JP3477271B2 - 加圧水型原子炉の硼酸水注入設備 - Google Patents

加圧水型原子炉の硼酸水注入設備

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JP3477271B2 JP10585995A JP10585995A JP3477271B2 JP 3477271 B2 JP3477271 B2 JP 3477271B2 JP 10585995 A JP10585995 A JP 10585995A JP 10585995 A JP10585995 A JP 10585995A JP 3477271 B2 JP3477271 B2 JP 3477271B2
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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉設備に関し、特
に加圧水型原子炉における硼酸水の注入設備に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、加圧水型原子炉のように軽水を
冷却材とする軽水冷却型原子炉において、緊急時に原子
炉内の中性子を吸収するため、原子炉容器内に硼酸水を
注入する設備が設けられている。これを加圧水型原子炉
を例にして説明するが、まずその原子炉一次冷却材の循
環系について説明すると、図5の概念図において、原子
炉容器1は、高温配管3を介して蒸気発生器5に、低温
配管7を介して冷却材ポンプ9にそれぞれ連絡し、これ
ら蒸気発生器5と冷却材ポンプ9はクロスオーバ配管1
1を介して互いに連絡し、全体として冷却材の循環ルー
プを形成している。図示のものは、2ループ型のもの
で、原子炉出力の大小に応じてループ数が変わるもので
ある。図において、炉心13で加熱された一次冷却材
が、原子炉容器1を出て蒸気発生器5に入り、ここで、
図示しない二次系を流れて蒸気発生器5に入った給水に
熱を伝えて、蒸気を発生せしめる。低温になって蒸気発
生器5を出た一次冷却材は、冷却材ポンプ9によって原
子炉容器1に戻される。硼酸水注入設備は、給水及び発
生蒸気が流れる二次系に破断事故等が発生したときに原
子炉容器1内に高濃度の硼酸水を注入するもので、連結
管15を介して低温配管7(所謂コールドレグ配管)に
連絡している。
【0003】連結管15に連絡した従来の硼酸水注入設
備は、図6に示されるように、全体として、原子炉格納
容器16の外側に位置していて、硼酸注入タンク17,
高圧ポンプ19、硼酸タンク21及び複数の弁23,2
5から構成されている。そして、前述の二次系に破断事
故が発生すると、図示しない計装系からの信号を受けて
高圧ポンプ19が起動し、硼酸注入タンク17中の硼酸
水を連結管15を通じて原子炉一次冷却材循環系、究極
的には原子炉容器1の中に押し込んでいる。なお、原子
炉容器1を含む前述の一次冷却材循環系(図5)は、原
子炉格納容器16の内側に設けられている。
【0004】原子炉の安全保護装置に関連し、複雑な弁
配置やポンプを使用しない冷却装置の保護装置が提案さ
れている。例えば、特公昭58−27475号公報に
は、原子炉冷却材循環系に破断等が生じたときにも原子
炉炉心に冷却材を供給し続けて保護する冷却装置のため
の保護装置が開示されている。その構成及び作用を概説
すると、高温高圧の水及び蒸気を収容した貯蔵容器を冷
却材循環系に設けたインゼクタ装置に接続し、冷却材循
環系のどこかに破断が生じて系の圧力が低下するとイン
ゼクタ装置内へ水及び蒸気が駆動流体として噴出し、冷
却材の循環流を正常な方向に維持し、原子炉容器内へ冷
却材を供給し続ける。この構成では、貯蔵容器内にもと
もと在った蒸気及び作動開始後に減圧沸騰により生じた
蒸気が冷却材循環系に流入し、一方冷却材循環系の破断
箇所からは圧力が逃げるので、その流入は貯蔵容器内が
