA)推定配列は開始コド
ンから8塩基上流に見られ、それはATG開始コドンか
ら7塩基という標準的な間隔と近いものである。構造遺
伝子に加えて、結合したフランキングDNA配列は、原
核細胞の転写制御領域の典型的な構造であった。即ち、
−10から−35のプロモーターコンセンサス配列と、
rhoに非依存的なターミネターに類似した配列を有し
ていた(図8)。推定アミノ末端配列の特徴は、良く知
られたリーダーペプチド配列と一致していた。プロセス
された蛋白質におけるアミノ末端領域中の3つのアミノ
酸残基(KVD)は、Desulfitobacter
ium種のPCE−Sと一致しており、その中でリジン
(K)は3つのデハロゲナーゼにおいて共通している
(図5)。しかし、この相同性の重要性とは明らかでな
く、3つの細菌が脱ハロゲン化する能力との関係もまた
明らかではない。 【0058】BLASTの検索において、pceCと他
のPCEデハロゲナーゼ遺伝子の間において、明確な配
列の相同性は見られなかった。同じように、pceAは
いかなる既知のデハロゲナーゼとも、相同性を示さなか
った。そこで、嫌気的なPCEデハロゲナーゼは異なっ
た祖先の遺伝子から、生体異物汚染と環境条件の変化に
反応して進化した可能性がある。驚くべき事に、塩基配
列及びコードされた蛋白質の推定アミノ酸配列は、ポリ
ンと明らかな相同性を示した。これらの遺伝子の間の進
化における関係は、この段階では明らかでなく、更に検
討する必要がある。しかし、Rhodococcus
erythropolisとCorynebacter
ium glutamicumの様な、いくつかのグラ
ム陽性細菌より得た抽出液は、チャネル形成蛋白質(ポ
リン)を含んでいることが示された。 【0059】本発明者らは、新規なPCEデハロゲナー
ゼを精製してクローン化し、そのPCEデハロゲナーゼ
は広範囲のスペクトルの塩素化脂肪族化合物を分解する
ことができた。C.bifermentansのデハロ
ゲナーゼは、過去に報告された嫌気的PCEデハロゲナ
ーゼの間では特異であり、pceCの分子データは、微
生物で分解されるデハロゲナーゼの新たなグループが存
在するかもしれない可能性を示している。得られた結果
は、C.bifermentansのデハロゲナーゼ
は、ハロゲン化された物質の混合液で汚染された場所に
おいて、PCEと他の塩素化された脂肪族化合物の、最
初の分解に何らかの重要な役割を果たしているかもしれ
ない可能性を示している(図1)。 【0060】 【発明の効果】本発明により、クロストリジウム・ビフ
ェルメンタンスDPH−1由来のパークロロエチレン脱
ハロゲン化酵素、及び当該酵素のアミノ酸配列と遺伝子
塩基配列が与えられた。当該酵素は、広範囲のスペクト
ルの塩素化された脂肪族化合物を基質として分解すると
いう特徴を有する。 【0061】 【配列表】 <110>出願人氏名:岐阜大学長 <120>発明の名称:クロストリジウム・ビフェルメンタンスDPH−1由来 パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコ ードする遺伝子 <160>配列の数:1 <210>配列番号:1 <211>配列の長さ:核酸2117、アミノ酸366 <212>配列の型:核酸、アミノ酸 <213>起源:Clostridium bifermentansDPH− 1 <400>配列 cctccaaaca tttttaacgt acaggctttc gtgctaaatg caacaagcca aagtcagaag 60 tttggaaaga cgcaccatcg ttttgcaaaa cggtacgact ttccatgcag ttgctgaaaa 120 agcggaaaaa gagcggtacc gagtaatgcg ttatctcagt attaacctgg aacccaaaaa 180 aaagcccgaa cgggttgttc gggcttgtca atttattcgc tggctaatta ataatagcta 240 tcaatacgtc aacgaaaaat aaacgtgaca ataaaggcat ataacacgcg cagaatagcc 300 cgaacacact tcacttgtat aatttttatt ttatatattt accattccat acattcacca 360 caattatcat catttccgta gaattattcc tttaaggttt tacttaaggc gtaacaattc 420 atatttatcc ctttacggaa cttctccttt agcatgcttt tactccctac atgggtagtc 480 acaggttaat aaaaaaacta aaggattatt tca 513 ATG AAC AGA AAA GTA CTG GCT CTC GTA ATT CCT GCC CTG CTG GCT GCA 561 M N R K V L A L V I P A L L A A 16 GGC GCT GCT CAC GCG GCT GAA GTT TAT AAT AAA GAC GGC AAC AAA TTA 609 G A A H A A E V Y N K D G N K L 32 GAT CTC TAT GGC AAA GTA GAC GGC CTG CAT TAT TTC TCT GAT GAC GCT 657 D L Y G K V D G L H Y F S D D A 48 AAC AGT GAT GGC GAT CAG ACT TAT ATG CGT ATG GGC TTC AAA GGC GAA 705 N S D G D Q T Y M R M G F K G E 64 ACT CAG GTT AAC GAT ATG ATC ACC GGT TAC GGC CAG TGG GAA TAT CAG 753 T Q V N D M I T G Y G Q W E Y Q 80 GTT CAG GCT AAC GGC ACC GAA GGT GAT AAA GGC GAC TCC TGG ACT CGT 801 V Q A N G T E G D K G D S W T R 96 CTG GCA TTC GCA GGT ATT AAA GTC GGC GAC TAC GGC TCA TTC GAC TAC 849 L A F A G I K V G D Y G S F D Y 112 GGC CGT AAC TAC GGC GTA ATG TAC GAC GTT GAA GGC TGG ACC GAT ATG 897 G R N Y G V M Y D V E G W T D M 128 CTG CCG GAA TTC GGT GGC GAC TCT TAC ACC AAA GCA GAC AAC TTC ATG 945 L P E F G G D S Y T K A D N F M 144 ACC GGT CGT GCG AAC GGC GTG GCG ACC TAC CGT AAT ACC GAC TTC TTT 993 T G R A N G V A T Y R N T D F F 160 GGT CTG GTT GAC GGT CTG AAC GTG GCG TTG CAG TAT CAG GGC GCG AAC 1041 G L V D G L N V A L Q Y Q G A N 176 GAA AAT CAG TCA CCA GAG CAG GAA GGC ACC AAT AAC GGT GGC GAC GAT 1089 E N Q S P E Q E G T N N G G D D 192 CGT AAC ATG AAG AAC TCT AAC GGT GAC GGC TTC GGT ATC TCC TCG ACC 1137 R N M K N S N G D G F G I S S T 208 TAC GAT TTG GGT ATG GGT GTA AGC TTC GGT GCA GCA TAC ACC TCT TCT 1185 Y D L G M G V S F G A A Y T S S 224 GAC CGT ACT AAC GAG CAG GTT AAC GAT TCT ACC GCG GGT GGT GAT AAA 1233 D R T N E Q V N D S T A G G D K 240 GCT GAC GCG TGG ACA GTC GGT CTG AAA TAC GAC GCG AAC AAC ATC TAC 1281 A D A W T V G L K Y D A N N I Y 256 CTG GCA ACC ATG TAC TCC GAA ACC CGC AAC ATG ACC CCT TAT GGT GGC 1329 L A T M Y S E T R N M T P Y G G 272 TCA AAC GGT AGT GAT AAT ACG ATT GCC AAC AAA ACT CAG AAC TTT GAA 1377 S N G S D N T I A N K T Q N F E 288 GTG ACT GCG CAA TAC CAG TTC GAC TTC GGT CTG CGT CCG GAA GTT TCT 1425 V T A Q Y Q F D F G L R P E V S 304 TTC CTG ATG TCT AAA GGT AAG GAT CTG GGT GTA AAC GGA TCT GAT GGC 1473 F L M S K G K D L G V N G S D G 320 GAC CAG GAT CTG GTG AAA TAC GCA TCC GTA GGC GCT ACT TAC TAC TTC 1521 D Q D L V K Y A S V G A T Y Y F 336 AAC AAA AAC TTC TCC ACC TAC GTT GAT TAC AAA ATC AAC CTG CTG GAT 1569 N K N F S T Y V D Y K I N L L D 352 GAA GAT AAA AAC TTC TAC AGC CAA AAA CGA CAT CTC TAC CGA TGA 1614 E D K N F Y S Q K R H L Y R 366 cgtagtagca ctgggt 1630 atggtttacc agttctaatc cgtcagcccg ctggcaacag cgggctctct ttatgttcta 1690 acaattctgt tttatccaga tcaaaacatt atatctgttg cactaaaaca catctctgat 1750 agatgatatc ttgcattaag acctgtagta gaggatacct gcaatgaatc atcatcctgt 1810 aaaatcatcc cgtattgcat ccgtcggcta tgacgaatcc tcccgcacgc tagaaattcg 1870 ctttcaccag ttgtctactc tgcaatatca gcatgtccct gctcgtattt ttcgtgattt 1930 cctgagcgtc gtttctaaag gtcgatttta cgatggagta ataaaaggaa agtttcctga 1990 aataaaaata aagtgatgcc aaaatgtgat ctttgtcatt gtacataaag tgccattacg 2050 cggtaagctt tgggtggata cttaaacagg aggttttatg aacagaacga ttcttgtacc 2110 catcgat 2117
c【図面の簡単な説明】 【図1】 PCEの微生物による分解の経路を示した図
である。 【図2】 C.bifermentans由来PCEデ
ハロゲナーゼの精製過程における、SDS−PAGEの
結果を示した写真である。 【図3】 分子排除クロマトグラフィーで天然型のC.
bifermentans由来PCEデハロゲナーゼの
分子量を決定するための、検量線のグラフである。 【図4】 MALDI−TOF/MSを用いて、C.b
ifermentans由来PCEデハロゲナーゼの分
子量を解析した結果を示した図である。 【図5】 3種のPCEデハロゲナーゼの、アミノ末端
アミノ酸配列を比較した図である。 【図6】 種々の制限酵素によりC.bifermen
tans由来PCEデハロゲナーゼのゲノミックDNA