実質的に空になるまで続く。
【0005】更に又、特開昭63−3294号公報に
は、加圧水型原子炉の一次冷却材循環系に破断が生じ、
そこから冷却材が流出して引き起こされる冷却材喪失事
故の際に、弁やポンプを使用せず、減圧沸騰を利用して
低温冷却材を原子炉炉心に注入するようにした「原子炉
及びその受動安全系」と題する発明が開示されている。
その構成及び基本的作用を概説すると、原子炉炉心を通
る一次冷却材の流通空間を画成する中間流れ容器を設
け、更にこれを囲んで圧力容器を設け、その圧力容器と
中間流れ容器の間の環状室の中に補給冷却材を貯留す
る。その補給冷却材の大部分は、外部から冷却される構
成になっていて、他方上方に位置する補給冷却材の一部
は、原子炉容器へ戻る低温配管内の一次冷却材によって
相対的に高い温度に保持されるようになっている。その
環状空間と中間流れ容器内の炉心空間とは、連通されて
いて、破断により炉心内の圧力が低下すると、環状室内
の補給冷却材が炉心内にスプレイされる。環状室からの
補給冷却材の注出が始まると、減圧が始まり相対的に高
温の環状室内上部部分が減圧沸騰し、発生蒸気圧により
補給冷却材は炉心へ押し出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような硼酸注入
タンク及びその回りの複雑な配置の弁を持つ従来の硼酸
水注入設備には、次のような問題があった。即ち (i) ポンプを使用するため注入量がポンプ容量により制
限を受け、大流量の注入ができなかった。 (ii) 高圧ポンプは、電動機駆動であるため、停電の場合
には注入不能となり、安全上問題が生ずる恐れがあっ
た。 (iii) ポンプの起動に時間がかかり、迅速な注入が困難
であった。 (iv) 更に、硼酸注入タンクは、所定濃度の硼酸水を所定
量注入に備えて蓄えておくものであるが、その回りに弁
23,25の複雑な配置が必要となり、これらの弁の保
守の必要上原子炉格納容器の外側に配置せざるを得な
い。このため、格納容器の内側にある原子炉一次冷却材
循環系へは、長い連結管を通って硼酸水を流すので、迅
速な注入が困難であった。特に、前述のポンプの起動遅
延とも重なり、有効硼酸量の全量添加には、かなりの時
間を要していた。
【0007】このような問題の解決に、特公昭58−2
7475号の保護装置の考え方を適用しようとすると、
次のような問題が生ずる。即ち、この保護装置は、冷却材
循環系それ自体に破断等の漏洩箇所が生じ、内部流体が
漏出し続ける状態では、所期の作用が得られるのである
が、原子炉炉心を直接流れる一次冷却材の循環系(一次
系)と、給水及び蒸気が流れる二次冷却材の循環系(二
次系)とが圧力境界を介して組み合わされている加圧水
型原子炉における二次系破断に対応する硼酸水注入設備
では、うまく機能しない。即ち、一次系に破断がなく、
二次系に破断が生じた場合、熱交換作用の促進等により
一次冷却材の温度及び圧力が低下するが、一次系破断時
に比しその圧力がなお高く推移し、発生蒸気がそのまま
一次系に注入されることになり、この蒸気が凝縮され
ず、必要量の硼酸水を注入することができない。詳言す
れば、二次系が破断している場合は、破断側ループでの
自然循環量増大により炉内上部プレナムの圧力が低下
し、健全側ループでの冷却材流れ方向が逆転するか又は
その傾向が強くなり、本注入設備の性格上、安全を見て
一次系の自然循環流量は見込めず、従って注入された蒸
気は、注入先の低温配管内での冷却材しか蒸気凝縮に寄
与すると評価できない。その場合、未凝縮蒸気によって
一次系圧力が貯蔵容器(硼酸注入タンク)内の減圧沸騰
圧力にまですぐに上昇し、注入できなくなる。
【0008】又、特開昭63−3294号のものでも、
二次系の破断事故に対応した硼酸水注入設備に応用する
には、次のような難がある。即ち、減圧沸騰部の加熱源
として原子炉容器へ戻る低温配管内の一次冷却材を利用
しているので、加熱温度が制限され、作動圧力も低くな
らざるを得ない。このため、その明細書に記載されたよ
うに炉心圧力がかなり下がる冷却材喪失時には良好に作
動し得ても、二次系破断事故特に小規模破断事故時に
は、必要量の硼酸水を注入できない。従って、ポンプや
複雑な弁配置を使用せずに二次系の破断、特に小規模破
断のときにおいても、必要量の硼酸水を確実に一次系に
注入できる加圧水型原子炉の硼酸水注入設備が求められ
ている。本発明は、かかる事情に鑑み為されたもので、
必要量の硼酸水を確実に一次系即ち一次冷却材循環系に
注入できる加圧水型原子炉の硼酸水注入設備を提供する
ことを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明による加圧水型原子炉の硼酸水注入設備は、
竪型加圧タンク、同加圧タンクの底部出口を加圧水型原
子炉の一次冷却材循環系に連絡すると共に逆止弁を備え
た連結管、前記加圧タンクの上部に設けたヒータを含む
温度調節装置、前記加圧タンクの上部外面及び下部外面
をそれぞれ覆う第1及び第2の断熱被覆層並びに前記加
圧タンクの内部に充填され前記一次冷却材循環系の運転
圧力以下の所定圧力、例えば約158ata 乃至135at
a 、に加圧された硼酸水から成っており、前記第1及び
第2の断熱被覆層に挟まれた前記加圧タンクの外面の中
間部を放熱部とし、それより上方の硼酸水を高温、例え
ば約330℃に、それより下方の硼酸水を低温、例えば
約280℃にそれぞれ維持することを特徴とする。そし
て、前記圧力の維持を便ならしめるため、逆止弁を迂回
してバイパス弁を連結管に付設し、又加圧タンクの中に
底部開口を覆って整流装置が設けられる。硼酸水の濃度
は、加圧タンク下部の比較的低温の硼酸水が原子炉炉心
内に注入されたときに必要な反応度抑制(炉心再臨界防
止)が十分達成される値になっている。
【0010】
【作用】前記した構成において、加圧水型原子炉の給水
や蒸気が流れる所謂二次系に破断が生ずると、その影響
が及んで一次冷却材循環系の圧力が低下する。この圧力
低下に応答して逆止弁が開き、先ず加圧タンク内の下部
の低温硼酸水が圧力差に基づいて連結管を通って一次冷
却材循環系所謂一次系に流入する。この硼酸水は、冷却
材と一緒に原子炉炉心に達し、反応度を抑制する。この
低温硼酸水の加圧タンクからの流出即ち注入が続くと、
加圧タンク内部の圧力が低下し、上方の高温硼酸水が減
圧沸騰し、温度に対応した蒸気圧力を形成し、この圧力
で下部の低温硼酸水を更に押し出し、一次系へ注入す
る。そして最終的には、蒸発してできた蒸気と高温硼酸
水の混合した2相流が底部出口及び逆止弁を通って一次
系に注入される。整流装置は、高温硼酸水の自己蒸発に
よって流動する加圧タンク内からの硼酸水流を整流し、
渦等の発生を防止し一様流での注入を達成する。バイパ
ス弁は、何らかの理由で加圧タンク内の圧力が低下した
ときに開かれ、一次系の高圧流体を加圧タンク内に導入
し、加圧タンク内の圧力を所定値に保つ。加圧タンク内
の圧力が一次系の圧力より高くなったときは、逆止弁が
開いて高圧硼酸水が加圧タンクから流出し、その圧力を
所定値に保つ。
【0011】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。図1において、内径約2mで容量が10m3
の円筒形の容器である加圧タンク31が縦置きに設置さ
れ、その底部出口33から延びた連結管即ち注入配管3
5が、図示しない加圧水型原子炉の一次系、具体的には
冷却材が原子炉容器へ戻る低温配管、に連絡している。
注入配管35には、逆止弁37が設けられ、更にこれを
迂回してバイパス弁39が設けられている。
【0012】加圧タンク31の下部の外面は、例えば、
ロックウールなどの保温材を10cmの厚さに積層した断
熱被覆層41で覆われ、その内部には、底部出口33を
覆って整流装置43が設けられている。整流装置43
は、半球殼状の多孔板からできていて、穴の径、個数、