を分解し、アガロースゲル電気泳動及びサザンブロッテ
ィングを行った結果の写真である。 【図7】 pDEHAL5の制限酵素地図を示した図で
ある。 【図8】 C.bifermentans由来PCEデ
ハロゲナーゼの塩基配列及び推定アミノ酸配列を示した
図である。 【図9】 C.bifermentans由来PCEデ
ハロゲナーゼの推定アミノ酸配列の、ハイドロパシープ
ロットを示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 CHANG Young C et al.,Isolation and Characterization o f a Tetrachloroeth ylene Dechlorinati ng Bacterium,Clost ridium biferme,Jou rnal of Bioscience and Bioengineerin g,2000年,vol.89,no.5, 489−491 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 ZNA C12N 9/00 C12P 1/00 BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN) CAOLD(STN) CAPLUS(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下の(a)(b)または(c)に示す
    塩基配列からなることを特徴とする遺伝子。 (a)配列表の配列番号1の上段に示す、塩基番号1−
    2117で示される塩基配列からなることを特徴とす
    る、遺伝子。 (b)配列表の配列番号1の下段に示す、アミノ酸番号
    1−366で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
    ドをコードすることを特徴とする、遺伝子。 (c)テトラクロロエチレンの脱塩素反応を触媒するポ
    リペプチドをコードし、(a)の塩基配列の10個以下
    が欠失、置換若しくは付加された、遺伝子。
JP2000202729A 2000-07-04 2000-07-04 クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子 Expired - Lifetime JP3477515B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000202729A JP3477515B2 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000202729A JP3477515B2 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002017358A JP2002017358A (ja) 2002-01-22
JP3477515B2 true JP3477515B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=18700218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000202729A Expired - Lifetime JP3477515B2 (ja) 2000-07-04 2000-07-04 クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3477515B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105462869A (zh) * 2014-08-07 2016-04-06 马前 双酶梭菌及其用途及纳米金属硫化物的制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4530196B2 (ja) * 2003-08-19 2010-08-25 パナソニック環境エンジニアリング株式会社 汚染物に含有されたテトラクロロエチレンを分解する方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHANG Young C et al.,Isolation and Characterization of a Tetrachloroethylene Dechlorinating Bacterium,Clostridium biferme,Journal of Bioscience and Bioengineering,2000年,vol.89,no.5,489−491

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105462869A (zh) * 2014-08-07 2016-04-06 马前 双酶梭菌及其用途及纳米金属硫化物的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002017358A (ja) 2002-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
van den Wijngaard et al. Degradation of 1, 2-dichloroethane by Ancylobacter aquaticus and other facultative methylotrophs
Liu et al. Degradation of aniline by newly isolated, extremely aniline-tolerant Delftia sp. AN3
Peters-Wendisch et al. Pyruvate carboxylase from Corynebacterium glutamicum: characterization, expression and inactivation of the pyc gene