配置は、加圧タンク31の形状(注入配管35と加圧タ
ンク31の内径との比)などを考慮し、適宜決定され
る。同様に加圧タンク31の上部外面は、ロックウール
等の保温材を10cmの厚さに積層した断熱被覆層45で
覆われ、その内部には、加熱ヒータ47が設けられてい
る。加熱ヒータ47は、図示のように加圧タンク31の
内部に突出して設けてもよいが、ヒートトレースとして
外面に添設してもよい。以上の説明から容易に推定でき
るように、加圧タンク31の外面には、断熱被覆層4
1,45の間に挟まれて比較的薄い保温材で覆われた中
間部49が形成される。本実施例においては、上方の高
温硼酸水の温度を約330℃とし、下方の低温硼酸水の
温度を約280℃にするように加熱ヒータ47の加熱容
量及び中間部49の放熱容量が設定されるが、中間部4
9の保温材を無くし、又は適宜な冷却促進手段を中間部
49に設けてもよい。なお、加圧タンク31内には、硼
酸水51が満水状態になるように充填され、その圧力
は、一次系の運転圧力である約158ata と硼酸水の温
度330℃の飽和圧力である135ata の間に保持され
る。
【0013】硼酸水51の硼素濃度及び量は、炉心の再
臨界を防止し得るように設定されるが、これを図2を参
照して説明すると、高温全出力時の一次冷却材硼素濃度
は、線Iのごとく炉心寿命初期から末期に向かって減少
するように制御され、二次系小破断時の再臨界防止(制
御棒挿入)硼素濃度は、線IIのごとく変化する。従っ
て、線IIと線Iとの差が再臨界防止必要硼素注入量であ
り、これを満足するように前記諸元が設定される。
【0014】前記した構成の実施例において、加圧水型
原子炉が正常に運転されている間は、一次系の圧力は約
158ata に維持され、仮に硼酸水51の圧力がそれ以
上になれば(加熱等により)、逆止弁37が開き、硼酸
水51の一部がそれを通って逃れ、その圧力も約158
ata 以下に維持される。図示されていないが、加圧タン
ク31には、圧力検出器が設けられていて、硼酸水51
の圧力が135ata 以下になると、図示しない制御器に
よりバイパス弁39を開く。こうすると、一次系の高圧
冷却材がそこを通って加圧タンク31内に流入し、昇圧
する。硼酸水51の圧力が約158ata に戻れば、パイ
パス弁39は閉じられる。
【0015】何らかの原因で二次系に破断が生ずると、
その影響が及んで一次系の圧力が低下する。その例を図
3に示す。図3において曲線IIIは、二次系小破断時の
圧力変化の例であり、曲線IVは、二次系大破断時の圧力
変化の例である。一般的に、大破断時の方が圧力低下の
度合いが大きい。
【0016】次に加圧タンク31から一次系への硼酸水
の注入状態をシミュレーションの結果で示す。シミュレ
ーションの条件は、加圧タンク31の内径が2mで容量
が10m3、硼酸水51の上部の高温部の温度が330
℃、下部の低温部の温度は280℃、及び注入配管35
の内径が4B (101.6mm)であり、硼酸水51の高
温部初期容量を3m3,4m3,5m3と変化させ、中間部
(温度330℃〜280℃)を無視している。この結果
は、図4に示されている。図4において、曲線Vは、二
次系の主蒸気管が破断したときの一次冷却材循環系の圧
力の変化を示し、曲線VIa、VIIa,VIIIaは、それぞ
れ高温部容量が5m3,4m3,3m3のときの加圧タンク3
1内の圧力変化を示している。曲線VIb,VIIb,VIII
bは、前述の圧力変化にそれぞれ対応して、硼酸水51
の注入流量の変化を示している。そして、一次冷却材循
環系の圧力は、40秒後に約70ata まで下がり、注入
は、一次系圧力が131ata (約10秒後)から始ま
り、60〜80秒後に終わる。
【0017】これらの曲線が示すように、高温部初期容
量が多いと、減圧沸騰量が多いから、これによる注入駆
動力が大きくなることが分かる。なお、高温部の初期容
量が5m3の場合は、約45秒以降、4m3の場合でも約5
5秒以降は上部高温部の硼酸水が注入されることにな
り、注入配管35を流れる際の抵抗が大きくなるが、そ
の効果は図示していない。いずれにせよ、必要とされる
硼酸水注入量に応じ、上部高温部の容量をタンク容量の
30〜50%の間で選べば、要求硼酸注入量(硼酸水濃
度×硼酸水量)を満足することが可能となる。以上のシ
ミュレーション結果から分かるように、一次系の圧力が
70ata までしか下がらなくても、減圧沸騰により加圧
タンク内に樹立される蒸気圧力により必要な硼酸水量が
十分に一次系に注入される。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、加圧水型原子炉の一次系に、二次系破断による
圧力低下が生じたとき、高温部硼酸水の減圧沸騰による
蒸気圧により低温硼酸水を一次系にスムーズに注入する
ことができる。請求項2の本発明によれば、一次系の圧
力が70ata に下がっても低温硼酸水は蒸発しないの
で、注入硼酸水は水単相で連結配管の中を流れ、流動抵
抗が小さく注入を円滑に行うことができる。更に、請求
項3の発明によれば、加圧水型原子炉の一次冷却系の圧
力をバイパス弁の開放により加圧タンク内に導入できる
ので、加圧タンク内の不慮の減圧による減圧沸騰を防止
でき、硼酸水注入設備の正常な作動を容易に確保でき
る。更にまた、請求項4の発明によれば、加圧タンクの
出口の渦の発生を防止し、低温硼酸水と高温硼酸水の混
合流出を防止し、注入を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概念図である。
【図2】前記実施例の説明図である。
【図3】前記実施例が使用される加圧水型原子炉の一次
冷却材循環系の事故時の圧力変化の例を示す説明図であ
る。
【図4】前記実施例の作用説明図である。
【図5】本発明が適用される加圧水型原子炉の一次冷却
材循環系の概念的系統図である。
【図6】従来装置の概念的系統図である。
【符号の説明】
31 加圧タンク 33 底部出口 35 注入配管 37 逆止弁 41 断熱被覆層 43 整流装置 45 断熱被覆層 47 加熱ヒータ 49 中間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型加圧タンク、同加圧タンクの底部出
    口を加圧水型原子炉の一次冷却材循環系に連絡すると共
    に逆止弁を備えた連結管、前記加圧タンクの上部に設け
    たヒータを含む温度調節装置、前記加圧タンクの上部外
    面及び下部外面をそれぞれ覆う第1及び第2の断熱被覆
    層並びに前記加圧タンクの内部に充填され前記一次冷却
    材循環系の運転圧力以下の所定圧力に加圧された硼酸水
    から成り、前記第1及び第2の断熱被覆層に挟まれた前
    記加圧タンクの外面の中間部を放熱部とし、前記中間部
    より上方にある前記硼酸水を高温に、前記中間部より下
    方にある前記硼酸水を低温にそれぞれ維持することを特
    徴とする加圧水型原子炉の硼酸水注入設備。
  2. 【請求項2】 硼酸水の圧力を約158ata 、前記硼酸
    水の上方部分の温度を約330℃、前記硼酸水の下方部
    分の温度を約280℃にそれぞれ維持することを特徴と
    する請求項1記載の加圧水型原子炉の硼酸水注入設備。
  3. 【請求項3】 連結管に逆止弁を迂回するバイパス弁を
    付設し、加圧タンク内の減圧時に同バイパス弁を開いて
    一次冷却材循環系の圧力を前記加圧タンクに導入するこ
    とを特徴とする請求項1記載の加圧水型原子炉の硼酸水
    注入設備。
  4. 【請求項4】 加圧タンク内に底部出口を覆って整流装
    置を設けたことを特徴とする請求項1記載の加圧水型原
    子炉の硼酸水注入設備。
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