Nagata et al. Cloning and sequencing of a dehalogenase gene encoding an enzyme with hydrolase activity involved in the degradation of gamma-hexachlorocyclohexane in Pseudomonas paucimobilis
Junca et al. Functional gene diversity analysis in BTEX contaminated soils by means of PCR‐SSCP DNA fingerprinting: comparative diversity assessment against bacterial isolates and PCR‐DNA clone libraries
Jun et al. Construction of hybrid biphenyl (bph) and toluene (tod) genes for functional analysis of aromatic ring dioxygenases
Dehmel et al. Cloning, nucleotide sequence, and expression of the gene encoding a novel dioxygenase involved in metabolism of carboxydiphenyl ethers in Pseudomonas pseudoalcaligenes POB310
WO1998031816A1 (en) Dna molecules and protein displaying improved triazine compound degrading ability
JP4528624B2 (ja) アルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子
Liu et al. A new isolate of Pseudomonas stutzeri that degrades 2-chloronitrobenzene
Danganan et al. Nucleotide sequence and functional analysis of the genes encoding 2, 4, 5-trichlorophenoxyacetic acid oxygenase in Pseudomonas cepacia AC1100
Shepherd et al. Novel carbazole degradation genes ofSphingomonasCB3: sequence analysis, transcription, and molecular ecology
Huong et al. Diversity of 2, 4-dichlorophenoxyacetic acid (2, 4-D) and 2, 4, 5-trichlorophenoxyacetic acid (2, 4, 5-T)-degrading bacteria in Vietnamese soils
Zhang et al. A novel and complete gene cluster involved in the degradation of aniline by Delftia sp. AN3
Wintermeyer et al. Sequence determination and mutational analysis of the lly locus of Legionella pneumophila
Ferreira et al. Genes involved in the methyl tert-butyl ether (MTBE) metabolic pathway of Mycobacterium austroafricanum IFP 2012
IL122801A (en) Detection and biodegradation of explosives
Sode et al. Glu742 substitution to Lys enhances the EDTA tolerance of Escherichia coli PQQ glucose dehydrogenase
JP3477515B2 (ja) クロストリジウム・ビフェルメンタンスdph−1由来パークロロエチレン脱ハロゲン化酵素、当該酵素のポリペプチド、当該酵素をコードする遺伝子
Laplace et al. Cloning, characterization and expression of an Enterococcus faecalis gene responsive to heavy metals
CN108441503B (zh) 麦草畏中间产物3,6-二氯龙胆酸脱氯酶DsmH2及其编码基因的应用
WO2006017576A2 (en) Microbial reductive dehalogenation of vinyl chloride
García-Valdés et al. Polyphasic characterization of Pseudomonas stutzeri CLN100 which simultaneously degrades chloro-and methylaromatics: a new genomovar within the species
Kleinsteuber et al. Detection of chlorocatechol 1, 2‐dioxygenase genes in proteobacteria by PCR and gene probes
US7867741B2 (en) Polypeptides having an activity in the MTBE degradation path and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3477515

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term